説明

現像装置および画像形成装置

【課題】ハイブリッド現像を採用する場合において、部品点数の増加と画像濃度の低下を回避しつつ、画像メモリを確実に防止する。
【解決手段】トナーとキャリアを含む現像剤を担持する現像剤担持体54と、現像剤担持体54から供給されたトナーを担持するトナー担持体48が、現像剤担持体54とトナー担持体48との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、現像剤担持体54とトナー担持体48との間に形成される電界が、平均的には現像剤担持体54からトナー担持体48へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置34において、トナー担持体48上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)を4g/m以下とし、且つ、周速比Rdとトナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)を4g/m以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置、及びこの画像形成装置に使用される現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に関して、ハイブリッド現像と呼ばれる現像方式を採用する技術が提案されている(特許文献1参照)。ハイブリッド現像を採用した画像形成装置は、現像剤担持体(磁気ローラ)とトナー担持体(現像ローラ)とを備えた現像装置を有する。現像剤担持体の外周面には、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤が保持され、現像剤担持体に保持された現像剤からトナーだけが選択的にトナー担持体の外周面に供給される。トナー担持体の外周面に保持されたトナーは、静電潜像担持体上の静電潜像の顕在化(現像)に利用される。
【0003】
ハイブリッド現像では、現像剤担持体の外周面に保持された現像剤が、現像剤担持体の周囲に形成される磁力線に沿って配置される。このような状態で現像剤担持体の周囲に配置された現像剤は磁気ブラシと呼ばれる。現像剤担持体とトナー担持体との近接領域(供給回収領域)では、磁気ブラシの先端がトナー担持体の外周面に接触し、磁気ブラシを構成する現像剤のうちトナーだけが、現像剤担持体とトナー担持体との間に形成された電界により、トナー担持体の外周面へ移動する。トナー担持体の外周面に保持されたトナーの一部は、静電潜像担持体との近接領域(現像領域)において、トナー担持体と静電潜像担持体との間に形成された電界により静電潜像担持体の静電潜像画像部へ移動し、これにより静電潜像が顕在化する。トナー担持体上の残りのトナーは、トナー担持体の回転により供給回収領域に搬送されると、磁気ブラシの先端により機械的に掻き取られ、トナー担持体の外周面から除去される。
【0004】
現像剤担持体とトナー担持体にはバイアスがそれぞれ印加され、これにより、現像剤担持体とトナー担持体との間に供給回収電界が形成される。供給回収電界は振動電界からなり、現像剤担持体とトナー担持体との間に、現像剤担持体上のトナーをトナー担持体へ供給する方向の電界と、トナー担持体上のトナーを現像剤担持体へ回収する方向の電界とが交互に形成される。トナー担持体へのトナー供給量を十分に確保するため、供給回収電界は、平均的には現像剤担持体からトナー担持体へトナーを供給する方向に設定される。
【0005】
ハイブリッド現像は、トナーが受けるストレスが小さいこと、高品質の画像が得られること、トナーの飛散が少ないことなどの利点を有する。しかし、ハイブリッド現像には、画像メモリと呼ばれる現象が発生しやすい問題がある。画像メモリとは、印字画像の濃淡が反転した画像(反転画像)が直後の画像領域に出現する現象をいう。例えば、白紙部とベタ部が混在してなる印字画像の画像メモリが、全面ハーフトーン濃度の画像領域(ハーフトーン画像領域)に発生する場合、ハーフトーン画像領域において、元々ベタ部であった部分の濃度よりも元々白紙部であった部分の濃度が高くなる。
【0006】
ハイブリッド現像を採用する場合に画像メモリが発生する理由としては、現像剤担持体上の磁気ブラシによりトナー担持体上のトナーを十分に回収できず、トナー担持体上におけるトナー付着量のばらつきを解消できないことが考えられる。また、トナー担持体上のトナーを十分に回収できない一因として、上述のように供給回収電界が平均的にトナーを供給する方向の電界であることが考えられる。
【0007】
ハイブリッド現像方式においてトナー担持体からのトナー回収性能を高めるためには、トナー担持体上のトナーを回収するための回収部材を現像剤担持体とは別に設けることが考えられる。しかし、現像剤担持体とは別に回収部材を設けると、部品点数が増加し、装置の大型化を招く不具合が生じる。
【0008】
また、トナー担持体上のトナー担持量を少なくすることで、トナー担持体上のトナーを磁気ブラシにより回収しやすくすることも考えられる。なお、トナー担持体上のトナー担持量を調整する技術は、例えば特許文献2に開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2006−308687号公報
【特許文献2】特開2006−317980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、トナー担持体上のトナー担持量を少なくすると、トナー担持体から静電潜像担持体上の静電潜像画像部へ十分な量のトナーを供給できないことがあり、この場合、所望の画像濃度を得ることができなくなる。
【0011】
そこで、本発明は、ハイブリッド現像を採用する場合において、部品点数の増加と画像濃度の低下を回避しつつ、画像メモリを確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本願の第1の発明に係る現像装置は、
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4g/m以下であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする。
【0013】
本願の第2の発明に係る現像装置は、
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であり、且つ、
第1の電界における前記トナー担持体の電位Vdと前記現像剤担持体の電位Vsとの電位差(Vd−Vs)の平均値の絶対値|ΔVavg|が200ボルト以下であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする。
【0014】
本願の第3の発明に係る現像装置は、
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であり、且つ、
前記トナー担持体の周速度Sdに対する前記現像剤担持体の周速度Ssの比率Rs(Ss/Sd)が1以上であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る現像装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本願の第1の発明によれば、トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4g/m以下であるため、トナー担持体表面へのトナーの付着力を十分に低減できる。そのため、供給回収領域において、トナー担持体上のトナーを現像剤担持体上の磁気ブラシにより十分に回収することができ、これにより画像メモリの発生を防止できる。また、静電潜像担持体の周速度Spに対するトナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であるため、トナー担持体から静電潜像担持体上の静電潜像画像部へ供給される単位時間当たりのトナー量を十分に確保できる。そのため、上述のようにトナー担持量(M/A1)が4g/m以下であっても、良好な画像濃度を得ることができる。
【0017】
本願の第2の発明によれば、トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であるため、トナー担持体表面へのトナーの付着力を効果的に低減できる。また、トナー担持体の電位Vdと現像剤担持体の電位Vsとの電位差(Vd−Vs)の平均値の絶対値|ΔVavg|が200ボルト以下であるため、トナー担持体上の比較的粒径が大きいトナーも、現像剤担持体上の磁気ブラシにより良好に回収することができる。これらのことから、画像メモリの発生を防止できる。さらに、第1の発明と同様、静電潜像担持体の周速度Spに対するトナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であるため、良好な画像濃度を得ることができる。
【0018】
本願の第3の発明によれば、トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であるため、トナー担持体表面へのトナーの付着力を効果的に低減できる。また、トナー担持体の周速度Sdに対する現像剤担持体の周速度Ssの比率Rs(Ss/Sd)が1以上であるため、現像剤担持体上の磁気ブラシがトナー担持体上のトナーに接触する頻度が高められる。これらのことから、画像メモリの発生を防止できる。さらに、第1及び第2の発明と同様、静電潜像担持体の周速度Spに対するトナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であるため、良好な画像濃度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。また、以下に説明する画像形成装置及び現像装置では、同一又は類似の構成部分には同一の符号を用いている。
【0020】
〔1.画像形成装置〕
図1は、本発明に係る電子写真式画像形成装置の画像形成に関連する部分を示す。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像坦持体である感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
【0021】
帯電ステーション16は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する帯電装置26を備えている。実施形態では、帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて他の形態の帯電装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式帯電装置、ワイヤ放電式帯電装置)も使用できる。露光ステーション18は、感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28から出射された画像光30が、帯電された感光体12の外周面に向けて進行するための通路32を有する。露光ステーション18を通過した感光体12の外周面には、画像光が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分からなる、静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像ステーション20は、粉体現像剤を用いて静電潜像を可視像化する現像装置34を有する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写ステーション22は、感光体12の外周面に形成された可視像を紙やフィルムなどのシート38に転写する転写装置36を有する。実施形態では、転写装置36は円筒形状のローラとして表されているが、他の形態の転写装置(例えば、ワイヤ放電式転写装置)も使用できる。クリーニングステーション24は、転写ステーション22でシート38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写トナーを感光体12の外周面から回収するクリーニング装置40を有する。実施形態では、クリーニング装置40は板状のブレードとして示されているが、代わりに他の形態のクリーニング装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置)も使用できる。
【0022】
このような構成を備えた画像形成装置1の画像形成時、感光体12はモータ(図示せず)の駆動に基づいて時計周り方向に回転する。このとき、帯電ステーション16を通過する感光体外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体外周部分は、露光ステーション18で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像ステーション20に搬送され、そこで現像装置34によって現像剤像として可視像化される。可視像化された現像剤像は、感光体12の回転と共に転写ステーション22に搬送され、そこで転写装置36によりシート38に転写される。現像剤像が転写されたシート38は図示しない定着ステーションに搬送され、そこでシート38に現像剤像が固定される。転写ステーション22を通過した感光体外周部分はクリーニングステーション24に搬送され、そこでシート38に転写されることなく感光体12の外周面に残存する現像剤が回収される。
【0023】
〔2.現像装置〕
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤と以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。
【0024】
ハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えている。開口部44の近傍に形成された空間46には、トナー担持体である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
【0025】
現像ローラ48の背後には、別の空間52が形成されている。空間52には、現像剤担持体である搬送ローラ54が、現像ローラ48と平行に且つ現像ローラ48の外周面と所定の供給回収ギャップ56を介して配置されている。搬送ローラ54は、磁石体58と、磁石体58の周囲を回転可能に支持された円筒スリーブ60を有する。スリーブ60の上方には、ハウジング42に固定され、スリーブ60の中心軸と平行に伸びる規制板62が、所定の規制ギャップ64を介して対向配置されている。
【0026】
磁石体58は、スリーブ60の内面に対向し、搬送ローラ54の中心軸方向に伸びる、複数の磁極を有する。実施形態では、複数の磁極は、規制板62の近傍にある搬送ローラ54の上部内周面部分に対向する磁極S1、供給回収ギャップ56の近傍にある搬送ローラ54の左側内周面部分に対向する磁極N1、搬送ローラ54の下部内周面部分に対向する磁極S2、搬送ローラ54の右側内周面部分に対向する、2つの隣接する同極性の磁極N2,N3を含む。
【0027】
搬送ローラ54の背後には、現像剤攪拌室66が形成されている。攪拌室66は、搬送ローラ54の近傍に形成された前室68と搬送ローラ54から離れた後室70を有する。前室68には図面の表面から裏面に向かって現像剤を攪拌しながら搬送する前攪拌搬送部材である前スクリュー72が回転可能に配置され、後室70には図面の裏面から表面に向かって現像剤を攪拌しながら搬送する後攪拌部材搬送部材である後スクリュー74が回転可能に配置されている。図示するように、前室68と後室70は、両者の間に設けた隔壁76で分離してもよい。この場合、前室68と後室70の両端近傍にある隔壁部分は除かれて連絡通路が形成されており、前室68の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して後室70へ送り込まれ、また後室70の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して前室68に送り込まれるようにしてある。
【0028】
このように構成された現像装置34の動作を説明する。画像形成時、図示しないモータの駆動に基づいて、現像ローラ48とスリーブ60はそれぞれ矢印78,80方向に回転する。すなわち、現像ローラ48とスリーブ60は、現像ローラ48とスリーブ60との対向部において互いに反対方向(所謂カウンタ方向)に移動するように回転する。前スクリュー72は矢印82方向に回転し、後スクリュー74は矢印84方向に回転する。これにより、現像剤攪拌室66に収容されている現像剤2は、前室68と後室70を循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤に含まれるトナーとキャリアが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。実施形態では、キャリアは正極性、トナーは負極性に帯電されるものとする。キャリアはトナーに比べて相当大きいため、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。
【0029】
帯電された現像剤2は、前スクリュー72によって前室68を搬送される過程で搬送ローラ54に供給される。前スクリュー72から搬送ローラ54に供給された現像剤2は、磁極N3の近傍で、磁極N3の磁力によって、スリーブ60の外周面に保持される。スリーブ60に保持された現像剤2は、磁石体58によって形成された磁力線に沿って磁気ブラシを構成しており、スリーブ60の回転に基づいて反時計周り方向に搬送される。規制板62の対向領域(規制領域86)で磁極S1に保持されている現像剤2は、規制板62により、規制ギャップ64を通過する量が所定量に規制される。規制ギャップ64を通過した現像剤2は、磁極N1が対向する、現像ローラ48と搬送ローラ54が対向する領域(供給回収領域)88に搬送される。後に詳細に説明するように、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して上流側の領域(供給領域)90では、現像ローラ48とスリーブ60との間に形成された電界の存在により、キャリアに付着しているトナーが現像ローラ48に電気的に供給される。また、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して下流側の領域(回収領域)92では、後に説明するように、現像に寄与することなく供給回収領域88に送り戻された現像ローラ48上のトナーが、磁極N1の磁力線に沿って形成されている磁気ブラシに掻き取られてスリーブ60に回収される。キャリアは磁石体58の磁力によってスリーブ60の外周面に保持されており、スリーブ60から現像ローラ48に移動することはない。供給回収領域88を通過した現像剤2は、磁石体58の磁力に保持され、スリーブ60の回転と共に磁極S2の対向部を通過して磁極N2とN3の対向領域(放出領域94)に到達すると、磁極N2とN3によって形成される反発磁界によってスリーブ60の外周面から前室68に放出され、前室68を搬送されている現像剤2に混合される。
【0030】
供給領域90で現像ローラ48に保持されたトナーは、現像ローラ48の回転と共に反時計周り方向に搬送され、感光体12と現像ローラ48が対向する領域(現像領域)96で、感光体12の外周面に形成されている静電潜像画像部に付着する。実施形態の画像形成装置では、感光体12の外周面は帯電装置26で負極性の所定の電位Vが付与され、露光装置28で画像光30が投射された静電潜像画像部が所定の電位Vまで減衰し、露光装置28で画像光30が投射されていない静電潜像非画像部はほぼ帯電電位Vを維持している。したがって、現像領域96では、感光体12と現像ローラ48との間に形成されている電界の作用を受けて、負極性に帯電したトナーが静電潜像画像部に付着し、この静電潜像を現像剤像として可視像化する。
【0031】
このようにして現像剤2からトナーが消費されると、消費された量に見合う量のトナーが現像剤2に補給されることが好ましい。そのために、現像装置34は、ハウジング42に収容されているトナーとキャリアの混合比を測定する手段を備えている。また、後室70の上方にはトナー補給部98が設けてある。トナー補給部98は、トナーを収容するための容器100を有する。容器100の底部には開口部102が形成されており、この開口部102に補給ローラ104が配置されている。補給ローラ104は図示しないモータに駆動連結されており、トナーとキャリアの混合比を測定する手段の出力に基づいてモータが駆動し、トナーが後室70に落下補給するようにしてある。
【0032】
〔3.現像剤の材料〕
トナー、キャリア、および現像剤に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
【0033】
〔トナー〕
トナーには、画像形成装置で従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmであるが、好ましくは、8μm以下の小粒径トナーが使用される。小粒径のトナーを使用すると、現像ローラ48から感光体12へのトナーの移動が容易となり、良好な画像濃度を確保しやすくなる。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。
【0034】
トナーの飽和帯電量は40μC/g以下であることが好ましい。これにより、トナーの帯電量が40μC/gよりも大きくなることを回避できるため、トナーと現像ローラ48との静電的な付着力を低減でき、磁気ブラシによるトナー回収性能の向上を図ることができる。
【0035】
トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
【0036】
〔バインダー樹脂〕
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
【0037】
〔着色剤〕
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
【0038】
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0039】
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0040】
〔その他の添加剤〕
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコーンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
〔キャリア〕
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
【0041】
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
【0042】
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂が例示される。
【0043】
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。キャリアの形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50〜90重量%の量で添加することが適当である。
【0044】
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これらの樹脂をキャリア表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、キャリアの電荷付与能力を向上できる。
【0045】
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与えることにより微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むことで行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部が磁性樹脂キャリア表面から突出するように固定される。帯電性微粒子には、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的に、有機系の絶縁性材料としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂およびこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子がある。電荷付与能力および帯電極性は、帯電性微粒子の素材、重合触媒、表面処理等に調整できる。無機系の絶縁性材料としては、シリカ、二酸化チタン等の負極性に帯電する無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正極性に帯電する無機微粒子が用いられる。
【0046】
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
【0047】
トナーとキャリアの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されれば良く、トナー比はトナーとキャリアとの合計量に対して3〜50重量%、好ましくは6〜30重量%が適している。
【0048】
〔荷電粒子〕
キャリアの長寿命化を図るため、トナーとの摩擦接触によりトナーを正規の極性に帯電する荷電粒子(インプラント粒子)を、第3の成分として2成分現像剤に添加するようにしてもよい。荷電粒子が添加される場合、キャリアの表面に汚れ(スペント)が生じても、スペントに荷電粒子が打ち込まれることで、長期に亘って安定したトナーの荷電性が得られる。好適に使用される荷電粒子は、トナーの帯電極性に応じて適宜選択される。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナーを用いる場合、荷電粒子は、トナーとの接触により正極性に帯電する微粒子が用いられ、具体的には、例えばチタン酸ストロンチウムが用いられる。
【0049】
〔4.現像ローラの材料〕
現像ローラ48としては、例えば、表面処理が施されたアルミニウム等の金属材料からなる導電性ローラが用いられる。また、現像ローラ48として、樹脂またはゴム等のコーティング材料をアルミニウム等の導電性基体の外周面にコーティングしたものを使用してもよい。この場合、コーティング材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂もしくはフッ素樹脂等の樹脂、又は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴムもしくはイソプレンゴム等のゴムが挙げられる。また、コーティング材料を使用する場合、電子導電剤またはイオン導電剤等の導電剤をコーティング材料に添加してもよい。電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック若しくはファーネスブラック等のカーボンブラック、金属粉、又は金属酸化物の微粒子等が使用される。一方、イオン導電剤としては、例えば、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、両性化合物、又はその他のイオン性高分子材料が使用される。
【0050】
〔5.現像ローラのトナー担持量〕
現像ローラ48上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)は1g/m以上であることが好ましく、これにより、現像に必要な量のトナーを現像ローラ48上に確保できる。また、現像ローラ48上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)は4.5g/m以下であることが好ましく、4g/m以下であることが望ましい。これにより、現像ローラ48の外周面に対するトナーの付着力を十分に低減できるため、現像ローラ48上のトナーを搬送ローラ54上の磁気ブラシにより良好に掻き取ることができる。よって、磁気ブラシによるトナー回収性能を高めることができ、画像メモリの発生を防止することができる。現像ローラ48上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)は、後述の電界形成装置110により現像ローラ48と搬送ローラ54との間の電界を変化させることにより調整できる。
【0051】
〔6.ローラの周速比〕
感光体12の周速度Sp、現像ローラ48の周速度Sd、及び搬送ローラ54(スリーブ60)の周速度Ssは、画像形成装置1の任意の位置に設けられた制御部182により適切な大きさに制御される。
【0052】
感光体12の周速度Spに対する現像ローラ48の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)は1以上であることが好ましく、これにより、現像に必要な量のトナーを現像ローラ48から感光体12上の静電潜像画像部へ供給可能となる。また、周速比Rd(Sd/Sp)は4以下であることが好ましく、これにより、現像ローラ48が過剰に速く回転することを回避でき、現像ローラ48の高速回転に伴う現像装置34の発熱を防止できる。
【0053】
ところで、現像ローラ48から感光体12の静電潜像画像部へ供給される単位時間当たりのトナー量は、周速比Rd(Sd/Sp)とトナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)の影響を受ける。現像ローラ48から感光体12の静電潜像画像部へ十分な量のトナーを供給するためには、積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることが好ましく、これにより、良好な画像濃度を得ることができる。
【0054】
現像ローラ48の周速度Sdに対する搬送ローラ54の周速度Ssの比率Rs(Ss/Sd)は1以上であることが好ましい。このように搬送ローラ54の回転速度を大きくすることで、搬送ローラ54上の磁気ブラシが現像ローラ48上のトナーに接触する頻度を高めることができ、磁気ブラシによるトナー回収性能を高めることができる。よって、この場合、画像メモリの発生を一層確実に防止することができる。
【0055】
〔7.電界形成手段〕
トナーの帯電極性が負極性である場合の電界形成手段の具体例について説明する。
【0056】
搬送ローラ54と現像ローラ48との間に、トナーの供給と回収を行うための第1の電界である供給回収電界を形成し、現像ローラ48と感光体12との間に、搬送ローラ54から感光体12上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界である現像電界を形成するために、現像ローラ48と搬送ローラ54は電界形成装置110と電気的に接続されている。電界形成装置110の動作は制御部182により制御される。電界形成装置110は、平均的には搬送ローラ54から現像ローラ48へトナーを供給する方向の振動電界からなる供給回収電界を形成するように構成すればよい。具体的に、電界形成装置110は例えば図2に示すように構成される。
【0057】
図2に示す構成において、電界形成装置110は、現像ローラ48に接続された第1の電源112と、搬送ローラ54のスリーブ60に接続された第2の電源114とを有する。
【0058】
第1の電源112は、現像ローラ48とグランド116との間に直流電源118と交流電源154とを有する。直流電源118は、トナーの帯電極性と同一極性の直流電圧(例えば−350ボルト)を現像ローラ48に印加する。交流電源154は、現像ローラ48とグランド116との間に、振幅(ピーク・ツー・ピーク電圧)が例えば1,500ボルトであり周波数が例えば3kHzである交流電圧を印加する。すなわち、現像ローラ48には、交流電圧に直流電圧が重畳されてなるバイアスが印加され、現像ローラ48の電位Vdは、感光体12の静電潜像画像部の電位Vよりも高電位の状態(例えば+400ボルト)と、感光体12の静電潜像画像部の電位Vよりも低電位の状態(例えば−1100ボルト)とが交互に繰り返されるように周期的に変化する(図3参照)。なお、静電潜像画像部の電位Vは、例えば−100ボルト以上−50ボルト以下であることが好ましく、より好適には例えば−60ボルトである。
【0059】
第2の電源114は、搬送ローラ54とグランド116との間に直流電源120と交流電源156とを有する。直流電源120は、トナーの帯電極性と同一極性の直流電圧(例えば−200ボルト)を搬送ローラ54に印加する。交流電源156は、搬送ローラ54とグランド116との間に、振幅(ピーク・ツー・ピーク電圧)が例えば1,000ボルトであり周波数が例えば3kHzである交流電圧を印加する。すなわち、搬送ローラ54には、交流電圧に直流電圧が重畳されてなるバイアスが印加され、搬送ローラ54の電位Vsは、現像ローラ48の電位よりも低い状態(例えば−700ボルト)と、現像ローラ48の電位よりも高い状態(例えば+300ボルト)とが交互に繰り返されるように周期的に変化する(図3参照)。
【0060】
図3に示すように、現像ローラ48に印加される電圧Vdと、搬送ローラ54に印加される電圧Vsとは、同一の周期(a+b)を有する。また、電圧Vdの低電位側のデューティ比と、電圧Vsの高電位側のデューティ比とは、同一の大きさ(a/(a+b)×100)である。
【0061】
上述したように、現像ローラ48上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)は、供給回収電界を変化させることにより調整可能である。供給回収電界を変化させるためには、現像ローラ48に印加される電圧Vd、又は搬送ローラ54に印加される電圧Vsの少なくとも一方を変化させればよい。ただし、電圧Vdを変化させると現像に影響が及ぶため、電圧Vsを変化させることでトナー担持量(M/A1)を調整することが好ましい。具体的には、電圧Vsの振幅(ピーク・ツー・ピーク電圧)及び/又は直流成分を変化させることで、トナー担持量(M/A1)を調整することが好ましい。
【0062】
供給回収電界は、現像ローラ48に印加される電圧Vdと搬送ローラ54に印加される電圧Vsとの電位差(Vd−Vs)からなる。図4に示すように、電位差(Vd−Vs)は、符号aで示す期間においては所定の負の値D1(例えば−1400ボルト)となり、符号bで示す期間においては所定の正の値D2(例えば+1100ボルト)となる。これにより、供給回収電界は、搬送ローラ54から現像ローラ48へトナーを供給する方向の電界と、現像ローラ48から搬送ローラ54へトナーが回収される方向の電界とが交互に繰り返されて構成される。電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgは正の値(例えば+100ボルト)である。これにより、供給回収電界は、平均的には搬送ローラ54から現像ローラ48へトナーを供給する方向の振動電界となる。なお、平均値ΔVavgは下記の(数式1)により算出される。
ΔVavg=(D2×b−D1×a)/(a+b)・・・(数式1)
【0063】
上述したように供給回収電界は平均的には搬送ローラ54から現像ローラ48へトナーを供給する方向の電界であるため、電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgは0ボルト以上である。また、現像ローラ48から搬送ローラ54へのトナーの回収量不足を回避するため、電位差の平均値ΔVavgは200ボルト以下であることが好ましい。すなわち、平均値ΔVavgは0ボルト以上200ボルト以下であることが好ましい。よって、トナーの帯電極性が正極性である場合も含めて考慮すると、本発明において、平均値の絶対値|ΔVavg|は200ボルト以下であることが好ましい。この場合、現像ローラ48上の比較的粒径が大きいトナーも良好に回収することができるため、現像ローラ48に担持されるトナーの粒径に偏りが生じ難い。そのため、現像ローラ48の外周面においてトナーの付着量にばらつきが生じ難く、画像メモリの発生を確実に防止することができる。
【0064】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0065】
例えば、電界形成装置110を構成する第1の電源112及び第2の電源114は、必ずしも両者とも交流電源を含む必要がなく、第1の電源112又は第2の電源114の一方を直流電源のみで構成するようにしてもよい。
【実施例】
【0066】
本発明の効果を確認するため、以下の試験を行った。
【0067】
試験では、実施例A〜実施例I及び比較例A〜比較例Iを設定し、各実施例及び比較例について、画像メモリ、画像濃度、及び現像装置の発熱に関する評価を行った。
【0068】
各実施例及び比較例について、現像ローラ上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)、感光体に対する現像ローラの周速比Rd、現像ローラに対する搬送ローラの周速比Rs、及び、現像ローラと搬送ローラとの電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgを表1に示すように設定した。
【0069】
画像メモリの評価は、メモリ評価用チャート画像(ベタ部と白紙部の混在部分と、該混在部分に続けて印字されるハーフトーン画像部分とからなる画像)を印字し、ハーフトーン画像部分に画像メモリが発生しているか否かを目視により確認することで行った。具体的には、ハーフトーン画像部分において、混在部分のベタ部に対応する部分の濃度が他の部分の濃度よりも低い場合に、画像メモリが発生していると判断した。表1において、画像メモリの評価は、画像メモリの発生が全く確認されなかったものを「A」、環境条件によっては軽微な画像メモリが確認されたものを「B」、はっきりと画像メモリが確認されたものを「C」で表した。
【0070】
画像濃度の評価は、セロハンテープにより中間転写ベルト上のベタ画像を剥ぎ取り、セロハンテープに付着したベタ画像の濃度をマクベス透過濃度計TD904(マクベス社製)で検出し、検出された濃度が0.90以上であるか否かを確認することで行った。表1において、画像濃度の評価は、0.90以上の画像濃度が得られたものを「A」、0.90以上の画像濃度が得られなかったものを「B」で表した。
【0071】
現像装置の発熱の評価は、ベタ画像を1000枚印字したときの現像装置近傍の雰囲気温度を温度センサで検出し、雰囲気温度が100度以上であるか否かを確認することで行った。表1において、現像装置の発熱の評価は、発熱が確認されたものを「A」、発熱が確認されなかったものを「B」で表した。
【0072】
現像剤のトナーとしては、次の方法により製造されたトナーaまたはトナーbを使用した。トナーaとトナーbの帯電極性はいずれも負極性である。
【0073】
トナーaは、湿式造粒法により作成された体積平均粒径約6.5μmのトナー母材100重量部に対し、第1の疎水性シリカ0.2重量部と、第2の疎水性シリカ0.5重量部と、疎水性酸化チタン0.5重量部とを外添処理することで製造した。外添処理は、三井金属鉱山社製のヘンシェルミキサを40m/sの速度で3分間駆動させて前記材料を混合することで行った。前記材料のうち、第1の疎水性シリカは、個数平均一次粒径16nmのシリカ(AEROSIL(登録商標)130:日本アエロジル社製)を疎水化剤としてのヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理したものである。また、第2の疎水性シリカは、個数平均一次粒径20nmのシリカ(AEROSIL(登録商標)90:日本アエロジル社製)をHMDSで表面処理したものである。さらに、疎水性酸化チタンは、個数平均一次粒径30nmのアナターゼ型酸化チタンを液中において疎水化剤としてのイソブチルトリメトキシシランで表面処理したものである。
【0074】
トナーbは、トナー母材として体積平均粒径約9μmのものを使用する以外は、トナーaと同様に製造した。
【0075】
現像剤のキャリアとしては、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のbizhub C350用のキャリアを使用した。当該キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子にシリコーン樹脂がコーティングされてなるコート型キャリアであり、平均粒径が約33μmである。
【0076】
現像剤中のトナー濃度は8%とした。ただし、比較例Gのみ、トナー濃度を6%とした。なお、ここでいうトナー濃度とは、現像剤全量に占めるトナーと外添剤の合計量の割合を指す。
【0077】
画像形成装置としては、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のカラー複合機bizhub C350を改造したものを使用した。
【0078】
現像ローラとしては直径16mmのローラを使用し、搬送ローラとしては直径18mmのローラを使用した。現像ローラには、表面にアルマイト処理を施したアルミニウムローラを使用した。搬送ローラと現像ローラの最近接部のギャップは0.3mmとした。搬送ローラと規制板との間隔は0.4mmとし、これにより、搬送ローラ上の磁気ブラシが、現像ローラの外周面に摺擦可能な高さを有するようにした。
【0079】
感光体の静電潜像非画像部の電位は−550V、感光体の静電潜像画像部の電位は−60Vとなるように設定した。感光体と現像ローラとの最近接部のギャップは0.135mmとした。感光体の周速度(プロセス速度)は310mm/sに設定した。
【0080】
現像ローラには電圧Vdを印加し、搬送ローラには電圧Vsを印加した(図3参照)。電圧Vdと電圧Vsの周波数は互いに等しくなるように設定し、具体的な周波数は、実施例または比較例毎に表2に示すように設定した。また、電圧Vdと電圧Vsのデューティ比も互いに等しくなるように設定し、現像ローラから搬送ローラへトナーを回収する側(回収側)のデューティ比を、表2に示すように設定した。
【0081】
電圧Vdの振幅及び直流成分、並びに電圧Vsの振幅及び直流成分は、実施例または比較例毎に表2に示すように設定し、これにより、現像ローラ上のトナー担持量(M/A1)及び電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgを表1に示す大きさとした。いずれの実施例または比較例においても平均値ΔVavgは正の値となるように設定し、これにより、現像ローラと搬送ローラとの間の供給回収電界が、平均的には搬送ローラから現像ローラへトナーを供給する方向となるようにした。
【0082】
現像ローラと搬送ローラの周速度(回転数)は、実施例または比較例毎に表2に示すように設定し、これにより、感光体に対する現像ローラの周速比Rd、及び、現像ローラに対する搬送ローラの周速比Rsを表1に示す大きさとした。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
表1に示す評価結果について検討する。
【0086】
表1に示すように、現像ローラ上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が5g/mである比較例Cでは画像メモリが発生したのに対して、トナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下である実施例A〜Iでは画像メモリが発生しなかった。このことから、画像メモリを防止するためには、トナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であることが好ましいことを確認できた。
【0087】
また、感光体に対する現像ローラの周速比Rdとトナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が3.75g/mである比較例Aでは画像濃度が低かったのに対して、積(Rd×M/A1)が4g/m以上である実施例A〜Iでは良好な画像濃度を得ることができた。このことから、所望の画像濃度を得るためには、積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることが好ましいことを確認できた。
【0088】
さらに、感光体に対する現像ローラの周速比Rdが5である比較例Bでは現像装置の発熱が確認されたのに対して、周速比Rdが4以下である実施例A〜Iでは現像装置の発熱が確認されなかった。このことから、現像装置の発熱を防止するためには、周速比Rdが4以下であることが好ましいことを確認できた。
【0089】
さらにまた、現像ローラと搬送ローラとの電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgが200ボルトよりも大きい比較例D、比較例Hおよび比較例Iでは、トナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であるにも拘わらず、画像メモリが発生した。これに対して、電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgが200ボルト以下である実施例A〜Iでは画像メモリが発生しなかった。このことから、画像メモリをより確実に防止するためには、電位差(Vd−Vs)の平均値ΔVavgが200ボルト以下であることが好ましいことを確認できた。
【0090】
加えて、現像ローラに対する搬送ローラの周速比Rsが0.5である比較例Fでは、トナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であるにも拘わらず、環境条件によっては軽微な画像メモリが発生した。これに対して、トナー担持量(M/A1)と周速比Rdとが比較例Fと共通しており、周速比Rsが1である点で比較例Fと相違する実施例Cでは画像メモリが発生しなかった。このことから、より確実に画像メモリを防止するためには、搬送ローラの周速比Rsを1以上とすることで、搬送ローラ上の磁気ブラシが現像ローラ上のトナーに接触する頻度を高めることが好ましいことを確認できた。なお、比較例Fと同様、比較例Bの周速比Rsも0.5であるが、比較例Bでは周速比Rdが大きく、現像ローラ上のトナーと磁気ブラシとの接触頻度が高いため、画像メモリが発生しなかったものと考えられる。
【0091】
また、粒径が約9μmであるトナーbを使用した比較例Eでは、画像濃度が低かった。これに対して、トナー担持量(M/A1)と周速比Rdと周速比Rsとが比較例Eと共通しており、トナーa(粒径約6.5μm)を使用する点で比較例Eと相違する実施例Aでは良好な画像濃度を得ることができた。このことから、所望の画像濃度を得るためには、粒径が8μm以下である小粒径トナーを使用することが好ましいことを確認できた。
【0092】
さらに、トナー濃度が6%である比較例Gでは、環境条件によっては軽微な画像メモリが発生した。これに対して、トナー担持量(M/A1)と周速比Rdと周速比Rsとが比較例Gと共通しており、トナー濃度が8%である点で比較例Gと相違する実施例Dでは、画像メモリが発生しなかった。画像メモリの評価後、実施例Dと比較例Gについて現像装置内のトナー帯電量を確認したところ、実施例Dのトナー帯電量が35μC/gであり、比較例Gのトナー帯電量が50μC/gであった。このことから、画像メモリをより確実に防止するためには、トナー帯電量の上昇を防ぐことで、現像ローラの外周面へのトナーの付着力を低減し、トナー回収性能を高めることが有効であると考えられる。よって、画像メモリを確実に防止するためには、トナーの飽和帯電量を40μC/g以下に設定することが好ましいことを確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成と本発明に係る現像装置の断面を示す図。
【図2】電界形成装置の構成の一例を示す図。
【図3】現像ローラと搬送ローラに印加される各電圧の波形を示すグラフ。
【図4】供給回収電界の波形を示すグラフ。
【符号の説明】
【0094】
1:画像形成装置、12:感光体、16:帯電ステーション、18:露光ステーション、20:現像ステーション、22:転写ステーション、24:クリーニングステーション、26:帯電装置、28:露光装置、30:画像光、32:通路、34:現像装置、36:転写装置、38:シート、40:クリーニング装置、42:ハウジング、44:開口部、48:現像ローラ、50:現像ギャップ、54:搬送ローラ、56:供給回収ギャップ、58:磁石体、60:スリーブ、63:規制板、64:規制ギャップ、66:現像剤攪拌室、68:前室、70:後室、72:前スクリュー、74:後スクリュー、76:隔壁、86:規制領域、88:供給回収領域、90:供給領域、92:回収領域、94:放出領域、96:現像領域、98:トナー補給部、100:容器、102:開口部、104:補給ローラ、110:電界形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4g/m以下であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であり、且つ、
第1の電界における前記トナー担持体の電位Vdと前記現像剤担持体の電位Vsとの電位差(Vd−Vs)の平均値の絶対値|ΔVavg|が200ボルト以下であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
非磁性トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、
供給回収領域を介して前記現像剤担持体に対向し且つ現像領域を介して前記静電潜像担持体に対向するように配置され、前記供給回収領域において前記現像剤担持体から供給されたトナーを担持するトナー担持体と、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間に、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との間でトナーの供給と回収を行うための第1の電界を形成し、前記トナー担持体と前記静電潜像担持体との間に、前記トナー担持体から前記静電潜像担持体上の静電潜像画像部へトナーを移動させるための第2の電界を形成する電界形成手段と、を備え、
前記現像剤担持体と前記トナー担持体が、前記現像剤担持体と前記トナー担持体との対向部において互いに反対方向に移動するように回転し、
第1の電界は、平均的には前記現像剤担持体から前記トナー担持体へトナーを供給する方向の振動電界である現像装置であって、
前記トナー担持体上の単位面積当たりのトナー担持量(M/A1)が4.5g/m以下であり、且つ、
前記トナー担持体の周速度Sdに対する前記現像剤担持体の周速度Ssの比率Rs(Ss/Sd)が1以上であり、且つ、
前記静電潜像担持体の周速度Spに対する前記トナー担持体の周速度Sdの比率Rd(Sd/Sp)と、前記トナー担持量(M/A1)との積(Rd×M/A1)が4g/m以上であることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記周速度の比率Rd(Sd/Sp)が4以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−139595(P2010−139595A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314073(P2008−314073)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】