説明

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

【課題】動画に含まれる複数の動画構成画像から特徴領域を検出するときの、検出精度を高めること。
【解決手段】画像処理装置は、動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、特徴領域が検出された動画構成画像である検出画像における特徴領域の位置に基づいて、検出画像の他の動画構成画像である非検出画像において特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測部と、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域検出部に特徴領域を検出させる特徴領域検出制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。本発明は、特に、画像を圧縮する画像処理装置および画像処理方法、並びに画像処理装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
動画像において検出された顔を含む画像ブロックのうち、目、口などを含む画像ブロックに対して、他の画像ブロックより多くの情報ビット数を割り当てて符号化する画像符号化装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2828977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によると、被写体の撮像状態によっては、顔、目、口などを含む画像ブロックを検出することができないフレームが発生する場合がある。このフレームにおいては、目、口などを含む画像ブロックに対して、他の画像ブロックより多くの情報ビット数を割り当てることができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、画像処理装置であって、動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、特徴領域が検出された動画構成画像である検出画像における特徴領域の位置に基づいて、検出画像の他の動画構成画像である非検出画像において特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測部と、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域検出部に特徴領域を検出させる特徴領域検出制御部とを備える。
【0005】
特徴領域検出制御部は、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域を特徴領域検出部に検出させ、非検出画像の予測領域以外の領域から、所定閾値を用いて、特徴領域を特徴領域検出部に検出させてよい。特徴領域予測部は、非検出画像より前にある複数の検出画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、非検出画像において予測領域を特定してよい。特徴領域予測部は、非検出画像より前にある検出画像、及び非検出画像より後にある検出画像のそれぞれにおける特徴領域の位置に基づいて、非検出画像において予測領域を特定してよい。動画における被写体の動きベクトルを取得する動きベクトル取得部をさらに備え、特徴領域予測部は、検出画像における特徴領域の位置および動きベクトルに基づいて、非検出画像において予測領域を特定してよい。
【0006】
動きベクトルを含む圧縮された動画を取得する圧縮動画取得部と、圧縮動画取得部によって取得された動画を伸張する圧縮動画伸張部とをさらに備え、特徴領域検出部は、圧縮動画伸張部によって伸張された動画に含まれる動画構成画像から、前記所定閾値を用いて、特徴領域を検出し、動きベクトル取得部は、圧縮動画取得部によって取得された動画に含まれる動きベクトルを取得し、特徴領域予測部は、検出画像における特徴領域の位置および動きベクトルに基づいて、圧縮動画伸張部によって伸張された動画に含まれる非検出画像において予測領域を特定してよい。
【0007】
圧縮動画取得部は、動きベクトルを含むMPEG動画を取得し、圧縮動画伸張部は、圧縮動画取得部によって取得されたMPEG動画を伸張し、特徴領域検出部は、圧縮動画伸張部によって伸張されたMPEG動画に含まれる動画構成画像から、前記所定閾値を用いて、特徴領域を検出し、動きベクトル取得部は、圧縮動画取得部によって取得されたMPEG動画に含まれる動きベクトルを取得してよい。検出画像および非検出画像のそれぞれを、特徴領域と、特徴領域以外の背景領域とに分割する画像分割部と、特徴領域の画像と背景領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する符号化部とをさらに備えてよい。検出画像および非検出画像において特定された特徴領域を包含する包含領域を特定する包含領域特定部と、検出画像および非検出画像のそれぞれにおける包含領域以外の領域の画素値を固定値化する固定値化部とをさらに備え、符号化部は、包含領域の画像と、包含領域以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で圧縮してよい。
【0008】
本発明の第2の形態によると、画像処理方法であって、動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出段階と、特徴領域が検出された動画構成画像である検出画像における特徴領域の位置に基づいて、検出画像の他の動画構成画像である非検出画像において特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測段階と、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域検出段階に特徴領域を検出させる特徴領域検出制御段階とを備える。
【0009】
本発明の第3の形態によると、画像を符号化する画像処理装置用のプログラムであって、画像処理装置を、動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出部、特徴領域が検出された動画構成画像である検出画像における特徴領域の位置に基づいて、検出画像の他の動画構成画像である非検出画像において特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測部、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域検出部に特徴領域を検出させる特徴領域検出制御部として機能させる。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、一実施形態に係る画像処理システム10の一例を示す。画像処理システム10は、特徴的な被写体の画質を高画質に保ちつつ画像のデータ量を低減することを目的とする。
【0013】
画像処理システム10は、監視対象空間150を撮像する複数の撮像装置100a−c(以下、撮像装置100と総称する。)、画像を処理する複数の画像処理装置120a−c(以下、画像処理装置120と総称する。)、画像処理装置170、通信ネットワーク110、および複数の表示装置180a−c(以下、表示装置180と総称する。)を備える。
【0014】
画像処理装置120aは、撮像装置100aに接続されている。また、画像処理装置120bは、撮像装置100bに接続されている。また、画像処理装置120cは、撮像装置100cに接続されている。なお、画像処理装置170および表示装置180は、監視対象空間150と異なる空間160に設けられている。
【0015】
以下に、撮像装置100a、画像処理装置120a、画像処理装置170、および表示装置180aの動作を説明する。撮像装置100aは、監視対象空間150を撮像して得られた撮像動画をMPEG符号化して撮像動画データを生成して、撮像装置100aが接続されている画像処理装置120aに出力する。
【0016】
画像処理装置120aは、撮像装置100aが生成した撮像動画データを取得する。画像処理装置120は、撮像装置100から取得した撮像動画データを復号して撮像動画を生成して、生成した撮像動画から人物130、車輌等の移動物体140等、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。そして、画像処理装置120aは、撮像動画から、特徴の種類のそれぞれについて特徴領域が他の領域より高画質な動画を生成することによって、複数の特徴領域動画を生成する。また、画像処理装置120aは、特徴領域以外の背景領域の動画であって、特徴領域動画より低画質な背景領域動画を生成する。
【0017】
そして、画像処理装置120aは、生成した複数の特徴領域動画および背景領域動画をそれぞれ符号化することによって複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを生成する。同時に、画像処理装置120aは、符号化して得られた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを互いに関連づけて、通信ネットワーク110を通じて画像処理装置170に送信する。
【0018】
画像処理装置170は、画像処理装置120aから受信した関連付けされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データをそれぞれ復号することによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画を取得する。そして、画像処理装置170は、複数の特徴領域動画および背景領域動画を合成することによって一の合成動画を生成して、生成した合成動画を表示装置180aに供給する。表示装置180aは、画像処理装置170から供給された動画を表示する。
【0019】
なお、撮像装置100bおよび撮像装置100cの機能および動作は、それぞれ画像処理装置120bおよび画像処理装置120cに撮像動画データを提供することを除いて、撮像装置100aの機能および動作と同様であるので、その説明を省略する。また、画像処理装置120bおよび画像処理装置120cの機能および動作は、それぞれ撮像装置100bおよび撮像装置100cから撮像動画データを取得することを除いて、画像処理装置120aの機能および動作と同様であってよい。よって、その説明を省略する。また、画像処理装置170は、撮像装置100bおよび撮像装置100cのそれぞれから受信した関連付けされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データをから、一の動画をそれぞれ生成して、それぞれ表示装置180bおよび表示装置180cに供給する。また、表示装置180bおよび表示装置180cは、画像処理装置170から供給されたそれぞれの動画を表示する。
【0020】
本実施形態の画像処理システム10を、例えば監視システムとして実際に適用した場合には、人物、移動物体等、監視対象として特徴的な被写体を高画質で残しことができる場合がある。そのうえ、動画のデータ量を低下することができる場合がある。
【0021】
図2は、画像処理装置120のブロック構成の一例を示す。画像処理装置120は、圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、画像分割部204、および画像生成部205を有する。また、画像処理装置120は、動きベクトル取得部251、特徴領域予測部271、特徴領域検出制御部272、包含領域特定ユニット260、固定値化ユニット210、低減化ユニット220、符号化ユニット230、対応付け処理部206、および出力部207を有する。
【0022】
包含領域特定ユニット260は、複数の包含領域特定部261a−261c(以下、包含領域特定部261と総称する。)を含む。固定値化ユニット210は、複数の固定値化部211a−211c(以下、固定値化部211と総称する。)を含む。低減化ユニット220は、複数の画質低減部221a−d(以下、画質低減部221と総称する。)を含む。
【0023】
符号化ユニット230は、背景領域動画符号化部231aおよび複数の特徴領域動画符号化部231b−d(以下、特徴領域動画符号化部231と総称する。)を含む。なお、背景領域動画符号化部231aおよび特徴領域動画符号化部231b−dを総称して、符号化部231と呼ぶ場合がある。
【0024】
なお、画質低減部221aおよび背景領域動画符号化部231aは、圧縮部240aとして機能する。また、画質低減部221bおよび背景領域動画符号化部231bは、圧縮部240bとして機能する。同様に、画質低減部221cおよび背景領域動画符号化部231cは圧縮部240cとして機能する。画質低減部221dおよび背景領域動画符号化部231dは圧縮部240dとして機能する。なお、複数の圧縮部240a−dを、圧縮部240と総称する。
【0025】
圧縮動画取得部201は、圧縮された動画を取得する。具体的には、圧縮動画取得部201は、撮像装置100が生成した、符号化された撮像動画データを取得する。例えば、圧縮動画取得部201は、動きベクトルを含むMPEG動画を取得する。圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した動画を復元して、動画に含まれる複数の動画構成画像を生成する。
【0026】
具体的には、圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した撮像動画データを復号して、動画に含まれる複数の動画構成画像を生成する。例えば、圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201によって取得されたMPEG動画を伸張する。なお、動画構成画像はフレーム画像およびフィールド画像を含む。また、圧縮された動画は、当該動画における被写体の動きベクトルを含む。
【0027】
特徴領域検出部203は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴領域を検出する。具体的には、特徴領域検出部203は、画像である動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。また、特徴領域検出部203は、所定閾値を用いて、圧縮動画伸張部202によって伸張された動画に含まれる動画構成画像から、特徴領域を検出する。例えば、特徴領域検出部203は、圧縮動画伸張部202によって伸張されたMPEG動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する。
【0028】
ここで、特徴領域検出部203は、閾値を特徴領域を検出するときの基準値として用いる。特徴領域検出部203は、閾値が低くなることにより、動画構成画像から特徴領域を検出しやすくなる。例えば、閾値に、予め定められた被写体に関する形状または色のパターンに対する一致度を用いてよい。
【0029】
この場合、予め定められた被写体を、人物、顔、自動車、ナンバープレートとしているが、これらに限らない。また、閾値を変更する変わりに、動画構成画像の輝度を変更してよい。特徴領域検出部203は、動画構成画像の輝度が高くなることにより、動画構成画像から、特徴領域を検出しやすくなる。
【0030】
動きベクトル取得部251は、動画における被写体の動きベクトルを取得する。具体的には、動きベクトル取得部251は、圧縮動画取得部201によって取得された動画(撮像動画データ)に含まれる動きベクトルを取得する。より具体的には、動きベクトル取得部251は、圧縮動画取得部201によって取得されたMPEG動画に含まれる動きベクトルを取得する。なお、動きベクトル取得部251が、圧縮動画取得部201によって取得された動画から動きベクトルを取得できない場合、動きベクトル取得部251は、圧縮動画伸張部202によって伸張された動画に含まれる複数の動画構成画像に基づいて、当該動画の動きベクトルを算出してもよい。
【0031】
特徴領域予測部271は、特徴領域が検出された動画構成画像である検出画像における特徴領域の位置に基づいて、検出画像の他の動画構成画像である非検出画像において特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する。具体的には、特徴領域予測部271は、検出画像における特徴領域の位置、および動きベクトル取得部251によって取得された動きベクトルに基づいて、非検出画像において予測領域を特定する。
【0032】
より具体的には、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の前にある一つまたは複数の検出画像における特徴領域の位置、および動きベクトル取得部251によって取得された動きベクトルに基づいて、非検出画像において予測領域を特定する。また、特徴領域予測部271は、圧縮動画伸張部202によって伸張された動画に含まれる検出画像における特徴領域の位置、および動きベクトル取得部251によって取得された動きベクトルに基づいて、圧縮動画伸張部によって伸張された動画に含まれる非検出画像において予測領域を特定する。
【0033】
なお、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の後ろにある一つまたは複数の検出画像の特徴領域の位置、および動きベクトル取得部251によって取得された動きベクトルに基づいて、非検出画像において予測領域を特定してもよい。また、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の前後にある検出画像の特徴領域の位置、および動きベクトル取得部251によって取得された動きベクトルに基づいて、非検出画像において予測領域を特定してもよい。
【0034】
また、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の前にある一つまたは複数の検出画像の特徴領域の位置に基づいて、線形補間により、非検出画像において予測領域を特定してもよい。また、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の後ろにある一つまたは複数の検出画像における特徴領域の位置に基づいて、線形補間により、非検出画像において予測領域を特定してもよい。また、特徴領域予測部271は、非検出画像より時間軸方向の前後にある検出画像の特徴領域の位置に基づいて、線形補間により、非検出画像において予測領域を特定してもよい。
【0035】
特徴領域検出制御部272は、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域検出部に特徴領域を検出させる。これにより、特徴領域検出部203は、非検出画像の予測領域から、特徴領域を検出しやすくなる。また、特徴領域検出制御部272は、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域を特徴領域検出部に検出させるとともに、非検出画像の予測領域以外の領域から、所定閾値を用いて、特徴領域を特徴領域検出部に検出させる。なお、特徴領域検出制御部272は、非検出画像の予測領域から、所定閾値よりも低い閾値を用いて、特徴領域を特徴領域検出部に検出させるとともに、非検出画像の予測領域以外の領域からは、特徴領域を特徴領域検出部に検出させないようにしてもよい。
【0036】
画像分割部204は、複数の動画構成画像のそれぞれを、特徴領域と背景領域とに分割する。具体的には、画像分割部204は、複数の動画構成画像のそれぞれを、複数の特徴領域のそれぞれと、複数の特徴領域以外の背景領域とに分割する。
【0037】
画像生成部205は、特徴領域動画を圧縮するための特徴領域圧縮用動画および背景領域動画を圧縮するための背景領域圧縮用動画を生成する。具体的には、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、特徴領域画像を抽出した後に、抽出された特徴領域画像を複製することにより、特徴領域圧縮用動画を生成する。より具体的には、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、複数種類の特徴領域画像を抽出することにより、複数の特徴領域圧縮用動画を生成する。また、画像生成部205は、動画に含まれる複数の動画構成画像から、背景領域画像を抽出した後に、抽出された背景領域画像を複製することにより、背景領域圧縮用動画を生成する。
【0038】
包含領域特定部261は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおいて、複数の特徴領域を包含する包含領域を特定する。具体的には、包含領域特定部261は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおいて、複数の前記特徴領域を包含する、マクロブロックの集合領域を、包含領域として特定する。
【0039】
そして、固定値化部211は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれにおける、複数の動画構成画像のそれぞれにおいて、包含領域特定部261によって特定された包含領域以外の領域の画素値を固定値化する。例えば、固定値化部211は、包含領域以外の領域の画素値を所定の値(例えば、輝度値0)に設定する。
【0040】
そして、圧縮部240は、包含領域以外の領域の画素値が固定値化された動画構成画像を複数含む、複数の特徴領域圧縮用画像のそれぞれを、それぞれの特徴量に応じた強度で圧縮する。また、圧縮部240は、複数の特徴領域圧縮用画像のそれぞれに対して、包含領域の画像と、包含領域画像以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する。
【0041】
このように、圧縮部240は、複数の特徴領域圧縮用動画のそれぞれと、背景領域圧縮用動画とを、それぞれの特徴量に応じた強度で圧縮する。なお、特徴量とは、被写体の種類、被写体の大きさ、移動物体が移動する移動速さ、および特徴領域の大きさを含む。
【0042】
以上説明したように、特徴領域検出部203は、画像から特徴領域を検出する。そして、画像分割部204は、画像を、特徴領域と、特徴領域以外の背景領域とに分割する。そして、圧縮部240は、特徴領域の画像である特徴領域画像と背景領域の画像である背景領域画像とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。そして、圧縮部240は、特徴領域画像を複数含む特徴領域動画と背景領域画像を複数含む背景領域動画とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。
【0043】
なお、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dには、いずれの種類の特徴領域動画を圧縮すべきかが予め定められており、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dは予め定められた特徴の種類の特徴領域動画を圧縮する。なお、特徴領域動画を圧縮する場合の圧縮強度は、複数の特徴の種類ごとに予め定められており、圧縮部240b、圧縮部240c、および圧縮部240dは、予め定められた特徴の種類の特徴領域動画を、当該特徴の種類に予め定められた圧縮強度で圧縮する。このように、圧縮部240は、画像分割部204によって分割された画像領域ごとに設けられた圧縮器を用いて、複数の領域を並行して圧縮する。
【0044】
なお、圧縮部240は、一つの圧縮器によって実装されてよく、複数の特徴領域動画および背景領域動画を時間的に順次圧縮してもよい。他にも、圧縮部240は、圧縮動画伸張部202によって復号された撮像動画を、画像分割部204が分割した領域ごとに、各領域の特徴の種類および背景のそれぞれに対して予め定められた圧縮率で圧縮することによって、一の動画データを生成してよい。
【0045】
圧縮部240における画質低減部221は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じて画質を低減することにより圧縮する。より具体的には、画質低減部221は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じて解像度またはフレームレートを低減することにより圧縮する。
【0046】
圧縮部240における符号化部231は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じた設定値を用いて符号化することにより圧縮する。例えば、符号化部231は、複数の特徴領域動画と背景領域動画とを、それぞれの特徴量に応じた割り当て符号量を用いて符号化することにより圧縮する。
【0047】
対応付け処理部206は、複数の圧縮部240が複数の特徴領域動画および背景領域動画を圧縮することによって生成した複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを、例えばタグ情報等を付帯する等して互いに対応づける。出力部207は、対応付け処理部206が対応づけた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを通信ネットワーク110に送出する。
【0048】
図3は、画像処理装置170のブロック構成の一例を示す。画像処理装置170は、圧縮動画取得部301、対応付け解析部302、圧縮動画伸張ユニット310、合成部303、および出力部304を有する。圧縮動画伸張ユニット310は、複数の圧縮動画伸張部311a−d(以下、圧縮動画伸張部311と総称する。)を含む。
【0049】
圧縮動画取得部301は、出力部207が出力した、対応づけられた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取得する。対応付け解析部302は、例えば付帯されたタグ情報を解析して、圧縮動画取得部301が取得した対応づけられた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取り出す。
【0050】
圧縮動画伸張部311は、複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを復号する。具体的には、圧縮動画伸張部311aは背景領域動画データを復号する。また、圧縮動画伸張部311b−dは、複数の特徴領域動画データのうち、一の特徴領域動画を復号して、複数の特徴領域動画および背景領域動画を取得する。なお、圧縮動画伸張部311b−dは、特徴の種類ごとに設けられ、それぞれ、いずれかの種類の特徴領域動画データを復号する。
【0051】
合成部303は、圧縮動画伸張部311が復号することによって得られた動画構成画像を合成する。具体的には、合成部303は、圧縮動画伸張部311b−dにより復号された複数の特徴領域動画のそれぞれが含む動画構成画像の特徴領域の画像を、背景領域動画が含む動画構成画像に重ね合わせた動画構成画像を生成する。出力部304は、合成部303が生成した複数の動画構成画像を含む動画を、表示装置180に供給する。
【0052】
なお、本実施形態の圧縮動画伸張ユニット310は、特徴の種類の数に応じた複数の圧縮動画伸張部311を含むが、他の形態では、圧縮動画伸張ユニット310が含む一の圧縮動画伸張部311が、背景領域動画データおよび複数の特徴領域動画データを順次復号してもよい。また、画像処理装置120から一の動画データとして提供される場合には、一の圧縮動画伸張部311が当該一の動画データを復号して、復号した得られた動画を出力部304が出力してもよい。
【0053】
図4は、画像処理装置120の処理フローの一例を示す。圧縮動画取得部201が撮像動画データを取得(401)。圧縮動画伸張部202は、撮像動画データを復号することによって複数のフレーム画像410を生成する。特徴領域検出部203は、フレーム画像410の画像内容又は複数のフレーム画像410の画像内容に基づいて、特徴領域の一例であるROI(Region of interest)を検出する(402)。
【0054】
特徴領域検出部203は、人物の顔、人体、および移動物体を含む領域を、異なる種類のROIとして検出する。例えば、特徴領域検出部203は、予め定められた人物の顔に関するパターンに対する一致度が、予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む領域をパターンマッチング等により検出して、検出した顔領域をROIとする。また、特徴領域検出部203は、人物の体に関するパターンに対する一致度が予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む人体領域をパターンマッチング等により検出して、検出した領域をROIとする。なお、特徴領域検出部203は、顔領域の近傍に存在する領域から人体領域を検出してもよい。
【0055】
また、特徴領域検出部203は、複数のフレーム画像の画像内容に基づいて、移動物体を含む領域である動領域を特定する。例えば、他のフレーム画像との間で画素値の変化量が予め定められた変化量より大きい領域を、動領域として特定する。他にも、特徴領域検出部203は、エッジ抽出等により複数のフレーム画像のそれぞれに含まれるオブジェクトを抽出する。そして、特徴領域検出部203は、他のフレーム画像の異なる位置に含まれるオブジェクトであって、予め定められた一致度より大きい一致度で一致するオブジェクトを特定して、特定したオブジェクトを含む領域を動領域として特定してもよい。
【0056】
このように、特徴領域検出部203は、予め定められた画像内容に関する条件に適合する領域を、ROIとして検出する。より具体的には、特徴領域検出部203は、予め定められた条件に適合するオブジェクトを含む領域を、ROIとして検出する。例えば、特徴領域検出部203は、予め定められた形状との間の一致度が予め定められた一致度より大きいオブジェクトを含む領域を、ROIとして検出する。また、特徴領域検出部203は、画像の変化量が予め定められた変化量より大きい領域を、ROIとして検出する。例えば、他のフレーム画像との間で画素値の変化量が予め定められた変化量より大きい領域をROIとして検出する。
【0057】
そして、画像処理装置120は、検出されたROIに基づいて圧縮用動画を生成する(403)。具体的には、画像分割部204は、フレーム画像をROIとそれ以外の領域に分割する。そして、画像生成部205は、複数のフレーム画像410を複製することによって、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450と、背景領域動画420とを生成する。具体的には、画像生成部205は、複数のフレーム画像410を複製することによって、顔領域用の特徴領域動画450、人領域用の特徴領域動画440、動領域用の特徴領域動画430、および背景領域用の背景領域動画420を生成する。
【0058】
そして、画像処理装置120は、固定値化部211および画質低減部221により、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450と、背景領域動画420とに対して、画質を低減する(404a、404b、404c、404d)。具体的には、固定値化部211は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像において、画像分割部204が分割したROI内の画素値は変化させず、ROI以外の領域に対する画素値を所定の値(例えば、輝度値0)にする。なお、固定値化部211は、ROI以外の領域の画素値を、当該ROIに近傍する領域の画素値の平均的な画素値にしてよい。
【0059】
このように、画像生成部205および固定値化部211により、同じ視野角の複数のフレーム画像をそれぞれ含む特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450および背景領域動画420が生成される。なお、後に詳しく説明するように、画像処理装置170は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のようなROI以外の領域が固定値化されている動画を、背景領域動画420に重ね合わせた動画を生成する。したがって、背景領域動画420、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450は、それぞれ背景レイヤー、動領域レイヤー、人領域レイヤー、および顔領域レイヤーとみなすことができる。
【0060】
また、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像におけるROI内の画像の画質を、特徴の種類に応じて低減する。具体的には、顔領域、人領域、および動領域のそれぞれの画質を定めるパラメータとして、解像度、階調数、および色数の少なくとも1つが予め定められている。例えば、顔領域、人領域、動領域の順に高い解像度が予め定められている。
【0061】
そして、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のそれぞれが含むフレーム画像におけるROI内の画像の画質を、特徴の種類に対して予め定められた解像度、階調数、および色数の画像に変換する。また、画質低減部221は、背景領域動画のフレーム画像の画質を、ROI内の画像の画質より低くする。例えば、画質低減部221は、背景領域動画のフレーム画像の解像度を、ROI内の画像のより小さくする。
【0062】
また、画質低減部221は、背景領域動画420、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のフレームレートを低減する。例えば、特徴の種類ごとに、例えば顔領域、人領域、および動領域ごとに、予めフレームレートが定められている。そして、画質低減部221は、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450に含まれるフレーム画像を、特徴の種類に応じて予め定められたフレームレートに従って所定の間隔で間引くことによって、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450のフレームレートを低減する。また、画質低減部221は、背景領域動画420に含まれるフレーム画像を、背景領域動画のフレームレートとして予め定められたフレームレートに従って間引くことによって、背景領域動画420のフレームレートを低減する。
【0063】
なお、画質低減部221aは、背景領域動画420の画質を低減する。また、画質低減部221b、画質低減部221c、および画質低減部221dは、それぞれ特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450の画質を低減する。
【0064】
そして、背景領域動画符号化部231a、および領域動画符号化部231b−dは、画質低減部221により画質が低減された動画をそれぞれ符号化する(405a、405b、405c、405d)。例えば、背景領域動画符号化部231a、および領域動画符号化部231b−dは、画質低減部221により画質が低減された動画をそれぞれMPEG符号化する。
【0065】
例えば、背景領域動画符号化部231aは、背景領域動画用の符号化設定で背景領域動画をMPEG符号化する。特徴領域動画符号化部231b、特徴領域動画符号化部231c、および特徴領域動画符号化部231dは、それぞれ動領域、人領域、および顔領域のそれぞれの特徴領域動画用の符号化設定で、特徴領域動画をそれぞれMPEG符号化する。なお、符号化設定は、例えばMPEG符号化における量子化テーブルを設定することを含む。なお、符号化設定については図5に関連して説明する。
【0066】
そして、対応付け処理部206は、背景領域動画符号化部231aおよび特徴領域動画符号化部231b−dが符号化することによって得られた背景領域動画データおよび複数の特徴領域動画データにタグ情報を付帯する等して関連付けして、出力部207が表示装置180に出力する(406)。このとき、対応付け処理部206は、背景領域動画および複数の特徴領域動画のそれぞれが含むフレーム画像の表示タイミングを示す情報を含むタイミング情報(例えば、タイムスタンプ)を、タグ情報等に付加してよい。また、対応付け処理部206は、複数の特徴領域の範囲をそれぞれ示す情報を含む特徴領域情報、背景領域動画および複数の特徴領域動画の元となった撮像動画データを撮像した撮像装置100を識別する識別情報等を、タグ情報等に付加してよい。
【0067】
以上説明したように、特徴領域検出部203は、画像である動画に含まれる複数の動画構成画像から、被写体の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。そして、圧縮部240は、複数の特徴領域動画を、それぞれの被写体の種類に応じた強度で圧縮する。なお、本実施形態では、被写体の種類の一例として人物の顔および人体領域について説明したが、他の例では、自動車のナンバープレートおよびナンバープレート以外の車体を被写体の種類としてよい。
【0068】
また、人物の正面の顔および横顔を被写体の種類としてもよい。また、静止している被写体および動いている被写体を被写体の種類としてもよい。また、特徴領域検出部203は、撮像装置100から被写体までの距離が異なる複数の被写体を含む領域を、特徴の種類が異なる複数の特徴領域として検出してもよい。
【0069】
なお、圧縮部240は、特徴の種類の一例である、動き領域、人体、人物の横顔、人物の正面の顔がに大きい圧縮強度で圧縮してよい。なお、本実施形態では、画像処理システム10を監視システムとして利用する利用目的を鑑みて、人物の顔を含む領域をROIとして検出して、検出したROIをROI以外の領域より高画質にするとした。しかしながら、画像処理システム10を、例えば街角の風景を撮像するシステムとして利用することもできる。このような形態で画像処理システム10を利用する場合には、個人情報を保護することを目的として、人物の顔を含む領域をROIとして検出して、検出したROIをROI以外の領域より低画質にしてもよい。例えば圧縮部240は、人物の正面の顔、人物の横顔、人体、動き領域、背景領域の順に大きい圧縮強度で、特徴領域動画および背景領域動画を圧縮してよい。
【0070】
その他にも、特徴領域検出部203は、複数のフレーム画像から、被写体の速度が異なる複数の特徴領域を検出してもよい。この場合、画質低減部221は、特徴領域動画を、被検体の速度がより速いほど、より高いフレームレートの動画に変換してもよい。このように、圧縮部240は、複数の特徴領域動画を、それぞれの被写体の速度に応じた強度で圧縮してよい。
【0071】
以上説明したように、画像処理装置120は、特徴領域動画に含まれるフレーム画像におけるROI以外の領域を固定値化して、視野角が同じ複数の特徴領域動画および背景領域動画を生成する。このため、画像処理装置120によると、特別に設計された符号化器を使用することなく、汎用の符号化器を使用して特徴領域動画を高い圧縮率で圧縮することができる場合がある。例えば、MPEG符号化等のように動きベクトルを用いて特徴領域動画を符号化すると、固定値化した領域中のマクロブロックについては画素値の差分値が0になる場合が多くなる。したがって、このような固定値化により、圧縮率を高く維持しながら画像処理装置120の製造コストを低減することができる場合がある。
【0072】
以上の説明では、圧縮部240は、ROI領域以外の領域が固定値化されたフレーム画像を含む特徴領域動画を圧縮することとした。なお、圧縮部240は、特徴領域動画に含まれるフレーム画像におけるROI内の画像を切り出して圧縮して特徴領域動画として出力してもよい。
【0073】
なお、特徴領域検出部203がROIを検出していない場合には、出力部207は、圧縮部240aが出力する背景領域動画データを画像処理装置170に出力する。この場合、画像生成部205は特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450を生成しなくてよい。そして、画像生成部205は、特徴領域検出部203がROIを検出したことを条件として、特徴領域動画430、特徴領域動画440、および特徴領域動画450を生成して、出力部207は上記の処理によって生成された複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを画像処理装置170に出力する。この間、圧縮部240aは、背景領域動画420を圧縮すべく予め定められた背景領域用圧縮率で背景領域動画420を圧縮しつづけてよい。
【0074】
その他にも、特徴領域検出部203がROIを検出していない間には、圧縮部240は、背景領域用圧縮率より低く、かつ、特徴領域動画を圧縮する圧縮率より高い、予め定められたROI非検出期間圧縮率で、背景領域動画を圧縮してよい。そして、圧縮部240は、特徴領域検出部203がROIを検出したことを条件として、背景領域動画を背景領域用圧縮率で圧縮してよい。このとき、圧縮部240は、特徴領域動画をROI非検出期間圧縮率より低い圧縮率で圧縮してよい。
【0075】
なお、圧縮部240は、特徴領域検出部203がROIを検出してから予め定められた期間の背景領域動画をROI非検出期間圧縮率で圧縮するとともに、予め定められた期間より長い期間が経過したことを条件として、背景領域動画を背景領域用圧縮率で圧縮してよい。こうすると、本来ROIとして検出されるべき領域がROIとして検出されなかった場合でも、ある程度の画質の背景領域動画を提供することができる場合がある。また、圧縮部240は、特徴領域検出部203が検出した複数のフレーム画像におけるROI領域の位置から推定される他のフレーム画像におけるROI領域を含む領域の画質を、他の領域の画質より高い画質にすべく、圧縮率を領域ごとに異ならせてもよい。
【0076】
図5は、複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質の一例を示す。ここでは、説明を簡単にすることを目的として、圧縮動画取得部201が取得した撮像動画データのフレームレートが16fpsであり、当該撮像動画データに含まれるフレーム画像の解像度が72dpiであるとする。
【0077】
撮像動画に含まれるフレーム画像410の解像度に対する画質低減後の背景領域動画420に含まれるフレーム画像の解像度の比率を示す解像度比率は予め1/8と定められている。画質低減部221は、画像生成部205によって撮像動画が複製されることによって生成された画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像に対して1/8の解像度である9dpiのフレーム画像を、画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像の画素を間引くことによって生成する。また、撮像動画のフレームレートに対する画質低減後の背景領域動画420のフレームレートの比率を示すフレームレート比率は予め1/8と定められている。画質低減部221は、画質低減前の背景領域動画420のフレームレートの1/8のフレームレートである2fpsのフレームレートの背景領域動画420を、画質低減前の背景領域動画420に含まれるフレーム画像を間引くことによって生成する。
【0078】
同様に、複数の特徴領域動画のそれぞれに対しても、解像度比率およびフレームレート比率が定められている。例えば、特徴領域動画430については解像度比率およびフレームレート比率は1/4が定められており、特徴領域動画440については解像度比率およびフレームレート比率として1/2が定められており、特徴領域動画450については解像度比率およびフレームレート比率として1/1が定められている。これにより、画質低減部221bは、フレームレートが4fps、フレーム画像の解像度が18dpiの特徴領域動画430を生成する。また、画質低減部221cは、フレームレートが8fps、フレーム画像の解像度が36dpiの特徴領域動画440を生成する。また、画質低減部221dは、フレームレートが16fps、フレーム画像の解像度が72dpiの特徴領域動画450を生成する。
【0079】
なお、上記の例では、画質低減部221が複数の特徴領域動画および背景領域動画に含まれるフレーム画像の画素を間引くことによってフレーム画像の画質を低減する場合を例に挙げて説明した。その他にも、画質低減部221は、例えばローパスフィルタ等の、所定の周波数領域を通過するフィルタを用いてフレーム画像の画質を低減してもよい。この場合、フィルタが通過する周波数帯域および通過する度合いを示す強度は、特徴の種類ごと、例えば背景領域、動領域、人領域、および顔領域ごとに予め定められてよい。
【0080】
なお、画質低減部221による画質低減に加えて、又は画質低減部221による画質低減に替えて、符号化部231がフレーム画像の画質を低減してもよい。例えば、符号化部231が、MPEG符号化における量子化テーブルの値を大きくすることによって、画質を低減することができる。量子化テーブルの値の大きさは、特徴の種類ごとに予め定められてよい。例えば、背景領域動画符号化部231aおよび複数の特徴領域動画符号化部231b−dのそれぞれが、予め設定された値を持つ量子化テーブルを用いて符号化してよい。また、量子化テーブルにおける周波数成分ごとの値が特徴の種類ごとに予め定められていてよい。
【0081】
また、画質低減部221はさらに、背景領域動画に含まれる複数のフレーム画像を平均化してもよい。これによれば、移動物体を示すオブジェクトがフレーム画像に含まれている場合に、移動物体のオブジェクトが平均化されたフレーム画像が得られる。そして、このような複数のフレーム画像を連続表示させると、移動物体の動きが閲覧者の目に滑らかに映る場合がある。
【0082】
なお、以上の説明では、画像生成部205が撮像動画を複製してから、複製して得られた複数の特徴領域動画および背景領域動画に含まれるフレーム画像を間引いたり、画素を間引いたりすることによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画を圧縮する形態について説明した。その他にも、画像生成部205は、撮像動画に含まれる複数のフレーム画像をフレームレート比率に従って間引いて選択することによって、フレームレートが低減された複数の特徴領域動画および背景領域動画を生成してもよい。その後に、固定値化部211aが固定値化して、画質低減部221が解像度を低減することによって、複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質を低減してよい。
【0083】
図6は、画像処理装置170の処理フローの一例を示す。圧縮動画取得部301は、画像処理装置120から、対応づけされた複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを取得して、付帯されたタグ情報によりタイミング情報、撮像装置100を識別する情報等を取得する(601)。そして、圧縮動画伸張部311は、それぞれ複数の特徴領域動画データおよび背景領域動画データを復号することにより、背景レイヤーを示す背景領域動画610を生成する。(602a)同時に、圧縮動画伸張部311は、動領域レイヤーを示す特徴領域動画620、人領域レイヤーを示す特徴領域動画630、および顔領域レイヤーを示す特徴領域動画640を生成する(602b、602c、および602d)。
【0084】
合成部303は、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640に含まれるフレーム画像を合成する(603)。このとき、合成部303は、背景領域動画および複数の特徴領域動画のそれぞれに含まれるフレーム画像の解像度に応じて、最大の解像度を有するフレーム画像と同じ位置の被写体が重ね合うようフレーム画像を拡大して、拡大したフレーム画像を重ね合わせて合成フレーム画像を生成する。
【0085】
このとき、合成部303は、特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640に含まれるフレーム画像における特徴領域の画像を切り出して、背景領域動画610に含まれるフレーム画像に上書きすることによって合成フレーム画像を生成する。また、合成部303は、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640のフレームレートが異なる場合には、背景領域動画610並びに特徴領域動画620、特徴領域動画630、および特徴領域動画640の最新のフレーム画像を合成する。
【0086】
これにより、合成部303は、合成フレーム画像を生成する。合成部303は、複数の合成フレーム画像を含む合成動画650を生成する。そして、出力部304は、圧縮動画取得部301が取得したタグ情報等に基づいて、合成動画を表示させる表示装置180を選択して、選択した表示装置180に合成動画を供給する(604)。
【0087】
図7は、複数の動画構成画像において特徴領域を特定する方法の一例を示す。図7において、上段に示す動画700は、特徴領域予測部271によって非検出画像における予測領域が特定された状態の動画を示す。一方、下段に示す動画700は、特徴領域検出部203によって非検出画像における特徴領域が検出された状態の動画を示す。また、動画700は、連続している動画構成画像701−705を含んでいる。
【0088】
動画700に含まれる動画構成画像のうち、動画構成画像701および動画構成画像702は、特徴領域検出部203によって、所定閾値を用いて、特徴領域が検出された検出画像を示す。また、動画700に含まれる動画構成画像のうち、動画構成画像703、動画構成画像704、および動画構成画像705は、特徴領域検出部203によって、所定閾値を用いて、特徴領域が検出されなかった検出画像を示す。
【0089】
図7の上段に示すように、特徴領域検出部203は、所定閾値を用いて、動画構成画像701から特徴領域701aを検出しており、動画構成画像702から特徴領域702aを検出している。一方、特徴領域検出部203は、所定閾値を用いて、動画構成画像703、動画構成画像704、および動画構成画像705からは特徴領域を検出していない。そのかわり、特徴領域予測部271が、動画構成画像703において予測領域703aを特定している。また、特徴領域予測部271が、動画構成画像704において予測領域704aを特定している。そして、特徴領域予測部271が、動画構成画像705において予測領域705aを特定している。
【0090】
その後、特徴領域検出制御部272に制御された特徴領域検出部203が、所定閾値より低い閾値を用いて、動画構成画像703における予測領域703aから特徴領域703bを検出している。同様に、特徴領域検出部203が、所定閾値より低い閾値を用いて、動画構成画像704における予測領域704aから特徴領域704bを検出している。同様に、特徴領域検出部203が、所定閾値より低い閾値を用いて、動画構成画像705における予測領域705aから特徴領域705bを検出している。これにより、特徴領域検出部203は、図7の下段に示すように、動画構成画像701−705のそれぞれにおける特徴領域を特定したこととなる。
【0091】
特徴領域予測部271は、特徴領域701aの位置および特徴領域702aの位置に基づいて、動画700の動きベクトルを用いて、予測領域703a、予測領域704a、および予測領域705aを特定している。なお、特徴領域予測部271は、特徴領域701aの位置および特徴領域702aの位置に基づいて、線形補間により、予測領域703a、予測領域704a、および予測領域705aを特定してもよい。
【0092】
このように、本実施形態の画像処理装置120は、検出画像に対しては、特徴領域検出部203が、所定閾値を用いて、特徴領域を検出している。一方、本実施形態の画像処理装置120は、非検出画像に対しては、特徴領域予測部271が予測領域を特定した後に、特徴領域検出部203が、所定閾値よりも低い閾値を用いて、予測領域から特徴領域を検出している。これにより、本実施形態の画像処理装置120を、実際の監視システムに適用した場合には、非検出画像において予測領域から特徴領域を検出しやすくなることから、特徴領域検出部203が特徴領域を検出するときの検出精度の高めることができる場合がある。また、非検出画像において特徴領域の検出対象とする領域を絞り込むことができることから、特徴領域検出部203が特徴領域を検出するときの処理時間を短縮することができる場合がある。
【0093】
図8は、包含領域以外の領域を固定値化する方法の一例を示す。図8において、動画800は、包含領域特定部261によって包含領域が特定され、固定値化部211によって包含領域以外の領域が固定値化された動画を示す。また、動画800は、連続する動画構成画像801−805を含んでいる。
【0094】
動画構成画像801−805のそれぞれにおいて、包含領域810は、包含領域特定部261によって特定された、動画構成画像801−805のそれぞれの特徴領域を包含する領域を示す。動画構成画像801−805のそれぞれの特徴領域のうち、動画構成画像801の特徴領域および動画構成画像802の特徴領域は、特徴領域検出部203により、所定閾値を用いて検出されている。また、動画構成画像803の特徴領域、動画構成画像804の特徴領域、および動画構成画像805の特徴領域は、特徴領域検出部203は、特徴領域検出部203により、所定閾値よりも低い閾値を用いて検出されている。
【0095】
また、動画構成画像801−805のそれぞれにおいて、包含領域810以外の領域は、固定値化部211によって、画素値が「0」に固定値化されている。このように、本実施形態の画像処理装置120は、複数の動画構成画像の特徴領域を包含する包含領域を特定した後に、包含領域以外の領域を固定値化する。これにより、本実施形態の画像処理装置120を、実際の監視システムに適用した場合には、動画構成画像間における包含領域以外の領域における画素値の差分量を少なくすることができ、結果的に、動画構成画像間における差分データの圧縮率を高めることができる場合がある。
【0096】
図9は、画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェア構成の一例を示す。画像処理装置120および画像処理装置170は、CPU周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、および表示デバイス1580を有する。入出力部は、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、およびCD−ROMドライブ1560を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570を有する。
【0097】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、およびグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、およびRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示デバイス1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0098】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、およびデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、および通信インターフェイス1530に提供する。
【0099】
入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、放射線撮像システムが起動時に実行するブート・プログラム、あるいは放射線撮像システムのハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、および通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0100】
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。
【0101】
CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図9に関連して説明した圧縮動画取得部201、圧縮動画伸張部202、特徴領域検出部203、画像分割部204、および画像生成部205として機能させる。また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図9に関連して説明した固定値化部211、画質低減部221、符号化部231、対応付け処理部206、および出力部207として機能させる。
【0102】
また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図9に関連して説明した動きベクトル取得部251、特徴領域予測部271、特徴領域検出制御部272、および包含領域特定部261として機能させる。また、CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置170を、図1から図9に関連して説明した圧縮動画取得部301、対応付け解析部302、圧縮動画伸張部311、合成部303、および出力部304として機能させる。
【0103】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDまたはPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして画像処理装置120および画像処理装置170に提供してもよい。
【0104】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】一実施形態に係る画像処理システム10の一例を示す。
【図2】画像処理装置120のブロック構成の一例を示す。
【図3】画像処理装置170のブロック構成の一例を示す。
【図4】画像処理装置120の処理フローの一例を示す。
【図5】複数の特徴領域動画および背景領域動画の画質の一例を示す。
【図6】画像処理装置170の処理フローの一例を示す。
【図7】複数の動画構成画像において特徴領域を特定する方法の一例を示す。
【図8】包含領域以外の領域を固定値化する方法の一例を示す。
【図9】画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェア構成の一例を示す。
【符号の説明】
【0106】
10 画像処理システム
100 撮像装置
110 通信ネットワーク
120 画像処理装置
130 人物
140 移動物体
150 監視対象空間
160 空間
170 画像処理装置
180 表示装置
201 圧縮動画取得部
202 圧縮動画伸張部
203 特徴領域検出部
204 画像分割部
205 画像生成部
206 対応付け処理部
207 出力部
210 固定値化ユニット
211 固定値化部
220 低減化ユニット
221 画質低減部
230 符号化ユニット
231 符号化部
231a 背景領域動画符号化部
231b−d 特徴領域動画符号化部
240 圧縮部
251 動きベクトル取得部
271 特徴領域予測部
272 特徴領域検出制御部
260 包含領域特定ユニット
261 包含領域特定部
301 圧縮動画取得部
302 対応付け解析部
310 圧縮動画伸張ユニット
311 圧縮動画伸張部
303 合成部
304 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出部と、
前記特徴領域が検出された前記動画構成画像である検出画像における前記特徴領域の位置に基づいて、前記検出画像の他の前記動画構成画像である非検出画像において前記特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測部と、
前記非検出画像の前記予測領域から、前記所定閾値よりも低い閾値を用いて、前記特徴領域検出部に前記特徴領域を検出させる特徴領域検出制御部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記特徴領域検出制御部は、
前記非検出画像の前記予測領域から、前記所定閾値よりも低い閾値を用いて、前記特徴領域を前記特徴領域検出部に検出させ、
前記非検出画像の前記予測領域以外の領域から、前記所定閾値を用いて、前記特徴領域を前記特徴領域検出部に検出させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴領域予測部は、前記非検出画像より前にある複数の前記検出画像のそれぞれにおける前記特徴領域の位置に基づいて、前記非検出画像において前記予測領域を特定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記特徴領域予測部は、前記非検出画像より前にある前記検出画像、及び前記非検出画像より後にある前記検出画像のそれぞれにおける前記特徴領域の位置に基づいて、前記非検出画像において前記予測領域を特定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記動画における被写体の動きベクトルを取得する動きベクトル取得部をさらに備え、
前記特徴領域予測部は、前記検出画像における前記特徴領域の位置および前記動きベクトルに基づいて、前記非検出画像において前記予測領域を特定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記動きベクトルを含む圧縮された動画を取得する圧縮動画取得部と、
前記圧縮動画取得部によって取得された前記動画を伸張する圧縮動画伸張部と
をさらに備え、
前記特徴領域検出部は、前記圧縮動画伸張部によって伸張された前記動画に含まれる前記動画構成画像から、前記所定閾値を用いて、前記特徴領域を検出し、
前記動きベクトル取得部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記動画に含まれる前記動きベクトルを取得し、
前記特徴領域予測部は、前記検出画像における前記特徴領域の位置および前記動きベクトルに基づいて、前記圧縮動画伸張部によって伸張された前記動画に含まれる前記非検出画像において前記予測領域を特定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記圧縮動画取得部は、前記動きベクトルを含むMPEG動画を取得し、
前記圧縮動画伸張部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記MPEG動画を伸張し、
前記特徴領域検出部は、前記圧縮動画伸張部によって伸張された前記MPEG動画に含まれる前記動画構成画像から、前記所定閾値を用いて、前記特徴領域を検出し、
前記動きベクトル取得部は、前記圧縮動画取得部によって取得された前記MPEG動画に含まれる前記動きベクトルを取得する請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記検出画像および前記非検出画像のそれぞれを、前記特徴領域と、前記特徴領域以外の背景領域とに分割する画像分割部と、
前記特徴領域の画像と前記背景領域の画像とを、それぞれ異なる強度で符号化する符号化部と
をさらに備える請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記検出画像および前記非検出画像において特定された前記特徴領域を包含する包含領域を特定する包含領域特定部と、
前記検出画像および前記非検出画像のそれぞれにおける前記包含領域以外の領域の画素値を固定値化する固定値化部とをさらに備え、
前記符号化部は、前記包含領域の画像と、前記包含領域以外の領域の画像とを、それぞれ異なる強度で圧縮する請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出段階と、
前記特徴領域が検出された前記動画構成画像である検出画像における前記特徴領域の位置に基づいて、前記検出画像の他の前記動画構成画像である非検出画像において前記特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測段階と、
前記非検出画像の前記予測領域から、前記所定閾値よりも低い閾値を用いて、前記特徴領域検出段階に前記特徴領域を検出させる特徴領域検出制御段階と
を備える画像処理方法。
【請求項11】
画像を符号化する画像処理装置用のプログラムであって、前記画像処理装置を、
動画に含まれる動画構成画像から、所定閾値を用いて、特徴領域を検出する特徴領域検出部、
前記特徴領域が検出された前記動画構成画像である検出画像における前記特徴領域の位置に基づいて、前記検出画像の他の前記動画構成画像である非検出画像において前記特徴領域が検出されるべき領域である予測領域を特定する特徴領域予測部、
前記非検出画像の前記予測領域から、前記所定閾値よりも低い閾値を用いて、前記特徴領域検出部に前記特徴領域を検出させる特徴領域検出制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−27563(P2009−27563A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190151(P2007−190151)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】