説明

生コンクリート製造プラントの骨材計量方法及び計量装置

【課題】 生コンクリートの製造時に、砂利や砂などの骨材の計量値が許容誤差範囲を超過した場合でも容易に修正可能とする。
【解決手段】 骨材計量槽2a、2bの下端部に計量した骨材をミキサ5に放出する放出ゲート9a、9bを開閉自在に備え、この放出ゲート9a、9bより上位の計量槽2a、2b側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲート12a、12bを開閉自在に備える。また、前記抜取ゲート12a、12bの下位には抜き取った骨材を回収する回収箱16を備える。そして、骨材計量時に許容誤差範囲を超過する計量誤差が発生した場合には、抜取ゲート12a、12bを開放して骨材計量槽2a、2bから骨材を抜き取りながら減算計量し、骨材の計量値が許容誤差範囲内となれば抜取ゲート12a、12bを閉鎖して所定量の骨材を計量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コンクリート製造プラントにおける各種コンクリート材料のうち特に砂利や砂などの骨材の計量方法及び計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生コンクリート製造プラントは、砂利、砂、セメント、混和剤、及び混練水などの各種コンクリート材料を貯蔵する貯蔵槽、これら各種コンクリート材料を計量する計量槽、計量した各種コンクリート材料を混練するミキサ、及びこれら各装置を制御する制御装置などから構成され、前記制御装置にはコンクリートの品種などに応じた種々の計量設定値を予め設定しており、生コンクリート出荷時には前記制御装置から所望の計量設定値を読み出し、この計量設定値に基づいて各貯蔵槽から各種コンクリート材料をそれぞれ計量槽に放出して所定量ずつ計量した後、計量した各種コンクリート材料をミキサへ放出して所定時間混練して生コンクリートを製造している。なお、前記計量時には、計量完了信号によって貯蔵槽の材料放出停止後に計量槽に落下する落差量を適正に補正するなどして計量精度を高めることが行われている。
【0003】
こうして製造した生コンクリートは、1乃至数バッチ分をアジテータ車に積載し、その生コンクリートの性状などの各種データが記載された納入書を付して各納入先に納入している。この納入書は、「JIS A 5308」に規定される様式に沿ったもので、納入時刻や容積、コンクリートの種類、呼び強度、スランプまたはスランプフロー、粗骨材の最大寸法、セメントの種類などの各種データが記載されており、例えば特許文献1(特開平10−128734号公報)に示されるように、プラントに備えた印字記録計などにて生コンクリートを出荷する度に出力している。
【0004】
ところで、前記「JIS A 5308」の平成21年3月20日の改正に伴い、平成22年4月1日以降に発行される納入書には上記諸データに加えて配合表を新たに明記する必要が生じると共に、生コンクリートの購入者から要求があれば各種コンクリート材料のバッチ毎の計量記録及びこれらから算出される単位量も併せて提出しなければならなくなるという背景があり、今後、生コンクリートの製造において各種コンクリート材料を計量するときに、例えば「JIS A 5308」にて認められている許容誤差範囲(粗骨材や細骨材、混和剤の場合:3%、セメントや水の場合:1%)を外れるような計量誤差が発生した場合にはそのバッチ分の生コンクリートは廃棄処分を余儀なくされることも予想され、多くの無駄が生じると共に、廃棄した生コンクリ−トを処理する手間やコストも別途必要となる。
【0005】
一方、上記のような計量誤差を極力抑えるために、前記落差補正だけでなく、例えば、特許文献2(特開平10−332462号公報)や特許文献3(特開2001−304947号公報)に示されるように、骨材貯蔵ビン下端部に備えた放出ゲートを開放して下位の計量槽に放出し、計量槽内の骨材の重量が予め設定した計量値に近づくと、ゲートを断続的に開閉するジョグモーションに切り替えて少量ずつ放出するようにして計量精度を高めるように図ったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−128734号公報
【特許文献2】特開平10−332462号公報
【特許文献3】特開2001−304947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記種々の方法によっても供給スピードの変動などによって計量誤差を生じる可能性があり、もしこの計量誤差が「JIS A 5308」にて認められている許容誤差範囲(粗骨材や細骨材、混和剤の場合:3%、セメントや水の場合:1%)を外れれば、前記のように、そのバッチ分の生コンクリートは廃棄処分を余儀なくされることが予想される。
【0008】
本発明は上記の点に鑑み、生コンクリートの製造時に、各種コンクリート材料のうち、特に砂利や砂などの骨材の計量値が許容誤差範囲を超過した場合でも容易に修正可能とした生コンクリート製造プラントの骨材計量方法及び計量装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法では、生コンクリート製造プラントに搭載される骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の骨材を残したままで累積計量するようにしたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法では、生コンクリート製造プラントに搭載され、二種類の骨材を順次投入して累積計量する骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備えると共に、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に最初に投入した第一の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記抜取ゲートを開放して計量槽から第一の骨材を抜き取りながら減算計量し、計量値が許容誤差範囲内となれば抜取ゲートを閉鎖して所定量計量するようにしたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法では、骨材計量時に第一の骨材に続いて投入した第二の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から第一及び第二の骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の第二の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の第二の骨材を残したままで、かつ第二の骨材から先に投入して累積計量するようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法では、減算計量時に計量槽の計量値が予め設定したジョグモーション開始ポイントになれば放出ゲートを断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えるようにしたことを特徴としている。
【0013】
また、請求項5記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量装置では、砂利、砂、セメント、混和剤、及び混練水を各計量槽にて所定量計量し、これら材料をミキサに順次投入して所定時間混練して生コンクリートを製造する生コンクリート製造プラントにおいて、骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備えると共に、該抜取ゲートの下位には抜き取った骨材を回収する骨材回収手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法によれば、生コンクリート製造プラントに搭載される骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の骨材を残したままで累積計量するようにしたので、骨材計量時に許容誤差範囲を超過する計量誤差が発生しても、計量槽に超過分の骨材を残すように減算計量することによって容易に修正できると共に、計量槽に残した超過分の骨材は次バッチで無駄なく利用できる。
【0015】
また、請求項2記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法によれば、生コンクリート製造プラントに搭載され、二種類の骨材を順次投入して累積計量する骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備えると共に、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に最初に投入した第一の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記抜取ゲートを開放して計量槽から第一の骨材を抜き取りながら減算計量し、計量値が許容誤差範囲内となれば抜取ゲートを閉鎖して所定量計量するようにしたので、計量槽に順次投入する二種類の骨材のうち最初に投入する第一の骨材の計量時に許容誤差範囲を超過する計量誤差が発生しても、抜取ゲートから第一の骨材を抜き取りながら減算計量することによって容易に修正できる。
【0016】
また、請求項3記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法によれば、骨材計量時に第一の骨材に続いて投入した第二の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から第一及び第二の骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の第二の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の第二の骨材を残したままで、かつ第二の骨材から先に投入して累積計量するようにしたので、計量槽に順次投入する二種類の骨材のうち後から投入する第二の骨材の計量時に許容誤差範囲を超過する計量誤差が発生しても、計量槽に超過分の第二の骨材を残すように減算計量することによって容易に修正できると共に、計量槽に残した超過分の第二の骨材は次バッチで無駄なく利用できる。
【0017】
また、請求項4記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法では、減算計量時に計量槽の計量値が予め設定したジョグモーション開始ポイントになれば放出ゲートを断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えるようにしたので、減算計量時の計量精度を高めることができると共に、計量時間の短縮も図ることができる。
【0018】
また、請求項5記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量装置では、骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備えると共に、該抜取ゲートの下位には抜き取った骨材を回収する骨材回収手段を備えたので、骨材計量時に許容誤差範囲を超過する計量誤差が発生しても、抜取ゲートから骨材を抜き取りながら減算計量することによって容易に修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る生コンクリート製造プラントの骨材計量方法及び計量装置の概略説明図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】骨材の計量及び修正手順を示すフローチャート1である。
【図5】骨材の計量及び修正手順を示すフローチャート2である。
【図6】骨材の計量及び修正手順を示すフローチャート3である。
【図7】骨材の計量及び修正手順を示すフローチャート4である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る生コンクリート製造プラントの骨材計量方法及び計量装置にあっては、砂利や砂などの骨材を計量する骨材計量槽の下端部に、計量した骨材を下位のミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備えている。そして、前記骨材計量槽に砂利や砂などの骨材を投入して計量したときに、計量ミスによって骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲(例えば、「JIS A 5308」にて認められている許容誤差範囲で、骨材は3%以内)を超過した場合には、放出ゲートを開放して計量槽から骨材をミキサに放出しながら減算計量を行い、計量槽に超過分の骨材が残っているタイミングで放出ゲートを閉鎖して骨材の放出を停止する。このとき、ミキサには所定量の骨材が放出されており、他のコンクリート材料と共に所定時間混練して生コンクリートを製造する。そして、次バッチでは、計量槽に超過分の骨材を残したままで次バッチ分の骨材を投入して累積計量を行う。
【0021】
このように、生コンクリート製造プラントにおいて生コンクリートを製造するときに、コンクリート材料である骨材の計量値が計量ミスによって許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、減算計量によって容易に修正できると共に、計量槽に残った超過分の骨材は次バッチにて無駄なく利用できる。
【0022】
また、コンクリート材料の骨材として砂利や砂を二種類使用する場合、例えば粒径が異なるものや、或いは川砂利や石灰石、海砂や砕砂など種類の異なるものを所定量ずつ混合させて使用する場合には、前記構成に加えて、骨材計量槽の側壁に放出ゲートよりも開口面積の小さい骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備えると共に、該抜取ゲートの下位には抜き取った骨材を回収する骨材回収手段として回収箱を備えている。
【0023】
そして、前記骨材計量槽のうち、例えば砂利計量用の計量槽に二種類の砂利(例えば川砂利と石灰石)を順次投入して累積計量するときに、先に投入する第一の骨材(例えば川砂利)の計量値が計量ミスによって予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には(この時点では後から投入予定の第二の骨材の石灰石は未投入の状態)、計量槽側壁に備えた抜取ゲートを開放して計量槽から第一の骨材を少量ずつ抜き取りながら減算計量を行い、計量槽の計量値が許容誤差範囲内に修正されれば抜取ゲートを閉鎖して抜き取りを停止し、第一の骨材の計量を完了する。なお、このとき抜き取った第一の骨材は骨材回収手段である回収箱に回収される。
【0024】
一方、前記骨材計量槽に第一の骨材に続いて投入する第二の骨材(例えば石灰石)の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には(この時点では先に投入した第一の骨材の川砂利が計量槽の底部側に貯留され、その上側に第二の骨材の石灰石が層をなすようにして貯留された状態)、計量槽下端部の放出ゲートを開放して計量槽から下層側の第一の骨材、続いて上層側の第二の骨材をミキサへ順次放出しながら減算計量を行う。そして、計量槽に超過分の第二の骨材が残っているタイミングで放出ゲートを閉鎖して骨材の放出を停止する。このとき、ミキサには第一の骨材と第二の骨材が所定量ずつ放出されており、他のコンクリート材料と共に所定時間混練して生コンクリートを製造する。そして、次バッチでは、計量槽に超過分の第二の骨材(石灰石)を残したままで、これと同種の第二の骨材(同じ石灰石)を先に投入するように投入順序を入れ替えて累積計量を行う。
【0025】
このように、コンクリート材料として二種類の骨材を所定量ずつ混合させて使用する場合に、計量槽に最初に投入する第一の骨材の計量時に計量ミスによって許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、計量槽側壁に備えた抜取ゲートから第一の骨材を抜き取りながら減算計量することによって容易に修正できる。また、計量槽に第一の骨材に続いて投入する第二の骨材の計量時に計量ミスによって許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、計量槽下端部に備えた放出ゲートを開放して計量槽の上層側に貯留されている第二の骨材のうち、超過分の骨材だけを残すように減算計量することによって容易に修正できると共に、計量槽に残った超過分の第二の骨材は、次バッチの骨材の投入順序を入れ替えることで累積計量が可能となり、次バッチにて無駄なく利用できる。
【0026】
また、好ましくは、計量槽の放出ゲートを開放して減算計量するときには、初めのうちは放出ゲートを全開にして骨材を勢いよく放出させ、計量槽にて検出される計量値が予め設定したジョグモーション開始ポイント(例えば、100kg程度)になれば、放出ゲートを全開から断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えて骨材の放出スピードを緩める。こうすることにより、効率をあまり下げずに計量精度を高めることができて好適である。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0028】
図中の1は生コンクリート製造プラントの骨材計量用の計量装置であって、砂利や砂などの骨材を計量する骨材計量槽2a、2bを計量器であるロードセル3にて支持し、該骨材計量槽2a、2bの上位には骨材貯蔵用の骨材貯蔵槽4a〜4dを備えている一方、骨材計量槽2a、2bの下位には砂利や砂などの骨材と共に、混和剤や混練水などの各種コンクリート材料を混練して生コンクリートを製造するミキサ5を備えている。
【0029】
前記骨材貯蔵槽4a〜4dのうち、4a、4bは砂利用の貯蔵槽であって、各貯蔵槽4a、4bにはそれぞれ種類の異なる砂利を貯蔵可能としており、例えば、貯蔵槽4aには川砂利を、貯蔵槽4bには石灰石を貯蔵するようにしている。一方、4c、4dは砂用の貯蔵槽であって、各貯蔵槽4c、4dにはそれぞれ種類の異なる砂を貯蔵可能としており、例えば、貯蔵槽4cには海砂を、貯蔵槽4dには砕砂を貯蔵するようにしている。各貯蔵槽4a〜4dの下端部には略扇形状の排出ゲート6a〜6dを備えていると共に、各排出ゲート6a〜6dの端部をシリンダ7のロッド8先端部と軸着しており、シリンダ7のロッド8の伸縮に応じて各排出ゲート6a〜6dを開閉自在としている。
【0030】
また、前記骨材計量槽2a、2bのうち、2aは砂利用の計量槽であって、川砂利用の貯蔵槽4aと石灰石用の貯蔵槽4bから排出される各骨材を所定量ずつ順次投入させて累積計量する構成としている一方、2bは砂用の計量槽であって、海砂用の貯蔵槽4cと砕砂用の貯蔵槽4dから排出される各骨材を所定量ずつ順次投入させて累積計量する構成としている。各計量槽2a、2bの下端部には計量した骨材を下位のミキサ5に放出する略扇形状の放出ゲート9a、9bを備えていると共に、各放出ゲート9a、9bの端部をシリンダ10のロッド11先端部と軸着しており、シリンダ10のロッド11の伸縮に応じて各放出ゲート9a、9bを開閉自在としている。
【0031】
また、各計量槽2a、2b下端部の放出ゲート9a、9bより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用のスライド式の抜取ゲート12a、12bを備えていると共に、各抜取ゲート12a、12bの上端部をシリンダ13のロッド14先端部と固着しており、シリンダ13のロッド14の伸縮に応じて各抜取ゲート12a、12bを開閉自在としている。15はガイドシュートであって、抜取ゲート12a、12b開放時に計量槽2a、2bから抜き取られる骨材を、図中の二点鎖線矢印で示すように、下位の骨材回収手段である回収箱16に導出して回収するようにしている。
【0032】
次に、上記構成の骨材計量装置1にて、例えば、砂利の計量及び修正を行うときの手順を図4〜図7のフローチャートに基づいて説明する。なお、図中のS1〜S52は各ステップを表している。
【0033】
先ず、プラントに備え付けの操作盤(図示せず)に初期設定として、使用する骨材が一種類のみか、或いは二種類の骨材を混合させて使用するのかを決定し(S1)、一種類の骨材(例えば川砂利)のみを使用する場合には、計量設定値A0を設定登録すると共に(S2)、その許容誤差範囲B0(例えば、「JIS A 5308」にて認められている許容誤差範囲で、骨材は3%以内)を設定登録し(S3)、更に骨材を投入した計量槽2aにて減算計量する際に放出ゲート9aを全開からジョグモーションに切り替えるタイミングであるジョグモーション開始ポイントC0(例えば100kg)を設定登録し(S4)、続いて設定終了するか否かを判断し(S5)、終了しない場合にはステップ2に戻って再度設定登録する。
【0034】
一方、二種類の骨材(例えば川砂利と石灰石)を適宜量ずつ混合させて使用する場合には、先に計量する第一の骨材(例えば川砂利)の計量設定値A1を設定登録し(S6)、その許容誤差範囲B1(例えば3%以内)を設定登録すると共に(S7)、後から計量する第二の骨材(例えば石灰石)の計量設定値A2を設定登録し(S8)、その許容誤差範囲B2(例えば3%以内)を設定登録し(S9)、更に骨材を投入した計量槽2aにて減算計量する際に放出ゲート9aを全開からジョグモーションに切り替えるタイミングであるジョグモーション開始ポイントC2を設定登録し(S10)、続いて設定終了するか否かを判断し(S11)、終了しない場合にはステップ6に戻って再度設定登録する。
【0035】
そして、例えば、骨材を一種類(例えば川砂利)のみ使用する場合の計量時には、図5に示される計量開始1のフローチャートに進み、予め設定登録した計量設定値A0と許容誤差範囲B0、及び減算計量用のジョグモーション開始ポイントC0をそれぞれ読み込み(S12)、その計量設定値A0に基づいて、貯蔵槽(川砂利貯蔵用)4aの排出ゲート6aを開放して、所定量の骨材を砂利計量用の計量槽2aに投入する(S13)。なお、このとき貯蔵槽4aの排出ゲート6aは、適宜全開、或いはジョグモーションに切り替えて排出量を調節して計量精度を高めている。
【0036】
そして、所定量の骨材の投入が完了し、投入された骨材が全て砂利用の計量槽2aに落下し終わって安定した計量値が示されるようになればそのときの計量値を検出し(S14)、その計量値と計量設定値A0との誤差量を演算し(S15)、この誤差量と予め設定した許容誤差範囲B0と比較し(S16)、前記誤差量が許容誤差範囲B0内にあるかどうかを判定し(S17)、許容誤差範囲B0内に収まる場合には合格と見なして計量槽2aの放出ゲート9aを開放して、計量槽2a内の骨材を下位のミキサ5に放出し(S18)、1バッチ分の骨材の計量を完了する。そして、計量を終了するか否かを判断し(S19)、継続する場合はステップ13に戻って繰り返し計量操作を行う。
【0037】
また、ステップ17において、検出される計量値と計量設定値A0との誤差量が予め設定した許容誤差範囲B0を超過する場合(例えば、骨材の誤差量が3%を超過する場合)には、計量槽2aの放出ゲート9aを開放して計量槽2aから骨材をミキサ5に放出すると共に(S20)、計量値を検出し(S21)、その計量値と減算計量用のジョグモーション開始ポイントC0とを比較し(S22)、計量値がジョグモーション開始ポイントC0に達したかどうかを判定し(S23)、達していれば計量槽2aの放出ゲート9aを断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えて放出量を抑える一方(S24)、計量値がジョグモーション開始ポイントC0に達していなければステップ21に戻って計量を続ける。
【0038】
そして、計量値がジョグモーション開始ポイントC0に達していれば引き続き骨材の計量を続けて計量値を検出し(S25)、その計量値が許容誤差範囲B0内となったか否かを判定し(S26)、許容誤差範囲B0内となれば放出ゲート9aを閉鎖して骨材の放出を停止し(S27)、1バッチ分の骨材の計量を完了する。なお、次バッチでは、計量槽2aに超過分の骨材を残したままで次バッチ分の骨材を投入して累積計量を行う。
【0039】
また、ステップ17において、検出される骨材の計量値と計量設定値A0との誤差量が予め設定した許容誤差範囲B0より過小な場合には、図示していないが、貯蔵槽4aの排出ゲート6aを全開またはジョグモーションに適宜切り替えて不足分を供給する。
【0040】
一方、二種類の骨材(例えば川砂利と石灰石の両方)を適宜量ずつ混合させて使用する場合の計量時には、図6〜図7に示される計量開始2のフローチャートに進み、予め設定登録した第一の骨材(例えば川砂利)の計量設定値A1とその許容誤差範囲B1、第二の骨材(例えば石灰石)の計量設定値A2とその許容誤差範囲B2、及び減算計量用のジョグモーション開始ポイントC2をそれぞれ読み込み(S28)、計量槽2aへ先に投入する第一の骨材(例えば川砂利)の計量設定値A1に基づいて、貯蔵槽(川砂利貯蔵用)4aの排出ゲート6aを開放して、所定量の第一の骨材を砂利計量用の計量槽2aに投入する(S29)。なお、このときも貯蔵槽4aの排出ゲート6aは、適宜全開、或いはジョグモーションに切り替えて排出量を調節して計量精度を高めている。
【0041】
そして、所定量の第一の骨材の投入が完了し、投入された第一の骨材が全て砂利用の計量槽2aに落下し終わって安定した計量値が示されるようになればそのときの計量値を検出し(S30)、その計量値と計量設定値A1との誤差量を演算し(S31)、この誤差量と予め設定した許容誤差範囲B1と比較し(S32)、前記誤差量が許容誤差範囲B1内にあるかどうかを判定し(S33)、許容誤差範囲B1内に収まる場合には合格と見なし、引き続き、後から投入する第二の骨材(例えば石灰石)の計量操作に移る。
【0042】
また、ステップ33において、検出される計量値と計量設定値A1との誤差量が予め設定した許容誤差範囲B1を超過する場合(例えば、骨材の誤差量が3%を超過する場合)には、計量槽2aの抜取ゲート12aを開放して計量槽2aから第一の骨材を少量ずつ抜き取ると共に(S34)、計量値を検出し(S35)、その計量値が許容誤差範囲B1内となったか否かを判定し(S36)、許容誤差範囲B1内となれば抜取ゲート12aを閉鎖して骨材の抜き取りを停止し(S37)、第二の骨材の計量操作に移る。なお、前記抜取ゲート12aから抜き取った第一の骨材は、下位のガイドシュート15を経由させて回収箱16に回収する。
【0043】
また、ステップ33において、検出される第一の骨材の計量値と計量設定値A1との誤差量が予め設定した許容誤差範囲B1より過小な場合には、図示していないが、貯蔵槽4aの排出ゲート6aを全開またはジョグモーションに適宜切り替えて不足分を供給する。
【0044】
続いて、第一の骨材(例えば川砂利)の後に投入する第二の骨材(例えば石灰石)の計量設定値A2に基づいて、貯蔵槽(石灰石貯蔵用)4bの排出ゲート6bを開放して、所定量の第二の骨材を計量槽2aに投入する(S38)。なお、このときも貯蔵槽4bの排出ゲート6bは、前記同様に、適宜全開、或いはジョグモーションに切り替えて排出量を調節して計量精度を高めている。
【0045】
そして、所定量の第二の骨材の投入が完了し、投入された第二の骨材が全て砂利用の計量槽2aに落下し終わって安定した計量値が示されるようになればそのときの計量値を検出し(S39)、その計量値と計量設定値A2との誤差量を演算し(S40)、この誤差量と予め設定した許容誤差範囲B2と比較し(S41)、前記誤差量が許容誤差範囲B2内にあるかどうかを判定し(S42)、許容誤差範囲B2内に収まる場合には合格と見なして計量槽2aの放出ゲート9aを開放して、計量槽2a内の第一の骨材と第二の骨材を下位のミキサ5に放出し(S43)、1バッチ分の骨材の計量を完了する。そして、計量を終了するか否かを判断し(S44)、継続する場合はステップ29に戻って繰り返し計量操作を行う。
【0046】
また、ステップ42において、検出される計量値と計量設定値A2との誤差量が予め設定した許容誤差範囲B2を超過する場合(例えば、骨材の誤差量が3%を超過する場合)には、計量槽2aの放出ゲート9aを開放して計量槽2aから骨材をミキサ5に放出すると共に(S45)、計量値を検出し(S46)、その計量値と減算計量用のジョグモーション開始ポイントC2とを比較し(S47)、計量値がジョグモーション開始ポイントC2に達したかどうかを判定し(S48)、達していれば計量槽2aの放出ゲート9aを断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えて放出量を抑える一方(S49)、計量値がジョグモーション開始ポイントC2に達していなければステップ46に戻って計量を続ける。
【0047】
そして、計量値がジョグモーション開始ポイントC2に達していれば引き続き骨材の計量を続けて計量値を検出し(S50)、その計量値が許容誤差範囲B2内となったか否かを判定し(S51)、許容誤差範囲B2内となれば放出ゲート9aを閉鎖して骨材の放出を停止し(S52)、1バッチ分の骨材の計量を完了する。
【0048】
このとき、計量槽2aには先に投入した第一の骨材(川砂利)が計量槽2aの底部側に貯留されていると共に、その上側に後から投入した第二の骨材(石灰石)がそれぞれ層をなすように貯留されており、第一の骨材を投入した時点で生じた計量ミスを修正する場合と同様に、抜取ゲート12aを開放しても上層側の第二の骨材だけを抜き取るような操作は難しいが、上記のように計量槽2a下端部に備えた放出ゲート9aを開放して減算計量を行うことにより、下層側の第一の骨材から先に放出され、続いて計量ミスを生じた上層側の第二の骨材が放出され、最後に超過分の第二の骨材だけを残すような処理が可能となって好適に修正することができる。
【0049】
そして、次バッチでは、計量槽2aに超過分の第二の骨材(石灰石)を残したままで、これと同種の第二の骨材(同じ石灰石)を先に投入するように投入順序を入れ替えて累積計量を行う。なお、これに応じて以下のフローでは第一の骨材と第二の骨材とを置き換えて計量操作を行う。
【0050】
このように、生コンクリート製造プラントにおいて生コンクリートを製造するときに、骨材の計量値が許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、減算計量によって容易に修正できると共に、計量槽に残った超過分の骨材は次バッチにて無駄なく利用できる。また、二種類の骨材を混合させて使用する場合に、先に投入する第一の骨材の計量値が許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、抜取ゲートから骨材を抜き取りながら減算計量することによって容易に修正できる。また、後から投入する第二の骨材の計量値が許容誤差範囲を超過するような事態が生じても、超過分の第二の骨材だけを残すように減算計量することによって容易に修正できると共に、計量槽に残った超過分の第二の骨材は次バッチの骨材の投入順序を入れ替えることで累積計量が可能となり、次バッチにて無駄なく利用できる。
【0051】
なお、本実施例においては、便宜上、計量・修正する骨材として砂利の場合について説明したが、砂貯蔵槽4c、4dより排出される各種の砂を砂用の計量槽2bに投入して計量及び修正を行う場合についても砂利の場合と同様のフローによって処理される。
【0052】
また、本実施例では、コンクリート材料として使用する骨材が一種のみの場合に計量ミスを生じて計量値が許容誤差範囲を超過したときには、計量槽の放出ゲートを開放して減算計量を行って計量値を修正するようにしているが、抜取ゲートより超過分の骨材を抜き取るようにして修正することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1…骨材計量装置 2a、2b…骨材計量槽
3…ロードセル 4a、4b、4c、4d…骨材貯蔵槽
5…ミキサ 6a、6B、6c、6d…排出ゲート
9a、9b…放出ゲート 12a、12b…抜取ゲート
16…回収箱(骨材回収手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリート製造プラントに搭載される骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の骨材を残したままで累積計量するようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの骨材計量方法。
【請求項2】
生コンクリート製造プラントに搭載され、二種類の骨材を順次投入して累積計量する骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備えると共に、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備え、骨材計量時に最初に投入した第一の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記抜取ゲートを開放して計量槽から第一の骨材を抜き取りながら減算計量し、計量値が許容誤差範囲内となれば抜取ゲートを閉鎖して所定量計量するようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの骨材計量方法。
【請求項3】
請求項2記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法において、骨材計量時に第一の骨材に続いて投入した第二の骨材の計量値が予め設定した許容誤差範囲を超過した場合には、前記放出ゲートを開放して計量槽から第一及び第二の骨材をミキサに放出しながら減算計量し、計量槽に超過分の第二の骨材を残すように放出ゲートを閉鎖して所定量計量すると共に、次バッチでは計量槽に超過分の第二の骨材を残したままで、かつ第二の骨材から先に投入して累積計量するようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの骨材計量方法。
【請求項4】
請求項1または3記載の生コンクリート製造プラントの骨材計量方法において、減算計量時に計量槽の計量値が予め設定したジョグモーション開始ポイントになれば放出ゲートを断続的に開閉させるジョグモーションに切り替えるようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの骨材計量方法。
【請求項5】
砂利、砂、セメント、混和剤、及び混練水を各計量槽にて所定量計量し、これら材料をミキサに順次投入して所定時間混練して生コンクリートを製造する生コンクリート製造プラントにおいて、骨材計量槽の下端部に計量した骨材をミキサに放出する放出ゲートを開閉自在に備え、該放出ゲートより上位の計量槽側壁には骨材抜き取り用の抜取ゲートを開閉自在に備えると共に、該抜取ゲートの下位には抜き取った骨材を回収する骨材回収手段を備えたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの骨材計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−11335(P2011−11335A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154443(P2009−154443)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】