説明

状態検出装置およびレーザ加工装置

【課題】レーザ加工ノズルとワークの間の状態、例えば、ギャップ長やプラズマなどを精度良く検出できる状態検出装置などを提供する。
【解決手段】状態検出装置1は、レーザ加工ノズルに設けられた測定電極とワークWの間に参照信号を供給する信号発生回路10と、測定電極とワークWの間の状態に応じて変化する電気信号を測定するバッファ回路20およびA/Dコンバータ21と、環境温度を検出する温度検出回路30と、電気信号の測定データおよび検出した環境温度に基づいて、検出対象である状態、例えば、ギャップ長やプラズマなどを演算するための演算回路40などで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工ノズルとワークの間の状態、例えば、ギャップ長やプラズマなど、を検出するための状態検出装置および、これを用いたレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、センサ電極とワークピースの間隔を測定する方法が開示されており、加工中に発生するプラズマの影響を軽減するために、加工ノズルとワークピースとの間に発生するプラズマをオーミック抵抗Rpとしてモデル化し、加工ノズルとワークピースとの間の静電容量をキャパシタンスCmとしてモデル化して、ギャップ長さを検出している。
【0003】
【特許文献1】特開2000−234903号公報
【特許文献2】特開平2−57904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなギャップ検出装置では、加工中に発生するプラズマがあたかもオーミック抵抗Rpとして挙動することを前提に、計測交流信号の周波数を選定している。
【0005】
しかしながら、実際にはどんなに注意深く周波数を選定しても、プラズマは抵抗成分だけではなくキャパシタンス成分を含んでいる。その結果、「プラズマは電気回路的にはオーミック抵抗として挙動する」という仮定に基づいて計算したギャップ値は、プラズマの影響を受けてしまい、正確なギャップ値を検出できないという問題点がある。
【0006】
そのため、特に、薄ステンレス鋼板の加工など、強いプラズマが頻繁に発生する加工の場合、プラズマの影響による誤検出を避けるために、加工速度を低く抑えなければならず、作業効率が低下してしまう。
【0007】
本発明の目的は、レーザ加工ノズルとワークの間の状態、例えば、ギャップ長やプラズマなどを精度良く検出できる状態検出装置を提供することである。
【0008】
また本発明の目的は、この状態検出装置を用いたレーザ加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る状態検出装置は、レーザ加工ノズルとワークの間の状態を検出するものであって、
レーザ加工ノズルに設けられた測定電極とワークの間に参照信号を供給するための信号発生回路と、
測定電極とワークの間の状態に応じて変化する電気信号を測定するための測定回路と、
環境温度を検出するための温度検出回路と、
測定回路による測定データおよび検出した環境温度に基づいて、検出対象である前記状態を演算するための演算回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
一般的に、どのような電気回路やケーブルでも環境温度の影響を受け、微細な量を測定する系においてはその影響を無視できない。したがって、本発明によれば、環境温度を検出するための温度検出回路を設けて、検出した環境温度と、測定電極とワークの間の状態を電気的に測定した測定データと併用することにより、ギャップ長やプラズマなどの状態を精度良く検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の第1実施形態を示す回路構成図である。加工ヘッドHDの先端には、レーザ発振器(不図示)から供給されるレーザ光を照射するためのレーザ加工ノズルが設けられる。レーザ加工の際、レーザ加工ノズルは、加工対象であるワークWに接近し、焦点位置で加工できるように位置決めされる。
【0012】
加工ノズルがワークWに対して対向していることは、あたかもコンデンサであるとみなすことができる。こうした加工ノズルとワークW間のギャップによる静電容量は、コンデンサ5としてモデル化できる。コンデンサ5は、ノズルに相当する上側の電極板5aと、ワークWに相当する下側の電極板5bとを有する。
【0013】
ノズルとワークWとの間のギャップ長が変化すると、コンデンサ5の容量が変化する。従って、コンデンサ5の容量を測定することによって、ノズルとワークWとの間のギャップ長を算出できるため、コンデンサ5はギャップセンサとして機能する。
【0014】
上側の電極板5aとして機能するノズルは、ケーブル9の内線9aを通じて、本発明に係る状態検出装置1の測定端子12に接続される。下側の電極板5bとして機能するワークWは、通常、グランド電位となるように接地される。
【0015】
なお、ここでは、ノズル自体を測定電極として用いる例を説明するが、ノズル先端に別個のセンサ電極を取り付けて、このセンサ電極を測定電極として使用することも可能である。
【0016】
一方、レーザ光がワークWを照射すると、加工条件によってノズルとワークWとの間にプラズマPが発生することがある。プラズマPは、従来のような抵抗成分のみでなく、本発明ではインピーダンス回路としてモデル化している。
【0017】
特に、本実施形態では、抵抗成分と静電容量成分の並列回路としてモデル化している。従って、ノズルとワークWとの間は、プラズマPによる抵抗成分、プラズマPによる静電容量成分、およびギャップによるコンデンサ5の静電容量成分が並列接続されていることになる。そこで、ノズルとワークWとの間の電気的特性を計測することによって、ノズルとワークWとの間の状態を観測することができる。
【0018】
状態検出装置1は、信号発生回路10と、リファレンス素子11と、バッファ回路20と、温度検出回路30と、A/D(アナログデジタル)コンバータ21,31と、演算回路40と、D/A(デジタルアナログ)コンバータ41などで構成される。
【0019】
信号発生回路10は、一定の周波数を有する交流参照信号、例えば、正弦波や方形波などを発生し、既知の基準抵抗や基準インピーダンスからなるリファレンス素子11を経由して、測定端子12に供給する。測定端子12に供給された参照信号は、ケーブル9の内線9aを通じて、ノズルの測定電極とワークWとの間に供給される。
【0020】
ノズルとワークWとの間の静電容量を高精度に求めるためには、参照信号はある程度高い周波数、例えば、数百kHz以上の周波数を有することが好ましい。
【0021】
参照信号を測定電極に供給した場合、測定電極12とワークの間の状態、例えば、ギャップ長やプラズマ量などに応じて、測定端子12の信号が変化する。測定端子12の信号は、OPアンプなどのバッファ回路20を経由して、A/Dコンバータ21によってデジタルデータに変換される。
【0022】
バッファ回路20の出力は、ケーブル9の外線9bにも接続されている。ケーブル9の外線9bの他端は、加工ヘッドHD内部のガード電極8と接続される。こうしてケーブル9の外線9bを、内線9aと同電圧で低インピーダンス駆動することによって、ケーブルの浮遊容量を解消できるため、ケーブル9の延長による測定誤差を防止できる(特許文献2)。
【0023】
温度検出回路30は、熱電対やサーミスタなどを有し、環境温度を検出する。検出した信号は、A/Dコンバータ31によってデジタルデータに変換される。
【0024】
演算回路40は、マイクロコンピュータなどで構成され、測定端子12の電圧信号および環境温度をデジタルデータとしてサンプリングし、これらのデータに基づいて測定電極12とワークの間の状態、例えば、ギャップ長やプラズマ量を算出する。
【0025】
D/Aコンバータ41は、演算回路40から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換して、外部のレーザ加工装置制御回路に供給する。外部のレーザ加工装置制御回路は、状態検出装置1から得られる状態パラメータに基づいて、レーザ光及び/又はワークWの位置決め制御、例えば、倣い制御、またはレーザ光の出力制御などを実行する。なお、外部のレーザ加工装置制御回路は、演算回路40からデジタルデータを直接受け取ることも可能である。
【0026】
演算回路40は、データサンプリングの際、信号発生回路10の動作と同期をとるために、同期信号を信号発生回路10に供給している。
【0027】
図2は、図1に示す状態検出装置1の代替例を示す回路構成図である。図2では、信号発生回路10から出力される参照信号をデジタルデータとしてサンプリングするためのA/Dコンバータ42を追加している。演算回路40は、測定端子12の電圧信号と、参照信号を同期してサンプリングすることにより、図1に示す同期信号を省略できる。
【0028】
図3は、演算回路40の動作を示すフローチャートである。まずステップS1において、測定端子12の電圧信号をサンプリングした測定データを用いて、ノズルとワークWとの間にある測定箇所のアドミタンスを求める。なお、アドミタンスはインピーダンスの逆数である。
【0029】
測定箇所のアドミタンスYは、ギャップによるコンデンサ5の静電容量をC、プラズマPによるインピーダンスをZとすると、下記の式(1)で表される。
【0030】
【数1】

【0031】
ここで、Yは、ある基準温度での測定箇所アドミタンス、jは虚数単位、ωは、参照信号の角周波数、Rは、プラズマインピーダンスZの抵抗成分、Cは、プラズマインピーダンスZの静電容量成分である。
【0032】
測定データを用いて、測定箇所のアドミタンスYを求める方法について説明する。信号発生回路10から演算回路40までを、1つの系と考える。即ち、信号発生回路10で生成した信号を入力として、A/Dコンバータ21でサンプリングされる電圧信号を出力とする系として、その伝達関数を考える。
【0033】
本実施形態に係る状態検出装置では、この伝達関数F(s)を下記の式(2)で表される数式モデルで考える。
【0034】
【数2】

【0035】
ここで、Rrefはリファレンス素子11であり、A(s)とX(s)はこの系の特性を表すパラメータである。A(s)は、主にバッファ回路20に関連したパラメータであり、X(s)は、主にケーブル9の特性に関連したものである。また、sは、ラプラス演算子であるが、s=jωを代入すれば、下記の式(3)で示す周波数伝達関数が求まる。
【0036】
【数3】

【0037】
式(3)は、以下のように変形できる。
【0038】
【数4】

【0039】
この式(3a)を用いて測定箇所のアドミタンスYを求めることができる。
【0040】
このようにステップS1での作業は、下記のようになる。
・入出力信号データから周波数伝達関数F(jω)を求める。
・数式3aにF(jω)を代入して、Y(jω)を求める。
【0041】
なお、周波数伝達関数F(jω)は、すべての周波数に関して計算する必要はなく、ある角周波数ωでの値を求めればよい。ギャップによる静電容量を高精度に求めるためには、上述したように、参照信号は、例えば、数百kHz以上の周波数を有することが好ましい。
【0042】
また、入出力信号データから周波数伝達関数F(jω)を求めるために、演算回路40は、入力信号がどのタイミングで発生しているのかを知っていなければならない。そのため、図1では、演算回路40は同期信号を信号発生回路10に供給しており、図2では演算回路40は参照信号も一緒に同期してサンプリングしている。
【0043】
次に、ステップS2について説明する。ステップS1で説明した測定箇所アドミタンスYは複素数であることから、式(1)の形から、以下のように抵抗(の逆数)成分(1/R成分)と静電容量成分(C成分)に分けることができる。
【0044】
【数5】

【0045】
測定箇所のギャップを変化させ、また環境温度を変化させ、それぞれの場合で測定箇所アドミタンスYをステップS1の方法で求めた後、1/R成分とC成分に分けてプロットしたものを図4に示す。
【0046】
この図4の例では、環境温度が20℃、測定箇所のギャップが1mmのときを基準として、1/R成分とC成分がともに0になるよう前記特性パラメータA(s),X(s)を調整した。
【0047】
図4の例では、測定箇所のギャップは1mm,5mm,10mmと変化させ、環境温度は0℃〜40℃まで変化させ、10℃間隔でプロットしている。温度が高くなると1/R成分は負の方向へ、温度が低くなると1/R成分は正の方向へ並行移動している様子が判る。
【0048】
予め実験等により、この温度に依存した1/R成分とC成分の移動量を測定し、ルックアップテーブルや数式を用いて、その変化の傾向をモデル化することにより、常に基準温度での値を求めることが可能となる。
【0049】
基準温度での基準位置において、1/R成分を0に設定した理由は、測定時にプラズマは発生しておらず、空気中の抵抗が十分大きく、R≒∞と仮定したためである。環境温度が変化しても、空気中の抵抗成分はやはりR≒∞であるため、本来ならば、1/Rは0の近傍にあるはずであるが、実際には1/R成分はシフトしている。これは、温度によってケーブル9などの抵抗値が変化するためと推測される。
【0050】
従って、温度に依存した1/R成分とC成分のシフト量を表す温度モデルを備えることにより、温度によって変化する測定箇所以外の部分の影響を排除し、基準温度での測定箇所アドミタンスを正確に推定することが可能となる。
【0051】
このようにステップS2での作業は、下記のようになる。
【0052】
・温度検出回路30を用いて温度Tを得る。
・ステップS1の方法で求めた、現在の環境温度での測定箇所アドミタンスYに対して、下記の式(4)で表される温度モデルに基づいて、温度Tのときの1/R成分とC成分のシフト量を求め、基準温度でのアドミタンスYを求める。
【0053】
【数6】

【0054】
なお、温度Tは、摂氏など実際の温度単位に線形な値である必要はなく、例えば、サーミスタを用いて温度検出回路30を構成して得られる、非線形の電圧値などでもよい。
【0055】
次に、ステップS3について説明する。いままでの説明では、測定箇所にプラズマは発生していないと仮定している。しかし、実際のレーザ加工においては、特に、ステンレス鋼やアルミニウムの加工においては、プラズマが発生しやすく、加工速度を速くすると、発生したプラズマが強くなる。
【0056】
ここでは、プラズマが発生するような加工方法をプラズマ加工と称することにする。プラズマは、電気を通しやすいことから、ノズルとワークWとの間に発生すると、図1に示したように、測定箇所は、ギャップによる静電容量を表すコンデンサ5とインピーダンス(プラズマインピーダンス)が並列接続された等価回路で表現できる。
【0057】
そこで、ステップS2での図4と同様に、プラズマ加工中のステップS1で求めた測定箇所アドミタンスYを、C−1/R平面にプロットして解析する。
【0058】
図5は、ギャップを一定に保ち、プラズマ加工を行ったときの測定箇所アドミタンスのC−1/R平面解析結果である。
【0059】
特許文献1によれば、測定信号の周波数を注意深く選べば、プラズマはオーミック抵抗とみなすことができると説明している。しかしながら、実際に解析してみると、どんなに注意深く周波数を選んでも、図5から理解できるように、プラズマは、測定箇所アドミタンスの1/R成分だけでなく、C成分も変化させていることから、インピーダンス回路として機能することが判る。
【0060】
そこで、プラズマによる電気的な特性をプラズマインピーダンスと称し、図1の等価回路では、単なる抵抗成分だけでなく、プラズマによる静電容量成分が並列接続されたプラズマインピーダンスとしてモデル化している。
【0061】
加工中のプラズマインピーダンスの値は一定ではなく、加工速度などの要因によって、プラズマの状態とともに変化する。プラズマインピーダンスの変化の仕方について以下にもう少し詳しく述べる。
【0062】
式(1)をもう一度参照する。
【0063】
【数7】

【0064】
このように、環境温度が一定のもとでは、測定箇所アドミタンスYは、プラズマの状態と、ギャップ長とから決定される。図5に示した例では、ギャップ長を一定にして、プラズマ加工を行っているため、下記の式(5)に示すように、測定箇所アドミタンスYの、プラズマが発生していないときからの差分が、プラズマインピーダンスの逆数(すなわちプラズマアドミタンスYとなる。
【0065】
【数8】

【0066】
その変化の様子は、図5に示しており、解析箇所アドミタンスYは、C−1/R平面内でほぼ直線的に変化する特徴を持つ。つまり、プラズマアドミタンスYが直線的に、すなわち、C成分と1/R成分が一定の割合で変化する特徴を持つ。この特徴をプラズマインピーダンス特性、もしくはプラズマアドミタンス特性と称することにする。
【0067】
【数9】

【0068】
演算回路40において、このプラズマインピーダンス特性をルックアップテーブル化したもの、もしくは数式モデルを備えることにより、プラズマアドミタンスを正確に検出することが可能となり、また、ギャップによる静電容量を正確に検出することが可能となる。
【0069】
このようにステップS3での作業は、下記のようになる。
・ステップS2で求めた基準温度での測定箇所アドミタンスY(複素数)の1/R成分から、下記の式(7)に示すように、プラズマアドミタンスYの1/R成分が判る。
【0070】
【数10】

【0071】
・プラズマインピーダンス特性を表したプラズマモデルを用いて、下記の式(8)と式(9)に示すように、プラズマアドミタンスYの1/R成分からプラズマアドミタンスYを求める。
【0072】
【数11】

【0073】
・前記ステップS2で求めた基準温度での測定箇所アドミタンスY(複素数)のC成分から、下記の式(10)に示すように、ギャップによる静電容量Cを求める。
【0074】
【数12】

【0075】
最後に、ステップS4について説明する。ステップS3までで求めたギャップによる静電容量Cと、実際の測定箇所(すなわち加工ヘッドHDの先端に装着されたノズルと加工対象であるワークWとの間)のギャップdとの関係は、加工ヘッドHDの形状などによって異なってくる。
【0076】
図6は、ギャップによる静電容量Cとギャップdとの関係の一例を示すグラフである。使用するレーザ加工装置において、事前に、このギャップによる静電容量Cとギャップdとの関係を求めておいて、この関係を表したルックアップテーブルや数式などのモデルを作成しておけば(ギャップモデル)、演算回路40においてギャップ長を算出することが可能となる。
【0077】
以上のように、演算回路40において、温度モデルおよびプラズマモデルを表したルックアップテーブルや数式などを備えることにより、環境温度に依存しないで正確なプラズマアドミタンスの算出が可能となり、さらに環境温度やプラズマの有無にかかわらずギャップによる静電容量を正確に求めることができる。
【0078】
さらに、演算回路40において、ギャップモデルを表したルックアップテーブルや数式などを備えることにより、環境温度やプラズマの有無に影響されずに、正確なギャップ長さ検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施形態を示す回路構成図である。
【図2】図1に示す状態検出装置1の代替例を示す回路構成図である。
【図3】演算回路40の動作を示すフローチャートである。
【図4】測定箇所のアドミタンスについてのC−1/R平面解析図である。
【図5】プラズマ加工中の測定箇所のアドミタンスについてのC−1/R平面解析図である。
【図6】ギャップによる静電容量とギャップとの関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0080】
1 状態検出装置、 5 コンデンサ、 5a,5b 電極板、 9 ケーブル、
10 信号発生回路、 11 リファレンス素子、 12 測定端子、
20 バッファ回路、 30 温度検出回路、 21,31,42 A/Dコンバータ
40 演算回路、 41 D/Aコンバータ、
HD 加工ヘッド、 P プラズマ、 W ワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工ノズルとワークの間の状態を検出する状態検出装置であって、
レーザ加工ノズルに設けられた測定電極とワークの間に参照信号を供給するための信号発生回路と、
測定電極とワークの間の状態に応じて変化する電気信号を測定するための測定回路と、
環境温度を検出するための温度検出回路と、
測定回路による測定データおよび検出した環境温度に基づいて、検出対象である前記状態を演算するための演算回路とを備えたことを特徴とする状態検出装置。
【請求項2】
レーザ加工ノズルとワークの間の状態を検出する状態検出装置であって、
レーザ加工ノズルに設けられた測定電極とワークの間に参照信号を供給するための信号発生回路と、
測定電極とワークの間の状態に応じて変化する電気信号を測定するための測定回路と、
レーザ加工ノズルとワークの間に発生するプラズマを抵抗成分と静電容量成分の並列回路としてモデル化し、測定電極とワークの間のギャップを静電容量成分としてモデル化して、該抵抗成分と、プラズマに起因した該静電容量成分およびギャップに起因した該静電容量成分の和である合成静電容量とを入力変数とし、検出対象である前記状態を出力変数とする関数モデルを有し、測定回路による測定データに基づいて前記状態を演算するための演算回路とを備えたことを特徴とする状態検出装置。
【請求項3】
環境温度を検出するための温度検出回路をさらに備え、
前記関数モデルは、検出した環境温度を追加の入力変数として処理することを特徴とする請求項2記載の状態検出装置。
【請求項4】
前記演算回路は、ギャップ長およびプラズマ量の少なくとも1つを出力することを特徴とする請求項2または3記載の状態検出装置。
【請求項5】
前記関数モデルは、ルックアップテーブルまたは数式で定義されていることを特徴とする請求項2または3記載の状態検出装置。
【請求項6】
レーザ加工ノズルと、
レーザ加工ノズルにレーザ光を供給するためのレーザ発振器と、
請求項1〜5のいずれかに記載の状態検出装置と、を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−304194(P2008−304194A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148882(P2007−148882)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】