画像入出力装置およびその受光レベル補正方法、ならびに画像入力方法
【課題】画像表示に用いる光源の面内の発光強度および受光要素毎の受光感度を補正する画像入出力装置およびこれの面内補正方法を提供する。
【解決手段】画像入出力装置1は、表示要素11aおよび複数の受光要素11bを有する入出力パネル11と、入出力パネル11から入力した受光信号を処理する受光信号処理部13とを備えている。表示要素11aは、光源を用いて画像を表示するものであり、受光要素11bは、外部近接物体によって反射された画像の反射光を受光して、受光信号を出力するものである。受光信号処理部13は、入出力パネル11の各受光要素11bから受光信号を入力して、光源の面内の輝度および受光要素11b毎の受光感度の不均一を面内補正する面内補正テーブルと受光信号とを演算し、各受光要素11bから入力した受光信号を面内補正している。
【解決手段】画像入出力装置1は、表示要素11aおよび複数の受光要素11bを有する入出力パネル11と、入出力パネル11から入力した受光信号を処理する受光信号処理部13とを備えている。表示要素11aは、光源を用いて画像を表示するものであり、受光要素11bは、外部近接物体によって反射された画像の反射光を受光して、受光信号を出力するものである。受光信号処理部13は、入出力パネル11の各受光要素11bから受光信号を入力して、光源の面内の輝度および受光要素11b毎の受光感度の不均一を面内補正する面内補正テーブルと受光信号とを演算し、各受光要素11bから入力した受光信号を面内補正している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示機能と撮像機能とを備えた画像入出力装置およびこれを用いた画像入力方法、ならびにそのような画像入出力装置における受光レベル補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置には、タッチパネルを備えたものがある。このタッチパネルには、電気抵抗の変化を利用した抵抗型や、静電容量の変化を利用した静電容量型のほか、光学的に指等を検知する光学型タッチパネルがある。この光学型タッチパネルでは、例えば、バックライトからの光を液晶素子で変調して画像を表示面に表示すると共に、表示面から出射されて指等の近接物体によって反射された光を、表示面に配列された受光素子によって受光し、近接物体の位置等を検出するものである。このような画像表示装置について記載したものには、特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載された表示装置は、画像を表示する表示手段と、物体を撮像する撮像手段とを有する表示部を備えたものである。
【特許文献1】特開2004−127272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した画像示装置では、バックライトからの出射光が外部の近接物体で反射されて戻ってきた光を検出するようになっているが、バックライトの輝度は表示面内で均一でないことが多い(例えば、表示面の周辺部に比べて中央部の輝度が強くなる)ので、近接物体によって反射される反射光の強度が中央部と周辺部とで異なる。また、反射光を受光する受光素子は表示面に沿って配列されているが、受光素子毎に受光感度が異なることが一般的である。このため、受光素子から得られる撮像信号は、バックライトが出射する光の表示面内分布と、受光素子間の受光感度の違いとにより強い影響を受けることになる。
【0004】
このような状況下において、近接物体の位置を判断するために撮像信号を2値化処理した場合には、バックライトの輝度の不均一性と撮像素子毎の受光感度ばらつきとに起因する撮像信号の誤差により、適切でない2値化処理がされる。その結果、近接物体を正確に検出できず、位置検出エラーが生じるおそれがある。すなわち、従来の光学式タッチパネルを備えた画像表示装置では、高い精度で指等を検出することが困難であった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い精度で指等の近接物体の検出が可能な画像入出力装置およびこれを用いた画像入力方法、ならびにそのような画像入出力装置における受光レベル補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像入出力装置は、表示面に沿って配列され、画像信号に基づいて画像を表示する複数の表示要素と、表示面に沿って配列され、表示面から出射されて外部で反射された光を受光する複数の受光要素とを有する入出力パネルと、表示面から出射される光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた補正係数を表示面上の位置に対応付けて作成された面内補正テーブルを用いて、各受光要素からの受光信号を補正する補正手段と、補正手段により補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る画像処理部とを備えたものである。
【0007】
画像入出力装置では、入出力パネルは、複数の表示要素による画像表示と、複数の受光要素による外部近接物体検出とを行うことが可能な、いわゆるタッチパネル付き表示面を構成する。ここで、外部近接物体は、例えば指等であり、表示面からの出射光を反射する。この反射光は、受光要素によって受光されて受光信号に変換される。この受光信号は、補正手段により、面内補正テーブルを用いて補正される。この面内補正テーブルは、表示面からの出射光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた表示面内分布をもつ補正係数を表示面上の位置に対応付けて構成されたものなので、受光信号に対して表示面内での上記強度分布および受光感度分布に応じた補正が行われる。
【0008】
特に、補正係数の表示面内分布が表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布となるようにすると共に、各受光要素からの受光信号に対して、対応する補正係数を乗ずる補正を行うようにした場合には、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることも可能になる。
【0009】
本発明の画像入力方法は、表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を、表示面に沿って配列された複数の受光要素により受光し、表示面から出射される光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、得られた補正係数を用いて各受光要素からの受光信号を補正し、補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得るようにしたものである。
【0010】
本発明の画像入力方法では、出射光の表示面内強度分布と受光要素の面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を用いて、各受光要素からの受光信号に対する補正が行われる。その結果、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響が受光信号から取り除かれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像入出力装置によれば、入出力パネルの表示面からの出射光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた補正係数を表示面上の位置に対応付けておき、この補正係数を用いて各受光要素からの受光信号を補正し、補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて外部近接物体の位置等の情報を得るようにしたので、補正係数を適宜に設定することにより、表示面内での上記強度分布および受光感度分布に応じた適切な補正を受光信号に行うことが可能になる。特に、補正係数の表示面内分布が表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布となるようにすると共に、各受光要素からの受光信号に対して、対応する補正係数を乗ずる補正を行うようにした場合には、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることができ、高い精度で指等の近接物体を検出することが可能になる。
【0012】
本発明の画像入力方法によれば、出射光の表示面内強度分布と受光要素の面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を用いて、各受光要素からの受光信号に対する補正が行われる。その結果、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることができ、高い精度で指等の近接物体を検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態に係る画像入出力装置1の概略構成を表すものである。図2は、第1の実施の形態に係る画像入出力装置1の構成を表すものである。図3は、入出力パネルの一部を拡大した断面を表すものである。本実施の形態に係る画像入出力装置1は、図1に示すように、ディスプレイ10と、このディスプレイ10を利用する電子機器本体20とを備えたものである。ディスプレイ10は、入出力パネル11、表示信号処理部12、受光信号処理部13および画像処理部14を有し、電子機器本体20は、制御部21を有する。
【0015】
入出力パネル11は、図2に示すように、複数の画素16がマトリクス状に配列された液晶ディスプレイパネルで構成されたものであり、表示要素11aおよび受光要素11bを備えている。表示要素11aは、光源となるバックライトから出射された光を利用して、図形や文字等の画像を表示面に表示する液晶素子である。受光要素11bは、光を受光して電気信号として出力する、例えばフォトダイオード等の受光素子である。受光要素11bは、バックライトの出射光が入出力パネル11の外部の指等の外部近接物体によって反射されて戻ってきた反射光を受光して、受光信号を出力するものである。受光要素11bは、本実施の形態の場合、画素16毎に配置されて、面内に複数配列されている。
【0016】
入出力パネル11は、図2および図3に示したように、1対の透明基板30,31の間に、隔壁32によって互いに分離された構造の複数の発光受光セルCWRをマトリクス状に配列して構成されている。各発光受光セルCWRは、発光セルCW(CW1,CW2,CW3,…)と、これらの発光セルCWに内包された複数の受光セルCR(CR1,CR2,CR3,…)とを備えている。発光セルCWは、表示要素11aとしての液晶セルからなり、受光セルCRは、受光要素11bとしての受光素子PDを含む。なお、受光セルCRにおいては、バックライトから出射された光LBが入射しないように、バックライト側の透明基板30と受光素子PDとの間に遮蔽層33が配置され、各受光素子PDはバックライト光LBの影響を受けず、バックライトと反対側の透明基板31の方向から入射された光のみを検出するようになっている。
【0017】
図1に示す表示信号処理部12は、入出力パネル11の前段に接続され、入出力パネル11が表示データに基づいて画像を表示するように、入出力パネル11の駆動を行う回路である。
【0018】
表示信号処理部12は、図2に示すように、表示信号保持制御部40、発光側スキャナ41、表示信号ドライバ42および受光側スキャナ43を備えている。表示信号保持制御部40は、表示信号生成部44から出力される表示信号を1画面毎(1フィールドの表示ごと)に、例えばSRAM(Static Random Access Memory)等で構成されるフィールドメモリに格納して保持すると共に、各発光セルCWを駆動する発光側スキャナ41および表示信号ドライバ42、および各受光セルCRを駆動する受光側スキャナ43を連動して動作するように制御する機能を有する。具体的には、発光側スキャナ41には発光タイミング制御信号を、受光側スキャナ43には受光タイミング制御信号を、表示信号ドライバ42には制御信号およびフィールドメモリに保持されている表示信号に基づいて、1水平ライン分の表示信号を出力する。これらの制御信号および表示信号により、線順次動作が行われるようになっている。
【0019】
発光側スキャナ41は、表示信号保持制御部40から出力される発光タイミング制御信号に応じて駆動対象の発光セルCWを選択する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続された発光用ゲート線を介して発光用選択信号を供給し、発光素子選択スイッチを制御する。つまり、発光用選択信号によりある画素16の発光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素16では表示信号ドライバ42から供給された電圧に対応した輝度の発光動作がなされるようになっている。
【0020】
表示信号ドライバ42は、表示信号保持制御部40から出力される1水平ライン分の表示信号に応じて駆動対象の発光セルCWに表示データを供給する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続されたデータ供給線を介して前述の発光側スキャナ41により選択された画素16に表示データに対応する電圧を供給する。この発光側スキャナ41および表示信号ドライバ42が連動して線順次動作することにより、任意の表示データに対応する画像が入出力パネル11に表示される。
【0021】
受光側スキャナ43は、表示信号保持制御部40から出力される受光タイミング制御信号に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続された受光用ゲート線を介して受光用選択信号を供給し、受光素子選択スイッチを制御する。つまり、前述の発光側スキャナ41の動作と同様に、受光用選択信号によりある画素16の受光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素16から検出された受光信号が受光信号レシーバ45に出力されるようになっている。これにより、例えばある発光セルCWからの出射光に基づいて接触あるいは近接する物体において反射した光を、受光セルCRが受光し、検出することが可能となる。また、この受光側スキャナ43からは、受光信号レシーバ45および受光信号保持部46へ受光ブロック制御信号が出力され、これら受光動作に寄与するブロックを制御する機能も有する。なお、本実施の形態の画像表示装置においては、前述の発光用ゲート線および受光用ゲート線は各発光受光セルCWRに対して別個に接続され、発光側スキャナ41および受光側スキャナ43はそれぞれ、独立して動作することが可能となっている。
【0022】
図1に示す受光信号処理部13(補正手段)は、入出力パネル11の後段に接続され、受光要素11bからの受光信号を取り込んで増幅等を行うと共に、バックライトの面内の発光強度(表示面からの出射光の表示面内強度分布)および受光要素11b毎の受光感度(複数の受光要素の面内受光感度分布)に対して補償を行うための面内補正テーブル13aを用いて、受光信号を補正する回路である。すなわち、受光信号処理部13は、バックライトの表示面内における輝度分布および受光要素11b毎の受光感度のばらつきの影響が除去された撮像画像を生成するものである。面内補正テーブル13aは、受光信号処理部13に設けられたメモリ(図示せず)に格納されている。但し、他のブロック内に面内補正テーブル13aを格納するようにしてもよい。
【0023】
受光信号処理部13は、図2に示すように、受光信号レシーバ45および受光信号保持部46を備えている。受光信号レシーバ45は、受光側スキャナ43から出力される受光ブロック制御信号に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。この受光信号レシーバ45において取得された1水平ライン分の受光信号は、受光信号保持部46へ出力される。
【0024】
受光信号保持部46は、受光側スキャナ43から出力される受光ブロック制御信号に応じて、受光信号レシーバ45から出力される受光信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)の受光信号に再構成し、例えば、SRAMなどから構成されるフィールドメモリに格納して保持する機能を有する。受光信号保持部46において格納された受光信号のデータは、画像処理部14(図1)内の位置検出部47へ出力される。なお、この受光信号保持部46はメモリ以外の記憶素子から構成されていてもよく、例えば受光信号をアナログデータ(電荷)として容量素子に保持しておくことも可能である。
【0025】
画像処理部14(図1)は、受光信号処理部13の後段に接続され、受光信号処理部13から補正後の撮像画像を取り込んで、2値化やノイズ除去、ラベリング等の処理を行い、外部近接物体の点情報、すなわち外部近接物体の重心や中心座標および外部近接物体の領域(サイズや形状)を示す情報を得る回路である。より具体的には、画像処理部14の位置検出部47(図2)が、受光信号保持部46から出力される受光信号のデータに基づいて信号処理を行い、受光セルCRにおいて検出された物体が存在する位置等を特定する。これにより、接触あるいは近接する指等の位置を特定することが可能となる。その際、位置検出部47は、補正された撮像画像を用いるようにしていることから、外部近接物体の位置等を検出する際の判定エラーが少なくなる。
【0026】
電子機器本体20(図1)は、ディスプレイ10の表示信号処理部12に対して表示データを出力すると共に、画像処理部14から点情報を入力するようになっている。制御部21は、点情報を用いて表示画像を変化させるものである。
【0027】
制御部21(図1)は、図2に示すように、表示信号生成部44を備えている。表示信号生成部44は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などにより生成され、供給された画像データに基づいて、例えば、1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に表示するための表示信号を生成し、それを表示信号保持制御部40に出力するようになっている。
【0028】
次に、面内補正テーブル13aの作成方法について説明する。図4は、面内補正テーブル13aを作成する処理の流れを表すものである。ここでは、図5に示したように、複数(ここでは4つ)の発光受光セルCWRに含まれている複数(4つ)の受光要素11bからなるグループ15を1つの補正単位として補正を行う場合について説明する。
【0029】
まず、反射率が面内で一様になっている基準反射板(図示せず)を入出力パネル11の全面が覆われるように対向させて配置する(S10)。この状態で、表示信号生成部 (図2)からの表示信号によって、表示要素11aとしての発光セルCW(液晶セル)をすべて白表示状態(すなわち、最高階調状態)にすることにより、バックライトからの出射光のほぼすべてが表示面から出射されるようにする。この表示面からの出射光を基準反射板により反射させ、その反射光を各受光要素11bにより受光する。但し、この場合、発光セルCWのうち、R,G,Bの各色発光セルをすべて最高階調にして文字通りの白表示(狭義の白表示)を行うようにしてもよいし、あるいは特定の1色(例えばR色)の発光セルのみを最高階調(広義の白表示)にし、他の2色(例えばR色)の発光セルについては最低階調(広義の黒表示)にするようにしてもよい。なお、液晶セルは通常、その液晶の状態(開閉状態)によらず赤外光を透過するので、各受光素子の上に赤外光選択透過フィルタを設けておけば、液晶セルを黒表示状態にしておいても、バックライトに含まれる赤外光を利用して上記のような反射および受光を行うこともできる。
【0030】
次に、各受光要素11bから出力される受光信号を読み出す(S12)。本実施の形態で用いられる受光要素11bは、個々の画素16毎に配置されているので、面内補正テーブル13aを格納するメモリの容量を減らすために、上記のように、隣接して配置された複数の受光要素11bにより1つのグループを構成して、グループ毎に補正係数を求める。一例としては、図5に示すように、列方向および行方向に配列されている画素16のうち、列方向と行方向とで隣接している2×2の4つの画素16で1つのグループを構成する。これにより、複数の画素16にそれぞれ配置されている受光要素11bが複数のグループに分割されて、各グループが受光要素群を形成する。なお、グループは、図5に示す2×2個の受光要素11b(画素16)で構成するのではなく、他の個数(例えば、3×3、2×4、4×4等)の受光要素11bで構成するようにしてもよい。
【0031】
次に、各グループを構成している受光要素11bから出力される受光信号の大きさの平均を演算して求める。すなわち、反射光の受光強度の平均値をグループ毎に求め、これをグループ平均値とする。さらに、得られた複数のグループ平均値のうちの最大値を最大グループ平均値とする(S14)。
【0032】
次に、S14で得られた各グループ平均値を最大グループ平均値で除して得られる正規化値の逆数を求める逆数演算を行い(S16)、その結果を補正係数とする。この場合、上記の正規化値は必ず1.0以下の値となることから、その逆数である補正係数は必ず1.0以上の値となる。このため、補正係数が1.0以下の範囲にある場合に比べて、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。しかも、通常、バックライトの表示面内輝度分布のばらつきや受光要素11b毎の受光感度のばらつきが著しく大きいことは少ないと考えられることから、各グループ平均値は最大グループ平均値をやや下回る程度の値となり、必然的に、逆数演算の結果である補正係数の値は、1.0を少し上回る程度の比較的狭い範囲に納まることとなる。このため、この点においても、後述するように、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。このようにして、S16の演算をグループ毎に行ってすべてのグループの補正係数を求めることにより、例えば図6に示したような面内補正テーブル13aが得られ、これを上記のメモリへ記録する(S18)。
【0033】
図6の面内補正テーブル13aは、表示面の行方向および列方向、すなわちX軸方向およびY軸方向において、X軸方向にX=1,2,3…N個、Y軸方向にY=1,2,3…M個のグループを形成した場合のものであり、グループ毎に補正係数C11,C21,…,CNMが求められている。この面内補正テーブル13aを立体グラフより例示すると、図7のようになる。この図7の模式図において、底面が入出力パネル11の表示面に対応し、高さ方向が補正係数を示している。このように、本実施の形態では、各受光要素ごとに補正係数をもつのではなく、複数の受光要素をグループ化して、各グループごとに補正係数をもつようにしたので、補正係数の個数を低減でき、記憶に要するメモリ容量が少なくて済む。
【0034】
次に、本実施の形態の画像入出力装置1の作用について説明する。図8は画像入出力装置1が面内補正を行うときの処理の流れを表すものである。図9は受光信号、面内補正テーブル13aおよび補正後の受光信号を表すものである。ここで図9(A)は、面内の不均一な状態の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(B)は、表示面から出射される光の表示面内強度分布(曲線A)と、複数の受光要素11bの面内受光感度分布(曲線B)とを合成した分布(曲線C)の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(C)は、曲線Cに表される合成分布があるときに、受光要素11bから出力される受光信号の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(D)は、曲線Cに表される合成分布を補償する面内補正テーブル13aの一例を表すものであり、縦軸は補正係数、横軸は面内方向を示している。図9(E)は、受光要素11bから出力される信号強度に、曲線Eに表される面内補正テーブルを乗算することにより得られた補償後の信号強度の一例を表すものであり、縦軸は信号強度、横軸は面内方向を示している。
【0035】
電子機器本体20から出力された表示データは、表示信号処理部12に入力される。表示信号処理部12は、表示データに基づいて入出力パネル11に画像が表示されるように、入出力パネル11を駆動させる。
【0036】
入出力パネル11は、バックライトからの出射光を用いて画像を表示要素11aに表示する一方、受光要素11bを駆動している。そして、表示要素11aに指等の外部近接物体が接触または近接すると、表示要素11aに表示された画像が外部近接物体で反射されて、この反射光が受光要素11bで検出される。この検出によって、受光要素11bからは受光信号が出力される(S20)。このときバックライトの面内における輝度の不均一な状態は、図9(A)の曲線Aに示すようになり、マトリクス状に配列された受光要素11bの面内における受光感度の不均一な状態は、図9(A)の曲線Bに示すようになっている。このような曲線Aと曲線Bとの合成分布は、図9(B)の曲線Cに示すようになる。これにより、受光要素11bから出力される受光信号Dは、曲線C(曲線Aおよび曲線B)に示される面内の不均一な状態によって、面内において信号強度が異なっている。
【0037】
受光信号処理部13は、受光信号を入力して増幅等の処理をすると共に、上記の記憶手段から読み出した面内補正テーブル13aを用いて、受光信号を処理する(S22)。具体的に、受光信号処理部13は、入力した受光信号と、図9(D)に示される面内補正テーブル13aとを演算(乗算)して、図9(C)の受光信号Dに示される面内の不均一な状態を、図9(E)に示されるように、受光信号Fの強度を面内で均一に面内補正している。このようにして受光処理部は、面内補正された受光信号Dから撮像画像を得ている。
【0038】
次に、画像処理部14は、面内補正された撮像画像を入力し、この撮像画像に対し2値化処理を行う(S24)。すなわち、画像処理部14は、予め設定された閾値を記憶しており、例えば、撮像画像データの信号強度が閾値よりも小さいか、または閾値以上であるかを比較して、それぞれ「0」または「1」に設定する2値化処理を行う。これにより外部近接物体で反射された光を受光した部分が「1」に設定され、他の部分が「0」に設定される。
【0039】
そして、画像処理部14は、2値化された撮像画像から、孤立点を除去する(S26)。すなわち、画像処理部14は、上記のように2値化されている場合、外部近接物体から孤立している「1」に設定された部分を除去することにより、ノイズ除去を行う。
【0040】
この後、画像処理部14は、ラベリング処理を行う(S28)。すなわち、画像処理部14は、上記のように2値化されている場合、「1」に設定された部分に対してラベリング処理を行う。そして、画像処理部14は、「1」に設定された領域を外部近接物体の領域として検出し、この領域の重心または中心座標を得る。このようなデータは、点情報として制御部21に出力される。
【0041】
次に、制御部21は、画像処理部14から入力した点情報を用いて、表示画像を変化させる等の必要な処理を行う。例えば、画面に何らかの操作メニューを表示した場合を仮定すると、その操作メニューの中のどのボタンがユーザの指によって選択されたのかを検知し、その選択されたボタンに対応する命令を実行する。
【0042】
このように、本実施の形態によれば、画像を表示するバックライトの面内輝度分布および受光要素11b毎の受光感度の違いを補償するための面内補正テーブル13aを用いて、バックライトから出射されて外部近接物体により反射された光を受光する受光要素からの受光信号を補正することができる。これにより画像入出力装置1は、補正後の受光信号を基に高精度な画像処理を行うことができ、その結果、外部近接物体を正確に検出することができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、補正係数が必ず1.0以上の値となるようにしたので、補正係数が1.0以下の範囲にある場合に比べて、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。しかも、補正係数の値は、1.0を少し上回る程度の比較的狭い範囲に納まることから、補正係数を表現するビット数を少なくすることができ、この点においても、記憶に要するメモリの容量の低減に寄与する。
【0044】
また、本実施の形態によれば、複数の画素16のうち隣接するもの同士でグループを構成し、各グループに設けられた受光要素11bを用いてグループ毎に補正係数を求めて、面内補正テーブル13aを得ている。これにより、画素16毎に補正係数を求めて面内補正テーブル13aを得る場合に比べて、面内補正テーブル13aのデータ量を減らすことができ、メモリ容量を小さくすることができる。
【0045】
なお、面内補正テーブル13aの補正係数は、例えば小数点以下3桁程度まで求めて格納するようにしてもよいが、より粗い精度(例えば小数点以下1桁まで)で求めるようにしてもよい。具体的には、通常、面内補正テーブル13aを6ビットで設定しているところを、精度を粗くして4ビットで設定すれば、面内補正テーブル13aのデータ量を減らすことができ、上記の記憶手段のメモリ容量を小さくすることができる。
【0046】
さらに、本実施の形態によれば、画像入出力装置1をユーザに出荷する前に面内補正テーブル13aを求めてメモリに記録させておくようにすれば、ユーザが面内補正テーブル13aを作成する手間を省くことができる。但し、ユーザによっても面内補正テーブル13aを作成することができるようになっていれば、入出力パネル11が経時変化した場合でも、経時変化に合わせて面内補正テーブル13aを適宜作成することができ、使用時間が相当経過した後であっても、常に適切に補正された高精度な撮像画像を得ることができる。
【0047】
なお、上記の実施の形態では、面内補正テーブル13aを作成するときに、図4のS14,S16に示されるように、グループ平均値とグループ間で検出される最大グループ平均値とを求め、これらの値を用いた演算を行って補正係数を得るようにしたが、補正係数は、この演算よって得られるものに限定されない。例えば、最大グループ平均値の代わりに任意の定数を用いて補正係数を求めるようにしてもよい。この任意の定数は、例えば1という値でもよく、この場合、補正係数はグループ平均値の単なる逆数となる。あるいは、最大グループ平均値の代わりに、最大グループ平均値に近いと予想される値を上記の定数として用いるようにしてもよい。この場合には、この定数を各グループ平均値によって除した結果が補正係数の値となる。また、面内補正テーブル13aは、図9(A)の曲線A,Bに例示されるような面内の不均一な状態を補償(相殺)できるもの、すなわち面内補正テーブル13aが曲線Cとは逆の分布(反転分布)をもつものであれば、如何なる値であってもよい。
【0048】
また、面内補正テーブル13aの補正係数の個数を少なく(粗く設定)しておき、受光要素グループに対応する補正係数が面内補正テーブル13a中に存在しないときには、存在するグループの補正係数に基づいてデータ補間を行うことにより、その補正係数が存在していない受光要素グループの補正係数を求め、この補間により求めた補正係数を用いて補正を行うようにしてもよい。例えば、隣接するグループの補正係数によってその間のグループの補正係数を補間するようにしてもよい。これにより、補正係数が隣り合うグループで急激に変化するのを防止して、面内補正テーブル13aを緩やかに変化させることができる。また、面内補正テーブル13aの記憶に要するメモリ容量を低減することができる。
【0049】
また、上記の実施の形態では、マトリクス状に配置された受光要素11bのうち隣接している複数の受光要素11bで1つのグループを構成し、グループ毎に補正係数を求めて、面内補正テーブル13aを得ているが、画素16毎に配置されている受光要素11bのそれぞれにおいて補正係数を求めて、複数の補正係数をまとめることにより面内補正テーブル13aを得るようにしてもよい。この場合には、グループ毎に補正係数を得る場合に比べて、面内で細かく補正係数を得ることができるので、より高精度に面内補正された画像を得ることができる。
【0050】
また、以下に示すような変形例も可能である。
【0051】
[変形例1]
本変形例の画像入出力装置は、ディスプレイ10に設けられた表示信号処理部12、入出力パネル11、受光信号処理部13および画像処理部14と、ディスプレイ10を利用する電子機器の電子機器本体20に設けられた制御部21とを備えたものである。
【0052】
画像入出力装置は、面内補正テーブル13aを作成するときに、第1の実施の形態で説明したような全面が同じ色になっている参照画像を用いるのではなく、入出力パネル11に任意の参照画像を表示して、この任意の参照画像を用いて作成するようになっている。この参照画像は、1フレーム内で模様や複数の色が付いている等の任意のものである。
【0053】
このような画像入出力装置を構成するために、表示信号処理部12は、入出力パネル11および受光信号処理部13のそれぞれの前段に接続されている。表示信号処理部12は、入出力パネル11に対して、表示データに基づいて参照画像を表示するように駆動させる信号を出力すると共に、受光信号処理部13に対して、入出力パネル11に表示される参照画像のデータ値を出力するようになっている。
【0054】
入出力パネル11では、輝度が徐々に変わっている標準反射板によって参照画像が反射された光を受光要素11bで受光して、受光信号処理部13に出力するようになっている。受光信号処理部13は、入出力パネル11の後段にも接続しており、面内補正テーブル13aを作成するときに、入出力パネル11から受光信号を入力すると、この入力した受光信号が得られたときの参照画像の輝度データから求めた反転輝度テーブルの係数と受光信号とを演算(乗算)して、面内で同色になっていない参照画像の影響を受光信号から取り除いている。
【0055】
この後、受光信号処理部13は、図4のS14〜S18に示される処理を行って、面内補正テーブル13aを得ている。
【0056】
本実施の形態に係る画像入出力装置の作用は、第1の実施の形態で説明したものと同様になっているので、その説明を省略する。
【0057】
このような画像入出力装置は、面内補正テーブル13aを作成するときに、入出力パネル11に表示される画像の輝度データを表示信号処理部12から受光信号処理部13に出力された参照画像の輝度データの反転輝度テーブルの係数を用いて、入出力パネル11から得た受光信号の面内で同色になっていない参照画像の影響を補正している。このため画像入出力装置は、第1の実施の形態で説明したような全面が同じ色の参照画像を用いなくとも面内補正テーブル13aを得ることができ、面内補正テーブル13aを作成するときにのみ必要な全面が同じ色の参照画像を記憶しておく必要がなくなる。
【0058】
なお、表示信号処理部12は、入出力パネル11に表示させる参照画像が連続して変化する場合に、フレーム毎に画像データの逆数テーブルを求めて受光信号処理部13に出力し、受光信号処理部13は、入出力パネル11から入力した受光信号と、この受光信号が入出力パネル11で得られたときの画像データから求めた逆数テーブルとを用いて補正を行った後、さらに、図4のS14〜S18に示される処理を行って、面内補正テーブル13aを得ても良い。
【0059】
[変形例2]
図10は本変形例に係る画像入出力装置2の構成を表すものである。この画像入出力装置2は、上記実施の形態に係る画像入出力装置1と比較して、画像処理部14が電子機器本体20に設けられた点が異なっている。 すなわち、本変形例に係る画像入出力装置2は、表示信号処理部12、入出力パネル11および受光信号処理部13がディスプレイ10に設けられ、制御部21および画像処理部14が電子機器本体20に設けられたものである。このような画像入出力装置2であっても、上記実施の形態に係る画像入出力装置1と同様の効果を奏することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態で説明した画像入出力装置1,2では、入出力パネル11として、液晶ディスプレイパネルを用いた構成について説明した。しかしながら、本発明の画像入出力装置は、入出力パネルとして、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等を用いた構成にすることもできる。有機EL素子は、順方向バイアス電圧を印加すると発光動作をし、逆方向バイアス電圧を印加すると受光して電流を発生する性質を有する。このため、有機EL素子は、表示要素11aと受光要素11bとを有することになる。入出力パネル11は、有機EL素子を画素16毎に配置することで構成され、表示データに応じて各有機EL素子に順方向バイアス電圧を印加して発光動作をさせると画像を表示し、他の有機EL素子に逆方向バイアス電圧を印加して反射光を受光することになる。このとき、順方向バイアスが印加されることによって有機EL素子が発光動作したときの表示面内強度分布と、逆方向バイアスが印加されることによって有機EL素子が受光動作をしたときの面内受光感度分布とを、上記実施の形態で説明した面内補正方法を実施すれば、それぞれの分布を面内補正することができる。
【0061】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、図2および図3に示した例では、1つの発光セルに対応して1つの受光セルを設けるようにしたが、複数の発光セルに対応して1つの受光セルを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像入出力装置の構成を表すブロック図である。
【図2】図1の画像入出力装置の構成をより詳細に表すブロック図である。
【図3】入出力パネルの一部を拡大した断面である。
【図4】面内補正テーブルを作成するときのフロー図である。
【図5】複数の受光要素を複数のグループに分割した場合のグループの説明図である。
【図6】面内補正テーブルの一例を示す表である。
【図7】面内補正テーブルの一例を示すグラフである。
【図8】画像入出力装置による画像処理全体のフロー図である。
【図9】受光信号、面内補正テーブルおよび補正後の受光信号の一例を示すグラフである。
【図10】本実施の形態の変形例に係る画像入出力装置の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2…画像入出力装置、10…ディスプレイ、11…入出力パネル、11a…表示要素、11b…受光要素、12…表示信号処理部、13…受光信号処理部、13a…面内補正テーブル、14…画像処理部、15…グループ、16…画素、20…電子機器本体、21…制御部、30…表示信号処理部、31…受光信号処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示機能と撮像機能とを備えた画像入出力装置およびこれを用いた画像入力方法、ならびにそのような画像入出力装置における受光レベル補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置には、タッチパネルを備えたものがある。このタッチパネルには、電気抵抗の変化を利用した抵抗型や、静電容量の変化を利用した静電容量型のほか、光学的に指等を検知する光学型タッチパネルがある。この光学型タッチパネルでは、例えば、バックライトからの光を液晶素子で変調して画像を表示面に表示すると共に、表示面から出射されて指等の近接物体によって反射された光を、表示面に配列された受光素子によって受光し、近接物体の位置等を検出するものである。このような画像表示装置について記載したものには、特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載された表示装置は、画像を表示する表示手段と、物体を撮像する撮像手段とを有する表示部を備えたものである。
【特許文献1】特開2004−127272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した画像示装置では、バックライトからの出射光が外部の近接物体で反射されて戻ってきた光を検出するようになっているが、バックライトの輝度は表示面内で均一でないことが多い(例えば、表示面の周辺部に比べて中央部の輝度が強くなる)ので、近接物体によって反射される反射光の強度が中央部と周辺部とで異なる。また、反射光を受光する受光素子は表示面に沿って配列されているが、受光素子毎に受光感度が異なることが一般的である。このため、受光素子から得られる撮像信号は、バックライトが出射する光の表示面内分布と、受光素子間の受光感度の違いとにより強い影響を受けることになる。
【0004】
このような状況下において、近接物体の位置を判断するために撮像信号を2値化処理した場合には、バックライトの輝度の不均一性と撮像素子毎の受光感度ばらつきとに起因する撮像信号の誤差により、適切でない2値化処理がされる。その結果、近接物体を正確に検出できず、位置検出エラーが生じるおそれがある。すなわち、従来の光学式タッチパネルを備えた画像表示装置では、高い精度で指等を検出することが困難であった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い精度で指等の近接物体の検出が可能な画像入出力装置およびこれを用いた画像入力方法、ならびにそのような画像入出力装置における受光レベル補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像入出力装置は、表示面に沿って配列され、画像信号に基づいて画像を表示する複数の表示要素と、表示面に沿って配列され、表示面から出射されて外部で反射された光を受光する複数の受光要素とを有する入出力パネルと、表示面から出射される光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた補正係数を表示面上の位置に対応付けて作成された面内補正テーブルを用いて、各受光要素からの受光信号を補正する補正手段と、補正手段により補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る画像処理部とを備えたものである。
【0007】
画像入出力装置では、入出力パネルは、複数の表示要素による画像表示と、複数の受光要素による外部近接物体検出とを行うことが可能な、いわゆるタッチパネル付き表示面を構成する。ここで、外部近接物体は、例えば指等であり、表示面からの出射光を反射する。この反射光は、受光要素によって受光されて受光信号に変換される。この受光信号は、補正手段により、面内補正テーブルを用いて補正される。この面内補正テーブルは、表示面からの出射光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた表示面内分布をもつ補正係数を表示面上の位置に対応付けて構成されたものなので、受光信号に対して表示面内での上記強度分布および受光感度分布に応じた補正が行われる。
【0008】
特に、補正係数の表示面内分布が表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布となるようにすると共に、各受光要素からの受光信号に対して、対応する補正係数を乗ずる補正を行うようにした場合には、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることも可能になる。
【0009】
本発明の画像入力方法は、表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を、表示面に沿って配列された複数の受光要素により受光し、表示面から出射される光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、得られた補正係数を用いて各受光要素からの受光信号を補正し、補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得るようにしたものである。
【0010】
本発明の画像入力方法では、出射光の表示面内強度分布と受光要素の面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を用いて、各受光要素からの受光信号に対する補正が行われる。その結果、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響が受光信号から取り除かれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像入出力装置によれば、入出力パネルの表示面からの出射光の表示面内強度分布および複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた補正係数を表示面上の位置に対応付けておき、この補正係数を用いて各受光要素からの受光信号を補正し、補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて外部近接物体の位置等の情報を得るようにしたので、補正係数を適宜に設定することにより、表示面内での上記強度分布および受光感度分布に応じた適切な補正を受光信号に行うことが可能になる。特に、補正係数の表示面内分布が表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布となるようにすると共に、各受光要素からの受光信号に対して、対応する補正係数を乗ずる補正を行うようにした場合には、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることができ、高い精度で指等の近接物体を検出することが可能になる。
【0012】
本発明の画像入力方法によれば、出射光の表示面内強度分布と受光要素の面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を用いて、各受光要素からの受光信号に対する補正が行われる。その結果、出射光の表示面内強度分布や受光要素の面内受光感度分布の影響がキャンセルされた均一なレベルの受光信号を得ることができ、高い精度で指等の近接物体を検出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態に係る画像入出力装置1の概略構成を表すものである。図2は、第1の実施の形態に係る画像入出力装置1の構成を表すものである。図3は、入出力パネルの一部を拡大した断面を表すものである。本実施の形態に係る画像入出力装置1は、図1に示すように、ディスプレイ10と、このディスプレイ10を利用する電子機器本体20とを備えたものである。ディスプレイ10は、入出力パネル11、表示信号処理部12、受光信号処理部13および画像処理部14を有し、電子機器本体20は、制御部21を有する。
【0015】
入出力パネル11は、図2に示すように、複数の画素16がマトリクス状に配列された液晶ディスプレイパネルで構成されたものであり、表示要素11aおよび受光要素11bを備えている。表示要素11aは、光源となるバックライトから出射された光を利用して、図形や文字等の画像を表示面に表示する液晶素子である。受光要素11bは、光を受光して電気信号として出力する、例えばフォトダイオード等の受光素子である。受光要素11bは、バックライトの出射光が入出力パネル11の外部の指等の外部近接物体によって反射されて戻ってきた反射光を受光して、受光信号を出力するものである。受光要素11bは、本実施の形態の場合、画素16毎に配置されて、面内に複数配列されている。
【0016】
入出力パネル11は、図2および図3に示したように、1対の透明基板30,31の間に、隔壁32によって互いに分離された構造の複数の発光受光セルCWRをマトリクス状に配列して構成されている。各発光受光セルCWRは、発光セルCW(CW1,CW2,CW3,…)と、これらの発光セルCWに内包された複数の受光セルCR(CR1,CR2,CR3,…)とを備えている。発光セルCWは、表示要素11aとしての液晶セルからなり、受光セルCRは、受光要素11bとしての受光素子PDを含む。なお、受光セルCRにおいては、バックライトから出射された光LBが入射しないように、バックライト側の透明基板30と受光素子PDとの間に遮蔽層33が配置され、各受光素子PDはバックライト光LBの影響を受けず、バックライトと反対側の透明基板31の方向から入射された光のみを検出するようになっている。
【0017】
図1に示す表示信号処理部12は、入出力パネル11の前段に接続され、入出力パネル11が表示データに基づいて画像を表示するように、入出力パネル11の駆動を行う回路である。
【0018】
表示信号処理部12は、図2に示すように、表示信号保持制御部40、発光側スキャナ41、表示信号ドライバ42および受光側スキャナ43を備えている。表示信号保持制御部40は、表示信号生成部44から出力される表示信号を1画面毎(1フィールドの表示ごと)に、例えばSRAM(Static Random Access Memory)等で構成されるフィールドメモリに格納して保持すると共に、各発光セルCWを駆動する発光側スキャナ41および表示信号ドライバ42、および各受光セルCRを駆動する受光側スキャナ43を連動して動作するように制御する機能を有する。具体的には、発光側スキャナ41には発光タイミング制御信号を、受光側スキャナ43には受光タイミング制御信号を、表示信号ドライバ42には制御信号およびフィールドメモリに保持されている表示信号に基づいて、1水平ライン分の表示信号を出力する。これらの制御信号および表示信号により、線順次動作が行われるようになっている。
【0019】
発光側スキャナ41は、表示信号保持制御部40から出力される発光タイミング制御信号に応じて駆動対象の発光セルCWを選択する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続された発光用ゲート線を介して発光用選択信号を供給し、発光素子選択スイッチを制御する。つまり、発光用選択信号によりある画素16の発光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素16では表示信号ドライバ42から供給された電圧に対応した輝度の発光動作がなされるようになっている。
【0020】
表示信号ドライバ42は、表示信号保持制御部40から出力される1水平ライン分の表示信号に応じて駆動対象の発光セルCWに表示データを供給する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続されたデータ供給線を介して前述の発光側スキャナ41により選択された画素16に表示データに対応する電圧を供給する。この発光側スキャナ41および表示信号ドライバ42が連動して線順次動作することにより、任意の表示データに対応する画像が入出力パネル11に表示される。
【0021】
受光側スキャナ43は、表示信号保持制御部40から出力される受光タイミング制御信号に応じて駆動対象の受光セルCRを選択する機能を有する。具体的には、入出力パネル11の各画素16に接続された受光用ゲート線を介して受光用選択信号を供給し、受光素子選択スイッチを制御する。つまり、前述の発光側スキャナ41の動作と同様に、受光用選択信号によりある画素16の受光素子選択スイッチがオン状態となる電圧が印加されると、その画素16から検出された受光信号が受光信号レシーバ45に出力されるようになっている。これにより、例えばある発光セルCWからの出射光に基づいて接触あるいは近接する物体において反射した光を、受光セルCRが受光し、検出することが可能となる。また、この受光側スキャナ43からは、受光信号レシーバ45および受光信号保持部46へ受光ブロック制御信号が出力され、これら受光動作に寄与するブロックを制御する機能も有する。なお、本実施の形態の画像表示装置においては、前述の発光用ゲート線および受光用ゲート線は各発光受光セルCWRに対して別個に接続され、発光側スキャナ41および受光側スキャナ43はそれぞれ、独立して動作することが可能となっている。
【0022】
図1に示す受光信号処理部13(補正手段)は、入出力パネル11の後段に接続され、受光要素11bからの受光信号を取り込んで増幅等を行うと共に、バックライトの面内の発光強度(表示面からの出射光の表示面内強度分布)および受光要素11b毎の受光感度(複数の受光要素の面内受光感度分布)に対して補償を行うための面内補正テーブル13aを用いて、受光信号を補正する回路である。すなわち、受光信号処理部13は、バックライトの表示面内における輝度分布および受光要素11b毎の受光感度のばらつきの影響が除去された撮像画像を生成するものである。面内補正テーブル13aは、受光信号処理部13に設けられたメモリ(図示せず)に格納されている。但し、他のブロック内に面内補正テーブル13aを格納するようにしてもよい。
【0023】
受光信号処理部13は、図2に示すように、受光信号レシーバ45および受光信号保持部46を備えている。受光信号レシーバ45は、受光側スキャナ43から出力される受光ブロック制御信号に応じて、各受光セルCRから出力された1水平ライン分の受光信号を取得する機能を有する。この受光信号レシーバ45において取得された1水平ライン分の受光信号は、受光信号保持部46へ出力される。
【0024】
受光信号保持部46は、受光側スキャナ43から出力される受光ブロック制御信号に応じて、受光信号レシーバ45から出力される受光信号を1画面ごと(1フィールドの表示ごと)の受光信号に再構成し、例えば、SRAMなどから構成されるフィールドメモリに格納して保持する機能を有する。受光信号保持部46において格納された受光信号のデータは、画像処理部14(図1)内の位置検出部47へ出力される。なお、この受光信号保持部46はメモリ以外の記憶素子から構成されていてもよく、例えば受光信号をアナログデータ(電荷)として容量素子に保持しておくことも可能である。
【0025】
画像処理部14(図1)は、受光信号処理部13の後段に接続され、受光信号処理部13から補正後の撮像画像を取り込んで、2値化やノイズ除去、ラベリング等の処理を行い、外部近接物体の点情報、すなわち外部近接物体の重心や中心座標および外部近接物体の領域(サイズや形状)を示す情報を得る回路である。より具体的には、画像処理部14の位置検出部47(図2)が、受光信号保持部46から出力される受光信号のデータに基づいて信号処理を行い、受光セルCRにおいて検出された物体が存在する位置等を特定する。これにより、接触あるいは近接する指等の位置を特定することが可能となる。その際、位置検出部47は、補正された撮像画像を用いるようにしていることから、外部近接物体の位置等を検出する際の判定エラーが少なくなる。
【0026】
電子機器本体20(図1)は、ディスプレイ10の表示信号処理部12に対して表示データを出力すると共に、画像処理部14から点情報を入力するようになっている。制御部21は、点情報を用いて表示画像を変化させるものである。
【0027】
制御部21(図1)は、図2に示すように、表示信号生成部44を備えている。表示信号生成部44は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などにより生成され、供給された画像データに基づいて、例えば、1画面ごと(1フィールドの表示ごと)に表示するための表示信号を生成し、それを表示信号保持制御部40に出力するようになっている。
【0028】
次に、面内補正テーブル13aの作成方法について説明する。図4は、面内補正テーブル13aを作成する処理の流れを表すものである。ここでは、図5に示したように、複数(ここでは4つ)の発光受光セルCWRに含まれている複数(4つ)の受光要素11bからなるグループ15を1つの補正単位として補正を行う場合について説明する。
【0029】
まず、反射率が面内で一様になっている基準反射板(図示せず)を入出力パネル11の全面が覆われるように対向させて配置する(S10)。この状態で、表示信号生成部 (図2)からの表示信号によって、表示要素11aとしての発光セルCW(液晶セル)をすべて白表示状態(すなわち、最高階調状態)にすることにより、バックライトからの出射光のほぼすべてが表示面から出射されるようにする。この表示面からの出射光を基準反射板により反射させ、その反射光を各受光要素11bにより受光する。但し、この場合、発光セルCWのうち、R,G,Bの各色発光セルをすべて最高階調にして文字通りの白表示(狭義の白表示)を行うようにしてもよいし、あるいは特定の1色(例えばR色)の発光セルのみを最高階調(広義の白表示)にし、他の2色(例えばR色)の発光セルについては最低階調(広義の黒表示)にするようにしてもよい。なお、液晶セルは通常、その液晶の状態(開閉状態)によらず赤外光を透過するので、各受光素子の上に赤外光選択透過フィルタを設けておけば、液晶セルを黒表示状態にしておいても、バックライトに含まれる赤外光を利用して上記のような反射および受光を行うこともできる。
【0030】
次に、各受光要素11bから出力される受光信号を読み出す(S12)。本実施の形態で用いられる受光要素11bは、個々の画素16毎に配置されているので、面内補正テーブル13aを格納するメモリの容量を減らすために、上記のように、隣接して配置された複数の受光要素11bにより1つのグループを構成して、グループ毎に補正係数を求める。一例としては、図5に示すように、列方向および行方向に配列されている画素16のうち、列方向と行方向とで隣接している2×2の4つの画素16で1つのグループを構成する。これにより、複数の画素16にそれぞれ配置されている受光要素11bが複数のグループに分割されて、各グループが受光要素群を形成する。なお、グループは、図5に示す2×2個の受光要素11b(画素16)で構成するのではなく、他の個数(例えば、3×3、2×4、4×4等)の受光要素11bで構成するようにしてもよい。
【0031】
次に、各グループを構成している受光要素11bから出力される受光信号の大きさの平均を演算して求める。すなわち、反射光の受光強度の平均値をグループ毎に求め、これをグループ平均値とする。さらに、得られた複数のグループ平均値のうちの最大値を最大グループ平均値とする(S14)。
【0032】
次に、S14で得られた各グループ平均値を最大グループ平均値で除して得られる正規化値の逆数を求める逆数演算を行い(S16)、その結果を補正係数とする。この場合、上記の正規化値は必ず1.0以下の値となることから、その逆数である補正係数は必ず1.0以上の値となる。このため、補正係数が1.0以下の範囲にある場合に比べて、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。しかも、通常、バックライトの表示面内輝度分布のばらつきや受光要素11b毎の受光感度のばらつきが著しく大きいことは少ないと考えられることから、各グループ平均値は最大グループ平均値をやや下回る程度の値となり、必然的に、逆数演算の結果である補正係数の値は、1.0を少し上回る程度の比較的狭い範囲に納まることとなる。このため、この点においても、後述するように、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。このようにして、S16の演算をグループ毎に行ってすべてのグループの補正係数を求めることにより、例えば図6に示したような面内補正テーブル13aが得られ、これを上記のメモリへ記録する(S18)。
【0033】
図6の面内補正テーブル13aは、表示面の行方向および列方向、すなわちX軸方向およびY軸方向において、X軸方向にX=1,2,3…N個、Y軸方向にY=1,2,3…M個のグループを形成した場合のものであり、グループ毎に補正係数C11,C21,…,CNMが求められている。この面内補正テーブル13aを立体グラフより例示すると、図7のようになる。この図7の模式図において、底面が入出力パネル11の表示面に対応し、高さ方向が補正係数を示している。このように、本実施の形態では、各受光要素ごとに補正係数をもつのではなく、複数の受光要素をグループ化して、各グループごとに補正係数をもつようにしたので、補正係数の個数を低減でき、記憶に要するメモリ容量が少なくて済む。
【0034】
次に、本実施の形態の画像入出力装置1の作用について説明する。図8は画像入出力装置1が面内補正を行うときの処理の流れを表すものである。図9は受光信号、面内補正テーブル13aおよび補正後の受光信号を表すものである。ここで図9(A)は、面内の不均一な状態の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(B)は、表示面から出射される光の表示面内強度分布(曲線A)と、複数の受光要素11bの面内受光感度分布(曲線B)とを合成した分布(曲線C)の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(C)は、曲線Cに表される合成分布があるときに、受光要素11bから出力される受光信号の一例を表すものであり、縦軸は不均一の大きさ、横軸は面内方向を示している。図9(D)は、曲線Cに表される合成分布を補償する面内補正テーブル13aの一例を表すものであり、縦軸は補正係数、横軸は面内方向を示している。図9(E)は、受光要素11bから出力される信号強度に、曲線Eに表される面内補正テーブルを乗算することにより得られた補償後の信号強度の一例を表すものであり、縦軸は信号強度、横軸は面内方向を示している。
【0035】
電子機器本体20から出力された表示データは、表示信号処理部12に入力される。表示信号処理部12は、表示データに基づいて入出力パネル11に画像が表示されるように、入出力パネル11を駆動させる。
【0036】
入出力パネル11は、バックライトからの出射光を用いて画像を表示要素11aに表示する一方、受光要素11bを駆動している。そして、表示要素11aに指等の外部近接物体が接触または近接すると、表示要素11aに表示された画像が外部近接物体で反射されて、この反射光が受光要素11bで検出される。この検出によって、受光要素11bからは受光信号が出力される(S20)。このときバックライトの面内における輝度の不均一な状態は、図9(A)の曲線Aに示すようになり、マトリクス状に配列された受光要素11bの面内における受光感度の不均一な状態は、図9(A)の曲線Bに示すようになっている。このような曲線Aと曲線Bとの合成分布は、図9(B)の曲線Cに示すようになる。これにより、受光要素11bから出力される受光信号Dは、曲線C(曲線Aおよび曲線B)に示される面内の不均一な状態によって、面内において信号強度が異なっている。
【0037】
受光信号処理部13は、受光信号を入力して増幅等の処理をすると共に、上記の記憶手段から読み出した面内補正テーブル13aを用いて、受光信号を処理する(S22)。具体的に、受光信号処理部13は、入力した受光信号と、図9(D)に示される面内補正テーブル13aとを演算(乗算)して、図9(C)の受光信号Dに示される面内の不均一な状態を、図9(E)に示されるように、受光信号Fの強度を面内で均一に面内補正している。このようにして受光処理部は、面内補正された受光信号Dから撮像画像を得ている。
【0038】
次に、画像処理部14は、面内補正された撮像画像を入力し、この撮像画像に対し2値化処理を行う(S24)。すなわち、画像処理部14は、予め設定された閾値を記憶しており、例えば、撮像画像データの信号強度が閾値よりも小さいか、または閾値以上であるかを比較して、それぞれ「0」または「1」に設定する2値化処理を行う。これにより外部近接物体で反射された光を受光した部分が「1」に設定され、他の部分が「0」に設定される。
【0039】
そして、画像処理部14は、2値化された撮像画像から、孤立点を除去する(S26)。すなわち、画像処理部14は、上記のように2値化されている場合、外部近接物体から孤立している「1」に設定された部分を除去することにより、ノイズ除去を行う。
【0040】
この後、画像処理部14は、ラベリング処理を行う(S28)。すなわち、画像処理部14は、上記のように2値化されている場合、「1」に設定された部分に対してラベリング処理を行う。そして、画像処理部14は、「1」に設定された領域を外部近接物体の領域として検出し、この領域の重心または中心座標を得る。このようなデータは、点情報として制御部21に出力される。
【0041】
次に、制御部21は、画像処理部14から入力した点情報を用いて、表示画像を変化させる等の必要な処理を行う。例えば、画面に何らかの操作メニューを表示した場合を仮定すると、その操作メニューの中のどのボタンがユーザの指によって選択されたのかを検知し、その選択されたボタンに対応する命令を実行する。
【0042】
このように、本実施の形態によれば、画像を表示するバックライトの面内輝度分布および受光要素11b毎の受光感度の違いを補償するための面内補正テーブル13aを用いて、バックライトから出射されて外部近接物体により反射された光を受光する受光要素からの受光信号を補正することができる。これにより画像入出力装置1は、補正後の受光信号を基に高精度な画像処理を行うことができ、その結果、外部近接物体を正確に検出することができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、補正係数が必ず1.0以上の値となるようにしたので、補正係数が1.0以下の範囲にある場合に比べて、記憶に要するメモリの容量が少なくて済む。しかも、補正係数の値は、1.0を少し上回る程度の比較的狭い範囲に納まることから、補正係数を表現するビット数を少なくすることができ、この点においても、記憶に要するメモリの容量の低減に寄与する。
【0044】
また、本実施の形態によれば、複数の画素16のうち隣接するもの同士でグループを構成し、各グループに設けられた受光要素11bを用いてグループ毎に補正係数を求めて、面内補正テーブル13aを得ている。これにより、画素16毎に補正係数を求めて面内補正テーブル13aを得る場合に比べて、面内補正テーブル13aのデータ量を減らすことができ、メモリ容量を小さくすることができる。
【0045】
なお、面内補正テーブル13aの補正係数は、例えば小数点以下3桁程度まで求めて格納するようにしてもよいが、より粗い精度(例えば小数点以下1桁まで)で求めるようにしてもよい。具体的には、通常、面内補正テーブル13aを6ビットで設定しているところを、精度を粗くして4ビットで設定すれば、面内補正テーブル13aのデータ量を減らすことができ、上記の記憶手段のメモリ容量を小さくすることができる。
【0046】
さらに、本実施の形態によれば、画像入出力装置1をユーザに出荷する前に面内補正テーブル13aを求めてメモリに記録させておくようにすれば、ユーザが面内補正テーブル13aを作成する手間を省くことができる。但し、ユーザによっても面内補正テーブル13aを作成することができるようになっていれば、入出力パネル11が経時変化した場合でも、経時変化に合わせて面内補正テーブル13aを適宜作成することができ、使用時間が相当経過した後であっても、常に適切に補正された高精度な撮像画像を得ることができる。
【0047】
なお、上記の実施の形態では、面内補正テーブル13aを作成するときに、図4のS14,S16に示されるように、グループ平均値とグループ間で検出される最大グループ平均値とを求め、これらの値を用いた演算を行って補正係数を得るようにしたが、補正係数は、この演算よって得られるものに限定されない。例えば、最大グループ平均値の代わりに任意の定数を用いて補正係数を求めるようにしてもよい。この任意の定数は、例えば1という値でもよく、この場合、補正係数はグループ平均値の単なる逆数となる。あるいは、最大グループ平均値の代わりに、最大グループ平均値に近いと予想される値を上記の定数として用いるようにしてもよい。この場合には、この定数を各グループ平均値によって除した結果が補正係数の値となる。また、面内補正テーブル13aは、図9(A)の曲線A,Bに例示されるような面内の不均一な状態を補償(相殺)できるもの、すなわち面内補正テーブル13aが曲線Cとは逆の分布(反転分布)をもつものであれば、如何なる値であってもよい。
【0048】
また、面内補正テーブル13aの補正係数の個数を少なく(粗く設定)しておき、受光要素グループに対応する補正係数が面内補正テーブル13a中に存在しないときには、存在するグループの補正係数に基づいてデータ補間を行うことにより、その補正係数が存在していない受光要素グループの補正係数を求め、この補間により求めた補正係数を用いて補正を行うようにしてもよい。例えば、隣接するグループの補正係数によってその間のグループの補正係数を補間するようにしてもよい。これにより、補正係数が隣り合うグループで急激に変化するのを防止して、面内補正テーブル13aを緩やかに変化させることができる。また、面内補正テーブル13aの記憶に要するメモリ容量を低減することができる。
【0049】
また、上記の実施の形態では、マトリクス状に配置された受光要素11bのうち隣接している複数の受光要素11bで1つのグループを構成し、グループ毎に補正係数を求めて、面内補正テーブル13aを得ているが、画素16毎に配置されている受光要素11bのそれぞれにおいて補正係数を求めて、複数の補正係数をまとめることにより面内補正テーブル13aを得るようにしてもよい。この場合には、グループ毎に補正係数を得る場合に比べて、面内で細かく補正係数を得ることができるので、より高精度に面内補正された画像を得ることができる。
【0050】
また、以下に示すような変形例も可能である。
【0051】
[変形例1]
本変形例の画像入出力装置は、ディスプレイ10に設けられた表示信号処理部12、入出力パネル11、受光信号処理部13および画像処理部14と、ディスプレイ10を利用する電子機器の電子機器本体20に設けられた制御部21とを備えたものである。
【0052】
画像入出力装置は、面内補正テーブル13aを作成するときに、第1の実施の形態で説明したような全面が同じ色になっている参照画像を用いるのではなく、入出力パネル11に任意の参照画像を表示して、この任意の参照画像を用いて作成するようになっている。この参照画像は、1フレーム内で模様や複数の色が付いている等の任意のものである。
【0053】
このような画像入出力装置を構成するために、表示信号処理部12は、入出力パネル11および受光信号処理部13のそれぞれの前段に接続されている。表示信号処理部12は、入出力パネル11に対して、表示データに基づいて参照画像を表示するように駆動させる信号を出力すると共に、受光信号処理部13に対して、入出力パネル11に表示される参照画像のデータ値を出力するようになっている。
【0054】
入出力パネル11では、輝度が徐々に変わっている標準反射板によって参照画像が反射された光を受光要素11bで受光して、受光信号処理部13に出力するようになっている。受光信号処理部13は、入出力パネル11の後段にも接続しており、面内補正テーブル13aを作成するときに、入出力パネル11から受光信号を入力すると、この入力した受光信号が得られたときの参照画像の輝度データから求めた反転輝度テーブルの係数と受光信号とを演算(乗算)して、面内で同色になっていない参照画像の影響を受光信号から取り除いている。
【0055】
この後、受光信号処理部13は、図4のS14〜S18に示される処理を行って、面内補正テーブル13aを得ている。
【0056】
本実施の形態に係る画像入出力装置の作用は、第1の実施の形態で説明したものと同様になっているので、その説明を省略する。
【0057】
このような画像入出力装置は、面内補正テーブル13aを作成するときに、入出力パネル11に表示される画像の輝度データを表示信号処理部12から受光信号処理部13に出力された参照画像の輝度データの反転輝度テーブルの係数を用いて、入出力パネル11から得た受光信号の面内で同色になっていない参照画像の影響を補正している。このため画像入出力装置は、第1の実施の形態で説明したような全面が同じ色の参照画像を用いなくとも面内補正テーブル13aを得ることができ、面内補正テーブル13aを作成するときにのみ必要な全面が同じ色の参照画像を記憶しておく必要がなくなる。
【0058】
なお、表示信号処理部12は、入出力パネル11に表示させる参照画像が連続して変化する場合に、フレーム毎に画像データの逆数テーブルを求めて受光信号処理部13に出力し、受光信号処理部13は、入出力パネル11から入力した受光信号と、この受光信号が入出力パネル11で得られたときの画像データから求めた逆数テーブルとを用いて補正を行った後、さらに、図4のS14〜S18に示される処理を行って、面内補正テーブル13aを得ても良い。
【0059】
[変形例2]
図10は本変形例に係る画像入出力装置2の構成を表すものである。この画像入出力装置2は、上記実施の形態に係る画像入出力装置1と比較して、画像処理部14が電子機器本体20に設けられた点が異なっている。 すなわち、本変形例に係る画像入出力装置2は、表示信号処理部12、入出力パネル11および受光信号処理部13がディスプレイ10に設けられ、制御部21および画像処理部14が電子機器本体20に設けられたものである。このような画像入出力装置2であっても、上記実施の形態に係る画像入出力装置1と同様の効果を奏することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態で説明した画像入出力装置1,2では、入出力パネル11として、液晶ディスプレイパネルを用いた構成について説明した。しかしながら、本発明の画像入出力装置は、入出力パネルとして、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネル等を用いた構成にすることもできる。有機EL素子は、順方向バイアス電圧を印加すると発光動作をし、逆方向バイアス電圧を印加すると受光して電流を発生する性質を有する。このため、有機EL素子は、表示要素11aと受光要素11bとを有することになる。入出力パネル11は、有機EL素子を画素16毎に配置することで構成され、表示データに応じて各有機EL素子に順方向バイアス電圧を印加して発光動作をさせると画像を表示し、他の有機EL素子に逆方向バイアス電圧を印加して反射光を受光することになる。このとき、順方向バイアスが印加されることによって有機EL素子が発光動作したときの表示面内強度分布と、逆方向バイアスが印加されることによって有機EL素子が受光動作をしたときの面内受光感度分布とを、上記実施の形態で説明した面内補正方法を実施すれば、それぞれの分布を面内補正することができる。
【0061】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、図2および図3に示した例では、1つの発光セルに対応して1つの受光セルを設けるようにしたが、複数の発光セルに対応して1つの受光セルを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像入出力装置の構成を表すブロック図である。
【図2】図1の画像入出力装置の構成をより詳細に表すブロック図である。
【図3】入出力パネルの一部を拡大した断面である。
【図4】面内補正テーブルを作成するときのフロー図である。
【図5】複数の受光要素を複数のグループに分割した場合のグループの説明図である。
【図6】面内補正テーブルの一例を示す表である。
【図7】面内補正テーブルの一例を示すグラフである。
【図8】画像入出力装置による画像処理全体のフロー図である。
【図9】受光信号、面内補正テーブルおよび補正後の受光信号の一例を示すグラフである。
【図10】本実施の形態の変形例に係る画像入出力装置の構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2…画像入出力装置、10…ディスプレイ、11…入出力パネル、11a…表示要素、11b…受光要素、12…表示信号処理部、13…受光信号処理部、13a…面内補正テーブル、14…画像処理部、15…グループ、16…画素、20…電子機器本体、21…制御部、30…表示信号処理部、31…受光信号処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に沿って配列され、画像信号に基づいて画像を表示する複数の表示要素と、前記表示面に沿って配列され、前記表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を受光する複数の受光要素とを有する入出力パネルと、
前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた表示面内分布をもつ補正係数と前記表示面上の位置とを対応付けてなる面内補正テーブルを用いて、各受光要素からの受光信号を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記受光信号から得られた撮像画像に基づいて、前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る画像処理部と
を備えた画像入出力装置。
【請求項2】
前記補正係数の表示面内分布は、前記表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布であり、
前記補正手段は、各受光要素からの受光信号に、それぞれ対応する補正係数を乗ずる補正を行う
請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項3】
前記補正係数は、1.0以上である
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項4】
前記面内補正テーブルは、前記複数の受光要素を複数グループに分割してなるグループ毎に前記補正係数を対応付けて構成されたものである
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項5】
前記補正係数は、前記表示面に対向させて基準反射板を配置した状態で前記表示面を一様に光らせたときに各受光要素から得られる受光信号を前記グループごとに平均して得られる各グループ平均値を、すべてのグループ平均値のうちの最大値によって正規化することにより得られる正規化値の逆数である
請求項4に記載の画像入出力装置。
【請求項6】
前記面内補正テーブルは、受光要素毎に前記補正係数を対応付けて構成されたものである
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項7】
前記補正係数は、前記表示面に対向させて基準反射板を配置した状態で前記表示面を一様に光らせたときに各受光要素から得られる受光信号の値を、すべての受光信号のうちの最大値によって正規化することにより得られる正規化値の逆数である
請求項6に記載の画像入出力装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記面内補正テーブルにおいて補正係数が対応付けられていない非対応受光要素について、補正係数が対応付けられている他の複数の受光要素における補正係数を用いて補間処理を行うことにより補間補正係数を求め、得られた補間補正係数を用いて前記非対応受光要素からの受光信号を補正する
請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項9】
表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を、前記表示面に沿って配列された複数の受光要素により受光し、
前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、
得られた補正係数用いて、各受光要素からの受光信号を補正し、
補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る
画像入力方法。
【請求項10】
表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を受光する複数の受光要素を前記表示面に沿って配列し、前記複数の受光要素からの受光信号により得られた撮像画像に基づいて前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得るようにした画像入出力装置における前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、
得られた補正係数用いて、各受光要素からの受光信号を補正する
画像入出力装置の受光レベル補正方法。
【請求項1】
表示面に沿って配列され、画像信号に基づいて画像を表示する複数の表示要素と、前記表示面に沿って配列され、前記表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を受光する複数の受光要素とを有する入出力パネルと、
前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方に応じた表示面内分布をもつ補正係数と前記表示面上の位置とを対応付けてなる面内補正テーブルを用いて、各受光要素からの受光信号を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された前記受光信号から得られた撮像画像に基づいて、前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る画像処理部と
を備えた画像入出力装置。
【請求項2】
前記補正係数の表示面内分布は、前記表示面内強度分布と面内受光感度分布とを合わせた合成分布を反転させた分布であり、
前記補正手段は、各受光要素からの受光信号に、それぞれ対応する補正係数を乗ずる補正を行う
請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項3】
前記補正係数は、1.0以上である
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項4】
前記面内補正テーブルは、前記複数の受光要素を複数グループに分割してなるグループ毎に前記補正係数を対応付けて構成されたものである
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項5】
前記補正係数は、前記表示面に対向させて基準反射板を配置した状態で前記表示面を一様に光らせたときに各受光要素から得られる受光信号を前記グループごとに平均して得られる各グループ平均値を、すべてのグループ平均値のうちの最大値によって正規化することにより得られる正規化値の逆数である
請求項4に記載の画像入出力装置。
【請求項6】
前記面内補正テーブルは、受光要素毎に前記補正係数を対応付けて構成されたものである
請求項2に記載の画像入出力装置。
【請求項7】
前記補正係数は、前記表示面に対向させて基準反射板を配置した状態で前記表示面を一様に光らせたときに各受光要素から得られる受光信号の値を、すべての受光信号のうちの最大値によって正規化することにより得られる正規化値の逆数である
請求項6に記載の画像入出力装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記面内補正テーブルにおいて補正係数が対応付けられていない非対応受光要素について、補正係数が対応付けられている他の複数の受光要素における補正係数を用いて補間処理を行うことにより補間補正係数を求め、得られた補間補正係数を用いて前記非対応受光要素からの受光信号を補正する
請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項9】
表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を、前記表示面に沿って配列された複数の受光要素により受光し、
前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、
得られた補正係数用いて、各受光要素からの受光信号を補正し、
補正された受光信号から得られた撮像画像に基づいて、前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得る
画像入力方法。
【請求項10】
表示面から出射されて外部近接物体で反射された光を受光する複数の受光要素を前記表示面に沿って配列し、前記複数の受光要素からの受光信号により得られた撮像画像に基づいて前記外部近接物体の位置、形状および大きさのうちの少なくとも1つに関する情報を得るようにした画像入出力装置における前記表示面から出射される光の表示面内強度分布および前記複数の受光要素の面内受光感度分布の双方を合わせた合成分布を反転させた表示面内分布をもつ補正係数を求め、
得られた補正係数用いて、各受光要素からの受光信号を補正する
画像入出力装置の受光レベル補正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−15485(P2010−15485A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176685(P2008−176685)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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