説明

状態検知機構

【課題】交換部品の状態を検知する状態検知機構において誤検知を抑制する。
【解決手段】状態検知機構は、可動子16、バネ部材21、縁部20e、ストッパ部材20gを含む。バネ部材21は、第1所定位置に配される可動子16に対してD方向の復元力を作用させることで、可動子16を第1所定位置から第2所定位置に変位させる。縁部20eは、第1所定位置に配される可動子16に形成される突起部材16dに当接して、上記変位を規制する。ストッパ部材20gは、第1所定位置に配される可動子16に形成される突起部材16dに当接して、D方向を軸とした可動子16の回転を規制する。ここで、可動子16にシャフト体15からトルクが伝達されると、可動子16はD方向を軸として回転し、突起部材16dとストッパ部材20gとが当接し、この当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって突起部材16dが破壊される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体装置に対して着脱自在に装着されている交換部材が新品状態である場合、当該新品状態である事を本体装置に検知させるための状態検知機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機などの画像形成装置には、感光体カートリッジ、現像槽カートリッジ、帯電ユニット、およびクリーナユニットなどの各種プロセスカートリッジが着脱可能に設けられる。これらカートリッジには、使用によって劣化の生じるものや、消耗材が使い切られるものがあるため、適当な時期で別のカートリッジと交換する必要が生じる。このとき、新品状態のカートリッジに交換される場合もあれば、既に使用されたがまだ使用可能である使用済状態のカートリッジに交換される場合もある。
【0003】
さらに、画像形成装置においては、プロセスカートリッジの交換時期を検知してオペレータにこの交換時期を通知するため、また、プロセスカートリッジの使用履歴に合わせてプロセス条件を適正化するために、プロセスカートリッジの使用履歴を記録することが多い。
【0004】
ここで、新たに装着されたカートリッジが未使用状態(新品状態)である場合には、装着開始時から履歴を記録することに問題は起こらないが、使用済状態の場合には既にある程度使用されているので、装着開始時から新品と同様に履歴の記録を開始すると、その交換時期やプロセス条件の適正化を誤る原因となる。従って、プロセスカートリッジが画像形成装置に装着される際に、そのプロセスカートリッジが未使用状態であるか使用済状態であるかを画像形成装置側で識別できるようになっているのが好ましい。
【0005】
プロセスカートリッジが画像形成装置に装着される際、装着されたカートリッジが未使用状態か使用済状態かを画像形成装置側において識別できる手段は、例えば、以下に示す特許文献1〜3に開示されている。
【0006】
そのなかでも、特許文献3においては、図6に示すようなイニシャル検知機構200が開示されている。このイニシャル検知機構200は、画像形成装置に装着される感光体カートリッジに設けられるものであり、シャフト体230と、シャフト体230に対してF方向に摺動可能に嵌めこまれる移動体210と、孔部220aが形成されたカバー部材220と、から構成される。また、移動体210には軸体210aが形成されている。
【0007】
このイニシャル検知機構200によれば、感光体カートリッジが未使用状態のとき、図6(a)に示すように、移動体210は、その軸体210aがカバー部材220の内側から孔部220aを貫通して画像形成装置のセンサ250に接触するような位置に配されている。なお、以下では、この図6(a)における移動体210の配される位置を位置aと称する。
【0008】
また、移動体210は、位置aにおいて、圧縮しているバネ部材260によってセンサ250から離間する方向(F方向)に付勢されているものの、軸体210aの周面に形成されている突起210bが孔部220a周囲のカバー部材220の外表面に当接することによって、上記付勢による移動が制限されている。つまり、移動体210は、位置aにおいて静止している。
【0009】
そして、感光体カートリッジが使用されると、シャフト体230が回転すると共に移動体210かつ軸体210aも回転する(F方向を軸とした回転)。さらに、この回転によって、軸体210aに形成されている突起210bは、カバー部材220の孔部220a周囲におけるカバー部材220の外表面上を摺動し、この外表面の一部が切り欠かれた切欠穴(不図示)に対向する位置まで移動する。
【0010】
そして、突起210bが切欠穴に対向すると、突起210bはカバー部材220の外表面に当接しなくなる。これにより、移動体210は、バネ部材260の復元力によってセンサ250から離間する方向(F方向)に移動する。さらに、図6(b)に示すように、移動体210は、その内側底面がシャフト体230の端部に当接することによって静止し、軸体210aがセンサ250から離間するような位置に配される。なお、以下では、この図6(b)における移動体210の配される位置を位置bと称する。
【0011】
この位置bに配される移動体210は、バネ部材260によってシャフト体230の端部に押圧されることによって支持されている。したがって、位置bにおいて支持される移動体210は、振動等によって僅かに位置aの方向(F方向と逆方向)に移動する事があっても結局バネ部材260によって位置bに押し戻され、その結果、位置bに維持され、自動的に位置aに戻ることはない。
【0012】
以上示したイニシャル検知機構200によれば、感光体カートリッジが未使用状態のとき、移動体210は位置aに配され、移動体210の軸体210aが画像形成装置のセンサ250に接触している。そして、画像形成装置は、センサ250と軸体210aとが接触している場合、感光体カートリッジが未使用状態であると識別する。
【0013】
また、感光体カートリッジが使用されると、移動体210は位置aから位置bに移動し、軸体210aがセンサ250から離間する。そして、画像形成装置は、センサ250と軸体210aとが非接触の場合、感光体カートリッジが使用済状態であると識別する。
【0014】
このようにして、イニシャル検知機構200においては、画像形成装置側で感光体カートリッジが未使用状態であるか否かを識別することが可能になる。
【特許文献1】特開平2−99980号公報(平成2年4月11日公開)
【特許文献2】特開平2−308277号公報(平成2年12月21日公開)
【特許文献3】特開2003−271039号公報(平成15年9月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したイニシャル検知機構200においては、感光体カートリッジが未使用状態から使用済状態になることによって移動体210が位置aから位置bに移動すると、この移動体210は自動的に位置aに戻らない。ところが、作業員の手作業によって、イニシャル検知機構200を分解し、移動体210が再度位置aに配置されるようにイニシャル検知機構200を組み立て直す事が可能である。このような事を可能にしている理由は、消耗して回収された感光体カートリッジがリサイクルされて新品状態(未使用状態)に戻った後、この感光体カートリッジのイニシャル検知機構200における移動体210を再度位置aに配置するためである。
【0016】
しかし、このような構成の場合、使用済状態(使用可能)のまま画像形成装置から取り外されて放置されており、この使用済状態のまま画像形成装置に再装着される予定の感光体カートリッジについて、何も知らないユーザ等が、イニシャル検知機構200を分解し、移動体210が位置aに配されるようにイニシャル検知機構200を組み立て直す事もありえる。仮に、このような事が起こった場合、感光体カートリッジが画像形成装置に再装着されると、画像形成装置は使用済状態の感光体カートリッジを未使用状態として誤検知してしまうことになる。
【0017】
本発明は、本体装置に装着される交換部品の状態を検知することの可能な状態検知機構であって、従来の構成よりも誤検知を抑制できる状態検知機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記目的を達成するために、本体装置に対して着脱自在に装着される交換部材に構成される支持機構と、上記支持機構に支持される可動子とを含み、上記交換部材が上記本体装置に使用されていない未使用状態では上記可動子は第1所定位置に配され、上記未使用状態が解除されると上記可動子は第1所定位置から離間した第2所定位置に配され、上記本体装置が上記第1所定位置に配される可動子を検出することによって上記未使用状態を検知する状態検知機構において、上記交換部材が上記本体装置に使用されると、本体装置からもたらされる駆動力によって上記可動子にトルクを伝達するトルク伝達手段と、上記可動子に形成される突起部材と、を含み、上記支持機構は、上記可動子を支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子に対して第2所定位置に向けた圧力を作用させることによって、上記可動子を第1所定位置から第2所定位置に変位させる可動子変位部材と、上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記変位を規制する第1規制部材と、上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記トルクの回転方向と同一回転方向の上記可動子の回転を規制する第2規制部材と、を含み、上記トルクが上記可動子に伝達されると、上記第2規制部材と上記突起部材との当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって上記突起部材が破壊されることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、上記交換部材が上記未使用状態では上記可動子は第1所定位置に配されており、未使用状態が解除されると上記可動子は第1所定位置から離間した第2所定位置に配され、上記本体装置は上記第1所定位置に配される可動子を検出することによって上記未使用状態を検知している。
【0020】
ここで、上記交換部材が上記本体装置に使用されると、トルク伝達手段によって、第1所定位置に配される可動子に上記トルクが伝達されることになる。さらに、第1所定位置に配される可動子に上記トルクが伝達されることによって、この可動子における突起部材と上記第2規制部材との当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって上記突起部材が破壊される。これにより、第1所定位置に配される可動子において、第1規制部材に当接する突起部材が存在しなくなり、第1所定位置から第2所定位置への可動子の変位に対する規制が解除される。したがって、第1所定位置に配される可動子は、可動子変位部材から作用する圧力(第2所定位置に向けた圧力)によって第1所定位置から第2所定位置へ変位することになる。それゆえ、交換部材が使用されると(つまり未使用状態が解除されると)、未使用状態では第1所定位置に配されていた可動子を第2所定位置に変位させることが可能になる。
【0021】
さらに、以上の構成では、未使用状態が解除された後、例えば、ユーザ等の正規業者以外の者が手作業によって可動子を無理に第1所定位置に戻そうとしても、可動子に形成される突起部材が破壊されているため、第1所定位置から第2所定位置への可動子の変位に対する規制が行われず、結局、可動子は可動子変位部材から作用する圧力によって第2所定位置に配されることになる。
【0022】
したがって、以上の構成では、ユーザ等が手作業によって可動子を第2所定位置から第1所定位置に戻すように状態検知機構を組み立て直すことができず、未使用状態が解除された後で、可動子がユーザ等の手作業によって第1所定位置に戻されることは起こらない。それゆえ、使用済状態の交換部材が未使用状態として誤検知されてしまう事態を抑制することが可能になる。
【0023】
また、本発明の状態検知機構において、上記可動子変位部材は、上記可動子を弾性的に支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子に対して第2所定位置に向けた復元力を上記圧力として作用させる弾性部材であることが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、弾性部材という簡易かつ安価な部材で上記可動子変位部材を実現できるというメリットがある。
【0025】
さらに、本発明の状態検知機構において、上記突起部材は、上記第2規制部材よりも硬度の低い材質からなることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、上記突起部材は上記第2規制部材よりも破壊され易く、上記第2規制部材と上記突起部材との当接箇所に上記トルクによる負荷を作用させた場合、上記突起部材を簡単に破壊させることが可能になる。
【0027】
また、本発明の状態検知機構において、上記支持機構には、上記交換部材に嵌めこまれると共に上記第1規制部材および第2規制部材を形成した支持機構本体が含まれており、この支持機構本体にはさらに第1係合部材が形成されており、上記支持機構本体に形成されている第1係合部材と、上記交換部材に形成されている第2係合部材とが係合することによって、上記支持機構本体は上記交換部材に嵌め込まれており、上記交換部材から離間する方向に向けた引張力が上記支持機構本体に与えられ、この引張力によって上記第1係合部材に作用する負荷が所定量以上になると、上記第1係合部材は破壊する構成であることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、例えば、ユーザ等が手作業によって支持機構本体を交換部材から無理に取り外そうとした場合、上記支持機構本体に形成されている第1係合部材は破壊されることになる。ここで、支持機構本体は、上記第1係合部材が上記交換部材の第2係合部材に係合することによって上記交換部材に嵌めこまれるものであるため、第1係合部材が破壊されては支持機構本体を交換部材に再度嵌め込むことが不可能になる。
【0029】
それゆえ、上記構成によれば、例えば、ユーザ等が状態検知機構を交換部材から取り外してこの状態検知機構を改造しようとしても、改造した状態検知機構を交換部材に嵌め込むことはできず、状態検知機構がユーザ等の正規業者以外の者に改造されることを抑制できる。
【0030】
また、上記本体装置は画像形成装置であり、上記交換部材は画像形成装置のプロセスカートリッジであってもよい。画像形成装置には、交換部材としてのプロセスカートリッジが多数装着されるため、以上示した状態検知機構は画像形成装置に好適に利用することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の状態検知機構は、本体装置に対して着脱自在に装着される交換部材に構成される支持機構と、上記支持機構に支持される可動子とを含み、上記交換部材が上記本体装置に使用されていない未使用状態では上記可動子は第1所定位置に配され、上記未使用状態が解除されると上記可動子は第1所定位置から離間した第2所定位置に配され、上記本体装置が上記第1所定位置に配される可動子を検出することによって上記未使用状態を検知する状態検知機構において、上記交換部材が上記本体装置に使用されると、本体装置からもたらされる駆動力によって上記可動子にトルクを伝達するトルク伝達手段と、上記可動子に形成される突起部材と、を含み、上記支持機構は、上記可動子を支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子に対して第2所定位置に向けた圧力を作用させることによって、上記可動子を第1所定位置から第2所定位置に変位させる可動子変位部材と、上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記変位を規制する第1規制部材と、上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記トルクの回転方向と同一回転方向の上記可動子の回転を規制する第2規制部材と、を含み、上記トルクが上記可動子に伝達されると、上記第2規制部材と上記突起部材との当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって上記突起部材が破壊されることを特徴とする。
【0032】
それゆえ、ユーザ等が手作業によって可動子を第2所定位置から第1所定位置に戻すように状態検知機構を組み立て直すことができず、未使用状態が解除された後で、可動子がユーザ等の手作業によって第1所定位置に戻されることは起こらない。それゆえ、使用済状態の交換部材が未使用状態として誤検知されてしまう事態を抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の一実施形態について図に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0034】
まず、本実施形態に係る状態検知機構を備えた感光体カートリッジ(交換部材)を装着した画像形成装置(本体装置)の概略について説明する。図5は、この画像形成装置1の内部構成を示した模式図である。
【0035】
画像形成装置1は、電子写真方式のレーザプリンタであって、同図に示すように、感光体ドラム2、帯電ローラ3、露光部(図示せず)、現像装置4、転写用放電ローラ5、クリーニング部6、除電部(図示せず)、および、定着装置7を備えている。なお、図5において、Pは記録用紙、Lは上記露光部から照射されて感光体ドラム2表面に静電潜像を書き込む光ビームを示している。
【0036】
感光体ドラム2は、所定方向(図5に示す矢印A方向)に回転しており、まず、その外周表面が帯電ローラ3によって均一帯電される。均一帯電された感光体ドラム2の表面には、露光部により画像データに応じて制御される光ビームLが照射され、静電潜像が形成されて保持される。
【0037】
なお、感光体ドラム2は、上述した感光体カートリッジに構成されるものである。この感光体カートリッジは画像形成装置1に着脱自在に装着されるものであり、その構成の詳細については後で説明する。
【0038】
感光体ドラム2上に形成された静電潜像は、感光体ドラム2の回転によって、現像装置4と対向する位置まで移動し、現像装置4にトナーが供給されることによってトナー像になって可視化される。このとき、現像装置4の現像ローラ4aは、感光体ドラム2に供給するトナーを担持搬送するために所定方向(図5に示す矢印B方向)に回転している。
【0039】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム2は有機光半導体で構成されており、帯電ローラ3によって−700Vに帯電される。現像ローラ4aは、円筒状の導電性ゴム弾性材料で構成されており、−400Vの現像バイアスが印加されて感光体ドラム2と等しい周速度でB方向に回転している。
【0040】
転写用放電ローラ5は、感光体ドラム2上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。クリーニング部6は、転写用放電ローラ5よりも感光体ドラム2の回転方向下流側に配置されており、転写後の感光体ドラム2表面の残留トナーを除去する。また、クリーニング部6のさらに下流側には図示しない除電部が配されており、この除電部は、感光体ドラム2表面を除電する。
【0041】
定着装置7は、ローラ対からなり、トナー像が転写された後の用紙Pがローラ間に搬送されると、該用紙Pを加熱および加圧し、トナー像を用紙P上に定着させる。
【0042】
次に、上述した感光体ドラム2を構成している感光体カートリッジについて、図1に基づいて説明する。
【0043】
図1は、本実施形態に係る状態検知機構を備えた感光体カートリッジ10の一部の断面を示した模式図である。
【0044】
感光体カートリッジ10は、同図に示すように、感光体ドラム2、感光体ドラム2の回転駆動軸をなす円柱状の第1駆動軸31、廃トナー搬送スクリュー11、廃トナー搬送スクリュー11の回転駆動軸をなす円柱状の第2駆動軸12、ギア13、ギア14、円柱状のシャフト体15、可動子16、カバー20、バネ部材21、および、フレーム22を備えている。なお、本実施形態における状態検知機構は、以上示したシャフト体15、可動子16、カバー20、バネ部材21によって構成されることになる。さらに、可動子16を支持する支持機構40は、カバー20とバネ部材21とによって実現されている。
【0045】
感光体カートリッジ10は、C方向に向けて挿入されることによって画像形成装置1に装着され、D方向に向けて引き出されることによって画像形成装置1から取り外される。なお、C方向とは、画像形成装置1の正面から裏面に向けた方向であり、D方向とは、画像形成装置1の裏面から正面に向けた方向である。
【0046】
感光体ドラム2は、第1駆動軸31の長手方向中央部かつ軸周りに嵌着されており、この第1駆動軸31を中心軸として円柱状に形成されている。なお、第1駆動軸31は、画像形成装置1に備えられている原動機(不図示)からの駆動力が伝達されると、図中D方向を回転軸とした回転を行うものである。
【0047】
廃トナー搬送スクリュー11は、図5のクリーニング部6で回収された廃トナーを搬送するためのスクリュー型コンベヤである。この廃トナー搬送スクリュー11は、第2駆動軸12と軸方向が同一になるようにこの第2駆動軸の一部に装着されている。
【0048】
ギア13は、第1駆動軸31の軸周りに環装されており、ギア14は、ギア13と噛合している。
【0049】
さらに、ギア14には、ギア14の回転軸方向に貫通した貫通穴(不図示)が形成されている。また、ギア14の回転軸とシャフト体15の回転軸とが一致するように、ギア14の貫通穴の一方の開口部にシャフト体15の端部が挿入され、シャフト体15がギア14に固着される。さらに、ギア14の回転軸と第2駆動軸12の回転軸とが一致するように、ギア14の貫通穴の他方の開口部に第2駆動軸12の端部が挿入され、第2駆動軸12がギア14に固着される。
【0050】
以上の構成において、感光体カートリッジ10の使用が開始されると、原動機からの駆動力に基づいて第1駆動軸31にトルクが与えられ、D方向を回転軸として感光体ドラム2とギア13とが同一回転方向で回転する。
【0051】
また、ギア14は、D方向を回転軸とし、ギア13の回転方向とは逆方向に回転する。さらに、ギア14の回転に伴い、シャフト体15および廃トナー搬送スクリュー11も、ギア14と同一回転軸かつ同一回転方向で回転する。そして、廃トナー搬送スクリュー11は、回転することによって、図4のクリーニング部で回収された廃トナーを搬送する。
【0052】
つまり、画像形成装置1からの駆動力によって第1駆動軸31にトルクが与えられると、このトルクはシャフト体15および廃トナー搬送スクリュー11にまで伝達されるようになっている。
【0053】
つぎに、シャフト体15、可動子16、支持機構40(カバー20、バネ部材21)から構成される状態検知機構について、図1および図2を用いて詳細に説明する。図2は、この状態検知機構50を示した分解斜視図である。
【0054】
図2に示すように、シャフト体15の外周面には、D方向(シャフト体15の回転軸方向)と平行な方向に沿って延設されるレール状のリブ15cが形成されている。なお、このリブ15cは、D方向と垂直方向に向けて立設している構成であり、D方向に向けた高さが均等になるように形成されている。さらに、このリブ15cは、シャフト体15の周方向に沿った方向において等間隔に3つ設けられている。
【0055】
また、図1および図2に示すように、可動子16は、円柱部16aと、円柱部16aよりも径の小さな円柱形状であって円柱部16aの底面16fの中央付近から突出している軸体16bと、から構成される。また、円柱部16aの外周面にはフランジ16cが形成され、軸体16bの外周面には突起部材16dが形成されている。なお、円柱部16aと軸体16bとの各々の中心軸が一致するように、軸体16bは円柱部16aから突出している。
【0056】
さらに、円柱部16aは、底面16fと対向する側が開放している中空状部材である。そして、円柱部16aの内側周面16e(図1参照)には、リブ15cと嵌合すると共にリブ15c上を摺動する案内溝(不図示)が形成されている。なお、この案内溝は、リブ15cの数に合わせて、内側周面16eの周方向に沿った方向において等間隔に3つ設けられている。
【0057】
そして、各リブ15cを各案内溝に嵌め込むことによって、図1に示すように、シャフト体15の端部(ギア14側とは逆の端部)が円柱部16aの内側に嵌め込まれる。ただし、図1の状態において、シャフト体15は、一方の端部が円柱部16aに装着され、他方の端部がギア14に装着され、中央付近はリブ15cの一部と共に外部に露出されるように円柱部16aに嵌め込まれる。また、図1の状態において、円柱部16aの底面16fの裏面とシャフト体15との間には空洞が形成されるように、シャフト体15は円柱部16aに嵌め込まれる。これにより、可動子16は、シャフト体15上をD方向に摺動できるようになっている。
【0058】
つぎに、カバー20の構成について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図3は、画像形成装置1の裏面側からカバー20を描写した模式図である。
【0059】
カバー20は、図1および図2に示すように、底面20aと対向する側が開放することによって内側に空洞が形成されている中空円筒形状であって、感光体カートリッジ10に取り付けられるものである。
【0060】
また、カバー20には、図1および図3に示すように、底面20aの中央付近に軸体16bよりも広径の円形状の孔部20bが形成されている。さらに、カバー20には、孔部20bの外周であってカバー20の外面に形成される縁部20eと、縁部20eの一部が切り欠かれて形成される切欠穴20cとが構成されている。さらに、カバー20には、底面20aからC方向に向けて立設しており、縁部20eと切欠穴20cとを囲うリング状の壁部20fが形成されている。また、カバー20には、壁部20fから孔部20bに渡って形成されており、縁部20eの一部からC方向に突起しているストッパ部材20gが形成されている。
【0061】
そして、図1に示すように、可動子16は、軸体16bの先端がC方向に向くようにして、カバー20の内側に挿入される。
【0062】
さらに、感光体カートリッジ10が未使用状態(新品状態)の場合、可動子16は、図1に示すように、軸体16bがカバー20の内側から孔部20bを貫通して画像形成装置のセンサ32に接触するように配置される。
【0063】
なお、本実施形態では、以下に示す手順によって、可動子16の軸体16bを孔部20bに貫通させる。まず、軸体16bの先端とカバー20の内側とを対向させる。つぎに、軸体16bの外周面に形成されている突起部材16dと切欠穴20cとを対向させてから、軸体16bを孔部20bに挿入する。このようにすれば、軸体16bを孔部20bに挿入する際、突起部材16dがカバー20の内側の壁面にひっかかることがない。そして、突起部材16dがカバー20の内側から切欠穴20cを通過した後、図3に示すように、可動子16をE方向に約半周ほど回転させる。このようにすれば、図1および図3に示すように、可動子16の突起部材16dは、カバー20の縁部20eに当接することになる。
【0064】
感光体カートリッジ10が未使用状態(画像形成装置1に使用されていない状態)の場合、可動子16は、図1および図3に示す位置に配され、突起部材16dが縁部20eに当接している。なお、以下では、この図1および図3における可動子16の位置を第1所定位置と称する。
【0065】
さらに、図1および図2に示すように、可動子16とカバー20の内側との間にはバネ部材21が構成される。このバネ部材21の一方の端部は、可動子16のフランジ16cに係合されており、バネ部材21の他方の端部はカバー20の底面20aの裏面に当接している。これにより、可動子16は、カバー20およびバネ部材21からなる支持機構40に弾性的に支持されることになる。
【0066】
そして、可動子16が第1所定位置に配されている状態において、バネ部材21は、カバー20の内側で圧縮している。さらに、図1に示すように、可動子16は、圧縮しているバネ部材21の復元力によってセンサ32から離間する方向(D方向)に付勢されているものの、可動子16の軸体16bの突起部材16dがカバー20の縁部20eに当接しているため、上記復元力による移動が規制され、上記第1所定位置において静止している。
【0067】
以上示した図1〜図3の構成において、感光体カートリッジ10が使用されると、画像形成装置1からの駆動力によってシャフト体15にトルクが与えられる。これにより、シャフト体15が回転し、この回転によって可動子16も回転する。つまり、シャフト体(トルク伝達手段)15は、画像形成装置1から伝達されるトルクをさらに可動子16に伝達し、この伝達されるトルクによって可動子16は回転する。なお、この回転の回転方向は図3に示すE方向であり、この回転の軸方向は図1に示すD方向である。
【0068】
この回転によって、突起部材16dは、孔部20bの周囲の縁部20eを摺動してストッパ部材20gに当接する位置まで移動する。このストッパ部材20gは突起部材16dに当接することによって可動子16の回転(図3に示すE方向の回転)を規制するような位置に形成されている。そして、突起部材16dとストッパ部材20gとが当接すると、この当接箇所に上記トルクによる負荷が発生し、この負荷によって突起部材16dは破壊される。
【0069】
突起部材16dが破壊されると、圧縮しているバネ部材21の復元力による移動の規制が解除されるため、可動子16は、この復元力によって、シャフト体15上を摺動するようにしてセンサ32から離間する方向(D方向)に移動する。
【0070】
そして、可動子16は、図4に示すように、可動子16の内側全面にシャフト体15が当接するまでD方向に移動し、軸体16bがセンサ32から離間するような位置に配される。また、図4においては、参照符αに示されるように、突起部材16dは破壊されている状態である。なお、以下では、この図4における可動子16の位置を第2所定位置(第1所定位置から離間した位置)と称する。
【0071】
また、図4に示すように、この第2所定位置に配される可動子16の円柱部16aにおける底面16fの裏面全体は、バネ部材21によってもたらされる復元力によってシャフト体15の先端に押さえつけられている。したがって、第2所定位置に配される可動子16は、振動等によって僅かに第1所定位置の方向(C方向)に移動する事があっても結局バネ部材21の復元力によって第2所定位置に押し戻され、その結果、第2所定位置に維持され、第1所定位置に戻ることはない。
【0072】
このような状態検知機構50において、感光体カートリッジ10が未使用状態のとき、可動子16は上記第1所定位置に配され、軸体16bの先端が画像形成装置1のセンサ32に接触している(図1参照)。そして、画像形成装置1は、センサ32と軸体16bの先端とが接触している場合、可動子16が上記第1所定位置に配されていることを検知し、感光体カートリッジ10が未使用状態であると識別する。
【0073】
また、感光体カートリッジ10が使用されると(つまり、未使用状態が解除されると)、可動子16は上記第1所定位置から第2所定位置に移動し、軸体16bがセンサ32から離間する(図4参照)。そして、画像形成装置1は、センサ32と軸体16bとが非接触の場合、可動子16が上記第2所定位置に配されていることを検知し、感光体カートリッジ10が使用済状態(既に使用されたがまだ使用可能である状態を含む)であると識別する。このようにして、本実施形態の状態検知機構50においては、画像形成装置1側で感光体カートリッジ10が未使用状態であるか否かを識別することが可能になる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の状態検知機構50においては、感光体カートリッジ10に構成される支持機構40が、バネ部材(可動子変位部材、弾性部材)21、縁部(第1規制部材)20e、ストッパ部材(第2規制部材)20gを含んでいる。
【0075】
バネ部材21は、可動子16を支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子16に対して第2所定位置に向けた圧力(復元力)を作用させることによって、可動子16を第1所定位置から第2所定位置に変位させる機能を有している。縁部20eは、第1所定位置に配される可動子16に形成される突起部材16dに当接することによって、上記変位を規制する機能を有している。さらに、ストッパ部材20gは、上記第1所定位置に配される可動子16に形成される突起部材16dに当接することによって、シャフト体15から伝達されるトルクの回転方向と同一回転方向の可動子16の回転(図3のE方向の回転)を規制する機能を有している。
【0076】
そして、感光体カートリッジ10が画像形成装置1に使用されると、シャフト体(トルク伝達手段)15によって、第1所定位置に配される可動子16にトルクが伝達されることになる。さらに、このトルクが可動子16に伝達されることによって、可動子16は突起部材16dがストッパ部材20gに当接するまで回転し、ストッパ部材20gと突起部材16dとの当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって突起部材16dが破壊される。
【0077】
これにより、第1所定位置に配される可動子16において、縁部20eに当接する突起部材16dが存在しなくなり、第1所定位置から第2所定位置への可動子16の変位に対する規制が解除される。そして、第1所定位置に配される可動子16は、バネ部材21から作用する復元力(第2所定位置に向けた圧力)によって第1所定位置から第2所定位置へ変位することになる。それゆえ、感光体カートリッジ10が使用されると(つまり未使用状態が解除されると)、未使用状態では第1所定位置に配されていた可動子16を第2所定位置に変位させることが可能になる。
【0078】
さらに、以上の構成では、未使用状態が解除された後、例えば、ユーザ等の正規業者以外の者が手作業によって可動子16を無理に第1所定位置に戻そうとしても、可動子16に形成される突起部材16dが破壊されているため(図4の参照符α)、第1所定位置から第2所定位置への可動子の変位に対する規制が行われず、結局、可動子16はバネ部材21から作用する復元力によって第2所定位置に配されることになる。
【0079】
したがって、以上の構成では、ユーザ等が手作業によって可動子16を第2所定位置から第1所定位置に戻すように状態検知機構50を組み立て直すことができず、未使用状態が解除された後で、可動子16がユーザ等の手作業によって第1所定位置に戻されることは起こらない。それゆえ、使用済状態の感光体カートリッジ10が未使用状態として誤検知されてしまう事態を抑制することが可能になる。
【0080】
また、以上示した構成では、第1所定位置の可動子16を第2所定位置に変位させるための可動子変位部材として、第1所定位置に配される可動子16に対して第2所定位置に向けた復元力を作用させるバネ部材(弾性部材)21が用いられている。この構成によれば、弾性部材という簡易かつ安価な部材で上記可動子変位部材を実現できるというメリットがある。
【0081】
また、可動子16かつカバー20は樹脂からなるものである。但し、突起部材16dの硬度がストッパ部材20gよりも低くなるように構成することが好ましい。このようにするためには、例えば、カバー20においては、ストッパ部材20gの材質のみを金属とし、その他の箇所の材質は樹脂にすると共に、突起部材16dを含めた可動子16の材質は樹脂にすればよい。この構成によれば、突起部材16dはストッパ部材20gよりも破壊され易くなり、突起部材16dとストッパ部材20gとの当接箇所に上記トルクによる負荷を作用させた場合、突起部材16dを簡単に破壊させることが可能になる。
【0082】
また、以上の構成において、支持機構40には、感光体カートリッジ10に嵌めこまれると共に縁部20eおよびストッパ部材20gを形成したカバー(支持機構本体)20が含まれている。ここで、カバー20には、図1および図2に示すように、爪部(第1係合部材)20hが形成されており、この爪部20hが、感光体カートリッジ10のフレーム22(第2係合部材)と係合することによって、カバー20が感光体カートリッジ10に嵌めこまれるようになっている。
【0083】
この構成において、カバー20を感光体カートリッジ10から離間させる方向(C方向)の引張力がカバー20に与えられ、この引張力によって爪部20hに作用する負荷が所定量以上になると、爪部20hは破壊される。つまり、例えば、ユーザ等が手作業によってカバー20を感光体カートリッジ10から無理に取り外そうとした場合、爪部20hは破壊されることになる。ここで、カバー20は、爪部20hが感光体カートリッジ10のフレーム22に係合することによって感光体カートリッジ10に嵌めこまれるものであるため、爪部20hが破壊されてはカバー20を感光体カートリッジ10に再度嵌め込むことが不可能になる。
【0084】
それゆえ、上記構成によれば、例えば、ユーザ等が状態検知機構50を感光体カートリッジ10から取り外してこの状態検知機構50を改造しようとしても、改造した状態検知機構50を感光体カートリッジ10に再度嵌め込むことはできず、状態検知機構50がユーザ等の正規業者以外の者に改造されることを抑制できる。
【0085】
また、可動子16の突起部材16dは、可動子16の回転方向(図3のE方向)において、根元の幅が先端の幅よりも狭くなっている形状であることが好ましい。このような形状であれば、突起部材16dとストッパ部材20gとの当接箇所に上記トルクによる負荷を作用させた場合、突起部材16dをより簡単に破壊させることが可能になる。
【0086】
なお、以上示した状態検知機構50は感光体カートリッジ10に構成されているが、感光体カートリッジ10に限定されるものではなく、現像槽カートリッジ、帯電ユニット、およびクリーナユニットなどの各種プロセスカートリッジに構成されてもよい。また、画像形成装置のプロセスカートリッジ限定されるものではなく、本体装置に対して着脱自在に装着される交換部材であれば、状態検知機構50を適用することが可能である。
【0087】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の状態検知機構は、本体装置に着脱自在に装着される交換部材の状態を本体装置側にて検知させる構成に好適である。この本体装置の一例としては画像形成装置が挙げられ、交換部材の一例としては画像形成装置に装着される各種プロセスカートリッジが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施形態に係る状態検知機構を備えた感光体カートリッジの一部の断面を示したものであって、可動子が第1所定位置に配されている状態を示した模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る状態検知機構を示した分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る状態検知機構に構成されるカバーを示した模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る状態検知機構を備えた感光体カートリッジの一部の断面を示したものであって、可動子が第2所定位置に配されている状態を示した模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る状態検知機構が構成されている感光体カートリッジを装着した画像形成装置の内部構成を示した模式図である。
【図6】従来技術のイニシャル検知機構の断面を示した模式図であって、(a)は軸体とセンサとが接触している場合の模式図であって、(b)は軸体とセンサとが離間している場合の模式図である。
【符号の説明】
【0090】
1 画像形成装置(本体装置)
10 感光体カートリッジ(交換部材)
15 シャフト体(トルク伝達手段)
16 可動子
16a 円柱部
16b 軸体
16c フランジ
16d 突起部材
16e 内側周面
16f 底面
20 カバー(支持機構本体)
20a 底面
20b 孔部
20c 切欠穴
20e 縁部(第1規制部材)
20f 壁部
20g ストッパ部材(第2規制部材)
20h 爪部(第1係合部材)
21 バネ部材(可動子変位部材、弾性部材)
22 フレーム(第2係合部材)
32 センサ
40 支持機構
50 状態検知機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置に対して着脱自在に装着される交換部材に構成される支持機構と、上記支持機構に支持される可動子とを含み、
上記交換部材が上記本体装置に使用されていない未使用状態では上記可動子は第1所定位置に配され、上記未使用状態が解除されると上記可動子は第1所定位置から離間した第2所定位置に配され、
上記本体装置が上記第1所定位置に配される可動子を検出することによって上記未使用状態を検知する状態検知機構において、
上記交換部材が上記本体装置に使用されると、本体装置からもたらされる駆動力によって上記可動子にトルクを伝達するトルク伝達手段と、上記可動子に形成される突起部材と、を含み、
上記支持機構は、
上記可動子を支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子に対して第2所定位置に向けた圧力を作用させることによって、上記可動子を第1所定位置から第2所定位置に変位させる可動子変位部材と、
上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記変位を規制する第1規制部材と、
上記第1所定位置に配される上記可動子に形成される上記突起部材に当接することによって、上記トルクの回転方向と同一回転方向の上記可動子の回転を規制する第2規制部材と、を含み、
上記トルクが上記可動子に伝達されると、上記第2規制部材と上記突起部材との当接箇所に上記トルクによる負荷が作用し、この負荷によって上記突起部材が破壊されることを特徴とする状態検知機構。
【請求項2】
上記可動子変位部材は、上記可動子を弾性的に支持すると共に、上記第1所定位置に配される可動子に対して第2所定位置に向けた復元力を上記圧力として作用させる弾性部材であることを特徴とする請求項1に記載の状態検知機構。
【請求項3】
上記突起部材は、上記第2規制部材よりも硬度の低い材質からなることを特徴とする請求項1または2に記載の状態検知機構。
【請求項4】
上記支持機構には、上記交換部材に嵌めこまれると共に上記第1規制部材および第2規制部材を形成した支持機構本体が含まれており、
この支持機構本体にはさらに第1係合部材が形成されており、
上記支持機構本体に形成されている第1係合部材と、上記交換部材に形成されている第2係合部材とが係合することによって、上記支持機構本体は上記交換部材に嵌め込まれており、
上記交換部材から離間する方向に向けた引張力が上記支持機構本体に与えられ、この引張力によって上記第1係合部材に作用する負荷が所定量以上になると、上記第1係合部材は破壊することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の状態検知機構。
【請求項5】
上記本体装置は画像形成装置であり、上記交換部材は画像形成装置のプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の状態検知機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−164095(P2007−164095A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363885(P2005−363885)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】