説明

生分解性組成物、生分解性組成物から作製した物品及び製造方法

発泡ゲル化親水コロイド系を含む生分解性組成物であり、この系には、堅質化剤及び繊維質材料が、その他の任意の成分と共に又は任意の成分を伴うことなく添加されている。このような組成物から作製した物品に適切なコーティングを施すと、沸騰水に対して不浸透性であり、電子レンジによる加熱に耐えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、生分解性組成物、特にはこのような生分解性組成物から形成した物品、例えば容器及びその他の品物に関する。
【背景技術】
【0002】
簡単にリサイクルできない発泡スチロール容器の普及は、大きな廃棄問題を引き起こした。発泡スチロール容器は使い捨てを目的としたものであるが、分解されないことから、埋め立てごみ処理場の容量超過に大きく関与している。また、発泡スチロールの製造は、通常、クロロフルオロカーボン(CFC)の使用を必要とし、汚染の大きな原因であり、石油資源の枯渇の原因である。
【0003】
従って、発泡スチロール容器の代替物としての生分解性容器の開発が、大きな関心を集めている。一般消費者は、発泡スチロール容器の感触及び質感に慣れてしまっていることから、同様の感触及び質感を有する生分解性容器が望ましい。生分解性容器にとって有利なその他の特性には、構造健全性を有しながらも軽量であること、沸騰水又は熱水を保持可能であること、電子レンジでの加熱に耐え得ること、及び費用効果の高い製造が含まれる。しかしながら、これらの特性を全て有する生分解性容器の開発は困難であることが判明している。例えば、現在に至るまでに提案されてきた多くの生分解性容器は、加工澱粉又は生体高分子/多糖の発泡物を基礎としたものである。このような容器は、通常、十分な構造健全性及び堅さに欠けており、乾燥させた発泡体は脆くなりすぎる傾向がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、発泡ゲル化親水コロイド系を含む生分解性組成物を提供することにより上記の問題を克服するものであり、この系には、堅質化剤(firming agent)及び繊維質材料が、その他の任意の成分と共に又は任意の成分を伴うことなく添加されている。本発明は、このような組成物から作製した、生分解性容器等の製品も提供する。この製品には適切なコーティングが施されており、沸騰水に耐える又は沸騰水不浸透性であり、電子レンジによる加熱に耐えることができる。本発明は、このような物品の製造方法を更に含む。
【0005】
本発明及び従来技術と比較してのその利点は、以下の詳細な説明及び付随する請求項を添付の図面を参照しながら読むことにより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明と見なされる主題は、本明細書の結論部において特に指摘され且つ明確に請求されている。しかしながら、本発明は、添付の図面と共に上記の説明を参照することにより、最も良く理解し得る。
【図1】代表的な生分解性容器の斜視図である。
【図2A】図1の線2−2で切り取った、生分解性容器の断面図である。
【図2B】図1の線2−2で切り取った、別の実施形態の生分解性容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、容器の製造に特に適しているが、その他の製品及び用途、例えば創傷治療用の手当て用品及び断熱板に使用可能な生分解性組成物に関する。一実施形態において、生分解性組成物は、発泡ゲル化親水コロイド系を包含するマトリクス、このマトリクスに混ぜ込まれた繊維質材料、及びこのマトリクスに混ぜ込まれた堅質化剤を含む。この組成物は、発泡剤及び多様なその他の任意の添加剤を更に含み得る。
【0008】
本明細書中で使用されるところの「発泡ゲル化親水コロイド系」とは、発泡物に加工された後の1つ以上の親水コロイドゲル化剤を指している。本発明の親水コロイドゲル化剤は、好ましくは多糖類であるが、必ずしも多糖類である必要はない。例えば、適した親水コロイドゲル化剤又は系には、寒天、アガロース、アロエマンナン/キサンタン、アロエマンナン(脱アセチル化)、アルギン/アルギン酸塩、水不溶性アルギン酸塩、1,3−シスジオールのホウ酸塩錯体(ローカストビーンガム、グアーガム、カシアガム、蒟蒻)、カラギーナン(適当な陽イオンを伴うκ又はιカラギーナン)、カシアガム/キサンタン、キトサン、キトサン/アルギン酸塩、キトサン/カラギーナン、カードラン(β1,3−グルカン)、ジェラン(ナトリウム塩は弾性、マグネシウム塩は堅い)、グアーガム/キサンタン、ヒアルロン酸、蒟蒻、脱アセチル化蒟蒻、蒟蒻/キサンタン、ローカストビーンガム/キサンタン、カシア/キサンタン、低メトキシルペクチンを含むペクチン、及びこれらの組み合わせ又は誘導体が含まれる。ゲル化多糖類等の成分及び添加物の比が、系の弾力性を決定する。
【0009】
これらの系には、熱不可逆性ゲルを形成するものがある。そのような系には、脱アセチル化蒟蒻、カードラン、アルギン酸カルシウム、カルシウム・低メトキシルペクチン、キトサン、カラギーナン及びアルギン酸塩とのキトサン錯体が含まれる。蒟蒻は、加熱時に蒟蒻を脱アセチル化するアルカリ性成分の存在下において、熱硬化ゲルを形成する。カードランの水性スラリーを摂氏約100度にまで加熱すると、ゆるいゲルが形成される。加えて、カードランのアルカリ性ゾルは摂氏55度で中和され、このゾルを引き続いて摂氏80度より高い温度にまで加熱すると、熱不可逆性のゲルが形成される。
【0010】
多糖類ではないその他の適した親水コロイドゲル化剤又は系には、ゼラチン、乳清タンパク質、カゼイン、カゼイン/カラギーナン、アルブミン、大豆タンパク質、酵素処理済み乳タンパク質(レンネット)、コンドロイチン硫酸、ポリビニルアルコール/ホウ酸塩、ブロックコポリマー(Pluronics及びTetronics(共に登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリ乳酸塩、及びこれらの組み合わせ又は誘導体が含まれる。
【0011】
繊維質材料は、組成物から形成された物品が脆くなりすぎることを防止するために、マトリクス内に埋め込まれる。この目的に適した繊維質材料には、再生紙、サトウキビ廃棄部位、トウモロコシ茎葉、砂糖大根廃棄部位、ヤシ殻(コイア粉末)、綿屑、柑橘類廃棄部位、鋸屑等を含む多様な原料から得た粒状化セルロース繊維、及び/又は水不溶性生体高分子(例えば、アルギン酸カルシウム)の塊又は押出繊維から得た粒状化繊維が含まれる。この繊維質材料は、ゲル化系材料からの水の吸収又はゲル化構造の破壊を防止するために、好ましくは予備水和される。
【0012】
堅質化剤(剛化剤又は硬化剤と称されることもある)はマトリクスに埋め込まれ、組成物から形成された物品に強度及び構造健全性を付与する。適した堅質化剤には、以下の:小麦粉、その他の粉類(エンドウ豆粉を含む)、粘土、鋸屑、澱粉、及びその他の水不溶性、水吸着性及び/又は水吸収性粒子の1つ以上が含まれる。繊維質材料と同様に、堅質化剤は、好ましくは組成物への添加に先立って予備水和される。
【0013】
発泡剤を組成物に含めることで、発泡を補助し及び/又は発泡物を安定化してもよい。好ましくは、発泡剤は、ゲル化が始まるまで消えない発泡物を形成する。一般に、発泡剤とは、特定の条件下(例えば、攪拌及び/又は高温)でガスを放出することによりゲル化混合物のゾルを発泡物に変える材料である。発泡剤は、発泡を助ける単一の材料又は複数の材料の混合物を包含し得る。適した材料には、高分子発泡剤、界面活性剤及びこれらの混合物が含まれる。考えられる高分子発泡剤には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、及びアルギン酸グリコール等の界面活性親水コロイドが含まれる。界面活性剤の例には、セルロース及びその他の多糖類の関連する誘導体のみならず、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ソルビタンエステルのエトキシレート(つまり、TWEEN(登録商標)界面活性剤)、TERGITOL(登録商標)洗浄用組成物、レシチンが含まれる。その他の考えられる高分子発泡剤及び界面活性剤は、2005年6月23日に発行の、Olav Gaserodらによる米国特許出願公報第2005/0137272号に記載されており、参照により本願に組み込まれる。
【0014】
本組成物は、更に、増白剤、着色料、及び保湿剤等の添加物を含み得る。適した保湿剤は、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール他の1つ以上を包含する。更に考えられる添加物には、繊維、可溶性親水コロイド充填剤、セルロース誘導体及びその他の水溶性親水コロイド等の水溶性添加物、水溶性多糖類及びその他の特性変化小分子及び高分子以外の不溶性充填剤並びに砂、粘土、バーミキュライト等の水不溶性添加物が含まれる。
【0015】
上記の組成物は、所望の形状と多様な望ましい特性を有する製品の製造に使用することができる。本発明から企図できる製品の1つが、生分解性容器である。本明細書において使用されるところの「容器」という用語は、品物(食品及び飲料を含むが、これらに限定されるものではない)の保持、貯蔵、分注、包装、又は小分けに使用することができる全ての入れ物、器等を指しており、そういった使用が短期間又は長期間を意図したものかは関係ない。「容器」の例には、箱、カップ、ボウル、トレイ、広口瓶、瓶、プレート、ボール箱、ケース、クレート、皿、蓋、ストロー、その他のタイプの入れ物、及びこれらの中に詰める緩衝材が含まれるが、これらに限定されるものではない。当然のことながら、状況によっては、容器により内容物を外気から封印することも、単に品物を保持又は収容するだけのこともある。
【0016】
図1、2A及び2Bを参照すると、代表的な容器10が図示されている。図示の実施形態において、代表的な容器10はカップであり、所望の形状に形成された生分解性本体部12を含み、容器10に蓄える品物を保持するように設計された内部領域14が画成されている。具体的には、本体部12は、底部16、円錐状側壁部18、及び上縁部20を有し、この上縁部にはカバーが取り付け可能である(図示せず)。本体部12は上記の組成物から形成されることから、繊維質材料及び堅質化剤が埋め込まれた親水コロイドゲル化マトリクス系を包含している。
【0017】
保護コーティング22が、本体部12の表面上に配置されている。図2Aに図示されるように、コーティング22は、本体部12の全表面、つまり内部領域14の内側と外側の双方を覆っている。或いは、コーティング22は、図2Bに図示されるように、内部領域14の内側の本体部表面(容器内に納められる品物が接触する表面)だけに施すことができる。一実施形態において、コーティング22を生分解性とすることができる。或いは、コーティング22は、生分解性ではない材料から形成することができる。この場合でも容器10は依然として本質的に生分解性であり、これは容器10の大部分を構成する生分解性本体部12が、依然として廃棄後に分解可能だからである(ゴミは、通常、最終的に埋立地に廃棄される前にすり砕かれ、細かく刻まれ、又は破砕されるため、全体をコーティング22で被覆しても、本体部12は露出する)。容器10を食品及び/又は飲料に用いようとする場合は、コーティング22は、人間用の食品との接触が認可された、耐水性の(本明細書で使用されるところの用語「耐水性」とは、熱い又は沸騰した液体を含め、水及び同様の液体に対して耐性又は不浸透性であることを意味する)、電子レンジによる加熱に耐えることができ、耐油脂性である材料を包含すべきである。適したコーティング材料には、ゼイン、キチン、生体高分子の疎水性誘導体、ワックス、セラック(特には食品グレードのセラック)、ラッカー(特には食品グレードのラッカー)、MichelmanのVaporcoat2200R、NuCoatの6661B、Ulterionコーティング、及びその他の重合体が含まれる。或いは、生分解性組成物の添加物として上述されたような増白剤又は着色料を、コーティング22に混ぜ入れることができる。。
【0018】
上記の生分解性組成物から容器等の製品を作製するための方法を次に説明する。本方法は、所望の親水コロイドゲル化剤を溶液に添加し、この溶液に空気を含ませる又はこの溶液を発泡させることで発泡ゲル化親水コロイド系を生成することから始まる。発泡剤を使用するならば、この時点で発泡剤も添加する。空気は、ミキサ等の適した手段を用いて溶液を泡立てる等のいずれの適した技法によっても含ませることができる。採用し得るその他の発泡技法には、圧縮した空気又はガスの注入による溶液の攪拌を行うガス・スパージング、及び圧力下で溶液をフリットガラスに強制的に通す泡発生装置の使用が含まれる。別の考えられる発泡技法は、圧力差の利用であり、つまり、溶液を高圧に繰り返し供し、次に圧力を急激に解放することである。熱分解を含む化学的反応及び生物学的反応(例えば、酵母)も使用することができる。
【0019】
一旦、溶液が発泡したら、堅質化剤及び繊維質材料を添加する。上述したように、ゲル化構造の破壊を回避するために、これらの成分は双方共に予備水和される。典型的には、堅質化剤及び繊維質材料は、それぞれの溶液に別々に添加され、次にこれらの溶液が、発泡ゲル化親水コロイド系に添加される。次に、溶液と系とを組み合わせたものに再度空気を含ませる。親水コロイドゲル化剤、堅質化剤及び繊維質材料は、所望の特性をもたらすのに適した量にて配合される。一般に、水溶液中の親水コロイドゲル化剤の濃度は、典型的には、約0.5重量%(例えば、水100グラムあたり0.5グラムのゲル化剤)〜約6重量%、好ましくは約2重量%〜約6重量%である。水溶液中の堅質化剤の濃度は、典型的には、約2重量%〜約20重量%、好ましくは約6重量%〜約18重量%である。繊維質材料の濃度は、通常、約2重量%〜約30重量%、好ましくは約4重量%〜約25重量%である。
【0020】
次に、増白剤、着色料、充填剤、保湿剤等の望ましい更に別の添加剤が加えられ、混合物を再度発泡させる。これらの上記の工程は全て、ゲル化を防止するために、適切な条件下で行われる(最も一般的には、適当な温度を保つことを意味する)。
【0021】
この時点で、添加剤が加えられた発泡ゲル化親水コロイド系は、作製予定の製品に合った型に注がれる又は注入される。次に、この発泡ゲル化親水コロイド系を型内でゲル化させる。ゲル化は、この系の成分の性質に応じた適切な技法により達成される。このゲル化には、冷却、加熱、又は単純に放置することが含まれ得る。系がゲル化された後、得られた本体部を型から外し、乾燥させる。乾燥法には、静置乾燥、強制換気乾燥、赤外線照射による乾燥、真空乾燥、水混和性溶媒による乾燥、フリーズドライ乾燥、過熱蒸気乾燥が含まれ得る。
【0022】
最終工程は、上述の保護コーティングの適用である。前述のように、このコーティングは、本体部の全表面又は本体部の表面の一部のみ、例えば物品内に納められた品物が接触する表面部位を被覆し得る。適したコーティング法には、浸漬コーティング、スプレーコーティング、塗布器を用いたコーティング、コーティングの混合物への混入が含まれる。
【実施例】
【0023】
蒟蒻及び脱アセチル化蒟蒻ゲル発泡物系マトリクス
実施例1
発泡脱アセチル化蒟蒻マトリクス
3グラムの粉末蒟蒻(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)を、Rivalのハンドブレンダを用いて、300mlの冷たい水道水に懸濁させた。容器をラップで覆い、電子レンジで沸騰するまで加熱した。得られたものに2mlのグリセリン及び2mlのAjax食器用洗剤を添加し、混合物を、最高速度に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つまで泡立てた。泡立てた材料を、均等に分割した。
【0024】
第1小分け分:1グラムの石灰を、10mlの冷たい水道水に溶かしたスラリーとして添加し、素早く完全に混ぜ込んだ。発泡混合物をマフィン型に入れ、ラップで覆い、華氏200度のオーブンに1時間入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。ラップの覆いを外し、発泡物を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥させた材料は、容器に用いるには軟らすぎ且つしなやか過ぎた。
【0025】
第2小分け分:脱アセチル化に先立って5グラムの粉末化された柑橘類廃棄物を(CitraSorb、SLG Processing)を添加したことを除いて、第1小分け分と同じ処理を行った。乾燥させた製品は、目的とする用途に使用するには弱すぎ且つしなやか過ぎた。
【0026】
実施例2
発泡脱アセチル化蒟蒻/紙繊維マトリクス
3グラムの粉末蒟蒻(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)を、Rivalのハンドブレンダを用いて、300mlの冷たい水道水に懸濁させた。容器をラップで覆い、電子レンジで沸騰するまで加熱した。得られたものに2mlのグリセリン及び2mlのAjax食器用洗剤を添加し、混合物を、最高速度に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つまで泡立てた。セルロース繊維調合物を、6gのトイレットペーパを500mlの熱水に入れ、Rivalのハンドブレンダを用いて浸軟させることにより得た。漉し器を用いて、水を除去した。湿潤したセルロース繊維を蒟蒻発泡混合物に添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。1グラムの苦土石灰を素早く添加し、混ぜ込んだ。発泡調合物を2つに分割した。第1小分け分をマフィン型に入れ、1時間に亘って華氏200度で加熱することで蒟蒻を脱アセチル化し、不溶性にした。乾燥は、対流式オーブン内で華氏170度で行われた。乾燥させた組成物は、十分な構造的剛性を有していなかった。
【0027】
発泡脱アセチル化蒟蒻/紙繊維/小麦粉マトリクス
第2小分け分に、冷たい水道水でスラリー化させた約40gの無漂白小麦粉を添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。発泡組成物をマフィン型に分注し、華氏200度で1時間に亘って加熱することで蒟蒻を脱アセチル化し、不溶性にした。乾燥は、対流式オーブン内で、華氏170度で行われた。乾燥させた組成物は堅かったが、若干脆く、小麦粉を添加しすぎたことを示した。しかしながら、この実験は、小麦粉を「堅質化剤」として使用し得ることを示した。
【0028】
実施例3
脱アセチル化蒟蒻マトリクス
Rivalのハンドブレンダ及び2リットルのガラス製ボウルを用いて、3グラムの粉末蒟蒻(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)を、300mlの水に分散させた。得られたものをラップで覆い、電子レンジで沸騰するまで加熱し、次に、室温まで冷却した。100mlの蒟蒻ゾルに、2mlのグリセリン及び2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。Black&Deckerのハンドミキサを高速で用いて、この混合物を、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。10mlの水でスラリー化させた1グラムの苦土石灰を添加し、泡立て込んだ。この混合物を同心円状に重ねたカップケーキ型に入れ、カップをラップで覆い、華氏200度のオーヴンに入れて脱アセチル化することで、蒟蒻をゲル化させた。1時間後、プラスチックフィルムを外し、カップを華氏170度の対流式オーブンに入れて乾燥させた。乾燥させた蒟蒻発泡体は、食品及び飲料用容器として使用するには軟らかすぎ且つしなやかすぎた。
【0029】
実施例4
脱アセチル化蒟蒻/小麦粉
実施例1と同様に調製した200mlの1%蒟蒻ゾルに、2mlのグリセリン及び2mlのAjax液体食器用洗剤を添加した。この混合物を、高速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。30mlの冷水でスラリー化させた8グラムのShawの漂白中力粉が添加され、混合物は、しっかりとした角が立つ堅さにまで再度泡立てられた。加熱時にこの発泡混合物をゲルに硬化させるために、2.5mlの1MのNaOHを添加し、ミキサを用いて完全に混ぜ込んだ。この混合物を、プラスチックフィルムを敷いた2枚の円形ガラス製オーブン皿に入れ、次に、皿をプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化することで、蒟蒻をゲル化させた。1時間後、皿を覆うプラスチックフィルムを外し、ゲル化した発泡物を部分乾燥させた。部分乾燥させた材料を皿から外し、紙製ボウルの上で、底側のプラスチックフィルムが部分乾燥されたゲル化発泡物と紙製ボウルとの間にくるようにして、成型した。乾燥は、華氏175度の対流式オーブン内で完了させた。乾燥させたボウルはその形状を維持していたものの、強度に欠け、少し圧力を加えると亀裂が生じた。
【0030】
実施例5
脱アセチル化蒟蒻/紙繊維/小麦粉
実施例1と同様に調製した300gの1%蒟蒻ゾルに、3mlのグリセリン、3mlのAjax液体食器用洗剤、及び15グラム(乾燥重量)の紙繊維(15グラムのトイレットペーパを熱水に入れ、Rivalのハンドブレンダで浸軟させ、次に篩上で紙成分を回収することにより用意)を添加した。この混合物を、高速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。15グラムの乾燥した、漂白小麦粉(Shaw)を添加した後、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。得られたものに4mlの1MのNaOHを添加し、素早く完全に混ぜ込んだ。混合物を2つに分割し、各小分け分を、プラスチックフィルムを敷いた矩形のガラス製オーブン皿に入れた。プラスチックフィルムを用いて皿を覆い、皿を華氏190度の対流式オーブンに入れて蒟蒻を脱アセチル化し、ゲル発泡物を硬化させた。1時間後、プラスチックフィルムの覆いを外し、材料を部分乾燥させた。次に、敷いたプラスチックフィルムを用いて部分乾燥させたゲル化発泡物を引き上げ、逆さにしたパンの焼き型の底部に軽く押し付けることで成型した。乾燥後、トレイにMichelmanのVaporCoat(登録商標)2200Rをコーティングし、塗布毎に華氏220度で硬化させた。トレイは優れた構造特性を有していた。この組成物は、カップ及びボウルの作製にも使用された。
【0031】
実施例6
脱アセチル化蒟蒻/小麦粉/セルロース誘導体
農業廃棄物(トウモロコシ茎葉、砂糖大根パルプ、柑橘類パルプ、麦わら等を含む)からFiberstar(ウィスコンシン州エリスワース)によって、米国特許第6506435号及び公開された米国特許出願第20030116289号に記載の方法を用いて調製された膨張セルロース誘導体のサンプルを得た。これらのサンプルを、上述の実施例において記載の紙繊維の代わりに用いた。7つのサンプル全てを試したところ良好な結果が得られたが、この実験は、砂糖大根の膨張パルプの使用についてしか説明していない。
【0032】
実施例1と同様に調製した、室温の100グラムの1%蒟蒻ゾル(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)に、1mlのグリセリン及び1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤が添加された。得られたものを、高速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。60mlの冷水でスラリー化させた10グラムの小麦粉及び10グラムのFiberstar(登録商標)膨張砂糖大根パルプを添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。ゲル化剤として、1mlの1MのNaOHを添加し、素早いが完全に混ぜ込んだ。混合物を、プラスチックフィルムを敷いた紙製のスープボウルに移し、プラスチックフィルムを上に置くことで成形した。ボウルを華氏195度のオーブンに1時間に亘って入れて蒟蒻を脱アセチル化することにより、発泡混合物をゲル化発泡物へと硬化させた。ボウルを覆っているプラスチックフィルムを外し、発泡ゲル混合物を華氏195度の対流式オーブンで乾燥させ、この後、底面のラップを外した。ボウル型製品は良く出来ていたが、若干弱かった。
【0033】
実施例7
脱アセチル化蒟蒻/紙繊維/HPC
2リットルの計量ボウル内の100グラムの1.5%蒟蒻ゾル(実施例1と同様に調製)に、30mlの冷水に溶解させられた5グラムのヒドロキシプロピルセルロース(Hercules、LF、ロット8931)、1mlのグリセリン、及び1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤が添加された。得られたものを、Black&Deckerのハンドミキサをを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。6グラム(乾燥重量)の、水で浸軟され篩にかけられたトイレットペーパが添加され、混合物は、しっかりとした角が立つまで再度泡立てられた。得られたものに2mlの1MのNaOHが添加され、素早く且つ完全に混ぜ込まれた。同心円状に重ねられたボウルを、離型剤としての5%のPVAゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物を成型するために用いた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。1時間後、外側の型(ボウル)を外し、ゲル化発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを、華氏170度に設定した対流式オーブン内で乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、ボウルを型から外し、対流式オーブン内で乾燥を完了させた。ボウルは、やや薄いが丈夫であった。
【0034】
実施例8
脱アセチル化蒟蒻/紙繊維/HEC/小麦粉
実施例1と同様に調製した、室温の2リットルの計量ボウル内の400mlの1.5%蒟蒻ゾル(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)、1mlのグリセリン及び1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤に、30mlの冷水でスラリー化された20グラムのヒドロキシエチルセルロース(Hercules、250LR PA、ロット23343)を添加した。低速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、完全に混ぜ込んだ。得られたものに4mlのグリセリン、4mlのAjax液体食器用洗剤、及び24グラム(乾燥重量)の紙繊維(24グラムのトイレットペーパを熱水に入れ、Rivalのハンドブレンダで浸軟させ、次に紙成分を篩の上で回収して用意)を添加した。この混合物は、高速に設定されたミキサを用いて、しっかりとした角が立つ硬さにまで泡立てられた。18グラムの乾燥小麦粉を添加した後、混合物を再度泡立てた。加熱時にこの発泡物をゲルに硬化させるため、6mlの1MのNaOHを添加し、ミキサを用いて完全に混ぜ込んだ。同心円状に重ねられたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、外側にゲル化発泡混合物が付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。上部から余分な部分を削り取って形を整えた後、刷毛を用いて、カップ及びボウルにMichelmanの2200R VaporCoatを用いてコーティングを段階的に施した。次の塗布を行う前に、コーティング毎に華氏220度で硬化させた。ボウル及びカップは優れた強度を示し、軟化することなく沸騰水に20分に亘って耐えた。冷水を入れて電子レンジでの加熱に供したところ、マトリクスの軟化が起こることなく、水は沸騰した。
【0035】
実施例9
脱アセチル化蒟蒻/砂
実施例1と同様に調製した、室温の2リットルの計量ボウル内の400mlの1.5%蒟蒻ゾル(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)に、4mlのグリセリン及び4mlのAjax液体食器用洗剤が添加された。この混合物を、高速に設定したミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さまで泡立てた。200グラムのガーデンサンドを添加した後、混合物を再度泡立てた。加熱時にこの発泡物をゲルに硬化させるために、6mlの1MのNaOHを添加し、ミキサを用いて完全に混ぜ込んだ。同心円状に重ねたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に使用した。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。乾燥させたボウル及びカップは脆弱で、取扱い時にバラバラに壊れた。
【0036】
実施例10
脱アセチル化蒟蒻/小麦粉/砂
2リットルの計量ボウル内の200グラムの1.5%蒟蒻ゾル(実施例1と同様に調製)に、3mlのグリセリン及び2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。得られたものを、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。10グラムの乾燥小麦粉を添加し、混合物をしっかりとした角が立つまで再度泡立て、続いて100グラムのガーデンサンドを添加し、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。この混合物に、3mlの1MのNaOHを添加し、素早く且つ完全に混ぜ込んだ。同心円状に重ねた2セットのボウルを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。1時間後、外側の型(ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、ボウルを外して、対流式オーブン内で乾燥を完了させた。繊維質の結合剤がないと、乾燥させたボウルは脆弱すぎた。
【0037】
実施例11
脱アセチル化蒟蒻/紙繊維/小麦粉/砂
実施例1と同様に調製した、室温の2リットルの計量ボウル内の400mlの1.5%蒟蒻ゾル(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)に、4mlのグリセリン、4mlのAjax液体食器用洗剤、及び20グラム(乾燥重量)の紙繊維(20グラムのトイレットペーパを熱水に入れ、Rivalのハンドブレンダで浸軟させ、次に篩上で紙成分を回収することで用意)を添加した。この混合物を、高速に設定したミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。20グラムの乾燥小麦粉を添加した後、混合物を再度泡立てた。200グラムのガーデンサンドを添加し、しっかりとした角が立つ堅さにまで混合物を再度泡立てた。加熱時にこの発泡物をゲルに硬化させるために、6mlの1MのNaOHを添加し、ミキサを用いて完全に混ぜ込んだ。同心円状に重ねたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、華氏195度のオーブンに入れて脱アセチル化し、蒟蒻を硬化させた。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外して、対流式オーブンで乾燥を完了させた。上部から余分な部分を削り取って形を整えた後、刷毛を用いて、カップ及びボウルに、Michelmanの2200R VaporCoatを用いてコーティングを段階的に施した。次の塗布を行う前に、コーティング毎に華氏220度で硬化させた。ボウル及びカップは優れた強度を示し、軟化することなく沸騰水に20分に亘って耐えた。冷水を入れて電子レンジでの加熱に供したところ、マトリクスが軟化することなく、水は沸騰した。
【0038】
実施例12
低温溶融脱アセチル化蒟蒻マトリクス
脱アセチル化した蒟蒻のゲル強度は、温度に反比例して変化し、摂氏約4度でゾルを形成する。このゾルは、泡立てて発泡物にすることができ、次に、温度を上昇させることにより、硬化させることができる。この方法は、各種生分解性組成物の基礎となり得る。
【0039】
蒟蒻/キサンタン発泡物系マトリクス
実施例13
発泡蒟蒻/キサンタン/紙繊維/小麦粉マトリクス
1グラムの蒟蒻(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)及び1グラムのキサンタン(Keltrol、ロット31747V)を含有する乾燥混合物を、Rivalのハンドブレンダを用いて、200mlの冷たい水道水に分散させた。この混合物を、電子レンジで沸騰するまで加熱した。熱いうちに、2グラムのグリセリン、2mlのAjax液体食器用洗剤、及び実施例2と同様に処理された6グラムのトイレットペーパを添加し、混合物を、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。冷たい水道水でスラリー化した40グラムの無漂白小麦粉を添加し、泡立て込んだ。発泡混合物をカップケーキ型に入れ、室温で硬化させた。乾燥は、華氏170度にて対流式オーブン内で行われた。乾燥させた発泡製品は堅すぎ、やや砕け易く、今回も小麦粉を多く使いすぎたことを示した。
【0040】
実施例14
蒟蒻/キサンタン/紙繊維
1グラムの蒟蒻(Shimizu、PROPOL A、ロットAEH17)及び1グラムのキサンタン(Kelco、Keltrol、ロット3174V)の乾燥混合物を、Rivalのハンドブレンダを用いて、200mlの水に分散させた。この分散液を入れた2リットルの計量ボウルをプラスチックフィルムで覆い、中身を電子レンジで沸騰するまで加熱した。蒟蒻/キサンタンゾルは摂氏約70度でゲルを形成することから、作業温度を、この温度より高く維持しなくてはならない。熱いうちに、2グラムのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び6グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例1を参照)を添加した。Black&Deckerのハンドミキサを用いて、混合物を、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。3つのカップケーキ型にこの発泡組成物を充填し、室温でゲル化させた後、材料を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥させたゲル化発泡体は非常に軽量だが、食品及び飲料用容器に使用するにはしなやかすぎた。
【0041】
実施例15
脱アセチル化蒟蒻/キサンタン/紙繊維マトリクス
10mlの熱水でスラリー化させた0.5グラムの石灰を小麦粉の代わりに用いたことを除き、実施例14と同じであった。発泡混合物を1.5時間に亘って冷蔵して硬化させ、次に、華氏175度での加熱により蒟蒻を脱アセチル化した。乾燥は、華氏170度にて対流式オーブン内で行われた。乾燥させた発泡製品はいくらか剛性ではあったが、小麦粉を添加したほうが良かったと思われた。
【0042】
寒天発泡物系マトリクス
実施例16
発泡寒天/紙繊維/小麦粉マトリクス
2グラムの寒天(シグマ、精製寒天)を、100mlの冷たい水道水に懸濁させ、沸騰するまで加熱して寒天を溶解させた。熱いうちに、1mlのグリセリン及び1mlのAjax液体食器用洗剤を、実施例2と同様に処理した4グラムのトイレットペーパと共に添加した。水でスラリー化させた約40グラムの無漂白小麦粉を添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで泡立てた。得られたものをガラス製のオーブン皿に入れ、ラップで覆い、冷蔵庫に入れて寒天系マトリクスを硬化させた。乾燥は、華氏170度にて対流式オーブン内で行われた。乾燥させた発泡製品は堅すぎ、やや砕け易く、今回も小麦粉が多すぎたことを示したが、組成物に剛性を付与するために小麦粉を使用し得ることを示した。
【0043】
実施例17
発泡寒天/紙繊維/小麦粉マトリクス
12グラムのMarine BioProductsの寒天(ロット:M0199−0004)を、300mlの冷たい水道水に添加し、約15分間に亘って膨張させた。この混合物を電子レンジを用いて沸騰するまで加熱し、次に、Rivalの高せん断ハンドブレンダを用いてかき混ぜた。1.5mlのグリセリン及び3mlのAjax液体食器用洗剤を添加した後、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。実施例2と同様に用意した、浸軟されたトイレットペーパ(18グラム)を添加し、Rivalの高せん断ブレンダを用いて混ぜ込んだ。30mlの冷たい水道水でスラリー化させた15グラムの小麦粉を添加し、Black&Deckerのミキサを用いて、完全に混ぜ込んだ。3つのボウルと1つのカップが、同心円状に重ねられた型で成型された。これらをラップで覆い、1時間に亘って冷蔵し、次に型を外すと、ゲル発泡物が内側の型に残った。ゲル発泡物が残った型を逆さにした後、華氏180度の対流式オーブンで乾燥させた。優れた特性であった。続いて、カップをNuCoat6616bでコーティングした。硬化は、電子レンジを用いて、15秒に亘って行われた。硬化した、コーティングされたカップは、軟化することなく幾度かの沸騰水の交換に持ちこたえ、軟化させることなく電子レンジで冷水を沸騰させることができた。
【0044】
実施例18
発泡寒天/セルロース繊維/小麦粉マトリクス
トイレットペーパの代わりにCreaTech(登録商標)TC2500セルロース繊維(Creafill Fibers、メリーランド州チェスタータウン)を使用したことを除き、実施例17と同じであった。このセルロース繊維は、繊維が隠れるに十分な量の華氏190度の水を添加し、Rivalの高せん断ハンドブレンダで混和し、次に篩にかけて余分な水を除去することにより予備水和された。2つのボウル及び2つのカップが成型された。これらは、サンプル15aにおけるものと同様の特性を有しており、材料を置き換えることで満足のいく結果が得られることを示した。
【0045】
実施例19
発泡寒天マトリクス
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、2グラムの寒天(Marine BioProducts、植物組織培養用寒天、ロット010106)を100mlの水でスラリー化し、ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジを用いて中身を沸騰するまで加熱することで、2%寒天ゾルを調製した。この寒天ゾルに、1mlのグリセリン及び1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。ボウルを、非常に熱い湯を入れたより大きなボウルに入れ、寒天ゾル混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。発泡物は、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に移され、プラスチックフィルムで覆われ、1時間に亘って冷蔵することにより寒天をゲル化発泡物に硬化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、ゲル化発泡物を、華氏175度の対流式オーブンで部分乾燥させた。発泡物を、プラスチックフィルムを付着させたまま皿から外した。発泡物は、紙製のボウル上で成型され、完全に乾燥させられた。乾燥させた発泡マトリクスは、実用にはしなやかすぎた。処方に変更を加え、小麦粉等の堅質化剤及び繊維質材料を含ませる必要がある。
【0046】
実施例20
寒天/紙繊維マトリクス
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、2グラムの寒天(Marine BioProducts、植物組織培養用寒天、ロット010106)を100mlの水でスラリー化し、ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジを用いて中身を沸騰するまで加熱することで、2%寒天ゾルを調製した。この寒天ゾルに、1mlのグリセリン及び1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。ボウルを、非常に熱い湯を入れたより大きなボウルに入れ、寒天ゾル混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。浸軟させ篩にかけた7グラム(乾燥重量)のトイレットペーパを添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。発泡物は、プラスチックフィルムを敷いた2枚の円形のガラス製オーブン皿に移され、プラスチックフィルムで覆われ、1時間に亘って冷蔵することにより寒天をゲル化発泡物に硬化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、ゲル化発泡物を、華氏175度の対流式オーブンで部分乾燥させた。発泡物を、プラスチックフィルムを付着させたまま皿から外した。発泡物は、紙製のボウル上で成型され、完全に乾燥させられた。乾燥させた発泡マトリクスは、実用にはしなやかすぎた。処方に変更を加え、小麦粉等の堅質化剤を含ませる必要がある。
【0047】
実施例21
寒天/小麦粉
寒天ゾルをしっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた後、50mlの水でスラリー化させた20グラムの小麦粉を加え、実施例16を繰り返した。混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。発泡物は、プラスチックフィルムを敷いた2枚の円形のガラス製オーブン皿に移され、プラスチックフィルムで覆われ、1時間に亘って冷蔵することにより寒天をゲル化発泡物に硬化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、ゲル化発泡物を華氏175度の対流式オーブンで乾燥させ、次にプラスチックフィルムから剥離した。乾燥させた発泡体は、小麦粉を入れない場合より堅かったが、やや砕け易くなり、小麦粉を入れすぎたことを示した。
【0048】
実施例22
寒天/砂
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、8グラムの寒天(Marine BioProducts、植物用寒天)を200mlの水でスラリー化し、ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジを用いて中身を沸騰するまで加熱することで、4%寒天ゾルを調製した。この寒天ゾルに2mlのグリセリン及び2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。ボウルを、非常に熱い湯を入れたより大きなボウルに入れ、寒天ゾル混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。100グラムのガーデンサンドを添加した後、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。同心円状に重ねられたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、冷蔵した。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外して、対流式オーブンで乾燥を完了させた。上部から余分な部分を削り取って形を整えた後、刷毛を用いて、カップ及びボウルにMichelmanの2200R VaporCoatを用いてコーティングを段階的に施した。次の塗布を行う前に、コーティング毎に華氏220度で硬化させた。ボウル及びカップは優れた強度を示し、軟化することなく、沸騰水に20分間に亘って連続2回持ちこたえた。冷水を入れて電子レンジによる加熱に供したところ、マトリクスを軟化させることなく、水は沸騰した。
【0049】
実施例23
寒天/HEC
2リットルの計量ボウル内の400mlの熱い4%寒天ゾル(Marine BioiProducts、植物用寒天)に、冷水で新たにスラリー化させた8グラムのヒドロキシエチルセルロース(Hercules、250HR、ロット23630)を添加した。HECは、Black&Deckerのハンドミキサを用いて素早く混ぜ込まれ、次に、混合物は、電子レンジで沸騰するまで再加熱された。得られたものに4mlのグリセリン及び4mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加し、混合物を、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。同心円状に重ねられたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物を成型するために用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、冷蔵した。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏175度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を終了させた。製品は、興味深くはあるが脆かった。
【0050】
実施例24
寒天/HEC/小麦粉
実施例23に記載の手順を繰り返したが、成型前に、20グラムの小麦粉(Shaw)を40mlの冷水でスラリー化し、泡立てた混合物に添加し、しっかりとした角が立つまで混合物を泡立て、電子レンジで沸騰するまで再加熱し、再度泡立てた。1小分け分(約1/3)を、プラスチックフィルムを敷いた矩形のガラス製オーブン皿に入れ、皿をラップで覆い、冷蔵することで寒天発泡物マトリクスをゲル化させた。残りの3分の2を用いて、カップ及びボウルを作成した。同心円状に重ねられたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物を成型するために用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、冷蔵した。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏175度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。オーブン皿内のゲル化発泡物は、華氏175度で部分乾燥され、次に、プラスチックフィルムがパンの焼き型の隣にくるようにして、逆さにしたパンの焼き型の底部に沿って成型された。乾燥を完了させた。製品は薄く、しなやかすぎた。
【0051】
実施例25
寒天/HEC/紙繊維
2リットルの計量ボウル内の200mlの熱い4%寒天ゾルに、4グラムのヒドロキシエチルセルロース(Hercules、250HR、ロット23630)のスラリーが添加された。スラリーは、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、完全に混ぜ込まれた。得られたものに、2mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び10グラム(乾燥重量)の、浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)が添加された。混合物は、電子レンジで沸騰するまで加熱され、次に、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てられた。同心円状に重ねられた2つのボウル及び同心円状に重ねられた2つのカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物を成型するために用いた。ボウル及びカップをプラスチックフィルムで覆い、冷蔵した。1時間後、外側の型を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、ボウル及びカップを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。製品は非常に計量で、かなりしなやかであった。
【0052】
実施例26
寒天/HEC/紙繊維/小麦粉
実施例25で説明したものと同じ手順を、小麦粉の添加と共に用いた。成型前に、10グラムの小麦粉を添加し、泡立て込んだ(実験を重ねたところ、小麦粉を乾燥状態で添加しても冷水でスラリー化して添加しても、同様の結果が得られることが示された)。カップ及びボウルは、計量且つ丈夫であった。選択したサンプルにコーティングを施し、耐水性にした。刷毛を用い、カップ及びボウルにMichelmanの2200R VaporCoatを用いてコーティングを段階的に施した。次の塗布を行う前に、コーティング毎に華氏220度で硬化させた。ボウル及びカップは優れた強度を示し、軟化することなく沸騰水に20分に亘って持ちこたえた。冷水を入れて電子レンジによる加熱に供したところ、マトリクスを軟化させることなく、水は沸騰した。
【0053】
別の実験において、発泡混合物を、プラスチックフィルムを敷いた矩形のガラス製オーブン皿に入れ、皿をラップで覆い、冷蔵して寒天発泡物マトリクスをゲル化させることにより、トレイを作製した。プラスチックフィルムの覆いを外した後、オーブン皿内のゲル化発泡物を、華氏175度で部分乾燥させた。部分乾燥させた発泡物スラブは、プラスチックフィルムがパンの焼き型の隣にくるようにして、逆さにしたパンの焼き型の底部に沿って成型された。乾燥を完了させた。得られたトレイは若干歪んでいたが、軽量且つ丈夫であった。
【0054】
実施例27
寒天/HEC/砂糖大根パルプ廃棄物
実施例25に記載の手順を、成型前に膨張砂糖大根パルプの添加と共に用いた。20グラムの砂糖大根パルプを、40mlの水で湿潤させ、泡立てて前述の泡立てた混合物に混ぜ込んだ。成型、硬化、乾燥させたカップ及びボウルは硬質だが、若干脆かった。このため、この処方は満足のいくものではなかったが、容易に調整でき、砂糖大根パルプが有望な添加物であることを示している。
【0055】
実施例28
寒天/HEC/柑橘類パルプ廃棄物
実施例25に記載の手順を、砂糖大根パルプを柑橘類パルプで代替させて用いた。乾燥させたカップ及びボウルは茶色味を帯び、硬質で、若干脆かった。このため、この処方は満足なものではなかったが、容易に調整でき、柑橘類廃棄物が有望な添加物であることを示している。
【0056】
実施例29
寒天/HEC/砂
2リットルの計量ボウルを用い、16グラムの寒天(Marine Bioproducts)を400mlの水に添加した。混合物を短時間攪拌し、ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジで沸騰するまで中身を加熱して、寒天を溶解させた。8グラムのヒドロキシエチルセルロース(Hercules、250HR,ロット23630)を40mlの冷水でスラリー化し、寒天ゾルに添加し、Rivalのハンドブレンダで分散させ、混合物を再加熱して沸騰させた。得られたものに4mlのグリセリン及び4mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加した。次に、この混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つまで泡立てた。200グラムのガーデンサンドを添加して、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。2つの同心円状に重ねたボウルを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、室温で1時間に亘って放置し、カルシウムの拡散により寒天発泡物を硬化させた。1時間後、外側のボウル型を外し、外側にゲル化した発泡混合物が付着した内側の型を逆さにした。このゲル化発泡混合物を、華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、ボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。上部から余分な部分を削り取って形を整えた後、刷毛を用いて、ボウルにMichelmanの2200R VaporCoat(登録商標)を用いてコーティングを段階的に施した。次の塗布を行う前に、コーティング毎に華氏220度で硬化させた。ボウルは中程度の強度を示し、軟化することなく沸騰水に20分間に亘って連続2回持ちこたえた。冷水を入れて電子レンジによる加熱に供したところ、マトリクスを軟化させることなく、水は沸騰した。
【0057】
アルギン酸カルシウム発泡物系マトリクス
実施例30
発泡アルギン酸塩/紙繊維マトリクス
2リットルの計量ボウルを用い、3グラムのアルギン酸塩(Grindsted、FD155)を100mlの冷水に、Rivalのハンドブレンダを用いて分散させた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、このスラリーを電子レンジで沸騰するまで加熱し、透明なゾルを形成した。室温まで冷却した後、1mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び6グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)が添加された。この混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。10mlの水でスラリー化させたティースプーン約2分の1の石灰を添加し、素早く混ぜ込んだ。発泡物は、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に移され、皿はラップで覆われた。室温で1時間に亘って放置することでカルシウムイオンを拡散させ、発泡混合物中のアルギン酸塩をゲル化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、ゲル化発泡物を、華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥させた発泡物シートは、軽量且つ極めて剛性であった。
【0058】
実施例31
アルギン酸ナトリウム/紙繊維/小麦粉/石灰
2%アルギン酸ナトリウム(ISP Alginates、Manugel DMB、ロット220732)ゾルは、2グラムのアルギン酸塩粉末を100mlの水にRivalのハンドブレンダを用いて分散させることにより、2リットルの計量ボウル内に調製された。ボウルをラップで覆い、電子レンジで中身を沸騰するまで加熱した。混和を繰り返し、ゾルを室温まで冷却した。得られたものに1mlのグリセリン、1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び8グラム(乾燥重量)の熱水で浸軟させ篩にかけたトイレットペーパを添加した。この混合物を、高速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つまで泡立てた。2グラムの苦土石灰と5グラムの漂白小麦粉(Shaw)との乾燥混合物を添加し、素早く混ぜ込んだ。同心円状に重ねられたボウル及びカップを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物の成型に用いた。カップ及びボウルをプラスチックフィルムで覆い、室温で放置することでカルシウムイオンを拡散させ、アルギン酸塩をゲル化させた。1時間後、外側の型(カップ、ボウル)を外し、外側にゲル化した発泡混合物が付着した内側の型を逆さにした。これらを華氏170度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、カップ及びボウルを型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。乾燥させたボウルはほとんど収縮しておらず、ドライフォームの外観を有していた。この処方は、大きな収縮を見せなかった数少ないものの1つであった点で、非常に興味深かった。
【0059】
実施例32
アルギン酸ナトリウム/紙繊維/小麦粉/TSPP/CaSO
2%アルギン酸塩ゾル(Prime Algin、F200)は、6グラムのアルギンを300mlの冷たい水道水に、Rivalのハンドブレンダを用いて懸濁させることにより調製された。このゾルを、電子レンジを用いて、沸騰するまで加熱した。3mlのグリセリン及び3mlのAjax液体食器用洗剤を添加した後、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。CaSOの硬化時間調整剤としての1グラムのピロリン酸四ナトリウム及び実施例2と同様に処理された18グラムのトイレットペーパを添加した後、混合物を、再度泡立てた。8グラムのCaSOと15グラムの小麦粉との乾燥混合物を冷たい水道水でスラリー化し、混合物に添加した。混合物を、再度完全に泡立てた。発泡混合物を、同心円状に重ねられた2つのボウル型の間及びプラスチックフィルムを敷いたオーブン皿に注いだ。これらをラップで覆い、室温で30分間に亘って放置して硬化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、各型の外側のボウルを外し、内側のボウルを逆さにした。乾燥は、華氏200度の対流式オーブンで行われた。乾燥させた発泡製品を型から外し、NuCoat6616Bでコーティングし、コーティングを、華氏250度の対流式オーブンで硬化させた(後に、173ページにて、硬化は電子レンジを用いて15秒未満で実行可能なことが判明した)。コーティングを施し硬化させたボウル及びトレイは、熱水に不浸透性であった。
【0060】
実施例33
アルギン酸ナトリウム/セルロース繊維/小麦粉/TSPP/CaSO
トイレットペーパの代わりにCreaTech(登録商標)TC2500セルロース繊維(Creafill Fibers、メリーランド州チェスタータウン)を用いたことを除き、実施例32と同じであった。繊維が隠れるに十分な量の華氏190度の水を添加し、Rivalの高せん断ハンドブレンダで混和し、次に、篩にかけて余分な水を除去することにより予備水和を行った。2つのボウル及び2つのカップが成型された。これらは、サンプル28におけるものと同様の特性を有しており、材料の置き換えにより満足のいく結果が得られることを示した。
【0061】
カラギーナン発泡物系マトリクス
ゲル化カラギーナン(カッパ及びイオタ)は、ゲル化発泡製品に、基準に合った特性を付与する。残念なことに、嫌気条件下において、これらの硫酸化多糖類の分解生成物の1つは硫化水素である。
【0062】
実施例34
κ−カラギーナン/紙繊維
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、8グラムのκカラギーナン(FMC、Gelcarin(登録商標)GP−379NF、ロットZA702)を、Rivalのハンドブレンダを用いて、200mlの水に分散させた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジで中身を沸騰するまで加熱した。ボウルを覆っているフィルムを外し、2mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び7グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例1を参照)を添加し、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。まだ熱い発泡組成物を、プラスチックフィルムを敷いた2つの紙製サラダボウルに分割した。発泡物をラップで覆い、別の2つの紙製サラダボウルを用いて、この発泡物をボウル形状にプレス成型した。1時間に亘って冷蔵した後、上のボウル及びプラスチックフィルムを外し、ゲル化発泡混合物を、華氏205度の対流式オーブンで乾燥させた。得られた乾燥製品は発泡状態のままで軽量であったが、望まれる以上にしなやかだった。少量の小麦粉を添加していたら、恐らくは、適した堅さが付与され、より高い強度となっていたと思われる。
【0063】
実施例35
ιカラギーナン/小麦粉
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、12グラムのιカラギーナン(FMC、SeaSpen(登録商標)PF、ロット20712)を、Rivalのハンドブレンダを用いて、400mlの水に分散させた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジで中身を沸騰するまで加熱した。
【0064】
100mlの3%ιカラギーナンゾルに、1mlのグリセリン、1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加し、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。まだ熱い間に、10mlの冷水でスラリー化した10グラムの小麦粉を添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。発泡組成物を、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に移し、皿をラップで覆い、1.5時間に亘って冷蔵することで、カラギーナンをゲル化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、材料を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥させた発泡組成物は空気を含んでいたが、凝集強さに欠けていた。
【0065】
実施例36
ιカラギーナン/紙繊維/小麦粉
別の100mlの熱い3%ιカラギーナンゾル(実施例30で調製したもの)に、1mlのグリセリン、1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤を添加し、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。まだ熱いうちに、6グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)を添加し、続いて、10mlの冷水でスラリー化した10グラムの小麦粉を加えた。この混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。発泡組成物を、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に移し、皿をラップで覆い、1.5時間に亘って冷蔵することによりカラギーナンをゲル化させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、材料を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥させた発泡組成物は、繊維を入れない場合(実施例30)よりも極めて丈夫であった。
【0066】
カードランゲル発泡物系マトリクス
カードランは、Takedaによって発酵により製造される、興味深い1,3−βグルカンである。カードランは弱塩基に可溶であり、酸性化により沈殿する。ゲルは、水性スラリーを摂氏75度より高く加熱することで形成することができる。ゲルは、沸騰水に安定である。ゲルを形成する別の方法は、カードランを弱塩基(0.05MのNaOH)に溶解させ、ゾルを摂氏50〜55度に加熱し、ゾルを中和又は酸性化することである。この温度で、カードランは沈殿せず、ゾルのままである。このゾルを>摂氏35度まで冷却すると、熱可逆性のゲルが形成される。摂氏75度より高い温度にまで加熱することにより、このゲルを沸騰水不溶性ゲルに変化させることができる。摂氏50〜55度のカードランゾルを直接的に摂氏75度より高い温度にまで加熱すると、熱不可逆性ゲルが直接的に形成される。多くの菌類が1,3−βグルカナーゼを有しているため、この製品では生分解が起きる。
【0067】
実施例37
紙繊維を含む熱硬化カードラン発泡物系マトリクス
2リットルのガラス製計量ボウルを用い、10グラムのカードラン(Takeda、ロットJ002A)、200mlの水、2mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び6グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。この発泡混合物を、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に塗り広げた。皿をプラスチックフィルムで覆い、混合物を電子レンジで4分間に亘って加熱した。皿を覆うプラスチックフィルムを外し、発泡物を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。得られた材料はやや脆かったが、興味深い出だしであった。電子レンジの代わりに、カードランを沸騰水浴中で硬化させるほうが良いと思われる。電子レンジに供した材料は、粘着性のコーティング粒子の混合物であった点で興味深かった。これは有用な手がかりである可能性がある。恐らく、セルロース誘導体廃棄物のための、自然で生分解性の接着剤になり得る。
【0068】
実施例38
酸で硬化させたカードラン
2リットルのガラス製ミキシングボウルを用い、5グラムのカードラン(Takeda、ロットJ002A)を、200mlの0.1MのNaOHに溶解させて2.5%のゾルを得た。このカードランゾル100mlに、2mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び6グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)を添加した。この混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さまで泡立てた。約10mlのホワイトビネガーを素早く添加し、混ぜ込んだ。得られた発泡物は、2つの紙製ボウルに塗り広げられ、プラスチックフィルムで覆われた。これらを華氏180度の対流式オーブンで乾燥させた。得られたボウルは、繊維質の発泡体堅さを有し、実用には目が粗すぎたが、興味深いものであった。
【0069】
実施例39
臨界温度中和により調製したカードラン発泡物
D3からのもう一方の100ml小分け分を2リットルのガラス製ミキシングボウルに入れ、華氏150度まで加熱した。カードランゾルは、熱水浴を用いて、その温度に保たれた。ホワイトビネガーを用いて、ゾルを、pH試験紙を使用して中和した。2mlのグリセリン、2mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び4グラム(乾燥重量)の湿潤した浸軟され篩にかけられたトイレットペーパを添加しながら、ボウル及びその中身を華氏140〜150度に維持した。この混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。得られた発泡物を、2つの紙製ボウルに塗り広げ、プラスチックフィルムで覆った。これらを華氏180度の対流式オーブンで乾燥させた。得られたボウルの質感及び強度は良好であったが、幾つか欠点があった。カードランを直接的に熱硬化させるより、発泡物を冷やして低温硬化ゲルにし、次に得られたものを加熱して不溶性のゲル発泡物にしたほうがよかったかもしれない。
【0070】
キトサンゲル発泡物系マトリクス
実施例40
キトサンHCL/石灰
2リットルのガラス製ミキシングボウル内で、2グラムのキトサンHCl(SeaCure、CL210)を200mlの水に溶解させることにより、1%キトサン塩酸塩ゾルを調製した。得られたものに2mlのグリセリン、4mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び8グラム(乾燥重量)の浸軟され篩にかけられたトイレットペーパ(実施例2を参照)を添加した。酸性度により、Black&Deckerのハンドミキサを用いて泡立てても、ほとんど発泡は見られなかった。テーブルスプーン1杯分の苦土石灰を添加し、混合物に泡立て込んだ。部分的に微粒子化された混合物を、プラスチックフィルムを敷いた紙製のボウルに入れ、華氏170度の対流式オーブンで乾燥させたところ、硬質の、一部が崩れた発泡体が得られた。非イオン性の洗剤なら、より良好な発泡ゲルマトリクスが形成されていたと思われる。
【0071】
実施例41
キトサン/アルギン酸塩/HPC
7.5グラムのキトサン(BioChem(登録商標)イカ・キトサン、13/11/01)を、50mlのホワイトビネガーを添加した500mlの水に溶解させることにより、1.5%のキトサン酢酸塩ゾルを2リットルのガラス製計量ボウル内に調製した。Rivalのハンドブレンダを用いて、溶解を補佐した。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、電子レンジで沸騰するまで加熱した。フィルムの覆いを外し、残っている若干の不溶粒子を溶解させるためにゾルを再度混和した。100グラムの1.5%キトサン酢酸塩ゾルに、20グラムのヒドロキシプロピルセルロースの5%ゾル(Hercules、LF、ロット8931)を添加し、混合したゾルを、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、発泡物となるまで泡立てた。ゲルを硬化させるために、50グラムの2%アルギン酸塩ゾル(ISP Alginates、 Manugel DMB、ロット220732)を添加し、極めて素早く泡立てて発泡物にした。同心円状に重ねられたボウルを、離型剤としてのPVAの5%ゾル(Air Products、WS−42)で処理し、泡立てた混合物を成型するために用いた。ボウルをプラスチックフィルムで覆い、室温に放置し、キトサン/アルギン酸塩ゲルを形成するイオン反応を完了させた。1時間後、外側の型を外し、ゲル化した発泡混合物が外側に付着した内側の型を逆さにした。これを華氏175度に設定した対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、ボウルをこの型から外し、対流式オーブンで乾燥を完了させた。ボウルは、興味深い特性を有していた。ボウルは、本体を形作る材料をいくらか必要としていたが、この組成物に見込みがあることを示した。
【0072】
実施例43
アルギン酸塩/キトサン/紙繊維
2グラムのアルギン酸塩粉末を、Rivalのハンドブレンダを用いて100mlの水に分散させることにより、2リットルの計量ボウルに2%のアルギン酸ナトリウム(ISP Alginates、Manugel DMB、ロット220732)ゾルを調製した。ボウルをラップで覆い、電子レンジで中身を沸騰させた。混和を繰り返し、ゾルを室温まで冷却した。得られたものに1mlのグリセリン、1mlのAjax(登録商標)液体食器用洗剤、及び8グラム(乾燥重量)の熱水で浸軟され篩にかけられたトイレットペーパを添加した。この混合物を、高速に設定したBlack&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。得られたものに70グラムの2%キトサンゾル(調製については実施例36を参照)を添加し、素早く泡立て込んだ。発泡組成物を、プラスチックフィルムを敷いた円形のガラス製オーブン皿に移し、皿をラップで覆った。1時間に亘って華氏195度で加熱し、アルギン酸塩/キトサンゲル形成反応を起こした。プラスチックフィルムの覆いを外し、ゲル化発泡物を華氏175度の対流式オーブンで乾燥させた。得られた製品はふんわりとし、堅かった。同様の結果を、カラギーナン/キトサン処方を用いて得ることができる。
【0073】
ガラクトマンナン/キサンタン発泡物系マトリクス
実施例44
ローカストビーンガム/キサンタン発泡物
150mlの2%ローカストビーンガム(T.I.C. Gums)ゾル、150mlの2%キサンタン(T.I.C. Gums)ゾル、3mlのグリセリン、及び3mlのAjax液体食器用洗剤の混合物を、沸騰するまで加熱し、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。発泡物を、プラスチックフィルムを敷いたオーブン皿に注ぎ、プラスチックフィルムで覆い、冷蔵することによりゲル発泡物を硬化させた。1時間後、プラスチックフィルムの覆いを外し、発泡物を、華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。若干圧縮された製品は丈夫且つしなやかであり、生分解性容器用マトリクスとしての使用には適していなかった。
【0074】
実施例45
ローカストビーンガム/キサンタン/紙繊維/小麦粉
2リットルのミキシングボウル内で、3mlのグリセリンを含有する300mlの水に、9グラムのLBG(T.I.C.Gums、POR/Aパウダー、ロット5650)と9グラムのキサンタン(T.I.C.Gums、TICAXAN(登録商標)クリアパウダー、ロット502335)との乾燥混合物を添加した。この混合物を、Rivalのハンドブレンダを用いて均質化した。ボウルをプラスチックフィルムで覆った後、電子レンジで中身を沸騰するまで加熱した。得られたものに3mlのAjax液体食器用洗剤が添加され、混合物は再度混和された。Black&Deckerのハンドミキサを用いて、ゾルは、しっかりとした角が立つまで泡立てられた。18グラムのトイレットペーパを熱水に入れ、Rivalのハンドブレンダで浸軟させ、次にトイレットペーパを篩の上で回収することにより、紙繊維を用意した。得られた紙繊維は、電子レンジでの再加熱の後、泡立てられたゾルに添加された。混合物は、しっかりとした角が立つまで再度泡立てられた。15グラムの小麦粉を、20mlの冷水でスラリー化し、混合物に添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。得られたものを、PVAのコーティングを施した(実施例36を参照)同心円状に重ねられたカップ及びボウルに広げ、プラスチックフィルムで覆い、冷蔵することによりゲル発泡物を硬化させた。外側のカップ/皿を外し、ゲル化した発泡物が付着した内側のカップを逆さにし、成型されたカップ及びボウルを、華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。ほぼ乾燥した時点で、成型カップ/ボウルを外し、乾燥を完了させた。粗い上端部を削って形を整えた後、カップ及びボウルに、刷毛を用いてNuCoat(登録商標)6616Bをコーティングした。硬化は、華氏250度のオーブンで行われた。完成したボウル及びカップは、軟化することなく20分間に亘って沸騰水を保持し、冷水から沸騰させる電子レンジでの加熱に持ちこたえた。
【0075】
実施例46
グアーガム/キサンタン/小麦粉
200グラムのグアーガム(T.I.C. Gums)の2%ゾル、160グラムのキサンタン(T.I.C. Gums)の2%ゾル、3gのグリセリン、及び4mlのAJAX液体食器用洗剤の混合物を、沸騰するまで加熱し、Black&Deckerのミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。30mlの冷たい水道水でスラリー化させた15グラムの無漂白小麦粉を添加し、混合物に泡立て込んだ。発泡物を、プラスチックフィルムを敷いたオーブン皿に注ぎ、プラスチックフィルムで覆い、冷蔵することによりゲル発泡物を硬化させた。1時間後、プラスチックフィルムの覆いを外し、発泡物を華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。若干圧縮された製品は丈夫且つしなやかであり、生分解性容器用マトリクスとしての使用には適していなかった。
【0076】
ジェランゲル発泡物系マトリクス
実施例47
ジェラン/セルロース繊維/小麦粉
CP Kelcoの6グラムのKelcoGel(登録商標)ジェラン(ロット番号H1502A)を、300mlの冷たい水道水に添加し、約15分間に亘って膨張させた。この混合物を、Rivalの高せん断ハンドブレンダで混和し、次に、電子レンジを用いて沸騰するまで加熱した。1.5mlのグリセリン及び3mlのAjax液体食器用洗剤を添加した後、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。得られたものに18グラムのCreaTech(登録商標)TC2500セルロース繊維(Creafill Fibers、メリーランド州チェスタータウン)を添加した。このセルロース繊維は、繊維が隠れるに十分な量の華氏190度の水を添加し、Rivalの高せん断ハンドブレンダを用いて混和し、次に篩にかけて余分な水を除去することにより、予備水和されている。30mlの冷たい水道水でスラリー化した15グラムの小麦粉を添加し、Black&Deckerのミキサを用いて、完全に混ぜ込んだ。2つのボウル及び2つのカップを、同心円状に重ねた型で成型した。これらをラップで覆い、1時間に亘って冷蔵し、次に型を外すと、外側の型にゲル発泡物が残った。これらを華氏170度の対流式オーブンで乾燥させた。乾燥が始まる前にいくらか溶融が起き、乾燥に低温を用いなくてはならなかったが、乾燥させた製品は、優れた堅さを有していた。
【0077】
低メトキシペクチンゲル化発泡物系マトリクス
実施例48
低メトキシルペクチン/セルロース繊維/小麦粉/TSPP/CaSO
6グラムのペクチンを、Rivalのハンドブレンダを用いて300mlの冷たい水道水に懸濁させることにより、2%低メトキシルペクチンゾル(Cargill Cerestar、Citrus Pectin E−440、LMアミド化ペクチン、非規格化)を調製した。得られたものを、電子レンジを用いて沸騰するまで加熱した。3mlのグリセリン及び3mlのAjax液体食器用洗剤を添加した後、混合物を、Black&Deckerのハンドミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。CaSOの硬化時間調整剤としての1グラムのピロリン酸四ナトリウム及び18グラムのCreaTech(登録商標)TC2500セルロース繊維(Creafill Fibers、メリーランド州チェスタータウン)を添加した後、混合物を再度泡立てた。セルロース繊維は、繊維が隠れるに十分な量の華氏190度の水を添加し、Rivalの高せん断ハンドブレンダを用いて混和し、次に篩にかけて余分な水を除去することにより予備水和されている。8グラムのCaSOと15グラムの小麦粉との乾燥混合物を、冷たい水道水でスラリー化し、混合物に添加した。混合物を、再度完全に泡立てた。発泡混合物を、2つの同心円状に重ねられたボウル型の間とプラスチックフィルムを敷いたオーブン皿に注いだ。これらをラップで覆い、室温で30分間に亘って放置することにより硬化させた。プラスチックフィルムの覆いは外し、各型の内側のボウルを外した。乾燥は、華氏170度の対流式オーブンで行われた。乾燥前にいくらか溶融が起き、低温を用いなくてはならなかったが、乾燥させたボウル及び平面の器は、優れた堅さを有していた。
【0078】
生分解性、耐熱水性コーティング
耐熱水性及び/又は耐油脂性コーティングは、乾燥の前又は後で表面に適用することができ、或いは、場合によっては、マトリクス処方の成分の1つとすることもでき、例えば水性ラテックスNuCoat又はVaporCoatを発泡物に混ぜいれる。
【0079】
実施例49
トウモロコシゼイン
トウモロコシゼインは、黄色の、天然の疎水性タンパク性材料であり、熱水に不溶である。トウモロコシゼインは、水混和性のアルコールに可溶であり、これらのアルコールと水との混合物から沈殿させることができる。トウモロコシゼイン(Freeman Industries、標準グレード、ロットF40005112−C)の濃厚なスラリーが、70%イソプロピルアルコールで調製された。ゼインは、混合物を加熱することにより溶解させられた。ボウルの1つをこのゾルで完全にコーティングし、華氏175度で乾燥させた。華氏190度の水を充填したところ、20分経っても漏れや軟化は生じなかった。
【0080】
実施例50
キトサン−NaOH
キトサンは、甲殻類の殻をアルカリで処理して、キチンを脱アセチル化することによりキチンから生成される。キトサンは、pH5.5以下の酸に可溶な、グルコサミンの重合体である。このゾルを中和した場合又はアルカリ性にした場合、キトサンは不溶性になり、しかも加熱すると耐水性になる。小さな生分解性カップを、1%キトサンHClゾルを充填することによりコーティングした。10分後、ゾルを除去し、0.25MのNaOH溶液と置き換えた。10分後、NaOH溶液を除去し、カップの内側を水で洗浄した。華氏175度で乾燥させた後、乾燥させたカップは、熱水を加えても軟化することなく原型を保った。
【0081】
実施例51
エチルセルロース
エチルセルロースは薬学的に許容可能なセルロース誘導体であり、熱水には不溶だが、70%イソプロピルアルコールには可溶である。生分解性カップ、トレイ、又はトレイにはまだ試されていないが、その溶解性は調査された。調査したエチルセルロースは、Aqualon ECN22、ロット44221であった。70%イソプロピルアルコールを入れて熱したところ可溶となり、冷却しても溶液中に留まった。
【0082】
実施例52
カードラン
カードランは、Takedaによって発酵により製造される、興味深い1,3−βグルカンである。カードランは弱塩基に可溶であり、酸性化により沈殿する。ゲルは、水性スラリーを摂氏75度より高い温度に加熱することにより形成される。ゲルは、沸騰水に安定である。ゲルを形成する別の方法は、カードランを弱塩基(0.05MのNaOH)に溶解させ、ゾルを摂氏50〜55度に加熱し、ゾルを中和又は酸性化することである。この温度で、カードランは沈殿せず、ゾルのままである(「臨界温度中和」)。このゾルを>摂氏35度まで冷却すると、熱可逆性のゲルが形成される。摂氏75度より高い温度にまで加熱することにより、このゲルを沸騰水不溶性ゲルに変化させることができる。摂氏50〜55度のカードランゾルを直接的に摂氏75度より高い温度にまで加熱すると、熱不可逆性ゲルが直接的に形成される。臨界温度中和されたゾルは、摂氏75度より高い温度で乾燥させることができ、熱水不溶性コーティングが得られる。発泡スラブを、臨界温度中和ゾルでコーティングし、華氏200度で乾燥させた。耐熱水性が観察された。
【0083】
実施例53
脱アセチル化蒟蒻
蒟蒻は、アセチル化グルコマンナンである。このため、水中でゾルを形成する。塩基性の試薬を用いて加熱することにより、脱アセチル化を行うことができる。得られる脱アセチル化蒟蒻は、熱水不溶性である。脱アセチル化蒟蒻のゲル強度は、温度と反比例して変化し、摂氏約4度で液体となる。この液体を摂氏25度以上に加熱すると、熱水不溶性ゲルが形成される。従って、蒟蒻を用いたコーティングには2つの方法がある。1)蒟蒻ゾルとアルカリとの室温の混合物を用い、コーティングを施した物品を華氏190度以上に加熱して蒟蒻を脱アセチル化し、次に乾燥させる。2)低温溶融蒟蒻ゾルを用い、コーティングを施した物品を華氏195度で乾燥させる。第1の方法が行われ、第2の方法は実験予定である。
【0084】
1mlの1MのNaOHを、100mlの室温の1%蒟蒻ゾルに添加した。完全に混ぜ合わせた後、得られたものを、生分解性ボウルのコーティングに用いた。ボウルを覆い、1時間に亘って華氏200度のオーブンで硬化させ、覆いを外し、華氏175度で乾燥させた。乾燥させたボウルは、華氏180度の水を充填することにより試験された。30分後、漏れは見られなかった。若干の軟化はあったが、ボウルを持ち上げて保持することができた。多糖類膜の水への溶解性は、高温への加熱により著しく低下するため、高温乾燥のこの効果を試みるべきである。
【0085】
実施例54
ヒドロキシプロピルセルロース
HPCは、珍しい特性を有するセルロース誘導体である。冷水に可溶であるが、熱水(>摂氏80度)には不溶である。イソプロピルアルコール/水の混合物には全ての温度で可溶である。脱アセチル化蒟蒻発泡物系ボウルに、4%HPCゾルをコーティングした。得られたものを、華氏175度の対流式オーブンで乾燥させ、再度コーティングを施し、再度乾燥させた。コーティングしたボウルは、優れた耐熱水性を示したが、水の温度が室温に近づくにつれ若干軟化した。組み合わせる又はより高温で加熱するとコーティングがより屈折性となり、良いと思われる。
【0086】
実施例55
セラック
セラックは、生分解性の天然産物であり、食品グレードで提供されている。
【0087】
脱アセチル化蒟蒻発泡物系ボウルに、セラック(Sherwin−Williams、着色セラック:酸化チタン(55%)及びケイ酸アルミニウム(49%)を含有する変性アルコール中の純粋セラック)をコーティングし、乾燥させた。コーティングされたボウルは、沸騰水を、約10分間に亘って保持したが、その後、コーティングに亀裂があったらしく、漏水した。乾燥させた後、追加のセラックを塗布し、乾燥させた。ボウルのコーティングは硬質、白色であったが、約20分間に亘って沸騰水を満足がいくようには保持した。
【0088】
実施例56
Michelman VaporCoat(登録商標)2200R
Michelmanは、製紙業で使用するコーティングの主要生産業者である。その製品の1つであるVaporCoat(登録商標)2200Rは、水性の非毒性のラテックスとして供給されている。コーティングは華氏300度で硬化し、硬化したコーティングは、熱水に安定且つ生分解性である。コーティングは、連邦規則集176、180のもとにFDAの基準に準拠している。寒天ゲル化発泡物系及び脱アセチル化蒟蒻ゲル化発泡物系の双方のカップ、ボウル及びトレイのサンプルに、刷毛を用いて、VaporCoat(登録商標)2200Rをコーティングした。コーティングは、華氏220度の対流式オーブンで硬化された。硬化後、全ての容器は、軟化することなく、沸騰水を20分間に亘って保持した。また、電子レンジで冷水を沸騰するまで加熱するのに弊害無く用いることができた。電子レンジを用いてコーティング材料を硬化させることが可能と思われる。
【0089】
実施例57
NuCoat(登録商標)6661B
NuCoat(登録商標)6661Bは、熱硬化性、非毒性、食品及び飲料との接触に関してFDAから認可され、生分解性である水性ラテックスという点でMichelmanのVaporCoat(登録商標)2200Rに似ている。硬化は、時間と温度の関数であり、硬化は温度が華氏250度に達したときに完了する。NuCoat(登録商標)6661Bを用いて、ローカストビーンガム/キサンタンゲル化発泡物系カップ及びボウルをコーティングした。材料は、刷毛を用いて塗布され、華氏250度の対流式オーブンで硬化された。コーティングされたカップ及びボウルは、30分間に亘って沸騰水の効果に耐性を示し、電子レンジで冷水を加熱して沸騰させることに持ちこたえた。このコーティング材料は、電子レンジを用いて硬化させることができ、二酸化チタンの添加により明るい白色のコーティングが得られた。
【0090】
実施例58
NuCoat(登録商標)6661Bの電子レンジによる硬化
寒天/紙繊維/小麦粉製ボウルの内側に、NuCoat6661Bをコーティングし、電子レンジで25秒以内で硬化させた。このボウルは、軟化することなく、沸騰水の数度の取り替えに持ちこたえた。
【0091】
実施例59
Ulterion(登録商標)ペーパーコーティング
以下のUlterionコーティング(590SGX、537SWH、810RC)を用いて、アルギン酸塩処方での小さい物品をコーティングした。これらのコーティングは、電子レンジを用いて硬化され、発泡物マトリクスに耐熱水性を付与した。
【0092】
コーティングの混合物への混ぜ入れ
実施例60
寒天/HEC/小麦粉/VaporCoat/TiO
8グラムの寒天(Marine BioProducts、植物組織培養用寒天)を、2mlのグリセリン及び2mlのAjax液体食器用洗剤を含有する200mlの水に分散させた。電子レンジで沸騰するまで加熱した後、60mlの冷水中の4グラムのヒドロキシエチルセルロース(Hercules、250HR)を添加し、混合物をRivalのハンドブレンダを用いて混和した。この混合物は、沸騰するまで加熱され(電子レンジ)、Black&Deckerミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てられた。得られたものに、20mlの冷水でスラリー化させた8グラムの小麦粉と、ティースプーン擦り切り1杯のSherwin&Williamsの白色化剤(TiO)を添加し、混合物を、しっかりとした角が立つまで泡立てた。20mlのVaporCoat2200Rを添加した後、混合物を、しっかりとした角が立つまで再度泡立てた。この泡を含んだ混合物を、プラスチックフィルムを敷いた矩形のオーブン皿に塗り広げ、プラスチックフィルムで覆い、冷蔵することにより発泡物をゲル化させた。ゲル化発泡物は、逆さにしたパンの焼き型の底部に沿って成型され、華氏170度の対流式オーブンで部分乾燥された。ほぼ乾燥した時点で、オーブン温度を華氏250度に上昇させて、VaporCoatを硬化させた。乾燥させた発泡体は、部分的な耐熱水性を示し、VaporCoatを施していない発泡体よりも極めて優れていた。
【0093】
実施例61
アルギン酸塩/石灰/VaporCoat/TiO
4グラムのISPのManugel DMBアルギン酸塩を、先ず、最初にこのアルギン酸塩をRivalのハンドブレンダを用いて分散させ、次に電子レンジで沸騰するまで加熱することにより、200mlの水に溶解させた。2mlのグリセリン及び2mlのAjax液体食器用洗剤を添加した後、混合物を、Black&Deckerのミキサを用いて、しっかりとした角が立つ堅さにまで泡立てた。ティースプーン3分の1のSherwin−Williamsの白色化剤(TiO)を添加し、混合物を再度泡立てた。4グラムの石灰と8グラムの小麦粉(乾燥)との混合物を添加し、混合物を再度泡立てた。この泡を含んだ混合物を、プラスチックフィルムを敷いたオーブン皿に入れ、皿をラップで覆い、1時間に亘って室温で放置し、反応させた。プラスチックフィルムの覆いを外し、発泡物を華氏250度にて対流式オーブンで乾燥させた。発泡体は崩れたが、残った固体は沸騰水に不溶で、膨張しなかった。
【0094】
本発明の特定の実施形態について説明してきたが、付随の請求項で定義されるように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な改変を加え得ることが当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0095】
2:断面
10:容器
12:本体部
14:内部領域
16:底部
18:円錐状側壁部
20:上縁部
22:保護コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ゲル化親水コロイド系を包含するマトリクス、
前記マトリクスに埋め込まれた繊維質材料、及び
前記マトリクスに埋め込まれた堅質化剤を包含する、組成物。
【請求項2】
更に発泡剤を包含する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
更に保湿剤を包含する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
発泡ゲル化親水コロイド系、堅質化剤、及び繊維質材料の実質的に均質な混合物を包含する、生分解性組成物。
【請求項5】
前記発泡ゲル化親水コロイド系が1つ以上の多糖類を包含する、請求項4に記載の生分解性組成物。
【請求項6】
前記発泡ゲル化親水コロイド系が、寒天、アガロース、アロエマンナン/キサンタン、アロエマンナン(脱アセチル化)、アルギン/アルギン酸塩、水不溶性アルギン酸塩、1,3−シスジオールのホウ酸塩錯体、カラギーナン、カシアガム/キサンタン、キトサン、キトサン/アルギン酸塩、キトサン/カラギーナン、カードラン、ジェラン、グアーガム/キサンタン、ヒアルロン酸、蒟蒻、脱アセチル化蒟蒻、蒟蒻/キサンタン、ローカストビーンガム/キサンタン、カシア/キサンタン、ペクチン、及びこれらの組み合わせ又は誘導体から成る群から選択される、請求項5に記載の生分解性組成物。
【請求項7】
前記堅質化剤が、粉類、小麦粉、エンドウ豆粉、粘土、鋸屑、澱粉、及びその他の水不溶性、水吸着性及び/又は水吸収性粒子から成る群から選択される、請求項4に記載の生分解性組成物。
【請求項8】
前記繊維質材料が、再生紙、サトウキビ廃棄部位、トウモロコシ茎葉、砂糖大根廃棄部位、ヤシ殻(コイア粉末)、綿屑、柑橘類廃棄部位、鋸屑等を含む多様な原料から得た粒状化セルロース繊維、及び/又は水不溶性生体高分子の塊又は押出繊維から得た粒状化繊維から成る群から選択される、請求項4に記載の生分解性組成物。
【請求項9】
更に発泡剤を包含する、請求項4に記載の生分解性組成物。
【請求項10】
前記発泡剤が、高分子発泡剤、界面活性剤及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項9に記載の生分解性組成物。
【請求項11】
更に保湿剤を包含する、請求項4に記載の生分解性組成物。
【請求項12】
前記保湿剤が、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、マンニトール、ソルビトール、及びポリエチレングリコールから成る群から選択される、請求項11に記載の生分解性組成物。
【請求項13】
請求項4の組成物から形成される製品。
【請求項14】
前記製品が容器である、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
前記製品の表面を覆う耐水性コーティングを更に包含する、請求項14に記載の製品。
【請求項16】
所望の形状に形成された本体部を包含し、前記本体部が、繊維質材料及び堅質化剤が埋め込まれた親水コロイドゲル化マトリクス系から成り、
耐水性コーティングが前記本体部の表面上に配置されている、生分解性容器。
【請求項17】
前記コーティングが、前記本体部の全表面を覆っている、請求項16に記載の生分解性容器。
【請求項18】
前記コーティングが、前記本体部の表面の一部のみを覆っている、請求項16に記載の生分解性容器。
【請求項19】
前記コーティングが、人間用の食品との接触が認可された1つ以上の材料から成る、請求項16に記載の生分解性容器。
【請求項20】
前記1つ以上の材料が、ゼイン、キチン、生体高分子の疎水性誘導体、ワックス、食品グレードのセラック、食品グレードのラッカー、MichelmanのVaporcoat2200R、NuCoatの6661B、Ulterionコーティング、及びその他の重合体から成る群から選択される、請求項19に記載の生分解性容器。
【請求項21】
前記本体部及び前記コーティングが、電子レンジによる加熱に耐えることができる、請求項16に記載の生分解性容器。
【請求項22】
前記コーティングに混ぜ込まれた増白化剤又は着色料を更に包含する、請求項16に記載の生分解性容器。
【請求項23】
発泡ゲル化親水コロイド系、堅質化剤、及び繊維質材料の混合物を包含する生分解性組成物を調製し、
前記組成物を所望の形状にゲル化させることで本体部を形成し、
前記本体部を乾燥させ、
耐水性コーティングを前記本体部に塗布することを包含する、物品の形成方法。
【請求項24】
生分解性組成物の調製が、1つ以上の親水コロイドゲル化剤、1つ以上の堅質化剤、及び繊維質材料を溶液に添加し、前記溶液を発泡させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
発泡剤を前記溶液に添加することを更に包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の親水コロイドゲル化剤の溶液中の濃度が、約0.5重量%から約6重量%、前記1つ以上の堅質化剤の溶液中の濃度が約2重量%から約20重量%、前記繊維質材料の溶液中の濃度が約2重量%から約30重量%である、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2009−541502(P2009−541502A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515538(P2009−515538)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/014301
【国際公開番号】WO2007/149452
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508361025)ザ バイオディグレイダブル テクノロジーズ ジェネラル パートナーシップ (1)
【Fターム(参考)】