説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止する。
【解決手段】開口部84を開く場合、軸部96から最も離れた位置で接触部98が開閉部材85に接触するように、制御部62は、軸部96を中心にして接触部98を回転させる。開閉部材85が付勢部材93の付勢に抗して接触部材94に押されることにより、開口部84が略全て開かれ、現像剤収容器80内の現像剤は現像ロール68に供給される。接触部材94が所定量の回転すると、接触部98の開閉部材85に対する接触位置が変化し、開口部84が約半分閉じられ、現像剤収容器80内の現像剤の上面と、磁石90の引付極との間に開閉部材85が位置することとなり、現像剤の供給は遮断される。接触部材94がさらに回転すると、開閉部材85は、軸部96に最も近い位置で接触部98に接触し、付勢部材93の付勢によって開口部84を閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、1つの現像スリーブと独立的に制御可能な複数の現像粉供給装置を備えた磁気ブラシ現像装置を開示する。特許文献2は、潜像担持体に近接させて配置した現像スリーブと、複数個の現像粉収納容器と、各容器毎にマグネットロールを配設された磁気ブラシ現像装置を開示する。特許文献3は、現像剤収容タンクが複数の種類の現像剤を収容し、現像スリーブと搬送スリーブがそれぞれ1つずつ設けられた多色現像装置を開示する。特許文献4は、回転することによって現像スリーブへ現像剤を送り出すローラと、このローラが停止した場合に現像スリーブのまわりの現像剤を回収する回収部材を有する現像装置を開示する。特許文献5は、現像器に現像液と洗浄液とを交互に循環可能とした液体現像装置を開示する。
【0003】
【特許文献1】特開昭54−73646号公報
【特許文献2】特開昭54−124733号公報
【特許文献3】特開昭61−020961号公報
【特許文献4】特開昭61−201271号公報
【特許文献5】特開平5−158321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、現像剤を像保持体に供給する現像ロールと、回転軸を中心にして回転する回転体と、この回転体に設けられ、前記現像ロールに供給する複数色の現像剤を個別に収容する複数の現像剤収容部とを具備し、前記現像剤収容部は、前記現像ロールに現像剤を供給するための開口部が設けられた現像剤収容部本体と、前記開口部を変位によって開閉する開閉部材とを有し、前記開閉部材は、現像剤を供給可能なように前記開口部を開いた状態、現像剤の供給を遮断するように前記開口部の一部を閉じた状態及び前記開口部を閉じた状態を少なくとも維持可能に変位する現像装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記開閉部材は、前記回転体の回転に応じて前記開口部を開閉するように変位する請求項1記載の現像装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、像保持体と、この像保持体に現像剤を供給する現像ロールと、回転軸を中心にして回転する回転体と、この回転体に設けられ、前記現像ロールに供給する複数色の現像剤を個別に収容する複数の現像剤収容部とを具備し、前記現像剤収容部は、前記現像ロールに現像剤を供給するための開口部が設けられた現像剤収容部本体と、前記開口部を変位によって開閉する開閉部材とを有し、前記開閉部材は、現像剤を供給可能なように前記開口部を開いた状態、現像剤の供給を遮断するように前記開口部の一部を閉じた状態及び前記開口部を閉じた状態を少なくとも維持可能に変位する画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記開閉部材は、前記回転体の回転に応じて前記開口部を開閉するように変位する請求項3記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記開閉部材に直接又は間接的に接触可能な接触部材をさらに有し、前記開閉部材は、該開閉部材に直接又は間接的に接触する前記接触部材の接触位置が変化することによって開閉する請求項3又は4記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる。
【0011】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる。
【0012】
請求項3に係る本発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる。
【0013】
請求項4に係る本発明によれば、請求項3に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる。
【0014】
請求項5に係る本発明によれば、請求項3又は4に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で生産性を低下させることなく、混色を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の背面側(図1において右側)に例えば1段の給紙ユニット14が配置されている。
【0016】
給紙ユニット14は、用紙が収容される給紙カセット16を有する。給紙カセット16の上部には、給紙カセット16から用紙を取り出す取り出しロール18が配置され、この取り出しロール18の前方に供給ロール20及び捌きロール22が配置されている。
【0017】
供給ロール20は、図示しない駆動部によって駆動され、用紙を後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。捌きロール22は、供給ロール20に対して圧接され、供給ロール20の回転に応じて回転可能にされており、供給ロール20とともに用紙を1枚ずつ後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。
【0018】
搬送路24は、供給ロール20から排出口26までの用紙通路であり、この搬送路24は、画像形成装置本体12の上部にあって、給紙ユニット14から排出口26まで略水平に形成されている。この搬送路24の定着装置28の上流側に後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とが配置され、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54の上流側にレジストロール30が配置されている。また、搬送路24の排出口26の近傍には排出ロール32が配置されている。
【0019】
したがって、給紙ユニット14の給紙カセット16から取り出しロール18により取り出された用紙は、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一時停止され、タイミングをとって後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間を通って現像剤像が転写され、この転写された現像剤像が定着装置28により定着され、排出ロール32により排出口26から排出される。
【0020】
画像形成装置本体12には、例えば略中央部に現像装置34が配置されている。現像装置34は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色の現像剤により、後述する像保持体36が保持する静電潜像を可視化する。
【0021】
現像装置34には、例えば感光体からなる像保持体36が画像形成装置10の正面側(図1において左側)の上方から接触するように配置されている。像保持体36の背面側には、該像保持体36を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置38が設けられている。つまり像保持体36には、現像バイアスがかけられている。また、像保持体36には、該像保持体36の回転方向の帯電装置38よりも上流側に像保持体用クリーナ40が当接している。像保持体用クリーナ40は、例えば一次転写後に像保持体36に残留する現像剤を掻き取る。
【0022】
現像装置34の上方には、帯電装置38により帯電された像保持体36に、レーザ光などの光線により潜像を書き込む露光装置42が配置されている。また、像保持体36の正面側には、現像装置34によって可視化された現像剤像を一次転写位置で一次転写され、後述する二次転写位置まで搬送する中間転写装置44が設けられている。
【0023】
中間転写装置44は、例えば中間転写ベルトなどの中間転写体46、一次転写ロール48、支持ロール50,52、二次転写位置で二次転写ロール60に対向し、中間転写体46を支持する二次転写バックアップロール54、テンションロール56,58から構成される。中間転写体46は、一次転写ロール48の上流に配置された支持ロール50と、一次転写ロール48の下流に配置された支持ロール52との間で像保持体36にラップ状に当接する一次転写部を有し、像保持体36に所定の範囲だけ巻きついて、像保持体36の回転に従って回転する。テンションロール56,58は、中間転写体46に所定の張力を与えている。そして、中間転写体46は、一次転写ロール48によって像保持体36上の現像剤像を例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写された現像剤像を後述する二次転写ロール60に向けて搬送する。
【0024】
中間転写装置44の二次転写バックアップロール54には、搬送路24を挟んで二次転写ロール60が配置されている。つまり、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間が二次転写位置となっており、二次転写ロール60は、二次転写バックアップロール54の補助により、中間転写体46に一次転写された現像剤像を二次転写位置で用紙に二次転写する。ここで、二次転写ロール60は、中間転写体46が3回転する間、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤像を搬送する間は中間転写体46から離間しており、黒の現像剤像が転写されると中間転写体46に当接するようにされている。なお、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間には、所定の電位差が生じるようにされており、例えば二次転写ロール60を高電圧にした場合には、二次転写バックアップロール54はグランド(GND)などに接続される。
【0025】
搬送路24の二次転写位置の下流には、定着装置28が配置されている。定着装置28は、加熱ロールと加圧ロールとを有し、二次転写ロール60及び二次転写バックアップロール54により用紙に二次転写された現像剤像を用紙に定着させ、排出ロール32に向けて搬送する。
【0026】
また、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御部62が設けられている。
【0027】
次に現像装置34について詳述する。
図2において、現像装置34が示されている。現像装置34は、現像装置本体66、現像ロール68及び層厚規制部材70を有する。
【0028】
現像装置本体(回転体)66は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の現像剤をそれぞれ収容する現像剤収容器80a〜80dが設けられており、回転軸82を中心として例えば反時計回り(図2において左回り)に回転可能にされ、現像剤収容器80a〜80dが回転軸82を中心とした現像剤収容器切り換え経路に沿って順次に現像ロール68に対向する位置に移動するようにされている。
【0029】
現像剤収容器80a〜80dは、現像ロール68に供給する上述した4色の現像剤を個別に収容する現像剤収容部本体83a〜83dを有し、この現像剤収容部本体83a〜83dには現像ロール68に現像剤を供給するための開口部84a〜84dが設けられている。また、現像剤収容部本体83a〜83dは、変位することによって開口部84a〜84dを開閉する開閉部材85a〜85dと、内部に配置される第1の攪拌搬送部材86a〜86d及び第2の攪拌搬送部材88a〜88dとが設けられている。
【0030】
また、現像剤収容器80a〜80dは、例えば、現像装置本体66の回転に応じて、開口部84a〜84dが正面側(図2において左側)の上方を向いたまま現像剤収容器切り換え経路に沿って移動し、現像ロール68に対向する現像剤供給回収位置に移動した場合に、開閉部材85a〜85dが変位して開口部84a〜84dが開くようにされている(図4などを用いて後述)。
【0031】
第1の攪拌搬送部材86は、例えば螺旋形状の部材であって反時計回り(図2において左回り)に回転し、現像剤を攪拌しつつ第2の攪拌搬送部材88へ搬送する。第2の攪拌搬送部材88は、例えば螺旋形状の部材であって反時計回りに回転し、現像剤を攪拌するとともに、現像剤供給回収位置に現像剤収容器80が移動した場合に現像剤を現像ロール68に供給する。また、第1の攪拌搬送部材86及び第2の攪拌搬送部材88は、現像剤を攪拌しつつ搬送し、現像剤収容器80内で循環させている。そして、現像剤収容器80が現像剤供給回収位置に移動すると、現像剤収容器80内の現像剤が現像ロール68に供給されるとともに、現像ロール68に残留する現像剤が現像ロール68から現像剤収容器80に回収されるようになっている。
【0032】
なお、現像剤収容器80a〜80dが収容している現像剤は、例えば非磁性トナー及び磁性キャリアを有する2成分現像剤であり、第1の攪拌搬送部材86a〜86d及び第2の攪拌搬送部材88a〜88dによって攪拌されることにより、磁性キャリアの周囲に非磁性トナーが付着するようにされている。
以下、現像剤収容器80a〜80dなど複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「現像剤収容器80」などと略記することがある。
【0033】
現像ロール68は、軸方向に延びたN極及びS極を複数備えて固定された略円柱状の磁石90と、この磁石90を内部に収容して例えば反時計回り(図2において左回り)に回転し、該磁石90の磁力に応じて現像剤を周方向に搬送するスリーブ92とを有する。磁石90には、像保持体36に対向して配置されて現像ロール68上の現像剤を像保持体36へ供給する磁極(現像極)と、現像剤収容器80側上部に配置されて現像剤収容器80から現像剤を引き付ける磁極(引付極)と、現像剤収容器80側下部に配置されて現像剤を反発させる磁極(剥離極:例えば隣接する2つのS極)とが設けられている。
層厚規制部材70は、現像ロール68の表面に付着した(現像ロール68が保持した)現像剤の層厚を規制する。
【0034】
次に、現像ロール68への現像剤の供給と、現像ロール68からの現像剤の回収について説明する。
現像剤収容器80の現像剤供給回収位置は、上述したように、現像剤収容器80が現像装置本体66の回転に応じて移動する現像剤収容器切り換え経路上で現像ロール68に対向するように移動した位置である。現像剤収容器80が現像剤供給回収位置に移動すると、開閉部材85が変位することにより、開口部84が開かれるようにされている。
また、現像剤収容器80が現像剤供給回収位置に移動した場合に、現像剤の上面までの距離が、現像剤を引き付けるように引付極の磁力が作用する距離以下になり、現像剤収容器80内の現像剤が引付極の磁力によってスリーブ92の表面に付着する。つまり、現像剤収容器80に収容された現像剤が現像ロール68に供給される。
【0035】
現像ロール68に供給された現像剤は、上述した磁石90の現像極の作用によって像保持体36へ供給される。また、スリーブ92の表面に残留する現像剤は、上述した磁石90の剥離極の作用によって剥離され、現像剤収容器80に回収される。
なお、現像剤収容器80から現像ロール68へ現像剤を供給する現像剤収容器80の現像剤供給位置と、現像剤収容器80から現像ロール68への現像剤の供給を遮断する現像剤収容器80の現像剤供給遮断位置と、現像ロール68から現像剤収容器80へ現像剤を回収する現像剤収容器80の現像剤回収位置とは、現像装置本体66の回転の停止位置を制御することによって異なるようにされてもよい。
【0036】
次に、開閉部材85を変位させて開口部84を開閉する機構の第1の実施例について説明する。
図3は、開閉部材85を変位させる機構の第1の実施例と現像剤収容器80の周辺とを示す側面図であって、(A)は開口部84を開いた状態(現像時)を示し、(B)は現像ロール68への現像剤の供給を遮断した状態を示し、(C)は開口部84を閉じた状態(非現像時など)を示す側面図である。
開閉部材85は、例えば現像剤収容器80に設けられたバネなどの付勢部材93により、背面側(図3において右側)上方から開口部84を閉じる方向に付勢され、例えば軸方向両端それぞれで接触部材94が接触するようにされている。接触部材94は、例えば円柱状の軸部96を回転軸として回転又は揺れ動く円柱状の接触部98を備えたカムである。接触部98の軸方向の中心は、軸部96の軸方向の中心から外れている。
【0037】
図3(A)に示すように、開口部84を開く場合、軸部96から最も離れた位置で接触部98が開閉部材85に接触するように、制御部62は、軸部96を中心にして接触部材94を回転させる。開閉部材85が付勢部材93の付勢に抗して接触部材94に押されることにより、開口部84が略全て開かれ、現像剤収容器80内の現像剤は現像ロール68に供給される。
【0038】
図3(B)に示すように、接触部材94が図3(A)に示した状態から軸部96を中心に例えば反時計回り(図3において左回り)に約90°回転すると、接触部98の開閉部材85に対する接触位置が変化し、開閉部材85が付勢部材93の付勢によって開口部84を例えば約半分閉じる。開口部84が約半分閉じられると、現像剤収容器80に収容された現像剤の上面と、上述した磁石90の引付極との間に開閉部材85が位置することとなり、現像剤収容器80から現像ロール68への現像剤の供給は遮断される。
なお、現像ロール68から像保持体36へ現像剤が供給された後に、現像ロール68に残留する現像剤は、開口部84が略全て開かれている間、及び現像ロール68への現像剤の供給が遮断されるように開口部84の約半分が閉じられている間に、現像剤収容器80に回収される。
【0039】
図3(C)に示すように、接触部材94が図3(B)に示した状態から軸部96を中心に例えば反時計回り(図3において左回り)に約90°回転すると、開閉部材85は、軸部96に最も近い位置で接触部98に接触し、付勢部材93の付勢によって開口部84を閉じる。
【0040】
なお、接触部材94は、現像剤収容器80a〜80dに対して個々に設けられてもよいし、画像形成装置本体12側の現像剤供給回収位置の周辺に1つ設けられてもよい。
【0041】
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
画像形成信号が送られると、像保持体36が帯電装置38により一様に帯電され、この帯電された像保持体36には、画像信号に基づいて露光装置42から光線が出射される。露光装置42からの光線は、像保持体36の表面を露光し、静電潜像が形成される。
【0042】
像保持体36に保持された静電潜像は、現像剤の色ごとに現像装置34により現像され、中間転写体46に一次転写される。そして、中間転写体46上で各色の現像剤像が重ね合わされて、カラー画像が形成される。
ここで、現像ロール68には、現像剤収容器80a〜80dからイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の現像剤がそれぞれ供給される。そして、現像ロール68に過剰に供給された現像剤は、現像ロール68に次の色の現像剤が供給される前に同じ色の現像剤収容器80に回収される。また、現像剤収容器80a〜80dは、現像ロール68による1つの色の現像が終わるごとに、現像ロール68への現像剤の供給を遮断する。一次転写において、像保持体36に残留する廃現像剤は、像保持体用クリーナ40によって掻き取られ、回収される。
【0043】
一方、給紙信号等により、給紙カセット16に収容された用紙は、取り出しロール18により取り出され、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一次停止され、タイミングをとって二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれる。用紙が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれると、中間転写体46に一次転写されている現像剤像が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とによって用紙に二次転写される。
【0044】
現像剤像を転写された用紙は、定着装置28に導かれ、加熱ロールと加圧ロールとによって現像剤像を定着される。現像剤像が定着した用紙は、排出ロール32により排出口26から排出される。
【0045】
次に、開閉部材85を変位させて開口部84を開閉する機構の第2の実施例について説明する。
図4は、開閉部材85を変位させて開口部84を開閉する機構の第2の実施例を示す側面図である。なお、図4において、図2に示した構成部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
開閉部材85は、図示しないバネなどの付勢部材により、背面側(図4において右側)上方から開口部84を閉じる方向に付勢されている。
また、現像ロール68の例えば軸方向両端近傍には、開閉部材85に対する接触位置に応じて開閉部材85の移動を規制する移動規制部100が設けられている。
【0046】
現像装置本体66が回転することにより、現像剤収容器80が移動して現像剤供給回収位置に近づくと、移動規制部100は、開閉部材85に接触して開閉部材85の移動を規制する。移動規制部100に開閉部材85が接触した後に現像装置本体66が回転し続けると、開閉部材85の移動が規制された状態で現像剤収容部本体83が移動を続け、現像剤収容器80が現像剤供給回収位置に移動したときに開口部84は略全て開かれるようにされている。
【0047】
現像ロール68から像保持体36への現像剤の供給が終了すると、現像装置本体66がさらに回転し、開閉部材85に対する移動規制部100の接触位置が変化する。ここで、図示しないバネなどの付勢部材による付勢によって開口部84の例えば約半分が閉じられ、現像剤収容器80から現像ロール68への現像剤の供給が遮断されるように、移動規制部100は、開閉部材85が接触する部分の形状が調整されている。
なお、現像ロール68から像保持体36へ現像剤が供給された後に、現像ロール68に残留する現像剤は、開口部84が略全て開かれている間、及び現像ロール68への現像剤の供給が遮断されるように開口部84の約半分が閉じられている間に、現像剤収容器80に回収される。
【0048】
現像ロール68に残留する現像剤が現像剤収容器80に回収されると、現像装置本体66がさらに回転することにより、開閉部材85は、移動規制部100に対して接触しない位置まで移動する。開閉部材85は、移動規制部100に接触しない場合、図示しないバネなどの付勢部材による付勢によって開口部84を全て閉じる。
【0049】
なお、上記実施形態においては、2成分現像剤を用いて静電潜像を可視化する場合を例に説明したが、これに限定されることなく、例えば現像装置34は、1成分現像剤を用いて静電潜像を可視化するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る現像装置を示す側面図である。
【図3】開閉部材85を変位させる機構の第1の実施例と現像剤収容器80の周辺とを示す側面図であって、(A)は開口部84を開いた状態(現像時)を示し、(B)は現像ロール68への現像剤の供給を遮断した状態を示し、(C)は開口部84を閉じた状態(非現像時など)を示す側面図である。
【図4】開閉部材85を変位させて開口部84を開閉する機構の第2の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0051】
10 画像形成装置
14 給紙ユニット
24 搬送路
28 定着装置
34 現像装置
36 像保持体
38 帯電装置
42 露光装置
44 中間転写装置
54 二次転写バックアップロール
60 二次転写ロール
62 制御部
66 現像装置本体
68 現像ロール
70 層厚規制部材
80a〜80d 現像剤収容器
82 回転軸
83a〜83d 現像剤収容部本体
84a〜84d 開口部
85a〜85d 開閉部材
86a〜86d 第1の攪拌搬送部材
88a〜88d 第2の攪拌搬送部材
90 磁石
92 スリーブ
94 接触部材
96 軸部
98 接触部
100 移動規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を像保持体に供給する現像ロールと、
回転軸を中心にして回転する回転体と、
この回転体に設けられ、前記現像ロールに供給する複数色の現像剤を個別に収容する複数の現像剤収容部と
を具備し、
前記現像剤収容部は、
前記現像ロールに現像剤を供給するための開口部が設けられた現像剤収容部本体と、
前記開口部を変位によって開閉する開閉部材と
を有し、
前記開閉部材は、
現像剤を供給可能なように前記開口部を開いた状態、現像剤の供給を遮断するように前記開口部の一部を閉じた状態及び前記開口部を閉じた状態を少なくとも維持可能に変位する
現像装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、
前記回転体の回転に応じて前記開口部を開閉するように変位する
請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
像保持体と、
この像保持体に現像剤を供給する現像ロールと、
回転軸を中心にして回転する回転体と、
この回転体に設けられ、前記現像ロールに供給する複数色の現像剤を個別に収容する複数の現像剤収容部と
を具備し、
前記現像剤収容部は、
前記現像ロールに現像剤を供給するための開口部が設けられた現像剤収容部本体と、
前記開口部を変位によって開閉する開閉部材と
を有し、
前記開閉部材は、
現像剤を供給可能なように前記開口部を開いた状態、現像剤の供給を遮断するように前記開口部の一部を閉じた状態及び前記開口部を閉じた状態を少なくとも維持可能に変位する
画像形成装置。
【請求項4】
前記開閉部材は、
前記回転体の回転に応じて前記開口部を開閉するように変位する
請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉部材に直接又は間接的に接触可能な接触部材をさらに有し、
前記開閉部材は、
該開閉部材に直接又は間接的に接触する前記接触部材の接触位置が変化することによって開閉する
請求項3又は4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−198976(P2009−198976A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43015(P2008−43015)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】