説明

物品移載装置および物品移載方法

【課題】箱体への物品の投入時に、物品が箱体の外にこぼれ落ちることを防止できる物品移載装置および物品移載方法を提供する。
【解決手段】箱体17の収納容積の種別を箱センサ36,37により判別し、箱体17に既に収納されている物品16の体積を、箱体17の上方に位置した距離センサ35により検出されるデータにより求め、箱体17内の物品16の容積が箱体17の収納容積の一定の比率以上のとき、ベルト送り装置28によるベルト体27の送り出しが終了する前にチェーン駆動モータ24を駆動してチェーン23a,23bの移動を開始し、それに伴うベルト体27の一方の端辺部27aの周回を開始する。これにより、ベルト体27が箱体17内の一定の比率以上の物品16の上に載ることに起因して、ベルト体27に支持された物品16が箱体17の外部に放り出されることが回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を一旦貯留し、貯留した物品を箱体に対して投入する物品移載装置および物品移載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物品移載装置および物品移載方法が特許文献1に開示されている。
この物品移載装置は、ピッキング設備に備えられ、ピッキング設備において箱体(物品集品容器)を連続搬送する主搬送経路の上方に配置されている。
物品移載装置は、物品が投入される箱形状の本体部と、本体部の箱体の搬送方向と平行な各側面内面の4隅にそれぞれ回転自在に配置された輪体と、前記各側面の4つの輪体にそれぞれ張設された一対の索体と、輪体の少なくとも一つを駆動することにより一対の索体を移動させる駆動装置と、箱体の搬送方向とは直角な左右方向の一方の端辺部が一対の索体に固定され、物品を一旦貯留するとき、箱体の搬送方向の上流側本体部の側面、本体部の底面、および搬送方向の下流側本体部の側面に渡って配置され、一方の端辺が下流側本体部の側面に位置し、物品を箱体に投入するとき、駆動装置による一対の索体の移動に伴って移動される矩形状のベルト体と、上流側本体部の側面位置に配置され、物品を一旦貯留するとき、ベルト体の他方の端辺部を挟み、物品を箱体へ投入するとき、ベルト体の他方の端辺部を送り出すベルト送り装置を備えている。
【0003】
上記構成により実施される物品移載方法の手順は以下の通りである。
本体部へピッキングされた物品が投入されると、投入された物品はベルト体で受け止められる。主搬送経路に沿って、箱体が搬送されて物品移載装置に近づき、箱体の先端が本体部の上流位置へ移動されてくると、搬送方向上流側に配置されたベルト送り装置によりベルト体の他方の端辺部が下方へ送り出され、ベルト体の中央部が箱体に下降される。続いて、箱体の移動に伴って、ベルト送り装置によりベルト体の他方の端辺部が外れて、ベルト体は中央部に物品を保持した状態で箱体内に着地する。続いて、駆動装置により索体が移動されて、搬送方向下流側に位置するベルト体の一方の端辺から周回されると、物品からベルト体が引き抜かれて、物品が箱体内へ移載される。そして、ベルト体の一方の端辺部が元の下流側本体部の側面へ戻され、ベルト送り装置によりベルト体の他方の端辺部が挟み込まれる。
このような物品移載装置および物品移載方法によれば、ベルト体に貯留された物品は徐々に、ベルト体に支持されて箱体へ到達するため、落下時に損傷しやすい物品の移載が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−35310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の物品移載装置および物品移載方法では、箱体内に既に物品が積載されている状態であると、箱体への物品の投入時に、ベルト体が物品の上に載って余ってしまい、箱体の縁にベルト体が垂れかかる等の状態が発生し、物品からベルト体が引き抜かれる際、物品が箱体の外にこぼれて落ちてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、箱体への物品の投入時に、物品が箱体の外にこぼれ落ちることを防止できる物品移載装置および物品移載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、移載する物品が投入される投入口を有し、下方が開放された箱状の本体部と、前記本体部の対向する側面の内面に沿ってそれぞれ周回する一対の索体と、前記一対の索体に一方の端辺部が固定され、前記投入口から投入された物品を一旦貯留するベルト体と、前記ベルト体の他方の端辺部を挟持し、送り出すベルト送り装置と、前記物品を移載する箱体が、予め設定された投入位置に到着すると、前記ベルト送り装置を駆動して、このベルト送り装置により挟持されたベルト体の他方の端辺部を送り出し、ベルト体に貯留された物品の前記箱体へ移載を行い、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了すると、前記一対の索体を駆動して、前記一対の索体により前記ベルト体を周回し、前記ベルト体の他方の端辺部が前記ベルト送り装置まで周回してくると、ベルト送り装置により、前記ベルト体の他方の端辺部を挟持する制御装置を備えた物品移載装置であって、前記制御装置には、予め、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了する前に前記一対の索体の駆動を開始する駆動開始時間が設定され、前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さを確認し、この物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上であることを確認すると、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より駆動開始時間が経過すると、前記一対の索体の駆動を開始することを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より前記駆動開始時間が経過すると、ベルト体の送り出しが終了する前に一対の索体の駆動が開始され、それに伴うベルト体の一方の端辺部の周回が開始される。
これにより、物品を貯留しているベルト体の底部が、一定の比率以上に収納されている箱体内の物品に載り、ベルト送り装置により最終的に送り出されるベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かるより早く、一対の索体の周回によりベルト体を持ち上げることが可能となる。よって、ベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かった状態でベルト体が持ち上げられることによって、ベルト体に支持された物品が箱体の外部に放り出されることが回避される。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記制御装置には、前記駆動開始時間は、前記箱体の物品の収納容積に応じて予め設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
箱体の物品の収納容積が大きいと、一定比率で収納されている物品と物品移載装置との間の距離が短くなり、ベルト体を早く持ち上げないと、ベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かり、ベルト体に支持された物品が箱体の外部に放り出される恐れがある。これに対して、箱体の物品の収納容積が小さいと、一定比率で収納されている物品と物品移載装置との間の距離が長くなり、早くベルト体を持ち上げすぎると、ベルト体に貯留されていた物品が高い位置から箱体内に投入され、物品が破損する恐れがでてくる。したがって、箱体の物品の収納容積と、一定比率により、この比率における箱体内の物品の高さを求め、収納されている、最も高い位置の物品と物品移載装置との距離を求めて、箱体の物品の収納容積毎に、前記駆動開始時間を決めている。
【0011】
上記構成によれば、制御装置は、箱体の物品の収納容積により、予め設定された駆動開始時間を選択して、前記一対の索体の駆動を開始することにより、物品を外に放り出すことなく、且つ物品が高い位置から落下して物品が破損する恐れが回避される。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記箱体内に既に収納されている物品の高さを求める物品高さ検出手段を備え、前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記物品高さ検出手段からのデータにより前記箱体内に既に投入されている物品の体積または高さを確認することを特徴とするものである。
上記構成によれば、物品高さ検出手段からのデータにより箱体内に既に収納されている物品の高さが確認される。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、既に投入された物品の種類と数量により、箱体内に既に収納されている物品の体積または高さを確認することを特徴とするものである。
上記構成によれば、既に投入された物品の種類と数量により箱体内に既に収納されている物品の体積または高さが確認される。
【0014】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記箱体の高さを検出することにより箱体の物品の収納容積または収納スペースの高さを検出する箱体検出手段を備え、前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記箱体検出手段からのデータにより前記箱体の収納容積または収納スペースの高さを確認することを特徴とするものである。
上記構成によれば、箱体容積検出手段からのデータにより箱体の収納容積または収納スペースの高さが確認される。
【0015】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記制御装置には、物品を投入する箱体の順に、箱体の収納容積または収納スペースの高さが記憶され、前記物品の移載開始前に、記憶した前記箱体の収納容積または収納スペースの高さを確認することを特徴とするものである。
上記構成によれば、記憶した順に箱体の収納容積または収納スペースの高さが確認される。
【0016】
また請求項7に記載の発明は、移載する物品が投入される投入口を有し、下方が開放された箱状の本体部と、前記本体部の対向する側面の内面に沿ってそれぞれ周回する一対の索体と、一対の索体に一方の端辺部が固定され、前記投入口から投入された物品を一旦貯留するベルト体と、ベルト体の他方の端辺部を挟持し、送り出すベルト送り装置を備え、前記物品を移載する箱体が、予め設定された投入位置に到着すると、前記ベルト送り装置を駆動して、このベルト送り装置により挟持されたベルト体の他方の端辺部を送り出し、ベルト体に貯留された物品の前記箱体へ移載を行い、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了すると、前記一対の索体を駆動して、前記一対の索体により前記ベルト体を周回し、前記ベルト体の他方の端辺部が前記ベルト送り装置まで周回してくると、ベルト送り装置により、前記ベルト体の他方の端辺部を挟持する物品移載方法であって、予め、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了するまでに前記一対の索体の駆動を開始する駆動開始時間が設定され、前記物品の移載開始前に、前記箱体内に既に投入されている物品の体積又は高さを確認し、この物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上であることを確認すると、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より前記駆動開始時間が経過すると、前記一対の索体の駆動を開始することを特徴とするものである。
【0017】
上記方法によれば、箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より駆動開始時間が経過すると、ベルト体の送り出しが終了する前に一対の索体の駆動が開始され、それに伴うベルト体の一方の端辺部の周回が開始される。これにより、箱体へ物品を投入した際、物品を貯留しているベルト体の底部が、一定の比率以上に収納されている箱体内の物品に載り、ベルト送り装置により最終的に送り出されるベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かるより早く、一対の索体の周回によりベルト体が持ち上げられる。
よって、ベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かった状態でベルト体が持ち上げられることによって、ベルト体に支持された物品が箱体の外部に放り出されることが回避される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の物品移載装置または物品移載方法によれば、箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より駆動開始時間が経過すると、ベルト体の送り出しが終了する前に一対の索体の駆動が開始され、それに伴うベルト体の一方の端辺部の周回が開始されることにより、物品を貯留しているベルト体の底部が、一定の比率以上に収納されている箱体内の物品に載り、ベルト送り装置により最終的に送り出されるベルト体の他方の端辺部が箱体の縁部に掛かるより早く、一対の索体の周回によりベルト体を持ち上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における物品移載装置の構成を示す斜視図である。
【図2】同物品移載装置の制御構成図である。
【図3】同物品移載装置のフローチャートである。
【図4】同物品移載装置のフローチャートである。
【図5】同物品移載装置のフローチャートである。
【図6】同物品移載装置の動作説明図である。
【図7】同物品移載装置の動作説明図である。
【図8】同物品移載装置の動作説明図である。
【図9】同物品移載装置の動作説明図である。
【図10】同物品移載装置の利用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明の実施の形態における物品移載装置の構成を示す。
この物品移載装置11は、投入装置12と、送込みコンベヤ装置13と、センサ装置14とから構成されている。
【0021】
[投入装置12] 投入装置12は、移載する物品16が投入される投入口21を正面に有し、下方が開放された箱状の本体部19(装置本体)を備え、物品16が投入(移載)される箱体17を搬送する搬送コンベヤ装置15の上方に、この本体部19が配置され、また本体部19の底部が搬送される箱体17に接近するように配置されている。
搬送コンベヤ装置15による箱体17の搬送方向(以下、単に「搬送方向」と称す)と平行な本体部19の内部における各側面部には、それぞれ、四隅に、スプロケット22が回転自在に配置されている。四つのスプロケット22は、両側面部において互いに対向して配置され、それぞれ対をなしている。
【0022】
各側面部のスプロケット22には、それぞれ、チェーン23a,23bが対をなして縦方向に張設されている(一対の索体の一例)。またこれら四対のスプロケット22のうち、一対のスプロケット22aは、ドライブシャフト25により連結され、回転軸にサーボモータからなるチェーン駆動モータ24が連結されている。このチェーン駆動モータ24の駆動により、一対のチェーン23a,23bが一定経路を移動して、本体部19の対向する側面の内面に沿ってそれぞれ周回する。
【0023】
また1本の細長い形状(例えば、棒状)シャフト26が、一対のチェーン23a,23bの周回方向と直角をなして設けられ、このシャフト26の両端がそれぞれ、前記一対のチェーン23a,23bに連結されている。このシャフト26に、合成樹脂シートからなり、本体部19の投入口21から投入された物品16を一旦貯留する矩形状のベルト体27の一方の端辺部27aが固定されている。
【0024】
また本体部19において、搬送方向の上流側の部分には、ベルト体27の他方の端辺部27bを挟持し、ベルト体27を送り出すベルト送り装置28が設けられている。
このベルト送り装置28は、ベルト体27を送り出す送りローラ28aと、送りローラ28a側へベルト体28を押付ける押圧ローラ28bとを備え、送りローラ28aが停止されているとき、送りローラ28aと押圧ローラ28bによりベルト体27が移動しないように挟持し、送りローラ28aを駆動することによりベルト体27を送り出す構成とされている。押圧ローラ28bは、圧縮ばねにより送りローラ28a側に付勢されたアームに回転自在に支持されている(図示せず)。
【0025】
前記ベルト体27は、通常の重量の物品16を一旦貯留するとき、本体部19の搬送方向における上流側の部分、本体部19の底部、本体部19の搬送方向における下流側の部分に渡って配置され、一方の端辺部27aが、搬送方向の下流側の部分で、本体部19の底部に近い位置で、シャフト26を介して一対のチェーン23a,23bに固定され、他方の端辺部27bが、送りローラ28aと押圧ローラ28bにより移動しないように挟持されている。このとき、ベルト体27は、送りローラ28aと押圧ローラ28bの上方に、ベルト体27の全長の3分の1程度(一定の比率の一例)が残っており、ベルト送り装置28は、通常の重量の物品16を一旦貯留するとき、このベルト体27の全長の3分の1程度の部分を残して挟持しており、物品16を移載するとき、この残した部分を送り出す。
【0026】
この状態のシャフト26の位置(第1原点位置)を検出するために、光電スイッチと反射板からなる第1原点センサ31が、本体部19の搬送方向における下流側の部分の底部の近傍位置に設けられている。第1原点センサ31は、光電スイッチと反射板間の光路がシャフト26(ベルト体27の一方の端辺部27a)に遮断されることにより、ベルト体27が周回して、第1原点位置に戻ってきたこと(到達したこと)を検出しており、すなわち、ベルト体27が物品16の投入を待っている状態のときを検出している。シャフト26が第1原点位置にあるとき、ベルト体27は、送りローラ28aと押圧ローラ28bの上方に、ベルト体27の全長の3分の1程度が、送り出す対象として残っている。
【0027】
またベルト体27は、重量が軽い物品16(軽量物品16a)を一旦貯留するとき、送りローラ28aと押圧ローラ28bの上方にベルト体27の全長の10分の1程度が、送り出す対象として残るように、すなわち、ベルト送り装置28に残す部分を少なくする所定長さだけベルト体27が送り出される(詳細は後述する)。このとき、一方の端辺部27aが、搬送方向の下流側の部分で、本体部19の上部に近い位置で、シャフト26を介して一対のチェーン23a,23bに固定され、また他方の端辺部27bが、送りローラ28aと押圧ローラ28bにより移動しないように挟持されている。
【0028】
この状態のシャフト26の位置(第2原点位置)を検出するために、光電スイッチと反射板からなる第2原点センサ32が、第1原点センサ31よりもベルト体27の周回方向の所定距離(所定長さ)だけ下流の位置である、本体部19の搬送方向における下流側の部分の上部の近傍位置に設けられている。第2原点センサ32は、光電スイッチと反射板間の光路がシャフト26(ベルト体27の一方の端辺部27a)に遮断されることにより、ベルト体27のシャフト26(ベルト体27の一方の端辺部27a)が第2原点位置に到達したことを検出している。
【0029】
またシャフト26が第2原点位置にあるとき、ベルト体27の全長の10分の1程度を送りローラ28aと押圧ローラ28bの上方に残していることから判るように、シャフト26が第1原点位置にあるときよりも、第2原点位置にあるときの方が、箱体17に軽量物品16aを投入する際に用いられるベルト体27の長さが短くされている。
また、シャフト26のベルト体27の周回方向の上流位置と下流位置に、ベルト体27を周回させるとき、シャフト26を滑らかに送りローラ28aと押圧ローラ28b間を通過させるために、断面が三角形状で突起状のくさび部材が設けられている(図示せず)。
また箱体17の種別としては、大箱17aの小箱17bの2種類があり、これらの箱体17は底面の面積は同一とし、小箱17bの物品16の収納スペースの高さを、大箱17aの物品16の収納スペースの高さの半分とすることにより、小箱17bの物品16の収納容積を、大箱17aの物品16の収納容積の半分としている。
【0030】
[送込みコンベヤ装置13] 送込みコンベヤ装置13は、投入装置12に対して、本体部19の開口部20へ物品16を送り込むことができる位置に配置されている。また、送込みコンベヤ装置13には、送込みコンベヤ装置13上に載置された物品16の重量を測定する重量計33(重量確認手段の一例)が備えられている。送込みコンベヤ装置13には、物品16が載置され、一旦貯留された後、送込みコンベヤ装置13は、貯留した物品16を、開口部20を通して本体部19に投入し、ベルト体27上に載置する。
【0031】
[センサ装置14] センサ装置14は、投入装置12より搬送コンベヤ装置15の上流に配置され、搬送コンベヤ装置15により搬送される箱体17を通過させるための空間が形成された門型フレーム34と、門型フレーム34の上部に設けられ、箱体17の上方に位置して箱体17内に既に収納された物品16の高さを測定するための距離センサ35(物品高さ検出手段の一例)と、搬送コンベヤ装置15により搬送される小箱17bの高さよりも検出位置が低く設定された第1箱センサ36(箱体検出手段の一例)と、搬送コンベヤ装置15により搬送される小箱17bの高さよりも検出位置が高く、搬送コンベヤ装置15により搬送される大箱17aの高さよりも検出位置が低く設定された第2箱センサ37(箱体検出手段の一例)とから構成されている。
【0032】
前記距離センサ35は、反射式の光電センサからなり、発光素子と、位置検出素子を備え、発光素子からの出力光を物品16で反射させ、反射光を位置検出素子で検出することにより、物品16までの距離を測定できる。距離センサ35として、反射式の光電センサを用いることにより、物品16の色や材質に影響されることなく安定した測定を行うことができる。
【0033】
また第1箱センサ36および第2箱センサ37は、光電スイッチと反射板からなり、第1箱センサ36および第2箱センサ37は、光電スイッチと反射板間の光路が遮断されることにより箱体17を検出しており、第1箱センサ36のみが箱体17を検出した場合は、門型フレーム34を搬送コンベヤ装置15により搬送されて通過した箱体17が小箱17bであると判断でき、また第1箱センサ36と第2箱センサ37が両方とも箱体17を検出した場合は、通過した箱体17が大箱17aであると判断できる。
【0034】
「制御装置41」 上記物品移載装置11の制御構成を図2に示す。
物品移載装置11を制御する制御装置41は、モード判定部42と、駆動制御部43と、駆動開始検出部44より構成されている。
モード判定部42には、重量計33により検出された物品16の重量のデータ(重量確認手段からのデータの一例)が入力され、距離センサ35により検出された箱体17内に既に収納されている物品16までの距離のデータが入力され、また第1箱センサ36および第2箱センサ37より箱体17の検出信号が入力され、さらに駆動制御部43より物品16の投入(移載)終了信号(後述する)が入力されている。
そして、モード判定部42は、これら重量計33、距離センサ35、第1箱センサ36、第2箱センサ37、および駆動制御部43から入力されるデータ・信号に基づいて、「通常モード」、「大箱50%モード」、「小箱50%モード」、「第2原点モード」のいずれかのモードで箱体17への物品16の投入制御を行うかどうかを判定し、モードのデータを駆動制御部43に出力する(各モードについては、後述する)。
【0035】
前記駆動制御部43には、モード判定部42において判定されたモードのデータが入力され、第1原点センサ31と第2原点センサ32からそれぞれ、検出信号が入力され、これらのデータ・信号に基づいて、送込みコンベヤ装置13と送りローラ28aとチェーン駆動モータ24の駆動・停止を行って箱体17への物品16の投入(移載)を実行し、物品16の投入(移載)が終了すると、物品16の投入(移載)終了信号をモード判定部42へ出力する(詳細は後述する)。
また前記駆動開始検出部44には、第1箱センサ36より箱体17の検出信号が入力され、また箱体17が第1箱センサ36(門型フレーム34)の位置より投入装置12による投入開始位置まで移動する距離を、搬送コンベヤ装置15による箱体17の搬送速度で除算して求めた移動時間(タイマー時間)が予め設定されている。駆動開始検出部44は、第1箱センサ36より検出信号を入力すると、前記移動時間を設定時間としてタイマーを駆動し、設定時間となると、駆動制御部43へ投入(移載)開始信号を出力する。これにより、箱体17が、予め設定された投入装置12による物品16の投入位置に到着したことが駆動制御部43へ知らされる。
【0036】
上記モード判定部42により前記モードを判定する手順を図3のフローチャートに従って説明する。
駆動制御部43より物品16の投入(移載)終了信号を入力すると(ステップ−A1)、まず、重量計33により検出されている物品16の重量のデータを入力する(ステップ−A2)。
次に、入力した物品16の重量が規定重量以下であるかどうかを確認し(ステップ−A3)、確認すると、「第2原点モード」を選択し、モードのデータとして「第2原点モード」を駆動制御部43へ出力する(ステップ−A4)。
【0037】
一方、物品16の重量が規定重量以下であることが確認されないと、第1箱センサ36または第2箱センサ37の検出信号を入力しているかどうかを確認し(ステップ−A5)、確認すると、第1箱センサ36および第2箱センサ37が両方とも箱体17を検出しているかどうかにより、箱体17が大箱17aであるかどうかを判定する(ステップ−A6)。
大箱17aであると確認すると(ステップ−A7)、距離センサ35から入力される距離のデータに基づいて、箱体17(ここでは、大箱17a)内に既に収納されている物品16の体積を演算する(ステップ−A8)。
【0038】
そして、大箱17aの収納容積に占める演算された物品16の体積の比率が50%(一定比率の一例)以上であるかを確認し(ステップ−A9)、確認すると、「大箱50%モード」を選択し、モードのデータとして「大箱50%モード」を駆動制御部43に出力する(ステップ−A10)。
一方、大箱17aの物品16の収納容積に対する演算された物品16の体積の比率が50%以上であることが確認されない場合、「通常モード」を選択し、モードのデータとして「通常モード」を駆動制御部43に出力する(ステップ−A11)。
【0039】
また、ステップ−A7において、箱体17が大箱17aであることが確認されないと(箱体17が小箱17bであることが確認されると)、距離センサ35の検出信号に基づいて、箱体17(ここでは、小箱17b)内に既に収納されている物品16の体積を演算する(ステップ−A12)。
そして、小箱17bの収納容積に占める演算された物品16の体積の比率が50%(一定比率の一例)以上であるかを確認し(ステップ−A13)、確認すると、「小箱50%モード」を選択し、モードのデータとして「小箱50%モード」を駆動制御部43に出力する(ステップ−A14)。
【0040】
一方、小箱17bの収納容積に占める演算された物品16の体積の比率が50%以上であることが確認されない場合、ステップ−A11を実行する。すなわち、「通常モード」を駆動制御部43に出力する。
このように、投入装置12を制御するモードが、物品16の重量、箱体17の種別、および箱体17内に既に収納されている物品16の体積により設定される。
【0041】
次に、駆動制御部43により送込みコンベヤ装置13と送りローラ28aとチェーン駆動モータ24を駆動する手順を図4および図5のフローチャートに従って説明する。
なお、制御の開始時には、ベルト体27は、シャフト26(ベルと体27の一方の端辺部27a)が第1原点センサ31により検出されている位置(第1原点位置)にあるものとする。また各モード毎に、ベルト送り装置28(送りローラ27a)によるベルト体27の送り出し開始時より一対のチェーン23の駆動を開始するまでの時間(駆動開始時間の一例;以下、チェーン駆動開始時間と称す)が、予め記憶(設定)されているものとする。いま、第1原点センサ31の位置にシャフト26があるとき、ベルト送り装置28により、残りのベルト体27を送り出すことに必要な時間を、400msecとしている。すなわち、チェーン駆動開始時間が400msecとされているときは、ベルト体27の送り出しが終了してから一対のチェーン23が駆動されることを意味し、400msec未満のとき、ベルト体27の送り出しが終了する前に、一対のチェーン23が駆動されることを意味している。
【0042】
前記チェーン駆動開始時間は、箱体17の物品の収納容積に応じて予め次のように設定される。なお、「大箱50%モード」と「小箱50%モード」のモードの決定に使用される一定比率(箱体17の収納容積に占める物品16の体積の一定の比率;実施の形態では50%)が変更されると、設定は変更となる。
箱体17の物品の収納容積が大きいと、一定比率で収納されている物品16と投入装置12(本体部19)との間の距離が短くなり、ベルト体27を早く持ち上げないと、ベルト体17の他方の端辺部27bが箱体17の縁部に掛かり、ベルト体27に支持された物品16が箱体17の外部に放り出される恐れがある。これに対して、箱体17の物品の収納容積が小さいと、一定比率で収納されている物品16と投入装置12(本体部19)との間の距離が長くなり、早くベルト体27を持ち上げすぎると、ベルト体27に貯留されていた物品16が高い位置から箱体17内に投入され、物品16が破損する恐れがでてくる。したがって、箱体17の物品の収納容積と、予め設定された一定比率により、この比率における箱体17内の物品16の高さを求め、収納されている最も高い位置の物品16と物品移載装置11(本体部19)との間の距離を求めて、箱体17の物品の収納容積毎に、チェーン駆動開始時間が設定されている。
【0043】
モード判定部42からモードのデータを入力する(ステップ−B1)と、まず入力されたモードのデータが「第2原点モード」であるかどうかを確認し(ステップ−B2)、確認すると、チェーン駆動開始時間として400msecを設定し(ステップ−B3)、送りローラ28aとチェーン駆動モータ24を駆動する(ステップ−B4)。そして、第2原点センサ32から検出信号が入力されると(ステップ−B5)、送りローラ28aとチェーン駆動モータ24を停止する(ステップ−B6)。これにより、「第2原点モード」のとき、ベルト体27のシャフト26(ベルト体27の一方の端辺部27a)が第2原点センサ32の位置まで引き上げられる。
【0044】
一方、ステップ−B2において、入力されたモードのデータが「第2原点モード」であることが確認されないと、入力されたモードのデータが「通常モード」であるかどうかを確認する(ステップ−B7)。
確認すると、チェーン駆動開始時間として、400msecを設定し(ステップ−B8)、確認されないと、入力されたモードのデータが「大箱50%モード」であるかどうかを確認する(ステップ−B9)。
【0045】
確認すると、チェーン駆動開始時間として、10msecを設定し(ステップ−B10)、確認されないと、「小箱50%モード」と判断して、チェーン駆動開始時間として、300msecを設定する(ステップ−B11)。
ステップ−B6、またはステップ−B8、またはステップ−B10、またはステップ−B11に続いて、送込みコンベヤ装置13を所定時間駆動し、送込みコンベヤ装置13上の物品16をベルト体27上へ移載する(ステップ−B12)。
【0046】
そして、上記投入(移載)開始信号を入力すると(ステップ−B13)、送りローラ28aを駆動し(ステップ−B14)、チェーン駆動開始時間を設定時間としてタイマーを駆動し(ステップ−B15)、設定時間が経過すると(ステップ−B16)、チェーン駆動モータ24を駆動する(ステップ−B17)。
そして、第1原点センサ31の検出信号が入力されたことを確認すると(ステップ−B18)、送りローラ28aとチェーン駆動モータ24を停止し(ステップ−B19)、終了する。
【0047】
このような駆動制御部43の制御による各モードにおける物品16の移載動作を、図6〜図9を用いて説明する。
[通常モード] 図6は、通常モード時の物品16の移載動作を説明する図である。 通常モードが確認されると、物品16は、送込みコンベヤ装置13からベルト体27上ヘ投入され、図6(a)に示すように、ベルト体27により支持されて一旦貯留される。そして、搬送コンベヤ装置15により大箱17a,小箱17aのいずれかの箱体17(図では、一例として、大箱17aの場合を示している)の先端が、上記投入位置に到達すると(本体部19の上流側位置へ移動されて、本体部19の搬送方向における上流側側面部より下流位置に到達すると)、図6(b)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを、搬送コンベヤ装置15により搬送されている箱体17の搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体27の中央部を、連続移動している箱体17内に下降させる。続いて図6(c)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを全て送り出してベルト体27の他方の端辺部27bを送りローラ28a及び押圧ローラ28bから外し、物品16をベルト体27の中央部に保持した状態でベルト体27を箱体17内に下降させ、物品16をソフトに箱体17へ投入する。続いて図6(d)に示すように、上記チェーン駆動開始時間が400msecとなると、チェーン駆動モータ24を駆動することにより一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27を物品16から引き抜き、物品16を箱体17へと移載する。そして、ベルト体27を、本体部19の、搬送方向における下流側側面部から、上面部、搬送方向における上流側側面部、底面部と周回させ、図6(a)に示すように、第1原点センサ31によりシャフト26を検出することによりベルト体27の一方の端辺部27aを元の本体部19の下流側側面部へ戻し、ベルト送り装置28の送りローラ28aと押圧ローラ28bによりベルト体27の他方の端辺部27bの端面を挟み込む。この状態に戻ると、送込みコンベヤ装置13により次の物品16をベルト体27上へ送り込み投入可能となる。
【0048】
このように、通常モードでは、ベルト体27はベルト送り装置28による送り出しが終了した後に、一対のチェーン23a,23bにより持ち上げられ、ベルト体27に貯留された物品16は徐々に、ベルト体27で支持されながら箱体17へ到達するため、落下時に損傷しやすい物品16を箱体17内へソフトに移載することができる。
【0049】
[大箱50%モード] 図7は、大箱50%モード時の物品16の移載動作を説明する図である。大箱50%モードが確認されると、物品16は、送込みコンベヤ装置13からベルト体27上ヘ投入され、図7(a)に示すように、ベルト体27により支持されて一旦貯留される。そして、搬送コンベヤ装置15により大箱17aの先端が、上記投入位置に到達すると(本体部19の上流側位置へ移動されて、本体部19の搬送方向における上流側側面部より下流位置に到達すると)、図7(b)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを、搬送コンベヤ装置15により搬送されている大箱17aの搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体27の中央部を、連続移動している大箱17a内に下降させる。続いて、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを全て送り出す前に、チェーン駆動開始時間が10msecとなると、チェーン駆動モータ24を駆動することにより一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27の下方への緩み量を大幅に少なくするように、ベルト体27の他方の端辺部27bの送り出しと、ベルト体27の一方の端辺部27aの上方への移動とを同時に行う。そして、図7(c)に示すように、ベルト27の他方の端辺部27bを送りローラ28aおよび押圧ローラ28bから外し、物品16を保持した状態でベルト体27を大箱17a内に下降させ、物品16をソフトに大箱17a内に投入する。続いて図7(d)に示すように、上記チェーン駆動モータ24を引き続き駆動させて、一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27を物品16から引き抜き、物品16を移載する。そして、ベルト体27を本体部19の搬送方向における下流側側面部から、上面部、本体部19の搬送方向における上流側側面部、底面部と周回させ、図7(a)に示すように、第1原点センサ31によりシャフト26を検出することによりベルト体27の一方の端辺部27aを元の本体部19の下流側側面部へ戻し、ベルト送り装置28の送りローラ28aと押圧ローラ28bによりベルト体27の他方の端辺部27bの端面を挟み込む。この状態に戻ると、送込みコンベヤ装置13により次の物品16をベルト体27上へ送り込み投入可能となる。
【0050】
このように、大箱50%モードでは、ベルト体27は、ベルト送り装置28による送り出しが終了する前で、ベルト送り装置28による送り出しが開始されて、10msecという短い時間が経過すると一対のチェーン23a,23bにより持ち上げられ、よって、物品16を貯留しているベルト体27の底部が、大箱17aの収納容積の50%以上を占めて収納されている大箱17a内の物品16に載り、ベルト送り装置28により最終的に送り出されるベルト体27の他方の端辺部27bが大箱17aの縁部に掛かるより早くベルト体27を持ち上げることが可能となり、よってベルト体27の他方の端辺部27bが大箱17aの縁部に掛かった状態でベルト体27が持ち上げられることにより、ベルト体27に支持された物品16が大箱17aの外部に放り出されることが回避される。
【0051】
[小箱50%モード] 図8は、小箱50%モード時の物品16の移載動作を説明する図である。小箱50%モードが確認されると、物品16は、送込みコンベヤ装置13からベルト体27上ヘ投入され、図8(a)に示すように、ベルト体27により支持されて一旦貯留される。そして、搬送コンベヤ装置15により小箱17bの先端が、上記投入位置に到達すると(本体部19の上流側位置へ移動されて、本体部19の搬送方向における上流側側面部より下流位置に到達すると)、図8(b)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを、搬送コンベヤ装置15により搬送されている小箱17bの搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体27の中央部を、連続移動している小箱17b内に下降させる。続いて図8(c)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを全て送り出す前に、チェーン駆動開始時間が300msecとなると、チェーン駆動モータ24により一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27の下方への緩み量を少なくするように、ベルト体27の他方の端辺部27bの送り出しと、ベルト体27の一方の端辺部27aの上方への移動とを同時に行う。そして、図8(c)に示すように、ベルト体27の他方の端辺部27bを送りローラ28aおよび押圧ローラ28bから外し、物品16を保持した状態でベルト体27を小箱17b内に下降させ、物品16をソフトに小箱17bへ投入する。続いて図8(d)に示すように、チェーン駆動モータ24を引き続き駆動させて、一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27を物品16から引き抜き、物品16を移載する。そして、ベルト体27を本体部19の搬送方向における下流側側面部から、上面部、搬送方向における上流側側面部、底面部と周回させ、図8(a)に示すように、第1原点センサ31によりシャフト26を検出することによりベルト体27の一方の端辺部27aを元の本体部19の下流側側面部へ戻し、ベルト送り装置28の送りローラ28aと押圧ローラ28bによりベルト体27の他方の端辺部27bの端面を挟み込む。この状態に戻ると、送込みコンベヤ装置13により次の物品16をベルト体27上へ送り込み投入可能となる。
【0052】
このように、小箱50%モードでは、ベルト体27は、ベルト送り装置28による送り出しが終了する前で、ベルト送り装置28による送り出しが開始されて、300msecが経過すると一対のチェーン23a,23bにより持ち上げられ、よって、物品16を貯留しているベルト体27の底部が、小箱17bの収納容積の50%以上を占めて収納されている小箱17b内の物品16に載り、ベルト送り装置28により最終的に送り出されるベルト体27の他方の端辺部27bが小箱17bの縁部に掛かるより早くベルト体27を持ち上げることが可能となり、よって、ベルト体27の他方の端辺部27bが小箱17bの縁部に掛かった状態でベルト体27が持ち上げられることにより、ベルト体27に支持された物品16が小箱17bの外部に放り出されることが回避される。
【0053】
[第2原点モード] 図9は、第2原点モード時の物品16の移載動作を説明する図である。投入口21より投入される物品16の重量が規定重量以下のとき、すなわち物品16が軽量物16aのとき、図9(a)に示すように、送込みコンベヤ装置13から軽量物16aを送り込んで投入する前に、第2原点センサ32によりシャフト26を検出するまで、送りローラ28aとチェーン駆動モータ24を駆動し、一対のチェーン23a,23bを移動することにより、ベルト体27の一方の端辺部27aを本体部19の下流側側面部の上流位置へ所定距離だけ予め移動させ、ベルト送り装置28の送りローラ28aと押圧ローラ28bによりベルト体27の他方の端辺部27bの端面を挟み込む。そして、送込みコンベヤ装置13から軽量物16aを投入し、軽量物16aがベルト体27により支持されて一旦貯留される。そして、図9(a)に示すように、搬送コンベヤ装置15により箱体17(箱体17の種別や箱体17内に既に収納されている物品16の体積は問わない)の先端が、上記投入位置に到達すると(本体部19の上流側位置へ移動されて、本体部19の搬送方向における上流側側面部より下流位置に到達すると)、図9(b)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを、搬送コンベヤ装置15により搬送されている箱体17の搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体27の中央部を、連続移動している箱体17内に下降させる。続いて図9(c)に示すように、ベルト送り装置28の送りローラ28aによりベルト体27の他方の端辺部27bを全て送り出してベルト体27の他方の端辺部27bを送りローラ28a及び押圧ローラ28bから外し、軽量物16aをベルト体27に保持した状態でベルト体27を箱体17内に下降させ、軽量物16aをソフトに箱体17へ投入する。この際、ベルト送り装置28から送り出されるベルト体27の長さが短くなり、ベルト送り装置28は、通常より早く、ベルト体27の他方の端辺部27bの送り出しを終了する。よって、軽量物16aは通常より早くベルト体27から落下し、このとき、使用されるベルト体27の長さが短くされているため、ベルト体上を軽量物16aが滑ることが少なく、略中央から軽量物16aは落下し、箱体17からこぼれ落ちることは回避される。続いて図9(d)に示すように、チェーン駆動開始時間が400msecとなると、チェーン駆動モータ24を駆動することにより一対のチェーン23a,23bを移動してベルト体27の一方の端辺部27aを上方へ移動させ、ベルト体27を軽量物16aから引き抜き、軽量物16aを箱体17へと移載する。そして、ベルト体27を、本体部19の、搬送方向における下流側側面部から、上面部、搬送方向における上流側側面部、底面部と周回させ、第1原点センサ31によりシャフト26を検出することによりベルト体27の一方の端辺部27aを元の本体部19の下流側側面部へ戻し、ベルト送り装置28の送りローラ28aと押圧ローラ28bによるベルト体27の他方の端辺部27bの端面を挟み込む。この状態に戻ると、送込みコンベヤ装置13により次の物品16をベルト体27上に送り込み投入可能となる。
【0054】
このように、第2原点モードでは、投入口21より投入される物品16の重量が規定重量以下の軽量物品16aのとき、軽量物品16aが投入される前に、ベルト体27のシャフト26(ベルト体27の一方の端辺部27a)が第1原点位置から第2原点位置まで移動され、ベルト送り装置28の上方に、ベルト体27の全長の10分の1程度が、送り出す対象として残るように、すなわち、所定長さ(所定距離)だけ予め移動され、ベルト送り装置28に残す部分が少なくされる。これにより、物品16が軽量物品16aのとき、ベルト送り装置28から送り出されるベルト体27の長さが短くなり、ベルト送り装置28は、通常より早く、ベルト体27の他方の端辺部27bの送り出しを終了する。よって、物品16は通常より早くベルト体27から落下し、このとき、ベルト体27上を物品16が滑ることが少なくなり、略中央から物品16は落下し、箱体17から物品16がこぼれ落ちることは回避される。
【0055】
『物品移載装置の利用例』 図10は本発明の実施の形態における物品移載装置を備えたピッキング設備の斜視図である。このピッキング設備51は、店舗等の仕分け先から求められた(注文された)品目(種類)および数量に応じてピッキングされた物品16が、搬送コンベヤ装置15により一定経路を連続搬送されている箱体17(大箱17aと小箱17bを含む)に対して、物品移載装置11(図では3機)により自動投入される構成を採用している。
【0056】
このようなピッキング設備51では、搬送コンベヤ装置15に沿って、物品16を保管する複数の物品収納部54からなるピッキング棚52が備えられ、各物品収納部54にはそれぞれ、その前面に、物品16の取り出し指示を表示するランプと取り出し数量を表示する数量表示部とを有するピッキング表示器56が設けられ、ピッキング表示器56により指定された数量の物品16を送り込みコンベヤ装置13へ載置することにより、投入装置12により、物品16は搬送コンベヤ装置15により搬送されている箱体17へ自動投入(移載)される。
【0057】
このようなピッキング設備51に本発明の物品移載装置11を用いることにより、物品16を箱体17に自動投入する際に、物品16が箱体17の外にこぼれ落ちることが回避されるため、ピッキング設備として効率の向上および信頼性の向上を図ることができる。
【0058】
以上のように本実施の形態によれば、箱体17内に既に収納されている物品16の体積が箱体17の収納容積に対して一定の比率以上のとき、ベルト送り装置28の送りローラ28aによるベルト体27の送り出し開始時より所定時間(チェーン駆動開始時間)が経過すると、ベルト体27の送り出しが終了する前に一対のチェーン23a,23bの駆動が開始され、それに伴うベルト体27の一方の端辺部27aの周回が開始されることにより、物品16を貯留しているベルト体27の底部が、一定の比率以上に収納されている箱体17内の物品16に載り、ベルト送り装置28により最終的に送り出されるベルト体27の他方の端辺部27bが箱体17の縁部に掛かるより早く、一対のチェーン23a,23bの周回によりベルト体27が持ち上げられる。よって、ベルト体27の他方の端辺部27aが箱体17の縁部に掛かった状態でベルト体27が持ち上げられることにより、ベルト体27に支持された物品16が箱体17の外部に放り出されることを回避できる。
【0059】
また所定時間(チェーン駆動開始時間)を調整することにより、ベルト体27に支持された物品16が箱体17の外部に放り出されることが回避されるとともに、ベルト体27から落下する物品16の高さが調整され、よって物品16が高い位置から落下して物品16が破損する恐れを回避できる。
【0060】
また本実施の形態によれば、距離センサ35からの距離のデータを用いることにより箱体17内に既に収納されている物品16の体積を実際に確認でき、物品16の投入状態により異なる体積を確実に把握できる。
【0061】
なお、本実施の形態では、距離センサ35の検出信号に基づいて、箱体17内に既に収納されている物品16の体積を確認しているが、予め、制御装置41に、投入対象の箱体17内に既に投入された物品16の種類と数量のデータを入力しておき、当該データに基づいて、箱体17内に既に収納されている物品16の体積または高さを確認するようにすることもできる。
【0062】
また本実施の形態では、箱センサ36,37の検出信号に基づいて、箱体17の種別を判別することにより収納容積を確認しているが、予め、制御装置41に、物品16を投入する箱体17の順に、箱体17の種別毎に収納容積または収納スペースの高さを記憶しておき、物品16の移載開始前に、記憶した箱体17の種別毎の収納容積または収納スペースの高さを確認するようにすることもできる。このとき、搬送コンベヤ装置15により、必ずしも箱体17を投入位置へ自動で移動する必要はなく、手動で移動するようにしてもよい。また箱体17への物品16の投入は、箱体17の搬送を停止し、停止している箱体17に対して行うようにしてもよい。
また本実施の形態では、距離センサ35から入力される距離のデータに基づいて、大箱17aまたは小箱17b内に既に収納されている物品16の体積を演算しているが、この距離のデータに基づいて大箱17aまたは小箱17b内に既に収納されている物品16の高さを求め、この物品16の高さの大箱17aまたは小箱17bのそれぞれの収納スペースの高さに対する比率を求め、この比率に基づいて、「大箱50%モード」、または「小箱50%モード」、または「通常モード」を選択し、選択したモードに基づいて、ベルト送り装置28によるベルト体27の送り出しが終了する前に一対のチェーン23a,23bの駆動を開始する駆動開始時間を設定するようにしてもよい。
【0063】
また本実施の形態では、箱体17の収納容積に対する箱体17に既に収納されている物品16の体積の比率(一定比率)が50%以上であるか否かによって、チェーン駆動モータ24を駆動するタイミングを変更するようにしているが、前記一定比率は50%に限らず、任意の比率に設定してよい。
また本実施の形態では、箱体17の種別を大箱17aと小箱17bの2種類としたが、箱体17は1種類でもよいし、また3種類以上であってもよく、箱体17の形状や容積に応じて、チェーン駆動モータ24を駆動するタイミングを適切に変更することで、物品16が箱体17の外へこぼれ落ちることを有効に防止できる。
また本実施の形態では、重量計33からのデータに基づき、投入口21より投入される物品16の重量を確認しているが、予め、制御装置41に、投入口21より投入予定の物品16の種類と数量と各種の物品16の重量を記憶しておき、投入口21より投入予定の物品16の重量を確認するようにすることもできる。
また本実施の形態では、ベルト体27を、1本の合成樹脂シートから形成しているが、帯状体に形成されるものであればよく、例えば、網目を有する帯状のもの、あるいはローラ群が並設されて帯状に形成されたもの等であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
11 物品移載装置
12 投入装置
13 送込みコンベヤ装置
14 センサ装置
15 搬送コンベヤ装置
16 物品
17 箱体
17a 大箱
17b 小箱
19 本体部
21 投入口
23a,23b チェーン
24 チェーン駆動モータ
26 シャフト
27 ベルト体
27a 一方の端辺部
27b 他方の端辺部
28 ベルト送り装置
28a 送りローラ
28b 押圧ローラ
31 第1原点センサ
34 門型フレーム
35 距離センサ
36,37 箱センサ
41 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載する物品が投入される投入口を有し、下方が開放された箱状の本体部と、
前記本体部の対向する側面の内面に沿ってそれぞれ周回する一対の索体と、
前記一対の索体に一方の端辺部が固定され、前記投入口から投入された物品を一旦貯留するベルト体と、
前記ベルト体の他方の端辺部を挟持し、送り出すベルト送り装置と、
前記物品を移載する箱体が、予め設定された投入位置に到着すると、前記ベルト送り装置を駆動して、このベルト送り装置により挟持されたベルト体の他方の端辺部を送り出し、ベルト体に貯留された物品の前記箱体へ移載を行い、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了すると、前記一対の索体を駆動して、前記一対の索体により前記ベルト体を周回し、前記ベルト体の他方の端辺部が前記ベルト送り装置まで周回してくると、ベルト送り装置により、前記ベルト体の他方の端辺部を挟持する制御装置
を備えた物品移載装置であって、
前記制御装置には、予め、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了する前に前記一対の索体の駆動を開始する駆動開始時間が設定され、
前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さを確認し、この物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上であることを確認すると、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より前記駆動開始時間が経過すると、前記一対の索体の駆動を開始すること
を特徴とする物品移載装置。
【請求項2】
前記制御装置には、前記駆動開始時間は、前記箱体の物品の収納容積に応じて予め設定されていること
を特徴とする請求項1に記載の物品移載装置。
【請求項3】
前記箱体内に既に収納されている物品の高さを求める物品高さ検出手段を備え、
前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記物品高さ検出手段からのデータにより前記箱体内に既に投入されている物品の体積または高さを確認すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、既に投入された物品の種類と数量により、箱体内に既に収納されている物品の体積または高さを確認すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品移載装置。
【請求項5】
前記箱体の高さを検出することにより箱体の物品の収納容積または収納スペースの高さを検出する箱体検出手段を備え、
前記制御装置は、前記物品の移載開始前に、前記箱体検出手段からのデータにより前記箱体の収納容積または収納スペースの高さを確認すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の物品移載装置。
【請求項6】
前記制御装置には、物品を投入する箱体の順に、箱体の収納容積または収納スペースの高さが記憶され、前記物品の移載開始前に、記憶した前記箱体の収納容積または収納スペースの高さを確認すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の物品移載装置。
【請求項7】
移載する物品が投入される投入口を有し、下方が開放された箱状の本体部と、
前記本体部の対向する側面の内面に沿ってそれぞれ周回する一対の索体と、
一対の索体に一方の端辺部が固定され、前記投入口から投入された物品を一旦貯留するベルト体と、
ベルト体の他方の端辺部を挟持し、送り出すベルト送り装置
を備え、
前記物品を移載する箱体が、予め設定された投入位置に到着すると、前記ベルト送り装置を駆動して、このベルト送り装置により挟持されたベルト体の他方の端辺部を送り出し、ベルト体に貯留された物品の前記箱体へ移載を行い、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了すると、前記一対の索体を駆動して、前記一対の索体により前記ベルト体を周回し、前記ベルト体の他方の端辺部が前記ベルト送り装置まで周回してくると、ベルト送り装置により、前記ベルト体の他方の端辺部を挟持する物品移載方法であって、
予め、前記箱体内に既に収納されている物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上のとき、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出しが終了するまでに前記一対の索体の駆動を開始する駆動開始時間が設定され、
前記物品の移載開始前に、前記箱体内に既に投入されている物品の体積又は高さを確認し、この物品の体積又は高さが箱体の物品の収納容積又は収納スペースの高さに対して一定の比率以上であることを確認すると、前記ベルト送り装置によるベルト体の送り出し開始時より前記駆動開始時間が経過すると、前記一対の索体の駆動を開始すること
を特徴とする物品移載方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−153393(P2012−153393A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13517(P2011−13517)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】