説明

現像装置及びプロセスカートリッジ

【課題】トナーシール部材を自動的に巻き取る機構を有する現像装置において、現像ローラが現像ブレードとトナーを介さずに直接摺擦し傷つくことを防止する。
【解決手段】現像ローラ18の駆動に伴い回転駆動することで、トナーシール部材21を巻き取り、開口部31の長手方向における他端側からトナーシール部材を引き剥がして開封する巻き取り部材23を備える現像装置において、トナーシール部材21が開口部31を複数の層で覆っており、少なくとも一つの層に貫通孔が設けられており、巻き取り部材23によって一定量巻き取られたとき、貫通孔を介してトナー収容室16から現像室33にトナーが供給される連通孔が形成され、開口部31の他端側の端部に現れる露出部50および連通孔51の両方からトナーの供給が行われることを特徴とする現像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に備えられる現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンター等)、電子写真ファクシミリ装置、及び、電子写真ワードプロセッサー等がある。また、プロセスカートリッジとは、帯電手段と現像手段とクリーニング手段と電子写真感光体のうち少なくとも一つを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置に対して着脱可能とするものである。
【背景技術】
【0003】
従来の電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このようなプロセスカートリッジでは、トナー(現像剤)を収容するトナー収容室に設けた開口部をトナーシール部材(封止部材)で封止し、使用開始時にトナーシール部材を引き剥がすことで開口部が開封されトナーの供給が可能となる方式が広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−209976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナーシール部材をユーザーの手で引き剥がす構成を採用している場合、トナーシール部材に付着したトナーがユーザーに接触し、ユーザーの手などが汚れることがあった。そこでトナーシール部材を手で剥がさなくても良いように、使用開始時にトナーシール部材を自動的に巻き取る機構を有する現像装置が実用化されている。このような現像装置の中には、トナーシール部材の巻き取り機構が現像装置の駆動列に接続されており、トナーシール部材の巻き取りと同時に現像装置内に備えられる現像ローラー(現像剤担持体)などの部材も回転するものが知られている。この場合、トナーが供給されるまでに行われた現像ローラーの回転により、現像ローラーと現像ブレードがトナーを介さずに直接摺擦し、現像ローラーが傷付き、縦スジなどの不具合画像が出力されることがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、封止部材を自動的に巻き取る機構を有する現像装置において、現像剤担持体が現像剤規制部材と直接摺擦し傷つくことを抑制することによって、良好な画像形成が可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、磁力により現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを備える現像室と、現像剤を収容し、前記現像剤担持体へ現像剤を供給するために開口する開口部を有する現像剤収容室と、前記開口部を封止するための封止部材と、前記開口部の長手方向における一端側であって前記現像剤収容室の外部に設けられており、前記現像剤担持体の駆動に伴い回転駆動することで、前記封止部材を巻き取り、前記封止部材を前記開口部の長手方向における
他端側から引き剥がして開封する巻き取り部材と、を備える現像装置において、前記封止部材は、前記開口部を複数の層で覆っており、少なくとも一つの層に貫通孔が設けられており、前記巻き取り部材によって前記封止部材が一定量巻き取られたとき、前記貫通孔を介して前記現像剤収容室から前記現像剤担持体に現像剤が供給される連通孔が形成され、前記開口部の前記他端側の端部に現れる露出部および前記連通孔の両方から現像剤の供給が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置の駆動開始から短時間で現像剤を現像剤担持体の長手方向全体に供給することができ、現像剤担持体が現像剤規制部材とトナーを介さずに直接摺擦し傷つくことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1及び2に係るプロセスカートリッジの断面図である。
【図2】実施例1及び2に係る画像形成装置の断面図である。
【図3】実施例1に係る未使用の現像装置の断面図である。
【図4】実施例1に係るトナー収容室の開口部付近の概略斜視図である。
【図5】実施例1に係る巻き取り工程時のトナー収容室を上方から見た概略断面図である。
【図6】実施例2に係る未使用の現像装置の断面図である。
【図7】実施例2に係るトナー収容室の開口部付近の概略斜視図である。
【図8】実施例2に係る巻き取り工程時のトナー収容室を上方から見た概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
まず、実施例1に係る現像装置25とプロセスカートリッジAの構成について説明する。図1は、実施例1に係る現像装置25を備えるプロセスカートリッジAの断面図であり、図2は、実施例1に係る画像形成装置Bの断面図である。
【0011】
図1に示すように、プロセスカートリッジAは、現像装置25と、電子写真感光体である感光体ドラム11と、帯電ローラ12と、クリーナーユニット24とを備えている。また、プロセスカートリッジAは、図2に示すように画像形成装置Bに対して、着脱自在となるように構成されたものである。
【0012】
実施例1に係る現像装置25は、現像フレーム17を備えており、現像フレーム17内には、現像室33と現像剤収容室としてのトナー収容室16とを備えている。主に現像動作が行われる現像室33には、磁力によりトナーを担持する現像剤担持体である現像ローラ18と、現像ローラ18上のトナーの層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード19とが備えられている。また、トナー収容室16内には、トナー収容室16より開口部31を通じて現像室33側へトナーを搬送し、かつ、トナーを撹拌するための撹拌搬送部材27が設けられている。また、クリーナーユニット24には、クリーニング手段であるクリーニングブレード14が設けられている。
【0013】
次に、実施例1に係る画像形成装置Bの構成について説明する。図2に示すように、プロセスカートリッジAは画像形成装置Bに装着されて画像形成に用いられる。画像形成は以下のように行われる。まず、シートSが搬送ローラ7によって、画像形成装置B下部に装着されたシートカセット6から感光体ドラム11の転写位置まで搬送される。そして、感光体ドラム11は帯電ローラ12によって帯電された後、露光装置8によって画像情報に応じて選択的な露光が行なわれ、静電潜像が形成される。また、露光装置8による露光
は、シートSの搬送と同期して行なわれる。また、トナー収容室16内のトナーは、撹拌搬送部材27によって現像室33側に搬送され現像ローラ18に付着する。そして、現像ローラ18上のトナーは現像ブレード19によって層厚を規制されることで薄層化される。そして、現像ローラ18に現像バイアスが印加されることによって、潜像に応じてトナーが現像ローラ18から感光体ドラム11へ供給される。そして、転写位置において、感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、転写ローラ9に転写バイアスが印加されることによって、搬送されるシートS上に転写される。そして、シートSは定着装置10へ搬送されて画像定着され、排紙ローラ1によって画像形成装置B上部の排出部3に排出される。
【0014】
次に、実施例1に係る封止部材としてのトナーシール部材21の構成について図3乃至図5を参照して説明する。図3は、実施例1に係る未使用の現像装置25の断面図であり、図4は、実施例1に係るトナー収容室16の開口部31付近の概略斜視図である。ここで、図4(a)は、未使用時の図であり、図4(b)と図4(c)は、図4(a)からトナーシール部材21の一部を取り除いた図であり、図4(d)は、トナーシール部材21の全部を取り除いた図である。図5は、実施例1に係る巻き取り工程時の現像装置25のトナー収容室16を上方から見たときの概略断面図である。図5から分かるように開口部31は、トナーシール部材の複数の層によって覆われている。
【0015】
帯状のトナーシール部材21の一端(自由端)は、開口部31を封止するように開口部31の長手方向の一端側において接着されている。そして、トナーシール部材21は開口部31の長手方向の他端側において折り返し点Mで折り返されており、トナーシール部材21の他端(固定端)は巻き取り部材23に固定されている。開口部31の長手方向の一端側であって、現像装置25の外部に設置されている巻き取り部材23は、現像装置25に設けられた現像駆動ギア(不図示)に接続されており、現像ローラ18の駆動に伴って回転駆動する。
【0016】
トナーシール部材21の折り返された状態におけるトナー収容室側(現像剤収容室側)の層は、開口部31を覆うように第一熱溶着部47において現像フレーム17に熱溶着されている。また、図4(a)のように、現像室側の層であって開口部31の長手方向の他端側には第一貫通孔37が設けられており、トナー収容室16側の層であって開口部31の長手方向の一端側には第二貫通孔35が設けられている。
【0017】
実施例1では、トナーシール部材21と現像フレーム17との貼り付け手段として熱溶着を用いたが、この限りではなく、超音波溶着や接着、疑似接着等を用いてもよい。また、トナーシール部材21には、ポリプロピレンにシーラント層をラミネートしたフィルムを用い、シーラント層には、エチレン=酢酸ビニル共重合体を用いた。
【0018】
実施例1では、図4(a)のように、トナーシール部材21にコの字状の切り込みが設けられ、折り返し点Nで折り曲げられることで、折り返し部36が形成される。図4(c)のように、折り返し部36は、第二貫通孔35(図中、点線部)を封止している。そして、巻き取り部材23が矢印X方向に回転すると、矢印Y方向にトナーシール部材21が引かれることで開口部31の長手方向の他端側からトナーシール部材21が引き剥がされ、開口部31が開封されるようになっている。折り返し部36は、トナーシール部材21自身に第二熱溶着部48で熱溶着されている。
【0019】
次に、トナーシール部材の巻き取り工程時のトナーシール部材21の動きと、トナーの供給に関して、詳しく説明する。ここで、図5のトナー収容室16を上方から見たときの概略断面図における点線は、トナーシール部材21内に設けられた第一貫通孔37と第二貫通孔35を表している。まず、巻き取り工程開始前は、図5(a)のように、開口部3
1は、トナーシール部材21によって封止されている。
【0020】
そして、巻き取り工程が始まると、巻き取り部材23は矢印X方向に回転し、トナーシール部材21が矢印Y方向に引っ張られる。すると、トナーシール部材21の折り返し点Mが矢印Y方向に移動し始め、開口部31の他端側からトナーシール部材21が引き剥がされて開封を開始する。また、開口部31の長手方向中央付近では、折り返し部36の折り返し点Nも矢印Y方向に移動し始め、折り返し部36で封止された第二貫通孔35の開封を開始する。すると、図5(b)のように、開口部31の他端側の端部が露出し、露出部50よりトナーがトナー収容室16から現像室33側へ供給される。また、トナーシール部材21が一定量巻き取られたとき、開口部31の長手方向中央付近では、第一貫通孔37と第二貫通孔35で構成される連通孔51が現れて、連通孔51を介してトナーが供給される。すなわち、開口部31の他端側の端部に現れる露出部50および連通孔51の両方から現像剤の供給が行われることとなる。
【0021】
その後、図5(c)のように、露出部50の範囲が広くなりトナーが供給される。また、折り返し部36が全て剥がされ、第二貫通孔35と第一貫通孔37で構成される連通孔51よりトナーが供給され、開口部31の長手方向の一端側の端部にもトナーが供給される。そして、折り返し点Mが未使用時に第二貫通孔35が存在した位置に到達した時点で、長手方向全域においてトナーが現像室33に供給されたことになる。
【0022】
その後もトナーシール部材21の巻き取りは続き、図5(d)のように、露出部(A)50と、第一貫通孔37からトナーが供給される。その後、図5(e)のように、トナーシール部材21の巻き取りが完了し、開口部31が全て露出する。
【0023】
実施例1では、未使用のプロセスカートリッジAが画像形成装置Bに装着された時にのみ、トナーシール部材21を巻き取るためのトナーシール部材巻き取り工程が実行される。巻き取り工程では、画像形成装置Bに設けられた現像駆動モータ(不図示)が駆動を始める。それによって、現像駆動ギアに駆動が伝わり、プロセスカートリッジAの巻き取り部材23が矢印X方向に回転し、そして、トナーシール部材21が矢印Y方向に巻き取られる。そして、所定の時間後には、トナーシール部材21がすべて巻き取られ、開口部31がすべて開口する。
【0024】
以上、実施例1によると、画像形成装置の駆動開始から短時間で、トナー収容室16の設けられた開口部31の他端側のみでなく長手方向において全体に渡ってより均等にトナーを現像ローラ18へ供給することができる。それによって、現像ローラ18や現像ブレード19が直接摺察することによる傷つきを防止でき、縦スジなどの不具合画像の発生を防止することが可能となる。
【0025】
なお、第一貫通孔37が巻き取り部材23によって巻き取られるときに移動する速度は、折り返し部36の折り返し点Nが移動するときの速度の2倍になる。そのため、連通孔51を開口部31の長手方向の一端側の端部まで形成するためには、折り返し部36の長手方向の長さに対して、第一貫通孔37の長手方向の長さは2倍になることが好ましい。これによって、長手方向における開口部31の一端側の端部まで、早く供給されることとなる。
【0026】
なお、実施例1において、第二貫通孔35を設ける代わりに、折り返されたトナーシール部材21の一端(自由端)を、第二貫通孔35があった場合におけるその貫通孔の他端側の端部の位置に熱溶着させる構成をとっても良い。
【0027】
(実施例2)
以下、実施例2に係る特徴的な部分について説明し、実施例1と説明が重複する部分に関しては説明を省略する。まず、未使用の現像装置25に係るトナーシール部材21の構成に関して説明する。図6は、実施例2に係る未使用の現像装置25の断面図であり、図7は、実施例2に係るトナー収容室16の開口部31付近の概略斜視図である。ここで、図7(a)は、未使用時の図であり、図7(b)は、図7(a)より後述する第一封止部材である第一トナーシール部材40と第二封止部材である第二トナーシール部材41を部分的に取り除いた図である。また、図7(c)は、第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41の全部を取り除いた図である。図8は、実施例2に係る第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41の巻き取り工程時におけるトナー収容室16を上方から見たときの概略断面図である。また、図8のトナー収容室16を上方から見たときの概略断面図の点線は第一トナーシール部材40に設けられた第一貫通孔37を表している。
【0028】
実施例2において、図6や図7(b)のように未使用の現像装置25では、図7(c)で示される開口部31は第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41によって封止されている。ここで、第一トナーシール部材40によって封止されている領域を第一領域44とし、第二トナーシール部材41によって封止されている領域を第二領域45とする。帯状の第一トナーシール部材40の一端(自由端)は、開口部31を封止するように開口部31の長手方向の中央部よりやや一端側において接着されている。そして、第一トナーシール部材40は開口部31の長手方向の他端側において折り返し点Mで折り返されており、第一トナーシール部材40の他端(固定端)は巻き取り部材23に固定されている。ここで、第一トナーシール部材40は、第二トナーシール部材41や現像フレーム17と熱溶着されている。また、図7(a)のように、第一トナーシール部材40には、折り返された状態における現像室33側の層の長手方向における他端側に第一貫通孔37がある。
【0029】
帯状の第二トナーシール部材41の一端(自由端)は、第二領域45を封止するように開口部31の長手方向の一端側において接着されている。第二トナーシール部材41は、第一トナーシール部材40や現像フレーム17と熱溶着されている。そして、第二トナーシール部材41は第二領域45の長手方向の他端側において折り返し点Nで折り返されており、第二トナーシール部材41の他端(固定端)は巻き取り部材23に固定されている。このように、現像装置の未使用時において、第二領域45は、第二トナーシール部材41で封止されているので、第一トナーシール部材40のトナー収容室16側の層によって第二領域45を封止する必要がない。そのため、第一トナーシール部材40の巻き取り方向のシール長が短くなり、巻き取り時間が短縮される。
【0030】
そして、第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41は巻き取り部材23が回転すると、同時に巻き取られるようになっている。また、実施例2でも実施例1と同様に、未使用のプロセスカートリッジAが画像形成装置Bに装着されると、トナーシール部材の巻き取り工程が行われる。
【0031】
次に、実施例2に係るトナーシール部材21の開封とトナーの供給に関して説明する。ここで、図8(a)より順番に、第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41が巻き取り部材23に巻き取られる様子を示している。
【0032】
まず、巻き取り工程開始前は、図8(a)のように、開口部31は、第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41によって、封止されている。そして、巻き取り工程が始まると、巻き取り部材23は矢印X方向に回転し、第一トナーシール部材40が矢印Y方向に引っ張られる。そして、第一トナーシール部材40の折り返し点Mが矢印Y方向に移動し始め、第一領域44の開封を開始する。同時に、第二トナーシール部材41も矢
印Y方向に引っ張られ、第二トナーシール部材41の折り返し点Nが矢印Y方向に移動し始め、第二領域45の開封を開始する。
【0033】
すると、図8(b)のように、開口部31の長手方向の他端側の端部に露出部53が現れて、露出部53よりトナーが供給される。また、第一貫通孔37が矢印Y方向に移動することで、第二領域45と第一貫通孔37で構成される連通孔54が現れて、連通孔54よりトナーが供給される。すなわち、開口部31の他端側の端部に現れる露出部53および連通孔54の両方から現像剤の供給が行われることとなる。
【0034】
その後、図8(c)のように、第二トナーシール部材41の巻き取りは終了し、連通孔54より、開口部31の長手方向における一端側にもトナーが供給される。また、露出部53からのトナーの供給は継続される。
【0035】
そして、折り返し点Mが未使用時に第トナーシール部材41に覆われていた位置に到達した時点で、ほぼ長手方向全域に渡って現像室33にトナーが供給されたことになる。その後も第一トナーシール部材40の巻き取りは続き、最終的には、図8(d)のように、第一トナーシール部材40と第二トナーシール部材41が全て巻き取られる。そして、開口部31が全て露出し、そこからトナーが供給される。
【0036】
以上、実施例2によると、画像形成装置の駆動開始から短時間で、トナー収容室16の設けられた開口部31の他端側のみでなく長手方向において全体に渡ってより均等にトナーを現像ローラ18へ供給することができる。それによって、現像ローラ18や現像ブレード19が直接摺察することによる傷つきを防止でき、縦スジなどの不具合画像の発生を防止することが可能となる。
【0037】
なお、第一貫通孔37が巻き取り部材23によって巻き取られるときに移動する速度は、第二トナーシール部材41の折り返し点Nが移動するときの速度の2倍になる。そのため、連通孔54を開口部31の一端側の端部まで形成するためには、第二トナーシール部材の長手方向の長さに対して、第一貫通孔37の長手方向の長さは2倍になることが好ましい。これによって、トナーが、開口部31の長手方向における一端側の端部まで早く供給されることとなる。
【0038】
なお、実施例2において、第二領域45を設ける代わりに、第一トナーシール部材40の一端(自由端)を開口部31の一端側の端部に接着し、第一トナーシール部材40に、実施例1でいうところの第二貫通孔35を設ける構成をとっても良い。
【符号の説明】
【0039】
16…トナー収容室、18…現像ローラ、19…現像ブレード、21…トナーシール部材、23…巻き取り部材、31…開口部、33…現像室、35…第二貫通孔、37…第一貫通孔、50…露出部、51…連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力により現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを備える現像室と、
現像剤を収容し、前記現像剤担持体へ現像剤を供給するために開口する開口部を有する現像剤収容室と、
前記開口部を封止するための封止部材と、
前記開口部の長手方向における一端側であって前記現像剤収容室の外部に設けられており、前記現像剤担持体の駆動に伴い回転駆動することで、前記封止部材を巻き取り、前記封止部材を前記開口部の長手方向における他端側から引き剥がして開封する巻き取り部材と、
を備える現像装置において、
前記封止部材は、前記開口部を複数の層で覆っており、少なくとも一つの層に貫通孔が設けられており、
前記巻き取り部材によって前記封止部材が一定量巻き取られたとき、前記貫通孔を介して前記現像剤収容室から前記現像剤担持体に現像剤が供給される連通孔が形成され、前記開口部の前記他端側の端部に現れる露出部および前記連通孔の両方から現像剤の供給が行われることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記封止部材は、前記他端側において折り返された状態で前記開口部を覆っており、かつ、折り返された状態における前記現像室側の層の前記他端側に第一貫通孔が設けられ、前記現像剤収容室側の層の前記一端側に第二貫通孔が設けられており、
前記封止部材が前記巻き取り部材によって一定量巻き取られることで、前記第一貫通孔が前記一端側に移動することによって、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔とが重なり合い、前記連通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記封止部材は、第一封止部材及び第二封止部材の二つの部材からなり、
前記第一封止部材は、前記他端側において折り返された状態で前記開口部を覆っており、かつ、折り返された状態における前記現像室側の層の前記他端側に前記貫通孔が設けられており、
前記第一封止部材の自由端は、前記貫通孔より前記一端側で接着されており、
前記第二封止部材は、折り返された状態で少なくとも前記開口部における前記第一封止部材の前記自由端より前記一端側の部分を覆っており、
前記第一封止部材及び前記第二封止部材が前記巻き取り部材によって同時に一定量巻き取られることで、前記貫通孔及び前記第二封止部材が前記自由端よりも前記一端側に移動することによって、前記連通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とするプロセスカート
リッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−226253(P2012−226253A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96037(P2011−96037)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】