説明

現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

【課題】トナー飛散が低減されて、現像剤担持体上に担持された現像工程後の現像剤が確実に離脱される、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1Yとの対向領域に対して現像剤担持体51Yの回転方向下流側に配設されるケース57Yは、現像剤担持体51YとのギャップNが上流側から下流側にかけて一定となる一定領域M1、M3と、現像剤担持体51YとのギャップNが上流側から下流側にかけて漸増する漸増領域M2、M4と、が上流側から交互に配設されるように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジとに関し、特に、2成分現像剤を用いた現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤(添加剤等を添加する場合も含むものとする。)を収容した現像装置であって、現像剤担持体の周囲に複数の磁極を形成して現像剤担持体にて現像剤を担持しながら現像工程をおこなう技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
【0003】
2成分現像剤を用いた現像装置は、現像装置内におけるトナー消費に応じて、現像装置の一部に設けられたトナー補給口から現像装置内に適宜にトナーが補給される。補給されたトナーは、現像装置内の現像剤とともに、搬送スクリュ等の搬送部材(撹拌搬送部材)によって撹拌・混合される。撹拌・混合された現像剤は、その一部が汲上げ磁極の位置で現像ローラ(現像剤担持体)に供給される。現像ローラに担持された現像剤は、ドクターブレード(現像剤規制部材)によって適量に規制された後に、その2成分現像剤中のトナーが感光体ドラム(像担持体)との対向領域となる主磁極の位置で感光体ドラム上の潜像に付着する。感光体ドラムとの対向領域を通過した現像剤は、搬送磁極によって現像ローラ上を移動した後に、剤離れ磁極の位置で現像ローラから離脱されて現像装置内に戻される。なお、現像ローラの内部にはマグネットが固設されていて、このマグネットによって現像ローラの周囲に汲上げ磁極、主磁極、搬送磁極、剤離れ磁極等の複数の磁極が形成されている。
【0004】
また、このような現像装置では、剤離れ磁極の位置で現像ローラ(現像剤担持体)に担持された現像剤が現像装置内に向けて充分に離脱されないと、現像工程直後でトナー濃度の低下した現像剤が汲上げ磁極によって現像ローラに担持されて再び現像工程に用いられてしまうことにより、出力画像上に濃度ムラが発生してしまう問題が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。このような問題は、画像形成装置の小型化にともない現像ローラが小径化されるほど顕著になる。
【0005】
このような問題を解決するために、特許文献1等には、剤離れ磁極の近傍で、現像ローラと上ケース(内壁)とのギャップ(ケースギャップ)が、上流側から下流側に向けて徐々に広がるように構成する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−122127号公報
【特許文献2】特開2005−148366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1等の現像装置は、剤離れ磁極の近傍で、現像剤担持体と上ケースとのギャップが上流側から下流側に向けて徐々に広がるように構成されているために、剤離れ磁極の位置で現像剤担持体に担持された現像剤が現像装置内に向けて充分に離脱される効果がある程度期待できる。
しかし、特許文献1等の現像装置は、現像剤担持体と上ケースとのギャップが上流側から下流側に向けて広がるように構成されているために、現像剤担持体と上ケースとの間に安定した吸い込み気流を発生させることができずに、現像剤担持体と上ケースとの間からトナーが飛散してしまう可能性が高かった。さらに、剤離れ磁極に隣接する上流側の磁極(剤離れプレ磁極)の位置で現像剤による磁気ブラシが比較的高くなるのに対して、この位置における現像剤担持体と上ケースとのギャップが比較的狭くなっているために、現像剤がパッキングされた状態になって現像剤に大きなストレスがかかる可能性があった。
特に、このような問題は、画像形成装置の高速化にともない現像剤担持体の回転が高速化されるほど無視できないものになっていた。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、トナー飛散が低減されて、現像剤担持体上に担持された現像工程後の現像剤が確実に離脱される、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1記載の発明にかかる現像装置は、キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、前記像担持体に対向するとともに、周囲に複数の磁極が形成された現像剤担持体と、前記像担持体との対向領域に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側に配設されるとともに、前記現像剤担持体に対向するケースと、を備え、前記ケースは、前記現像剤担持体とのギャップが前記現像剤担持体の回転方向上流側から回転方向下流側にかけて一定となる一定領域と、前記現像剤担持体とのギャップが前記現像剤担持体の回転方向上流側から回転方向下流側にかけて漸増する漸増領域と、が前記現像剤担持体の回転方向上流側から交互に配設されるように形成されたものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記現像剤担持体の前記複数の磁極は、前記現像剤担持体に担持された現像剤を離脱させるための剤離れ磁極と、前記剤離れ磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向上流側に形成された剤離れプレ磁極と、前記像担持体との対向領域に形成された主磁極と、前記主磁極の位置から前記剤離れプレ磁極の位置に向けて現像剤を搬送するための単数又は複数の搬送磁極と、を具備し、前記ケースは、前記搬送磁極の一部に対応する位置であって前記主磁極に最も近い前記現像剤担持体の回転方向上流側に第1の前記一定領域が配設され、前記搬送磁極の残りの一部に対応する位置であって前記第1の一定領域の終端から前記剤離れプレ磁極の始端位置までに第1の前記漸増領域が配設され、前記剤離れプレ磁極の一部に対応する位置であって前記第1の漸増領域の終端から前記剤離れプレ磁極のピーク位置を超えた位置までに第2の前記一定領域が配設され、前記第2の一定領域の終端から第2の前記漸増領域が配設されたものである。
【0011】
また、請求項3記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記現像剤担持体の前記複数の磁極は、前記剤離れ磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側に配設されるとともに装置内の現像剤を前記現像剤担持体上に汲上げる汲上げ磁極をさらに具備し、前記汲上げ磁極は、前記剤離れプレ磁極の極性と同極となるように形成され、前記剤離れ磁極は、前記汲上げ磁極と前記剤離れプレ磁極とによって形成されたものである。
【0012】
また、請求項4記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項3に記載の発明において、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を前記汲上げ磁極の位置に配設したものである。
【0013】
また、請求項5記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記第2の一定領域は、前記第1の漸増領域の終端から前記剤離れプレ磁極のピーク位置を超えた半値位置までに配設されたものである。
【0014】
また、請求項6記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体は、その表面にランダムに楕円形状の打痕が形成されたものである。
【0015】
また、請求項7記載の発明にかかる現像装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を前記現像剤担持体の下方に備え、前記ケースを、前記現像剤担持体の上方に配設された上ケースとしたものである。
【0016】
また、この発明の請求項8記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたものである。
【0017】
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたものである。
【0018】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部(帯電装置)と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部(クリーニング装置)とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ケースと現像剤担持体とのギャップが一定となる一定領域と、ケースと現像剤担持体とのギャップが上流側から下流側にかけて漸増する漸増領域と、が交互に形成されているために、トナー飛散が低減されて、現像剤担持体上に担持された現像工程後の現像剤が確実に離脱される、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0021】
まず、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
トナー容器32Y、32M、32C、32Kの下方には、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kが配設されている。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Kに収容されたトナーは、それぞれ、トナー補給装置60Y、60M、60C、60Kによって、作像部6Y、6M、6C、6Kの現像装置内に供給(補給)される。4つのトナー補給装置60Y、60M、60C、60Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。
【0022】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0023】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0024】
図2を参照して、像担持体としての感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照できる。)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0025】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、図2及び図3を参照して、現像装置5Y内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5Y内の現像剤Gは、磁気センサ56Yによって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー補給装置60Yからトナー補給口64Yを介して第2現像剤収容部54Y内に、トナーが補給される。トナー補給装置60Yは、図1を参照して、トナー容器32Yに接続されている。なお、図示は省略するが、トナー補給装置60Yは、トナー容器32Y(トナーボトル)を回転駆動する駆動部や、トナー容器32Yから排出されたトナーを貯留するトナータンク部や、トナータンク部に貯留されたトナーをトナー落下経路に向けて搬送するトナー搬送部や、トナー搬送部によって搬送されたトナーを現像装置5Y(第2現像剤収容部54Y)に向けて自重落下させるトナー落下経路、等で構成されている。
【0026】
図2及び図3を参照して、その後、第2現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部材で隔絶された第1現像剤収容部53Y、第2現像剤収容部54Yを循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
【0027】
詳しくは、図3を参照して、第1現像剤収容部53Y内の現像剤Gは、搬送スクリュ55Yによって、紙面の右側から左側に搬送される。こうして、現像ローラ51Yの長手方向に沿って現像剤Gを搬送する第1搬送経路が形成される。これに対して、第2現像剤収容部54Y内の現像剤Gは、搬送スクリュ55Yによって、紙面の左側から右側に搬送される。こうして、第1搬送経路とは逆方向に現像剤Gを搬送する第2搬送経路が形成される。
【0028】
また、第1搬送経路が形成される第1現像剤収容部53Yと、第2搬送経路が形成される第2現像剤収容部54Yと、は長手方向両端部を除く領域に配設された仕切部材によって隔絶されるとともに、仕切部材の介在しない長手方向両端部で連通する。すなわち、第1現像剤収容部53Yにて搬送された現像剤Gは、第1連通部Aで第2現像剤収容部54Y側に流動して、その後に第2現像剤収容部54Yの搬送スクリュ55Yによって搬送される。第2現像剤収容部54Yにて搬送された現像剤Gは、第2連通部Bで第1現像剤収容部53Y側に流動して、その後に第1現像剤収容部53Yの搬送スクリュ55Yによって搬送される。こうして、2つの現像剤収容部53Y、54Yの間に現像剤Gの循環経路が形成される。
【0029】
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、周囲に複数の磁極が形成された現像ローラ51Y上にキャリアとともに担持される。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51Yは、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット23a1の周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51Y上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。
【0030】
現像剤担持体としての現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、現像ローラ51Yの矢印方向の回転にともなって搬送されて、現像剤規制部材としてのドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0031】
図4は、マグネット51bによって現像ローラ51Y(スリーブ51a)の周囲に形成される複数の磁極H1〜H6による磁力分布を示している。図4に示すように、複数の磁極は、感光体ドラム1Yとの対向領域に形成された主磁極H1、主磁極H1の位置から剤離れプレ磁極H4の位置に向けて現像剤Gを搬送するための2つの搬送磁極H2、H3(主磁極H1に隣接する第1搬送磁極H2と、剤離れプレ磁極H4に隣接する第2搬送磁極H3と、である。)、剤離れ磁極H5に対して現像ローラ51Yの回転方向上流側に形成された剤離れプレ磁極H4、現像ローラ51Yに担持された現像剤Gを離脱させるための剤離れ磁極H5、剤離れ磁極H5に対して現像ローラ51Yの回転方向下流側に配設されるとともに現像装置5Y(第1現像剤収容部53Y)内の現像剤Gを現像ローラ51Y上に汲上げるための汲上げ磁極H6、で構成される。ここで、汲上げ磁極H6は、現像ローラ51Yの下方に設置されたドクターブレード52Yの位置に配設されるとともに、剤離れプレ磁極H4の極性と同極(例えば、S極である。)となるように形成されている。そして、剤離れ磁極H5は、同極に形成された汲上げ磁極H6と剤離れプレ磁極H4とによって、現像剤Gに対する保持力がなくなるような磁力にて形成されている。このように、本実施の形態では、剤離れ磁極H5と主磁極H1との間に汲上げ磁極H6のみを形成して、現像ローラ51Yを小径化している。
【0032】
そして、まず、汲上げ磁極H6が磁性体としてのキャリアに作用して、現像剤収容部53Yに収容された現像剤Gが現像ローラ51Y上に担持される。現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード52Y(現像剤規制部材)の位置で掻き取られて、現像剤収容部53Yに戻される。一方、ドクターブレード52Yと現像ローラ51Yとのドクターギャップを通過して現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、主磁極H1の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム1Yに摺接する。こうして、現像ローラ51Yに担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1Y上の潜像に付着する。その後、主磁極H1の位置を通過した現像剤G(トナー濃度が低くなっている。)は、第1搬送磁極H2、第2搬送磁極H3によって剤離れプレ磁極H4の位置まで搬送される。そして、剤離れプレ磁極H4の位置を通過して剤離れ磁極H5の位置で、現像ローラ51Y上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51Yから脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び現像剤収容部53Yに戻されて、現像剤収容部53Y、54Y内を循環する。このような一連の現像剤Gの流れが繰り返される。
【0033】
なお、本実施の形態では、図示は省略するが、現像ローラ51Y(スリーブ51a)の表面にランダムに楕円形状の打痕が形成されている。
詳しくは、ランダムな楕円形状の打痕は、スリーブ51aの素管表面に、比較的大きなカットワイヤ(金属ワイヤを短尺に切断したものである。)からなるメディアをサンドブラスト工法と同様に衝突させることによって形成される。このように、現像ローラ51Yの表面にランダムな楕円形状の打痕を多数形成することで、現像ローラ51Yの表面にピッチの粗い凹凸が形成されることになる。そのため、現像ローラ51Yの表面には、現像剤が滑りにくい1つ1つの凹みによってしっかりとした太い現像剤の穂立ちが形成される。さらに、それらの凹みは磨耗しにくいものとなり、長期にわたって画像ムラの生じることのない安定した良好な出力画像を得ることができる。
【0034】
なお、本実施の形態において用いられるトナー(現像剤中のトナーや、トナー容器に収容されたトナーである。)は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られたものである。粉砕型のトナーは、粒径分布がブロードになってしまう。そのため、重合法等によってトナーの円形度を上げて、粒径分布をシャープなものとして高画質化を実現する方法が一般的になっている。本実施の形態におけるトナーは、少なくとも、プレポリマー、着色剤、離型剤からなるトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で分散させて、そのトナー組成物を重付加反応させて得られた重合トナーである。このようなトナーを用いることにより、粉砕工程がなく、省資源化を図ることができるとともに、粒径分布や帯電分布をシャ−プにできる等の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施の形態において用いられる現像剤G中のキャリアは、重量平均粒径が20〜65μmになるように形成されている。キャリアの重量平均粒径が20μm未満になってしまうと、キャリアに付着するトナー粒子の均一性が低下して、キャリア付着が発生しやすくなる。これに対して、キャリアの重量平均粒径が65μmを超えてしまうと、画像細部の再現性が低下して、精細な画像が得られにくくなる。なお、キャリアの重量平均粒子径は、「マイクロトラック粒度分析計(SRAタイプ)」(日機装社製)を用いて、0.7〜125μmのレンジ設定で測定することができる。このとき、分散液の溶媒にはメタノールを使用して、屈折率1.33、キャリア及び芯材の屈折率は2.42に設定する。
また、本実施の形態におけるキャリアは、磁性体の芯材に対して樹脂コート膜を有するものであって、その樹脂コート膜が、アクリル等の熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分に帯電調整剤を含有させたものである。磁性キャリアを用いることにより、衝撃を吸収して膜削れが抑制されるとともに、強い接着力によりトナーの大粒子を保持できる。さらには、コート膜への衝撃阻止と、スペント物のクリーニングと、をバランス良く両立させることができる。すなわち、キャリアの膜削れとスペント化とが防止されて、キャリアの長寿命化が達成される。
【0036】
図2を参照して、上述した現像工程の後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0037】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0038】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0039】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0040】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0041】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0042】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0043】
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0044】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0045】
以下、図4及び図5にて、本実施の形態において特徴的な、現像装置5Yの構成・動作について詳述する。
図4を参照して、現像ローラ51Y(現像剤担持体)の上方であって、感光体ドラム1Y(像担持体)との対向領域に対して現像ローラ51Yの回転方向下流側には、現像ローラ51Yに対向するケースとしての上ケース57Yが設置されている。
ここで、本実施の形態における上ケース57Y(ケース)は、現像ローラ51YとのギャップN(以後、適宜に「ケースギャップ」と呼ぶ。)が現像ローラ51Yの回転方向上流側から回転方向下流側にかけて一定となる一定領域M1、M3と、ケースギャップNが現像ローラ51Yの回転方向上流側から回転方向下流側にかけて漸増する漸増領域M2、M4と、が現像ローラ51Yの回転方向上流側から交互に配設されるように形成されている。すなわち、上流側から、第1の一定領域M1、第1の漸増領域M2、第2の一定領域M3、第2の漸増領域M4の順位で、一定領域と漸増領域とが交互に形成されている。
【0046】
さらに詳しくは、搬送磁極H2、H3の一部に対応する位置であって主磁極H1に最も近い現像ローラ51Yの回転方向上流側に第1の一定領域M1が配設され、搬送磁極H2、H3の残りの一部に対応する位置であって第1の一定領域M1の終端から剤離れプレ磁極H4の始端位置までに第1の漸増領域M2が配設され、剤離れプレ磁極H4の一部に対応する位置であって第1の漸増領域M2の終端から剤離れプレ磁極H4のピーク位置H4aを超えた位置までに第2の一定領域M3が配設され、第2の一定領域M3の終端から第2の漸増領域M4が配設されるように、上ケース57Yが形成されている。
換言すると、上ケース57Yの入口(最上流側)から所定位置(第2搬送磁極H3の上流近傍である。)までは、ケースギャップNが一定となる第1の一定領域M1が形成されている。そして、第2搬送磁極H3の上流近傍から終端位置(剤離れプレ磁極H4の始端位置)までは、ケースギャップNが上流側から下流側にかけて漸増する第1の漸増領域M2が形成されている。そして、剤離れプレ磁極H4の始端位置からそのピーク位置H4aを超えた位置までは、ケースギャップNが一定となる第2の一定領域M3が形成されている。最後に、剤離れプレ磁極H4のピーク位置H4aを超えた位置から、ケースギャップNが上流側から下流側にかけて漸増する第2の漸増領域M4が形成されている。
【0047】
図5は、ケースギャップN(又は、一定領域M1、M3、及び、漸増領域M2、M4)と、磁極H2〜H5と、の関係を示すグラフである。
図5において、横軸は第1搬送磁極H2、第2搬送磁極H3、剤離れプレ磁極H4、剤離れ磁極H5の位置を示し、左側縦軸はケースギャップNを示し、右側縦軸は磁極の磁力を示す。また、図5において、実曲線は上述した各磁極H2〜H5の磁力分布(右縦軸に対応する。)を示し、破線Sは本実施の形態におけるケースギャップN(左縦軸に対応する。)の変動を示す。なお、二点鎖線Q0は従来の現像装置(ケースギャップNが一定のものであって、図7を参照できる。)におけるケースギャップNの変動を示し、一点鎖線Q1は特許文献1等の現像装置(ケースギャップNが一定領域を経て漸増するものであって、図8を参照できる。)におけるケースギャップNの変動を示す。
具体的に、本実施の形態では、第1の一定領域M1におけるケースギャップNが1.5mmに設定されていて、第1の漸増領域M2におけるケースギャップNが1.5mm(上流側)から3mm(下流側)に漸増するように設定されていて、第2の一定領域M3におけるケースギャップNが3mmに設定されていて、第2の漸増領域M4におけるケースギャップNが3mm(上流側)から5mm(下流側)に漸増するように設定されている。
【0048】
このような構成により、まず、第1の一定領域M1の位置では、上ケース57Yと現像ローラ51Yとの間に吸い込み気流が発生することになる。すなわち、第1の一定領域M1は、現像装置5Y内に空気を吸引する吸引領域となる。
そして、第1の漸増領域M2の位置では、剤離れプレ磁極H4の位置に向けて徐々に高さが高くなっていく現像剤(磁気ブラシ)に合わせるようにケースギャップNが漸増するために、現像剤がパッキングされた状態になって現像剤に大きなストレスがかかる不具合が防止される。
さらに、第2の一定領域M3の位置では、ケースギャップNが再び一定になるために、第1の一定領域M1の位置で生じさせた吸い込み気流を現像装置5Y内に呼び込むことができる。すなわち、上ケース57Yと現像ローラ51Yとの間に生じた吸い込み気流が維持されて、上ケース57Yと現像ローラ51Yとの間から現像装置5Yの外部に向けてトナーが飛散しにくくなる。
そして、第2の漸増領域M4の位置では、剤離れ磁極H5の位置に向けて現像ローラ51Yからの離脱が徐々に開始される現像剤の挙動に合わせるようにケースギャップNが漸増するために、現像ローラ51Yから離脱した現像剤が現像剤収容部53Yの仕切部材側(図4の左側である。)に向けて落下しやすくなり、現像ローラ51Yから離脱した直後の現像剤が汲上げ磁極H6によって現像ローラ51Y上に再び担持されてしまう不具合が抑止される。すなわち、現像ローラ51Yに対する現像剤の離脱性が向上する。
まとめると、本実施の形態における上ケース57Yを用いることにより、上ケース57Yと現像ローラ51Yとの間からのトナー飛散が低減されるとともに、現像ローラ51Y上に担持された現像工程後の現像剤Gが確実に離脱されて出力画像上に濃度ムラが発生する不具合が抑止される。さらには、上ケース57Yと現像ローラ51Yとの間で現像剤に大きなストレスがかかり現像剤の劣化が早まる不具合が抑止される。
【0049】
ここで、図4を参照して、第2の一定領域M3は、第1の漸増領域M2の終端から剤離れプレ磁極H4のピーク位置H4aを超えた半値位置H4bまでに配設されている。すなわち、第2の一定領域M3の終端位置は、剤離れプレ磁極H4のピーク位置H4aと、剤離れプレ磁極H4の下流側の半値位置H4bと、の間に配設されている。ここで、「剤離れプレ磁極H4のピーク位置H4a」とは剤離れプレ磁極H4の法線方向の磁力が最大になる位置であって、「剤離れプレ磁極H4の半値位置H4b」とは剤離れプレ磁極H4の法線方向の磁力が最大値に対して半分になる位置である。
現像ローラ51Yに担持された現像剤が現像ローラ51Yから積極的に離脱され始めるのは、剤離れプレ磁極H4の下流側の半値位置H4bを通過した時点からであるために、それよりも僅かに手前の位置からケースギャップNを漸増させることで、現像ローラ51Yから現像剤を効率的に離脱させることができる。
【0050】
本願発明者は、上述した効果を確認するために、ケースギャップNの異なる3つの現像装置を用意して、それぞれについて所定時間のランニングテストをおこない、(1)出力画像の濃度ムラ、(2)上ケースからのトナー飛散、(3)現像ローラ51Y上への現像剤の汲上げ性、の程度について確認する実験をおこなった。図6は、その実験条件と実験結果とを示す表図である。
図6を参照して、実施例では本実施の形態における現像装置5Yを用いた。実施例において、第1の一定領域M1におけるケースギャップNは1.5mmに、第1の漸増領域M2におけるケースギャップNは1.5mm(上流側)から3mm(下流側)に漸増するように、第2の一定領域M3におけるケースギャップNは3mmに、第2の漸増領域M4におけるケースギャップNは3mm(上流側)から5mm(下流側)に漸増するように設定した。
比較例1では図7に示す現像装置500Yを用いた。比較例1において、現像ローラ51Yと上ケース570YとのケースギャップNは一定(1.5mmである。)になるように設定した。
比較例2では図8に示す現像装置501Yを用いた。比較例1において、現像ローラ51Yと上ケース571YとのケースギャップNは、上流側で一定(1.5mmである。)になり、その後1.5mm(上流側)から5mm(下流側)に漸増するように設定した。
その結果、比較例1では出力画像上に剤離れ不良による濃度ムラが発生するとともにトナー飛散も発生し、比較例2では吸い込み気流の発生が不充分になってトナー飛散が大量に発生した。これに対して、実施例では現像ローラ51Yからの剤離れが良好で出力画像上に濃度ムラの発生はなく、トナー飛散の発生もほとんどなかった。なお、現像ローラ51Y上への現像剤の汲上げ性は、実施例、比較例1、比較例2のいずれも良好であった。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態では、上ケース57Y(ケース)と現像ローラ51Y(現像剤担持体)とのギャップNが一定となる一定領域M1、M3と、上ケース57Yと現像ローラ51YとのギャップNが上流側から下流側にかけて漸増する漸増領域M2、M4と、が交互に形成されているために、トナー飛散が低減されて、現像ローラ51Y上に担持された現像工程後の現像剤Gを確実に離脱させることができる。
【0052】
なお、本実施の形態において、作像部6Y、6M、6C、6Kの一部又は全部をプロセスカートリッジとすることもできる。その場合であっても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、上ケース57Yを1つの部材で形成して現像ローラ51Yとの間にケースギャップNを形成しているが、上ケース57Yを複数の部材で形成して現像ローラ51Yとの間にケースギャップNを形成することもできる。例えば、上ケースの内壁面に適宜に別部材で肉盛りを施して、一定領域M1、M3や漸増領域M2、M4を形成することもできる。そのように複数の部材で形成した上ケースも1つの上ケースであって、本願における「ケース(上ケース)」とは、現像ローラに対向して上述したようなギャップNを形成し得るすべての部材をいうものとする。
また、本実施の形態では、主磁極H1の位置から剤離れプレ磁極H4の位置まで現像剤を搬送する搬送磁極H2、H3を2つ設けたが、搬送磁極は1つであってもよいし3つ以上であってもよい。
【0054】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の画像形成装置における作像部を示す断面図である。
【図3】現像装置及び感光体ドラムを上方からみた断面図である。
【図4】現像ローラ及び上ケースの近傍を示す部分拡大図である。
【図5】ケースギャップと磁極との関係を示すグラフである。
【図6】実験条件及び実験結果を示す表図である。
【図7】比較例1の現像装置の一部を示す図である。
【図8】比較例2の現像装置の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1Y 感光体ドラム(像担持体)、
5Y 現像装置、
51Y 現像ローラ(現像剤担持体)、
52Y ドクターブレード(現像剤規制部材)、
57Y 上ケース(ケース)、
100 画像形成装置本体(装置本体)、
H1 主磁極、 H2 第1搬送磁極、 H3 第2搬送磁極、
H4 剤離れプレ磁極、 H5 剤離れ磁極、 H6 汲上げ磁極、
M1 第1の一定領域、 M2 第1の漸増領域、
M3 第2の一定領域、 M4 第2の漸増領域、
N ギャップ(ケースギャップ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
前記像担持体に対向するとともに、周囲に複数の磁極が形成された現像剤担持体と、
前記像担持体との対向領域に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側に配設されるとともに、前記現像剤担持体に対向するケースと、
を備え、
前記ケースは、前記現像剤担持体とのギャップが前記現像剤担持体の回転方向上流側から回転方向下流側にかけて一定となる一定領域と、前記現像剤担持体とのギャップが前記現像剤担持体の回転方向上流側から回転方向下流側にかけて漸増する漸増領域と、が前記現像剤担持体の回転方向上流側から交互に配設されるように形成されたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤担持体の前記複数の磁極は、
前記現像剤担持体に担持された現像剤を離脱させるための剤離れ磁極と、
前記剤離れ磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向上流側に形成された剤離れプレ磁極と、
前記像担持体との対向領域に形成された主磁極と、
前記主磁極の位置から前記剤離れプレ磁極の位置に向けて現像剤を搬送するための単数又は複数の搬送磁極と、
を具備し、
前記ケースは、前記搬送磁極の一部に対応する位置であって前記主磁極に最も近い前記現像剤担持体の回転方向上流側に第1の前記一定領域が配設され、前記搬送磁極の残りの一部に対応する位置であって前記第1の一定領域の終端から前記剤離れプレ磁極の始端位置までに第1の前記漸増領域が配設され、前記剤離れプレ磁極の一部に対応する位置であって前記第1の漸増領域の終端から前記剤離れプレ磁極のピーク位置を超えた位置までに第2の前記一定領域が配設され、前記第2の一定領域の終端から第2の前記漸増領域が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体の前記複数の磁極は、前記剤離れ磁極に対して前記現像剤担持体の回転方向下流側に配設されるとともに装置内の現像剤を前記現像剤担持体上に汲上げる汲上げ磁極をさらに具備し、
前記汲上げ磁極は、前記剤離れプレ磁極の極性と同極となるように形成され、
前記剤離れ磁極は、前記汲上げ磁極と前記剤離れプレ磁極とによって形成されたことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体上に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を前記汲上げ磁極の位置に配設したことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第2の一定領域は、前記第1の漸増領域の終端から前記剤離れプレ磁極のピーク位置を超えた半値位置までに配設されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体は、その表面にランダムに楕円形状の打痕が形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤担持体上に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材を前記現像剤担持体の下方に備え、
前記ケースは、前記現像剤担持体の上方に配設された上ケースであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−78895(P2010−78895A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247032(P2008−247032)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】