説明

現像ユニット、画像形成装置

【課題】 攪拌部材が高速で回転して現像剤収納部でトナーが舞い上がっても、簡易な構成で現像剤の残量を精度良く逐次検知することができる。
【解決手段】 現像ユニット内の攪拌シートの押圧力で被加圧シートを変形させ、この被加圧シートの変形により遮光部材が現像剤量検知用の光路と交差する方向に移動して現像剤量検知用の光路を遮光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、トナー容器内に収納されているトナーの残量を測定するためのトナー残量検出装置が設けられることがある。トナー残量検出装置には、さまざまな方式があるが、例えば、特許文献1に記載するような、光透過式トナー残量検知がある。光透過式トナー残量検知とは、トナー容器内に検知光を通過させ、その検知光の通過時間によってトナー容器内に収納されているトナーの残量を検出する方式である。
【0003】
この方式では、攪拌部材がトナー容器内で回転することでトナーを攪拌しており、この攪拌部材の回転周期ごとに検知光の通過時間を測定する。トナー容器内にトナーが大量に入っている状態では検知光はトナー容器内を通過せず、トナーが消費されるにつれて検知光が通過するようになるので、トナー消費とともに検知光が検知される時間が長くなることを利用してトナー残量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−241500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置において、印刷生産性(プリントスピード)を向上させるために、画像形成速度(プロセススピード)を高め、画像形成速度に応じて攪拌部材の回転速度も速めた状態で、上記のような光透過式トナー残量検出装置によるトナー残量検知を行った。すると、撹拌部材の撹拌駆動速度が速いためにトナー容器内のトナーが舞い上がってクラウド状態となり、検知光がトナー容器内を通過する時間が不安定になり、トナー残量の検出精度が低下した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明は、現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の現像剤を攪拌する攪拌部材と、前記現像剤収納部と隣接する第1の空間と前記現像剤収納部とを仕切るように配置され、前記攪拌部材に加圧された時に前記第1の空間側に撓む可撓性部材と、前記可撓性部材が前記第1の空間側に撓むことにより、現像剤量検知用の光路に交差する方向に移動して前記光路の少なくとも一部を遮る遮光部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
現像剤収納部とは仕切られた空間に現像剤量検知用の光路が形成されるので、現像剤収納部において攪拌部材が高速で回転してトナーが舞い上がっても、簡易な構成で現像剤の残量を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明におけるカラーレーザプリンタの構成を示す概略図
【図2】第1の実施例におけるプロセスカートリッジの断面斜視図
【図3】第1の実施例における攪拌シートの斜視図
【図4】第1の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し垂直方向の断面図
【図5】第1の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し平行方向の断面図
【図6】第1の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し垂直方向の断面図
【図7】第1の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し平行方向の断面図
【図8】第1の実施例におけるトナー残量検知の特性グラフ及び波形及びテーブル
【図9】第2の実施例におけるプロセスカートリッジの断面斜視図
【図10】第2の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し垂直方向の断面図
【図11】第2の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し平行方向の断面図
【図12】第2の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し垂直方向の断面図
【図13】第2の実施例におけるプロセスカートリッジの長手方向に対し平行方向の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例1)
図1は本実施例の構成である“カラーレーザプリンタ”の概略図である。
以下、このカラーレーザプリンタの全体的構成および機能について説明する。
【0010】
<カラー電子写真画像形成装置の全体構成>
図1に示すカラーレーザプリンタ(以下、本体と称す)は、本体101に対して着脱自在なプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kを備えている。これら4個のプロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kは、同一構造であるものの、異なる色、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーによる画像を形成する点で相違している。プロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kは、現像ユニットと画像形成ユニットと廃トナーユニットの大きく3つの構成で成り立っている。現像ユニットは、現像ローラ3Y、3M、3C、3K、トナー補給ローラ12Y、12M、12C、12K、トナー容器(現像剤収納部)23Y、23M、23C、23K、攪拌シート(攪拌部材)34Y、34M、34C、34Kを有している。
【0011】
また、画像形成ユニットは、像担持体である感光ドラム1Y、1M、1C、1K、帯電ローラ2Y、2M、2C、2Kを有している。廃トナーユニットは、ドラムクリーニングブレード4Y、4M、4C、4K、廃トナー容器24Y、24M、24C、24Kを有している。
【0012】
プロセスカートリッジ5Y、5M、5C、5Kの下方にはレーザユニット7Y、7M、7C、7Kが配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して行う。感光ドラム1Y、1M、1C、1Kは、帯電ローラ2Y、2M、2C、2Kによって所定の負極性の電位に帯電された後、レーザユニット7Y、7M、7C、7Kによってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ3Y、3M、3C、3Kによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Kのトナー像が形成される。
【0013】
中間転写ベルトユニットは、中間転写ベルト8、駆動ローラ9、二次転写対向ローラ10から構成されている。また、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに対向して、中間転写ベルト8の内側に一次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kが配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。
【0014】
感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成されたトナー像(現像剤像)は、各感光ドラムが矢印方向に回転し、中間転写ベルト8が矢印A方向に回転させる。さらに一次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kに正極性のバイアスを印加することにより、感光ドラム1Y上のトナー像から順次、中間転写ベルト8上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写ローラ11まで搬送される。
【0015】
給搬送装置は、転写材Pを収納する給紙カセット13内から転写材Pを給紙する給紙ローラ14と、給紙された転写材Pを搬送する搬送ローラ対15とを有している。そして、給搬送装置から搬送された転写材Pはレジストローラ対16によって二次転写ローラ11に搬送される。
【0016】
中間転写ベルト8から転写材Pへの転写においては、二次転写ローラ11に正極性のバイアスを印加することにより、搬送された転写材Pに、中間転写ベルト8上の4色のトナー像を二次転写する。トナー像転写後の転写材Pは、定着装置17に搬送され、定着フィルム18と加圧ローラ19とによって加熱、加圧されて表面にトナー像が定着される。定着された転写材Pは排紙ローラ対20によって排出される。
【0017】
一方、トナー像転写後に、感光ドラム1Y、1M、1C、1K表面に残ったトナーは、クリーニングブレード4Y、4M、4C、4Kによって除去され、除去されたトナーは、廃トナー回収納器24Y、24M、24C、24Kへと回収される。また、転写材Pへの二次転写後に中間転写ベルト8上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニングブレード21によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー回収納器22へと回収される。
【0018】
また、図1における80は本体の制御を行うための電気回路が搭載された制御基板である。制御基板80には1チップマイクロコンピュータ(以後CPUと記す)40が搭載されている。CPU40は転写材Pの搬送に関る駆動源(不図示)やプロセスカートリッジの駆動源(不図示)の制御、画像形成に関する制御、更には故障検知に関する制御など、本体の動作を一括して制御しているものである。42は、画像データからレーザユニット内のレーザの発光を制御するためのビデオコントローラである。このビデオコントローラ42は、不図示のコントロールパネルを介して、ユーザとのインターフェイスも行う。このコントロールパネルには、各色のトナー残量が棒グラフ状に表示される。
記号のYMCKは、色を示しており、以後の説明では、色を示すYMCKの記号の記載を省略する。
【0019】
<トナー残量検知構成>
トナー残量検知の構成について図2を用いて説明する。
プロセスカートリッジ5の現像ユニット内にあるトナー容器23にトナー28が封入されている。トナー容器23の両側で撹拌軸33が回転可能に保持されている。攪拌シート34は撹拌軸33に取り付いており、撹拌軸33と共に回転してトナー28を攪拌し、補給ローラ12に供給する役割を果たす。攪拌シート34はポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)、ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと記す)、ウレタン等の厚み150μm程度の薄いシートで可撓性を有している。攪拌シート34は、矢印方向に約1周/secのスピードで周回回転を行う。
【0020】
被加圧シート50(可撓性部材)は、トナー容器23に四方を熱溶着、接着材、両面テープ等で固定され、被加圧シート50の下面の空間54(第1の空間)にトナー28が侵入するのを防いでいる。すなわち、被加圧シート50は、トナー容器23と隣接する空間54とトナー容器23とを仕切るように配置されている。被加圧シート50の変形量の感度を高めるために、被加圧シート50の四方にゴム、発泡ウレタンフォーム等の弾性部材を挟んでトナー容器23に固定しても良い。被加圧シート50は、PET、PPS、ウレタン等の厚み125μm程度の薄いシートで可撓性を有している。
【0021】
図5に示すように、トナー容器23の下部には、本体側の発光ダイオード63(発光素子)から発光された赤外光をトナー容器23内にガイドする発光側ライトガイド52と、発光された赤外光をトナー容器内から本体側のフォトトランジスタ64(受光素子)にガイドする受光側ライトガイド53が、お互いに対向するように配置されている。発光側ライトガイド52と受光側ライトガイド53の間に現像剤量検知用の光路が形成されるように、トナー容器23には光路穴55が設けられている。
【0022】
遮光シート(遮光部材)51は、被加圧シート50の中央部に取り付けられ、被加圧シート50の変形と同期して上下運動し、この上下運動をガイドする溝62が、ライトガイド間の光路に直行する方向に設けられている。遮光シート51には、上下運動時にライトガイド間の光路を透過/遮光する役割の開口部56が設けられている。遮光シートがライトガイド間の光路を透過する位置の時(攪拌シートが被加圧シートを加圧していない時、すなわち被加圧シート50が撓んでいない時)、遮光シートが光路穴55を塞がないように開口部56が光路上に位置している。
【0023】
また、遮光シートがライトガイド間の光路を遮光する位置の時(被加圧シート50が変形している時)、この開口部56は、光路穴55と重ならないように設けられている。
【0024】
今回の実施例では、この開口部56を長方形の穴としたが、丸形状等、別形状の穴でも良い。遮光シート51は、被加圧シート50の変形に影響を与えないよう、軽量でかつ被加圧シート50の最大変形部(中央部)で取り付けられていることが望ましい。
【0025】
<トナー残量検知動作>
次にトナー残量検知の動作について、図4〜図7を用いて説明する。
攪拌シート34が図4に示す位置の時、被加圧シート50はトナー28の重量分の力しか受けないため、ほとんど変形しない。この時、図5に示すように遮光シート51の開口部56はライトガイドの光路穴55と同じ位置で、ライトガイド52から発光される赤外光を遮光せず、フォトトランジスタ64の信号は、透過状態となる。
【0026】
当然、被加圧シート50の材質や厚みを選定する際には、トナー重量で発光側ライトガイド52からの光路が遮光シート51により遮光されないのに必要な強度に設定する必要がある。
【0027】
次に、攪拌シート34が図4、図5に示す位置から図6、図7に示す位置へ移動すると、被加圧シート50はトナー28越しに攪拌シート34から図6に示す方向に力を受け(加圧され)、空間54側(第1の空間側)に徐々に変形する。
【0028】
被加圧シート50の変形に同期し、遮光シート51はガイド溝62に沿って、下方向に移動する。遮光シート51の開口部56がライトガイド光路穴55に対し、下方向に移動するため、ライトガイドからの光路が塞がれ、フォトトランジスタ64の信号は遮光状態となる。
【0029】
被加圧シート50の下面の空間54の開口面積は、被加圧シート50が攪拌シート34に押された時、遮光シート56の位置が透過状態から遮光状態となるのに必要な被加圧シート50の変形量により決定される。また、被加圧シート50の下面の空間54の深さは、被加圧シート50が変形した時に干渉しないのに必要な距離があれば良い。
【0030】
本発明によるトナー残量検知は、ライトガイドからの光路が遮光シート51により遮光される時間幅をフォトトランジスタ64(検知手段)で検知することで行う。
【0031】
トナー残量が多い場合に攪拌シート34が回転動作を行うと、攪拌シート34は、トナー28からの抵抗を受け、回転方向後側に大きく撓む。その結果、攪拌シート34が被加圧シート50を通過する時間が長くなり、遮光シート51がライトガイドからの光路を遮光する時間が長くなる。
【0032】
トナー残量が少ない場合に攪拌シート34が回転動作を行うと、攪拌シート34は、トナー28からの抵抗が減り、撓み量が少なくなる。その結果、攪拌シート34が被加圧シート50を通過する時間が短くなり、遮光シート51がライトガイドからの光路を遮光する時間が短くなる。
【0033】
このライトガイドからの光路を遮光する時間幅をフォトトランジスタ64により検知することで、トナー残量検知が可能となる。
【0034】
本実施例では、攪拌シート34にて、トナー28越しに被加圧シート50を押す構成を示した。しかし、攪拌シート34の可撓性が大きく、被加圧シート50を十分に押せない場合は、図3に示すように、押し圧を確保するための押し当て部位35を攪拌シート34に設けても良い。ここに、押し当て部材35を配置することで、被加圧シート50を押し当て部材35により直接押圧できるため、被加圧シート50の変形量を増やし、トナー残検の感度を高めることができる。押し当て部位35は可撓性を有すればよく、攪拌シート34と一体構成でも、別の部材を攪拌シート34に取り付けても良い。
【0035】
図8は、トナー残量と遮光シート51がライトガイドからの光路を遮光する時間幅との特性を示した実験データである。
図8(a)は、トナーの残量と、遮光シート51がライトガイドからの光路を遮光する時間幅との特性グラフである。
図8(b)は、トナー残量が、60%のときのフォトトランジスタ64の出力波形データである。この時、遮光シート51がライトガイドからの光路を遮光する時間幅が108.9msecであることを示している。
図8(c)は、トナーの残量特性のテーブルである。テーブル数値間のトナー残量は、既知の線形補間を行う。ここで、算出された時間は、本実施例における値であるため、条件が変われば算出される時間も変わる。トナー残量を算出するテーブルの数値も同様である。
【0036】
実験結果より、トナー残量が少なくなるのに応じて、ライトガイドからの光路を遮光する時間幅が減っていることが確認できる。
【0037】
本実施例では、現像剤収納部とは仕切られた空間に現像剤量検知用の光路が形成されるので、現像剤収納部において攪拌部材が高速で回転してトナーが舞い上がっても、簡易な構成で現像剤の残量を精度良く検知することができる。また、トナーが満杯の状態から空の状態まで逐次、現像剤の残量を精度良く検知することができる。
【0038】
なお、現像剤の残量を精度よく検知する上では、被加圧シート50が撓んだ時に、遮光シート51が残量検知用の光路全域を遮ることが望ましいが、遮光シート51光路に交差する方向に移動して光路の少なくとも一部を遮ることができれば本実施例の残量検知を実行することが可能である。
【0039】
(実施例2)
実施例1では、遮光部材として、遮光シートを適用した場合について述べたが、本実施例では、遮光部材として遮光レバーを適用した場合について詳細を説明する。
【0040】
カラーレーザプリンタの全体的構成および機能に関する説明は、実施例1と同じため省略し、トナー残量検知構成について説明する。
【0041】
<トナー残量検知構成>
トナー残量検知の構成について図9を用いて説明する。
プロセスカートリッジ5の現像ユニット内にあるトナー容器23にトナー28が封入されている。トナー容器23の両側で撹拌軸33が回転可能に保持されている。攪拌シート34は撹拌軸33に取り付いており、撹拌軸33と共に回転し、トナー28を補給ローラ12に供給する役割を果たす。攪拌シート34はPET、PPS、ウレタン等の厚み150μm程度の薄いシートで可撓性を有している。攪拌シート34は、矢印方向に約1周/secのスピードで周回回転を行う。
【0042】
被加圧シート50は、トナー容器23に四方を熱溶着、接着材、両面テープ等で固定され、被加圧シート50の下面の空間54にトナー28が侵入するのを防いでいる。被加圧シート50の変形量の感度を高めるために、被加圧シート50の四方にゴム、発泡ウレタンフォーム等の弾性部材を挟んでトナー容器23に固定しても良い。被加圧シート50は、PET、PPS、ウレタン等の厚み125μm程度の薄いシートで可撓性を有している。
【0043】
図10に示すように、トナー容器23の下部には、本体側のLED63から発光された赤外光をトナー容器23内にガイドする発光側ライトガイド52と、発光された赤外光をトナー容器内から本体側のフォトトランジスタ64にガイドする受光側ライトガイド53が、お互いに対向するように配置されている。発光側ライトガイド52と受光側ライトガイド53の間に光路が形成されるように、トナー容器23には光路穴55が設けられている。
【0044】
被加圧シート50の下側の空間54には、回動可能な遮光レバー57が取り付けられている。図11に示すように、遮光レバーの腕が短い方の一端部59は、被加圧シート50の最大変位部である中央部に接し、腕が長い方の他端部60にはライトガイドからの光路を遮光する役割の遮光部61が付与されている。遮光レバー57の回転中心58の位置により短腕(回動中心58に対して一端部59側の腕)と長腕(回動中心に対して他端部60側の腕)の長さの比で決定され、このレバー比により、被加圧シートの微小変形を増幅させる役割を果たす。遮光レバー57は被加圧シート50の変形と同期して回動運動する。
【0045】
遮光レバー57は、被加圧シート50の変形に影響を与えないよう、自重若しくは捩じりコイルバネ(不図示)により、腕が短い方の遮光レバー端面59が被加圧シート50に当接するように設定されている。
【0046】
トナー容器23のライトガイド取り付け部近傍には、ライトガイド間の光路に直行する方向に遮光レバー57をガイドする溝62が設けられている。
【0047】
<トナー残量検知動作>
次にトナー残量検知の動作について、図10〜図13を用いて説明する。
攪拌シート34が図10に示す位置の時、被加圧シート50はトナー28の重量分の力しか受けないため、ほとんど変形しない。この時、図11に示すように遮光レバー57の遮光部61はライトガイドからの光路穴55を遮らない状態であるため、フォトトランジスタ64の信号は透過状態となる。
【0048】
当然、被加圧シート50の材質や厚みを選定する際には、トナー重量で発光側ライトガイド52からの光路が遮光シート51により遮光されないのに必要な強度に設定する必要がある。
次に、攪拌シート34が図10、図11に示す位置から図12、図13に示す位置へ移動すると、被加圧シート50はトナー28越しに攪拌シート34から図12に示す方向に力を受け、徐々に変形する。
【0049】
被加圧シート50の変形に同期し、遮光レバー57はガイド溝62に沿って、回動する。遮光レバー57はガイド溝62に沿って図13に示す方向に回動し、遮光部61がライトガイド光路穴55を完全に塞ぐため、光路は遮光状態となり、フォトトランジスタ64の信号は遮光状態となる。
【0050】
被加圧シート50の下面の空間54の開口面積は、被加圧シート50が攪拌シート34に押された時、遮光レバー57の位置が透過状態から遮光状態となるのに必要な被加圧シート50の変形量により決定される。また、被加圧シート50の下面の空間54の深さは、被加圧シート50が変形した時に干渉しないのに必要な距離があれば望ましい。
【0051】
本発明によるトナー残量検知は、ライトガイドからの光路が遮光レバー57の遮光部61により遮光される時間幅をフォトトランジスタ64で検知することにより行う。
【0052】
トナー残量が多い場合に攪拌シート34が回転動作を行うと、攪拌シート34は、トナー28からの抵抗を受け、回転方向後側に大きく撓む。その結果、攪拌シート34が被加圧シート50を通過する時間が長くなり、遮光レバー57の遮光部61がライトガイドからの光路を遮光する時間が長くなる。
【0053】
トナー残量が少ない場合に攪拌シート34が回転動作を行うと、攪拌シート34は、トナー28からの抵抗が減り、撓み量が少なくなる。その結果、攪拌シート34が被加圧シート50を通過する時間が短くなり、遮光レバー57の遮光部61がライトガイドからの光路を遮光する時間が短くなる。
【0054】
このライトガイドからの光路を遮光する時間幅をフォトトランジスタ64により検知することで、トナー残量検知が可能となる。
【0055】
本実施例では、攪拌シート34にて、トナー28越しに被加圧シート50を押す構成を示した。しかし、攪拌シート34の可撓性が大きく、被加圧シート50を十分に押せない場合は、図3に示すように、押し圧を確保するための押し当て部位35を攪拌シート34に設けても良い。押し当て部位35は可撓性を有すればよく、攪拌シート34と一体構成でも、別の部材を攪拌シート34に取り付けても良い。
【0056】
本実施例の効果は、第一の実施例の効果に加え、攪拌シート34がトナー28を介して被加圧シート50を押す力が小さく、被加圧シートの変形量が微小であっても、遮光レバー57により変形量を増幅させることで、トナー残検の構成部品の寸法公差を緩和でき、よりコストの安い構成を提供することである。
【0057】
すなわち、攪拌シート34が被加圧シート50を加圧したときに、被加圧シートの最大変位量よりも遮光レバー60における光路を遮る箇所の変位量の方が大きいので、トナー残検の構成部品の寸法公差を緩和でき、よりコストの安い構成を提供することができる。
【符号の説明】
【0058】
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K 現像ローラ
4 ドラムクリーニングブレード
5 プロセスカートリッジ
6Y、6M、6C、6K 転写ローラ
7Y、7M、7C、7K レーザユニット
8 中間転写ベルト
9 駆動ローラ
10 二次転写対向ローラ
11 二次転写ローラ
12 補給ローラ
13 給紙カセット
14 給紙ローラ
15 搬送ローラ対
16 レジストローラ対
17 定着装置
18 定着フィルム
19 加圧ローラ
20 排紙ローラ対
21 転写ベルトクリーニングブレード
22 廃トナー回収納器
23Y、23M、23C、23K トナー容器
24 廃トナー容器
28 トナー
33 攪拌軸
34 攪拌シート
35 押し当て部位
50 被加圧シート
51 遮光シート
52 発光側ライトガイド
53 受光側ライトガイド
54 空間
55 光路穴
56 開口部
57 遮光レバー
58 遮光レバー中心
59 遮光レバー端面(短)
60 遮光レバー端面(長)
61 遮光部
62 溝
63 LED
64 フォトトランジスタ
101 本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収納する現像剤収納部と、
前記現像剤収納部の現像剤を攪拌する攪拌部材と、
前記現像剤収納部と隣接する第1の空間と前記現像剤収納部とを仕切るように配置され、前記攪拌部材に加圧された時に前記第1の空間側に撓む可撓性部材と、
前記可撓性部材が前記第1の空間側に撓むことにより、現像剤量検知用の光路に交差する方向に移動して前記光路の少なくとも一部を遮る遮光部材と、を有することを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記攪拌部材が前記可撓性部材を加圧した時の前記可撓性部材の最大変位部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
前記遮光部材は開口部を有し、前記可撓性部材が撓んでいない時に前記開口部が前記光路上に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
前記攪拌部材が前記可撓性部材を加圧したときに、前記可撓性部材の最大変位量よりも前記遮光部材における前記光路を遮る箇所の変位量の方が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項5】
前記遮光部材は、回動可能なレバーであり、前記レバーの一端部が前記可撓性部材と接するように設けられており、前記可撓性部材が前記第1の空間側に撓んだ時に、前記他端部が前記光路の少なくとも一部を遮るように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニット。
【請求項6】
前記レバーは、回動中心に対して前記一端部側の腕の長さが、前記他端部側の腕の長さより短いことを特徴とする請求項5に記載の現像ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像ユニットと、
該現像ユニットによって現像剤像を形成される像担持体と、
発光素子、及び該発光素子との間に前記光路を形成する受光素子を備え、前記可撓性部材が前記攪拌部材に加圧された時の前記受光素子の出力に基づいて、前記現像剤収納部の現像剤量を検知する検知手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像ユニットと、
該現像ユニットによって現像剤像を形成される像担持体と、
を一体に備えるプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスカートリッジと、
発光素子、及び該発光素子との間に前記光路を形成する受光素子を備え、前記可撓性部材が前記攪拌部材に加圧された時の前記受光素子の出力に基づいて、前記現像剤収納部の現像剤量を検知する検知手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−37279(P2013−37279A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175003(P2011−175003)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】