説明

画像データ管理装置、画像データ識別情報変更方法、コンピュータプログラム

【課題】ファイル名の変更を従来よりも容易にする。
【解決手段】画像形成装置1に、ユーザによって指定されたキーワードが含まれるドキュメントを再現するための画像ファイル5を画像ファイル記憶部1M1から検索する画像ファイル検索部104と、ユーザによって指定されたキーワードを、このキーワードに基づいて画像ファイル検索部104によって検索された画像ファイル5と対応付けて記憶する、検索選択実績情報記憶部1M2と、検索選択実績情報記憶部1M2に記憶されているキーワードのうちのユーザによって指定された画像ファイル5に対応するものを提示する画面表示処理部103と、画像ファイル5のファイル名を、この画像ファイル5に対応する提示されたキーワードのうちのユーザによって選択されたものを含むファイル名に変更する、画像ファイル名変更部107と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像をスキャンするなどして得た画像データの管理を行う装置および方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した画像形成装置が、オフィスおよび家庭に普及している。
【0003】
近年は、画像形成装置にハードディスクなどの大容量の記録媒体が備えられるようになり、スキャナの機能によって得られたファイルをたくさん保存できるようになった。このように、画像形成装置は、ファイルサーバとしても用いられるようになった。
【0004】
一般に、同一のディレクトリ(「フォルダ」または「ボックス」と呼ばれることもある。)に保存されているファイルのファイル名は、重複してはならない。よって、画像形成装置は、スキャナの機能によって得られたファイルにユニークなファイル名を付ける。重複を避けるために、ファイルを生成した日時(年、月、日、時、分、および秒など)を表わす数字が含まれるようにファイル名が付けられることが多い。
【0005】
しかし、このようなファイル名は、ファイルの内容との関連性がないので、ユーザにとって分かりにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−200158号公報
【特許文献2】特開2002−74321号公報
【特許文献3】特開2004−140551号公報
【特許文献4】特開2006−211261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜4には、ユーザにとって分かり易いファイル名を付ける方法が開示されている。
【0008】
特許文献1〜3に記載される方法によると、原稿の所定の領域に記録されている図形文字を読み取ってファイル名を作成する。
【0009】
特許文献4に記載される方法によると、原稿画像を読み込み、文字認識して順次記憶してゆく。文字列(語句)を抽出すると、出現頻度の高い文字列を抽出する。その後、禁則文字でないことを判断し、使用者が適切と判断し決定すれば、その文字列をファイル名として採用する。
【0010】
特許文献1〜4に記載される方法は、いずれも、原稿の画像の読取時にファイル名を決めるための方法である。
【0011】
ところで、ユーザは、ファイルの生成後にファイル名を変更したい場合がある。しかし、画像形成装置で採用されるタッチパネルなどの入力装置は、パーソナルコンピュータで採用されるキーボードなどの入力装置ほどは操作性がよくない。そこで、画像形成装置においてユーザがファイル名の変更を簡単に行えることが望まれる。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑み、ユーザがファイル名の変更を従来よりも容易にできるようにすることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一形態に係る画像データ管理装置は、ドキュメントの画像を再現するための画像データのうちのユーザによって指定されたキーワードが含まれるドキュメントを再現するためのものを画像データ記憶手段から検索する画像データ検索手段を有する画像データ管理装置であって、前記キーワードを、当該キーワードに基づいて前記画像データ検索手段によって検索された前記画像データと対応付けて記憶する、キーワード記憶手段と、前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワードのうちのユーザによって指定された前記画像データに対応するものを提示するキーワード提示手段と、前記画像データの識別情報を、当該画像データに対応する提示された前記キーワードのうちのユーザによって選択されたものを含む第二の識別情報に変更する、データ識別情報変更手段と、を有する。
【0014】
好ましくは、前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記各画像データが前記画像データ検索手段によって検索されたそれぞれの検索回数と対応付けて記憶し、前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記各キーワードを、当該画像データおよび当該キーワードに対応する前記検索回数の多い順に優先的に提示する。
【0015】
または、前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記各画像データがユーザによって選択されたそれぞれの選択回数と対応付けて記憶し、前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記各キーワードを、当該画像データおよび当該キーワードに対応する前記選択回数の多い順に優先的に提示する。
【0016】
または、前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記画像データを前記画像データ検索手段に検索させたユーザである検索者と対応付けて記憶し、前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記キーワードのうちの当該画像データを検索させたことのある前記検索者に対応するものを限定して表示する。
【0017】
または、前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記画像データを前記画像データ検索手段に検索させたユーザである検索者と対応付けて記憶し、前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記キーワードのうちの当該画像データを検索させたことのありかつユーザによって指定された属性を有する前記検索者に対応するものを限定して表示する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、ユーザは、ファイル名の変更を従来よりも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置を含むネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像形成装置の機能的構成の例を示す図である。
【図4】検索選択実績テーブルの例を示す図である。
【図5】類似ワードデータの例を示す図である。
【図6】ユーザデータの例を示す図である。
【図7】初期メニュー画面の例を示す図である。
【図8】ボックス管理画面の例を示す図である。
【図9】ファイル検索画面の例を示す図である。
【図10】検索ファイル一覧画面の例を示す図である。
【図11】検索語指定画面の例を示す図である。
【図12】類似語一覧画面の例を示す図である。
【図13】検索語指定画面の例を示す図である。
【図14】送信指令画面の例を示す図である。
【図15】ファイル名候補一覧画面の例を示す図である。
【図16】ファイル名候補一覧画面の例を示す図である。
【図17】ユーザ属性指定画面の例を示す図である。
【図18】送信指令画面の例を示す図である。
【図19】画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図20】画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は画像形成装置1を含むネットワークシステムの例を示す図、図2は画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図、図3は画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。
【0021】
図1に示す画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、スキャナ、およびボックスなどの機能を集約した装置である。
【0022】
画像形成装置1は、役所または企業などのオフィスに設置されており、複数のユーザによって共用される。以下、ある企業において画像形成装置1が使用される場合を例に説明する。その企業の社員(つまり、ユーザ)には1人ずつユニークなユーザコードが予め与えられている。
【0023】
「ボックス機能」は、ユーザごとにパーソナルボックスを与えておき、各ユーザが自分のパーソナルボックスによって画像ファイルなどのドキュメントデータを保存し管理するための機能である。つまり、いわゆるファイルサーバの機能である。「パーソナルボックス」は、ドキュメントデータなどを蓄積(保存)しておくための記憶領域であり、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。以下、パーソナルボックスを単に「ボックス」と記載する。
【0024】
さらに、画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線3を介してパーソナルコンピュータなどの装置(例えば、端末装置2)へ電子ファイル(以下、単に「ファイル」と記載する。)を送信しまたはその装置からファイルを受信することができる。
【0025】
特に、本実施形態の画像形成装置1によると、ユーザは、画像ファイルのファイル名を容易に変更して端末装置2などへ送信することができる。この仕組みについては、順次説明する。
【0026】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナ10e、印刷装置10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネル10h、およびモデム10iのほか、制御用回路などによって構成される。
【0027】
スキャナ10eは、用紙に記されている写真、文字、絵、図表などのドキュメントの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
【0028】
印刷装置10fは、スキャナ10eによって読み取られた画像または他の装置から受信した画像データに示される画像を印刷する。
【0029】
タッチパネル10hは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0030】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線3を介して端末装置2などと通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0031】
モデム10iは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0032】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、図3に示すような画像ファイル生成部101、画像ファイル名決定部102、画面表示処理部103、画像ファイル検索部104、検索語候補決定部105、ファイル名候補決定部106、画像ファイル名変更部107、画像ファイル送信部108、画像ファイル記憶部1M1、検索選択実績情報記憶部1M2、類似ワード群記憶部1M3、およびユーザ情報記憶部1M4などを実現するためのプログラムが記憶されている。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどが用いられる。これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。
【0033】
図4は検索選択実績テーブル7TLの例を示す図、図5は類似ワードデータ7SWの例を示す図、図6はユーザデータ7PRの例を示す図、図7は初期メニュー画面80の例を示す図、図8はボックス管理画面8Aの例を示す図、図9はファイル検索画面8Bの例を示す図、図10は検索ファイル一覧画面8Cの例を示す図、図11は検索語指定画面8Dの例を示す図、図12は類似語一覧画面8Eの例を示す図、図13は検索語指定画面8Dの例を示す図、図14は送信指令画面8Fの例を示す図、図15はファイル名候補一覧画面8Gの例を示す図、図16はファイル名候補一覧画面8Gの例を示す図、図17はユーザ属性指定画面8Hの例を示す図、図18は送信指令画面8Fの例を示す図である。
【0034】
次に、図4に示す画像形成装置1の各部の処理内容などについて詳細に説明する。
【0035】
画像ファイル記憶部1M1は、上述のボックス機能の役割を果たす。つまり、画像ファイル記憶部1M1には、ユーザ1人ずつのボックスが設けられており、画像ファイル5はいずれかのボックスに格納される。
【0036】
画像ファイル5は、例えば、スキャナ10eおよび画像ファイル生成部101によって次のように生成され画像ファイル記憶部1M1に記憶される。
【0037】
ユーザは、自分のユーザコードを用いて画像形成装置1にログインし、ドキュメントが記された用紙を原稿台にセットする。スキャナ10eは、原稿台にセットされた用紙をスキャンすることによって原稿の画像のローデータ(Raw Data)つまりR(Red)、G(Green)、B(Blue)の画像データを生成する。
【0038】
画像ファイル生成部101は、この画像データをPDF(Portable Document Format)またはJPEG(Joint Photographic Experts Group)などのフォーマットに変換することによって、画像ファイル5を生成する。
【0039】
また、画像ファイル生成部101は、OCR(Optical Character Reader)の機能を用いて、スキャンした画像に含まれる文字の画像が何の文字を表わすのかを認識し、それらの文字を示すテキストデータを生成することができる。そして、このテキストデータを含む、PDFの画像ファイル5を生成することができる。
【0040】
画像ファイル名決定部102は、画像ファイル生成部101によって生成された画像ファイル5のファイル名を決定する。例えば、画像ファイル5が生成された日付と当日における生成順(つまり、通し番号)とを用いて、「20090125−001.pdf」のようなファイル名に決定する。各ファイル名は、画像ファイル記憶部1M1においてユニークである。
【0041】
そして、画像ファイル生成部101によって生成された画像ファイル5は、画像ファイル生成部101によって決定されたファイル名が付されて、そのユーザのボックスに格納される。また、端末装置2などから送信されてきた画像データも、いずれかのボックスに画像ファイル5として格納される。
【0042】
このようにして、画像ファイル記憶部1M1には、画像ファイル5が蓄積される。ユーザは、画像ファイル記憶部1M1に記憶(保存)されている画像ファイル5を使用することができる。この際に、所望する画像ファイル5を、後述する画像ファイル検索部104によって検索することができる。
【0043】
検索選択実績情報記憶部1M2は、画像ファイル5ごとに、検索および選択の実績に関する検索選択実績テーブル7TLを記憶する。例えば、「20090130−001.pdf」というファイル名を有する画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLとして、図4(a)に示すような検索選択実績テーブル7TLが検索選択実績情報記憶部1M2に記憶されている。
【0044】
検索選択実績テーブル7TLは、新たな画像ファイル5が画像ファイル生成部101に記憶されるごとに生成され、その画像ファイル5のファイル名と対応付けられて検索選択実績情報記憶部1M2に記憶される。
【0045】
生成された時点では、検索選択実績テーブル7TLには何も格納されていない。その後、その画像ファイル5が検索されまたは選択されるごとに、その実績が検索選択実績テーブル7TLに記録されていく。
【0046】
検索選択実績テーブル7TLには、それに対応する画像ファイル5の検索の際にキーワードとして用いられた単語ごとのレコードが格納される。レコードには、そのキーワード(単語)の文字列(「検索キーワード」フィールド)、そのキーワードによってその画像ファイル5が検索された(ヒットした)回数(「検索回数」フィールド)、検索結果の中からその画像ファイル5が選択された回数(「選択回数」フィールド)、およびそのキーワードによってその画像ファイル5を検索させたことがあるユーザのユーザコード(「検索者ユーザコード」フィールド)が含まれる。レコードの追加および更新については、後に説明する。
【0047】
図3に戻って、類似ワード群記憶部1M3は、図5に示すように、単語ごとの類似ワードデータ7SWを記憶する。
【0048】
類似ワードデータ7SWには、それに対応する単語の文字列(「ワード」フィールド)、その単語が選択された回数(「選択回数」フィールド)、およびその単語に類似する他の単語ごとの文字列(「類似語」フィールド)が含まれる。なお、2つの単語が「類似する」とは、例えば、両単語の意味が類似しまたは同一であり、一方の単語から他方の単語をユーザが連想でき、または読みが類似しまたは同一であることなどを言う。
【0049】
各単語の類似ワードデータ7SWは、予め画像形成装置1の管理者によって用意され類似ワード群記憶部1M3に記憶される。
【0050】
図3に戻って、ユーザ情報記憶部1M4は、図6に示すように、ユーザごとのユーザデータ7PRを記憶する。
【0051】
ユーザデータ7PRには、それに対応するユーザのユーザコードのほか、そのユーザが所属している部署(「所属部署」フィールド)およびそのユーザがその企業に勤続する年数(「勤続年数」フィールド)などが含まれる。
【0052】
ユーザデータ7PRは、予め管理者または人事担当者などによって用意されユーザ情報記憶部1M4に記憶される。
【0053】
図3に戻って、画面表示処理部103は、後に順次説明する各画面をタッチパネル10hに表示させるための処理を行う。
【0054】
例えば、あるユーザが自分のユーザコードを用いて画像形成装置1にログインすると、画面表示処理部103は、図7のような初期メニュー画面80をタッチパネル10hに表示させる。ログインしたユーザ(以下、「ログインユーザ」と記載する。)は、ここで、自分が所望する処理の種類を選択する。例えば、画像ファイル記憶部1M1のボックスに格納されている画像ファイル5を端末装置2へ送信したい場合は、「ボックス」ボタンを選択する。
【0055】
すると、画面表示処理部103は、図8のようなボックス管理画面8Aを表示させる。ここで、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5を、上から2段目のテキストボックスにその画像ファイル5のファイル名をキーボードの画面で入力することによって、指定することができる。なお、図示しないが、タッチパネル10hには、ボックス管理画面8Aなど後述する画面と並んで、キーボードの画面が表示されている。ログインユーザは、キーボードの画面をタッチしてアルファベット、数字、および記号などを入力することができる。
【0056】
しかし、画像ファイル名決定部102によって決定されるファイル名には、上述の通り日付および通し番号などが用いられているが、画像がどのような内容のものであるのかは示されていない。よって、ログインユーザにとって、送信したい画像ファイル5のファイル名を特定することが難しい場合がある。
【0057】
そこで、ログインユーザは、画像ファイル検索部104などの機能を用いて、送信したい画像ファイル5を容易に特定することができる。
【0058】
ログインユーザは、ボックス管理画面8Aの中の「検索」ボタンを押す。すると、画面表示処理部103は、図9のようなファイル検索画面8Bを表示させる。ここで、ログインユーザは、「ファイル名」のテキストボックスに、送信したい画像ファイル5のファイル名の全部または一部分の文字列をキーボードの画面で入力し、「ファイル検索」ボタンを押す。
【0059】
すると、画像ファイル検索部104は、そのテキストボックスに入力された文字列を含むファイル名の画像ファイル5を画像ファイル記憶部1M1の中から検索する。そして、画面表示処理部103は、図10のような、検索された(ヒットした)画像ファイル5それぞれのファイル名の一覧を示す検索ファイル一覧画面8Cを表示させる。
【0060】
または、ログインユーザは、画像ファイル5の画像に示される文字列を用いた検索を画像ファイル検索部104に行わせることができる。この場合は、ログインユーザは、図9のファイル検索画面8Bの「検索語使用」ボタンを押す。
【0061】
すると、画面表示処理部103は、図11のような検索語指定画面8Dを表示させる。ここで、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の画像に示されていると推定される単語を上から1段目のテキストボックスにキーボードの画面で入力して指定し、「検索」ボタンを押す。
【0062】
すると、画像ファイル検索部104は、指定された単語を含む画像ファイル5を次のように検索する。
【0063】
画像ファイル検索部104は、画像ファイル記憶部1M1から任意の画像ファイル5を呼び出す。その画像ファイル5がPDFのファイルであって、文字の画像領域をテキスト化したデータ(つまり、テキストデータ)を含んでいる場合は、そのテキストデータの中に、指定された単語が含まれているか否かをチェックする。そして、含まれていれば、その画像ファイル5を検索結果に含める。指定された単語が含まれていなければ、その画像ファイル5を検索結果から除外しておく。画像ファイル記憶部1M1に記憶されている残りの画像ファイル5についても同様に処理を行う。
【0064】
または、その画像ファイル5がJPEG、GIF(Graphics Interchange Format)、またはTIFF(Tagged Image File Format)などのフォーマットのファイルである場合は、画像ファイル検索部104は、その画像ファイル5の画像の中から文字領域を検出し、検出した文字領域に対してOCRの処理を行うことによって、テキストデータを得る。そして、そのテキストデータの中に、指定された単語が含まれているか否かをチェックすることによって、その画像ファイル5を検索結果に含めるか否かを決定する。
【0065】
このようにして得られた検索結果は、ファイル名による検索の場合と同様に、図10のような検索ファイル一覧画面8Cの中に配置されて表示される。
【0066】
検索に用いられた単語つまりログインユーザが指定した単語は、検索結果に含まれている画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TL(図4参照)に登録される。
【0067】
つまり、「検索キーワード」フィールドにその単語を示すレコードがその検索選択実績テーブル7TLに未だ存在していない場合は、新たなレコードが生成され、その検索選択実績テーブル7TLに追加される。新たなレコードの「検索キーワード」フィールドにはその単語が示され、「検索回数」フィールドには「1」が示され、「選択回数」フィールドには「0」が示され、「検索者ユーザコード」フィールドにはログインユーザのユーザコードが示される。
【0068】
一方、「検索キーワード」フィールドにその単語を示すレコードがその検索選択実績テーブル7TLに既に登録されている場合は、そのレコードの「検索回数」フィールドに「1」を加算する。さらに、「検索者ユーザコード」フィールドにログインユーザのユーザコードを書き加える。既にログインユーザのユーザコードが示される場合は、書き加えなくてもよい。
【0069】
検索結果に複数の画像ファイル5が含まれる場合は、それぞれの画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLについて、上記の処理が行われる。
【0070】
ところで、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の画像に示されていると推定される単語を正確に思い出せるとは限らない。しかし、その単語に類似する別の単語を思い付くことがある。このような場合は、ログインユーザは、その推定される単語を次のようにして特定し画像形成装置1に対して指定することができる。
【0071】
ログインユーザは、図11の検索語指定画面8Dにおいて、上から1段目のテキストボックスに、思い付いた別の単語(以下、「ヒント単語」と記載する。)をキーボードの画面で入力し、「類似語検索」ボタンを押す。すると、画面表示処理部103は、図12のような類似語一覧画面8Eを表示させる。類似語一覧画面8Eには、ヒント単語に類似する単語の一覧が示される。ログインユーザは、この一覧の中から、送信したい画像ファイル5の画像に示されていると推定される単語を探すことができる。この一覧のメンバは、検索語候補決定部105によって次のように決定される。
【0072】
検索語候補決定部105は、ヒント単語が「ワード」フィールドに示される類似ワードデータ7SWを類似ワード群記憶部1M3(図5参照)の中から検索する。そして、検索された類似ワードデータ7SWの「類似語」フィールドに示される各単語を、一覧のメンバに決定する。
【0073】
さらに、検索語候補決定部105は、決定した各メンバの表示の優先順位を次のように決定する。
【0074】
メンバに決定した各単語が検索のためのキーワード(検索語)として何回用いられたのかを、検索選択実績情報記憶部1M2に記憶されている各検索選択実績テーブル7TL(図4参照)を集計することによって算出する。つまり、単語ごとに次のような集計を行う。初期値が「0」であるカウンタを用意する。ある1つの検索選択実績テーブル7TLの中から、その単語が「検索キーワード」フィールドに示されるレコードを検索する。そのようなレコードがあれば、そのレコードの「検索回数」フィールドに示される値をカウンタに加算する。残りの検索選択実績テーブル7TLについても同様にレコードの検索を行い、そのようなレコードがあれば「検索回数」フィールドに示される値をカウンタに加算する。このようにして、得られたカウンタの値が、その単語が検索語として用いられた回数である。
【0075】
例えば、ヒント単語が「サークル」である場合は、上から2番目の類似ワードデータ7SWに基づいて「円」、「クラブ」、および「輪」の3つの単語をメンバに決定する。さらに、検索語として用いられた回数を各メンバの検索選択実績テーブル7TLから求める。検索選択実績テーブル7TLが図4に示す3つしかない場合は、「サークル」は、図4(a)の1番目のレコードおよび図4(b)の検索選択実績テーブル7TLの1番目のレコードに示される。そして、前者には検索回数として「6」が示され後者には検索回数として「3」が示される。よって、「サークル」が検索語として用いられた回数は「6+3=9」である。他の単語についても同様に、検索語として用いられた回数が求められる。
【0076】
そして、検索語候補決定部105は、検索語として用いられた回数が多い単語から順に、高い優先順位を与える。
【0077】
よって、類似語一覧画面8Eの一覧のメンバは、優先順位の高い順に配置されている。なお、本例では、上から1段目、2段目、…、の順に優先順位が高い。また、同じ段においては、左、中央、右の順に優先順位が高い。
【0078】
ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の画像に示されていると推定される単語を類似語一覧画面8Eの一覧の中から見つけると、その単語が書かれたボタンを押す。そして、「選択」ボタンを押す。
【0079】
すると、画面表示処理部103は、図11の検索語指定画面8Dを再び表示させる。この際に、ログインユーザが類似語一覧画面8Eの一覧において押したボタンに対応する単語が上から1段目のテキストボックスに入力された状態にしておく。例えば、類似語一覧画面8Eにおいて「サークル」ボタンが押されると、図13のようにテキストボックスに「サークル」が入力された状態で、検索語指定画面8Dを表示する。
【0080】
そしてログインユーザが「検索」ボタンを押すと、画像ファイル検索部104は、このテキストボックスに検索語がキーボードの画面によって入力された場合と同様に、画像ファイル5の検索を行う。検索結果は、図10のように、検索ファイル一覧画面8Cの中に配置されて表示される。
【0081】
なお、ログインユーザは、画像ファイル5のフォーマットを検索の絞込の条件として指定することができる。この場合は、ログインユーザは、検索語指定画面8Dの上から2段目のテキストボックスに、条件として追加したいフォーマットを指定する。画像ファイル検索部104は、指定されたフォーマットの画像ファイル5のみを対象に検索を行う。
【0082】
以上説明したように、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の候補を様々な方法で検索することができる。
【0083】
検索ファイル一覧画面8Cにおいてログインユーザがいずれかの画像ファイル5のファイル名のボタンを押して「プレビュー」ボタンを押すと、画面表示処理部103は、そのファイル名の画像ファイル5を画像ファイル記憶部1M1から呼び出し、その画像ファイル5に基づいて画像を再生し表示させる。または、画面表示処理部103は、一覧に示される各画像ファイル5の画像のサムネイル画像を、それぞれに対応するボタンの横に配置してもよい。ログインユーザは、これらの画像を見て、送信したい画像ファイル5であるか否かを確認することができる。
【0084】
そして、ログインユーザは、検索ファイル一覧画面8Cの一覧の中から、送信したい画像ファイル5に対応するボタンを押し、「選択」ボタンを押す。
【0085】
すると、画面表示処理部103は、図14のような送信指令画面8Fを表示させる。この際に、検索ファイル一覧画面8Cの一覧の中からログインユーザが選んで押したボタンに対応する画像ファイル5のファイル名が左側のテキストボックス(選択ファイル名のテキストボックス)に入力された状態で、送信指令画面8Fを表示させる。また、その画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TL(図4参照)の中の、今回その画像ファイル5を検索するために用いられた単語(キーワード)のレコードの「選択回数」フィールドに「1」を加算する。
【0086】
または、ログインユーザが図8のボックス管理画面8Aにおいて上から2段目のテキストボックスにキーボードの画面でファイル名を入力して指定し「文書送信」ボタンを押した場合は、画面表示処理部103は、そのテキストボックスに指定されたファイル名が、選択ファイル名のテキストボックスに入力された状態で、送信指令画面8Fを表示させる。
【0087】
ログインユーザは、送信したい画像ファイル5のファイル名が左側のテキストボックスに示されることを確認し、その画像ファイル5の送信先のアドレスを右側のテキストボックスに入力する。
【0088】
そして、ログインユーザが送信指令画面8Fの「YES」ボタンを押すと、画像ファイル送信部108は、左側のテキストボックスに示されるファイル名の画像ファイル5を画像ファイル記憶部1M1から呼び出し、右側のテキストボックスに示されるアドレスに宛てて送信する。アドレスとしてIPアドレスが示される場合は、FTP(File Transfer Protocol)によって画像ファイル5を送信する。電子メールアドレスが示される場合は、画像ファイル5を電子メールに添付して送信する。
【0089】
ところで、「20090125−001.pdf」のようなファイル名のまま画像ファイル5を送信すると、その画像ファイル5が何の画像のものなのか受信者にとって分かりにくい。そこで、ログインユーザは、ファイル名を変更して画像ファイル5を送信することができる。この場合は、ログインユーザは、図14の送信指令画面8Fにおいて「YES」ボタンを押す前に「ファイル名変更」ボタンを押す。
【0090】
すると、画面表示処理部103は、図15のようなファイル名候補一覧画面8Gを表示させる。ファイル名候補一覧画面8Gには、送信の対象の画像ファイル5(つまり、図14の送信指令画面8Fの左側のテキストボックスに示されている画像ファイル5)が過去に検索結果として得られた際の検索処理にキーワードとして用いられた用いられた単語の一覧が配置されている。ログインユーザは、一覧のメンバのいずれかを新たなファイル名として指定することができる。つまり、一覧のメンバは、新たなファイル名の候補である。この一覧のメンバは、ファイル名候補決定部106によって次のように決定される。
【0091】
ファイル名候補決定部106は、送信の対象の画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLを検索選択実績情報記憶部1M2(図4参照)を呼び出す。そして、その検索選択実績テーブル7TLの各レコードの「検索キーワード」フィールドに示される各単語を、一覧のメンバに決定する。
【0092】
なお、各メンバは、それぞれに対応するレコードの「検索回数」フィールドに示される値の大きい順に、優先的に表示される。前に図12で説明した類似の単語の表示順と同様に、画面表示処理部103は、優先順位の高い(つまり、検索に用いられた回数の多い)メンバほど上の段にかつ左の方に、対応するボタンを配置する。
【0093】
ログインユーザは、さらにメンバ(候補)を次のように絞り込むことができる。ログインユーザは、ファイル名候補一覧画面8Gの「選択実績絞込」ボタンを押す。
【0094】
すると、ファイル名候補決定部106は、直前に抽出した(つまり、送信の対象の画像ファイル5の)検索選択実績テーブル7TLの中から、「選択回数」フィールドに1以上の値を示すレコードを選出する。そして、図16のように、選出した各レコードに示される各単語にメンバを限定し、ファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す。
【0095】
または、ログインユーザは、次のようにメンバ(候補)を絞り込むこともできる。ログインユーザは、図15のファイル名候補一覧画面8Gの「検索者絞込」ボタンを押す。
【0096】
すると、画面表示処理部103は、図17のようなユーザ属性指定画面8Hを表示させる。ここで、ログインユーザは、送信の対象の画像ファイル5を検索させたことがある他のユーザのユーザコードまたは属性を指定する。ユーザコードを指定したい場合は、左側のテキストボックスにそれを入力する。または、所属する部署を属性として指定したい場合は、中央のテキストボックスにそれを入力する。または、勤続年数を属性として指定したい場合は、右側のテキストボックスにそれを入力する。そして、「絞込」ボタンを押す。
【0097】
ファイル名候補決定部106は、ユーザコードが指定された場合は、送信の対象の画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLの中から、「検索者ユーザコード」フィールドにそのユーザコードが示されるレコードを選出する。そして、選出した各レコードに示される各単語にメンバを限定し、図16のような状態のファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す。
【0098】
または、所属する部署が指定された場合は、ファイル名候補決定部106は、ユーザ情報記憶部1M4(図6参照)からその部署が「所属」フィールドに示されるユーザデータ7PRを選出する。送信の対象の画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLの中から、選出した各ユーザデータ7PRに示されるユーザコードが「検索者ユーザコード」フィールドに示されるレコードを選出する。そして、選出した各レコードに示される各単語にメンバを限定し、ファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す。
【0099】
同様に、勤続年数が指定された場合は、ファイル名候補決定部106は、ユーザ情報記憶部1M4からその勤続年数が「勤続年数」フィールドに示されるユーザデータ7PRを選出する。送信の対象の画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLの中から、選出した各ユーザデータ7PRに示されるユーザコードが「検索者ユーザコード」フィールドに示されるレコードを選出する。そして、選出した各レコードに示される各単語にメンバを限定し、ファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す。
【0100】
ログインユーザは、絞込が行われる前の一覧(図15参照)または絞込が行われた後の一覧(図16参照)の中から、新たなファイル名として用いたい単語に対応するボタンを押し、「選択」ボタンを押す。
【0101】
すると、画面表示処理部103は、ログインユーザが選んだ単語が用いられた新たなファイル名を図18のように示した状態で、送信指令画面8Fを表示し直す。そして、ログインユーザが「YES」ボタンを押すと、送信の対象の画像ファイル5が画像ファイル記憶部1M1から呼び出され、呼び出された画像ファイル5のファイル名が画像ファイル名変更部107によって新たなファイル名に変更され、画像ファイル送信部108によって画像ファイル5が送信される。
【0102】
図19および図20は画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0103】
次に、画像ファイル5を他の装置へ送信する際の画像形成装置1の全体的な処理の流れを、図19および図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0104】
ユーザは、自分のユーザコードを使って画像形成装置1にログインし、所定の操作を行う。
【0105】
すると、画像形成装置1は、ユーザ(ログインユーザ)の操作に応じて初期メニュー画面80(図7参照)およびボックス管理画面8A(図8参照)の順に画面を表示する(図19の#10)。ログインユーザは、送信したい画像ファイル5のファイル名を知っている場合は、ボックス管理画面8Aにおいてそのファイル名をキーボードの画面で直接指定してもよいが、送信したい画像ファイル5と思われる候補を画像形成装置1に検索させ、その中からいずれかを選択することによって指定することができる。後者の場合は、ログインユーザは、「検索」ボタンを押す。
【0106】
すると、画像形成装置1は、ファイル検索画面8B(図9参照)を表示する(#11)。ログインユーザは、ファイル名による検索および画像に示される文字列による検索のどちらかを選ぶことができる。
【0107】
前者の場合は、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5のファイル名に含まれていると思われる文字列をテキストボックスに入力し、「ファイル検索」ボタンを押す。すると(#12でNo)、画像形成装置1は、入力された文字列と各ボックスに格納されている各画像ファイル5のファイル名とを照合し、入力された文字列を含むファイル名を有する画像ファイル5を検索する(#13)。
【0108】
後者の場合は、ログインユーザは、「検索語使用」ボタンを押す。すると(#12でYes)、画像形成装置1は、検索語指定画面8D(図11参照)を表示する(#14)。ここで、ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の画像に示される文字列に含まれていると思われる単語を指定する。指定の方法は、次の2通りである。
【0109】
1つ目は、単語をキーボードの画面で入力して指定する方法である。2つ目は、一覧の中から選択して指定する方法である。その単語を思い出せないが、類似する単語(ヒント単語)を思い付くことができる場合は、ログインユーザは、2つ目の方法を用いればよい。この場合は、ヒント単語をテキストボックスに入力し、「類似語参照」ボタンを押す。すると(#15でYes)、画像形成装置1は、ヒント単語に類似する単語を類似ワード群記憶部1M3(図5参照)に基づいて検索し(#16)、検索できた単語の一覧を配置した類似語一覧画面8E(図12参照)を表示する(#17)。なお、検索できた単語は、ヒント単語の検索選択実績テーブル7TL(図4参照)に基づいて、過去に選択のために用いられた回数の多い順に優先的に配置しておく。
【0110】
ログインユーザは、一覧の中から、送信したい画像ファイル5の画像に示される文字列に含まれていると思われる単語を見つけ、その単語に対応するボタンを押す。そして、「選択」ボタンを押す。
【0111】
すると、画像形成装置1は、その単語が図13のようにテキストボックスに入力された状態で、検索語指定画面8Dを表示し直す(#18、#14)。
【0112】
ログインユーザは、送信したい画像ファイル5の画像に示される文字列に含まれていると思われる単語を上述の2つの方法のうちのいずれかの方法によって指定したら、検索語指定画面8Dの「検索」ボタンを押す。
【0113】
すると、画像形成装置1は、OCR機能を適宜用いて画像ファイル5の画像に表されている文字列と指定された単語とを照合するなどして、画像ファイル5を検索する(#19)。検索できた(ヒットした)画像ファイル5それぞれの検索選択実績テーブル7TLの中の、指定された単語のレコードの「検索回数」フィールドに「1」を加算する(#20)。そして、検索結果を示す検索ファイル一覧画面8C(図10参照)を表示する(#21)。
【0114】
ログインユーザは、検索ファイル一覧画面8Cの中から、送信したい画像ファイル5を見つける。ファイル名だけでは特定することができない場合は、送信したい画像ファイル5と思われるもののファイル名のボタンを押し、「プレビュー」ボタンを押す。すると(#22でNo)、画像形成装置1は、そのファイル名の画像ファイル5を呼び出して画像(ドキュメント)を再生し表示する(#23)。
【0115】
ログインユーザが送信したい画像ファイル5のファイル名のボタンを押し「選択」ボタンを押すと(#22でYes)、画像形成装置1は、送信指令画面8F(図14参照)を表示する(#25)。ここで、ログインユーザは、送信先のアドレスを指定し、「YES」ボタンを押す。
【0116】
すると(図20の#26でYes)、画像形成装置1は、その画像ファイル5を、指定されたアドレスへ宛てて送信する(#27)。
【0117】
ログインユーザは、画像ファイル5を、そのファイル名を変更して送信させることもできる。この場合は、送信指令画面8Fにおいて、「YES」ボタンを押す前に「ファイル名変更」ボタンを押す。
【0118】
すると(#26でNo、#28でNo)、画像形成装置1は、ファイル名候補一覧画面8G(図15参照)を表示する(#30)。ファイル名候補一覧画面8Gには、送信の対象の画像ファイル5が過去に検索結果として得られた際の検索処理に用いられた単語(検索語)の一覧を配置しておく。一覧のメンバ(単語)は、その画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLに基づいて、検索結果として得られた回数の多い順に優先的に配置しておく。ログインユーザは、ファイル名として使用したい単語を一覧の中から選び、「選択」ボタンを押す。
【0119】
すると(#31でYes)、画像形成装置1は、送信の対象の画像ファイル5を呼び出し、そのファイル名を、ログインユーザが選んだ単語が含まれるように変更するとともに(#36)、変更後のファイル名が図18のように反映された状態で送信指令画面8Fを表示し直す(#25)。そして、「YES」ボタンが押されると(#26でYes)、画像形成装置1は、その画像ファイル5を、変更後のファイル名を付して、指定されたアドレスへ宛てて送信する(#27)。
【0120】
また、ログインユーザは、ファイル名候補一覧画面8Gに示されるメンバ(ファイル名の候補)を、絞り込むことができる。絞り込む方法は2通りある。
【0121】
1つ目の方法を用いる場合は、ログインユーザは、「検索者絞込」ボタンを押す。すると(#32でYes)、画像形成装置1は、ユーザ属性指定画面8H(図17参照)を表示する(#33)。ここで、ログインユーザは、絞込の条件を指定し、「絞込」ボタンを押す。画像形成装置1は、その条件に合う単語を検索選択実績テーブル7TLまたはユーザデータ7PR(図6参照)に基づいて検索し(#34)、検索された単語が配置されるようにファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す(#30)。
【0122】
2つ目の方法を用いる場合は、ログインユーザは、「選択実績絞込」ボタンを押す。すると、(#33でNo)、画像形成装置1は、送信の対象の画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLに基づいて「選択回数」フィールドの値が1以上である単語を検索し(#35)、検索された単語が配置されるようにファイル名候補一覧画面8Gを表示し直す(#30)。
【0123】
絞り込まれた候補の中からログインユーザがファイル名として用いたい単語を選ぶと、画像形成装置1は、送信の対象の画像ファイル5を呼び出し、そのファイル名を、ログインユーザが選んだ単語が含まれるように変更するとともに(#36)、変更後のファイル名が反映された状態で送信指令画面8Fを表示し直す(#25)。そして、「YES」ボタンが押されると(#26でYes)、画像形成装置1は、その画像ファイル5を、変更後のファイル名を付して、指定されたアドレスへ宛てて送信する(#27)。
【0124】
本実施形態によると、ユーザは、画像ファイル5のファイル名の変更を従来よりも容易に行うことができる。
【0125】
本実施形態では、画像ファイル記憶部1M1から呼び出して他の装置へ送信する画像ファイル5を変更する場合を例に説明したが、画像ファイル記憶部1M1に記憶されている画像ファイル5を変更する場合にも、本発明を適用することができる。
【0126】
本実施形態では、画像ファイル5のファイル名の変更に用いる単語の候補を絞り込む際に、指定されたユーザが検索を行わせたことのある画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLに示される単語に絞り込んだが、指定されたユーザが選択したことのある画像ファイル5の検索選択実績テーブル7TLに示される単語に絞り込んでもよい。この場合は、各ユーザがどの画像ファイル5を選択したのかを記録しておけばよい。
【0127】
本実施形態では、ユーザは、タッチパネル10hによって検索のための操作を行ったが、端末装置2などによって遠隔的に検索のための操作を行う場合にも、本発明を適用することができる。
【0128】
検索選択実績情報記憶部1M2および類似ワード群記憶部1M3において、単語だけでなく熟語またはフレーズなどの単位の文字列を記憶してもよい。
【0129】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データベースの構成、画像ファイル5のフォーマットなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0130】
なお、本実施形態には、下記の(A)の発明が用いられている。
(A) 画像データ記憶手段からドキュメントの画像を再現するための画像データを検索する画像データ検索装置であって、
互いに類似する複数の語句同士を対応付けて記憶する類似語句記憶手段と、
前記類似語句記憶手段に記憶されている前記語句の中から、指定された語句である指定語句に類似する語句である類似語句を検索する、指定語句検索手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶されている前記画像データの中から、前記類似語句がドキュメントの中に示されるものを検索する、画像データ検索手段と、
を有することを特徴とする画像データ検索装置。
【符号の説明】
【0131】
1 画像形成装置(画像データ管理装置)
104 画像ファイル検索部(画像データ検索手段)
103 画面表示処理部(キーワード提示手段)
106 ファイル名候補決定部(キーワード提示手段)
107 画像ファイル名変更部(データ識別情報変更手段)
1M1 画像ファイル記憶部(画像データ記憶手段
1M2 検索選択実績情報記憶部(キーワード記憶手段)
5 画像ファイル(画像データ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントの画像を再現するための画像データのうちのユーザによって指定されたキーワードが含まれるドキュメントを再現するためのものを画像データ記憶手段から検索する画像データ検索手段を有する画像データ管理装置であって、
前記キーワードを、当該キーワードに基づいて前記画像データ検索手段によって検索された前記画像データと対応付けて記憶する、キーワード記憶手段と、
前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワードのうちのユーザによって指定された前記画像データに対応するものを提示するキーワード提示手段と、
前記画像データの識別情報を、当該画像データに対応する提示された前記キーワードのうちのユーザによって選択されたものを含む第二の識別情報に変更する、データ識別情報変更手段と、
を有することを特徴とする画像データ管理装置。
【請求項2】
前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記各画像データが前記画像データ検索手段によって検索されたそれぞれの検索回数と対応付けて記憶し、
前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記各キーワードを、当該画像データおよび当該キーワードに対応する前記検索回数の多い順に優先的に提示する、
請求項1記載の画像データ管理装置。
【請求項3】
前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記各画像データがユーザによって選択されたそれぞれの選択回数と対応付けて記憶し、
前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記各キーワードを、当該画像データおよび当該キーワードに対応する前記選択回数の多い順に優先的に提示する、
請求項1記載の画像データ管理装置。
【請求項4】
前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記画像データを前記画像データ検索手段に検索させたユーザである検索者と対応付けて記憶し、
前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記キーワードのうちの当該画像データを検索させたことのある前記検索者に対応するものを限定して表示する、
請求項1記載の画像データ管理装置。
【請求項5】
前記キーワード記憶手段は、前記キーワードを、さらに、当該キーワードに対応する前記画像データを前記画像データ検索手段に検索させたユーザである検索者と対応付けて記憶し、
前記キーワード提示手段は、前記画像データに対応する前記キーワードのうちの当該画像データを検索させたことのありかつユーザによって指定された属性を有する前記検索者に対応するものを限定して表示する、
請求項1記載の画像データ管理装置。
【請求項6】
ドキュメントの画像を再現するための画像データのうちのユーザによって指定されたキーワードが含まれるドキュメントを再現するためのものを画像データ記憶手段から検索する画像データ検索手段を有する画像データ管理装置における画像データ識別情報変更方法であって、
前記キーワードを、当該キーワードに基づいて前記画像データ検索手段によって検索された前記画像データと対応付けてキーワード記憶手段に記憶し、
前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワードのうちのユーザによって指定された前記画像データに対応するものを提示し、
前記画像データの識別情報を、当該画像データに対応する提示された前記キーワードのうちのユーザによって選択されたものを含む第二の識別情報に変更する、
ことを特徴とする画像データ識別情報変更方法。
【請求項7】
ドキュメントの画像を再現するための画像データのうちのユーザによって指定されたキーワードが含まれるドキュメントを再現するためのものを画像データ記憶手段から検索する画像データ検索手段を有する画像データ管理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記画像データ管理装置に、
前記キーワードを、当該キーワードに基づいて前記画像データ検索手段によって検索された前記画像データと対応付けてキーワード記憶手段に記憶させる処理と、
前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワードのうちのユーザによって指定された前記画像データに対応するものを提示する処理と、
前記画像データの識別情報を、当該画像データに対応する提示された前記キーワードのうちのユーザによって選択されたものを含む第二の識別情報に変更する処理と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−219759(P2010−219759A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63023(P2009−63023)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】