説明

環境バリアコーティングおよびCMAS緩和能力を有するセラミック構成部品を作製する方法

構成部品を用意するステップと、前記構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであって、前記環境バリアコーティングが、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、希土類没食子酸塩、緑柱石、およびそれらの組合せからなる群から選択されるカルシウムマグネシウムアルミノシリケート(CMAS)緩和組成を含む、別個のCMAS緩和層を有するステップとを含む、CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は一般に、環境バリアコーティングおよびCMAS緩和能力を有するセラミック構成部品を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンに対するより高い動作温度が、それらの効率を改善するために継続して追及されている。しかし、動作温度が増加するとき、エンジン構成部品の高温耐久力はそれに応じて増加させなければならない。高温性能における重要な進歩が鉄、ニッケル、およびコバルトベースの超合金の配合を介して達成されてきた。超合金はガスタービンエンジンの全てにわたり、特により高い温度区画に使用される構成部品向けに広範な用途を見出してきたが、その一方で代替のより軽量の基板材料が提案されてきた。
【0003】
セラミック母組織複合材料(CMC)は、セラミック母組織相によって取り囲まれる強化材料からなる材料の種類の1つである。そのような材料は、特定のモノリシックセラミック(すなわち強化材料なしのセラミック材料)と共に、現在より高い温度用途のために使用されている。これらのセラミック材料を使用することによって、タービン構成部品の重量を減少させることができ、それにも関わらず強度および耐久力を維持することができる。さらに、そのようなセラミック材料は金属より高い温度性能を有することができるので、かなりの冷却空気の節約を実現することができ、これがタービンエンジンの効率を増加させる。したがってそのような材料は、これらの材料が提供することができるより軽い重量およびより高い温度性能から利益を得るであろう、エーロフォイル(例えばタービン、およびベーン)、燃焼器、シュラウド、および他の同様な構成部品などの、ガスタービンエンジンのより高い温度区画に使用される多くのガスタービン構成部品について現在検討されている。
【0004】
CMCおよびモノリシックセラミック構成部品は、高温エンジン区画の厳しい環境からそれらを守るために環境バリアコーティング(EBC)でコーティングすることができる。EBCは、高温燃焼環境内の腐食性ガスに対する厚い、密封シールを与えることができる。ドライの、高温環境状態では、ケイ素ベースの(非酸化物)CMCおよびモノリシックセラミックは、保護的な酸化ケイ素スケールを形成するように酸化を受ける。しかし、この酸化ケイ素は、ガスタービンエンジン内に存在するものなどの高温の蒸気と急速に反応し、揮発性のケイ素種を形成する。この酸化/揮発工程は結果として、エンジン構成部品の寿命にわたる顕著な材料損失、またはリセッションになる可能性がある。このリセッションは、酸化アルミニウムが同様に揮発性のアルミニウム種を形成するように高温蒸気と反応するので、酸化アルミニウムを含むCMCおよびモノリシックセラミック構成部品内でも起きる。
【0005】
最近、CMCおよびモノリシックセラミック構成部品に使用されるほとんどのEBCは、一般に接合コーティング層と、この接合コーティング層に付着された少なくとも1つの移行層と、この移行層に付着された任意選択の外層を含む3層のコーティングシステムから構成される。任意選択で、シリカ層を接合コーティング層と隣接する移行層の間に存在させることができる。これらの層は一緒に、CMCまたはモノリシックセラミック構成部品のための環境保護を与えることができる。
【0006】
より具体的には、この接合コーティング層はケイ素を含むことができ、一般に約12.7μm(0.5ミル)から約152.4μm(6ミル)の厚さを有することができる。ケイ素ベースの非酸化物CMCおよびモノリシックセラミックについては、この接合コーティング層は、基板の酸化を防止するための酸化バリアとしての役目を果たす。このシリカ層は接合コーティング層に付着させることができ、または別法として、接合コーティング層上に自然に、または意図的に形成させることができる。移行層は通常、ムライト、バリウムストロンチウムアルミノシリケート(BSAS)、希土類ジシリケート(rare earth disilicate)、およびそれらの様々な組合せを備えることができ、一方任意選択の外層は、BSAS、希土類モノシリケート(rare earth monosilicate)、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せを備えることができる。各層が約25.4μm(0.1ミル)から約152.4μm(6ミル)の厚さを有する、1層から3層の移行層が存在することができ、任意選択の外層は、約25.4μm(0.1ミル)から約1016μm(40ミル)の厚さを有することができる。
【0007】
移行層および外層の各々は、異なる空隙率を有することができる。約10%以下の空隙率のところでは、燃焼環境内の高温ガスに対する密封シールを形成することができる。約10%から約40%の空隙率では、この層は機械的な完全性を提示することができるが、高温ガスはこのコーティング層を貫通し、下にあるEBCを損傷させる可能性がある。移行層または外層のうちの少なくとも1つが密封性であることが必要であるが、コーティング材料と基板の間の任意の熱膨張不整合によって誘起される機械的な応力を緩和するために、より高い空隙率範囲のいくつかの層を有することが有益である可能性がある。
【0008】
残念ながら、CMASの堆積がガスタービンエンジンのより高い温度区画内に配置される、特に燃焼器およびタービン区画内に配置される、構成部品上に形成されるのが観察されてきた。これらのCMAS堆積は、遮熱コーティングの寿命に対して有害な影響を有することが示されてきており、BSASとCMASは高温で、すなわちCMASの溶融点(ほぼ1150℃から1650℃)より上で化学的に相互作用することが知られている。BSASとCMASの相互作用によって形成されるこの反応副生成物は、EBCに対して有害であり、ならびに高温の蒸気の存在中で揮発しやすい可能性があることも知られている。そのような揮発は結果として、コーティング材料およびその下にある構成部品の保護の喪失になる可能性がある。したがって、存在するCMASがEBCと相互作用し、それによって構成部品の性能ならびに構成部品の寿命を損なうことが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第2006/280955号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、環境バリアコーティングおよびCMAS緩和能力を有するセラミック構成部品を作製する方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書での実施形態は一般に、構成部品を用意するステップと、この構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであって、この環境バリアコーティングが亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、希土類没食子酸塩、緑柱石、およびそれらの組合せからなる群から選択されるCMAS緩和組成を含む、別個のCMAS緩和層を備えるステップとを含む、CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法に関する。
【0012】
本明細書での実施形態は一般に、構成部品を用意するステップと、この構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであって、この環境バリアコーティングが一体化したCMAS緩和層を備え、この一体化したCMAS緩和層が、BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの外層材料と、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケート、希土類没食子酸塩、希土類ホスフェート、酸化タンタル、緑柱石、アルカリ土類アルミネート、希土類アルミネート、およびそれらの組合せからなる群から選択されるCMAS緩和組成とを含むステップとを含む、CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法にも関する。
【0013】
本明細書での実施形態は一般に、構成部品を用意するステップと、この構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであって、この環境バリアコーティングが、ケイ素を含む接合コーティング層と、任意選択のシリカ層と、ムライト、バリウムストロンチウムアルミノシリケート(BSAS)、およびそれらの組合せからなる群から選択される組成を含む、少なくとも1つの移行層と、BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される外層材料を含む任意選択の外層と、CMAS緩和組成とを含むステップとを含む、CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法であって、このCMAS緩和組成が別個のCMAS緩和層として含まれるとき、このCMAS緩和組成が、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、希土類没食子酸塩、緑柱石およびそれらの組合せからなる群から選択され、このCMAS緩和組成が少なくとも1つの外層材料をさらに含む一体化したCMAS緩和層として含まれるとき、このCMAS緩和組成が、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケート、希土類没食子酸塩、希土類ホスフェート、酸化タンタル、緑柱石、アルカリ土類アルミネート、希土類アルミネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される方法にも関する。
【0014】
これらのおよび他の特徴、態様および利点は、当業者に以下の開示から明らかになるであろう。
【0015】
本明細書は、本発明を特に指摘し、はっきりと特許請求する特許請求の範囲によって完結するが、本明細書に記載される実施形態は、同様な参照番号が同様な要素を特定する、添付の図面を参照する以下の説明からより良く理解されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本明細書の記載による、環境バリアコーティングの一実施形態の概略横断面図である。
【図2】本明細書の記載による、別個のCMAS緩和層を有する環境バリアコーティングの一実施形態の概略横断面図である。
【図3】本明細書の記載による、一体化したCMAS緩和層を有する環境バリアコーティングの一実施形態の概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に記載される実施形態は一般に、環境バリアコーティングおよびCMAS緩和能力を有するセラミック構成部品を作製する方法に関する。本明細書に記載されるCMAS緩和組成は、CMCを備える基板用のEBC、およびモノリシックセラミックと共に使用するのに適していることができる。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「CMC」はケイ素含有の、または酸化物−酸化物の母組織および強化材料を意味する。本明細書で使用するのに受け入れ可能なCMCのうちのいくつかの実例としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、およびそれらの混合物などの非酸化物ケイ素ベースの材料を含む母組織および強化繊維を有する材料を含むことができるが、これらに限定されるべきではない。実例としては、炭化ケイ素母組織および炭化ケイ素繊維と、窒化ケイ素母組織および炭化ケイ素繊維と、炭化ケイ素/窒化ケイ素母組織混合物および炭化ケイ素繊維とを有するCMCが含まれるが、これらに限定されない。さらに、CMCは酸化物セラミックからなる母組織および強化繊維を有することができる。
【0019】
具体的には、酸化物−酸化物CMCは、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ケイ素(SiO2)、アルミノシリケート、およびそれらの混合物などの酸化物ベースの材料を含む母組織および強化繊維から構成することができる。アルミノシリケートは、ムライト(3Al23 2SiO2)などの結晶質材料、ならびにガラス質のアルミノシリケートを含むことができる。
【0020】
本明細書で使用されるとき、「モノリシックセラミック」は、炭化ケイ素のみ、窒化ケイ素のみ、アルミナのみ、シリカのみ、またはムライトのみを含む材料を意味する。本明細書では、CMCおよびモノリシックセラミックは集合的に「セラミック」と呼ばれる。
【0021】
本明細書で使用されるとき、用語「(複数の)バリアコーティング」は、環境バリアコーティング(EBC)を意味する。本明細書ではこのバリアコーティングは、ガスタービンエンジン内に存在するものなどの、高温環境内にあるセラミック基板構成部品10の上に使用するのに適していることができる。「基板構成部品」または単に「構成部品」は、本明細書で定義されるような「セラミック」から作られる構成部品を意味する。
【0022】
より具体的にはEBC12は、図1に全体的に示すように、一般にケイ素接合コーティング層14と、接合コーティング層14に隣接する任意選択のシリカ層15と、接合コーティング層14(または存在する場合シリカ層15)に隣接する少なくとも1つの移行層16と、移行層16に隣接する任意選択の外層18と、移行層16(または存在する場合外層18)に隣接する任意選択の磨耗性の層22とを備える、任意の既存の環境バリアコーティングシステムを一般に備えることができる。前に本明細書で定義したように、「移行層」16は、ムライト、BSAS、希土類ジシリケート、およびそれらの様々な組合せのうちの任意のものを意味し、一方「外層」18は、他に特段の指摘がない限り、(本明細書で集合的に「希土類シリケート」と呼ばれる)BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せの「外層材料」のうちの任意のものを意味する。
【0023】
接合コーティング層14、任意選択のシリカ層15、移行層16、任意選択の外層18、および任意選択の磨耗性の層22は、当業者に知られている従来方法を使用して作ることができ、本明細書で以下に説明するように付着させることができる。
【0024】
既存のEBCと異なりかつ前に記載した層に加えて、本実施形態は、高温エンジン環境内でのCMASとの反応に起因する劣化からEBCを保護するのに役立つCMAS緩和組成も含む。そのようなCMAS緩和組成は、本明細書で以下に定義するように、既存のEBCシステムの頂部上の別個のCMAS緩和層として、または一体化したCMAS緩和層として存在することができる。
【0025】
図2に示すように、CMAS緩和層が既存のシステムの頂部の別個のCMAS緩和層20としてEBC内に含まれるとき、「別個のCMAS緩和層」20は、亜鉛アルミネートスピネル(ZnAl24)、アルカリ土類ジルコネート(AeZrO3)、アルカリ土類ハフネート(AeHfO3)、希土類アルミネート(Ln3Al512、Ln4Al29)、希土類没食子酸塩(Ln3Ga512、Lna4Ga29)、緑柱石、およびそれらの組合せから選択される組成を意味する。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「Ae」はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、およびそれらの混合物のアルカリ土類元素を示す。それに加えて本明細書にわたり使用されるとき、「Ln」はスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、およびそれらの混合物の希土類元素を意味し、一方「Lna」は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、およびそれらの混合物の希土類元素を意味する。一実施形態では、CMAS緩和層20は約40%までの空隙率を有することができ、別の実施形態では約10%より少ない空隙率を有することができる。
【0027】
限定ではなく例示として、別個のCMAS緩和層20を含むとき、EBCは以下のアーキテクチャ、すなわちケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト−BSAS移行層16と、外層18と、別個のCMAS緩和層20と、および任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、外層18と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト移行層16と、外層18と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、BSAS移行層16と、希土類ジシリケート移行層16と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、BSAS移行層16と、希土類ジシリケート移行層16と、外層18と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、BSAS移行層16と、外層18と、別個のCMAS緩和層20と、任意選択で磨耗性の層22とのアーキテクチャのうちの1つを備えることができる。
【0028】
前述の実例では、任意選択の磨耗性の層22は、別個のCMAS緩和層20、希土類ジシリケート(Ln2Si27)、またはBSAS内に存在するのと同じ材料を含むことができる。この磨耗性の層は、約50%までの空隙率を備える高度に多孔性の層であることができ、または(約10%未満の空隙率の)密な、または(約50%までの空隙率の)多孔性のパターン化したリッジから構成することができる。磨耗性の層22は、隣接する、回転するエンジン構成部品からの衝突に際して磨耗することができる。エネルギーが磨耗性のコーティング内に吸収されることが、隣接する、回転するエンジン構成部品が損傷を被るのを防止する助けとなり得る。例えば一実施形態では、このEBC足す磨耗性の層は、CMCシュラウド上に存在することができる。シュラウドとの狭い隙間を有する隣接する回転ブレードは、結果として衝突事象を引き起こす可能性がある。磨耗性の層22が存在することによって、回転ブレードに対する損傷を防止する助けとなり得る。
【0029】
図3に示すようにかつ前に説明したように、代替でCMAS緩和層を一体化したCMAS緩和層120として含むことができる。この場合には、「一体化したCMAS緩和層」120は、外層材料のうちの任意のものと組み合わされたCMAS緩和組成を備える層を意味する。より具体的には、このCMAS緩和組成を、外層材料内の不連続に分散した難溶性粒子として、または外層材料内の粒界相としてのいずれかで含むことができる。前に定義したように、この「外層材料」は、BSAS、希土類シリケート、またはそれらの組合せのうちの任意のものを含むことができる。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「一体化したCMAS緩和層」120は、亜鉛アルミネートスピネル(ZnAl24)、アルカリ土類ジルコネート(AeZrO3)、アルカリ土類ハフネート(AeHfO3)、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケート、希土類アルミネート(Ln3Al512、Ln4Al29)、希土類没食子酸塩(Ln3Ga512、Lna4Ga29)、希土類ホスフェート(LnPO4)、酸化タンタル、緑柱石、アルカリ土類アルミネート(AeAl1219、AeAl49)、希土類アルミネート(Ln3Al512およびLn4Al29)、およびそれらの組合せから選択されるCMAS緩和組成の添加を有する外層材料のうちの任意のものを含むことができる。
【0031】
限定ではなく例示として、一体化したCMAS緩和層120を有するEBCは、以下のアーキテクチャ、すなわちケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト−BSAS移行層16と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト移行層16と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト−BSAS移行層16と、BSAS外層18と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、ムライト移行層16と、BSAS外層18と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャ、ケイ素接合コーティング層14と、任意選択のシリカ層15と、希土類ジシリケート移行層16と、BSAS外層18と、一体化したCMAS緩和層120とのアーキテクチャのうちの1つを備えることができる。
【0032】
CMAS緩和層を有するEBCの特別なアーキテクチャに関わらず、この構成部品は全ての所望の層を作り出すために当業者に知られた従来方法を使用してコーティングし、(複数の)CMAS緩和組成を別個の層、粒界相、または不連続の、分散した難溶性粒子のいずれかとして選択的に配置することができる。そのような従来方法は一般に、プラズマ溶射、高速プラズマ溶射、低圧プラズマ溶射、液相プラズマ溶射、懸濁液プラズマ溶射、化学的気相成長法(CVD)、電子ビーム物理的気相成長法(EBPVD)、浸漬、溶射、テープキャスティング、圧延、および塗装などのゾル−ゲル、スパッタリング、スラリー方法、およびこれらの方法の組合せを含むことができるが、これらに限定されるべきではない。コーティングされた後、この基板構成部品は乾燥し、従来方法またはマイクロ波焼結、レーザー焼結または赤外線焼結などのこれまでにない方法のいずれかを使用して焼結させることができる。磨耗性の層が存在しない場合は、別個であろうがまたは一体化したものであろうが、このCMAS緩和層はEBCの最外層であることができる。
【0033】
より具体的には、難溶性粒子の外層内への分散は、バリアコーティングを堆積させるために選ばれる方法に応じて様々な方法によって行うことができる。プラズマ溶射方法については、任意の外層材料の粒子をコーティング堆積前にCMAS緩和難溶性粒子と混合させることができる。混合は、外層材料と難溶性粒子を液体なしで混ぜ合わせる、または外層材料と難溶性粒子のスラリーを混合させることからなることができる。次いでドライ粒子またはスラリーは、ローラーミル、プラネタリーミル、ブレンダー、パドルミキサー、超音波ホーン、または当業者に知られている任意の他の方法を使用して機械的にかき混ぜることができる。スラリー方法については、スラリー内に分散した難溶性粒子は、スラリーの堆積された層の乾燥および焼結後、コーティング内の分散した粒子になるであろう。
【0034】
微細構造内に不連続の、難溶性粒子を維持するために、スラリー内のCMAS緩和難溶性粒子の平均粒子サイズは約20nmより大きくすることができ、一実施形態ではサイズで約200nmから約10μmである。この難溶性粒子は、層の容積で約1%から約60%を含み、残りは外層材料、または外層材料と空隙であることができる。
【0035】
CMAS緩和粒界相は、粒子コーティング方法およびスラリー方法を含む、様々な方法で作り出すことができる。一実例ではこのCMAS粒界相は、当業者に知られている従来方法を使用してセラミック基板上に外層材料が堆積させられる前に、(複数の)所望のCMAS緩和組成で外層材料の粒子をコーティングすることによって実現することができる。BSASまたは希土類シリケート粒子のコーティングは、流動床反応器内で粒子上への化学的気相成長によって、あるいはCMAS緩和組成の前駆体が液相から外層材料粒子の上に堆積され、BSASまたは希土類シリケート粒子の表面上に所望のCMAS緩和組成が形成するようにBSASまたは希土類シリケート粒子の熱処理が後に続く、溶液(ゾル−ゲル)型式の方法によって行うことができる。CMAS緩和組成を有するBSASまたは希土類シリケート粒子が得られた後、当業者に知られた、前に説明した方法のうちの任意のものを使用して、この基板構成部品をコーティングし、乾燥し、焼結することができる。最終的に、BSASまたは希土類シリケート粒子上のCMAS緩和組成の表面層は、コーティング内の粒界相になる。これらの場合には、粒界相を形成させるために、難溶性粒子は約100nm未満の平均サイズを有することができる。粒界粒子が約100nmより大きい場合は、それらは粒界相を形成せずに前に説明したように外層内に分散するであろう。粒界粒子が約100nmより大きい場合は、それらは粒界相として役立たずに、前に説明したように外層内に分散するであろう。
【0036】
一実施形態では、このゾル−ゲル溶液は可溶性塩からなる水性溶液であることができ、一方別の実施形態では、このゾル−ゲル溶液は、有機塩を含有する有機溶媒溶液であることができる。本明細書で使用されるとき、「可溶性塩」は、アルカリ土類ニトレート(alkaline earth nitrate)、アルカリ土類アセテート(alkaline earth acetate)、アルカリ土類塩化物(alkaline earth chloride)、希土類ニトレート、希土類アセテート、希土類塩化物、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アンモニウムホスフェート(ammonium phosphate)、リン酸、ポリビニルリン酸(polyvinyl phosphonic acid)、ガリウムニトレート(gallium nitrate)、ガリウムアセテート(gallium acetate)、塩化ガリウム(gallium chloride)、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、オキシ塩化ジルコニウム(zirconyl chloride)、ジルコニウムニトレート(zirconyl nitrate)、アンモニウムタンタルシュウ酸塩(ammonium tantalum oxalate)、アンモニウムニオビウムシュウ酸塩(ammonium niobium oxalate)、ベリリウムニトレート、ベリリウムアセテート、塩化ベリリウム、塩化ハフニウム、オキシ塩化ハフニウム水和物(hafnium oxychloride hydrate)、およびそれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用されるとき「有機溶媒」は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン(methyl isobutyl ketone)(MIBK)、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)(MEK)、トルエン、ヘプタン(heptane)、キシレン(xylene)、またはそれらの組合せを含むことができる。本明細書で使用されるとき「有機塩」は、アルミニウムブトキシド(aluminum butoxide)、アルミニウムジ−s−ブトキシドエチルアセトアセテート(aluminum di−s−butoxide ethylacetoacetate)、アルミニウムジイソプロプオキサイドエチルアセトアセテート(aluminum diisopropoxide ethylacetoacetate)、アルミニウムエトキシド(aluminum ethoxide)、アルミニウムエトキシエトキシエトキシド(aluminum ethoxyethoxyethoxide)、アルミニウム3、5ヘプタンジオネート(aluminum 3,5−heptanedionate)、アルミニウムイソプロプオキサイド(aluminum isopropoxide)、アルミニウム9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロプオキサイド(aluminum 9−octadecenylacetoacetate diisopropoxide)、アルミニウム2、4ペンタンジオネート(aluminum 2,4−pentanedionate)、アルミニウムペンタンジオネートビス(エチルアセトアセテート)(aluminum pentanedionate bis(ethylacetoacetate))、アルミニウム2、2、6、6−テトラメチル3、5−ヘプタンジオネート(aluminum 2,2,6,6−tetramethy3,5−heptanedionate)、およびアルミニウムフェノール塩(aluminum phenoxide)、ガリウム8−ハイドロキシキノリネート(gallium 8−hydroxyquinolinate)、ガリウム2、4−ペンタンジオネート(gallium 2,4−pentanedionate)、ガリウムエトキシド(gallium ethoxide)、ガリウムイソプロプオキサイド(gallium isopropoxide)、およびガリウム2、2、6、6−テトラメチルヘプタンジオネート(gallium 2,2,6,6−tetramethylheptanedionate)、カルシウムイソプロプオキサイド(calcium isopropoxide)、カルシウムメトキシエトキシド(calcium methoxyethoxide)、カルシウムメトキシド(calcium methoxide)、カルシウムエトキシド(calcium ethoxide)、ストロンチウム イソプロプオキサイド(strontium isopropoxide)、ストロンチウムメトキシプロプオキサイド(strontium methoxypropoxide)、ストロンチウム2、4−ペンタンジオネート(strontium2,4−pentanedionate)、ストロンチウム2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート(strontium 2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionate)、マグネシウムエトキシド(magnesium ethoxide)、マグネシウムメトキシド(magnesium methoxide)、マグネシウムメトオキシエトキシド(magnesium methoxyethoxide)、マグネシウム2、4−ペンタンジオネート(magnesium 2,4−pentanedionate)、マグネシウムn−プロプオキシド(magnesium n−propoxide)、バリウムイソプロプオキサイド(barium isopropoxide)、バリウムメトオキシプロプオキシド(barium methoxypropoxide)、バリウム2、4−ペンタンジオネート(barium 2,4−pentanedionate)、バリウム2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジオネート(barium 2,2,6,6−tetramethyl−3、5−heptanedionate)、希土類メトオキシエトキシド(rare earth methoxyethoxide)、希土類イソプロプオキサイド(rare earth isopropoxide)、希土類2、4−ペンタンジオネート(rare earth 2,4−pentanedionate)、亜鉛N、N−ジメチルアミノエトキシド(zinc N,N−dimethylaminoethoxide)、亜鉛8−ヒドロキシキノリネート(zinc 8−hydroxyquinolinate)、亜鉛メトキシエトキシド(zinc methoxyethoxide)、亜鉛2、4−ペンタンジアネート(zinc 2,4−pentaedianote)、亜鉛2、2、6、6−テトラメチル−3、5−ヘプタンジアネート(zinc 2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedianate)、ジルコニウムブトキシド(zirconium butoxide)、ジルコニウムジブトキシド(zirconium dibutoxide)、ジルコニウムジイソプロプオキサイド(zirconium diisopropoxide)、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシド(zirconium dimethacrylate dibutoxide)、ジルコニウムエトキシド(zirconium ethoxide)、ジルコニウム2−エチルヘキソキシド(zirconium 2−ethylhexoxide)、ジルコニウム3、5−ヘプタンジアネート(zirconium 3,5−heptanedionate)、ジルコニウムイソプロプオキサイド(zirconium isopropoxide)、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリ−n−ブトキシド(zirconium methacryloxyethylacetoacetate tri−n−butoxide)、ジルコニウム2−メチル−2−ブトキシド(zirconium 2−methyl−2−butoxie)、ジルコニウム2−メトオキシメチルl−2−プロポキシド(zirconium 2−methoxymethyl−2−propoxide)、ジルコニウム2、4−ペンタンジオネート(zirconium 2、4−pentanedionate)、ジルコニウムn−プロポキシド(zirconium n−propoxide)、ジルコニウム2、2、6、6−テトラメチル−3、5−へプタンジアネート(zirconium 2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionate)、ハフニウムn−ブトキシド(hafnium n−butoxide)、ハフニウムt−ブトキシド(hafnium t−butoxide)、ハフニウムジ−n−ブトキシド(hafnium di−n−butoxide)、ハフニウムエトキシド(hafnium ethoxide)、ハフニウム2−エチルヘキソキシド(hafnium 2−ethylhexoxide)、ハフニウム2−メトキシメチル−2−プロポキシド(hafnium 2−methoxymethyl−2−propoxide)、ハフニウム2、4−ペンタンジオネート(hafnium 2,4−pentanedionate)、ハフニウムテトラメチルヘプタンジオネート(hafnium tetramethylheptanedionate)、ニオブVn−ブトキシド(niobium V n−butoxide)、ニオブVエトキシド(niobium V ethoxide)、タンタルVn−ブトキシド(tantalum V n−butoxide)、タンタルVエトキシド(tantalum V ethoxide)、タンタルVイソプロプオキサイド(tantalum V isopropoxide)、タンタルVメトキシド(tantalum V methoxide)、タンタルテトラエトキシドジメチルアミノエトキシド(tantalum tetraethoxide dimethylaminoethoxide)、タンタルVテトラエトキシドペンタンジオネート(tantalum V tetraethoxide pentanedionate)、ポリビニルホスホン酸(polyvinyl phosphonic acid)、およびそれらの組合せを含むことができる。
【0038】
CMAS緩和組成が既存のEBCシステムの頂部に別個の緩和層として存在するか、または一体化した緩和層(例えば不連続の分散した難溶性粒子、または粒界相)として存在するかに関わらず、この利益は同じである。すなわちCMAS緩和組成は、高温エンジン環境内でCMASとの反応に起因する劣化からEBCを保護するのに役立つ。より具体的には、CMAS緩和組成は、蒸気内で急速に揮発する2次層を形成する可能性のある、CMASのバリアコーティングとの反応を阻止するまたは減速させるのを助けることができる。それに加えCMAS緩和組成は、バリアコーティングを貫通する粒界に沿った、非酸化物の、ケイ素ベースの基板内へのCMASの浸透を防止するまたは減速させるのを助けることができる。窒化ケイ素および炭化ケイ素などの基板とのCMASの反応は、それぞれ窒素含有ガスおよび炭素質のガスを発生させる。このガス発生による圧力は結果として、EBCコーティング内の膨れ形成になる。これらの膨れは容易に、先ず第一にEBCによって形成される水蒸気に対する密封シールを破り、破壊する。
【0039】
CMAS緩和組成の存在は、EBCへの溶融シリケートの攻撃を阻止または減速させるのを助けることができ、それによってEBCが高温蒸気内でCMCを腐食性の攻撃からシールするその機能を実行するのが可能になる。さらにCMAS緩和組成は、CMASが蒸気と反応する場合、蒸気−揮発性の2次層を形成するように、蒸気リセッションを受けやすい可能性のあるCMCおよびEBCの任意の層ものリセッションを阻止する助けとなることができる。蒸気リセッションに起因するセラミック構成部品の寸法変化は、タービンエンジン用途での構成部品の寿命および/または機能性を制限する可能性がある。したがってCMAS緩和層は、バリアコーティングがその機能性を実行するのを可能にするために重要であり、それによってCMC構成部品は、適切に、その意図された時間範囲で機能するのが可能になる。
【0040】
本明細書は、最良の形態を含めた実施例を使用して、本発明を開示し、かつ任意の当業者が本発明を製造し、使用することができるようにしている。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い浮かぶ他の実例も含むことができる。そのような他の実例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造的要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に相違のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0041】
10 セラミック基板構成部品
12 EBC
14 ケイ素接合コーティング層
15 シリカ層
16 移行層
18 外層
20 CMAS緩和層
22 磨耗性の層
120 一体化したCMAS緩和層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法であって、
構成部品を用意するステップと、
前記構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであり、前記環境バリアコーティングが亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、希土類没食子酸塩、緑柱石、およびそれらの組合せからなる群から選択されるカルシウムマグネシウムアルミノシリケート(CMAS)緩和組成を含む、別個のCMAS緩和層を備えるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記環境バリアコーティングがさらに、
ケイ素を含む接合コーティング層と、
任意選択のシリカ層と、
ムライト、バリウムストロンチウムアルミノシリケート(BSAS)、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される組成を含む、少なくとも1つの移行層と、
BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される外層材料を含む、任意選択の外層とを備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記別個のCMAS緩和層に磨耗性の層を付着させるステップをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
プラズマ溶射、高速プラズマ溶射、低圧プラズマ溶射、液相プラズマ溶射、懸濁液プラズマ溶射、化学的気相成長法、電子ビーム物理的気相成長法、ゾル‐ゲル、スパッタリング、スラリー浸漬、スラリー溶射、スラリー塗装、スラリー圧延、テープキャスティング、およびこれらの組合せからなる群から選択される方法を使用して前記環境バリアコーティングを付着させるステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記構成部品がセラミック母組織複合材料またはモノリシックセラミックを備える、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記構成部品が燃焼器構成部品、タービンブレード、シュラウド、ノズル、熱シールドおよびベーンからなる群から選択されるタービンエンジン構成部品である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法であって、
構成部品を用意するステップと、
前記構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであり、前記環境バリアコーティングが一体化したCMAS緩和層を備え、前記一体化したCMAS緩和層が、
BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの外層材料と、
亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケート、希土類没食子酸塩、希土類ホスフェート、酸化タンタル、緑柱石、アルカリ土類アルミネート、希土類アルミネート、およびそれらの組合せからなる群から選択されるCMAS緩和組成とを含むステップとを含む、方法。
【請求項8】
前記環境バリアコーティングがさらに、
ケイ素を含む接合コーティング層と、
任意選択のシリカ層と、
ムライト、バリウムストロンチウムアルミノシリケート(BSAS)、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される組成を含む、少なくとも1つの移行層と、
前記外層材料のうちの少なくとも1つを含む任意選択の外層とを備える、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記一体化したCMAS緩和層が、前記外層材料上の粒界相として、または前記外層材料内の分散した難溶性粒子としての前記CMAS緩和組成を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記構成部品がセラミック母組織複合材料またはモノリシックセラミックを備える、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記構成部品が燃焼器構成部品、タービンブレード、シュラウド、ノズル、熱シールドおよびベーンからなる群から選択されるタービンエンジン構成部品である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記一体化したCMAS緩和層に磨耗性の層を付着させるステップをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
プラズマ溶射、高速プラズマ溶射、低圧プラズマ溶射、液相プラズマ溶射、懸濁液プラズマ溶射、化学的気相成長法、電子ビーム物理的気相成長法、ゾル‐ゲル、スパッタリング、スラリー浸漬、スラリー溶射、スラリー塗装、スラリー圧延、テープキャスティング、およびこれらの組合せからなる群から選択される方法を使用して前記環境バリアコーティングを付着させるステップを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
CMAS緩和能力を有する構成部品を作製する方法であって、
構成部品を用意するステップと、
前記構成部品に環境バリアコーティングを付着させるステップであり、前記環境バリアコーティングが、
ケイ素を含む接合コーティング層と、
任意選択のシリカ層と、
ムライト、バリウムストロンチウムアルミノシリケート(BSAS)、およびそれらの組合せからなる群から選択される組成を含む、少なくとも1つの移行層と、
BSAS、希土類モノシリケート、希土類ジシリケート、およびそれらの組合せからなる群から選択される外層材料を含む任意選択の外層と、
CMAS緩和組成とを含むステップとを含み、
前記CMAS緩和組成が別個のCMAS緩和層として含まれるとき、前記CMAS緩和組成が、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、希土類没食子酸塩、緑柱石およびそれらの組合せからなる群から選択され、
前記CMAS緩和組成が少なくとも1つの外層材料をさらに含む一体化したCMAS緩和層として含まれるとき、前記CMAS緩和組成が、亜鉛アルミネートスピネル、アルカリ土類ジルコネート、アルカリ土類ハフネート、ハフニウムシリケート、ジルコニウムシリケート、希土類没食子酸塩、希土類ホスフェート、酸化タンタル、緑柱石、アルカリ土類アルミネート、希土類アルミネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
【請求項15】
前記構成部品がセラミック母組織複合材料またはモノリシックセラミックを備える、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記構成部品が燃焼器構成部品、タービンブレード、シュラウド、ノズル、熱シールドおよびベーンからなる群から選択されるタービンエンジン構成部品である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
プラズマ溶射、高速プラズマ溶射、低圧プラズマ溶射、液相プラズマ溶射、懸濁液プラズマ溶射、化学的気相成長法、電子ビーム物理的気相成長法、ゾル‐ゲル、スパッタリング、スラリー浸漬、スラリー溶射、スラリー塗装、スラリー圧延、テープキャスティング、およびこれらの組合せからなる群から選択される方法を使用して前記環境バリアコーティングを付着させるステップを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記一体化したCMAS緩和層が、前記外層材料上の粒界相として、または前記外層材料内の分散した難溶性粒子としての前記CMAS緩和組成を含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記別個のCMAS緩和層に磨耗性の層を付着させるステップをさらに含む、請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−512966(P2012−512966A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542210(P2011−542210)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/066297
【国際公開番号】WO2010/080241
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】