説明

産業用ロボットの手首駆動構造

【課題】手首部材を支持するアームをスリム化させた産業用ロボットの手首取付構造を提供する。
【解決手段】ロボットの第2アーム14に手首部材15を揺動可能かつ回転可能に配設する。手首部材15の揺動機構は、手首部材15と連結されると共に第2アーム14に回転自在に配設された第1従動回転軸22に軸支された第1歯車21と、第1モータ61と、減速機40と、第1モータ61の回転を減速機40に伝達する第1ベルト64と、減速機40の出力側回転軸に軸支され第1歯車21と噛合する第2歯車41を有する。手首部材15の回転機構は、第2モータ66と、第1従動回転軸22と同軸に配置された第2従動回転軸31と、第2従動回転軸31の回転をこれと直交する軸の回転に変換する傘歯車35,36と、第2モータ66の回転を第2従動回転軸31に伝達する第2ベルト69を有している。第1ベルト64と第2ベルト69を同一面内で回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク溶接ロボット等の産業用ロボットの手首駆動構造に係り、特に、アームのスリム化よって構造物の狭隘部における作業性を高めた産業用ロボットの手首駆動構造に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットの1種であるアーク溶接ロボットとして、6軸関節構造を有するものが広く用いられている。溶接トーチを保持する手首部材は、揺動軸である第5軸と回転軸である第6軸による動きが可能となっている。手首部材はアームの先端側に支持されており、アームの長手方向と垂直に第5軸が設けられ、この第5軸に直交するように第6軸が設けられる。なお、アーク溶接ロボットの第1軸〜第4軸は、アームの基端側とアーク溶接ロボットの基台との間に設けられる。
【0003】
手首部材の支持構造として、所謂、片持ち支持構造が知られている。図10に、従来の片持ち支持構造での第5軸と第6軸の各駆動機構の配設例を表した透過斜視図を示す。
【0004】
(第5軸の駆動機構)
アーム550にはモータ511が配設されており、このモータ511を駆動すると、モータ511の回転軸に取り付けられた第1プーリ512が回転し、この第1プーリ512の回転が、減速機514が具備する入力側回転軸(図示せず)に取り付けられた第2プーリ(図示せず)へ、ベルト513によって伝達される。減速機514では所定の減速機構によって回転速度の減速が行われ、出力側回転軸(図示せず)に取り付けられた第1歯車515が回転する。この第1歯車515は、第5軸回りに回転自在に配置された第2歯車516と噛合している。第2歯車516は円筒形状の第1従動回転軸部材(図示せず)に軸支されており、この第1従動回転軸部材は、アーム550に第5軸回りに回転自在に配設されると共に、手首部材560を構成する第1手首部材531に固定されている。よって、モータ511を駆動すると、その回転が第2歯車516に伝達され、第1従動回転軸部材を回転させて、手首部材560全体を第5軸回りに揺動させる。
【0005】
(第6軸の駆動機構)
アーム550にはモータ521が配設されており、このモータ521を駆動すると、モータ521の回転軸に取り付けられた第3プーリ522が回転し、この第3プーリ522の回転がベルト523によって第4プーリ524へ伝達される。この第4プーリ524は、第5軸の第1従動回転軸部材と同軸に、かつ、第1従動回転軸部材の内部を貫通するように配設された第2従動回転軸部材(図示せず)に軸支されている。第2従動回転軸部材の手首部材560側端部には、回転軸変換機構(図示せず)が設けられており、第5軸回りの回転が第6軸回りの回転に変換され、第6軸回りの回転では、手首部材560を構成する第2手首部材532のみが回転可能となっている。よって、モータ521を駆動すると、その回転が第4プーリ524へ伝達されて第2従動回転軸部材を回転させ、その第5軸回りの回転が第6軸回りの回転に変換されて、手首部材560の第2手首部材532を第6軸回りで回転させる。
【0006】
このような片持ち支持構造に対して、所謂、両持ち支持構造も用いられている(例えば、特許文献1参照)。両持ち支持構造では、一方の支持部に第5軸の駆動機構を配置し、他方の支持部に第6軸の駆動機構を配置する。第5軸と第6軸の各駆動機構には、図10に示した片持ち支持構造に用いられる第5軸と第6軸の各駆動機構と同等のものを用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−200376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図10に示す片持ち支持構造では、アーム550において、モータ511の回転を第1従動回転軸部材へ伝達し、また、モータ521の回転を第2従動回転軸部材へそれぞれ伝達するための機構を配置するための占有容積が大きく、これによりアーム550が大型化する。このように、大きなアーム550を有する手首構造を備えたアーク溶接ロボットでは、構造物の狭隘部における作業性が悪くなる。また、手首部材の両持ち支持構造でも、同じ問題が生じる。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、手首部材を支持するアームをスリム化させた産業用ロボットの手首駆動構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造は、産業用ロボットにおいて所定のアームに手首部材が揺動可能かつ回転可能に配設されてなる手首駆動構造であって、前記手首駆動構造は、前記手首部材の揺動機構と、前記手首部材の回転機構と、を具備し、前記揺動機構は、従動回転機構と、前記従動回転機構を駆動する回転駆動機構と、を備え、前記従動回転機構は、前記手首部材に連結されると共に前記アームに回転自在に配設された第1従動回転軸と、前記第1従動回転軸に軸支された第1歯車と、を有し、前記回転駆動機構は、前記アームの所定位置に配設された第1モータと、前記第1歯車と噛合される第2歯車を出力側回転軸で軸支して前記アームに配設された減速機と、前記第1モータの回転を前記減速機の入力側回転軸に伝達する第1環状部材と、を有し、前記回転機構は、前記アームの所定位置に配設された第2モータと、前記第1従動回転軸と同軸に配置された第2従動回転軸と、前記第2従動回転軸の回転を前記第2従動回転軸の軸方向と直交する軸の回転に変換する回転変換部と、前記第2モータの回転を前記第2従動回転軸に伝達する第2環状部材と、を有し、前記第2環状部材の内周側に前記第1環状部材が配置されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、第2環状部材の内周側に第1環状部材が配置されていることから、揺動機構と回転機構とが、互いに干渉することなく省スペース化されてアームに配置されるため、アームがスリム化された手首駆動構造が実現される。
【0012】
本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造では、前記減速機は波動歯車装置であり、前記回転変換部は傘歯車であって、減速機の機能を備えていることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、波動歯車装置を用いることで、アームの先端部をさらにスリム化することができ、回転変換部に傘歯車を用いることで、回転軸の変換と減速とを簡単な構造で同時に行うことができる。
【0014】
本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造は、アーク溶接用ロボットに好適である。すなわち、前記産業用ロボットが6軸関節構造を有するアーク溶接用ロボットであって、前記手首部材が溶接トーチを保持しており、前記アームの基端を所定位置に移動させる第1軸、第2軸及び第3軸の軸機構と、前記アームをその長さ方向に平行な中心軸回りに回転させる第4軸の軸機構と、を備え、前記第1従動回転軸が第5軸であり、前記第2従動回転軸の軸方向と直交する軸が第6軸である構成とすることが好ましい。
【0015】
このような構造を有するアーク溶接用ロボットでは、溶接トーチに最も近いアームがスリム化されることにより、構造物の狭隘部における溶接作業性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、産業用ロボットの手首駆動構造において、揺動機構と回転機構とが干渉することなくコンパクトに構成、配置されているため、産業用ロボットのアームがスリム化された手首駆動構造が実現される。このとき、揺動機構には減速機として波動歯車装置を用い、回転機構においては傘歯車を用いることにより、手首駆動構造をさらにスリム化することができる。このような手首駆動構造のスリム化によって狭隘部における作業性が向上し、より狭いスペースでの作業を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明におけるアーク溶接ロボットの概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明における手首揺動軸J5の駆動機構(揺動機構)と手首回転軸J6の駆動機構(回転機構)の概略構造を示す透過斜視図である。
【図3】図2のA−A斜視断面図である。
【図4】本発明における手首揺動軸J5の揺動機構と手首回転軸J6の回転機構を図2に示した矢印Bの方向から見たときの概略側面図である。
【図5】本発明における第2アームと手首部材の概略斜視図である。
【図6】本発明における減速機のケーシングに形成されたネジ穴の配置例を示す模式図である。
【図7】本発明において、(a)はフレームに形成されたボルト挿通孔の配置例を示す模式図であり、(b)は図6に示したネジ穴と(a)に示したボルト挿通孔とを連通させた状態の一例を示す模式図である。
【図8】本発明において、各ボルト挿通孔に対して連通させるネジ穴の位置を変えた場合の第1歯車に対する第2歯車の位置の変化の形態を示す第1の模式図である。
【図9】本発明において、各ボルト挿通孔に対して連通させるネジ穴の位置を変えた場合の第1歯車に対する第2歯車の位置の変化の形態を示す第2の模式図である。
【図10】従来の片持ち支持構造での第5軸と第6軸の各駆動機構の配設例を示す透過斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造として、アーク溶接ロボットの手首駆動構造を例に挙げて説明することとする。
【0019】
<アーク溶接ロボットの概略構造>
図1にアーク溶接ロボットの概略構成を表した側面図を示す。このアーク溶接ロボットは、床面に固設されたベース11と、ベース11に設けられたアーム10とを備えている。アーム10は、基台12と、第1アーム13と、第2アーム14と、手首部材15とを有している。基台12は、旋回軸J1として機能するようにベース11上に旋回可能に設けられている。基台12の上面には、第1アーム13が縦設されており、第1アーム13は、前後揺動軸J2として機能するように揺動可能となっている。
【0020】
第1アーム13は上下揺動軸J3として機能するように、その先端側(基台12が位置する方の端部の反対側)において第2アーム14を回動自在に軸支している。第2アーム14は、アーム回転軸J4として機能するように回転可能であり、その先端側(第1アーム13と連結されている方の端部の反対側)に手首部材15が設けられている。手首部材15は、手首揺動軸J5及び手首回転軸J6として機能するように揺動可能及び回転可能となっている。
【0021】
手首部材15には、トーチブラケット18を介して溶接トーチ17が配設されている。このトーチブラケット18は、手首回転軸J6で駆動される手首部材15により溶接トーチ17を支持している。また、溶接トーチ17は、先端面から後端面にかけて連通されており、後端面に供給された溶接ワイヤ16を溶接トーチ17内に挿通させて先端面から送り出す、消耗電極式の構造となっている。溶接トーチ17の軸心方向と溶接ワイヤ16の長さ方向とは実質的に平行となっている。溶接ワイヤ16の送り出し方向は、手首回転軸J6の軸線に沿って(あるいは、軸線に対して一定角度で交差するように)設定されている。
【0022】
このように構成されたアーク溶接ロボットでは、各軸J1〜J6により複数の自由度を備えることによって、3次元からなる空間座標(X,Y,Z)の任意の位置に溶接ワイヤ16の先端を移動させることができる。
【0023】
<手首揺動軸J5回りと手首回転軸J6回りの構造>
図2に手首揺動軸J5の駆動機構(揺動機構)と、手首回転軸J6の駆動機構(回転機構)の概略構造を表した透過斜視図を示し、図3に図2のA−A斜視断面図を示し、図4に手首揺動軸J5の揺動機構と手首回転軸J6の回転機構を図2に示した矢印Bの方向から見たときの概略側面図を示す。なお、図2に示す矢印Dは、後に説明する図6〜9の矢視方向を示すものである。
【0024】
〔手首揺動軸J5の揺動機構〕
手首揺動軸J5の揺動機構は、大略的に、第1従動回転機構20と、第1従動回転機構20を駆動する回転駆動機構と、を備え、この回転駆動機構は、第1モータ61と、減速機40と、第1モータ61の回転を減速機40に伝達する伝達機構(プーリ、ベルト等)と、を有している。
【0025】
図2,3に示されるように、アーク溶接ロボットの第2アーム14の基端側(第2アーム14の第1アーム13側(図1参照)を指す)において、第2アーム14を構成しているフレーム50内に、第1モータ61が配設されている。フレーム50の内部には、第2アーム14の長手方向に延びる空洞部51が形成されており、この空洞部51に、第1モータ61の回転駆動軸62に固定された第1駆動プーリ63が配置されている。なお、回転駆動軸62は手首揺動軸J5と平行である。
【0026】
第2アーム14の先端側に、第1従動回転機構20が配設されている。第1従動回転機構20は、回転自在にフレーム50に取り付けられた第1従動回転軸22と、第1従動回転軸22に軸支された第1歯車21と、を備えている。この第1従動回転機構20の回転軸が手首揺動軸J5である。
【0027】
第1従動回転軸22は、円筒部材101の外周にリング状部材102が固定された構造を有しており、このリング状部材102に第1歯車21が固定されている。第1従動回転軸22と第1歯車21は、フレーム50に設けられた孔部52に、手首揺動軸J5回りに回転自在な状態で収容されている。孔部52の形状は、リング状部材102が孔部52壁面(フレーム50)と摺動するが、第1歯車21がフレーム50とは接触することのないように、設計されている。
【0028】
第1歯車21としては、図4に示されるように、平歯車が好適に用いられる。なお、図2,3では、第1歯車21の歯(歯車として機能する外周の凹凸)の詳細な描画を省略している(後記する第2歯車41についても同様とする)。
【0029】
リング状部材102は、手首部材15を構成する第1手首部材15aに連結されている。なお、手首部材15は、第1手首部材15aと第2手首部材15bから構成されており、その詳細については後に説明することとする。
【0030】
第2アーム14の長手方向に沿って、第1従動回転機構20と並ぶように、減速機40がフレーム50に配設されている。減速機40は、第1歯車21と噛合する第2歯車41と、第2歯車41を軸支する出力側回転軸(図示せず)、出力側回転軸を回転自在に保持するケーシング42と、を備えている。また、減速機40は、減速機40を動作させるための入力側構成要素として、第1従動プーリ44と、この第1従動プーリ44を軸支する入力側回転軸45とを備えており、入力側回転軸45の回転はケーシング42内に設けられた速度変換部(図示せず)によって出力側回転軸(図示せず)の回転へと変換される。入力側回転軸45と出力側回転軸とは、中心軸Q回りに同軸に配置されており、中心軸Qは手首揺動軸J5と平行である。
【0031】
第1歯車21として平歯車を用いた場合、第2歯車41としても、図4に示されるように、平歯車が用いられる。また、第1従動プーリ44は、空洞部51に配設されている。さらに、第1モータ61の回転駆動軸62に固定された第1駆動プーリ63と、減速機40の入力側回転軸45に固定された第1従動プーリ44との間には、第1ベルト(第1環状部材)64が一定の張力の掛かった状態で架け渡されている。この第1ベルト64が一平面内で回転するように、つまり図2に示す矢印Cの方向から見たときに1本の帯状に見えるように、第1駆動プーリ63と第1従動プーリ44の配設位置が調整されている。
【0032】
このような構成により、手首揺動軸J5の揺動機構では、第1モータ61を駆動すると、回転駆動軸62の回転が、第1駆動プーリ63と第1ベルト64を介して、減速機40の第1従動プーリ44へ伝達され、第1従動プーリ44を軸支する入力側回転軸45が回転する。そして、入力側回転軸45の回転速度が速度変換部によって減速されて、出力側回転軸の回転として現れ、第2歯車41を回転させる。第2歯車41の回転によって第2歯車41と噛合している第1歯車21及び第1歯車21を軸支する第1従動回転軸22が回転する。こうして手首部材15を揺動させることができる。
【0033】
減速機40としては、波動歯車装置が好適に用いられる。波動歯車装置は、減速比が大きく、小型かつ軽量で大きなトルク容量を有しており、構成部品点数も少ないことから、第2アーム14を軽量化したり、細く構成したりすることが可能になる。また、波動歯車装置は、同時噛み合い歯数が多いことから、歯のピッチ誤差や累積ピッチ誤差の回転精度への影響が平均化されるために高い位置精度と回転精度が得られる等の優れた特徴を有している。
【0034】
減速機40のケーシング42は、フレーム50に形成された有底の穴部53に取り付けられている。穴部53へのケーシング42の取り付け方法については、後に、図6〜9を参照して詳細に説明することとし、ここではその概要を説明する。図5に第2アームと手首部材の概略斜視図を示す。図5に示されるように、フレーム50において穴部53の底壁面にあたる部分には、複数のボルト挿通孔80(後記するボルト挿通孔80a〜80hを総称する)が一定間隔で、同一円周上に設けられている。一方、ケーシング42には、図3に示されるように、ボルト挿通孔80と同数のネジ穴70(後記するネジ穴70a〜70hを総称する)が、ボルト挿通孔80と連通可能な位置に設けられている。ボルト挿通孔80を通してボルト75をネジ穴70に螺合させることにより、穴部53にケーシング42が取り付けられる。
【0035】
〔手首回転軸J6の回転機構〕
図2,3に示されるように、フレーム50内の基端側には、第2モータ66が配設されており、この第2モータ66の回転駆動軸67は、第1モータ61の回転駆動軸62と平行になっている。フレーム50に形成された空洞部51に、回転駆動軸67の先端部に固定された第2駆動プーリ68が配置されている。
【0036】
第2アーム14の先端近傍に、第2モータ66により駆動される第2従動回転機構30が配設されている。この第2従動回転機構30は、第2従動回転軸31と、第2従動回転軸31の一端(空洞部51側)に軸支されて空洞部51に配置された第2従動プーリ32と、第2従動回転軸31の他端(手首部材15側)に固定された傘歯車35と、を備えている。
【0037】
第2従動回転軸31は、図3に示されるように、第1従動回転軸22を構成する円筒部材101の内部に、第1従動回転軸22と同軸となるようにベアリング103を介して回転自在に配置されている。こうして、第1従動回転軸22と第2従動回転軸31とは、それぞれ独立して回転することができるようになっている。第1従動回転軸22の回転軸が手首揺動軸J5であるから、第2従動回転軸31の回転軸も手首揺動軸J5である。
【0038】
図3,5に示されるように、第2駆動プーリ68と第2従動プーリ32との間には、第2ベルト(第2環状部材)69が一定の張力の掛かった状態で架け渡されており、第2モータ66の回転駆動軸67(図2参照)の回転が、第2駆動プーリ68と第2ベルト69を介して、第2従動プーリ32へ伝達され、こうして第2従動回転軸31が回転する。第2ベルト69の回転軌道は、フレーム50に配置された固定プーリ65によって調整されており、第1ベルト64と第2ベルト69とが干渉(接触)しないようになっている。第2ベルト69は、一平面内で回転するように(つまり、図2,3に示す矢印Cの方向から見たときに、1本の帯状に見えるように)、第2駆動プーリ68、第2従動プーリ32及び固定プーリ65の配設位置が調整されている。
【0039】
傘歯車35は手首部材15の内部に配設されている。この傘歯車35と噛合するように、リング状の傘歯車36が、手首部材15を構成する第2手首部材15bに固定されている。これら傘歯車35,36は、第2従動回転軸31の回転を、第2従動回転軸31の軸方向と直交する軸である手首回転軸J6の回転に変換する回転変換部として機能する。すなわち、この傘歯車36の回転軸が手首回転軸J6となっており、傘歯車35の回転軸は第2従動回転軸31の回転軸である手首揺動軸J5であるから、傘歯車35,36によって、第2従動回転軸31の手首揺動軸J5回りの回転が、第2手首部材15bの手首回転軸J6回りの回転に変換される。
【0040】
また、傘歯車35の歯数は、ここでは、傘歯車36の歯数よりも少なくなるように構成しているため、傘歯車35,36は減速機としての機能をも発揮する。傘歯車35,36を用いることによって、少ない部品数で回転変換と回転速度の減速とを行うことができる。
【0041】
〔第1ベルト64と第2ベルト69の位置関係〕
前記したように、手首揺動軸J5の揺動機構では、第1ベルト64が一平面内で回転し、手首回転軸J6の回転機構では、第2ベルト69が一平面内で回転する。さらに、図2,3から明らかなように、第1ベルト64と第2ベルト69とがそれぞれ、同一面内において回転するように、第2ベルト69の内周側に第1ベルト64が配置されている。「第1ベルト64と第2ベルト69とがそれぞれ、同一面内において回転する」とは、図2に示す矢印Cの方向(第2アーム14の長手方向と揺動回転軸J5の軸方向の両方と直交する方向)から見たときに、第1ベルト64と第2ベルト69とが重なる位置関係にあることをいう。このような構成とすることにより、回転駆動軸62,67の軸方向での空洞部51の幅を狭く設定することができ、第2アーム14を、図10に示すような片持ち構造及び特開2003−200376に開示されているような両持ち構造と比べて、スリム化することができる。
【0042】
〔手首部材15の構造〕
手首部材15は、第1手首部材15aと第2手首部材15bから構成されている。前記したように、第1手首部材15aは第1従動回転軸22を構成するリング状部材102と連結されている。一方で、第2手首部材15bは、第1手首部材15aに対して、手首回転軸J6回りに回転自在な状態で、第1手首部材15aと連結されており、前記したように、第2手首部材15bには傘歯車36が固定されている。
【0043】
第1モータ61を駆動することによって第1従動回転機構20の第1歯車21を回転させると、第1従動回転軸22が手首揺動軸J5回りに回転し、その回転角度に応じて、手首部材15が第1手首部材15aと第2手首部材15bとを一体として、揺動する。一方、第2モータ66を駆動することによって第2従動プーリ32を回転させると、第2従動回転軸31が手首揺動軸J5回りに回転し、この回転が傘歯車35,36によって第2手首部材15bの手首回転軸J6回りの回転に変換されて、第1手首部材15aを動かすことなく、第2手首部材15bのみが回転する。
【0044】
〔第1歯車と第2歯車のバックラッシの調整〜減速機40の位置決め固定方法〕
前記の通りにスリム化された第2アーム14に手首部材15の揺動機構を配設する際の第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシの調整方法について、図6〜9を参照して以下に説明する。減速機40は1個の装置であるから、第1歯車21に対して第2歯車41のバックラッシを調整することは、減速機40を位置決めし、固定することに他ならず、減速機40の位置決め固定は、減速機40のケーシング42を穴部53へ取り付ける位置を定めて固定することである。
【0045】
図6はケーシングに形成されたネジ穴の配置を示す模式図であり、図2,5に示されている矢印Dの方向から見た図である。図7(a)は第2アームのフレームにおいて穴部の底壁面に相当する部分に形成されたボルト挿通孔の配置を示す模式図であり、図2,5に示されている矢印Dの方向から見た図である。図7(b)は、図6に示したネジ穴と図7(a)に示したボルト挿通孔とを連通させた状態の一例を示す模式図である。さらに、図8は、各ボルト挿通孔に対して連通させるネジ穴の位置を変えた場合の第1歯車に対する第2歯車の位置の変化の形態を示す第1の模式図であり、図9は第2の模式図である。
【0046】
図6〜9では、図2に示した矢印Dの方向から見たときの第1従動回転軸22の中心軸である手首揺動軸J5の位置を回転中心jで示し、減速機40の出力側回転軸の中心軸Q(入力側回転軸45の中心軸と同じ)の位置を回転中心qで示すこととする。また、回転中心jは第1歯車21の回転中心であり、回転中心qは第2歯車41の回転中心であるから、以下の説明において、適宜、「第1歯車21の回転中心j」、「第2歯車41の回転中心q」ということとし、図6〜9では第1従動回転軸22と出力側回転軸に代えて、第1歯車21と第2歯車41を模式的に図示することとする。ここで、第1歯車21と第2歯車41について、歯(歯車として機能する外周の凹凸(図4参照))の詳細な描画を省略し、第1歯車21については円弧M,M間の領域が、第2歯車41については円弧N,N間の領域がそれぞれ、歯(凹凸)の領域であるものとする。
【0047】
図6に示されるように、ケーシング42においては、第2歯車41の回転中心qから径方向に距離Sだけ離れた点P(以下「中心点P」という)を中心とした半径rの円周C上の8箇所に等間隔で、ネジ穴70a,70b,70c,70d,70e,70f,70g,70h(位置を示す観点から、黒点で描くこととする)が形成されている。ここでは、ネジ穴70aとネジ穴70eとを結ぶ線上においてネジ穴70e側に第2歯車41の回転中心qが位置するように、中心点Pの位置を定めている。
【0048】
なお、距離Sの値は、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシの調整可能長さである。後記するように、この距離Sの2倍の長さの範囲内の所定値で、バックラッシを調整することができる。図6〜図9では、ケーシング42の取り付け位置による第1歯車21と第2歯車41の噛合領域の変化を明瞭に示すために、距離Sの値を大きく取っており、これに起因して、図6〜図9では、第1歯車21と第2歯車41の各歯(凹凸)の領域を広く取っている。また、図6〜図9では、位置関係が明確に分かるようにデフォルメして模式的に示している。
【0049】
図7(a)に示されるように、フレーム50において穴部53(図7(a)には図示せず)の底壁面にあたる部分には、第1歯車21の回転中心jから一定の距離Rだけ離れた点P(以下「中心点P」という)を中心とした半径rの円周C上の8箇所に等間隔で、ボルト挿通孔80a,80b,80c,80d,80e,80f,80g,80hが形成されている。この距離Rは不変であり、第1歯車21と第2歯車41の各直径、歯の深さを考慮して定められる。
【0050】
第1歯車21の回転中心jと円周Cの中心点Pとを結ぶ方向をX方向とし、このX方向及び手首揺動軸J5(手首揺動軸J5は、回転中心jを通り、紙面に垂直である)と直交する方向をY方向とする。さらに、図7(a)に示されるように、円周Cの中心点Pを原点としたX−Y座標系を定める(図7(b),8,9において同様)。
【0051】
ネジ穴70とボルト挿通孔80は共に半径rの円周C,C上に同じ間隔で同じ数だけ形成されているので、図7(b)に示されるように、[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せが、例えば、[80a−70a],[80b−70b],・・・,[80g−70g],[80h−70h]となるように、ケーシング42を穴部53にボルト75(図2,3参照)を用いて取り付けることができる。
【0052】
前記したように、第1歯車21の回転中心j5と穴部53に設定された円周Cの中心点Pとの距離はRで一定であるため、図7(b)に示された状態では、第2歯車41の回転中心qの座標(X,Y)は(S,0)となる。つまり、第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとの距離は“R+S”となる。
【0053】
手首揺動軸J5回りの駆動機構では、減速機40の穴部53への取り付けに際して、[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せを変えることによって、第2歯車41の回転中心qの座標が変わる。これによる第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとの距離の変化を利用して、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシを調整する。これについて図8,9を参照して、さらに詳細に説明する。
【0054】
図8(a)は、図7(b)に示した状態からケーシング42を左回り(反時計回り)に45°回転させて、ケーシング42を穴部53に取り付けた状態を示している。[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せは、図8(a)に示される通りである。第2歯車41の回転中心qの座標(X,Y)は(S/21/2,S/21/2)となり、第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとのX方向における距離は“R+S/21/2”となる。つまり、図8(a)に示した状態は、図7(b)に示した状態と対比すると、第2歯車41を第1歯車21に距離“S−S/21/2”だけX方向で近付けることにより、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシが調整された状態を示している。
【0055】
なお、図8(a)に示される状態では、第2歯車41はY方向にも“S/21/2”だけ変位して配置された状態となる。このような状態となっても、第1歯車21と第2歯車41との噛合状態には、歯車間の距離が重要であって角度による影響はないため、何ら悪影響は生じない。
【0056】
図8(b)は、図7(b)に示した状態からケーシング42を左回りに90°回転(図8(a)に示した状態からケーシング42を左回りに45°回転)させて、ケーシング42を穴部53に取り付けた状態を示している。[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せは、図8(b)に示される通りである。第2歯車41の回転中心qの座標(X,Y)は(0,S)となり、第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとのX方向距離は“R”となる。つまり、図8(b)に示した状態は、図7(b)に示した状態と対比すると、第2歯車41を第1歯車21に距離“S”だけX方向で近付けることにより、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシが調整された状態を示している。
【0057】
図9(a)は、図7(b)に示した状態からケーシング42を左回りに135°回転(図8(b)に示した状態からケーシング42を左回りに45°回転)させて、ケーシング42を穴部53に取り付けた状態を示している。[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せは、図9(a)に示される通りである。第2歯車41の回転中心qの座標(X,Y)は(−S/21/2,S/21/2)となり、第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとのX方向距離は“R−S/21/2”となる。つまり、図9(a)に示した状態は、図7(b)に示した状態と対比すると、第2歯車41を第1歯車21に距離“S+(S/21/2)”だけX方向で近付けることにより、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシが調整された状態を示している。
【0058】
図9(b)は、図7(b)に示した状態からケーシング42を左回りに180°回転(図9(a)に示した状態からケーシング42を左回りに45°回転)させて、ケーシング42を穴部53に取り付けた状態を示している。[ボルト挿通孔80−ネジ穴70]の組合せは、図9(b)に示される通りである。第2歯車41の回転中心qの座標(X,Y)は(−S,0)となり、第1歯車21の回転中心jと第2歯車41の回転中心qとのX方向距離は“R−S”となる。つまり、図9(b)に示した状態は、図7(b)に示した状態と対比すると、第2歯車41を第1歯車21に距離“2S”だけX方向で近付けることにより、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシが調整された状態を示している。
【0059】
なお、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシの調整の観点からは、図9(b)に示した状態からケーシング42を左回りに45°回転させた状態は、図9(a)に示した状態と同等になり、図9(b)に示した状態からケーシング42を左回りに90°回転させた状態は、図8(b)に示した状態と同等になり、図9(b)に示した状態からケーシング42を左回りに135°回転させた状態は、図8(a)に示した状態と同等になる。
【0060】
このように、ケーシング42を穴部53に取り付ける際のバックラッシの調整量が取り得る値は、連続値ではなく、段階的な値となる。そのため、図7(b),8,9に示される状態のうちのどの状態を、ケーシング42の穴部53に対する取り付け位置として決定し、実際に取り付けるかは、第1歯車21と第2歯車との間のバックラッシについて予め定められた調整量を基準として行われる。
【0061】
具体的には、図7(b),8,9に示される各状態(取り付け位置)を、穴部53にケーシング42を仮止めする等して実現し、各状態での第1歯車21と第2歯車41のバックラッシを計測する。そして、ケーシング42がどの位置にあるときにバックラッシの計測値が予め定められた調整量又はこの調整量に近い値となるかを判断し、取り付け位置を決定し、ボルト挿通孔80を通してネジ穴70に所定のボルト75を螺合し、ケーシング42を穴部53に取り付ける。なお、ケーシング42を45°回転させた前後でのバックラッシの計測値が2つの取り付け位置で実質的に同じである場合には、いずれのポジションを選択しても、第2アーム14の駆動性能に影響はない。第1ベルト64のテンションの調整は、減速機40の位置決めが終了した後に行えばよい。
【0062】
このように第2アーム14のスリム化を行った場合に、従来のバックラッシ調整機構(例えば、特開平6−297377号公報参照)を用いると、バックラッシの調整作業が行い難くなる。これに対して、前記した位置決め固定が可能な減速機40を用いることにより(ケーシング43のネジ穴70をケーシング43に設ける回転軸42の同心円から偏心した位置となるように形成する構成)、第1歯車21と第2歯車41との間のバックラッシの調整作業が容易となり、調整作業にかかる負荷を軽減することができる。また、減速機40の取り付け位置が作業者によって異なるということがなくなるため、アーク溶接ロボットごとの手首部材15の揺動性能のばらつきを抑制することができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造は、アーク溶接ロボットの手首駆動構造に限定して適用されるものではなく、その他各種の産業用ロボット(スポット溶接ロボット、組み立てロボット、搬送ロボット等)の手首駆動構造に適用することができる。また、本発明に係る産業用ロボットの手首駆動構造は、手首部材の動作だけでなく、2つのアーム同士の連結構造にも適用することができる。
【0064】
また、本発明に係る実施形態では、第1モータ61の回転を減速機40の入力側回転軸45に伝達する第1環状部材として第1ベルト64を、第2モータ66の回転を第2従動回転軸31に伝達する第2環状部材として第2ベルト69を取り上げて説明したが、第1,第2環状部材はそれぞれベルトに限定されるものではなく、例えば、チェーン等であってもよい。また、第1歯車21と第2歯車41として平歯車を例示したが、第1歯車21と第2歯車41は、前記したように減速機40の位置決め固定方法にしたがってバックラッシの調整を行うことができるものであればよく、例えば、テーパ歯車であってもよい。さらに、減速機40として、入力側回転軸45と出力側回転軸とが同軸のものを示したが、第2ベルト69の内周側に第1ベルト64が配置されるという位置関係を変更しない限りにおいて、減速機40として、入力側回転軸45と出力側回転軸とが平行軸となっているものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0065】
14 第2アーム
20 第1従動回転機構
21 第1歯車
22 第1従動回転軸
30 第2従動回転機構
31 第2従動回転軸
32 第2従動プーリ
40 減速機
41 第2歯車
42 ケーシング
44 第1従動プーリ
50 フレーム
61 第1モータ
63 第1駆動プーリ
64 第1ベルト(第1環状部材)
65 固定プーリ
66 第2モータ
68 第2駆動プーリ
69 第2ベルト(第2環状部材)
70,70a〜70h ネジ穴
75 ボルト
80,80a〜80h ボルト挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用ロボットにおいて所定のアームに手首部材が揺動可能かつ回転可能に配設されてなる手首駆動構造であって、
前記手首駆動構造は、前記手首部材の揺動機構と、前記手首部材の回転機構と、を具備し、
前記揺動機構は、従動回転機構と、前記従動回転機構を駆動する回転駆動機構と、を備え、
前記従動回転機構は、前記手首部材に連結されると共に前記アームに回転自在に配設された第1従動回転軸と、前記第1従動回転軸に軸支された第1歯車と、を有し、
前記回転駆動機構は、前記アームの所定位置に配設された第1モータと、前記第1歯車と噛合される第2歯車を出力側回転軸で軸支して前記アームに配設された減速機と、前記第1モータの回転を前記減速機の入力側回転軸に伝達する第1環状部材と、を有し、
前記回転機構は、前記アームの所定位置に配設された第2モータと、前記第1従動回転軸と同軸に配置された第2従動回転軸と、前記第2従動回転軸の回転を前記第2従動回転軸の軸方向と直交する軸の回転に変換する回転変換部と、前記第2モータの回転を前記第2従動回転軸に伝達する第2環状部材と、を有し、
前記第2環状部材の内周側に前記第1環状部材が配置されていることを特徴とする産業用ロボットの手首駆動構造。
【請求項2】
前記減速機は波動歯車装置であり、
前記回転変換部は傘歯車であって、減速機の機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の産業用ロボットの手首駆動構造。
【請求項3】
前記産業用ロボットが6軸関節構造を有するアーク溶接用ロボットであって、前記手首部材が溶接トーチを保持しており、
前記アームの基端を所定位置に移動させる第1軸、第2軸及び第3軸の軸機構と、前記アームをその長さ方向に平行な中心軸回りに回転させる第4軸の軸機構と、を備え、
前記第1従動回転軸が第5軸であり、
前記第2従動回転軸の軸方向と直交する軸が第6軸であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の産業用ロボットの手首駆動構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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