説明

用紙積載装置及び画像形成システム

【課題】用紙の排出時間を遅延と生産性の低下を招くことなく用紙の大量積載を可能とする。
【解決手段】搬送されてきた用紙を排紙する排紙ローラ111と、排紙ローラ111から排紙された用紙を積載するシフトトレイ102と、このシフトトレイ102を昇降させるエレベータ103とを備えたスタッカ100において、排紙ローラ111とシフトトレイ102との間に排紙ローラ111から排紙された用紙を一定枚数まで集積し、シフトトレイ102に受け渡す第1及び第2の中継ユニット200,208を設け、第1及び第2の中継ユニット200,208に集積された用紙束を例えばファン500により冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬入されてくる用紙、記録紙、シート状記録媒体などのシート部材(本明細書では、単に「用紙」と称す。)を仕分けして集積する大容量の用紙積載装置、及びこの用紙積載装置と、この用紙積載装置に画像形成済みのシート部材を搬出する画像形成装置とからなる画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に接続され、用紙処理を行う用紙後処理装置としてスタッカ(用紙積載装置)が知られている。この種の用紙積載装置では、用紙積載装置内部のトレイにコピーあるいは印刷された用紙が最大5000枚程度積載される。5000枚程度の用紙は重さが約50kgとなり、ユーザが持ち運びできる重さではない。そこで、この種の装置では、用紙を積載するトレイが、移動可能な台車上にセットされ、その台車を用紙積載装置内の所定の位置にセットし、用紙積載装置の台車収納用ドア(以下前ドア)を閉めると、台車上にセットされたトレイのみが用紙排紙位置まで上昇するようになっている。その後、用紙積載装置に複写機などよりコピー及び印刷された用紙が搬送され、トレイ上に所定数枚積載する度にトレイを下降させ、トレイと用紙排紙位置の位置関係を一定の高さに保ちながら用紙を積載する。
【0003】
画像形成装置などよりコピー及び印刷された用紙の排紙ジョブが終了し、トレイ上に積載された用紙を用紙積載装置外に取り出す場合、あるいは積載トレイが満杯になった場合、用紙積載装置のトレイ下降スイッチを押すと、用紙を積載したトレイが装置内に収納されている台車まで下降し、その後、用紙積載装置の前ドアを開け、用紙と用紙積載トレイが乗った台車を装置の外に引き出すことが可能となる。
【0004】
また、電子写真方式の複写機やプリンタは、印刷時、約200℃程度の高温でトナー定着するため複写機及びプリンタから排紙された直後の用紙の温度は、非常に高温になっており、蓄熱した用紙を積載トレイにスタックすると用紙同士が固着する。そこで、排紙されたコピー用紙の温度を冷却するため、スタッカの用紙積載部、又は、搬送経路に冷却ファンなどを設けて用紙温度を冷やすようにした装置も既に知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
このうち特許文献1(特開平4−345187号公報)には、用紙を冷却し、トナー像を固めることによって次の用紙への裏写りを防止するため、搬送速度を落とすとともに、圧接部の出口側の出口ローラ対の間に設けた冷却用のファンにより、転写紙がOHPシートであるときには前記ファンを回転させて定着後のシートを冷却し、あるいは、ファンに代えて出口ローラ対を中空開放状にし、片側にファンを設けて内部に空気を送って冷却するようにした構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献2(特許第4072672号公報)には、シート積載部に積載される前にシートを十分に冷却するため、排出搬送路の出口付近に配設されてシートをニップ搬送する排出部材と、この排出部材を回転駆動する駆動伝達機構と、シートが排出部材を通過する際に、前記駆動伝達機構を制御することで、排出部材の回転駆動を一時的に停止させて排出部材によるシート排出時間を一時的に遅延させる排出制御装置と、画像形成装置本体側方にてシート受部の上方に設けられ且つ前記排出制御装置にて排出部材によるシート排出時間を一時的に遅延させる際に、排出部材にニップされている定着後のシート表面に上方より送風して当該シートを冷却する冷却手段とを備えた画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述の従来技術では、排紙する際に搬送速度を落として冷却し、あるいは排出部材の回転駆動を一時的に停止させて排出部材による用紙排出時間を一時的に遅延させて冷却していた。この冷却では、冷却する際に、搬送速度を落とし、あるいは一時的に停止させるので、用紙が冷却されるまで時間をかけているにすぎなかった。具体的には、蓄熱した用紙を積載部にスタックする前に用紙を十分に冷却するため、複写機及びプリンタから排紙された用紙の搬送時間、排出時間を遅延させ、搬送中、又は、排出時に十分に用紙を冷却するようにしていた。そのため、スタッカのような大量の用紙積載装置では、1枚にかかる遅延時間が積算され、大量にスタックする場合には、大きく生産性が低下するという結果を招いていた。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、用紙の排出時間を遅延させることがなく、生産性を低下させないで大量積載を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、第1の手段は、搬送されてきた用紙を排紙する排紙手段と、前記排紙手段から排紙された用紙を積載する積載手段と、前記積載手段を昇降させる昇降手段と、を備えた用紙積載装置であって、前記排紙手段と前記積載手段との間に位置し、前記排紙手段から排紙された用紙を一定枚数まで集積し、前記積載手段に受け渡す中継手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記中継手段に集積された用紙束を所定枚数毎に用紙搬送方向と直交する方向にシフトさせるシフト手段を更に備えていることを特徴とする。
【0011】
第3の手段は、第1の手段において、前記中継手段が用紙の搬送方向と直交する方向から用紙の両側の端部にそれぞれ当接し、同方向の整合を行う整合手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、第2の手段において、前記中継手段が用紙の搬送方向と直交する方向から用紙の両側の端部にそれぞれ当接し、同方向の整合を行う用紙搬送方向上流側の第1の整合手段と、下流側の第2の整合手段とからなる整合手段を備え、前記シフト手段が第1の整合手段と、当該第1の整合手段をシフト方向に移動させる移動手段とからなることを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第4の手段において、前記第1の整合手段は前記用紙の両側の端部に独立して移動し、当接する当接部と駆動源をそれぞれ備え、前記第2の整合手段は前記用紙の両側の端部に連動して互いに近接離間し、当接する当接部と1つの駆動源を備えていることを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、前記中継手段が、前記排紙手段からの用紙を1枚ずつ集積する前段側の上部中継手段と、前記積載手段に受け渡す前に、前記上部中継手段に集積された用紙束が受け渡され、一時的に集積する下部中継手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】
第7の手段は、第6の手段において、前記下部中継手段のみがシフト方向に移動して用紙束をシフトさせることを特徴とする。
【0016】
第8の手段は、第1ないし第7のいずれかの手段において、前記中継手段に集積された用紙束の高さを検知する検知手段を備え、
当該検知手段によって検知された用紙束の高さと用紙サイズとに基づいて前記中継手段に集積される用紙の枚数を変更すること
を特徴とする。
【0017】
第9の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段において、前記中継手段に送風して当該中継手段に集積された用紙束を冷却する冷却手段を備えていることを特徴とする。
【0018】
第10の手段は、第9の手段において、前記冷却手段は用紙のサイズ及び厚さに応じて送風量を変更することを特徴とする。
【0019】
第11の手段は、第1ないし第10のいずれかの手段において、前記昇降手段によって昇降する前記積載手段が最下位置に位置したときに載置される台車を有し、前記台車は前記用紙が積載された積載手段を載せた状態で装置外に取り出し可能であることを特徴とする。
【0020】
第12の手段は、第1ないし第11のいずれかの手段に係る用紙積載装置と画像形成装置とからなる画像形成システムを特徴とする。
【0021】
なお、後述の実施形態では、排紙手段は排紙ローラ111に、積載手段はシフトトレイ102に、昇降手段はエレベータ103及びトレイ昇降モータ107に、用紙積載装置はスタッカ100に、中継手段は第1及び第2の中継ユニット200,208に、シフト手段は第1の中継部材210F,210Rと動力伝達機構201a,202aに、第1の整合手段は第1の中継部材210F,210Rに、第2の整合手段は第2の中継部材213F,213Rに、移動手段は動力伝達機構201a,202aに、前記第1の整合手段における当接部は中継爪207aの支持部材207aF,207aRに、その駆動源は第1及び第2のステッピングモータ201,202に、前記第2の整合手段における当接部は中継爪207bの支持部材207bF,207bRに、その1つの駆動源はステッピングモータ217に、上部中継手段は上側中継ユニット220に、下部中継ユニットは下側中継ユニット221に、検知手段はセンサ117に、冷却手段はファン500に、台車は符号108に、画像形成装置は符号PRに、シフト方向はシフト排紙方向S1,S2に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、用紙の排出時間を遅延と生産性の低下を招くことなく用紙の大量積載が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置と用紙積載装置を連結した画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】スタッカ(用紙積載装置)の内部構造を示す概略構成図である。
【図3】スタッカにおける用紙の搬送先の切り替え機構を示す図である。
【図4】図3における下分岐爪近傍の拡大図であり、プルーフ排紙モードの場合の下分岐爪の切り換え位置を示す。
【図5】図3における下分岐爪近傍の拡大図であり、ストレート排紙モードの場合の下分岐爪の切り換え位置を示す。
【図6】分岐爪が下を向いている図4の状態を示す要部斜視図である。
【図7】分岐爪が上を向いている図5の状態を示す要部斜視図である。
【図8】スタッカの先端揃え機構を示す斜視図である。
【図9】第1の中継ユニットの構成を示す正面図である。
【図10】図9の斜視図である。
【図11】第2の中継ユニットの概略構成を示す正面図である。
【図12】図11の斜視図である。
【図13】第1及び第2の中継ユニットを連結した状態を示す斜視図である。
【図14】図13の連結状態を装置背面側から見た図である。
【図15】図13の第1ないし第4の中継部材における用紙放出時の動作を示す説明図である。
【図16】第1例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS1のときの動作を示す。
【図17】第1例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS2のときの動作を示す。
【図18】第2例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS1のときの動作を示す。
【図19】第2例におけるシフト動作説明図であり、矢印B方向に下降し、シフトトレイに用紙束を受け渡すときの動作を示す。
【図20】第2例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS2のときの動作を示す。
【図21】第3例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS1のときの動作を示す。
【図22】第3例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS2のときの動作を示す。
【図23】第4例におけるシフト動作説明図であり、矢印B方向に下降し、下側の中継ユニットに用紙束を受け渡すときの動作を示す。
【図24】第4例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS1のときの動作を示す。
【図25】第4例におけるシフト動作説明図であり、シフト排紙方向がS2のときの動作を示す。
【図26】スタッカ本体の内部に冷却ファンを配置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、画像形成装置などから排紙された用紙をスタックする用紙積載装置において、積載部に用紙積載前にストックする中継手段を設け、用紙温度を上下方向から低下させるようにしたこと、及び中継の積載部を設けることにより順次用紙を排紙できるようにして生産性が低下しないようにしたことを特徴とする。
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の実施形態に係る用紙積載装置と画像形成装置とからなる画像形成システムの全体構成を示す斜視図である。
同図において、本システムは画像形成装置PRと用紙積載装置(以下、スタッカと称す)100とから構成され、画像形成装置PRで画像形成された用紙がスタッカ100内に搬入され、スタッカ100で用紙の積載あるいは上部のプルーフトレイ101への排紙、あるいは、図示しない下流の用紙後処理装置、例えば用紙折り装置、用紙綴じ装置、製本装置などが必要に応じて接続される。また、画像形成装置PRは、電子写真方式、液滴吐出方式などの公知の画像形成方式の複写機、プリンタ、プロッタ複写機、デジタル複合機などの画像形成装置であれば良く、特定の形式や用途の画像形成装置に限定されるものではない。
【0027】
また、画像形成装置PRは、ネットワーク接続により、パーソナルコンピュータPC及びFAX(非図示)など画像形成装置PRに対して外部リモート可能な装置などの接続も可能で、PCなどの情報を画像形成装置PRへ印刷することも可能である。
【0028】
スタッカ100の正面には、シフト排紙部と外部とを隔てるドア902が設けられ、更に、このドア902の開閉を検出する不図示のドア開閉検出部材が設けられている。スタッカ100の正面上部には、操作部900が配置され、シフトトレイ(用紙積載トレイ)から用紙を取り出すとき押下するトレイ移動SW、その他、表示部等が設けられている。
【0029】
図2はスタッカの内部構造を示す概略構成図であり、スタッカ内のシフトトレイを用紙排紙位置まで上昇したときの状態を示す。画像形成装置PRから排出された用紙は矢印A方向から搬入される。本実施形態におけるスタッカ100は、プルーフ排紙モード、ストレート排紙モード、及びシフト排紙モードの動作モードの選択が可能であり、それぞれのモードに応じて用紙の搬送方向が制御される。プルーフ排紙モードは、用紙を用紙搬送路L1からプルーフトレイ101上に導いてスタックする動作モードである。ストレート排紙モードは、用紙を用紙搬送路L2から後段の用紙後処理装置に導く動作モードである。シフト排紙モードは、用紙を用紙搬送路L3からシフトトレイ102上に排出してスタックする動作モードである。シフト排紙モードにおいては、シフトトレイ102上の異なるシフト位置に所定枚数毎の用紙がスタックされる。シフトの詳細については後述する。
【0030】
スタッカ100では、用紙を積載する際、前ドア902が開いた状態で、スタッカ100の所定の位置に台車108をセットし、前ドア902を閉めると、台車108上にあったトレイ102がエレベータ103により上昇する。エレベータ103の駆動源は、トレイ昇降モータ107で、図示しないCPUからの制御信号によりトレイ昇降モータ107が回転し、エレベータ103を上昇動作させる。
【0031】
トレイ昇降モータ107の回転軸には、プーリが圧入されており、タイミングベルトを介してトレイ昇降モータ107の回転によって発生した駆動力を伝達する。タイミングベルトの先には、ウォームギヤ106、歯車109,105を含む歯車群が連結されており、歯車105は、タイミングベルト104に連結されている。例えば、トレイ昇降モータ107が正回転すると、連結された歯車によりタイミングベルト104に力が伝達され、タイミングベルト104に連結されたトレイ102を昇降させるエレベータ103が上昇する。一方、トレイ昇降モータ107が逆回転すると、エレベータ103は下降する。
【0032】
スタッカ100は前記用紙を積載し、排紙するトレイ機構の他に搬送機構を備えている。搬送機構は、画像形成装置PR側から搬送されてきた用紙をトレイ102に排紙し、あるいは後段のシート処理装置に搬送するもので、第1ないし第3搬送路L1,L2,L3と、入口ローラ1と、第2搬送路L2あるいは第3搬送路L3のいずれかに切り替える下分岐爪120と、第1搬送路L1あるいは第2搬送路L2のいずれかに切り替える上分岐爪121と、を備えている。第1の搬送路L1はプルーフトレイ101に用紙を排紙するための搬送路であり、上分岐爪121からプルーフトレイ101に排紙するまでの搬送路である。第2の搬送路L2は後段の用紙処理装置に用紙を搬送するための搬送路であり、入口部から排紙部までの搬送路である。第3の搬送路L3はトレイ102に用紙を排紙するための搬送路であり、下分岐爪120からトレイ102に排紙するまでの搬送路である。
【0033】
なお、第3の搬送路L3の用紙搬送方向の最下流部にはトレイ102に用紙を排紙するための搬送ローラ(排紙)111と、この排紙ローラ111にバネによって付勢され、圧接して従動する従動ローラ113が設けられ、これらのローラ111,113の間に用紙がニップされる。また、用紙搬送路に沿って入口センサS1、用紙搬送パスセンサS2が設けられ、排紙ローラ111の排紙部近傍には紙面センサS3が配置されている。なお、各用紙搬送路L1,L2,L3には、図2に示すように複数の搬送ローラ2〜10が配置され図示しない駆動機構によって駆動され、用紙を所定の位置に搬送する。
【0034】
また、図2において、昇降駆動機構の上部であってシフトトレイ102の前段に第1及び第2の中継ユニット200,208が配置され、この2つの中継ユニット200,208により用紙のシフトトレイ102への用紙受け渡しにおける中継動作を可能としている。
【0035】
大略上記のように構成されたスタッカ100には、隣接して設置された複写機等の画像形成装置PRから排出された用紙が入口ガイド板114を介して矢印A方向から導入される。本実施例におけるスタッカ100は、後述のようにプルーフ排紙モード、ストレート排紙モード、及びシフト排紙モードの動作モードを選択することができる。
【0036】
図3は図2における用紙の搬送先の切り替え機構を示す図である。
同図において、切り替え機構には、前記下分岐爪120及び上分岐爪121が含まれる。両分岐爪120,121の構成は同一である。下分岐爪120の駆動源は、図6に示すように下分岐爪モータ122であり、下分岐爪120と下分岐爪モータ122は、歯車123,125で連結されている。上分岐爪121についても同様である。
【0037】
図4及び図5は下分岐爪120近傍の拡大図であり、下分岐爪モータ122を回転させることにより、連結された下分岐爪120が下側に向き(図示時計方向)、ガイド板14から搬送された用紙が下分岐爪120の上面側を通過すると、用紙はガイド板11を通り上方の搬送経路L1を辿る。逆に、下分岐爪120が上を向くと、ガイド板14から送られてきた用紙は、下分岐爪120の下面側を通過するため、用紙はガイド板13を通り下方の搬送経路L3を辿る。上分岐爪121も下分岐爪120の動作と同様な動作をする。
【0038】
一般的にスタッカ100では、画像形成装置PRの操作部を操作することによってプルーフ排紙モード、ストレート排紙モード、及びシフト排紙モードの動作モードを選択することができる。この選択動作に応じて、スタッカ100側では、下分岐爪120が上向きとなると、シフト排紙モードとなり、用紙は、トレイ102へ排紙され、下分岐爪120が下向きであって上分岐爪121が下向きになると、プルーフ排紙モードとなり、用紙はプルーフトレイ101へ、下分岐爪120が下向きであって上分岐爪121上向きになると、ストレート排紙モードとなり、用紙は下流機側に排紙される。
【0039】
図6及び図7は、分岐爪120がそれぞれ下を向いているとき、上を向いているときの状態の状態を示す要部斜視図である。モータ122によってギヤ123とギヤ125が回転し、軸127と軸128を支点にして分岐爪120が回転する。分岐爪の回転量はセンサS8にフィラー126を通過させることによって制御している。なお、符号124はモータ122及びギヤ123,124等が取り付けられる取り付け板である。
【0040】
本実施形態におけるスタッカ100は、プルーフ排紙モード、ストレート排紙モード、及びシフト排紙モードの動作モードを選択することができる。以下にそれぞれの排紙モードの動作説明をする。
【0041】
<プルーフ排紙>
プルーフ排紙モードは、用紙搬送路L1を通して、プルーフトレイ101上に用紙を導いてスタックする動作モードである。図2において、用紙は搬送ローラ1、2、3、4によって搬送され、プルーフトレイ101に排出される。入口センサS1及びプルーフ排紙センサS4によって用紙の通過を検知している。プルーフトレイ101に用紙が積載され、満杯検知センサS5の位置まで用紙が積載されるとプルーフトレイ101に積載された用紙を取り除くまでジョブが一時停止する。
【0042】
<ストレート排紙>
ストレート排紙モードは、用紙搬送路L2を通して、本スタッカ100の後段に備えられた下流側のスタッカ等の後処理装置に用紙を導く動作モードである。図2において、用紙は搬送ローラ1、2、5、6、7、8、9、10によって搬送され、下流側に送られる。入口センサS1、及び用紙検知センサS6,S7によって用紙の通過を検知している。
【0043】
<シフト排紙>
シフト排紙モードは、用紙搬送路L3を通して矢印D方向からシフトトレイ102上に用紙を排出してスタックする動作モードである。図2において、用紙は搬送ローラ1、排紙ローラ111によって搬送され、シフトトレイ102に排出される。入口センサS1及びシフト排紙センサS2によって用紙の通過を検知している。シフト排紙モードでは、シフトトレイ102上の異なるシフト位置に用紙をスタックする。
【0044】
図8は先端揃え機構を示す斜視図である。先端揃え機構70は、シフトトレイ102上に排出される用紙の先端部を揃えるための機構である。同図において、用紙搬送方向と平行な方向である矢印H1,H2方向に位置調整可能な先端ストッパ71を備えている。先端ストッパ71はスライダ72に取り付けられており、スライダ72は、図8のように、軸心が矢印H1,H2方向に延びて配置された一対のシャフト73にスライド可能にガイドされている。スライダ72は、プーリ74,75の間に掛け渡されたベルト76に連結されている。そして、モータ77によってベルト76を駆動することにより、スライダ72は先端ストッパ71と共に矢印H1,H2方向に移動し、先端ストッパ71の位置が調整される。スライダ72には遮蔽板78が備えられており、先端ストッパ71がホームポジションに移動したときに、遮蔽板78が光学式のホームポジションセンサS13によって検出される。
【0045】
図9は第1の中継ユニットの構成を示す正面図、図10はその斜視図である。
第1の中継ユニット200は、図9及び図8に示すように排出された用紙を一時的にストックし、用紙後方側部を支える第1及び第2の中継部材210F、210Rと、第1及び第2の中継部材210F,210Rを幅方向(用紙排出方向と垂直な方向)に移動させる第1及び第2のステッピングモータ201,202と、第1及び第2の中継部材210F,210Rを上下方向に移動させる中継上下モータ204と、動力伝達機構222とを備えている。第1及び第2の中継部材210F,210Rは第1のスライド軸203aに沿ってスライド移動し、第1及び第2のステッピングモータ201,202は第1のスライド軸203aに沿って平行に配置された支持軸203bに支持され、第1及び第2の中継部材210F,210Rをプーリ及びタイミングベルトを含む動力伝達機構201a,202aを介して移動させて用紙端面を揃える。なお、添え字Fは本実施形態では装置前側を、添え字Rは装置後側をそれぞれ意味する。
【0046】
用紙端面の揃え動作は、第1及び第2の中継部材210F,210Rと、第1のスライド軸203aに沿って移動するスライダを含む中継爪207aの支持部材207aF,207aRが図2の排紙ローラ(コロ)111から排出された用紙の後方側部と当接し、幅方向Lに移動することによって行われる。各モータ201,202,204は図示しない制御回路によって図示しないモータドライバを介して制御される。なお、動力伝達機構222は上下のプーリ、両者間に掛け渡されたタイミングベルト及び第1の中継プーリ205を含む。
【0047】
図11は第2の中継ユニットの概略構成を示す正面図、図12はその斜視図である。
第2の中継ユニット208は、幅方向(用紙排出方向と垂直な方向)の移動を制御するステッピングモータ217と、中継ユニット200と同様な上下方向移動を可能とさせる中継プーリ206と、用紙前方側部を支える第3及び第4の中継部材213F、213Rと、上下方向に移動させるための動力伝達機構223を備えている。第3及び第4の中継部材213F,213Rは、プーリ214、215の間に掛け渡されたベルト216を移動させるステッピングモータ217を駆動することにより、第2のスライド軸212に沿って共に幅方向にスライド移動し、近接・離間動作を行う。なお、スライド移動は、第3及び第4の中継部材213F、213Rと、この支持部材を含む中継爪207bのスライダの第2のスライド軸212に沿う移動より行われる。動力伝達機構223は、上下一対のプーリ、両者間に掛け渡されたタイミングベルト及び第2の中継プーリ206を含む。また、用紙端面の揃え動作は、第3及び第4の中継部材213F,213Rと、第2のスライド軸212に沿って移動するスライダを含む中継爪207bの支持部材207bF,207bRが図2の排紙ローラ111から排出された用紙の前方側部に当接し、幅方向に移動することによって行われる。
【0048】
図13は第1及び第2の中継ユニットを連結した状態を示す斜視図、図14は連結状態を装置背面側から見た図である。
【0049】
図14に示すように、第1及び第2の2つの中継ユニット200,208は第1及び第2のスライド軸203a,212が同一平面上で互いに平行になるように配置され、図15にも示すように第1の中継ユニット200の第1の中継プーリ205と第2の中継ユニット208の第2の中継プーリ206が一対のベルト209によって両側部で連結され、中継上下モータ204の駆動力が前記ベルト209によって伝達されて2つの中継ユニット200,208が上下方向に連動して昇降する。
【0050】
第1の中継部材210F,210Rは用紙搬送方向(矢印C方向)上流側で、第2の中継部材213F,213Rは下流側でそれぞれ用紙後端側と用紙先端側の揃えと、支持を幅方向の任意の位置で行うことができるように配置されている。
【0051】
図15は図13の第1ないし第4の中継部材210R,210F,213R,213Fの用紙放出時の動作を示す説明図で、用紙搬送方向上流側から第1及び第2の中継部材210R,210Fを見た状態を示している。第1ないし第4の中継部材210F,210R,213F,213Rは、これらの部材と一体の第1及び第2の中継爪207a,207bは初期状態でソレノイド211によって用紙支持方向(図示反矢印U方向)に保持されており、一定枚数の用紙がストックされると、ソレノイド211が第1及び第2の中継爪207a,207bが図示矢印U方向に付勢する。これにより、第1及び第2の中継爪207a,207bが矢印D方向に開き、その後、ステッピングモータ201,202及び204が動作し、中継爪207が幅方向W(用紙排出方向と垂直な方向)に移動することにより第1及び第2の中継部材210F,210Rの間隔、第3及び第4の中継部材213F,213Rの間隔がそれぞれ広がり、シフトトレイ102に用紙が積載される。
【0052】
このように、シフトトレイ102に積載する前に中継手段を設けることにより、用紙の上下から熱を放出することができ、用紙温度を十分に低下させることが可能となる。また、放出により暖められた空気は上方に移動し、スタッカ100の下部から冷たい空気が導入され、熱は暖められた空気と共に上方に抜ける。これにより、用紙束PBには冷たい空気が常に下から供給され、用紙束PBの自然冷却が行われる。その結果、用紙同士の固着の防止を図ることができる。
【0053】
以下、種々のシフト動作について説明する。
【0054】
<第1例>
図16及び図17はシフト動作の一例を示す動作説明図であり、第1の中継ユニット200とシフトトレイ102を用紙搬送方向上流側から見た図である。
【0055】
前述のように用紙搬送方向と直交する方向の整合は、第1の中継ユニット200の第1及び第2の中継部材210F,210Rを互いに用紙の用紙搬送方向と直交する方向から近接させ、用紙の用紙搬送方向幅方向を規制することにより行われる。従って、整合する位置を1部毎に交互に変更すれば、用紙束PBを1部毎に仕分けすることが可能となる。この動作が所謂用紙のシフトである。本実施形態では、図16で排紙ローラ111、従動ローラ113及び第1中継ユニット200をシフト排紙方向S1(搬送方向と直交する方向)に所定距離移動させ、中継ユニット200に用紙を一定枚数ストック(集積)した後、図15を参照して説明したようにして第1及び第2の中継部材210F,210Rを開放し、シフトトレイ102上に用紙束PBをスタック(積載)する。引き続き、図17に示すように排紙ローラ111、従動ローラ113、第1の中継ユニット200を次のシフト排紙方向S2に移動させ、用紙のストックを開始する。この動作を繰り返すことによりシフト排紙が可能となる。
【0056】
その際、第2の中継ユニット208は、第3及び第4の中継部材213F,213Rをシフトしたときの両側の端部に位置にそれぞれ位置させておき(図16及び図17の符号207bF位置と、符号207bR位置)、図16に示したS1方向にシフトさせる場合は、支持部材207aF,207aRと支持部材207bFの3個所で用紙又は用紙束PBを支持し、図17に示したS2方向にシフトさせる場合は、支持部材207aF,207aRと支持部材207bRの3個所で用紙又は用紙束PBを支持させる。これにより、用紙束PBの整合とシフトを精度良く行うことができる。
【0057】
<第2例>
図18ないし図20は用紙枚数若しくは用紙の部数が多く、シフトトレイ102に用紙を積載する際に、シフトトレイ102を下降させる必要がある場合の例を示す動作説明図であり、第1の中継ユニット200とシフトトレイ102を用紙搬送方向上流側から見た図である。
【0058】
この例では、図16及び図17に示した例に対して、中継ユニット200,208に積載された用紙束PBの高さを検知するセンサ117を設け、このセンサ出力に応じて中継上下モータ204を駆動し、所定量下降させるようにしたものである。すなわち、第1及び第2の中継ユニット200,208は図19に示すように用紙束PBの高さに応じて図示矢印B方向に下降する。用紙が一定枚数ストックされると、図15に示した方法で第1ないし第4の中継部材210F,210R,213F,213Rを開放し、シフトトレイ102若しくはシフトトレイ102上に積載された直前のシフトの用紙束PB上に用紙束PBをスタックする。その後、図20に示すように排紙ローラ111、従動ローラ113、中継ユニット200を次のシフト排紙方向S2に移動させ、第1ないし第4の中継部材210F,210R,213F,213R上への用紙のストックを開始する。この動作を繰り返すことにより、1部のページ数が多い場合でも、確実にシフト排紙を行うことができる。
【0059】
<第3例>
図21及び図22は,シフト機構を上下2段にわたって設けた例の動作を示す動作説明図で、シフト排紙手段について、搬送方向(手前)から見た図である。
【0060】
図21に示すように、この例では、図18ないし図20に示した例に対して第1及び第2の中継ユニット200,208をそれぞれ上側中継ユニットと下側中継ユニットの2段構成としたものである。図21では、用紙搬送方向上流側の第1の中継ユニット200が上側中継ユニット220と下側中継ユニット221からなり、下側中継ユニット221は上側中継ユニット220の下方に配置されている。なお、第1及び第2の中継ユニット200,208のそれぞれの上側中継ユニットと下側中継ユニットは、第1及び第2の中継ユニット200,208と干渉しない位置に同一の構成で設けられている。
【0061】
シフト動作時には、排紙ローラ111、従動ローラ113、上側中継ユニット220、下側中継ユニット221をシフト排紙方向S1に移動させる。その際、センサ117が上側中継ユニット220にストックされた用紙束PBの高さを検知し、所定の高さなったことを検知した場合には、図13に示した中継上下モータ204を駆動し、上側中継ユニット220及び下側中継ユニット221を用紙束PBの高さに応じてB方向に下降させる。
【0062】
そして、上側中継ユニット220に一定枚数の用紙がストックされると、図15に示した方法で下側中継ユニット221に用紙束PBを移行させて下側中継ユニット221に用紙束PBをストックさせる。次いで、図22に示すように排紙ローラ111、従動ローラ113、及び上側中継ユニット220を次のシフト排紙方向S2に移動させる。また、下側中継ユニット221は次のシフト排紙方向S2に移動した後で上側中継ユニット220に次に排紙されている用紙が一定枚数以上ストックされる直前に図15の方法でシフトトレイ102若しくはシフトトレイ102上に積載された用紙束PBの上に用紙束PBを移行させてスタックする。その後、下側中継ユニット221はシフト排紙方向S2にシフト移動し、上側中継ユニット220からの用紙束PBの移行を待つ。
【0063】
以上の動作を繰り返し、2段にわたって用紙束PBを保持しながらスタック動作を実行する。このようにすると、スタックトレイ102上に積載されるまでの時間が長くかかること、及び、用紙束PBを上側及び下側の中継ユニット220,221で分割して保持するので、その分、冷却時間が長くなり、冷却効果も大きくなる。
【0064】
<第4例>
図23ないし図25は、シフト機構を上下2段にわたって設けた例の更に他の例の動作を示す動作説明図で、シフト排紙手段について、搬送方向(手前)から見た図である。
【0065】
この第4例は第3例に対して上側中継ユニット220は特にシフト動作を行わず、下側中継ユニット221がシフト動作を行うようにした例である。図23において上側中継ユニット220で用紙の幅方向の両側部を整合し、上側中継ユニット220上に積載された用紙束PBの高さをセンサ117で検知し、用紙束PBの積載圧が予め設定された高さになると、図13に示した中継上下モータ204によって上側中継ユニット220及び下側中継ユニット221は、矢印B方向に下降する。そして、上側中継ユニットに用紙が一定枚数ストックされると、図15に示したようにして中継部材が開放され、下方の下側中継ユニット221に用紙束PBがストックされる。
【0066】
次いで、下側中継ユニット221はシフト排紙方向S1に移動し、これと並行して上側中継ユニット220に次の用紙が順次積載される。この過程で、図25に示すように下側中継ユニット221は上側中継ユニット220に次の用紙が一定枚数以上ストックされる直前に中継部材が前述のようにして開放され、シフトトレイ102若しくはシフトトレイ102に積載された用紙束PB上に用紙をスタックする。その後、下側中継ユニット221は上側中継ユニット220の真下に移動し、上側中継ユニット220からの用紙束PBの落下を待つ。上記動作を繰り返し、シフトトレイ102上に用紙束PBを積載する。
【0067】
この第1例から第4例に示した動作により、中継ユニットを使用してもシフト動作が可能であることが分かる。その際、第3例及び第4例のように中継ユニットを2段にわたって設けた場合には、第1例及び第2例の場合に比べてシフトトレイ102上に積載されるまでの時間が長くなり、より冷却効果を見込むことができる。
【0068】
冷却効果を更に高めるには、従来技術と同様に強制的に冷却すればよい。ただし、本実施形態では、第1及び第2の中継ユニット200,208に積載されている間、あるいは、第1及び第2の中継ユニット220,221に積載されている間に冷却ファンにより冷却する。
【0069】
この例を図26に示す。図26はスタッカ100本体の内部に冷却装置として冷却ファン500を配置した例を示す図である。この例では、第1及び第2の中継ユニット200,208に用紙が排紙され、積載動作が行われている間に冷却ファン500から用紙揃えに影響がない風力で第1及び第2の中継ユニット200,208側に風を送り、冷却する。これにより、定着によって加熱された用紙に風が当たり、用紙表面の空気層が強制的に入れ替わるので、冷却効率が大きくなり、より高速の画像形成装置PRのスタッカ100として機能することが可能となる。また、用紙のサイズ、厚さに応じて風量を変化させることにより、用紙揃え精度に影響を及ぼすことなく効率よく中継ユニット200,208上の用紙を冷却することができる。
【0070】
以上のように、本実施形態によれば
1) 用紙をシフトトレイ(積載トレイ)102に積載する前に、中継の積載部である中継ユニット200,208に所定の枚数毎に一時的に集積することによって、用紙を上下方向から効率的に冷却することができる。
2) 所定の枚数毎に中継ユニット200,208に積載することにより用紙を上下方向から冷却するので、熱及び用紙の重みによる用紙同士の固着を防止することができる。
3) 中継ユニット200,208を設け、当該中継ユニット200,208に用紙を集積しながら所定枚数毎の用紙束PBを当該順次シフトトレイ102上に積載するので、連続的に排紙することが可能となり、多数枚の用紙に画像処理して積載する際に、生産効率の低下を招くことがない。
4) 用紙をシフトトレイ102に積載する前に2つの中継ユニット(第1及び第2の中継ユニット)220,221で用紙束PBを受け渡しながらシフトトレイ102に積載するので、前記1)ないし3)の効果をより確実に得ることができる。
5) 4)の場合に、上部中継ユニット220に集積された用紙束PBを下部中継ユニット221に渡すと、上部中継ユニット220は用紙の集積動作を開始することができるので、排紙、集積、積載の連続性を保持することが可能となり、生産性の低下を招くことがない。
6) 排紙される用紙のサイズ、厚さを検知し、畜熱が大きい場合(用紙が厚い場合やサイズが大きい)、用紙の厚さやサイズに応じて中継ユニット200,208に集積する用紙枚数を変化させることが可能となり、中継ユニット200,208への集積時に用紙同士が固着することを防ぐことができる。
7) 上部中継ユニット220と下部中継ユニット221の2段にわたる中継ユニットを使用し、下部中継ユニット221のみをシフト動作させて排紙することにより、上部中継ユニット220から下部中継ユニット221に用紙束PBを受け渡した後、すぐに排紙ローラ111からの用紙の受け入れが可能となる。
【0071】
8) 用紙が中継ユニット200,208、220,221に集積中に用紙のサイズ、厚さに応じて風量を変化させることにより、用紙揃え精度に影響なく用紙の冷却が可能となる。その際、前記風量の調整、すなわち冷却の調整により電力を低減することでき、省エネ効果も得ることが可能となる。
等の効果を奏する。
【0072】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる
【符号の説明】
【0073】
100 スタッカ
102 シフトトレイ
103 エレベータ
107 トレイ昇降モータ
108 台車
111 排紙ローラ
117 センサ
200 第1の中継ユニット
201 第1のステッピングモータ
201a,202a 動力伝達機構
202 第2のステッピングモータ
207a,207b 中継爪
207aF,207aR,207bF,207bR 支持部材
208 第2の中継ユニット
210F,210R 第1の中継部材
213F,213R 第2の中継部材
217 ステッピングモータ
220 上側中継ユニット
221 下側中継ユニット
500 ファン
PR 画像形成装置
S1,S2 シフト排紙方向
PB 用紙束
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開平4−345187号公報
【特許文献2】特許第4072672号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されてきた用紙を排紙する排紙手段と、
前記排紙手段から排紙された用紙を積載する積載手段と、
前記積載手段を昇降させる昇降手段と、
を備えた用紙積載装置であって、
前記排紙手段と前記積載手段との間に位置し、前記排紙手段から排紙された用紙を一定枚数まで集積し、前記積載手段に受け渡す中継手段を備えていること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項2】
請求項1記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段に集積された用紙束を所定枚数毎に用紙搬送方向と直交する方向にシフトさせるシフト手段を更に備えていること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項3】
請求項1記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段が用紙の搬送方向と直交する方向から用紙の両側の端部にそれぞれ当接し、同方向の整合を行う整合手段を備えていること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項4】
請求項2記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段が用紙の搬送方向と直交する方向から用紙の両側の端部にそれぞれ当接し、同方向の整合を行う用紙搬送方向上流側の第1の整合手段と、下流側の第2の整合手段とからなる整合手段を備え、
前記シフト手段が第1の整合手段と、当該第1の整合手段をシフト方向に移動させる移動手段とからなること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項5】
請求項4記載の用紙積載装置であって、
前記第1の整合手段は前記用紙の両側の端部に独立して移動し、当接する当接部と駆動源をそれぞれ備え、
前記第2の整合手段は前記用紙の両側の端部に連動して互いに近接離間し、当接する当接部と1つの駆動源を備えていること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段が、
前記排紙手段からの用紙を1枚ずつ集積する前段側の上部中継手段と、
前記積載手段に受け渡す前に、前記上部中継手段に集積された用紙束が受け渡され、一時的に集積する下部中継手段と、
を含むこと
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項7】
請求項6記載の用紙積載装置であって、
前記下部中継手段のみがシフト方向に移動して用紙束をシフトさせること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段に集積された用紙束の高さを検知する検知手段を備え、
当該検知手段によって検知された用紙束の高さと用紙サイズとに基づいて前記中継手段に集積される用紙の枚数を変更すること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の用紙積載装置であって、
前記中継手段に送風して当該中継手段に集積された用紙束を冷却する冷却手段を備えていること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項10】
請求項9記載の用紙積載装置であって、
前記冷却手段は用紙のサイズ及び厚さに応じて送風量を変更すること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の用紙積載装置であって、
前記昇降手段によって昇降する前記積載手段が最下位置に位置したときに載置される台車を有し、前記台車は前記用紙が積載された積載手段を載せた状態で装置外に取り出し可能であること
を特徴とする用紙積載装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の用紙積載装置と画像形成装置とを備えていること
を特徴とする画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2012−121706(P2012−121706A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274792(P2010−274792)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】