説明

生分解性エンドプロテーゼおよび製造方法

生分解性エンドプロテーゼは、望ましい生分解特性を有する非晶質ポリマーから形成される。そのような非晶質ポリマーの強度は、生分解時間を実質的に増加させることなく、結晶化度を増加させるために焼鈍することによって強化される。高非晶質ポリマーの結晶化度は、改質前には10%以下である。改質後、結晶化度は通常、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも20%だけ、好ましくは、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも100%だけ、より好ましくは、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも1000%だけ増加される。現在、好ましいポリマー材料は、本明細書で記載されるように、改質後に10%から20%までの範囲の結晶化度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよびそれらの製造のための方法に関する。特に、本発明は、強化された強度および移植後の制御された持続性を有する、ステント等の生分解性エンドプロテーゼ(endoprosthesis)の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ステントは、冠動脈、頸動脈、伏在静脈グラフト、または大腿動脈等の血管または他の身体管腔の区間を解放状態に保持するか、または補強する機能を果たす、概して管状形状の器具である。それらはまた、プラークを安定させ、または生体弁を支持するために、身体管腔を閉塞する解離した動脈の内層を支持および押し留めることに好適である。ステントは、種々の材料、特にポリマーおよび/または金属材料から形成することができ、そして、非生分解性、若しくは生分解性となるか、または、生分解性と非生分解性との両方の構成要素から形成されてもよい。ステントは、一般的には、カテーテルを使用して、身体管腔内の標的領域に送達される。バルーン拡張可能ステントでは、ステントは、バルーンカテーテルに取り付けられ、適切な領域へと進行させられ、そして、ステントは、バルーンを膨張させることによって拡張させられる。自己拡張ステントは、標的領域に送達され、解放され、必要な直径まで拡張して疾病を治療する。ステントはまた、種々の薬剤および薬物を溶出してもよい。
【0003】
本発明にとって特に興味深いことには、生分解性ステントおよび他のエンドプロテーゼは、通常、血管または他の管腔環境内において、加水分解および他の反応機構によって経時的に分解されるポリマーから形成される。通常、身体管腔中で、その必要な支持機能を果たした後に、完全に分解するエンドプロテーゼを有することが望ましいであろう。一般的には、完全分解は、着床後2年未満、しばしば1年未満、頻繁には数ヶ月内であることが所望されることとなる。しかしながら、多くの生分解性エンドプロテーゼは、必要とされるよりも長く持続し、しばしば、支持または薬剤送達機能が終了したずっと後まで同じ場所に残存する。多くの生分解性エンドプロテーゼの持続性の延長は、それらの強度を向上させたいという願望から生じることが多い。ポリマー構成材料は、しばしば、より高い結晶化度を有する材料を組み込むこと等によって強化されるため、それらは、所望の支持を提供するが、そうでない場合に望まれるものよりも、分解するのに時間が長くかかる。
【0004】
これらの理由により、制御された強度および持続性を有する、改良型エンドプロテーゼおよびそれらを製造する方法を提供することが望ましい。特に、分解期間を実質的に延長することなく、ステントおよび他のエンドプロテーゼに組み込まれる時に向上した強度を有するように、生分解性材料の強度を強化することが可能であることが望ましい。さらに、強化された強度を保持しながら、エンドプロテーゼを異なる分解期間を伴って作製することができるように、製造工程中に分解期間の制御を考慮することが望ましい。これらの目的のうちの少なくともいくつかは、以下に記載される本発明によって満たされる。
【0005】
(2.背景技術の記述)
ステントに使用されるフィラメントおよび他の構成要素の熱焼鈍および他の処理は、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載されている。ポリマーステント被覆の熱処理は、米国を指定する、共同所有された同時係属中出願のPCT/US07/81996に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,980,564号明細書
【特許文献2】米国特許第6,245,103号明細書
【特許文献3】米国特許第6,626,939号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、改良型の生分解性エンドプロテーゼおよびそれらの製造のための方法を提供する。エンドプロテーゼは、非晶質の生分解性ポリマーから形成される。それらは、通常2年未満の、しばしば1年未満の、頻繁には9ヶ月未満の、ときには6ヶ月より短い、またはさらに短い、生分解の比較的短い期間を提供するために、非晶質ポリマーの使用が望ましい。本発明は、所望の程度の結晶化度を導入するために、非晶質ポリマーを改質することに依存する。非晶質ポリマーに結晶化を導入することは、ポリマーの強度を増加させるので、それが、移植後の生分解の期間を実質的に延長することなく、エンドプロテーゼとして使用されることに対して好適であることが、本明細書の発明者らによって見出されている。
【0008】
規定されるように、高非晶質ポリマーの結晶化度は、改質前には10%以下である。改質後、結晶化度は通常、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも20%だけ、好ましくは、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも100%だけ、より好ましくは、非晶質材料の元の結晶化度の少なくとも1000%だけ増加される。現在、好ましいポリマー材料は、本明細書で以下に記載されるように、改質後には10%から20%までの範囲の結晶化度を有する。本明細書で使用されるように、「結晶化度」とは、ポリマーマトリクス内の構造の秩序または完全性の程度を指す。
【0009】
結晶化度は、示差走査熱量測定によって測定することができる(M.et al,Measuremnt of cyrstallinity in polymers using modulated temperature differential scanning calorimetry,in Material Characterization by Dynamic and Modulated Thermal Analyitical Techniques,ASTM STP 1402,Riga,A.T.et al.Ed,(2001)pp.17−31を参照)。
【0010】
生分解性プロテーゼを製造するための本発明による方法は、初期直径を有する管状本体を提供するステップを含み、管状本体は、少なくとも部分的に実質的に非晶質生分解性ポリマーから成る。管状本体は、そのガラス転移温度より高く、かつその融点未満の温度まで加熱される。次いで、管状本体は、ポリマーの結晶化度を増加させるために冷却される。この焼鈍工程の前または後のいずれかにおいて、管状本体は、ステントまたは他のエンドプロテーゼを提供するために、半径方向の収縮および拡張が可能な構造にパターン形成(pattern)されてもよい。
【0011】
通常、管状本体は、方法の一部として製造される。製造は、押出、鋳造、浸漬、および同等物等の、種々の従来の工程によるものとなり得る。好ましい形成工程は、溶媒中に溶解されたポリマーを円筒形マンドレルまたは他の構造上に吹き付けるステップを含む。選択的に、材料がエンドプロテーゼ管と一体的に、または一体化して形成されるように、強度強化の材料、薬剤、または同等物等の添加物が、ポリマーとともに溶媒中で溶解されてもよい。代替として、方法は、供給業者または他の外部源から事前成形のポリマー管を入手することに依存し得る。
【0012】
ポリマー管状本体は通常、穴または他の不連続部がない、実質的に連続の円筒として形成される。管状本体は、一般的には、2mmから10mmまでの範囲の外径、0.01mmから0.5mmまでの範囲の厚さを有し、一般的には、5mmから40mmまでの範囲で、個々のエンドプロテーゼに好適な長さに切断されてもよい。
【0013】
管状本体は、所望の分解特性を有する任意の非晶質ポリマーから形成されてもよく、ポリマーは、本発明の方法に従って、所望の強度特性を有するように改質されてもよい。例示的な非晶質ポリマーは、ポリ−DL−ラクチド、ポリラクチド−コ−グリコラクチド;ポリラクチド−コ−ポリカプロラクトン、ポリ(L−ラクチド−コ−炭酸トリメチレン)、炭酸ポリトリメチレンおよび共重合体;ポリヒドロキシ酪酸および共重合体;ポリヒドロキシ吉草酸および共重合体、ポリオルトエステルおよび共重合体、ポリ無水物および共重合体、ポリイミノカーボネートおよび共重合体、および同等物を含む。特に好ましいポリマーは、好ましくは、15%のグリコリドに対する85%のL−ラクチドの重量比で、L−ラクチドとグリコリドとの共重合体を備える。
【0014】
焼鈍加工の加熱部分は、一般的には、1分間から3時間までの期間の間に実行され、冷却は、一般的には、周囲温度またはそれより低い温度までとなる。しかしながら、他の好適な温度および時間は、以下の発明を実施するための形態に記載されている。
【0015】
管状本体は、一般的には、レーザ切断または他の従来の工程によって、好適なエンドプロテーゼ構造にパターン形成される。パターン形成は通常、焼鈍工程後に行われるが、焼鈍工程前に行われ得る。さらなる代替案として、パターン形成の前および後の両方において管状本体を焼鈍することが望ましくあってもよく、場合によっては、ステントが、製造工程中に3つ、4つ、またはさらに多くの焼鈍ステップを受けることができるように、付加的な焼鈍ステップが行われてもよい。
【0016】
エンドプロテーゼのパターンは、従来のエンドプロテーゼで採用される種類の任意の好適なパターンとなり得る。種々の例示的なパターンは、本出願と同じ日に出願された、共同所有された同時係属出願第11/________号(代理人整理番号022265−000510US)で説明されており、その開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0017】
製造方法に加えて、本発明は、少なくとも部分的に実質的に非晶質の生分解性ポリマーから成る管状本体を備える、生分解性プロテーゼも提供する。生分解性ポリマーは、非晶質ポリマー中にスフェルライト結晶を産生して、元の結晶化度の少なくとも20%だけ結晶化度を増加させるように処理される。プロテーゼの他の好ましい側面は、製造の方法に関して、上記に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の方法の主要ステップを図示するブロック図である。
【図2A】図2Aおよび2Bは、本発明の方法を使用して製造されてもよい、例示的なステント構造を図示する。
【図2B】図2Aおよび2Bは、本発明の方法を使用して製造されてもよい、例示的なステント構造を図示する。
【図3】図3は、半径方向に拡張した構成の図2Aおよび2Bのステントを図示する。
【図4】図4は、本出願の一実施例で利用されるステントパターンを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
非晶質生分解性ポリマー(結晶化度10%未満)は、結晶質ポリマーよりも速く分解するが、結晶質ポリマーよりも弱く、したがって、一般的には、血管に支持を提供するために十分な強度を必要とするステント等の血管インプラントには好適ではない。本発明は、非晶質ポリマー材料の改質を提供して、それらを生分解性ステントおよび他のエンドプロテーゼとしての使用に好適にする。本発明による改質に好適な非晶質材料は、ポリ−DL−ラクチド、ポリラクチド−コ−グリコラクチド;ポリラクチド−コ−ポリカプロラクトン、ポリ(L−ラクチド−コ−炭酸トリメチレン)、炭酸ポリトリメチレンおよび共重合体;ポリヒドロキシ酪酸および共重合体;ポリヒドロキシ吉草酸および共重合体、ポリオルトエステルおよび共重合体、ポリ無水物および共重合体、ポリイミノカーボネートおよび共重合体、および同等物を含むが、それらに限定されない。例示的なステントは、85/15ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)の共重合体の非晶質材料でできており、元の結晶化度の少なくとも20%だけ、好ましくは少なくとも100%だけ、より好ましくは、元の結晶化度の少なくとも1000%だけ、結晶化度を増加させるように加工される。一実施形態では、生分解性ステントは、2年未満、好ましくは1年未満、より好ましくは9ヶ月未満で実質的に分解する。
【0020】
本発明によれば、非晶質生分解性ポリマー材料は、その結晶化度を増加させるように加工される。加工された結晶化度は、ポリマーステント材料の強度、保存期間、および加水分解安定性を増加させてもよい。工程は、材料中の小型の球晶結晶を核にすること、および/またはそれらを成長させることによって、ポリマー材料の結晶化度を開始および/または強化する。改質ポリマーの非晶質領域は、生物環境中で加水分解または酵素分解によって優先的に分解されるため、改質非晶質生分解性ポリマーは、加工後に増加した結晶化度および増加した材料強度を有する。結晶化度の増加は、加熱、冷却、加圧、添加物の添加、架橋結合、および他の工程のうちの少なくとも1つを含む、本発明で記載されている「改質」によって達成することができる。
【0021】
ポリマー材料は、吹付、押出、鋳造、浸漬、または他の工程によって、選択された非晶質共重合体から管に作製することができる。非晶質ポリマー管類は、選択的に、少なくとも−25in.Hg.まで真空処理され、焼鈍され、急冷されて、結晶化度を増加させる。一実施形態では、管は、水および溶媒を除去するように、周囲温度において1トール以下で真空処理される。次いで、それは、ポリマー材料のガラス転移温度より高いが融解温度より低い温度まで加熱することによって焼鈍される。好ましくは、焼鈍温度は、ガラス転移温度(Tg)よりも少なくとも10℃高く、より好ましくは、少なくとも20℃高く、さらにより好ましくは、Tgよりも少なくとも30℃高い。焼鈍温度は通常、融点(Tm)より少なくとも5℃低く、好ましくは、少なくとも20℃低く、より好ましくは、ポリマー材料のTmよりも少なくとも30℃低い。焼鈍時間は、1分間から10日間まで間、好ましくは、30分間から3時間までの間、より好ましくは、1.5時間から2.5時間までの間である。
【0022】
一実施形態では、焼鈍された管は、1秒間から1時間までの期間の間に、好ましくは1分間から30分間まで、より好ましくは5分間から15分間までの期間の間に、焼鈍温度から周囲温度またはそれより低い温度まで急速冷却されることによって、焼き入れされる。別の実施形態では、焼鈍された管は、1時間から24時間までの範囲内で、好ましくは4時間から12時間まで、より好ましくは6時間から10時間までの範囲内で、焼鈍温度から周囲温度またはそれより低い温度まで低速冷却されることによって、焼き入れされる。場合によっては、熱処理された管は、結晶を安定させる、および/または結晶化を終結させるために、1分間から96時間までの期間の間、より好ましくは24時間から72時間までの期間の間、周囲温度より低い温度まで冷却される。この焼鈍および冷却工程は、ポリマー中の結晶の核生成を開始および促進し、材料の機械的強度を増加させる。初期の焼鈍温度および冷却速度は、結晶のサイズおよび材料の強度を最適化するように制御することができる。さらなる実施形態では、焼鈍されていない、および/または焼鈍された管は、5kGyから100kGyまで、より好ましくは10kGyから50kGyまでに及ぶ範囲の、単一または複数の放射線量による、電子ビームまたはガンマ線に暴露される。
【0023】
ステントまたは他のエンドプロテーゼは、「拡張した」直径のステント材料の管からパターン形成され、続いて、より小さい直径にクリンプ(crimp)され、送達カテーテルのバルーン上に嵌合(fit)される。ステントは、一般的には、レーザ切断によってパターン形成されて、意図される配備直径よりも、約1倍から1.3倍まで、好ましくは1.1倍から1.5倍まで、より好ましくは1.15倍から1.25倍まで大きい管類直径を有する。例えば、3.5mm×18mmの外径で切断されたステントは、3.0mm×18mmのステント送達カテーテル上にクリンプされる。さらなる実施形態では、焼鈍されていない、および/または焼鈍されたステントは、5kGyから100kGyまで、より好ましくは10kGyから50kGyまでに及ぶ範囲の、単一または複数の放射線量による、電子ビームまたはガンマ線に暴露される。
【0024】
ステント材料は、ステント切断中に、多少の結晶化度を失う場合がある。そのような場合、ステントは、より高い結晶化度までポリマーを再結晶させるために、切断後に、および/または2回焼鈍される。したがって、切断されたステントは、概して前述のように、2回焼鈍されてもよい。前述のように後に冷却が続く焼鈍は、結晶化度をさらに増加させるために、1回以上反復されることができる。さらなる実施形態では、熱処理されたステントは、結晶化を結晶中に閉じ込めるか、または終結させるために、1分間から96時間まで、より好ましくは24時間から72時間までの間に、周囲温度より低い温度に冷却される。
【0025】
処理されたステントまたは他のエンドプロテーゼは、Machine Solutions、Fortimedix、または他社のクリンパー(crimper)等の、楔を備える機械的クリンパーを使用して、送達バルーン上にクリンプされることができる。ステントはまた、ステントを収縮管の中に配置し、ステントが所望のクリンプ直径にクリンプされるまで、0.1から2インチ/分まで、より好ましくは0.2から0.5インチ/分までの速度において低速で収縮管を伸展させることによって、クリンプされることもできる。クリンプする間、ステントは、30分間、ステント材料のTgより20℃低い温度からTgより10℃高い温度までの温度に、より好ましくは、Tgより10℃低い温度からTgの温度までの温度に、最も好ましくは、Tgの温度において加熱される。この工程プロセスは、ステントが最終クリンプ直径を維持することを促進するか、または可能にする。クリンプ後、ステントがクリンプ直径にとどまる能力は、ステントをクリンプ直径で固定しながら、30分間、ステント材料のTgより20℃低い温度からTgより10℃高い温度に、より好ましくは、Tgより10℃低い温度からTgに、最も好ましくは、Tgにおいて、1分間から24時間までの間、より好ましくは15分間から1時間までの間、それを暴露することによって、さらに向上させることができる。このクリンプ温度において保持した後、さらなる加工(すなわち滅菌)まで、周囲温度またはそれより低い温度である間、ステントをクリンプ直径で固定することが好ましい。ステントは、ステント送達カテーテルのバルーン上にある間にクリンプされるか、または、最初にクリンプだけされて、次いで、カテーテルのバルーン上に滑らされることができる。さらなる実施形態では、クリンプステントは、結晶化を結晶中に閉じ込めるか、または終結させるために、1分間から96時間までの間、より好ましくは24時間から72時間までの間、周囲温度より低い温度に冷却される。
【0026】
好ましい実施形態では、カテーテル上の最終的なクリンプステントは、25から30kGyまでの線量、典型的には30kGyの単一の線量、または複数のより少ない線量(例えば、3×10kGy)を有する電子ビームによって滅菌される。ステントシステムは通常、複数の比較的少ない線量の滅菌の前、その間、および/またその後に、周囲温度より低い温度に保たれる。包装および滅菌されたステントはまた、前述のような熱処理に暴露されることができる。一実施形態では、生分解性ポリマーステントは、ステントの拡張中に、およそ生分解性ステント材料のTgにおいて加熱される。拡張中の温度は、Tgより10℃高い温度からTgより10℃低い温度までの範囲に及ぶことができる。
【0027】
そのようなステントの配備時に、工程は、クリンプ状態から拡張状態への拡張後に、ステントのリコイル(recoil)を10%未満に最小化する手段を提供する。
【0028】
強度、リコイル、または分解速度、またはそれらの組み合わせに影響を及ぼすために、添加物をエンドプロテーゼに添加することができる。添加物はまた、生分解性ステント材料の加工、放射線不透過性、または表面粗度、またはその他に影響を及ぼすこともできる。添加物は、生分解性または非生分解性であり得る。添加物は、混合、押出、射出成形、被覆、表面処理、化学的処理、機械的処理、スタンピング、またはその他、またはそれらの組み合わせによって、生分解性ステントまたはポリマー材料に組み込むことができる。添加物は、生分解性ステント材料に組み込む前に、化学的に改質されることができる。
【0029】
一実施形態では、添加物の重量の割合は、0.01%から25%まで、好ましくは、0.1%から10%まで、より好ましくは1%から5%までの範囲に及ぶことができる。
【0030】
一実施形態では、添加物は、少なくとも、ナノクレイ、ナノチューブ、ナノ粒子、剥離物、繊維、ウィスカ、小板状体、ナノ粉末、フラーレン、ナノスフィア、ゼオライト、ポリマー、またはその他、またはそれらの組み合わせを含む。
【0031】
ナノクレイの実施例は、モンモリロナイト、スメクタイト、タルク、または小板形状粒子、改質粘土、またはその他、またはそれらの組み合わせを含む。粘土は、間入または剥離されることができる。粘土の実施例は、Cloisite NA、93A、30B、25A、15A、10A、またはその他、またはそれらの組み合わせを含む。
【0032】
繊維の実施例は、リネン、綿、レーヨン、アセテート等のセルロース繊維;羊毛または絹等のタンパク繊維;植物繊維;ガラス繊維;炭素繊維;金属繊維;セラミック繊維;ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグリコネート、またはその他等の吸収性繊維を含む。
【0033】
ウィスカの実施例は、ヒドロキシアパタイトウィスカ、リン酸三カルシウムウィスカ、またはその他を含む。
【0034】
別の実施形態では、添加物は、少なくとも、改質デンプン、大豆、ヒアルロン酸、ヒドロキシアパタイト、リン酸トリカーボネート、ドデシル硫酸ナトリウム、塩化トリエチレンベンジルアンモニウム等の陰イオン性または陽イオン性の界面活性剤、D2W(Symphony Plastic Technologiesより)等のプロ分解剤(pro−degradant)、UV−H(Willow Ridge Plasticsより)等の光分解性添加物、PDQ(Willow Ridge Plasticsより)、TDPA、ポリ乳酸群およびそのランダムまたはブロック共重合体等の酸化性添加物、またはその他を含む。
【0035】
別の実施形態では、添加物は、電気活性または電解質ポリマー、含水ポリマー、乾燥剤、またはその他を含む。
【0036】
一実施形態では、添加物は、酸、過塩素酸塩、硝酸塩、過マンガン酸塩、塩、またはその他、またはそれらの組み合わせ等の酸化剤である。
【0037】
一実施形態では、添加物は、生分解性ポリマーステント材料のモノマーである。例えば、グリコール酸は、ポリグリコール酸またはその共重合体ステント材料への添加物である。
【0038】
一実施形態では、添加物は、蜜蝋、低分子量ポリエチレン、またはその他等の、撥水モノマー、オリゴマー、またはポリマーとなり得る。
【0039】
別の実施形態では、添加物は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、グリセロール、カフェイン、リドカイン、またはその他等の、水誘引剤モノマー、オリゴマー、またはポリマーとなり得る。
【0040】
一実施形態では、添加物は、生分解性ポリマーステント材料の結晶化度に影響を及ぼすことができる。PLLAへのナノクレイの添加物の実施例は、その結晶化度に影響を及ぼす。
【0041】
別の実施形態では、生分解性ポリマーステント材料は、ガンマまたは電子ビーム等の放射線への暴露等の架橋結合によって、増加した結晶化度を有することができる。累積的な放射線量は、1kGrayから1000KGrayまで、好ましくは5から100KGrayまで、より好ましくは10から30KGrayまでの範囲に及ぶことができる。
【0042】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料に対する降伏強度は、37℃の水中で、極限強度の少なくとも50%、好ましくは、極限強度の少なくとも75%、より好ましくは、極限強度の少なくとも90%である。
【0043】
一実施形態では、生分解性金属ステント材料に対する弾性係数は、少なくとも50GPa、好ましくは、少なくとも100GPa、より好ましくは、少なくとも150GPaである。
【0044】
別の実施形態では、生分解性ポリマーステント材料に対する弾性係数は、37℃の水中で、少なくとも0.5GPa、好ましくは、少なくとも0.75GPa、より好ましくは、少なくとも1GPaである。
【0045】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料に対する降伏ひずみは、37℃の水中で、高々10%、好ましくは、高々5%、より好ましくは、高々3%である。
【0046】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料に対する塑性ひずみは、37℃の水中で、少なくとも20%、好ましくは、少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%である。
【0047】
一実施形態では、ひずみが付与された生分解性ポリマーステント材料の弾性回復は、37℃の水中で、高々15%、好ましくは、高々10%、より好ましくは、高々5%である。
【0048】
一実施形態では、生分解性ステント材料は、2年以内、好ましくは1年以内、より好ましくは9ヶ月以内に、実質的に分解する。
【0049】
一実施形態では、生理学的条件において拡張した生分解性ステントは、少なくとも1ヶ月後において、強度またはリコイルの少なくとも25%、好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも70%を保持する。
【0050】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料は、少なくともバルク(bulk)浸食、表面浸食、またはそれらの組み合わせによって分解する。
【0051】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料は、少なくとも、加水分解、酵素分解、酸化分解、光分解、生理学的環境下での分解、またはそれらの組み合わせによって分解する。
【0052】
生分解性ポリマーステント材料は、線状、分岐、架橋、ハイパー分岐、または樹状等の、様々な分子構造を有することができる。
【0053】
本発明における生分解性ポリマーステント材料は、分子量が、10KDaから10,000KDaまで、好ましくは100KDaから1000KDaまで、より好ましくは300KDaから600KDaまでの範囲に及ぶことができる。
【0054】
別の実施形態では、生分解性ステント材料は、ステント材料を引き抜く(draw)か、加圧するか、および/または加熱することによって、半径方向および/または長軸方向に、生分解性ステント材料内のポリマー鎖の配向を増加させることによって、増加した結晶化度を有する。別の実施形態では、ステント材料を引き抜くか、加圧するか、および/または加熱するステップは、同時に、または連続的に生じる。
【0055】
一実施形態では、生分解性ステント材料は、少なくとも1つの表面を変形可能でない表面に接触して配置され、少なくとも200psiまで、好ましくは、少なくとも300psiまで、より好ましくは、少なくとも500psiまで加圧される。別の実施形態では、生分解性ステント材料は、少なくとも200psiまで、好ましくは、少なくとも300psiまで、より好ましくは、少なくとも500psiまで加圧される。
【0056】
一実施形態では、生分解性ステント材料管は、より大きい直径の変形可能でない管内に配置され、少なくとも200psiまで、好ましくは、少なくとも300psiまで、より好ましくは、少なくとも500psiまで加圧される。別の実施形態では、生分解性ステント材料管は、少なくとも200psiまで、好ましくは、少なくとも300psiまで、より好ましくは、少なくとも500psiまで加圧される。
【0057】
一実施形態では、生分解性ステント材料は、少なくとも、そのガラス転移温度(Tg)より高く、かつその溶解温度より低い温度で生分解性ステント材料を加熱することによりポリマー鎖の配向を増加させることによって、増加した結晶化度を有する。
【0058】
一実施形態では、生分解性ステント材料は、そのTgよりも少なくとも10℃高い温度、好ましくは、少なくとも20℃高い温度、より好ましくは、生分解性ステント材料のTgよりも少なくとも30℃高い温度まで材料を加熱することによって、結晶化度を増加させる。
【0059】
一実施形態では、生分解性ステント材料は、真空を伴うか、または伴わない、高温での引抜き、加熱、および/または加圧、および焼鈍後に、増加した結晶化度を有する。一実施形態では、焼鈍温度は、生分解性ステント材料のポリマー鎖の配向に使用される温度以下である。別の実施形態では、焼鈍温度は、生分解性ステント材料のポリマー鎖の配向のための温度より高々20℃低く、好ましくは、高々15℃低く、より好ましくは、高々10℃低い。
【0060】
一実施形態では、焼鈍後の生分解性ステント材料は、生分解性ステント材料のTgより低い温度、好ましくは、少なくともTgより25℃低い温度、より好ましくは、少なくとも生分解性ステント材料のTgより50℃低い温度に急冷される。
【0061】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料は、ポリマーの溶解度パラメータの10%以内である溶解度パラメータを有する1つの溶媒と、その溶媒におけるポリマーの溶解度パラメータとは少なくとも10%異なる溶解度パラメータを有する第2の溶媒とによる、溶媒の組み合わせを使用することによって、増加した結晶化度を有する。
【0062】
一実施形態では、生分解性ポリマーステント材料は、10%よりも大きい、好ましくは25%よりも大きい、より好ましくは50%よりも大きい結晶化度を有する。
【0063】
本発明はまた、生分解性ポリマーステント材料の強度、リコイル、または分解速度のコンシステンシーを向上させる手段も提供する。
【実施例】
【0064】
85%のラクチドと15%のグリコリドとを有する、非晶質共重合体ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)を吹き付けることによって、管を作製する。ポリマーおよびラパマイシン類似体を、溶媒中に溶解させることができ、ラパマイシンをポリマーステントに組み込むために、一緒に吹き付けることができる。80rpmで回転し、0.050インチ/分の速度で長軸方向に動く、超音波吹付ノズル(Micromist System with Ultrasonic Atomizing Nozzle Sprayer,Sono−Tek,NY)の下に、マンドレルを配置する。マンドレル上には、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)およびラパマイシン類似体の11対1の比の溶液がある。得られる管は、0.17mmの厚さを有する。管を45℃で約60時間加熱し、90℃で2時間焼鈍し、10秒以内に周囲温度または室温まで冷却する。次いで、焼鈍された管を、図4に示される設計(クリンプ状態で示される)にUVレーザで切断する。切断されたステントを90℃で焼鈍し、8時間以内に焼鈍温度から周囲温度まで低速で冷却する。次いで、ステント送達システムをポーチに包装し、ガンマ線によって滅菌する。
【0065】
熱処理されたステントは、熱処理されていないステントよりも高い半径方向強度を有する(表1)。
【0066】
【表1】

したがって、図1に示されるように、本発明による方法は、非晶質ポリマーから成る管状本体を最初に提供し、管状本体は、押出、鋳造、浸漬、または同等物によって形成されてもよいが、好ましくは、マンドレル上に吹き付けることによって形成される。管状本体は、通常、前述の加熱および冷却工程によって、増加した結晶化度および強度に焼鈍される。次いで、管状本体は、通常、少なくとも1つの焼鈍処理後に、一般的にはレーザ切断によって、ステントまたは他のエンドプロテーゼを形成するようにパターン形成される。選択的に、管状本体は、パターン形成の前および後の両方において処理されてもよく、パターン形成の前および後の両方において2回以上、焼鈍によって処理されてもよい。
【0067】
図2Aおよび2Bを参照して、本発明による改質に好適なステント10は、軸方向連結部14によって接合される、複数の隣接する蛇行リング12を含む、基本パターンを有する。図示されるように、ステント10は、6つの隣接する蛇行リング12を含み、各リングは、一端においてヒンジ状の冠部18によって接合される1対の軸方向支柱16を備える、6つの蛇行セグメントを含む。リングおよびセグメントの数は、ステントの所望のサイズの寸法に応じて、大きく異なってもよい。本発明によれば、支持特徴20は、図3に示されるように、軸方向支柱とともに円周方向に拡張、通常は伸長するように、隣接する軸方向支柱16の間に配置され、接続される。支持特徴20は、図2Aおよび2Bに示されるように、拡張前には、概して閉じたU字形構成であり、図3に示されるように、蛇行リング12の半径方向拡張の間に、冠部18の付近の軸方向支柱16の開放ともに、浅いV字形に開く。支持特徴20は、半径方向拡張後のステントのフープ強度を強化し、拡張が完了した後のリコイルに抵抗するのに役立ち、血管または他の管腔壁を支持するため、および選択的に管腔壁の中へ薬剤を送達するための付加的な領域を提供する。
【0068】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、種々の代替案、修正、および同等物が使用されてもよい。したがって、上記の説明は、添付の請求項によって定義される、本発明の範囲を限定するものとして捉えるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性プロテーゼを製造する方法であって、
初期の直径を有する管状本体を提供することであって、該管状本体は、少なくとも部分的に、実質的に非晶質の生分解性ポリマーから成る、ことを含み、
該管状本体は、該ポリマーの結晶化度を増加させるように改質を受ける、方法。
【請求項2】
前記管状本体は、半径方向の収縮または拡張が可能な構造へのパターン形成を受ける、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記改質は、前記ポリマーのガラス転移温度より高く、かつ該ポリマーの融点より低い温度まで、前記管状本体を加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記改質は、加熱、冷却、加圧、架橋結合、および添加物の添加のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
生分解性プロテーゼを製造する方法であって、
初期の直径を有する管状本体を提供することであって、該管状本体は、少なくとも部分的に、実質的に非晶質の生分解性ポリマーから成るとともに、該直径は、実質的に不変のままである、ことと、
該ポリマーのガラス転移温度より高く、かつ該ポリマーの融点より低い温度まで該管状本体を加熱することと、
該ポリマーの結晶化度を増加させるために、該管状本体を冷却することと、
該管状本体を、半径方向の収縮および拡張が可能である構造にパターン形成することと
を含む、方法。
【請求項6】
前記実質的に非晶質のポリマーは、加熱および冷却の前に、10重量%以下の結晶化度を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマーは、加熱および冷却後に、元の結晶化度の少なくとも20%だけ増加した結晶化度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマーは、加熱および冷却後に、元の結晶化度の少なくとも100%だけ増加した結晶化度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記管状本体を提供することは、押出、鋳造、および浸漬から成る群より選択される工程によって、該管状本体を形成することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記管状本体を提供することは、溶媒中に溶解された前記ポリマーを円筒形構造上に吹き付けることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
添加物は、前記溶媒中に溶解される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記管状本体は、2mmから10mmまでの範囲の外径、0.01mmから0.5mmまでの範囲の長さ、および5mmから40mmまでの範囲の肉厚を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマーは、ポリ−DL−ラクチド、ポリラクチド−コ−グリコラクチド;ポリラクチド−コ−ポリカプロラクトン、ポリ(L−ラクチド−コ−炭酸トリメチレン)、ポリ炭酸トリメチレンおよび共重合体;ポリヒドロキシ酪酸および共重合体;ポリヒドロキシ吉草酸および共重合体、ポリオルトエステルおよび共重合体、ポリ無水物および共重合体、ポリイミノカーボネートおよび共重合体、から成る群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリマーは、L−ラクチドとグリコリドとの共重合体を備える、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記共重合体は、85重量%のL−ラクチドと15重量%のグリコリドとである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記管状本体は、1分間から3時間までの範囲の期間の間、前記ガラス転移温度より少なくとも10℃高く、かつ前記融解温度より少なくとも5℃低い温度まで加熱される、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記管状本体は、周囲温度またはそれより低い温度で冷却される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記管状本体は、加熱または冷却後にパターン形成される、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記管状本体は、加熱または冷却前にパターン形成される、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
パターン形成することは、レーザ切断を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項21】
前記切断された管状構造は、複数の軸方向に連結された蛇行リングを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記管状本体は、パターン形成後に、少なくとも1つの追加サイクルを介して加熱および冷却される、請求項5に記載の方法。
【請求項23】
物質を前記管状本体に組み込むことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項24】
前記物質は、血管の再狭窄を抑制するように選択される薬剤を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記物質は、前記プロテーゼの強度を強化するように選択される添加物である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記添加物は、ナノクレイ、ナノチューブ、ナノ粒子、剥離物、繊維、ウィスカ、小板状体、ナノ粉末、フラーレン、ナノスフィア、およびゼオライトから成る群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記添加物は、モンモリロナイト、スメクタイト、タルク、小板状体、および改質粘土から成る群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記添加物は、Cloisite NA、93A、30B、25A、15A、および10Aから成る群より選択される、粘土である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記添加物は、リネン、綿、レーヨン、アセテート;羊毛、絹;植物繊維;ガラス繊維;炭素繊維;金属繊維;セラミック繊維;および吸収性繊維から成る群より選択される、繊維である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記添加物は、ヒドロキシアパタイトウィスカ、リン酸三カルシウムウィスカから成る群より選択される、ウィスカである、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記添加物は、化工澱粉、大豆、ヒアルロン酸、ヒドロキシアパタイト、およびリン酸トリカーボネートから成る群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記添加物は、ドデシル硫酸ナトリウム、および塩化トリエチレンベンジルアンモニウムから成る群より選択される、陰イオン性または陽イオン性の界面活性剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記添加物は、催分解剤、光分解性添加物、および酸化性添加物から成る群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記添加物は、電気活性ポリマー、電解質ポリマー、含水ポリマー、および乾燥剤から成る群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記添加物は、酸、過塩素酸塩、硝酸塩、過マンガン酸塩、およびそれらの塩から成る群より選択される、酸化剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記添加物は、蜜蝋および低分子量ポリエチレンから成る群より選択される、撥水ポリマーである、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記添加物は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、グリセロール、カフェイン、およびリドカインから成る群より選択される、水誘引剤である、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも部分的に、実質的に非晶質の生分解性ポリマーから成る管状本体を備え、該生分解性ポリマーは、実質的に非晶質であるが、元の結晶化度の少なくとも20%だけ結晶化度を増加させるように改質を受けている、生分解性プロテーゼ。
【請求項39】
10%から40%までの範囲の結晶化度を有する、請求項38に記載の生分解性プロテーゼ。
【請求項40】
前記ポリマーは、ポリ−DL−ラクチド、ポリラクチド−コ−グリコラクチド;ポリラクチド−コ−ポリカプロラクトン、ポリ(L−ラクチド−コ−炭酸トリメチレン)、炭酸ポリトリメチレンおよび共重合体;ポリヒドロキシ酪酸および共重合体;ポリヒドロキシ吉草酸および共重合体、ポリオルトエステルおよび共重合体、ポリ無水物および共重合体、ポリイミノカーボネートおよび共重合体から成る群より選択される、請求項38に記載の生分解性プロテーゼ。
【請求項41】
前記ポリマーは、L−ラクチドとグリコリドとの共重合体を備える、請求項40に記載の生分解性プロテーゼ。
【請求項42】
前記共重合体は、85重量%のL−ラクチドと15%重量のグリコリドとを備える、請求項41に記載の生分解性プロテーゼ。
【請求項43】
前記改質は、加熱および冷却の少なくとも1つのサイクルを含む、請求項38に記載の生分解性プロテーゼ。
【請求項44】
前記改質は、少なくとも、加熱および冷却の複数のサイクルを含む、請求項42に記載の生分解性プロテーゼ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−516347(P2010−516347A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546550(P2009−546550)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/051479
【国際公開番号】WO2008/089434
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(507331221)エリクシアー メディカル コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】