説明

物品配送用梱包箱

【課題】 収納物品の大きさ、厚さの違いに関わらず安定に梱包可能な梱包箱を提供する。
【解決手段】 外箱1内に支えパッド2を挿入して内底に設置する。支えパッド2の台座6は、脚台7に支えられて外箱1内の一定高さ位置に支えられる。ついで、梱包すべき物品Mを挿入して台座6上に支え、その上に抑えパッド3を挿入し、抑えパッド3の下面の貼付られた抑えシート11で物品Mを上方から押さえつけ、シートの弾性力で物品Mを台座6上に定着させ、外箱1の端面側内壁に配列された係止縁5の1つに抑えパッド3の枠体両端に設けたキー14を引っ掛け、抑えパッド3を定位置に保持し、外箱1の蓋4を閉じ、蓋4と外箱1とを面ファスナー15で結合し、さらに緊締バンド16で緊締して物品の梱包を完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の梱包箱、特に商品、修理品などの配送に好適な物品梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を輸送する際には、輸送中に受けるかもしれない衝撃や振動などから物品を有効に保護するため、通常は緩衝性を有する紙やプラスチックシートその他の緩衝材を用いて包装し、更に、必要に応じて物品が動かないよう詰め物をして外箱内に梱包される。
【0003】
最近、宅配業務において、デスクトップパソコン、ノートパソコン、プリンタ、ディスプレイといった電子機器類、精密機器類をメーカーや量販店の修理センターに配送する依頼が急増している。一般にパソコンのような製品は、量販店、小売店から購入する際には、専用の包装箱内に梱包されているのが通例であり、製品の購入者がその箱を廃棄せずに残しておけば、修理依頼の時にもそのまま利用できるが、現実にはほとんどの場合、製品の購入直後に廃棄されるので、修理依頼の場合には、製品の購入者が有り合わせの箱を転用し、あるいは市販のダンボール箱を利用しているのが実情である。
【0004】
もっとも、宅配業者においては、種々の大きさの箱を用意して顧客の要求に対応してはいるものの、配送依頼される製品、物品の大きさ、形状は多種多様であって、宅配業者が用意する箱で、大小さまざまな形状の物品のすべてに対応することは難しい。
【0005】
特許文献1には、図9に示すように、第1フレーム21と、第2フレーム22との組み合わせを用いて物品Mを輸送用ボックス24内に梱包する包装装置が記載されている。第1フレーム21および第2フレーム22は、枠型に配置された4個のストリップまたは折り畳み可能に取付けられたフラップを有する1個の打ち抜かれた平坦なパネルである。この4個のストリップに囲まれた空間、あるいはパネルの開口部を覆って、各ストリップの端縁、あるいはパネルの開口縁に柔軟な材料からなるシート23が取付けられている。
【0006】
この包装装置を用いて物品を梱包するときには、第1フレーム21と第2フレーム22の両シート23、23間で物品Mを挟んで輸送用ボックス24内に収容して施蓋すると、物品Mは、両シート23の可撓性のため、物品Mのかなりの部分に対する接触領域が広がり、かつ物品を柔軟な材料の間に摩擦により保持させることができる、というものである。
【0007】
特許文献1に記載された包装装置によるときには、物品Mは、第1フレーム21と第2フレーム22の柔軟なシート23、23間に挟まれて実質的に宙吊り状態で保持されため、外部から受ける衝撃に対して有効に物品を保護できるものと思われる。
【0008】
しかしながら、特許文献1の包装装置によるときには、物品の安定保持は、もっぱら両シートに加えられる圧力とシートの緊張力の程度によって決定され、シートに強い力を加えて物品を押し付けてもシートが緩んでいたり、シートの弾力性が大きいときは、両フレームのシート間に物品を安定に保持させることは難しい。輸送用ボックス内で両フレームのシート間に物品を安定に保持させる力は、もっぱら施蓋時における輸送用ボックスの深さによって決定されるから、物品の大きさや形状に応じてそれぞれに専用の輸送用ボックスを使い分けなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表平3−503995号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、特許文献1に記載された輸送用ボックス内で両フレームのシート間に物品を安定に保持させるためには、両フレームのシートに加えられる圧力とシートの緊張力の程度の調整が必要であり、さらに重要なことは、物品の大きさや形状に応じてそれぞれに専用の輸送用ボックスを使い分けなければならないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、外箱と、支えパッドと抑えパッドとの組み合わせからなる物品配送用梱包箱である。物品の梱包に際しては、物品の収納に先立ち、外箱内に支えパッドを挿入し、その上に梱包すべき物品を収容し、その上から抑えパッドを被せ、抑えパッドに張り渡した弾力性を有する抑えシートで物品を強く押さえつけた状態で抑えパッドに付設したキーの対を外箱の内壁に設けた上下多段の係止縁の1つに引っ掛け、抑えパッドの弾性シートの有する押し付け力を物品に作用させて安定に保持させるものであり、収納物品の大小については、係止縁の1つを選択し、抑えパッドの係止位置を調整することによって対応する点を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による物品配送用梱包箱によれば、物品を支える支えパッドの台座が材質の有する弾性によって上下に変位して振動や衝撃を吸収し、抑えパッドに設けた対のキーは、物品を上方から押さえつけたときにシートの弾性による反発力を受けて係止縁から外れることがなく、支えパッドと抑えパッドとの間に物品を安定に支えることができる。また、物品を抑えパッドで押さえつけた状態で上下多段の係止縁の内の1つを選択してキーを引っ掛けることによって、同じ大きさの外箱を大きさの違う物品、あるいは厚さの違う物品の収納に使い分けることができる。
【0013】
さらに本発明によれば、外箱に立上り高さの調整が可能な箱を用いることによって、不使用時には、立上がり高さの低い箱に折り畳んでおくことによって保管時の省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による物品配送用梱包箱の外箱と支えパッドと抑えパッドとの組み合わせ例を示す図である。
【図2】(a)は、外箱の断面側面図、(b)は、外箱の断面正面図である。
【図3】(a)は抑えパッドの平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図4】(a)は支えパッドの平面図、(b)は(a)のB−B矢視断面図、(c)は、(a)のD−D線断面図、(d)はキーを係止縁の1つに係合させた時の状態を示す図、(e)は、はキーを係止縁からはずす時の状態を示す図である。
【図5】支えパッドと抑えパッドとを用いて物品を外箱内に収納した状態を示す図であり、(a)は外箱と両パッドの断面側面図、(b)は、(a)のC−C矢視断面図である。
【図6】抑えパッドの挿入の際の操作要領を示す図である。
【図7】外箱を施蓋した状態を示す図である。
【図8】外箱の高さを縮めた状態を示す図である。
【図9】従来の物品梱包箱の1例を示すもので、(a)は、物品の梱包に用いる第1フレームと、第2フレームと、物品と輸送用ボックスとの関係を示す図、(b)は、輸送用ボックスに物品を梱包した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
デスクトップパソコン、ノートパソコン(ラップトップパソコン)その他の物品の修理を補修センターに依頼するような場合に物品の大小、厚さにかかわりなく同じ大きさの梱包箱を用いて格納するという目的を、物品を支えパッド上に支え、抑えパッドをその上面に押し付けるとともに、外箱の内壁の上下に配列された多段の係止縁のいづれかに係止させることによって実現した。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明による物品配送用梱包箱の構成を示す図である。本発明による物品配送用梱包箱は、外箱1と、支えパッド2と、抑えパッド3との組み合わせからなるものである。この実施例において外箱1と支えパッド2と抑えパッド3とはいづれもプラスチックダンボール(いわゆるプラダン)を用いて組み立てられたものである。
【0017】
この実施例において、外箱1は、直方体の中空容器で、容器の開口縁の一側には容器を施蓋する蓋4を開閉可能に備えている。図2において、外箱1内の対抗する端面の壁面には、それぞれ係止縁5,5、・・・を互いに向き合わせて上下多段に配設している。各係止縁5は、外箱1の内壁面から一定厚さに張り出させたストッパーであり、この実施例では、外箱1の内壁面に張り付けたプラスチックダンボールの板面を横長の長方形に切り抜き、切り抜きによって形成されたダンボールの厚みの開口の上縁を係止縁に利用している。
【0018】
支えパッド2は、収納物品の載置台として外箱1の内底に設置するものであり、図3に示すように、外形は外箱1の横断面形状を象った角型をなし、台座6と、台座6の4周面縁に立上り部として形成された脚台7とからなっている。台座6の板面の四隅には、滑らかな曲線をもって一定の幅で切り欠いたスリット8が形成され、このスリット8の形成によって台座6の緩衝性を増大させている。さらに台座6の補強と緩衝作用を兼ね、この実施例においては、台座6の板面にクッション9aを敷き、その表面をカバーシート9bとしてウレタンシートのような弾力性を有するシートで覆っている。
【0019】
抑えパッド3は、図4(a)〜(c)に示すように、外箱1の横断面形状を象った角型の枠体10と、枠体10の下部開口を覆って張り渡した抑えシート11の組み合わせからなるものである。抑えシート11は、ウレタンシートのような弾力性に優れたシートであり、透明シートが望ましい。透明シートを用いることによって、後に説明するように抑えシート11の上方から収納物品を透視することができる。
【0020】
枠体10は一定高さの立ち上り部を有し、底の口縁に張り渡した抑えシート11を定型に支えているものである。さらに、枠体10の上縁には、フラップ12、12の対を向き合わせに備えている。フラップ12は、枠体10の前後上縁をつないで枠体10を支え、その形態を補強するとともに、抑えシート11の上方への変形の程度を制約し、さらに、両フラップ12,12間に形成される隙間から透明の抑えシート11を通して枠体10の上方から物品の保持状態を観察できるように透視窓を形成するものである。
【0021】
一方、枠体10の両端の各中央部位には、把手13と、キー14とを有している。把手13は抑えパッド3を手に持って外箱1内へ挿入する際、あるいは外箱1内から取り出す際の握り部であり、キー14は、後述するように抑えパッド3を外箱1内に挿入し、支えパッド2の台座6上に載せられた物品を枠体の抑えパッド3で上から押さえつけた状態で、その先端縁を外箱1の端面側内壁に配列した係止縁5の1つに係止させるものである。
【0022】
この実施例において、キー14は、図4(a)に示すように枠体10の一辺を形成する外端板10Aに連なってその一部に形成され、把手13は、外端板10Aの折返部である内端板10Bに連なってその一部に形成されたものであり、外端板10Aと内端板10Bとは、枠体10の上面一部を形成するスペーサ10C、10cによってつながれている。両スペーサ10C、10c間は切り離されて枠体10の一部に、把手13と、キー14との間に手指を差し込む隙間を形成している。
【0023】
すなわち、スペーサ10cは、直角三角形の形状をなし、三角形の底辺の長さによって把手13とキー14との隙間の幅を規定し、かつ両端板10A,10Bをつないで図4(c)に示すように把手13と、キー14とを一定間隔を保たせて定位置に保形するとともに、材質の有する弾性によってキー14を外側に向けて付勢し、枠体10の外方に向け上傾方向に張り出させるものである。また、把手13は、内端板10Bをプラスチックダンボールで裏打ちし、その外面をカバーで覆って、手指で持ちやすい厚みに仕上げられている。
【0024】
前記キー14には、その先端の内側に、てこ15が起倒可能に付設されている。てこ15は、後述するように、係合縁5にキー14が係合した状態で、キー15の先端を軸として転回させ、その一部を外箱の内壁に押し付け、その反作用でキー14を係止縁5の窪みから外すものである。キー14を形成する外端板10Aの延長部分にダンボールを2枚裏打ちし、把手と同様にその外面をカバーで覆って一定の厚みを確保し、把手と同様にその外面をカバーで覆ったものである。ダンボールに両面ダンボールを用いたときに、両面ダンボールは、段が付された中心と、その内外面を覆うライナーとの組み合わせである。
【0025】
キー14の先端の内側にてこ15を起倒可能に付設するには、キーの先端において内ライナーを残し、外ライナーと中心とに切り込みを付すことによって、てこ15は、内ライナーを蝶番としてキー14の先端に起倒可能に連結される。もっとも、図示を略すが、別途可撓性シートを用いてキー14と、てこ15とを連結することによってキー14の先端にてこ15を起倒可能に付設することもできる。
【0026】
以下に本発明による物品配送用梱包箱を用いて物品を梱包する要領を説明する。図1において、まず外箱1の蓋4を開いた状態でまず支えパッド2を箱内に挿入し、これを外箱1の内底に設置する。外箱1内に挿入された支えパッド2の台座6は、図5に示すように脚台7に支えられて外箱1内の一定高さ位置に支えられ、台座6の下方には緩衝用空間が形成される。ついで、支えパッド2の台座6上に梱包すべき物品Mを載置し、その上から抑えパッド3を挿入する。抑えパッド3の挿入に際しては、図6に示すように把手13を手に持ち、枠体10に張り渡した抑えシート11の面を下向きにして外箱1内に挿入し、そのまま支えパッド2の台座6上に載置した物品Mを抑えシート11のシート面で上方から押さえつけ、抑えシート11の有する弾性力で物品Mを支えパッド2の台座6上に定着させる。
【0027】
この状態で外箱1の両端面側内壁に配列された係止縁5の内、抑えパッド3の枠体10の高さ位置でもっとも近い係止縁5の1つを選定し、枠体10の両端に設けたキー14を選定された係止縁5に引っ掛ける。なお、抑えパッド3を外箱1内に挿入するに際しては、抑えパッド3の把手13あるいは、てこ15を掌で握り、そのまま外箱1内に押し込むと、キー14は自身の弾性に抗して一旦内側に変形するが、押圧力を解除すれば、キー14は、自身の復元力で上傾姿勢にもどり、図4(d)に示すように係止縁5を形成する窪みに引っ掛かって当該係止縁5に安定に支えられる。さらに下段の係止縁に係合させようとするときには、そのまま抑えパッド3を押し込んで、適切な係合縁を選定すればよい。これによって、キー14は、抑えシート11の弾性力を物品Mに作用させた状態で抑えパッド3を定位置に保持する。
【0028】
この状態で、外箱1の蓋4を閉じ、図7のように、蓋4と外箱1とを面ファスナー16で結合し、さらに緊締バンド17で緊締して物品Mの梱包を完了する。この実施例において、蓋4の外面に配送伝票の貼付欄18が設けられている(図7参照)。梱包された物品は、蓋の外面に配送伝票にしたがって配送される。
【0029】
逆に外箱1内から物品Mを取り出すときには、蓋4と外箱1とを結合する面ファスナー16および緊締バンド17をはずして蓋4を開き、ついで、図4(e)に示すように、キー14の先端を軸として、てこ15を矢印A方向に転回させ、その一部を外箱の内壁に押し付け、その反作用でキー14を係止縁5の窪みからはずし、抑えパッド3を外箱1内から撤去して物品を取り出す。てこ15を矢印A方向に転回させてその一部を外箱の内壁に押し付けると、そのてこ作用によって、キー14は、自ずから係止縁5の窪みからはずれるため、外箱内から抑えパッドを容易に取り外すことができる。
【0030】
本発明において、収納物品Mは、外箱1の内底に設置した支えパッド2上に載置され、その上方から挿入した抑えパッド3の抑えシート11で押さえつけ、抑えパッド3のキー14を外箱1の内壁の係止縁5の1つに引っ掛けることによって、抑えパッド3の弾性による圧力を物品に作用させた状態で抑えパッドを定位置に保持させるため、収納物品Mを両パッド2,3間に安定に定着させることができる。
【0031】
収納物品Mがデスクトップパソコンのように高さが高い物品の時には、上段の係止縁を選定して抑えパッドのキーを係止させ、逆に収納物品がノートパソコンのような薄物のときには、下段の係止縁を選定することによって1種類の外箱を収納物品の大小、厚さの違いに使い分けて収納物品の形状の違いに対応できる。この実施例においては、抑えパッドの係止位置を段階的に調整しているが、無段階に調整できるように構成することも可能である。
【0032】
図5において、支えパッド2と抑えパッド3との間に挟まれて外箱1内に収納された物品Mの下方には支えパッド2の台座6内の空間、上方には、抑えパッド3の枠体10あるいは枠体10と外箱の蓋4との間に形成される空間が形成され、さらに物品Mの四周に、空間を確保することによってこれらが緩衝空間として配送中に外箱が受けるかもしれない衝撃や振動から収納物品を有効に保護できる。
【0033】
なお、抑えパッド3の枠体10の下縁に張り渡された抑えシート11の上方への変形は、枠体10の上縁のフラップ12によって制限される。したがって、収納物品Mは、枠体10を係止縁5に保持させた状態で、枠体10の立ち上がり高さの範囲内で変形した抑えシート11による押しつけ力によって支えパッド2の台座6上に安定に固定されることになる。
【0034】
なお、物品の梱包作業に際し、支えパッド2と抑えパッド3とは、抑えシート11の有無、台座の有無による形状の違いによって識別は可能であるが、よりわかりやすく区別をするために、支えパッド2は、外箱1内に設置してあたかも外箱1の一部になることをイメージして外箱と同じ色、例えば緑色に着色されたダンボールを用い、抑えパッド3は、外箱1に挿入して物品Mを固定するための部材であって、外箱1とは区別されるものであることを見た目からも明らかにするため、外箱1の色とは別の色、例えば黄色に着色されたダンボールを用い、さらに支えパッド2と抑えパッド3の上下の使い分けを文字にて表示しておくことが望ましい。
【0035】
さらに、この実施例において、梱包箱に用いる外箱1には、その立ち上がり高さを変更できる構造の既存の製品を用いている。梱包箱の不使用時における保管に好都合である。この例では高さを2段階に変えることができる外箱に適用した例である。 図8において、外箱1の四周壁のうち、開口縁から一定の深さの範囲を箱枠1aとして残し、その下の両端壁は折り曲げ部1b、1bとして下底から切り離して外箱1の内側に折り曲げ可能とし、開口縁から一定の深さの範囲から下の両側壁は下底につながれたまま、その一定高さの範囲を折り畳み部1c、1cとして2つ折りに折り畳み可能としている。本発明の梱包箱を構成する外箱1と、支えパッド2と、抑えパッド3との組み合わせは、物品の配送後回収して繰返し使用することができる。
【0036】
外箱1の箱枠1aとして残す開口縁から一定の深さの範囲は、支えパッド2の立上り高さに合わせて設定されている。したがって、梱包箱の不使用時には、まず、両端壁の折り曲げ部1bをそれぞれ水平姿勢に折り曲げて上下に折り重ね、ついで両側壁の折り畳み部1cを2つ折に折り畳んで両折り曲げ部1bの下に折り重ね,箱枠1aの底を底板1dで塞ぐ。
【0037】
なお、底板1dの両端には、補助端板1eが箱枠1aと同じ高さで上向きに張り出して設けられている。抑えパッド3は、支えパッド2の開口内にはめ込み、この組み合わせを箱枠1b内に挿入し、蓋4を閉じ、蓋4と端板1eとを面ファスナーで止め、蓋4と箱枠1aとをバンドで緊締する。この例によれば、外箱1の高さをおよそ1/3に縮めて保管することが可能になるが、外箱の高さを縮めた状態でも配送物品の梱包箱として利用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明による物品配送用梱包箱は、顧客から修理センター間の物品の宅配に用いるだけに限らず、引越しや宅配便による商品の運送、デパート、小売店からの商品の配送、工場や事務所間の物品、書類の輸送に広く活用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 外箱、2 支えパッド、3 抑えパッド、4 蓋、5 係止縁、6 台座、7脚台、8 スリット、9aクッション、9b カバーシート、10 枠体、10A 外端板、10B 内端板、10C スペーサ 11 抑えシート、12 フラップ、13 把手、14 キー、15 てこ、 16 面ファスナー、17 緊締バンド、18 配送伝票の貼付欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、支えパッドと、抑えパッドとの組み合わせからなる配送用物品梱包具であって、
外箱は、中空容器で、容器の開口縁の一側には容器を施蓋する蓋を開閉可能に備え、係止縁を有し、
係止縁は、外箱の内壁面から一定厚さに張り出させたストッパー杆であり、外箱内の対抗する端面の壁面には、互いに向き合わせて上下多段に配設され、
支えパッドは、収納物品の載置台として外箱の底に設置するものであり、外形は外箱の横断面形状を象った角型をなし、台座と、台座の4周面縁に立ち上り部として形成された脚台とからなり、
抑えパッドは、外箱の横断面形状を象った角型の枠体と、枠体の下部開口を覆って張り渡した抑えシートの組み合わせからなり、
抑えシートは、ウレタンシートのような弾力性に優れたシートであり、
枠体は一定高さの立ち上り部を有し、底の口縁に張り渡した抑えシートを定型に支えているものであり、
枠体の上縁には、フラップと、キーとを有し、
フラップは、枠体の前後縁をつないで枠体を補強するとともに、抑えシートの上方への変形の程度を制約するものであり、
キーは、抑えパッドを外箱内に挿入し、支えパッドの台座上に載せられた物品を枠体の抑えシートで押さえつけた状態で、外箱の端面側内壁に配列した係止縁の1つに係止させるものであることを特徴とする配送用物品梱包具。
【請求項2】
前記係止縁は、外箱の内壁面から一定厚さに張り出させたストッパーであり、外箱の内壁面に張り付けたプラスチックダンボールの板面を横長の長方形に切り抜き、切り抜きによってダンボールの厚みを有する開口によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項3】
前記台座の板面の四隅には、滑らかな曲線をもって一定の幅で切り欠いたスリットが形成され、前記台座は、このスリットの形成によって抑えパッドの台座の緩衝性を増大させたものであることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項4】
前記台座には、補強と緩衝作用を兼ねて弾力性を有するシートをカバーシートとして張り渡されていることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項5】
前記抑えパッドの枠体の両端の各中央部位には、把手を有し、
把手は抑えマットを外箱内へ挿入し、あるいは外箱内から取り出す際の握り部であることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項6】
前記キーには、その先端の内側に、てこが起倒可能に付設され、
前記てこは、係合縁にキーが係合した状態で、キーの先端を軸として転回させ、その一部を外箱の内壁に押し付けることにより、その反作用でキーを係止縁の窪みからはずすものであることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項7】
前記支えパッドと抑えパッドとは、わかりやすく区別をするために、互いに異なる色に着色されていることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。
【請求項8】
前記外箱は、その立ち上がり高さを変更できる構造のものであることを特徴とする請求項1に記載の配送用物品梱包具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−195454(P2010−195454A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45274(P2009−45274)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(507022983)ヤマト包装技術研究所株式会社 (19)
【Fターム(参考)】