現像剤容器梱包体及び梱包容器
【課題】長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器に梱包したまま保存可能にし、かつ、現像剤の搬送方向の下流側での現像剤の凝集を低減する。
【解決手段】梱包容器1の上面6側の端部部分21はテーパ状に形成されていて、現像剤容器梱包体11は底面7を下にして立てることはできるが、上面6を下にして立てることはできない。底面7は梱包容器1の開閉蓋31になっており、この開閉蓋31を開くと取出口となる開口が現われ、この開口から現像剤容器38を取り出すことができる。
【解決手段】梱包容器1の上面6側の端部部分21はテーパ状に形成されていて、現像剤容器梱包体11は底面7を下にして立てることはできるが、上面6を下にして立てることはできない。底面7は梱包容器1の開閉蓋31になっており、この開閉蓋31を開くと取出口となる開口が現われ、この開口から現像剤容器38を取り出すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤容器梱包体及び梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に収容した現像剤を開口部から排出する容器本体と、容器本体の開口部から排出された現像剤を現像剤排出口から排出する被保持部と、を有する現像剤容器について開示されている。この現像剤容器は、容器本体に対して被保持部を鉛直方向下方に向けた状態での静置面への静置を防止する静置防止手段も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007‐178969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器に梱包したまま保存可能にし、かつ、本発明を採用しない場合に比べて現像剤の搬送方向の下流側での現像剤の凝集を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、現像剤を収容する現像剤容器と、前記現像剤容器を梱包している梱包容器と、を備え、前記梱包容器は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、前記現像剤容器は、内部に現像剤を収納している収納部と、回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、を備え、前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置していて、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置している、現像剤容器梱包体である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤容器梱包体において、前記梱包容器は、前記一端側に前記現像剤容器を取り出す取出口をさらに備えている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、現像剤容器を梱包する梱包容器本体と、前記梱包容器本体に設けられ前記現像剤容器を前記梱包容器本体から取り出す取出口と、を備え、前記現像剤容器は、内部に現像剤を収納している収納部と、回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、を備えるものであり、前記梱包容器本体は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置し、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置する、梱包容器である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の梱包容器において、前記取出口は、前記一端側に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,3に記載の発明によれば、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器に梱包したまま保存可能にし、かつ、本構成を備えない場合に比べて現像剤の搬送方向の下流側での現像剤の凝集を低減することができる。
請求項2,4に記載の発明によれば、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器内に保管し、現像剤収容器内部に収用した現像剤が長手方向の一端側で凝集したとしても、現像剤収容器を梱包容器から取り出す際に、保管時に重力方向下方に配置された端部を重力方向上方に配置した状態で取り出されることにより、現像剤の取り出し動作に伴って、現像剤容器内に収容された現像剤をほぐすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の端部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の端部の斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の一方の端部フランジを外した状態の斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器のアジテータの端部フランジへの取付構造例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器梱包体の正面図である。
【図11】本発明の一実施の形態にかかる底面側の端部部分の斜視図である。
【図12】本発明の一実施の形態にかかる底面側の端部部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
まず、現像剤容器について説明する。
【0013】
図1は、現像剤容器の斜視図、図2は、同分解斜視図である。図3、図4は、現像剤容器の端部の斜視図である。図5は、現像剤容器の一方の端部フランジを外した状態の斜視図である。図6は、アジテータの端部フランジへの取付構造例を示す説明図である。
【0014】
この現像剤容器38は、内部に電子写真方式で画像形成するための現像剤(トナーなど)が収容され、電子写真方式で画像形成を行う複写機、プリンタなどの画像形成装置に装填され、当該画像形成装置内の現像器に現像剤を供給する容器である。
【0015】
現像剤容器38は、例えばABS、PET等の合成樹脂にて延伸ブロー成形される両端が開口した長尺な収納部である筒状容器本体200を有し、この容器本体200内に収容されている現像剤を撹拌可能な排出部となるアジテータ210を配設すると共に、筒状容器本体200の両端には端部フランジ201,202を装着したものである。
【0016】
ここで、一方の端部フランジ201には把持用のハンドル203が設けられており、このハンドル203は、図3に示すように、一方の端部フランジ201に嵌め合わされて装着されており、端部フランジ201の段差部201aに抜け止め防止用の弾性保持片203aを引っ掛け保持すると共に、端部フランジ201の位置決め段部201bを回り止め用凹部203bにはめ込んで位置決めするようになっている。
【0017】
また、他方の端部フランジ202には、図2及び図5、図6に示すように、図示しない画像形成装置の外部駆動源からの駆動軸が連結されるロータ211が設けられ、このロータ211の内面中央にアジテータ210の軸部が引っ掛け支持される引っ掛け部212が設けられている。そして、端部フランジ202と容器本体200との間にはシール材213が設けられており、また、ロータ211と端部フランジ202との間には両者間をシールするリング状のシール材214が設けられている。なお、符号215は他方の端部フランジ202と容器本体200との間には突起部と溝部との嵌り合いによる回り止めである。
【0018】
更に、他方の端部フランジ202には、図4に示すように、使用履歴管理メモリ216が取り付けられており、画像形成装置の制御装置と通信可能に接続され、現像剤容器38の使用履歴が記録されるようになっている。なお、符号217は組立時や現像剤充填時の容器本体200の保持面、218は端部フランジ202取り付けの際の回り止めである。
【0019】
また、筒状容器本体200の周壁の長手方向一端部寄り(端部フランジ202側)には排出口となる排出用開口220が開設されており、この排出用開口220には当該開口220を開閉する開閉機構としてのシャッタ230が設けられている。符号240は開閉蓋であり、符号250は蓋保持枠である。
【0020】
現像剤容器38は、ユーザが把持用のハンドル203を持って軸方向を水平方向として端部フランジ202側から画像形成装置内に挿入されて装填される。画像形成装置の外部駆動源からの駆動軸が連結されるロータ211が回転すると、アジテータ210が回転して容器本体200内に収容されている現像剤を撹拌し、この現像剤は排出用開口220に向けて送られて排出用開口220から排出されて画像形成装置の現像器に供給される。
【0021】
このような現像剤容器38は、画像形成装置が設置されているオフィスなどに梱包容器に入れたまま保存されるのが一般的である。現像剤容器38をむき出しのまま保存しないのは、現像剤容器38に汚れが付着し、あるいは光で劣化し、あるいは破損することを防止することと、オフィスなどに保存するには見栄えが悪いからである。そして、画像形成装置に装填されて使用中の現像剤容器38の現像剤が空になれば、新たな現像剤容器38が梱包容器から出されて画像形成装置に装填されることとなる。
【0022】
現像剤容器38をオフィスなどで保存するためには、現像剤容器38、及びその梱包容器が長尺状であるため、現像剤容器38、梱包容器の長手方向を鉛直方向として床などに立てておくと便利である。これなら壁と家具との間などの僅かな隙間にも収納できるからである。
【0023】
しかし、この場合に、排出用開口220側(端部フランジ202側)を下にして収納すると、時間経過により排出用開口220側に現像剤が自重で集まって凝集してしまう。この状態で現像剤容器38を画像形成装置に装填して使用すると、ロータ211のトルクが増大し現像剤の搬送不良になりうる。排出用開口220側に現像剤が凝集しているにもかかわらず、そこに凝集している現像剤をさらに送り込むことになるからである。
【0024】
これを防止するためには、まず、排出用開口220側に現像剤が凝集しないような状態で現像剤容器38を保存できるようにすることが必要である。
【0025】
また、現像剤容器38を画像形成装置に装填して使用する前に、凝集した現像剤を崩すようにすることも望ましい。
【0026】
これらのことを実現するために、現像剤容器38やその梱包容器に排出用開口220側を下にして保存しないことや、画像形成装置に装填して使用する前に現像剤容器38を振ることなどをメッセージとして表示することも考えられるが、各オフィスで忠実に実行されるとは限らない。
【0027】
以下では、これらの不具合を解消するための現像剤容器38の梱包容器について説明する。
【0028】
図7、図8は、梱包容器の斜視図である。図9は、同正面図である。図10は、現像剤容器梱包体の正面図である。
【0029】
この梱包容器1は、ダンボール紙などで形成された長尺状の6面体の箱である。この外面は長方形の4つの側面2〜5と、長手方向の一端をなす上面6と、他端をなす底面7とからなる。このような梱包容器1内に当該梱包容器1の長手方向を長手方向として現像剤容器38を梱包したものが現像剤容器梱包体11である。
【0030】
上面6は側面2と鈍角をなし、側面5とは鋭角をなしていて、梱包容器1の上面6側の端部部分21はテーパ状に形成されている。底面7は側面2〜5のいずれともほぼ直角をなしている。そのため、梱包容器1内に現像剤容器38を収納した現像剤容器梱包体11の状態では、少なくとも水平面31に立てる場合は底面7を下にして長手方向を鉛直方向として重心がとれて倒れることはない。しかし、水平面31でも上面6を下にして長手方向を鉛直方向として立てようとすると、現像剤容器梱包体11は重心が取れずに倒れてしまう。すなわち、現像剤容器梱包体11は底面7を下にして立てることはできるが、上面6を下にして立てることはできない。よって、現像剤容器梱包体11を長さ方向を鉛直方向として保存しておくためには底面7を下にして立てるしかない。
【0031】
そして、底面7を下にして立てた状態の現像剤容器梱包体11の内部では、現像剤容器38は排出用開口220側(端部フランジ202側)を上に(端部部分21側に)、端部フランジ201側を下に(端部部分22側に)して収納されている。
【0032】
そのため、この状態である程度長期間保存された現像剤容器38の内部では、排出用開口220側(端部フランジ202側)には現像剤が凝集することはなく、現像剤は端部フランジ201側に自重で集まって凝集する。
【0033】
図11、図12は、底面7側の端部部分22の斜視図である。
【0034】
底面7は、梱包容器1の開閉蓋31になっており、この開閉蓋31を開くと取出口となる開口32が現われ、この開口32から現像剤容器38を取り出すことができる。
【0035】
この場合に、前述のように立てた状態で保存されている現像剤容器梱包体11は底面7である開閉蓋31を下にして立てられているので、開閉蓋31を開けて梱包容器1から現像剤容器38を取り出そうとする場合、この状態から現像剤容器梱包体11の長手方向をほぼ水平とするか、多くの場合は上面6側を下に、底面7を上にして、開閉蓋31を空けることになる。底面7である開閉蓋31を下にしたままの状態では現像剤容器38を取り出しにくいし、開口32から飛び出した現像剤容器38が床などに当たって破損する恐れも抱くからである。よって、この動作によって現像剤容器38が振られてその内部の現像剤は凝集していても崩れることが期待できる。
【符号の説明】
【0036】
1 梱包容器
11 現像剤容器梱包体
38 現像剤容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤容器梱包体及び梱包容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部に収容した現像剤を開口部から排出する容器本体と、容器本体の開口部から排出された現像剤を現像剤排出口から排出する被保持部と、を有する現像剤容器について開示されている。この現像剤容器は、容器本体に対して被保持部を鉛直方向下方に向けた状態での静置面への静置を防止する静置防止手段も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007‐178969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器に梱包したまま保存可能にし、かつ、本発明を採用しない場合に比べて現像剤の搬送方向の下流側での現像剤の凝集を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、現像剤を収容する現像剤容器と、前記現像剤容器を梱包している梱包容器と、を備え、前記梱包容器は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、前記現像剤容器は、内部に現像剤を収納している収納部と、回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、を備え、前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置していて、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置している、現像剤容器梱包体である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤容器梱包体において、前記梱包容器は、前記一端側に前記現像剤容器を取り出す取出口をさらに備えている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、現像剤容器を梱包する梱包容器本体と、前記梱包容器本体に設けられ前記現像剤容器を前記梱包容器本体から取り出す取出口と、を備え、前記現像剤容器は、内部に現像剤を収納している収納部と、回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、を備えるものであり、前記梱包容器本体は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置し、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置する、梱包容器である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の梱包容器において、前記取出口は、前記一端側に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,3に記載の発明によれば、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器に梱包したまま保存可能にし、かつ、本構成を備えない場合に比べて現像剤の搬送方向の下流側での現像剤の凝集を低減することができる。
請求項2,4に記載の発明によれば、長手方向を上下にした状態で現像剤容器を梱包容器内に保管し、現像剤収容器内部に収用した現像剤が長手方向の一端側で凝集したとしても、現像剤収容器を梱包容器から取り出す際に、保管時に重力方向下方に配置された端部を重力方向上方に配置した状態で取り出されることにより、現像剤の取り出し動作に伴って、現像剤容器内に収容された現像剤をほぐすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の端部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の端部の斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器の一方の端部フランジを外した状態の斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器のアジテータの端部フランジへの取付構造例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の斜視図である。
【図8】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかる梱包容器の正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態にかかる現像剤容器梱包体の正面図である。
【図11】本発明の一実施の形態にかかる底面側の端部部分の斜視図である。
【図12】本発明の一実施の形態にかかる底面側の端部部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
まず、現像剤容器について説明する。
【0013】
図1は、現像剤容器の斜視図、図2は、同分解斜視図である。図3、図4は、現像剤容器の端部の斜視図である。図5は、現像剤容器の一方の端部フランジを外した状態の斜視図である。図6は、アジテータの端部フランジへの取付構造例を示す説明図である。
【0014】
この現像剤容器38は、内部に電子写真方式で画像形成するための現像剤(トナーなど)が収容され、電子写真方式で画像形成を行う複写機、プリンタなどの画像形成装置に装填され、当該画像形成装置内の現像器に現像剤を供給する容器である。
【0015】
現像剤容器38は、例えばABS、PET等の合成樹脂にて延伸ブロー成形される両端が開口した長尺な収納部である筒状容器本体200を有し、この容器本体200内に収容されている現像剤を撹拌可能な排出部となるアジテータ210を配設すると共に、筒状容器本体200の両端には端部フランジ201,202を装着したものである。
【0016】
ここで、一方の端部フランジ201には把持用のハンドル203が設けられており、このハンドル203は、図3に示すように、一方の端部フランジ201に嵌め合わされて装着されており、端部フランジ201の段差部201aに抜け止め防止用の弾性保持片203aを引っ掛け保持すると共に、端部フランジ201の位置決め段部201bを回り止め用凹部203bにはめ込んで位置決めするようになっている。
【0017】
また、他方の端部フランジ202には、図2及び図5、図6に示すように、図示しない画像形成装置の外部駆動源からの駆動軸が連結されるロータ211が設けられ、このロータ211の内面中央にアジテータ210の軸部が引っ掛け支持される引っ掛け部212が設けられている。そして、端部フランジ202と容器本体200との間にはシール材213が設けられており、また、ロータ211と端部フランジ202との間には両者間をシールするリング状のシール材214が設けられている。なお、符号215は他方の端部フランジ202と容器本体200との間には突起部と溝部との嵌り合いによる回り止めである。
【0018】
更に、他方の端部フランジ202には、図4に示すように、使用履歴管理メモリ216が取り付けられており、画像形成装置の制御装置と通信可能に接続され、現像剤容器38の使用履歴が記録されるようになっている。なお、符号217は組立時や現像剤充填時の容器本体200の保持面、218は端部フランジ202取り付けの際の回り止めである。
【0019】
また、筒状容器本体200の周壁の長手方向一端部寄り(端部フランジ202側)には排出口となる排出用開口220が開設されており、この排出用開口220には当該開口220を開閉する開閉機構としてのシャッタ230が設けられている。符号240は開閉蓋であり、符号250は蓋保持枠である。
【0020】
現像剤容器38は、ユーザが把持用のハンドル203を持って軸方向を水平方向として端部フランジ202側から画像形成装置内に挿入されて装填される。画像形成装置の外部駆動源からの駆動軸が連結されるロータ211が回転すると、アジテータ210が回転して容器本体200内に収容されている現像剤を撹拌し、この現像剤は排出用開口220に向けて送られて排出用開口220から排出されて画像形成装置の現像器に供給される。
【0021】
このような現像剤容器38は、画像形成装置が設置されているオフィスなどに梱包容器に入れたまま保存されるのが一般的である。現像剤容器38をむき出しのまま保存しないのは、現像剤容器38に汚れが付着し、あるいは光で劣化し、あるいは破損することを防止することと、オフィスなどに保存するには見栄えが悪いからである。そして、画像形成装置に装填されて使用中の現像剤容器38の現像剤が空になれば、新たな現像剤容器38が梱包容器から出されて画像形成装置に装填されることとなる。
【0022】
現像剤容器38をオフィスなどで保存するためには、現像剤容器38、及びその梱包容器が長尺状であるため、現像剤容器38、梱包容器の長手方向を鉛直方向として床などに立てておくと便利である。これなら壁と家具との間などの僅かな隙間にも収納できるからである。
【0023】
しかし、この場合に、排出用開口220側(端部フランジ202側)を下にして収納すると、時間経過により排出用開口220側に現像剤が自重で集まって凝集してしまう。この状態で現像剤容器38を画像形成装置に装填して使用すると、ロータ211のトルクが増大し現像剤の搬送不良になりうる。排出用開口220側に現像剤が凝集しているにもかかわらず、そこに凝集している現像剤をさらに送り込むことになるからである。
【0024】
これを防止するためには、まず、排出用開口220側に現像剤が凝集しないような状態で現像剤容器38を保存できるようにすることが必要である。
【0025】
また、現像剤容器38を画像形成装置に装填して使用する前に、凝集した現像剤を崩すようにすることも望ましい。
【0026】
これらのことを実現するために、現像剤容器38やその梱包容器に排出用開口220側を下にして保存しないことや、画像形成装置に装填して使用する前に現像剤容器38を振ることなどをメッセージとして表示することも考えられるが、各オフィスで忠実に実行されるとは限らない。
【0027】
以下では、これらの不具合を解消するための現像剤容器38の梱包容器について説明する。
【0028】
図7、図8は、梱包容器の斜視図である。図9は、同正面図である。図10は、現像剤容器梱包体の正面図である。
【0029】
この梱包容器1は、ダンボール紙などで形成された長尺状の6面体の箱である。この外面は長方形の4つの側面2〜5と、長手方向の一端をなす上面6と、他端をなす底面7とからなる。このような梱包容器1内に当該梱包容器1の長手方向を長手方向として現像剤容器38を梱包したものが現像剤容器梱包体11である。
【0030】
上面6は側面2と鈍角をなし、側面5とは鋭角をなしていて、梱包容器1の上面6側の端部部分21はテーパ状に形成されている。底面7は側面2〜5のいずれともほぼ直角をなしている。そのため、梱包容器1内に現像剤容器38を収納した現像剤容器梱包体11の状態では、少なくとも水平面31に立てる場合は底面7を下にして長手方向を鉛直方向として重心がとれて倒れることはない。しかし、水平面31でも上面6を下にして長手方向を鉛直方向として立てようとすると、現像剤容器梱包体11は重心が取れずに倒れてしまう。すなわち、現像剤容器梱包体11は底面7を下にして立てることはできるが、上面6を下にして立てることはできない。よって、現像剤容器梱包体11を長さ方向を鉛直方向として保存しておくためには底面7を下にして立てるしかない。
【0031】
そして、底面7を下にして立てた状態の現像剤容器梱包体11の内部では、現像剤容器38は排出用開口220側(端部フランジ202側)を上に(端部部分21側に)、端部フランジ201側を下に(端部部分22側に)して収納されている。
【0032】
そのため、この状態である程度長期間保存された現像剤容器38の内部では、排出用開口220側(端部フランジ202側)には現像剤が凝集することはなく、現像剤は端部フランジ201側に自重で集まって凝集する。
【0033】
図11、図12は、底面7側の端部部分22の斜視図である。
【0034】
底面7は、梱包容器1の開閉蓋31になっており、この開閉蓋31を開くと取出口となる開口32が現われ、この開口32から現像剤容器38を取り出すことができる。
【0035】
この場合に、前述のように立てた状態で保存されている現像剤容器梱包体11は底面7である開閉蓋31を下にして立てられているので、開閉蓋31を開けて梱包容器1から現像剤容器38を取り出そうとする場合、この状態から現像剤容器梱包体11の長手方向をほぼ水平とするか、多くの場合は上面6側を下に、底面7を上にして、開閉蓋31を空けることになる。底面7である開閉蓋31を下にしたままの状態では現像剤容器38を取り出しにくいし、開口32から飛び出した現像剤容器38が床などに当たって破損する恐れも抱くからである。よって、この動作によって現像剤容器38が振られてその内部の現像剤は凝集していても崩れることが期待できる。
【符号の説明】
【0036】
1 梱包容器
11 現像剤容器梱包体
38 現像剤容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器を梱包している梱包容器と、
を備え、
前記梱包容器は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、
前記現像剤容器は、
内部に現像剤を収納している収納部と、
回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、
前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、
を備え、
前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置していて、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置している、
現像剤容器梱包体。
【請求項2】
前記梱包容器は、前記一端側に前記現像剤容器を取り出す取出口をさらに備えている、請求項1に記載の現像剤容器梱包体。
【請求項3】
現像剤容器を梱包する梱包容器本体と、
前記梱包容器本体に設けられ前記現像剤容器を前記梱包容器本体から取り出す取出口と、
を備え、
前記現像剤容器は、
内部に現像剤を収納している収納部と、
回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、
前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、
を備えるものであり、
前記梱包容器本体は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、
前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置し、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置する、
梱包容器。
【請求項4】
前記取出口は、前記一端側に設けられている、請求項3に記載の梱包容器。
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤容器と、
前記現像剤容器を梱包している梱包容器と、
を備え、
前記梱包容器は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、
前記現像剤容器は、
内部に現像剤を収納している収納部と、
回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、
前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、
を備え、
前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置していて、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置している、
現像剤容器梱包体。
【請求項2】
前記梱包容器は、前記一端側に前記現像剤容器を取り出す取出口をさらに備えている、請求項1に記載の現像剤容器梱包体。
【請求項3】
現像剤容器を梱包する梱包容器本体と、
前記梱包容器本体に設けられ前記現像剤容器を前記梱包容器本体から取り出す取出口と、
を備え、
前記現像剤容器は、
内部に現像剤を収納している収納部と、
回転して前記容器本体内の前記現像剤を搬送する搬送手段と、
前記容器本体の長手方向の前記搬送手段による搬送方向下流側に設けられ現像剤を前記収納部外に排出する排出口と、
を備えるものであり、
前記梱包容器本体は、前記現像剤容器を収納した状態で長手方向の一端側を下にして水平面上に立てることができるが、他端側は水平面上に立てることができず、
前記梱包容器の前記他端側には前記現像剤容器の前記排出口を有する側が位置し、前記梱包容器の前記一端側には前記梱包容器の前記排出口を有さない側が位置する、
梱包容器。
【請求項4】
前記取出口は、前記一端側に設けられている、請求項3に記載の梱包容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−65013(P2011−65013A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216767(P2009−216767)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]