生物学的に活性な作用物質の改良型皮内送達
本発明は、1種または複数種の生物学的に活性な作用物質、特に診断薬を対象の皮膚の皮内区画に送達する方法および装置に関する。本発明は、いくつかある利点の中で特に、局所リンパ管への迅速な取り込み、特定の組織への標的性の向上、バイオアベイラビリティーの向上、組織バイオアベイラビリティーの向上、組織特異的動態の向上、投与する予め選択した体積の作用物質の沈着の向上、迅速な生物学的および迅速な生物学的および薬動力学ならびに生物学的および薬物動態をもたらす点で改良された、生物学的に活性な作用物質の送達法を提供する。本発明は、作用物質の皮内送達によって到達される、リンパ性脈管構造を介する作用物質の迅速な輸送の方法を提供する。本発明の方法は、診断薬の送達に特に有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が、同じ作用物質をより深い組織区画に送達したときと比べて、特定の組織においてより高い組織バイオアベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記より深い組織区画は皮下区画であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記より深い組織区画は筋内区画であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
約10pgから約30ngの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
約10pgから約15μgの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
約1cgから約30ngの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記診断薬が、同じ薬剤を前記皮下区画に送達したときと比べてより迅速な作用開始をするように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記診断薬を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
ヒト対象の特定の組織に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記特定の組織中に沈着される予め選択された投与量の前記診断薬の量が、同じ薬剤を前記皮下区画に送達したときと比べて増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記診断薬を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて、より高い組織アベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて迅速な作用開始をするように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、特定の組織中に沈着される予め選択された投与量の前記薬剤の量が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が特定の組織に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含み、前記作用物質は前記特定の組織中に存在する細胞を特異的に認識することを特徴とする方法。
【請求項13】
製剤を投与する方法であって、前記製剤が特定の組織に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記製剤を送達するステップを含み、前記製剤は、第1の標的作用物質および第2の作用物質を含み、その結果、前記第1の標的作用物質が、前記特定の組織中に存在する細胞を特異的に認識することを特徴とする方法。
【請求項14】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が前記対象の皮膚の皮内区画に沈着するように、調節された速度、体積、および圧力で前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、旧来のIDマントー法によって、予め選択した同じ体積のものを皮内区画へと送達したときと比べて、予め選択した体積の75%を超えるものが皮内区画に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が局所のリンパ系へ輸送されるように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて、より高い組織バイオアベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
ヒト対象に乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて迅速な作用開始を示すように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へと前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
ヒト対象に乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、リンパ組織中に沈着される予め選択された投与量の前記薬剤の量が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて少なくとも300%増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記特定の組織は、リンパ組織、粘膜組織、リンパ節、皮膚組織、生殖組織、子宮頚部組織、膣組織、肺、脾臓、結腸、胸腺、骨髄、血液リンパ系組織、およびリンパ組織からなる群から選択されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記リンパ組織は、上皮関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、一次リンパ組織、および二次リンパ組織からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、旧来のIDマントー法によって、予め選択された同じ体積のものを皮内区画へ送達したときと比べて、予め選択された体積の75%を超えるものが皮内区画に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ予め選択した体積で前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が皮内区画に沈着するように、皮内区画を貫入し、皮内区画内の所定深さに出口を入れるのに十分な長さを有する針によって前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含み、沈着部位で楕円形の膨疹が形成されないように前記針を15度の角度で挿入しないことを特徴とする方法。
【請求項24】
ヒト対象の特定の組織に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含み、前記作用物質は前記特定の組織に沈着し、前記特定の組織中にある疾患のマーカーと特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記作用物質は、同じ作用物質を前記皮下区画に送達したときと比べて高い組織バイオアベイラビリティーを有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記作用物質は、同じ作用物質をIDマントー法によって送達したときと比べて高い組織バイオアベイラビリティーを有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記疾患は、癌、免疫疾患、感染症、リンパ系の疾患、または代謝疾患であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記癌は、リンパ腫、白血病、乳癌、および結腸直腸癌からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
針またはカニューレによって前記作用物質を投与することを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記針または前記カニューレの出口が約300μmから約3mmの深さまで挿入されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記針またはカニューレは、30〜36ゲージであることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記針またはカニューレは、31〜34ゲージであることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記生物学的に活性な作用物質は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸、受容体に対するリガンド、酵素、炭水化物、治療薬、化学特異的作用物質、抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体および抗体断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化学特異的作用物質は、PNA、光アプタマー(photoaptamer)、シアル酸結合剤、ジボロン酸およびボロン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記特定の組織は、前記特定の組織中の腫瘍細胞の上または周囲にあることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項36】
トレーサー剤を同時に投与するステップをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項37】
in vivoでおよび実時間で前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記トレーサー剤が、ex vivoで前記対象中で調査されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
フローサイトメトリーによって前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
組織学的検査によって前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項41】
ヒト対象中で特異的なマーカーを有する疾患を診断する方法であって、
(a)ヒト対象の皮膚の皮内区画へ生物学的に活性な作用物質を投与するステップであって、前記作用物質は前記マーカーを含む特定の組織に沈着されるステップと、
(b)前記作用物質を追跡するステップと、
(c)前記作用物質を画像化するステップと、
(d)前記作用物質の任意の特異的な結合が生じているかどうかを決定するステップであって、前記特異的な結合の存在が、前記疾患の可能性を示すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
in vitroで前記作用物質を画像化することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
in vivoで前記作用物質を画像化することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記疾患は、癌、免疫疾患、感染症、リンパ系の疾患、または代謝疾患からなる群から選択されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
さらなる前記画像化は、超音波、MRI、CT、PET、SPECT、X線、蛍光、化学発光、生物発光、光音響または光学的方法によって行われることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記画像化は、実時間に得られることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記画像化は、一時的に得られることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
造影剤を投与するステップをさらに含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記造影剤は、前記薬剤が前記画像化法に適するように、放射線不透過性物質、MRI画像化剤、超音波画像化剤、および光学的画像化剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項50】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を含む製剤を投与する方法であって、前記製剤が前記対象の皮膚の皮内区画に沈着するように、調節された速度、体積、および圧力で前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記製剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記製剤は粒子を含み、前記粒子は、直径約20ミクロンから約1nmであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記粒子は、リポソーム、ポリマービーズ、粒子型MRI造影試薬、中空粒子、微小泡、および微結晶性ビーズからなる群から選択されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記製剤はナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は、直径約1nmから約20ミクロンであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約10mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約100mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約20μg/mLから100mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項57】
送達される前記少なくとも1種の診断薬の量は約5から10μgであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項58】
前記製剤は、治療薬、トレーサー、賦形剤、添加剤、化学特異的作用物質、およびマーカーからなる群から選択される、少なくとも1種の追加の分子を含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項59】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が生物学的実体と特異的に結合するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項60】
前記生物学的に活性な作用物質は診断薬であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記生物学的実体は、細胞、細胞群または細胞の集合体、細菌、ウイルス、病原体、タンパク質、プラーク、および寄生性媒介体からなる群から選択されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項1】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が、同じ作用物質をより深い組織区画に送達したときと比べて、特定の組織においてより高い組織バイオアベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記より深い組織区画は皮下区画であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記より深い組織区画は筋内区画であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
約10pgから約30ngの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
約10pgから約15μgの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
約1cgから約30ngの前記作用物質が50μgの特定の組織当たりに蓄積されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記診断薬が、同じ薬剤を前記皮下区画に送達したときと比べてより迅速な作用開始をするように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記診断薬を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
ヒト対象の特定の組織に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記特定の組織中に沈着される予め選択された投与量の前記診断薬の量が、同じ薬剤を前記皮下区画に送達したときと比べて増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記診断薬を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて、より高い組織アベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて迅速な作用開始をするように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、特定の組織中に沈着される予め選択された投与量の前記薬剤の量が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が特定の組織に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含み、前記作用物質は前記特定の組織中に存在する細胞を特異的に認識することを特徴とする方法。
【請求項13】
製剤を投与する方法であって、前記製剤が特定の組織に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記製剤を送達するステップを含み、前記製剤は、第1の標的作用物質および第2の作用物質を含み、その結果、前記第1の標的作用物質が、前記特定の組織中に存在する細胞を特異的に認識することを特徴とする方法。
【請求項14】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が前記対象の皮膚の皮内区画に沈着するように、調節された速度、体積、および圧力で前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、旧来のIDマントー法によって、予め選択した同じ体積のものを皮内区画へと送達したときと比べて、予め選択した体積の75%を超えるものが皮内区画に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が局所のリンパ系へ輸送されるように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
ヒト対象に、乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて、より高い組織バイオアベイラビリティーを有するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
ヒト対象に乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて迅速な作用開始を示すように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へと前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
ヒト対象に乳房腫瘍を検出するための少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、リンパ組織中に沈着される予め選択された投与量の前記薬剤の量が、同じ薬剤をIDマントー法によって送達したときと比べて少なくとも300%増加するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記特定の組織は、リンパ組織、粘膜組織、リンパ節、皮膚組織、生殖組織、子宮頚部組織、膣組織、肺、脾臓、結腸、胸腺、骨髄、血液リンパ系組織、およびリンパ組織からなる群から選択されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記リンパ組織は、上皮関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、一次リンパ組織、および二次リンパ組織からなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、旧来のIDマントー法によって、予め選択された同じ体積のものを皮内区画へ送達したときと比べて、予め選択された体積の75%を超えるものが皮内区画に沈着するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ予め選択した体積で前記薬剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を投与する方法であって、前記薬剤が皮内区画に沈着するように、皮内区画を貫入し、皮内区画内の所定深さに出口を入れるのに十分な長さを有する針によって前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記薬剤を送達するステップを含み、沈着部位で楕円形の膨疹が形成されないように前記針を15度の角度で挿入しないことを特徴とする方法。
【請求項24】
ヒト対象の特定の組織に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含み、前記作用物質は前記特定の組織に沈着し、前記特定の組織中にある疾患のマーカーと特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記作用物質は、同じ作用物質を前記皮下区画に送達したときと比べて高い組織バイオアベイラビリティーを有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記作用物質は、同じ作用物質をIDマントー法によって送達したときと比べて高い組織バイオアベイラビリティーを有することを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記疾患は、癌、免疫疾患、感染症、リンパ系の疾患、または代謝疾患であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記癌は、リンパ腫、白血病、乳癌、および結腸直腸癌からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
針またはカニューレによって前記作用物質を投与することを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記針または前記カニューレの出口が約300μmから約3mmの深さまで挿入されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記針またはカニューレは、30〜36ゲージであることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記針またはカニューレは、31〜34ゲージであることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記生物学的に活性な作用物質は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸、受容体に対するリガンド、酵素、炭水化物、治療薬、化学特異的作用物質、抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体および抗体断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項1、7、8、9、および10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化学特異的作用物質は、PNA、光アプタマー(photoaptamer)、シアル酸結合剤、ジボロン酸およびボロン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記特定の組織は、前記特定の組織中の腫瘍細胞の上または周囲にあることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項36】
トレーサー剤を同時に投与するステップをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項37】
in vivoでおよび実時間で前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記トレーサー剤が、ex vivoで前記対象中で調査されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
フローサイトメトリーによって前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
組織学的検査によって前記トレーサー剤を調査することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項41】
ヒト対象中で特異的なマーカーを有する疾患を診断する方法であって、
(a)ヒト対象の皮膚の皮内区画へ生物学的に活性な作用物質を投与するステップであって、前記作用物質は前記マーカーを含む特定の組織に沈着されるステップと、
(b)前記作用物質を追跡するステップと、
(c)前記作用物質を画像化するステップと、
(d)前記作用物質の任意の特異的な結合が生じているかどうかを決定するステップであって、前記特異的な結合の存在が、前記疾患の可能性を示すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
in vitroで前記作用物質を画像化することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
in vivoで前記作用物質を画像化することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記疾患は、癌、免疫疾患、感染症、リンパ系の疾患、または代謝疾患からなる群から選択されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
さらなる前記画像化は、超音波、MRI、CT、PET、SPECT、X線、蛍光、化学発光、生物発光、光音響または光学的方法によって行われることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記画像化は、実時間に得られることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記画像化は、一時的に得られることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
造影剤を投与するステップをさらに含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記造影剤は、前記薬剤が前記画像化法に適するように、放射線不透過性物質、MRI画像化剤、超音波画像化剤、および光学的画像化剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項50】
ヒト対象に少なくとも1種の診断薬を含む製剤を投与する方法であって、前記製剤が前記対象の皮膚の皮内区画に沈着するように、調節された速度、体積、および圧力で前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記製剤を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記製剤は粒子を含み、前記粒子は、直径約20ミクロンから約1nmであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記粒子は、リポソーム、ポリマービーズ、粒子型MRI造影試薬、中空粒子、微小泡、および微結晶性ビーズからなる群から選択されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記製剤はナノ粒子を含み、前記ナノ粒子は、直径約1nmから約20ミクロンであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約10mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約100mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1種の診断薬の濃度は約20μg/mLから100mg/mLであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項57】
送達される前記少なくとも1種の診断薬の量は約5から10μgであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項58】
前記製剤は、治療薬、トレーサー、賦形剤、添加剤、化学特異的作用物質、およびマーカーからなる群から選択される、少なくとも1種の追加の分子を含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項59】
ヒト対象に少なくとも1種の生物学的に活性な作用物質を投与する方法であって、前記作用物質が生物学的実体と特異的に結合するように、前記ヒト対象の皮膚の皮内区画へ前記作用物質を送達するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項60】
前記生物学的に活性な作用物質は診断薬であることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記生物学的実体は、細胞、細胞群または細胞の集合体、細菌、ウイルス、病原体、タンパク質、プラーク、および寄生性媒介体からなる群から選択されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2007−500251(P2007−500251A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533803(P2006−533803)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/019121
【国際公開番号】WO2005/016401
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/019121
【国際公開番号】WO2005/016401
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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