説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】 構成が簡単でありながら、現像剤の搬送速度を低下させることなく、トナーに対して所定の帯電量を付与でき、高画質画像を形成することができる新規な構成の現像装置及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 現像装置は、主に、現像剤供給回収部材と第1撹拌部材とで現像剤を循環搬送させる構成と、ハウジングのカバー上に設けたトナー供給口を介して第1、第2撹拌部材の対向部分に補給されるトナーを、各々の周面が上方から下方に移動するように回転される前記第1、第2撹拌部材の回転を介して現像剤中に沈み込ませる構成とを有することを特徴とし、画像形成装置は、上記現像装置を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上に形成される静電荷潜像(以下、単に、潜像という)をトナー像として顕像化するための現像装置、及び、当該現像装置を具備した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体表面を帯電手段により一様に帯電し、原稿、または、画像データに基づいて露光手段を作動させて前記像担持体上に潜像を形成し、次いで、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を現像領域に導き、接触、または、非接触現像により前記潜像をトナー像となした後、当該トナー像を転写手段により、例えば、用紙からなる転写材上に転写し、定着手段により加熱加圧することによって前記転写材に定着させる電子写真方式を利用した画像形成装置はよく知られている。
【0003】
また、可回転の円筒状部材からなる現像剤担持体と、当該現像剤担持体に内蔵した位置固定の磁石、及び、二成分現像剤を撹拌して現像処理に必要な帯電量を付与するための撹拌部材とを主要素として現像装置を構成し、現像処理時、前記磁石の作用によって吸着した撹拌済みの二成分現像剤を前記現像剤担持体の周面で担持し、当該現像剤担持体の回転によって現像剤を順次、現像領域に搬送させ、現像終了後の現像材を反発磁界を利用して前記現像剤担持体上から自動的に除去する構成の現像装置も公知である。
【0004】
そして、このような二成分現像剤を用いる現像方法においては、画像形成により消費されたトナー量に見合った量の新規なトナーを適宜に現像装置内に補給し、現像剤中のトナー濃度を一定レベルに維持する制御が行われている。
【0005】
また、上述のような画像形成装置においては、画像の高画質化が求められており、このような要請に対して、例えば、トナー及びキャリアの小粒径化が図られている。
【0006】
而して、粒子径が小さいトナー及び粒子径が小さいキャリアを主体とする二成分現像剤は、高画質化を達成するためには有用であるが、反面、現像剤それ自体の流動性が低下するので、現像剤を十分に撹拌することが困難となる。
【0007】
その結果、新たに補給されたトナーが所定の帯電量を有する状態とならないまま現像領域に供給されると、かぶりを発生して画質を低下せしめたり、又、トナー飛散が発生しやすくなる、という問題がある。
【0008】
このような不具合は、特に、例えば印字率が高いカラー画像を連続して出力する場合に、顕著に生ずる。
【0009】
一方、近年において、上述のような画像形成装置の多くは、環境保全あるいは省資源化の観点から、トナーリサイクル手段を備え、トナーをリサイクルして使用する構成を有するのが一般的であるが、一旦現像に供された後に像担持体上から回収されたトナー(リサイクルトナー)は、帯電特性が未使用のトナーに対して劣るので、トナーの帯電量不足による、かぶりやトナー飛散等の不具合を招来する、という問題がある。
【0010】
斯様な不具合に対処すべく、従来より、現像剤の撹拌効率を向上させる技術が多数提案されており、例えば、補助撹拌部材として機能する部材を設けることにより撹拌手段を高い現像剤撹拌能力を有する構成のものとしたりすることが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平07−013420号公報
【特許文献2】特開平09−166918号公報
【特許文献3】特開平09−288412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の特許文献に開示された現像装置は、何れのものも、現像剤の撹拌効率を向上せしめることができる反面、現像装置内の現像剤の循環搬送速度が低下してしまうので、例えば、高速のプロセス速度を有する画像形成装置に使用する現像装置としては、まだ改良の余地があるように思える。
【0012】
換言すれば、現像剤の循環搬送速度が低下すると、現像担持体に供給される現像剤の、現像剤担持体の回転軸方向におけるトナー濃度が不均一となり、特に、印字率が高い画像を連続して出力する場合に画像濃度ムラが生じやすく、高画質の画像を形成することが困難となる。
【0013】
このように、補給された新トナーが短時間で十分な帯電量を得られるように、現像剤の撹拌能力を高めてかぶりやトナー飛散の発生を防止しようとすると、現像剤の搬送能力の低下を引き起こして画像濃度ムラが発生しやすくなるという問題があり、このような相反する2つの問題を同時に解決することが困難である、というのが実状である。
【0014】
本発明は上述の如き問題点に鑑みてなされたもので、主たる目的は、構成が簡単でありながら、現像剤の搬送速度を低下させることなく、トナーに対して所定の帯電量を付与でき、高画質画像を形成することができる新規な構成の現像装置及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、下記の構成によって達成することができる。
(請求項1)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項2)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項3)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項4)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項5)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りであって当該回転軸に対して同方向に傾斜して設けた複数の板状部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項6)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項7)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項8)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項9)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項10)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項11)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、当該回転軸に対して第1の方向に傾斜して設けられた複数の第1の板状部材と、第2の方向に傾斜して設けられた第2の板状部材とを有することを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項12)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項7乃至請求項11の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項13)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項14)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項15)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項16)
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
(請求項17)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、当該回転軸に対して第1の方向に傾斜して設けられた複数の第1の板状部材と、第2の方向に傾斜して設けられた第2の板状部材とを有することを特徴とする請求項13乃至請求項16の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項18)
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項13乃至請求項17の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項19)
前記現像剤担持体と現像剤供給回収部材とは、両者の対向近接点でみて、周面が逆方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項20)
トナーの体積平均粒径をDt[μm]、キャリアの体積平均粒径をDc[μm]としたとき、
Dt=3〜5
Dc=5・Dt〜10・Dt
のトナーとキャリアとを含む現像剤を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項19の何れか1項に記載の現像装置。
(請求項21)
像担持体と、前記像担持体上に静電荷潜像を形成する静電荷潜像形成手段と、前記静電荷潜像を現像してトナー像とする現像手段とを有する画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1乃至請求項20の何れか1項に記載の現像装置を用いるとともに、
像担持体の移動速度をV[mm/sec]、像担持体上に形成するトナー像の単位面積当たりの最大付着量をM[mg/cm2]、像担持体の移動方向に直交する方向のトナー像の最大幅をL[mm]、現像剤供給回収部材による現像剤担持体の回転軸方向における現像剤移動量をWo[g/sec]、現像剤供給回収部材の回転数をR[rpm]としたとき
Wo≧M・V・L/1000
R≦600
とすることを特徴とする画像形成装置。
(請求項22)
像担持体と、前記像担持体上に静電荷潜像を形成する静電荷潜像形成手段と、前記静電荷潜像を現像してトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写材または中間転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段と、クリーニング手段により前記像担持体の表面から除去されたトナーを前記現像手段に供給してリサイクルするトナーリサイクル手段とを有する画像形成装置において、
前記現像手段として請求項1乃至請求項20の何れか1項に記載の現像装置を用いるとともに、当該現像装置のカバー上であって、第1撹拌部材と第2撹拌部材との間に対応する位置に、リサイクルトナー供給用のリサイクルトナー供給口を設けたことを特徴とする画像形成装置。
(請求項23)
前記リサイクルトナー供給口は、現像剤撹拌部における現像剤の総体的な移動方向(循環移動方向)にみて、トナー供給口よりも上流側にあることを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明の現像装置によれば、例えば、現像装置内に設けられる現像剤供給回収部に設置された現像剤供給回収部材と、現像撹拌部に設置された撹拌部材(第1撹拌部材、或いは、第1撹拌部材と第2撹拌部材)とで現像剤を撹拌しながら現像剤担持体の回転軸方向に循環搬送させることにより現像剤の搬送速度、あるいは、搬送量のバランスをとり、一例においては、第2撹拌部材によって現像剤を回転軸方向に実質的に搬送することなく周方向に撹拌し、現像剤中のトナーの帯電を立ち上げる構成を以て、現像剤の搬送速度を低下せしめることなく十分な撹拌時間を確保し得る。
【0017】
そして、現像剤中のトナーが所期の帯電量を有する状態にまで帯電された状態で現像剤を現像剤担持体に供給することができるので、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生を抑制でき、カラー画像であっても高画質を維持できる。
【0018】
また、第1撹拌部材の長手方向に対向して第2撹拌部材を設け、両撹拌部材を、両者の対向近接点でみて、各々の周面が上方から下方に向かって順方向に移動するように構成するとともに、両者の対向部分に対応した上方からトナーを補給する構成であるので、補給トナーの現像剤中への沈み込みを加速できる。
【0019】
換言すれば、補給トナーの現像剤中への均一分散が迅速にできるので、循環搬送を介して、トナーに所期の帯電量を容易に付与することができる。
【0020】
また、第1撹拌部材に係わる外径、回転数、周速、仮想断面積よりも第2撹拌部材の外径、回転数、周速、仮想断面積を小さく、或いは、低く設定することにより、同じに設定する場合に比して撹拌トルクを小さくすることができる。
【0021】
上述の如き構成は、結果として、現像剤の耐久に寄与でき、また、現像剤担持体の長手方向(回転軸方向)に対応しての現像画像におけるピッチムラの発生を極力抑制することができる。
【0022】
また、本発明の画像形成装置によれば、上述の如き現像装置を備えるとともに、特定の動作条件を満足する状態で現像処理が行われることにより、現像剤の十分な混合・撹拌が行われて、トナーが所期の帯電量を有する状態に帯電された現像剤が回転軸方向に対して均一な濃度で現像剤担持体に供給され、当該現像剤で像担持体上の潜像が現像される。
【0023】
従って、例えば、印字率の高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費及びトナー補給が繰り返し行われた現像剤が用いられる場合や、未使用のトナーに比して帯電性能が劣るリサイクルトナーを含む現像剤が用いられる場合であっても、トナー飛散、かぶり、画像濃度ムラ等の発生を極力抑制でき、高画質の画像を安定して作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係わる実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明に係わる画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図、図2は、本発明に係わる現像装置の第1の実施の形態を示す平面図、図3は、図2におけるA−A断面図、図4は図2におけるB−B断面図を示す。
【0026】
なお、説明に当たっては、デジタルカラー複写機からなる画像形成装置を示す図1の説明をした後に、図2乃至図4に示す現像装置の説明を行うこととする。
【0027】
第1の実施の形態における画像形成装置は、装置本体上部に自動原稿送り装置1を有するとともに、内部に画像読み取り部(画像読み取り装置)2、画像形成部3、ベルトユニット4のためのベルト設置部、給紙部5、定着装置T、反転排紙・再給紙部6、および、反転搬送手段であるADU7を有している。
【0028】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を1枚ずつ送り出して画像読み取り位置へと搬送し、画像読み取りが終わった原稿を所定の場所に排出する装置である。
【0029】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台101、載置された原稿を分離する原稿分離手段103、分離された原稿を搬送する原稿搬送部105、搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段107、排紙された原稿を載置する原稿排紙台109、および、原稿の両面の画像を読み取る両面コピーモードにおいて、当該原稿の表裏面を反転させるべく使用されるローラ対からなる原稿反転手段111を有している。
【0030】
処理プロセスがらみで述べるに、前記原稿載置台101上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段103によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送部105を介して画像読み取り位置に向けて搬送される。
【0031】
前記原稿読み取り位置は、前記原稿搬送部105の下方部に設けられており、そこで、画像読み取り装置2を構成するスリット201を介して、原稿の画像が読み取られ、読み取られた原稿は原稿排紙手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0032】
なお、両面コピーモードにおいては、片面が読み取られて搬送されてくる原稿は前記原稿反転手段111により二点鎖線の矢印で示す方向に搬送され、進行方向における後端を咬んでいる状態で当該原稿反転手段111の駆動が停止された後の逆方向回転により前記原稿搬送部105を介して再度、画像読み取り位置に導かれ、しかる後、前記原稿排紙手段107によって原稿排紙台109上に排出される。
【0033】
上記の工程は、原稿載置台101上に載置された原稿の枚数分繰り返される。
【0034】
前記画像読み取り装置2は、前記スリット201、原稿を照射するためのランプ213と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー215とを一体化してなる第1ミラーユニット205、第1ミラー215からの光を反射させる第2ミラー217と第3ミラー219とを略V字状に一体化してなる第2ミラーユニット207と、当該第3ミラー219からの反射光を撮像素子上に結像させる結像レンズ209、および、結像レンズ209によって結像された光像を光電変換して画像情報を得るライン状の撮像素子(以下、CCDという)211を有している。
【0035】
前記画像情報は、適宜の画像処理を施された後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0036】
前記自動原稿送り装置1によって送られている原稿を、画像読み取り装置2で読み取る態様においては、第1ミラーユニット205及び第2ミラーユニット207は、図示の如き位置に固定されている。
【0037】
前記画像読み取り装置2によって読み取られた各色毎の画像信号はメモリより順次取り出され、静電荷潜像形成手段である各露光光学系にそれぞれ電気信号として入力される。
【0038】
前記画像形成部3には、色分解画像に応じたトナー像を形成するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の4組の画像形成手段(以下、画像形成ユニットという)30を組み込んである。
【0039】
それぞれの画像形成ユニット30は、例えば、有機光導電体を含有させたポリカーボネイトなどの樹脂よりなる感光層をドラム状の金属基体上に設けて構成した像担持体(以下、感光体ドラムという)310、スコロトロン形式からなる帯電器320、画像書き込み手段である露光光学系330、静電荷潜像を顕像化する現像装置8、転写手段340、転写後の感光体ドラム310の表面をクリーニングするブレード(クリーニング手段)を含むクリーニング装置350を主要構成要素とする。
【0040】
前記現像装置8は、磁性キャリア(以下、単にキャリアという)と非磁性トナー(以下、単にトナーという)とを含む二成分現像剤を内蔵し、また、位置固定であって周方向に複数の磁極を配列せしめた磁石を内蔵する可回転、かつ、非磁性の円筒形状からなる現像剤担持体(現像スリーブ)等を有しており、基本的な構成は公知である。
【0041】
なお、前記露光光学系330はレーザ光学系で構成される露光ユニットであり、また、前記転写手段340は後述する回転ベルト401を介して前記感光体ドラム310の周面一部に対向している。
【0042】
上述した4組の前記画像形成ユニットの機械的構成は基本的に同じであるので、参照符号は1組みのユニットについてのみ付し、他は省略することとする。
【0043】
それぞれの画像形成ユニット30は、ベルト設置部において縦方向に長く配設された、ベルトユニット4を構成するループ状の回転ベルト(以下、中間転写ベルトという)401の一方の平面(張設面)Aに沿って、上から、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に配列されている。
【0044】
前記中間転写ベルト401と、当該中間転写ベルトを回転可能に懸架する支持ローラ405、406、407、および、バックアップローラ410等がベルトユニット4を構成し、また、前記バックアップローラ410は、中間転写ベルト401を挟んで当該バックアップローラと押圧しながら回転するように対向配置した転写ローラ510とで二次転写手段を構成している。
【0045】
上記の画像形成ユニット30とベルトユニット4の構成とによる画像形成は次のようになされる。
【0046】
画像形成プロセスの開始に伴って、反時計方向に回転する感光体ドラム310の表面は帯電器320により所定の極性に帯電される。
【0047】
次いで、露光光学系330による第1の色信号、即ち、イエロー(Y)の画像信号に対応する露光が施され、当該(Y)の画像に対応する潜像が前記感光体ドラム310上に形成される。
【0048】
前記潜像は現像装置8の現像剤による接触または非接触現像処理により反転現像されて(Y)のトナー像に変換された後、転写手段340の作用によって中間転写ベルト401上に転写される。
【0049】
第1の色信号による画像形成開始から所定の時間後に順次開始される他の色信号による画像形成は上記と同様のプロセスにより、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の各画像形成ユニットによって行われ、それぞれのトナー像が前記(Y)のトナー像のある画像領域と重畳するように順次転写され、前記中間転写ベルト401上に重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0050】
一方、転写処理終了後の前記感光体ドラム310の表面はクリーニング装置350で清掃され、新たな画像形成のための準備が整えられる。
【0051】
なお、前記感光体ドラム310、あるいは、中間転写ベルト401に対する個々の画像形成プロセスの開始タイミングは、前記中間転写ベルト401の一方の側、本実施の形態においては外側であって、前記中間転写ベルトの回転方向に見て、前記転写ローラ510のある位置から1組目(イエロー)の画像形成ユニットが設けてある位置までの区間に付設したレジストセンサ413が、当該中間転写ベルト401に設けた、例えば、塗料を用いて形成した基準マークを検知した時を起点として計時を行い、所定時間経過毎に、順次、(Y)、(M)、(C)、(BK)プロセスを開始させるように構成してある。
【0052】
前記レジストセンサ413による検知信号を取り込み、計時を監視するとともに、個々のプロセス等に関する制御はコンピュータを含む制御部(制御手段)Sで行う。
【0053】
次に、中間転写ベルト上に形成されたカラートナー像が用紙Pに転写され、装置外に排紙されるまでの工程に絡めて、装置のその他の構成につき簡単に述べる。
【0054】
前記中間転写ベルト401上における画像形成に対応した適宜のタイミングで、選択された用紙Pが給紙部5の送り出し部501(511、521)に位置する給紙ローラ503(513、523)によって給紙され、レジストローラ551に向けて搬送される。
【0055】
しかる後、前記用紙Pは、前記レジストローラ551の回転再開によって前記中間転写ベルト401上のカラートナー像領域と重畳するように再給紙され、二次転写部において前記バックアップローラ410と前記転写ローラ510とにより前記中間転写ベルトとともに押圧挟持されながらニップ部から送り出され、この間に、前記中間転写ベルト401上に担持(形成)されたカラートナー像が前記用紙P上に転写される。
【0056】
なお、転写に際しては、前記転写ローラ510と前記バックアップローラ410との間に適宜の転写バイアス電圧が印加されるように構成されている。
【0057】
トナー像が転写された前記用紙Pは、例えば、不図示の分離爪の作用を受けながら前記中間転写ベルト401から分離され、定着装置Tに向けて搬送される。
【0058】
前記定着装置Tは定着ヒータを内蔵する定着ローラT1と、当該定着ローラと圧接しながら回転する圧着ローラT2とを有し、画像を形成しているカラートナーは、両ローラによる加熱・加圧により溶融され、用紙P上に定着される。
【0059】
定着装置Tによる定着処理終了後の用紙Pは、その下流に設けてある排紙ローラ603により搬送され、装置本体外に設けてある排紙トレイ上に排出される。
【0060】
一方、二次転写終了後の前記中間転写ベルト401の表面はブレードからなるクリーニング手段415によってクリーニングされ、新たなトナー像を担持する準備がなされる。
【0061】
なお、現像処理により現像剤中のトナーが消費されるが、これは、現像装置8の適宜の場所にトナー濃度検知センサを設けておき、当該センサからの情報に基づいて前記現像装置内にトナーを供給するようになっており、公知技術で対応できる。
【0062】
また、図において、通路切替部材601の実線位置は定着処理後に用紙Pの上下面を反転させて排出する場合等に保持される位置であり、破線位置は、上述の如く、定着装置から送り出された用紙をそのまま排出する際に保持される位置である。
【0063】
例えば、用紙Pの反転排出においては、前記定着装置Tから送り出された用紙Pは前記通路切替部材601の右側の辺に沿って下方に案内され、ローラ対602によって進行方向における後端が挟持された状態とされた後の当該ローラ対602の逆回転により上昇され、前記切替部材601の左側の辺を通って前記排紙ローラ603に達し、かつ、当該排紙ローラで排出されるように規制される。
【0064】
更に、前記ADU7を用いる両面コピーモードの場合の用紙Pの挙動は、反転排出の場合と同様に、片面に画像が形成された定着処理後の用紙Pを前記切替部材601の右側の辺に沿って下方に導き、進行方向における用紙Pの後端をローラ対605により挟持した状態で搬送停止せしめた後、当該ローラ対605を逆回転せしめ、ガイド板Gに沿って上昇させ、複数のローラ対701、703、705を有するADU7に導くことで用紙Pの反転を達成する。
【0065】
用紙Pの第2面に対する画像形成プロセスは前述と同じであり、前記定着装置Tから送り出された後の排出についても前述した何れかの排出形態を選択することになる。
【0066】
次に、トナー像形成手段(現像手段)である現像装置の第1の実施の形態について、図2乃至図4を用いて説明する。
【0067】
なお、本明細書においては、図2における左右方向を、現像剤担持体を基準としての「前後方向」といい、図2における上下方向を「軸方向」または「回転軸方向」または「長手方向」といい、更に、図3及び図4における上下方向を「上下方向」と表現する。
【0068】
現像装置8は、現像剤担持体(現像スリーブ)800と、前記現像剤担持体800の長手方向に隣接した位置に可回転に配設した現像剤供給回収部材803と、前記前記現像剤供給回収部材803の長手方向に隣接した(後側)位置に可回転に配設した第1撹拌部材805と、前記第1撹拌部材の長手方向に隣接した(後側)位置に可回転に配設した第2撹拌部材807と、これらの部材を互いに軸方向にみて平行状態を保って軸支持するハウジング810と、前記ハウジングの上部を覆う開閉可能なカバー812とを有する。
【0069】
また、前記現像剤供給回収部材803、第1撹拌部材805及び第2撹拌部材807は、現像剤担持体800の長さよりも長く構成してある。
【0070】
そして、これら部材の一方の端部位置を前記現像剤担持体の端部位置とほぼ同じ面内に位置づけることによって、他方の側において、ハウジング810共々、前記現像剤担持体800の端部よりも突出させてある。
【0071】
換言すれば、図2の矢示の如くに、現像剤供給回収部材803による現像剤の搬送方向において下流側に延設し突出させてある。参照符号802は突出領域を示す。
【0072】
また、図3、図4に示すように、現像剤供給回収部材を含む撹拌部材の回転軸は略同一水平面上に位置するように構成してある。
【0073】
前記現像剤担持体800は、アルミニウムあるいはステンレスの如く非磁性金属材料からなる円筒状部材であり、その中に磁石(不図示)を位置固定で内蔵している。
【0074】
808は、ハウジング810の底部から立ち上げて形成した仕切壁で、前記現像剤供給回収部材803と第1撹拌部材805との間に位置し、その両端の部分は欠落していて現像剤循環用の通路820、821を形成している。
【0075】
現像剤の搬送方向(矢印で示してある)に見て下流側に相当する前記通路820、821に対応した現像剤供給回収部材803および第1撹拌部材805の部位は、現像剤の受け渡しを両者間でスムーズに行いうるように、羽根車形状とすることが好ましい。
【0076】
羽根車形状は、回転軸周面上であって、等間隔(等角度)な位置に平板(羽根)を複数枚固設することにより得ることができる。
【0077】
なお、図3に示すように、前記現像剤担持体800と現像剤供給回収部材803とは、前記仕切壁808により区画され、ハウジング810内に形成された現像剤供給回収部(以下、第1収納撹拌部という)815に収容されており、また、第1撹拌部材805と第2撹拌部材807とは、前記第1収納撹拌部815に隣接して形成された第2収納撹拌部816に収容されている。
【0078】
前記第1収納撹拌部815及び第2収納撹拌部816にはキャリアとトナーとを含む適宜の量の二成分現像剤が収納される。
【0079】
前記撹拌部材等の回転部材は画像形成装置本体側に設けられる駆動系から動力を貰い、歯車等を介して矢印方向に回転するように構成してあるが、動力伝達機構は公知の技術が使用できる。
【0080】
本実施の形態においては、既出の感光体ドラム310に対向して配置される現像剤担持体800は反時計方向(感光体ドラムとは、両者の近接点でみて反対方向)、現像剤供給回収部材803は反時計方向、第1撹拌部材805は時計方向、そして、第2撹拌部材807は反時計方向に回転する構成にある。
【0081】
前記現像剤供給回収部材803及び第1撹拌部材805は、回転軸方向のトナー濃度ムラの発生を防止するという観点から、回転軸方向に対する現像剤の搬送能力が高い回転部材により構成することが好ましい。
【0082】
例えば、図5に模式的に示すように、軸の外周面の全周にわたって、軸方向に所定の向き、所定のピッチpを以て形成した、螺旋状のリブ(スクリュー)からなる回転部材として構成することができる。
【0083】
図中、Zで示すのは、現像剤担持体800上に磁気的に吸着され担持される現像剤の厚さを規制するための層厚規制ブレードである。
【0084】
図2に戻って、太い矢印は、現像剤供給回収部材803及び第1撹拌部材805が前記の方向に回転したときの現像剤の搬送方向を示し、その矢印の長さは、現像剤搬送能力(現像剤搬送速度、現像剤搬送量等)を示す。
【0085】
現像剤の搬送方向について述べるに、現像剤供給回収部材803の回転は、現像剤を第1の方向(図において、上側から下側に向かう回転軸方向)に搬送し、前記第1撹拌部材805の回転は、前記現像剤供給回収部材803による搬送方向に対して逆方向(図において下側から上側に向かう回転軸方向)に現像剤を搬送する。
【0086】
前記第2撹拌部材807の回転は、回転軸の周方向に現像剤を撹拌する能力は有するが、回転軸方向に対して現像剤を搬送する能力は実質的に零である。
【0087】
前記第2撹拌部材807は、例えば、図6に示すように、軸(回転軸)Jに対して複数の板状部材851を所定の角度を以て同一方向に傾斜せしめてなる回転部材として構成することができる。図示の板状部材は楕円形状からなる。
【0088】
現像剤搬送能力については、前記現像剤供給回収部材803と第1撹拌部材805とはほぼ同じ搬送能力を有し、第3撹拌部材807は前述の通り、実質的な搬送能力を有さない。
【0089】
ここで、「実質的な搬送能力を有さない或いは搬送能力が実質的に零である撹拌部材」とは積極的に現像剤を回転軸方向に搬送する形態をとらない構成の撹拌部材を指す。
【0090】
現像剤供給回収部材、撹拌部材の搬送能力は、後述する画像形成装置の動作条件を満足するように設定される。
【0091】
以上のような構成を有する現像装置によれば、現像剤供給回収部材803の回転により、第1収納撹拌部815内の現像剤は回転軸Jの周方向に撹拌されながら矢示の軸方向に搬送され、また、通路821を介して第2収納撹拌部816に送り込まれる。
【0092】
第2収納撹拌部816内の現像剤は第1撹拌部材805の回転に伴って回転軸Jの周方向に撹拌されながら、前記現像剤供給回収部材による搬送方向とは逆方向に搬送され、仕切板808の端部に形成された通路820を介して第1収納撹拌部815に送り込まれ、前記現像剤供給回収部材803の作用を再び受ける状態となって循環搬送される。
【0093】
前記第2撹拌部材807の作用を受ける現像剤は、回転軸Jの周方向に撹拌されて帯電の立ち上がりが促進され、同時に、前記した第1撹拌部材805の作用を受ける。
【0094】
なお、上記循環搬送中の混合・撹拌作用により、所定の帯電量を得るに至ったトナーを含む現像剤は、前記現像剤供給回収部材803で搬送されながら現像剤担持体800の周面上、軸方向に供給されて現像処理に付され、現像剤中のトナーは顕像化のために消費される。
【0095】
現像剤担持体800上の現像剤は、現像領域を通過した後、例えば、反発磁界の作用により、自動的に現像剤担持体上から除去される。
【0096】
この際、前記現像剤供給回収部材803と現像剤担持体800とは最近接点において逆方向に(軸)回転しており、除去されたトナーはすぐに現像剤担持体800に供給されることなく、当該現像剤供給回収部材803の搬送作用を受けて前述の循環流路に取り込まれ、当該循環搬送路を搬送される間に再び所期の帯電量を得て現像処理に使用されることになる。
【0097】
換言すれば、前記現像剤担持体800と現像剤供給回収部材803との回転方向を上述の如くなす事により、現像剤担持体800に供給される現像剤と回収される現像剤との入れ替えを確実に行うことができ、従って、前記現像剤担持体800の軸方向における現像剤のトナー濃度も均一に保つことができるので、画像濃度ムラの発生を低減できる。
【0098】
現像処理後の現像剤はトナー濃度検知センサによってトナー濃度を検出され、その検出値に基づいて、未使用のトナー(以下、新トナーという)がトナー補給機構(不図示)からトナー供給口813を介して供給される。
【0099】
前記トナー供給口813は、前記第1撹拌部材805と前記第2撹拌部材807とが対向するほぼ中間位置(図4の側断面図で示すように、第1撹拌部材805と第2撹拌部材807とが互いに対向する部分の中間を指す)であって、第1撹拌部材による現像剤の搬送方向にみて上流側(例えば、上流端部から40mm〜50mm程度の領域内)の適宜の位置に対応する前記カバー812上に設けてある。
【0100】
前記トナー補給機構は、例えば、装置本体側であって、前記トナー供給口813の上方に位置するように備えられる。
【0101】
トナー供給口813の位置を、前述の如き上流側の位置としたのは、前記第3撹拌部材807の軸方向長さが短い場合でも有効な混合撹拌を達成せしめるべく意図したものである。
【0102】
供給された新トナーは、前記第1撹拌部材805と第2撹拌部材807との回転によって効率的に現像剤と撹拌される。
【0103】
即ち、第1撹拌部材805と第2撹拌部材807とは、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動するように回転される態様(例えば、スクリューからなる撹拌部材の周面の一点に着目したとき、当該一点が、前記近接点に対して上方から近接点に到達し、下方に抜け出るように軸中心で回転する態様の意)であるので、新トナーを現像剤中に迅速に沈み込ませることができ、現像剤中にトナーを迅速に均一分散させることができる。
【0104】
以上のように、現像剤供給回収部材803と第1撹拌部材805の現像剤搬送能力をほぼ同等とすることにより、循環搬送路上における現像剤の滞留発生を抑制でき、現像剤の循環搬送を円滑に行わせることができる。
【0105】
また、現像剤の搬送速度を低下せしめることなく、第2撹拌部材807による十分な混合・撹拌動作を介して、トナーに所定の帯電量を付与する作用を促進できる。
【0106】
更に、撹拌部材の周方向に十分な撹拌を行うことができるので、例えば、第1撹拌部材の軸方向において均一なトナー濃度の現像剤を短時間で、かつ、容易に得ることが可能となる。
【0107】
なお、現像剤を構成する要素であるトナーとしては、体積平均粒径が3〜5μmであることが好ましく、斯様な小粒径トナーは、高解像性と優れた細線再現性を有するトナー画像を形成することができ、また、ソリッド部(ベタ画像部)やハーフトーン部においては画像濃度ムラのない安定したトナー画像を形成することができる。
【0108】
前記小粒径のトナーは、例えば、重合法により生産することができる。
【0109】
また、キャリアとしては、トナーの体積平均粒径をDt[μm]とするとき、5×Dt〜10×Dt[μm]であることが好ましい。
【0110】
体積平均粒径がトナーの体積平均粒径の5〜10倍の大きさを有するキャリアを使用することにより、小粒径トナーを用いた場合でもキャリア表面の帯電付与性能を向上させることができ、これにより、かぶりやトナー飛散の発生を抑制でき、均一な画像濃度を有するとともに、きめの細かい高画質の画像を得ることができる。
【0111】
また、前述した画像形成装置においては、現像装置8による現像処理が、下記の条件(イ)及び条件(ロ)を満足する動作設定条件に調整された状態において行われる。
【0112】
条件(イ); Wo ≧ M×V×L/1000
条件(ロ); R ≦ 600
上記条件(イ)及び条件(ロ)において、Vは像担持体の周速度[mm/sec]、Mは像担持体上に形成するトナー像の単位面積当たりの最大付着量[mg/cm2]、Lは像担持体の移動方向に直交する方向(軸方向)のトナー像の最大幅[mm]、Woは現像剤供給回収部材による現像剤担持体の回転軸方向における現像剤移動量[g/sec]、Rは現像剤供給回収部材の回転数[rpm]を、それぞれ示す。
【0113】
現像剤供給回収部材803による回転軸方向における現像剤移動量(現像剤搬送量)Woが過小(例えば、150rpm以下)である場合には、現像剤供給回収部材803の現像剤搬送方向下流側の現像剤供給領域において現像剤中のトナー濃度が低下し、十分な量のトナーを現像領域に供給することが困難となり、画像濃度ムラが発生しやすくなる。
【0114】
また、現像剤供給回収部材803の回転数が過大(例えば、650rpm以上)である場合には、当該現像剤供給回収部材803の軸部等で発生する熱により現像剤が劣化しやすくなり、高画質な画像を長期間にわたって形成することが困難となることが究明されている。
【0115】
換言すれば、前記した特定の条件(イ)及び条件(ロ)を満足する状態で現像プロセスが行われることにより、現像剤を軸方向においてトナー濃度ムラのない状態で現像領域に供給することができるので、画像濃度ムラのない均一な画像濃度を有する画像を得ることができる。
【0116】
また、現像剤供給回収部材の回転数を600rpm以下に設定することにより、現像剤供給回収部材を高速回転させた場合に発生する熱によって現像剤が劣化することを防止することができる。
【0117】
以上のように、上記構成の画像形成装置によれば、トナーとキャリアとが十分に混合・撹拌されて、十分なトナーの帯電立ち上がり特性が得られ、しかも、現像剤が軸方向に対して均一なトナー濃度で現像領域に供給される。
【0118】
従って、例えば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費とトナー補給が繰り返し行われた現像剤を用いる場合や、1分間当たりの画像形成枚数(プリント枚数)が50枚以上となるような高速のプロセス速度で画像形成が行われる場合であっても、かぶりやトナー飛散が生ずることがなく、しかも、画像濃度ムラのない高画質画像を形成することができる。
【0119】
なお、上記の構成を有する現像装置において、第2撹拌部材の外径、回転数、周速、仮想断面積の内の少なくとも1つの要件を、第1撹拌部材の外径、回転数、周速、仮想断面積に比して小さく、或いは低く設定することにより、同じ設定を施した場合に比して撹拌トルクを小さくでき、結果として現像剤の耐久性の向上、現像剤担持体の長手方向に対応しての現像画像におけるピッチムラの発生を極力抑制することができるので、そのように構成することが好ましい。
【0120】
当然のこととして、第1撹拌部材の前記要件(構成)の2つ或いはそれ以上の要件を、第2撹拌部材の要件に比して前述の如く設定してもよい。
【0121】
なお、ここで言う仮想断面積とは、回転軸を、その長手方向に対して直交する方向からみた状態で、撹拌部材の(最大)外径がもたらす仮想の円の直径から回転軸径を引いてできるドーナツ状の断面積を指す。
【0122】
以上、本発明に係わる現像装置及び画像形成装置の一実施形態について説明したが、現像装置における現像剤供給回収部材、第1撹拌部材及び第2撹拌部材は、いずれも上記の構成のものに限定されるものではない。
【0123】
例えば、図7乃至図10に模式的に示す構成を有する回転部材を現像剤供給回収部材或いは第1撹拌部材として使用することができる。
【0124】
なお、当該図において既出の部材と同じ部材または同様の機能を有する部材については同一の参照符号を付与することとする。
【0125】
ここで、回転部材なる語は、基本的に現像装置に組み込む前の現像剤供給回収部材、第1撹拌部材、あるいは第2撹拌部材として使用できる適宜の構成の部材を表し、現像装置に組み込まれた後の回転部材は、その設置場所に応じて現像剤供給回収部材、第1撹拌部材、第2撹拌部材と呼称される。
【0126】
図7乃至図10に示す回転部材は、前記図5に示す回転部材と同様の基本的構成を有するが、更に現像剤撹拌能力を高めたものであり、また、軸方向に対するトナー濃度ムラの発生を防止するために必要とされる十分な現像剤搬送能力を有している。
【0127】
図7に示す回転部材は、回転軸Jの外周面全周にわたり、かつ、軸方向に所定の大きさのピッチpで形成した螺旋状のリブ850と、前記回転軸Jの外周上であって径方向の外方に延びるように設けた棒状または板状のリブ(垂直羽根)855とを備えている。
【0128】
板状のリブ855は螺旋状のリブ850のピッチ間毎に一つずつ設けられ、かつ、回転軸方向に一列状(直線状)に設けられている。
【0129】
但し、前記リブ855は、図を側面からみたとき、回転軸J上において位相をズラして軸方向に設けることもできる。
【0130】
図8に示す回転部材は、回転軸Jの外周面全周にわたり、かつ、軸方向に所定の大きさのピッチpで形成した螺旋状のリブ850と、前記回転軸Jの外周上であって回転軸方向に列状に設けた棒状または板状のリブ(垂直羽根)856とを備え、かつ、当該リブ856は複数列で構成してある。
【0131】
例えば、図を側面からみたとき、前記リブ856は回転軸Jの周方向に90度ずつ位相をズラした4列の配列を有する。
【0132】
リブ856の回転軸方向の長さ(幅の意)Wは、図7に示すリブ855の長さ(幅)Wよりも大きく構成してあるが、これら幅Wのサイズや、列数等は所期目的を達成できるものであればよく、設計の自由度は広い。なお、hは径方向の長さ(高さの意)を表す。
【0133】
図9に示す回転部材は、回転軸Jの外周面全面にわたり、かつ、軸方向に所定の大きさのピッチpで形成した螺旋状のリブ850を備え、当該螺旋状のリブの外周縁部には、軸方向に貫通した切欠部857を有する。
【0134】
例えば、図を側面からみたとき、前記切欠部857の列は、回転軸Jの周方向に180度位相をズラした2列の構成を有する。図中、Uは切欠部の周方向における長さ(幅の意)を示し、tは切欠部の径方向の長さ(深さ)を示す。
【0135】
図10に示す回転部材は、回転軸Jの外周面全面にわたり、かつ、軸方向に所定のピッチpで形成した螺旋状のリブ850と、当該螺旋状のリブの外周縁部を介して前記回転軸J方向に切れ目なく直線状に延びる板状のリブ858とを備えている。
【0136】
また、この例においては、軸対象である2カ所(図における上縁部と下縁部)に板状のリブ858を設けてある。
【0137】
これらの回転部材が備えられた現像装置によれば、基本的には、十分な大きさの現像剤の搬送速度が得られて、現像剤担持体に供給される現像剤の軸方向に対するトナー濃度ムラの発生を防止することができる上に、十分なトナーの帯電立ち上がり特性を確実に得ることができるので、帯電不良によるトナー飛散、かぶり等の問題も軽減、抑制できる。
【0138】
図11乃至図13は、本実施の形態における第2撹拌部材として使用することができる回転部材の他の構成例を示し、図14、図15は後述する態様の現像装置において、第2撹拌部材として使用することができる回転部材の構成例を示す。
【0139】
図11に示す回転部材は、回転軸Jの外周面上であって、径方向外方に突出し、かつ、軸方向に沿って直線的である板状のリブ860を主要構成要件とする。
【0140】
図示構成の回転部材は、板状のリブ860が回転軸Jの周方向を等分した4カ所に設けられた十字パドル形状(前述した羽根車形状の一例)である。
【0141】
図12に示す回転部材は、楕円からなる複数の板状部材851と、板状部材851の周縁部との係合を介して当該板状部材を支持する、周方向において等間隔に設けた4つの板状のリブ858と、板状のリブ858の端部と係合して当該リブを保持するように両端部に設けられた円板状のフランジFと、当該フランジFの中心部から外側に延びる回転軸(不図示)とを主要素とする。
【0142】
板状のリブ858は回転軸方向において切れ目なく直線状に延びる構成を有する。
【0143】
前記板状部材851は、回転中心(軸)に対して所定角度αの傾きを持ち、かつ、所定のピッチpを以て軸方向に配列されている。
【0144】
前記板状部材851、フランジF、リブ858の組み立て後の外形部は、凹凸のない、略同一面を有している。
【0145】
このように構成した第3撹拌部材は、前記回転軸を中心とした回転時に、板状部材851によって現像剤を周方向に撹拌し、更に、板状のリブ858によっても現像剤を撹拌する。
【0146】
図13に示す回転部材は、それぞれが回転軸Jの端部と係合して当該回転軸を保持する2枚の円板状のフランジFと、前記フランジFの周方向において等間隔に配列した4つの板状のリブ858と、前記回転軸Jに垂直な平面に沿って、前記回転軸Jが貫通する状態で板状のリブ858により支持された複数の板状部材851を主要素とする。
【0147】
前記板状部材851は、回転軸と嵌合する中央部の所定領域を除いて所定の大きさの切欠部854を有する円板からなっている。板状部材の中心と切欠部の外径端とを結んでできる切欠角の残り角が、板状部材の取付角度となる。
【0148】
また、前記板状部材851は、回転軸Jに対して交互に反対位置を占めるように位置づけられ、また、所定のピッチpを以て軸方向に配列されている。
【0149】
図14に示す回転部材は、回転軸J上であって第1の方向に傾斜して設けた複数の板状部材870と、第2の方向に傾斜して設けた複数の板状部材871を有している。
【0150】
より具体的には、例えば、回転軸Jの外周面上であって、当該回転軸に垂直な同一平面に対して軸中心で互いに異なる方向に半楕円板よりなる板状部材870、871を傾斜して設け、斯様な組を所定のピッチpで軸方向に複数配列した構成を有する。
【0151】
図15に示す回転部材の基本的構成は図14と同様であり、回転軸Jの外周面上であって、当該回転軸に垂直な同一平面に対して軸中心で第1の方向に傾斜して設けた半楕円板よりなる板状部材870(第1撹拌部を構成する)と、第2の方向に傾斜して設けた設けた半楕円板よりなる板状部材871(第2撹拌部を構成する)とからなる組を所定のピッチpで軸方向に複数配列した構成を有するとともに、前記板状部材870、871の外周縁部に、前記回転軸J方向に切れ目なく直線状に延びる板状のリブ858を備えてなる。
【0152】
この例においては、4つの板状のリブ858を周方向に等間隔で設けてある。
【0153】
図11乃至図15において、板状部材の現像剤に接触する面積の大きさ、ピッチp、板状のリブ858の現像剤に接触する面積の大きさ、板状のリブの数等は条件に応じて適宜決定することができる。
【0154】
また、このような構成の回転部材を第2撹拌部材として用いた現像装置によれば、トナーに対する帯電付与が容易であり、トナーの帯電不良によるトナー飛散やかぶりの更なる軽減を期待でき、また、現像剤担持体に供給される現像剤の軸方向に対するトナー濃度の不均一性による画像濃度ムラの発生も同様に低減できる。
【0155】
従って、このような現像装置を備えた画像形成装置によれば、十分な撹拌の下、所期の帯電量のトナーを含み、かつ、均一なトナー濃度を有する現像剤が現像剤担持体の軸方向に供給され、当該現像剤により感光体ドラム上の潜像が現像されるので、トナー飛散、かぶり、画像濃度ムラ等の問題発生を抑制でき、より高画質な画像の作製を可能とする。
【0156】
以上において、本発明に係わる画像形成装置の実施の形態については、複数の現像装置を備えたカラー画像の作製ができる画像形成装置として説明したが、現像装置の有する作用、効果は、モノクロ画像形成用の画像形成装置に適用した場合も享受できる。
【0157】
なお、現像装置の第1の実施の形態においては、第2撹拌部材が回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない構成としたが、図16及び図17に示す第2、第3の実施の形態の如く、第2撹拌部材に現像剤搬送能力を持たせることもできる。
【0158】
この場合、第2撹拌部材としては、前述の現像剤供給回収部材や第1撹拌部材として使用できる形態の回転部材が使用される。
【0159】
前記した第1の実施の形態である現像装置と図16に示す第2の実施の形態である現像装置との構成上の違いは、第1撹拌部材と同じか、または第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を第2撹拌部材807に持たせたことと、第1撹拌部材805の現像剤搬送能力を現像剤供給回収部材の現像剤搬送能力よりも低く(小さく)設定したことであり、他の構成は変わらない。
【0160】
換言すれば、現像剤供給回収部材803による現像剤の搬送量と実質的に同じ量の現像剤を第1及び第2撹拌部材805、807で分担して搬送させ、現像剤のスムーズな循環移動を行わせる構成を有する。
【0161】
図から自明のように、現像剤供給回収部材803の回転軸方向における現像剤搬送能力に対して、例えば、第1、第2撹拌部材805の各々の現像剤搬送能力を半分に設定するとともに、両撹拌部材による現像剤の搬送方向を、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に設定することにより、現像剤の循環搬送速度の低下を招くことなく、良好な帯電量をトナーに付与でき、更に、新トナーの現像剤中への迅速な分散ができるので、第1の実施の形態を通して述べたと同じ効果を享受できる。
【0162】
また、図17に示す構成の現像装置においては、第1撹拌部材805の現像剤搬送能力を現像剤供給回収部材よりも低く設定するとともに、現像剤の搬送方向を当該現像剤供給回収部材による搬送方向と同方向に設定し、一方、第2撹拌部材807による現像剤搬送能力を前記現像剤供給回収部材よりも高く設定するとともに、現像剤の搬送方向を逆方向に設定することによって、現像剤の搬送速度を低下せしめることなくスムーズな循環搬送を維持でき、他の実施の形態におけると同じ効果を享受することができる。
【0163】
上記以外の、トナー供給口を含む他の構成は、第1の実施の形態と同じであるので説明は省略する。
【0164】
これら形態の現像装置においても、現像剤のスムーズな循環搬送のために、現像剤受け渡し部に対応する回転部材の部位を羽根車形状とすることが好ましい。
【0165】
なお、前記第2、第3の実施の形態においても、第2撹拌部材807の外径、回転数、周速、仮想断面積等を第1撹拌部材のそれよりも小さくすることができ、撹拌トルクを極力抑制することができる。
【0166】
例えば、第2撹拌部材に使用する螺旋状のリブ(スクリュー)のピッチを現像剤供給回収部材のピッチよりも大きくすることにより大きな搬送能力を得ることができ、また、板状のリブにより撹拌効率を上げることができ、同時に、撹拌トルクの抑制ができる。
【0167】
或いは、例えば、現像剤供給回収部材や第1撹拌部材のスクリューピッチを相対的に小さくすることにより、撹拌トルクを小さい状態に維持することが可能である。
【0168】
次に、第2の実施の形態に係わる画像形成装置について説明する。
【0169】
図18に示す画像形成装置は、転写後の感光体ドラム上から除去したトナーを回収し、最終的に現像装置に戻して再利用するトナーリサイクル手段(トナーリサイクル装置)を有する。
【0170】
また、図18の画像形成装置はモノクロのデジタル複写機からなり、複写機としての基本的な構成、例えば、自動原稿送り装置、画像読み取り部、画像形成部、給紙部、定着装置等を備えてはいるが、これらについては第1の実施の形態に係わる図面及び説明から理解願えるものであり、また、現像装置8も基本的に上述の実施の形態、例えば第1の実施の形態と同じ構成であるので、図では主要部を模式的に示すに止めてある。
【0171】
また、図において、既出の部材(手段)と同じ部材(手段)については同一の参照符号を付してある。
【0172】
図中、310は像担持体である感光体ドラム、320は帯電器、330はレーザ光源を含む露光光学系(書き込み手段)、8は現像装置、350はクリーニング装置、Pは用紙を示す。
【0173】
前記感光体ドラムの回転方向にみて、前記現像装置8と前記クリーニング装置350との間には転写極と分離極とが設けてある。
【0174】
前記クリーニング装置350は、前記感光体ドラム310の表面に対してカウンタ方向に接触するブレード352からなるクリーニング手段を容器351内の上方位置に有するとともに、前記ブレード352により除去されるトナー(以下、リサイクルトナーともいう)を前記感光体ドラムの軸方向であって所定方向(図において手前側)に搬送するスクリューからなる可回転の回収部材353を前記容器351内の下方位置に有している。
【0175】
参照符号9はトナーリサイクル手段で、前記回収部材353により搬送・回収されたリサイクルトナーを受け取り、かつ、前記現像装置8に向けて搬送する、スクリューからなる可回転の搬送手段901(便宜上、二点鎖線で示す)を有する。
【0176】
前記回収部材353及び搬送手段901の基本的形状は図5に示す形状と同じである。
【0177】
前記搬送手段901は円筒状の外枠903(便宜上、二点鎖線で示す)に内蔵されており、また、当該外枠903の先端部には、リサイクルトナーを前記現像装置8内に供給するための開口905が設けられ、当該開口は、現像装置8のカバー812上に設けたリサイクルトナー供給口825とトナー漏れがないように整合されている。
【0178】
前記リサイクルトナー供給口825は、第1の実施の形態における現像装置に絡めて述べたように、第1撹拌部材805と前記第2撹拌部材807とが対向するほぼ中間位置であって、第1撹拌部材805による現像剤の搬送方向にみて、トナー供給口813よりも更に上流側の適宜の位置に対応する前記カバー812上に設けてある。
【0179】
前記現像装置8の長手方向における前記トナー供給口813とリサイクルトナー供給口825との位置関係は、基本的に図2に示すと同じ現像装置の模式図である図19に示されるように一直線上にある。この関係は、現像装置の第2、第3実施の形態でも同じである。
【0180】
両者の間隔は特に制限されるものではないが、トナー供給口よりも5〜30mm程度の上流位置に前記リサイクルトナー供給口825を設けることが実用上好ましい。
【0181】
リサイクルトナーは、現像剤におけるリサイクルトナーの新トナーに対する比率(リサイクルトナー比率)が50質量%以下である状態が維持されるように、その供給量が調整されて供給される。
【0182】
斯様な構成の現像装置により、新トナーに比較して流動性が悪く、また、帯電性が低い傾向にあるリサイクルトナーを現像剤中に迅速に沈み込ませることができ、また、混合撹拌時間を長くすることができるので、リサイクルトナーについても所望の帯電を得ることができ、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生を抑制しうるとともに、画像形成における画像濃度ムラの発生を抑制することができる。
【0183】
具体的には、現像剤が第1撹拌部材805により軸方向に搬送される過程において、現像剤の搬送速度を低下させることなく、第2収納撹拌部816において十分な混合撹拌時間が確保され、トナーが所期の帯電を有する状態にまで帯電された現像剤を、現像剤供給回収部材803により軸方向に対して均一なトナー濃度で現像剤担持体800に供給できる。
【0184】
また、リサイクルトナーが、第1撹拌部材805による現像剤搬送方向にみてトナー供給口813よりも上流側に設けたリサイクルトナー供給口825から導入されるので、帯電性の低いリサイクルトナーを先に現像剤中に分散した後に、新トナーを分散することができるとともに、リサイクルトナーに対する混合撹拌時間を長く確保できる。
【0185】
従って、上記構成の現像装置を備えた画像形成装置においては、印字率が高い画像を連続して出力することにより、大量のトナー消費とリサイクルトナーを含むトナー補給が繰り返し行われた現像剤を用いる場合であって、1分間当たりの画像形成枚数が50枚以上となるような高速のプロセス速度で画像形成が行われる場合でも、かぶりやトナー飛散の発生を抑えることができ、また、画像濃度ムラがなく、均一な濃度を有する高画質画像を形成することができる。
【0186】
なお、トナー供給口813あるいはリサイクルトナー供給口825の位置を表すについて、図16の現像装置を用いる場合は、第1撹拌部材805または第2撹拌部材807による現像剤搬送方向に見て上流側であり、図17の現像装置を用いる場合は、第2撹拌部材による現像剤搬送方向に見て上流側となる。
【0187】
又、第1撹拌部材805と第2撹拌部材の回転方向が、第1の実施の形態における回転方向と同様に、お互いの周面が上から下に向けて移動される方向に軸回転される構成にあることは前述の通りである。
【0188】
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0189】
[回転部材の作製]
下記の如くに、現像剤供給回収部材、第1撹拌部材および第2撹拌部材として用いられる回転部材を作製した。
(回転部材A)
図5に示されるように、左巻きの螺旋状のリブ(スクリュー)を軸部材の外周面に形成するとともに、この螺旋状のリブによる現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる軸部材外周面上に、4つの平板状羽根部材を径方向外方に延びるように設けてパドル形状となし、更に、この回転部材の両端部に、外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0190】
この回転部材Aの諸元は下記の通りである。
【0191】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状のリブのピッチ(p):30mm、螺旋状のリブの厚み:1mm
(回転部材C)
回転部材Aを基に、螺旋状のリブのピッチ(p)を40mmとしたことの他は回転部材Aと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材C2)
回転部材Aを基に、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Aと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材G)
図7に示されるように、左巻きの螺旋状のリブ(スクリュー)を軸部材の外周面に形成するとともに、径方向外方に延びる複数の板状のリブ(垂直羽根)を軸の長手方向に設け、かつ、前記螺旋状のリブによる現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる軸部材外周面上に、4つの平板状羽根部材を径方向外方に延びるように設けてパドル形状となすとともに、この回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0192】
この回転部材Gの諸元は下記の通りである。
【0193】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状のリブのピッチ(p):30mm、螺旋状のリブの厚み:1mm、板状のリブの配置:1ピッチ当たりに1つ(スクリューピッチ間の中央位置)、板状のリブの軸方向における長さ(W):3mm、板状のリブの径方向の長さ(h):8mm、板状のリブの厚み:1mm
(回転部材G2)
回転部材Gを基に、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Gと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材H)
回転部材Gを基に、螺旋状のリブのピッチ(p)を20mmとしたことの他は回転部材Gと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材I)
図8に示されるように、左巻きの螺旋状のリブ(スクリュー)を軸部材の外周面に形成するとともに、径方向外方に延びる複数の板状のリブ(垂直羽根)を軸の長手方向に設け、かつ、前記螺旋状のリブによる現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる軸部材外周面上に、4つの平板状羽根部材を径方向外方に延びるように設けてパドル形状となすとともに、この回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0194】
この回転部材Iの諸元は下記の通りである。
【0195】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状のリブのピッチ(p):30mm、螺旋状のリブの厚み:1mm、板状のリブの配置:1ピッチ当たりに等間隔で4つ、板状のリブの軸方向における長さ(W):12mm、板状のリブの径方向の長さ(h):8mm、板状のリブの厚み:1mm
(回転部材I2)
回転部材Iを基に、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Iと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材M)
図10に示されるように、左巻きの螺旋状のリブ(スクリュー)を軸部材の外周面に形成するとともに、当該螺旋状のリブの外周縁上に、軸方向に切れ目なく延びる板状のリブを設け、かつ、前記螺旋状のリブによる現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる軸部材外周面上に、4つの平板状羽根部材を径方向外方に延びるように設けてパドル形状となすとともに、この回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0196】
この回転部材Mの諸元は下記の通りである。
【0197】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状のリブのピッチ(p):30mm、螺旋状のリブの厚み:1mm、板状のリブの配置:周方向において等間隔の4箇所、板状のリブの径方向の長さ(t):3mm、板状のリブの厚み:1mm
(回転部材Q)
図11に示されるように、軸の周方向における等分4箇所から、径方向外方および軸の長手方向に延びる板状のリブ(平板状の羽根部材)を設け、十字パドルとした構成からなる回転部材。
【0198】
この回転部材Qの諸元は下記の通りである。
【0199】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、板状のリブの径方向の長さ(h):9mm、板状部材の厚み:1mm
(回転部材Q2)
回転部材Qにおいて、軸部材径を8mmと大きくするとともに、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Qと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材S)
図6に示されるように、軸方向に楕円形状を有する複数の板状部材を配列した構成を有し、かつ、回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0200】
この回転部材Sの諸元は下記の通りである。
【0201】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、板状部材の厚み:1mm、板状部材の軸に対する取り付け角度45°、板状部材の配置ピッチ:25mm
(回転部材S2)
回転部材Sを基に、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Sと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材T)
図12に示されるように、楕円形状を有する複数の板状部材を軸方向に配列し、かつ、周方向において等間隔に、軸方向に切れ目なく延びる板状のリブを設けるとともに、回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0202】
この回転部材Tの諸元は下記の通りである。
【0203】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、板状部材の厚み:1mm、板状部材の軸に対する取り付け角度:45°、板状部材の配置ピッチ:25mm、板状のリブの径方向長さ(t):3mm、板状のリブの厚み:1mm、板状のリブの取り付け箇所:4箇所(周方向において等間隔)
(回転部材T2)
回転部材Tを基に、最大外径を22mmと小さくしたことの他は回転部材Tと同様の構成を有する回転部材。
(回転部材W)
図14に示されるように、軸部材に垂直な平面に対して互いに異なる方向に傾斜するように複数の半楕円形状からなる板状部材を設けて構成した第1の撹拌部と第2の撹拌部とを有するとともに、この回転部材の両端部に外形寸法が24mmの円板状のフランジ部材Fを設けた構成とした回転部材。
【0204】
この回転部材Wの諸元は下記の通りである。
【0205】
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ:440mm、軸部材の外径:6mm、板状部材の厚み:1mm、第1の撹拌部を構成する板状部材の軸に対する取り付け角度(α1):+45°、第2の撹拌部を構成する板状部材の軸に対する取り付け角度(α2):−45°、板状部材の配置ピッチ:25mm
<実験例1>
[現像装置の作成]
図2乃至図4に示される配置構成に従って、現像剤供給回収部材、第1撹拌部材および第2撹拌部材が下記表1に示す回転部材により構成された本発明に係わる現像装置1〜13と比較用の現像装置14〜16を作製した。
【0206】
現像剤担持体(現像スリーブ)は外径が30mm、軸方向長さが330mm(磁気ブラシ形成幅320mm)である。
【0207】
なお、前記現像装置の各々におけるトナー供給口の形成位置は、第1撹拌部材と第2撹拌材とが互いに対向する部分(長手方向に直交する断面でみたとき、両部材の真ん中)の上方位置であって、例えば、図2に示す実施の形態においては、第1撹拌部材による現像剤搬送方向における上流側の端縁から15mm下流の位置である(図16に示す現像装置においては、第1或いは第2撹拌部材による現像剤の搬送方向において上流側の端縁から15mm下流の位置であり、図17に示す実施の形態においては、第2撹拌部材による現像剤の搬送方向において上流側の端縁から15mm下流の位置である)。
【0208】
現像剤としては、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーの各々に係わる現像剤のいずれのものもトナー濃度が7質量%である二成分現像剤を用いた。
【0209】
上記トナーは、いずれのものも体積平均粒径が4.5±0.15μm、粒径分布の標準偏差(a)と平均粒径(b)により示されるCV値[a/b×100%]が18±2%である各色の重合トナーに、大粒径シリカ0.8質量%、小粒径シリカ0.2質量%、大粒径チタニア0.2質量%、小粒径チタニア0.4質量%、ステアリン酸カルシウム0.05質量%を外添処理したものを用いた。
【0210】
上記キャリアは、前記各々のトナーに係わるいずれの現像剤のものにおいても、体積平均粒径が25μm、飽和磁化60emu/gのフェライト粒子の表面に、アクリル系樹脂をフェライト粒子に対する被覆量が3質量%となる状態でコーティングしたものを用いた。
【0211】
前記現像装置1〜16の各々を適宜の駆動機に装着するとともに、現像剤供給回収部材、第1撹拌部材および第2撹拌部材の回転量を下記表1の如くに設定し、現像剤移動量を測定した。
【0212】
結果は下記表1に示される。
【0213】
なお、現像剤移動量の測定は、現像剤供給回収部材により搬送される単位時間当たりの現像剤を、ハウジング底面に設けた現像剤排出口から排出させ、その質量を測定することにより行った。
【0214】
なお、表1において、「第1/第2対向部分における移動方向」は、第1撹拌部材と第2撹拌部材との近接対向位置でみたときの両撹拌部材の移動方向を示す。
【0215】
更に、例えば、現像装置1〜16における第1撹拌部材の回転数を2種類表示してあるが、300rpmはカラー画像形成における回転数、400rpmはモノクロ画像形成における回転数であり、それぞれが、後述する表2、表3に関係する。
【0216】
現像剤供給回収部材と第1撹拌部材との回転数はすべて同じ回転数に設定してあるが、第2撹拌部材の回転数は若干異なる設定になっている。
【0217】
【表1】

【0218】
[画像形成装置]
図1に示される構成に従って、前記現像装置1〜16のそれぞれが搭載されたカラー画像形成用の画像形成装置を製造し、画像出力テストを下記の画像形成条件で行った。
【0219】
画像形成条件は、各色トナー像に係わる画像形成ユニットのいずれについても同じに設定した。
<画像形成条件>
・プロセス速度(V):220mm/sec(1分間当たりの画像形成枚数が50枚) ・現像剤担持体(現像スリーブ)の回転数:210から280rpmの範囲内で調整して、感光体ドラム上の単位面積当たりのトナー付着量(M)が0.4mg/cm2となる状態とした。
【0220】
・感光体ドラムと現像スリーブとの最近接距離:0.3mm
・現像バイアス:交流バイアス(AC)成分と直流バイアス(DC)成分を重畳したバイアス
・交流バイアス成分:Vac=1kVpp、fac=5kHz、波形=正弦波
・直流バイアス成分:感光体ドラムにおける最大露光部の表面電位VLの検知結果に応じて、Vdc=VL−500Vとなる状態に制御した。
【0221】
・現像スリーブによる現像剤搬送量:25±2mg/cm2
・現像スリーブの軸方向における磁気ブラシの形成幅:320mm
・トナー補給制御:第1撹拌部材による現像剤搬送方向からみて下流側の端縁から80mm上流側の位置にトナー濃度センサ(透磁率センサ)を設け、その検知結果に応じてトナー補給モータを駆動制御した。
【0222】
・トナー補給速度:最大30g/min
・感光体表面電位:最大露光部電位(VL):−50V〜−100V
帯電電位(VH):現像バイアスにおける直流バイアス成分の設定値に応じてVH=Vdc−150Vとなる状態に制御した。
【0223】
画像出力テストは、下記(1)〜(6)の画像出力を10回繰り返し(トータルとして、A4×5000枚)、文字/ラインパターンのかぶり発生の有無、文字散り発生の有無、ソリッドパターンの濃度ムラ発生の有無、機内汚れ発生の有無の評価を、下記の評価基準に基づいて行った。結果を下記の表2に示す.
(1)シアン(C)単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(印字率30%)を連続して50枚出力。
(2)シアン(C)単色のソリッドパターン(印字率80%)を連続150枚出力。
(3)シアン(C)単色の文字/ラインパターン(印字率7%)を連続して50枚出力。(4)青(マゼンタ(M)+シアン(C))単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(M、Cとも印字率30%)を連続して50枚出力。
(5)青単色のソリッドパターン(M、Cとも印字率80%)を連続して150枚出力。(6)青(マゼンタ(M)+シアン(C))単色の文字/ラインパターン(M、Cとも印字率7%)を連続して50枚出力。
【0224】
<評価基準>
(イ)画像のかぶり:
画像のかぶりは、未使用の用紙の反射濃度を0としたときの、文字/ラインパターン白地部の相対反射濃度を測定し、相対反射濃度が0.004以下である場合を「○」、相対反射濃度が0.004を超え、0.006以下である場合を「△」、相対反射濃度が0.006を超える場合を「×」として評価した。
(ロ)文字散り:
文字散りは、4ポイントの「鐘」という文字を拡大して観察したときの文字輪郭のシャープさ及び文字の滲み度合いの状態を評価した。
【0225】
そして、「鐘」の文字の空間部がすっきりと抜けていて文字の輪郭が明瞭であり、また、文字周辺部のトナー散りも極めて少ない場合を「○」、「鐘」の文字の空間部がやや潰れている(トナー散りでやや埋まっている)けれども、文字周辺部のトナー散りが少ない場合を「△」、「鐘」の文字の空間部が潰れており(トナー散りで埋まっている)、しかも、文字周辺部のトナー散りが多く、文字の輪郭が滲んでいる場合を「×」とした。
(ハ)画像濃度ムラ:
画像濃度ムラは、シアン単色のソリッドパターンまたは青単色のソリッドパターンのページ内における任意の9カ所における色差(L***空間での距離)で評価した。
【0226】
シアン単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が3以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が7以下である場合を「○」、シアン単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が3を超え、5以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が7以下である場合、または、シアン単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が3以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が7を超え、9以下である場合を「△」、シアン単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が3を超え、かつ、青単色のソリッドパターンについての9カ所の色差が9を超える場合を「×」とした。
(ニ)機内汚れ:
機内汚れは、画像出力終了後に現像装置を取り外し、現像装置装着部近傍の汚れの状態を目視観察して評価した。
【0227】
そして、機内汚れが認められない場合、または、現像装置装着部のみに極軽微な汚れがみられる場合を「○」、現像装置装着部近傍(例えば、両端部等)に僅かなよごれが認められる場合を「△」、現像装置装着部の汚れが周辺部(例えば、帯電器等)にまで拡大している場合を「×」とした。
【0228】
なお、表2における現像装置番号は、表1における現像装置番号と対応しており、また、後述する表3の現像装置番号とも対応づけてある。
【0229】
【表2】

【0230】
<実験例2>
[現像装置の作製]
実験例1で用いた前記現像装置の各々において、第1撹拌部材(実施の形態によっては第2撹拌部材)による現像剤の搬送方向におけるトナー供給口よりも8mm上流側の位置にリサイクルトナー供給口を形成した現像装置1〜16を作製した。
【0231】
図18に示される構成において、前記現像装置1〜16の各々が搭載された、トナーリサイクル手段を有するモノクロ画像形成用の画像形成装置1〜16を製造した。
【0232】
トナーリサイクル手段は、リサイクルトナーを現像装置に搬送するための搬送手段が、単位時間当たりのトナー搬送量が最大で30g/minであるものにより構成される。
【0233】
そして、画像形成装置のプロセス速度を320mm/sec(1分間当たりの画像形成枚数が65枚)に設定するとともに、現像剤供給回収部材および第1撹拌部材の回転速度を400rpmに設定し、かつ、表1において、前記回転数の欄を横に追っていったときの当該欄と同欄に示される回転数を第2撹拌部材の回転数とし、実験例1の黒(BK)トナー像にかかわる画像形成ユニットと同様の画像形成条件下で、下記(7)〜(9)の画像出力を20回繰り返して行う(トータルとして、A4×5000枚)画像出力テストにより、文字/ラインパターンのかぶり発生の有無、文字散り発生の有無、及び、機内汚れ発生の有無の評価を前述した評価基準に基づいて行うとともに、ソリッドパターンの画像濃度ムラ発生の有無の評価を下記評価基準に基づいて行った。結果を下記表5に示す。
(7)黒(BK)単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(印字率30%)を連続して50枚出力。
(8)黒(BK)単色のソリッドパターン(印字率80%)を連続して150枚出力。
(9)黒(BK)単色の文字/ラインパターン(印字率7%)を連続して50枚出力。
<評価基準>
画像濃度ムラは、黒(BK)ソリッドパターンのページ内における任意の9カ所の相対反射濃度を測定し、全箇所の相対反射濃度が1.3以上であり、かつ、最大値と最小値との差が0.1以下である場合を「○」、相対反射濃度の最小値が1.2以上1.3未満であり、かつ、最大値と最小値との差が0.1以下である場合を「△」、相対反射濃度の最小値が1.2未満、または、最大値と最小値との差が0.15を超える場合を「×」とした。
【0234】
【表3】

【0235】
以上の結果から明らかなように、本発明に係わる画像形成装置によれば、大量のトナー消費とリサイクルトナーを含むトナー補給が繰り返し行われた現像剤が用いられる場合でもあっても、現像剤の十分な帯電立ち上がり特性を得ることができる。
【0236】
また、画像かぶり、文字散り、画像濃度ムラ等の画像欠陥の発生を抑制できるとともに、トナー飛散による機内汚れの発生を低下せしめ、高画質画像を形成することができる。
【0237】
これに対して比較用の画像形成装置においては、画像かぶり、文字散り、画像濃度ムラ、機内汚れの少なくとも一つ以上の問題が発生しており、高画質画像の形成を確実に得ることが困難である。
【0238】
特に、トナーリサイクル手段を備えた画像形成装置において、回転部材の回転速度を高くして(例えば650rpm)十分な現像剤の移動速度を得、これにより、軸方向に対する画像濃度ムラの発生を抑制する構成とした場合、撹拌トルクが大幅に増加したことにより画像出力テストを中止せざるをえず、出力画像を得ることができなかった。この原因を調査した結果、軸部に現像剤が融着し始めていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0239】
【図1】本発明に係わる画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係わる現像装置の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】図2におけるB−B断面図である。
【図5】撹拌部材の第1例を示す模式図である。
【図6】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図7】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図8】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図9】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図10】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図11】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図12】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図13】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図14】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図15】撹拌部材の他の例を示す模式図である。
【図16】現像装置の第2の実施の形態を示す模式図である。
【図17】現像装置の第3の実施の形態を示す模式図である。
【図18】画像形成装置の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図19】トナー供給口とリサイクルトナー供給口との位置関係を説明するための現像装置の模式図である。
【符号の説明】
【0240】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り部
3 画像形成部
4 ベルトユニット
5 給紙部
6 反転排紙・再給紙部
8 現像装置
800 現像剤担持体
803 第1撹拌部材
805 第2撹拌部材
807 第3撹拌部材
809 現像剤供給回収手段(現像剤供給回収部材)
810 ハウジング
812 カバー
813 トナー供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向に対して逆方向にほぼ同じ量の現像剤を搬送することができる、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力を有さない第2撹拌部材と、前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りであって当該回転軸に対して同方向に傾斜して設けた複数の板状部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも小さく設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項8】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を有し、当該現像剤供給回収部材による現像剤の搬送方向と逆方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記第1撹拌部材とほぼ同じか、または、第1撹拌部材よりも低い現像剤搬送能力を有し、かつ、前記第1撹拌部材の現像剤搬送方向と同方向に現像剤を搬送する第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第1撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項11】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、当該回転軸に対して第1の方向に傾斜して設けられた複数の第1の板状部材と、第2の方向に傾斜して設けられた第2の板状部材とを有することを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項7乃至請求項11の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項13】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の外径を、前記第1撹拌部材の外径よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項14】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の回転数を、前記第1撹拌部材の回転数よりも低く設定するとともに、前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項15】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の周速を、前記第1撹拌部材の周速よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項16】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の長手方向に隣接し、かつ、現像剤を回転軸方向に搬送することができる、現像剤供給回収部に設けられた現像剤供給回収部材と、
前記現像剤供給回収部材の長手方向に隣接し、かつ、前記現像剤供給回収部材による現像剤の搬送能力よりも低い現像剤搬送能力を以て前記現像剤供給回収部材の搬送方向と同方向に現像剤を搬送する、現像剤撹拌部に設けられた第1撹拌部材と、
前記現像剤担持体に対して前記第1撹拌部材よりも遠い側において当該第1撹拌部材の長手方向に隣接し、かつ、回転軸方向における現像剤搬送能力が前記現像剤供給回収部材よりも高く、かつ、当該現像剤供給回収部材と逆方向に現像剤を搬送する、第2撹拌部材と、
前記現像剤担持体、現像剤供給回収部材、前記第1撹拌部材、及び、前記第2撹拌部材を可回転に軸支して収納するハウジングと、
前記ハウジングの上部に設けたカバーとを備えた現像装置であって、
前記第2撹拌部材の仮想断面積を、前記第1撹拌部材の仮想断面積よりも低く設定するとともに、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とを、両者の対向近接点でみて、周面が上方から下方に向けて移動可能となし、かつ、
前記第1撹拌部材と前記第2撹拌部材とが対向する部分であって、第2撹拌部材による現像剤搬送方向にみて、上流側に対応した領域の前記カバー上に、トナー供給用のトナー供給口を設けた、
ことを特徴とする現像装置。
【請求項17】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、当該回転軸に対して第1の方向に傾斜して設けられた複数の第1の板状部材と、第2の方向に傾斜して設けられた第2の板状部材とを有することを特徴とする請求項13乃至請求項16の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項18】
前記第2撹拌部材は、回転軸の周りに、または、回転軸と間隙を以て当該回転軸方向に設けられた板状のリブを有することを特徴とする請求項13乃至請求項17の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項19】
前記現像剤担持体と現像剤供給回収部材とは、両者の対向近接点でみて、周面が逆方向に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項20】
トナーの体積平均粒径をDt[μm]、キャリアの体積平均粒径をDc[μm]としたとき、
Dt=3〜5
Dc=5・Dt〜10・Dt
のトナーとキャリアとを含む現像剤を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項19の何れか1項に記載の現像装置。
【請求項21】
像担持体と、前記像担持体上に静電荷潜像を形成する静電荷潜像形成手段と、前記静電荷潜像を現像してトナー像とする現像手段とを有する画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1乃至請求項20の何れか1項に記載の現像装置を用いるとともに、
像担持体の移動速度をV[mm/sec]、像担持体上に形成するトナー像の単位面積当たりの最大付着量をM[mg/cm2]、像担持体の移動方向に直交する方向のトナー像の最大幅をL[mm]、現像剤供給回収部材による現像剤担持体の回転軸方向における現像剤移動量をWo[g/sec]、現像剤供給回収部材の回転数をR[rpm]としたとき
Wo≧M・V・L/1000
R≦600
とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
像担持体と、前記像担持体上に静電荷潜像を形成する静電荷潜像形成手段と、前記静電荷潜像を現像してトナー像とする現像手段と、前記像担持体上のトナー像を転写材または中間転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段と、クリーニング手段により前記像担持体の表面から除去されたトナーを前記現像手段に供給してリサイクルするトナーリサイクル手段とを有する画像形成装置において、
前記現像手段として請求項1乃至請求項20の何れか1項に記載の現像装置を用いるとともに、当該現像装置のカバー上であって、第1撹拌部材と第2撹拌部材との間に対応する位置に、リサイクルトナー供給用のリサイクルトナー供給口を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
前記リサイクルトナー供給口は、現像剤撹拌部における現像剤の総体的な移動方向(循環移動方向)にみて、トナー供給口よりも上流側にあることを特徴とする請求項22に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−58609(P2006−58609A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240539(P2004−240539)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】