画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】RGBGの4信号を3信号と1信号に分けることにより、3信号に対して3信号入力の色変換方式を用い、符号化方式を変形することなく、そのままの形で適用することにより、余分な回路やプログラムの実装を回避し、1信号に対しては効率的な予測手法を用いて符号化効率を向上させる。
【解決手段】CCD301の出力であるR、G1、B、G2信号を、R、G1、Bの3信号とG2の1信号に分け、3信号をYUV信号にカラー変換302した後、符号化して記憶装置306に格納する。予測値/差分値計算部303では、G2信号の予測値G^2を計算し、差分値D(G2−G^2)を計算し、Dをランレングス符号化して記憶装置306に格納する。
【解決手段】CCD301の出力であるR、G1、B、G2信号を、R、G1、Bの3信号とG2の1信号に分け、3信号をYUV信号にカラー変換302した後、符号化して記憶装置306に格納する。予測値/差分値計算部303では、G2信号の予測値G^2を計算し、差分値D(G2−G^2)を計算し、Dをランレングス符号化して記憶装置306に格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単板式のカラー撮像素子から得られる画素データ(RAWデータ)を可逆色変換し、可逆のデータ圧縮/伸長を行う画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関し、単板式のカラー撮像素子を用いたデジタルカメラにおけるカラー変換やデータ圧縮/伸長の技術分野などに好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の視覚システムは、色差信号よりも輝度信号の方を重視して処理するシステムであるので、非可逆符号化の際に、色差信号よりも輝度信号成分に多くの情報量を割り当てることで、効率よく符号化ができる。この輝度色差の色空間として、Y、Cb、Cr色座標系やY、I、Q色座標系がある。
【0003】
色空間は3次元以上のベクトル空間内の領域であり、何らかの基底、例えば3個の一次独立な3次元ベクトルで色座標系を定義する。一般に利用される色座標系はR(赤)、G(緑)、B(青)であり、それぞれ中心波長で定義される。3次元色座標系が与えられたとき、別の3次元線形色座標系を可逆の(正則の)3×3の行列により表すことができる。
例えば、Y、I、Q色座標系は、R、G、Bを用いて次の行列により定義される。
【0004】
【数1】
【0005】
なお、すべての色空間が線形であるわけではなく、例えば、人間の視覚系をより的確にモデル化するため、ベクトルを非線形的に(例えば対数的に)リスケールする色変換もある。その例がCIE L*u*vとL*a*bである。
【0006】
また、様々な理由により種々の色座標系が定義されている。例えば、データをモニターに表示する場合、殆どのデジタル画像は固定した値域、例えば8ビット/座標のR、G、B座標系を使うのが便利である。色の非相関性を要求する用途、例えば圧縮の場合、R、G、Bは最適とはいえず、上述のY、I、Qのような他の色座標系のほうが適している。
【0007】
印刷用の画像には、CYM(シアン、黄、マゼンタ)のような減色系が利用され、用途によっては4次元色空間、例えばCMYK(シアン、黄、マゼンタ、黒)が利用される。
【0008】
ところで、データ圧縮は、大量のデータの記憶及び伝送のために極めて有用なツールであり、文書のファクシミリ送信のような画像伝送に必要な時間は、符号化により画像を圧縮し、画像再生に必要なビット数を減らすと飛躍的に短縮される。
【0009】
従来、種々のデータ圧縮手法があり、その圧縮手法は大きく2つの種類、すなわち可逆符号化と非可逆符号化に分類できる。非可逆符号化は情報の損失をもたらす符号化を含むため、原データを完全に復元できる保証はない。非可逆符号化の目標とするところは、原データとの違いが目立たないようにすることである。可逆符号化では、全ての情報が保存され、データは完全に復元できるような方法で圧縮される。
【0010】
可逆符号化では、入力シンボル又は輝度データが出力符号語へ変換される。入力には画像データ、音声データ、一次元データ(例えば時間的に変化するデータ)、二次元データ(例えば2空間方向に変化するデータ)、あるいは多次元/多重スペクトルデータが含まれる。圧縮がうまくいけば、符号語は入力シンボル(又は輝度データ)数より少ないビットで表現される。可逆符号化法には、辞書符号化法(例えばLempel−Ziv符号化法)、ランレングス符号化法、算術符号化法、エントロピー符号化法が含まれる。
【0011】
可逆画像圧縮では、圧縮は予測又はコンテキスト及び符号化がベースになっている。ファクシミリ圧縮用JBIG規格と連続階調画像用DPCM(差動パルス符号変調−JPEG規格のオプション)は画像用の可逆圧縮の例である。非可逆圧縮では、入力シンボル又は輝度データは量子化されてから出力符号語へ変換される。量子化する目的は、適切な特徴量を保存する一方で重要度の低いデータを除去することである。非可逆圧縮システムはしばしば、量子化に先だってエネルギー集中のための変換を利用する。ベースラインJPEGは画像データ用非可逆符号化法の一例である。
従来、色座標系間変換が量子化と一緒に非可逆圧縮のために利用されてきた。実際、CCIR 601−1(YCbCr)のように意図的に非可逆とした色空間もある。ある種の可逆システム又は可逆/非可逆システムにおいては、変換の可逆性と効率が主たる要件であり、別の可逆/非可逆システムでは、可逆変換の効率に加えて、色の非相関性も一つの要件である。例えば、上記3×3行列は、そのエントリーが非整数であるため非可逆圧縮にしか役に立たないので、非相関性が要求される時には圧縮と伸長を繰り返す間に誤差を増加させる。また、下位ビットに対しては、この3×3行列を適用するのは好ましくない。すなわち、この3×3行列を適用して必要な精度を得るためには、かつ、その後に逆処理を実行可能であって下位ビットを再現できるようにするためには、余分なビットを用いる必要がある。
【0012】
色空間変換を行う時に、数値精度に関する問題が生じる。例えば、8ビットが入力される場合、必要な変換空間は一般に10ビット又は11ビットであり、また、安定な色空間を得るためには、内部計算でそれ以上に高い精度が必要である。画像がRGB色空間から変換されて圧縮され、そして伸長されてRGB色空間に戻されるという処理が、不十分な精度で繰り返し適用されると、誤差が累積する結果、元の色と最終的な色とが一致しなくなる。これは、色ドリフト又は色空間が不安定である結果といわれる。
【0013】
ところで、デジタルカメラに内蔵されている単板式CCDは、1つずつの赤信号(R)と青信号(B)と2つの緑信号(G1とG2)が組み合わさった複数の連なりを出力(RAWデータ)する。デジタルカメラシステムは、このCCD出力中に足りない部分の画像信号を補間することで、RとGとBの一組の画像信号(1画素3色のフルカラー)を作り上げた後に、JPEG符号化などの符号化技術を用いて画像データを圧縮して蓄積部に保存する。
【0014】
しかしながら、デジタルカメラや多くのソフトウェアで用いられているJPEGの符号化が扱える階調(画素のレンジ)が8ビットのままであり、近年のCCD出力のダイナミックレンジ(例えば12ビット)を、デジタルカメラで用いているJPEGの符号化で取り扱いできないという不具合がある。また、CCD出力(RAWデータ)を可逆符号化するために、3つのコンポーネントのみを対象とした一般のカラー変換方式のために、CCD出力を補間処理して一組のRとGとB信号を得る方式を採用すると、RAWデータを可逆で符号を行うことが不可能になってしまう。
【0015】
このため、CCD出力のRとG1とBとG2信号をそのままの形で色変換する手法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0016】
例えば、特許文献1には、RとG1とBとG2から輝度信号Yと色差信号CoとCgとその他の信号Dgに変換する方法が示されている。変換式としていくつか定義されているが、例えば以下の式が定義されている。
【0017】
【数2】
この式では、輝度信号Yと色差信号Cgの計算にRとG1とBとG2のすべての値を用いている。
【0018】
特許文献2も特許文献1と同様に、RとG1とBとG2から輝度信号Yと色差信号CrとCbとその他の信号Cgに変換する方法が示され、輝度信号Yの計算に、RとG1とBとG2のすべての値を用いて計算を行っている。
【0019】
これら特許文献1、2に示されている、RとG1とBとG2からの色変換方式は、第1の緑信号G1と第2の緑信号G2の値を使用する計算式を用い、符号化に適した可逆な色変換式を提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記した色変換式は少なくとも1つの値を計算するために4信号の入力を必要とし、また色差値の計算にG1とG2の両方を必要としているため、JPEGやJPEG XRなどで用いられている3信号を入力する式をそのままの形で用いることができない。
【0021】
そのため、可逆変換をサポートしている符号方式、例えばJPEG2000やJPEG XRなどをRAWデータの符号化に適用するのが難しくなり、このRAWデータを符号化する新たな方式を導入しなければならなくなる。このことは、コスト面やデザイン面で回路実装面積を少なくする必要があるデジタルカメラシステムにおいては、重大なマイナスとなる。
【0022】
本発明は上記した課題に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、RGBGの4信号を3信号と1信号に分けることにより、3信号に対して、一般に用いられている3信号入力の色変換方式を用い、デジタルカメラなどで用いられている符号化方式を変形することなく、そのままの形で適用することにより、余分な回路やプログラムの実装を回避し、実装上のコストダウンを図り、1信号に対しては効率的な予測手法を用いて符号化効率を向上させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換手段と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化手段と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出手段と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化手段とを備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、RGBGの4信号を3信号と1信号に分けることにより、3信号に対して既存のノウハウがある高速カラー変換方式を使用することができ、1信号に対しては効率的な予測手法を用いることができるので、符号化の効率が向上する。また、ビューファインダに表示する際には、3信号の処理のみで縮小画像が構成されるので、演算量が少なくなり、高速に表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一般的な符号化システムの構成例を示す。
【図2】JPEG XRの構成例を示す。
【図3】本発明の実施例の構成を示す。
【図4】ベイヤー配列の単板式CCDセンサからの出力(RAWデータ)を示す。
【図5】予測値/差分値計算部とランレングス符号化部の処理フローチャートを示す。
【図6】G2の予測値の計算例を説明する図を示す。
【図7】G2信号復号化部とランレングス復号化部の処理フローチャートを示す。
【図8】デジタルカメラの構成例を示す。
【図9】本発明を用いない場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【図10】符号器としてJPEG XRを用いた場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【図11】本発明を適用した場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、一般的な符号化システムの構成例を示す。図1において、101はカラー変換部、102は画像変換部(例えば、DCTなど)、103は量子化部、104は係数予測部、105は係数スキャン部、106はエントロピー符号化部である。
【0028】
図1に示す構成例のように、カラー変換処理は符号化で用いられ、人間の視覚システムの特性を用いた符号化方式に適用するために、CCDなどの撮像器で得られたRGB色空間の入力値を輝度色差色空間へと変換する。このカラー変換として、RGBからYUVやYCrCbの色空間へ変換する。
【0029】
例えば、JPEG XRでは、図2に示すように、可逆のカラー変換処理201が最初に実行される。図2において、201はカラー変換部、202はJPEG XRの画像変換部である。画像変換部202は第1のオーバーラップフィルタ203と第1のコアトランスフォーム204と第2のオーバーラップフィルタ205と第2のコアトランスフォーム206からなる。207は量子化部、208はDCAC予測部、209は係数スキャン部、210はエントロピー符号化部、211はビットストリーム生成部である。
【0030】
本発明はカラー変換に関わり、ベイヤー配列の単板式CCDの出力である、赤、青、緑、緑の4信号をそのまま一般の符号化方式、例えばJPEG2000やJPEG XRなどで符号化するときに、赤と青と緑の3信号を用いて一般的に用いられている3信号入力・3信号出力のカラー変換を用いて以後処理し、残りの緑信号(1信号)はカラー変換処理に用いた緑信号との差分、もしくは予測値を計算してその予測値との差分をとり、以後の符号化処理を行う。この一般の3信号入出力のカラー変換を用いることで、3信号のみのデータを再現(復号)したものは元のRAWデータをアップサンプリングして得られた画像の1/4サイズになるため、例えば、デジタルカメラ画像の最大サイズの縦と横それぞれ半分のサイズとなり、符号化方式がスケーラブルな性質を持つもの、例えばJPEG2000やJPEG XRなどであれば、デジタルカメラのビューファインダに、余分な回路を追加することなく画像を表示することができ、ローコストにシステムを実現可能になる。
【0031】
JPEG2000においても基本的な構成は同じであり、画像変換としてウェーブレットが用いられている。可逆時のJPEG2000では、可逆のカラー変換(RCT)を用い(例えば、特許文献3を参照)、以下の式で実現する。
【0032】
【数3】
【0033】
図3は、本発明の実施例の構成を示す。301はベイヤー配列の単板式CCDセンサ、302はカラー変換部、303は予測値/差分値計算部(以下、計算部)、304はJPEG XR符号化部、305はランレングス符号化部、306は記憶装置、307はJPEG XR復号化部、308は逆カラー変換部、309はランレングス復号化部、310はG2信号復号化部、311は復元されたRAWデータ、312はファインダー表示部、313は外部表示部である。
【0034】
図4は、ベイヤー配列の単板式CCDセンサからの出力(RAWデータ)を示す。カラー変換部302、計算部303は、G、B/R、G(並び方はこの例に限定されない)の4画素の信号を単位として、順次x方向(主走査方向)、y方向(副走査方向)に処理する。
【0035】
G、B/R、G信号をG1、B/R、G2としたとき、G1、B/R、G2信号を、R、G1、B信号とG2信号の2つの信号に分けて、カラー変換部302では、R、G1、B信号に対して既存の可逆カラー変換手法(数3)を用い、1つの輝度信号Yと2つの色差信号U、Vを求める。カラー変換部302からの出力Y、U、V信号は、RAWデータに比べて解像度が1/4となる(出力Y、U、Vの画素(1画素)は、G、B/R、Gの4画素の中心にあるものと考える)。
【0036】
Y、U、V信号は、JPEG XR符号化部304により符号化されて、記憶装置306に記憶される。
【0037】
一方、計算部303は、G2信号の予測値G^2と差分値Dを計算する。図5は計算部とランレングス符号化部の処理フローチャートを示し、図6はG2の予測値の計算例を説明する図を示す。
【0038】
図5、6を参照して、計算部における処理を説明する。ステップ401において、緑信号G2の予測値G^2を計算する。図6において、ラスタスキャン順に、緑信号G20、G21、G22、G2、G23の各画素の予測値と差分値が計算され、符号化され、今、処理対象となる緑信号G2の画素がG2xであるとする。
【0039】
G2xを、予測対象(処理対象)となる画素(注目画素)の画素値とし、G^2xを予測値とすると、
差分値DはD=G2x−G^2x
となる(ステップ402)。この差分値Dを符号化する(ステップ403)。上記した処理を全てのG2信号の画素(1画面)について行う(ステップ404)。
【0040】
予測値G^2xの算出例を以下に示す。
(1)平均予測1
単純にG2xの周りの4つのG1信号(G10〜G13)の平均値を用いたものを予測値とする。
【0041】
【数4】
【0042】
(2)平均予測2
G2xの周りの4つのG1信号(G10〜G13)の二乗平均値を用いたものを予測値とする。
【0043】
【数5】
【0044】
予測値として予測対象の近傍の緑信号を用いて、その平均を予測値とすることを示している。自然画像などでは一般的に滑らかに変化することが多く、また、近年のデジタルカメラの解像度の向上から近接の信号値は同様な性質で変化することが予測されるため近傍の平均値は良い予測値を出すことが期待される。
【0045】
(3)平均予測3
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値と、現段階までに符号化処理されているG2信号成分のG20、G21、G22の二乗平均値(G2xの上側の平均値)と、G23(G2xの左側の値)を重み付けで足した値を用いたものを予測値とする。
【0046】
【数6】
【0047】
以下は、予測値の計算を予測対象の周りの緑信号のコンディションにより計算式を切り替える方式である。
【0048】
(4)コンテキストによる予測1
数7のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、差分値の小さい値をG2xの予測値として用いる。
【0049】
【数7】
【0050】
(5)コンテキストによる予測2
数8のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、その差分が少ない方向の値が同じ値であると予測し、その方向にあるG2信号値をG2xの予測値として用いる。
【0051】
【数8】
【0052】
なお、G2x信号の予測値として、G1信号(G10信号)を用いてもよい。つまり、差分信号DはD=G2x−G10となる。自然画像の性質や近年のデジタルカメラの解像度の向上から、近接の信号値は近い値を持つことが多いことから、単にG1を用いることでも効率的な予測値となることが期待される。
【0053】
上記したようにしてG2x信号の予測値を計算し、G2xとその予測値との差分値Dを符号化する。予測値との差分値Dは、値0もしくは値0に近い値の出現回数が多くなり、値0に近い値に対して短い符号を割り当るランレングス符号化手法を用いたときは、圧縮率を高められることが期待できる。
【0054】
1枚の画像について算出された差分値Dは、ランレングス符号化部305により符号化されて、記憶装置306に格納される。
【0055】
次に、復号化処理について説明する。記憶装置306に格納されている符号化データは、JPEG XR復号化部307により復号化された後、逆カラー変換部308により、復号化されたYUV信号がR、G1、B信号に逆変換(数3)される。R、G1、B信号に逆変換された画像データは、簡易表示する際には、ファインダー312に縮小画像を表示する。本発明では、一般のカラー変換式を用い、D信号を無視することで、圧縮されたRAWデータの縮小画像がシステム内部で用いられている符号化方式と全く同一になるため、プレビューとしてのサムネイル画像表示をローコストで実現できる。
【0056】
一方、記憶装置306内のD信号を、ランレングス復号化部309で復号化し、G2信号復号化部310は復号化されたD信号と予測値G^2を基にG2信号を復号化する。復号化されたG2信号と逆カラー変換されたR、G1、B信号によりRAWデータ311が復元される。
【0057】
図7は、G2信号復号化部とランレングス復号化部の処理フローチャートを示す。
【0058】
まず、差分値Dを復号して(ステップ501)、G2xの予測値G^2xを計算し(ステップ502)、その予測値G^2xと差分値Dを加算することで(ステップ503)、元の値のG2xを復号する。上記した処理を全てのG2信号の画素(1画面)について行う(ステップ504)。
【0059】
復号は、G1信号成分とG2信号成分を別々に処理できる。よって、G1信号成分の復号をG2よりも先に処理できるので、図6に示すように、G2xの予測値を再現するときには、G10、G11、G12およびG13信号値は復号されている。また、G2を例えばラスター順で復号した際には、図6に示されるようにG20、G21、G22およびG23信号の値は、G2xよりも前に復号化されたG2信号であるため、G2xの予測値を再現するときには、それらのG2信号は復号されている。
【0060】
G^2xを予測値、復号された差分値をDとすると、復号値G2xは、
G2x=D+G^2xとなる。
【0061】
予測値G^2xの算出例を以下に示す(符号化時に用いたものと同じ計算式を用いる)。
(6)平均予測1
単純にG2xの周りの4つのG1信号の平均値を用いたもの
【0062】
【数9】
【0063】
(7)平均予測2
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値を用いたもの
【0064】
【数10】
【0065】
(8)平均予測3
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値と、現段階までに復号化処理されているG2信号成分のG20、G21とG22の二乗平均値(G2xの上側の平均値)とG23(G2xの左側の値)を重み付けで足した値を用いたもの
【0066】
【数11】
【0067】
(9)コンテキストによる予測1
数12のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、差分値の小さい値をG2xの予測値として用いたもの
【0068】
【数12】
【0069】
(10)コンテキストによる予測2
数13のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、その差分が少ない方向の値が同じ値であると予測し、その方向にあるG2信号値をG2xの予測値として用いたもの
【0070】
【数13】
【0071】
なお、G2x信号の予測値G^2xとして、G10信号を用いてもよい。つまり、G2x信号はG2x=D+G10となる。
【0072】
以上、予測値の求め方について説明したが、本発明はベイヤー配列の単板式CCD出力のような赤、青、第1緑、第2緑の4信号を、3信号と1信号に分解し、分解した赤と青と第1緑信号を3信号入力・3信号出力のカラー変換を用いて以後処理し、残りの第2緑信号はその予測値を計算して、その予測値との差分をとることで、現在、広く使われているカラー信号として3入力3出力の符号化処理を行う。
【0073】
この4信号を、3信号と1信号に分解することにより、符号データの3信号のみを再現(復号)したものは、3信号入力の符号化の復号と同等であるので、符号化方式がスケーラブルな性質を持つもの、例えばJPEG2000やJPEG XRなどであれば、デジタルカメラのビューファインダに表示する画像を余分な回路を追加することなく行うことができ、ローコストにシステムを実現することが可能になる。
【0074】
図8は、デジタルカメラの構成例を示す。CCD601で取り込まれた画像は、補間処理部602に入り各信号が補間され、画像符号化器603で符号化された後に、記憶装置604に入力され、メモリカードなどに記憶される。記憶された符号データをプレビューするときは復号器605を使い復号した後に、ファインダー表示部606に縮小し表示する。
【0075】
復号処理と縮小を同時に行うことも可能であり、例えばJPEGではDC成分のみを取り出すことで1/64サイズの画像を得ることができる。また、ファインダー表示時に符号化器から復号器へ直接データを渡す構成も可能である。
【0076】
さて、以下に本発明を用いない場合のデジタルカメラの構成例を示す。図9に示す構成では、RAWデータの符号化として4コンポーネント(R、G1、G2、B)符号化器608が新たに追加される。また、そのRAWデータ表示のために、4コンポーネント復号器609も新規に必要になり、ハードウエア構成が大きくなり、実装コストも増大する。
【0077】
図10は、RAWデータ符号器として4コンポーネント符号化器(JPEG XR)を用いた場合のデジタルカメラの構成例を示す。JPEG XRでは、画像の色信号成分の最大値が3コンポーネントではないため、例えば1コンポーネントと3コンポーネントと4コンポーネントをサポートするJPEG XRを用いると、図10のように構成できる。図9の構成例よりも符号器が減り、より構成しやすくなってはいるが、カラー変換として同等なゲート数の2種類のカラー変換(703、704)が必要になり、実装面積が増加する。また、表示のための復号側にも2種類のカラー変換(708、709)が必要となり、実装面積が増す。
【0078】
図11は、本発明を適用した場合のデジタルカメラの構成例を示す。この構成例では、符号化器としてJPEG XRを用いたものである。方式を明確にするため、カラー変換器703、逆カラー変換器708を別に記載しており、そのためブロックの数としては多いが、予測計算と差分のブロック712以外は、図8の構成例と同じである(カラー変換と符号化器がフルカラー用とRAWデータ用に共用されている。ただし、D信号の符号化をJPEG XRで行う)。
【0079】
つまり、本発明では、予測計算と差分のブロック712のみの追加で構成可能であり、また予測計算と差分のブロック自体は実装方式を選ぶことで、カラー変換器よりも少ない面積で実装可能である。また、RAWデータ表示のための特別なブロックを必要としない。
【0080】
以上で説明したように、ベイヤー配列の単板式CCDを用いるデジタルカメラに、本発明を適用することにより、RAWデータの符号化を効率よく実装することができる。
【0081】
本発明は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。また、本発明の実施例の機能等を実現するためのプログラムは、ネットワークを介した通信によってサーバから提供されるものでも良い。
【符号の説明】
【0082】
301 CCDセンサ
302 カラー変換部
303 予測値/差分値計算部
304 JPEG XR符号化部
305 ランレングス符号化部
306 記憶装置
307 JPEG XR復号化部
308 逆カラー変換部
309 ランレングス復号化部
310 G2信号復号化部
311 RAWデータ
312 ファインダー表示部
313 外部表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2006−121669号公報
【特許文献2】特開2006−067390号公報
【特許文献3】特開平9−6952号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、単板式のカラー撮像素子から得られる画素データ(RAWデータ)を可逆色変換し、可逆のデータ圧縮/伸長を行う画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関し、単板式のカラー撮像素子を用いたデジタルカメラにおけるカラー変換やデータ圧縮/伸長の技術分野などに好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の視覚システムは、色差信号よりも輝度信号の方を重視して処理するシステムであるので、非可逆符号化の際に、色差信号よりも輝度信号成分に多くの情報量を割り当てることで、効率よく符号化ができる。この輝度色差の色空間として、Y、Cb、Cr色座標系やY、I、Q色座標系がある。
【0003】
色空間は3次元以上のベクトル空間内の領域であり、何らかの基底、例えば3個の一次独立な3次元ベクトルで色座標系を定義する。一般に利用される色座標系はR(赤)、G(緑)、B(青)であり、それぞれ中心波長で定義される。3次元色座標系が与えられたとき、別の3次元線形色座標系を可逆の(正則の)3×3の行列により表すことができる。
例えば、Y、I、Q色座標系は、R、G、Bを用いて次の行列により定義される。
【0004】
【数1】
【0005】
なお、すべての色空間が線形であるわけではなく、例えば、人間の視覚系をより的確にモデル化するため、ベクトルを非線形的に(例えば対数的に)リスケールする色変換もある。その例がCIE L*u*vとL*a*bである。
【0006】
また、様々な理由により種々の色座標系が定義されている。例えば、データをモニターに表示する場合、殆どのデジタル画像は固定した値域、例えば8ビット/座標のR、G、B座標系を使うのが便利である。色の非相関性を要求する用途、例えば圧縮の場合、R、G、Bは最適とはいえず、上述のY、I、Qのような他の色座標系のほうが適している。
【0007】
印刷用の画像には、CYM(シアン、黄、マゼンタ)のような減色系が利用され、用途によっては4次元色空間、例えばCMYK(シアン、黄、マゼンタ、黒)が利用される。
【0008】
ところで、データ圧縮は、大量のデータの記憶及び伝送のために極めて有用なツールであり、文書のファクシミリ送信のような画像伝送に必要な時間は、符号化により画像を圧縮し、画像再生に必要なビット数を減らすと飛躍的に短縮される。
【0009】
従来、種々のデータ圧縮手法があり、その圧縮手法は大きく2つの種類、すなわち可逆符号化と非可逆符号化に分類できる。非可逆符号化は情報の損失をもたらす符号化を含むため、原データを完全に復元できる保証はない。非可逆符号化の目標とするところは、原データとの違いが目立たないようにすることである。可逆符号化では、全ての情報が保存され、データは完全に復元できるような方法で圧縮される。
【0010】
可逆符号化では、入力シンボル又は輝度データが出力符号語へ変換される。入力には画像データ、音声データ、一次元データ(例えば時間的に変化するデータ)、二次元データ(例えば2空間方向に変化するデータ)、あるいは多次元/多重スペクトルデータが含まれる。圧縮がうまくいけば、符号語は入力シンボル(又は輝度データ)数より少ないビットで表現される。可逆符号化法には、辞書符号化法(例えばLempel−Ziv符号化法)、ランレングス符号化法、算術符号化法、エントロピー符号化法が含まれる。
【0011】
可逆画像圧縮では、圧縮は予測又はコンテキスト及び符号化がベースになっている。ファクシミリ圧縮用JBIG規格と連続階調画像用DPCM(差動パルス符号変調−JPEG規格のオプション)は画像用の可逆圧縮の例である。非可逆圧縮では、入力シンボル又は輝度データは量子化されてから出力符号語へ変換される。量子化する目的は、適切な特徴量を保存する一方で重要度の低いデータを除去することである。非可逆圧縮システムはしばしば、量子化に先だってエネルギー集中のための変換を利用する。ベースラインJPEGは画像データ用非可逆符号化法の一例である。
従来、色座標系間変換が量子化と一緒に非可逆圧縮のために利用されてきた。実際、CCIR 601−1(YCbCr)のように意図的に非可逆とした色空間もある。ある種の可逆システム又は可逆/非可逆システムにおいては、変換の可逆性と効率が主たる要件であり、別の可逆/非可逆システムでは、可逆変換の効率に加えて、色の非相関性も一つの要件である。例えば、上記3×3行列は、そのエントリーが非整数であるため非可逆圧縮にしか役に立たないので、非相関性が要求される時には圧縮と伸長を繰り返す間に誤差を増加させる。また、下位ビットに対しては、この3×3行列を適用するのは好ましくない。すなわち、この3×3行列を適用して必要な精度を得るためには、かつ、その後に逆処理を実行可能であって下位ビットを再現できるようにするためには、余分なビットを用いる必要がある。
【0012】
色空間変換を行う時に、数値精度に関する問題が生じる。例えば、8ビットが入力される場合、必要な変換空間は一般に10ビット又は11ビットであり、また、安定な色空間を得るためには、内部計算でそれ以上に高い精度が必要である。画像がRGB色空間から変換されて圧縮され、そして伸長されてRGB色空間に戻されるという処理が、不十分な精度で繰り返し適用されると、誤差が累積する結果、元の色と最終的な色とが一致しなくなる。これは、色ドリフト又は色空間が不安定である結果といわれる。
【0013】
ところで、デジタルカメラに内蔵されている単板式CCDは、1つずつの赤信号(R)と青信号(B)と2つの緑信号(G1とG2)が組み合わさった複数の連なりを出力(RAWデータ)する。デジタルカメラシステムは、このCCD出力中に足りない部分の画像信号を補間することで、RとGとBの一組の画像信号(1画素3色のフルカラー)を作り上げた後に、JPEG符号化などの符号化技術を用いて画像データを圧縮して蓄積部に保存する。
【0014】
しかしながら、デジタルカメラや多くのソフトウェアで用いられているJPEGの符号化が扱える階調(画素のレンジ)が8ビットのままであり、近年のCCD出力のダイナミックレンジ(例えば12ビット)を、デジタルカメラで用いているJPEGの符号化で取り扱いできないという不具合がある。また、CCD出力(RAWデータ)を可逆符号化するために、3つのコンポーネントのみを対象とした一般のカラー変換方式のために、CCD出力を補間処理して一組のRとGとB信号を得る方式を採用すると、RAWデータを可逆で符号を行うことが不可能になってしまう。
【0015】
このため、CCD出力のRとG1とBとG2信号をそのままの形で色変換する手法が種々提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0016】
例えば、特許文献1には、RとG1とBとG2から輝度信号Yと色差信号CoとCgとその他の信号Dgに変換する方法が示されている。変換式としていくつか定義されているが、例えば以下の式が定義されている。
【0017】
【数2】
この式では、輝度信号Yと色差信号Cgの計算にRとG1とBとG2のすべての値を用いている。
【0018】
特許文献2も特許文献1と同様に、RとG1とBとG2から輝度信号Yと色差信号CrとCbとその他の信号Cgに変換する方法が示され、輝度信号Yの計算に、RとG1とBとG2のすべての値を用いて計算を行っている。
【0019】
これら特許文献1、2に示されている、RとG1とBとG2からの色変換方式は、第1の緑信号G1と第2の緑信号G2の値を使用する計算式を用い、符号化に適した可逆な色変換式を提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記した色変換式は少なくとも1つの値を計算するために4信号の入力を必要とし、また色差値の計算にG1とG2の両方を必要としているため、JPEGやJPEG XRなどで用いられている3信号を入力する式をそのままの形で用いることができない。
【0021】
そのため、可逆変換をサポートしている符号方式、例えばJPEG2000やJPEG XRなどをRAWデータの符号化に適用するのが難しくなり、このRAWデータを符号化する新たな方式を導入しなければならなくなる。このことは、コスト面やデザイン面で回路実装面積を少なくする必要があるデジタルカメラシステムにおいては、重大なマイナスとなる。
【0022】
本発明は上記した課題に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、RGBGの4信号を3信号と1信号に分けることにより、3信号に対して、一般に用いられている3信号入力の色変換方式を用い、デジタルカメラなどで用いられている符号化方式を変形することなく、そのままの形で適用することにより、余分な回路やプログラムの実装を回避し、実装上のコストダウンを図り、1信号に対しては効率的な予測手法を用いて符号化効率を向上させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換手段と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化手段と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出手段と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化手段とを備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、RGBGの4信号を3信号と1信号に分けることにより、3信号に対して既存のノウハウがある高速カラー変換方式を使用することができ、1信号に対しては効率的な予測手法を用いることができるので、符号化の効率が向上する。また、ビューファインダに表示する際には、3信号の処理のみで縮小画像が構成されるので、演算量が少なくなり、高速に表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】一般的な符号化システムの構成例を示す。
【図2】JPEG XRの構成例を示す。
【図3】本発明の実施例の構成を示す。
【図4】ベイヤー配列の単板式CCDセンサからの出力(RAWデータ)を示す。
【図5】予測値/差分値計算部とランレングス符号化部の処理フローチャートを示す。
【図6】G2の予測値の計算例を説明する図を示す。
【図7】G2信号復号化部とランレングス復号化部の処理フローチャートを示す。
【図8】デジタルカメラの構成例を示す。
【図9】本発明を用いない場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【図10】符号器としてJPEG XRを用いた場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【図11】本発明を適用した場合のデジタルカメラの構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は、一般的な符号化システムの構成例を示す。図1において、101はカラー変換部、102は画像変換部(例えば、DCTなど)、103は量子化部、104は係数予測部、105は係数スキャン部、106はエントロピー符号化部である。
【0028】
図1に示す構成例のように、カラー変換処理は符号化で用いられ、人間の視覚システムの特性を用いた符号化方式に適用するために、CCDなどの撮像器で得られたRGB色空間の入力値を輝度色差色空間へと変換する。このカラー変換として、RGBからYUVやYCrCbの色空間へ変換する。
【0029】
例えば、JPEG XRでは、図2に示すように、可逆のカラー変換処理201が最初に実行される。図2において、201はカラー変換部、202はJPEG XRの画像変換部である。画像変換部202は第1のオーバーラップフィルタ203と第1のコアトランスフォーム204と第2のオーバーラップフィルタ205と第2のコアトランスフォーム206からなる。207は量子化部、208はDCAC予測部、209は係数スキャン部、210はエントロピー符号化部、211はビットストリーム生成部である。
【0030】
本発明はカラー変換に関わり、ベイヤー配列の単板式CCDの出力である、赤、青、緑、緑の4信号をそのまま一般の符号化方式、例えばJPEG2000やJPEG XRなどで符号化するときに、赤と青と緑の3信号を用いて一般的に用いられている3信号入力・3信号出力のカラー変換を用いて以後処理し、残りの緑信号(1信号)はカラー変換処理に用いた緑信号との差分、もしくは予測値を計算してその予測値との差分をとり、以後の符号化処理を行う。この一般の3信号入出力のカラー変換を用いることで、3信号のみのデータを再現(復号)したものは元のRAWデータをアップサンプリングして得られた画像の1/4サイズになるため、例えば、デジタルカメラ画像の最大サイズの縦と横それぞれ半分のサイズとなり、符号化方式がスケーラブルな性質を持つもの、例えばJPEG2000やJPEG XRなどであれば、デジタルカメラのビューファインダに、余分な回路を追加することなく画像を表示することができ、ローコストにシステムを実現可能になる。
【0031】
JPEG2000においても基本的な構成は同じであり、画像変換としてウェーブレットが用いられている。可逆時のJPEG2000では、可逆のカラー変換(RCT)を用い(例えば、特許文献3を参照)、以下の式で実現する。
【0032】
【数3】
【0033】
図3は、本発明の実施例の構成を示す。301はベイヤー配列の単板式CCDセンサ、302はカラー変換部、303は予測値/差分値計算部(以下、計算部)、304はJPEG XR符号化部、305はランレングス符号化部、306は記憶装置、307はJPEG XR復号化部、308は逆カラー変換部、309はランレングス復号化部、310はG2信号復号化部、311は復元されたRAWデータ、312はファインダー表示部、313は外部表示部である。
【0034】
図4は、ベイヤー配列の単板式CCDセンサからの出力(RAWデータ)を示す。カラー変換部302、計算部303は、G、B/R、G(並び方はこの例に限定されない)の4画素の信号を単位として、順次x方向(主走査方向)、y方向(副走査方向)に処理する。
【0035】
G、B/R、G信号をG1、B/R、G2としたとき、G1、B/R、G2信号を、R、G1、B信号とG2信号の2つの信号に分けて、カラー変換部302では、R、G1、B信号に対して既存の可逆カラー変換手法(数3)を用い、1つの輝度信号Yと2つの色差信号U、Vを求める。カラー変換部302からの出力Y、U、V信号は、RAWデータに比べて解像度が1/4となる(出力Y、U、Vの画素(1画素)は、G、B/R、Gの4画素の中心にあるものと考える)。
【0036】
Y、U、V信号は、JPEG XR符号化部304により符号化されて、記憶装置306に記憶される。
【0037】
一方、計算部303は、G2信号の予測値G^2と差分値Dを計算する。図5は計算部とランレングス符号化部の処理フローチャートを示し、図6はG2の予測値の計算例を説明する図を示す。
【0038】
図5、6を参照して、計算部における処理を説明する。ステップ401において、緑信号G2の予測値G^2を計算する。図6において、ラスタスキャン順に、緑信号G20、G21、G22、G2、G23の各画素の予測値と差分値が計算され、符号化され、今、処理対象となる緑信号G2の画素がG2xであるとする。
【0039】
G2xを、予測対象(処理対象)となる画素(注目画素)の画素値とし、G^2xを予測値とすると、
差分値DはD=G2x−G^2x
となる(ステップ402)。この差分値Dを符号化する(ステップ403)。上記した処理を全てのG2信号の画素(1画面)について行う(ステップ404)。
【0040】
予測値G^2xの算出例を以下に示す。
(1)平均予測1
単純にG2xの周りの4つのG1信号(G10〜G13)の平均値を用いたものを予測値とする。
【0041】
【数4】
【0042】
(2)平均予測2
G2xの周りの4つのG1信号(G10〜G13)の二乗平均値を用いたものを予測値とする。
【0043】
【数5】
【0044】
予測値として予測対象の近傍の緑信号を用いて、その平均を予測値とすることを示している。自然画像などでは一般的に滑らかに変化することが多く、また、近年のデジタルカメラの解像度の向上から近接の信号値は同様な性質で変化することが予測されるため近傍の平均値は良い予測値を出すことが期待される。
【0045】
(3)平均予測3
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値と、現段階までに符号化処理されているG2信号成分のG20、G21、G22の二乗平均値(G2xの上側の平均値)と、G23(G2xの左側の値)を重み付けで足した値を用いたものを予測値とする。
【0046】
【数6】
【0047】
以下は、予測値の計算を予測対象の周りの緑信号のコンディションにより計算式を切り替える方式である。
【0048】
(4)コンテキストによる予測1
数7のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、差分値の小さい値をG2xの予測値として用いる。
【0049】
【数7】
【0050】
(5)コンテキストによる予測2
数8のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、その差分が少ない方向の値が同じ値であると予測し、その方向にあるG2信号値をG2xの予測値として用いる。
【0051】
【数8】
【0052】
なお、G2x信号の予測値として、G1信号(G10信号)を用いてもよい。つまり、差分信号DはD=G2x−G10となる。自然画像の性質や近年のデジタルカメラの解像度の向上から、近接の信号値は近い値を持つことが多いことから、単にG1を用いることでも効率的な予測値となることが期待される。
【0053】
上記したようにしてG2x信号の予測値を計算し、G2xとその予測値との差分値Dを符号化する。予測値との差分値Dは、値0もしくは値0に近い値の出現回数が多くなり、値0に近い値に対して短い符号を割り当るランレングス符号化手法を用いたときは、圧縮率を高められることが期待できる。
【0054】
1枚の画像について算出された差分値Dは、ランレングス符号化部305により符号化されて、記憶装置306に格納される。
【0055】
次に、復号化処理について説明する。記憶装置306に格納されている符号化データは、JPEG XR復号化部307により復号化された後、逆カラー変換部308により、復号化されたYUV信号がR、G1、B信号に逆変換(数3)される。R、G1、B信号に逆変換された画像データは、簡易表示する際には、ファインダー312に縮小画像を表示する。本発明では、一般のカラー変換式を用い、D信号を無視することで、圧縮されたRAWデータの縮小画像がシステム内部で用いられている符号化方式と全く同一になるため、プレビューとしてのサムネイル画像表示をローコストで実現できる。
【0056】
一方、記憶装置306内のD信号を、ランレングス復号化部309で復号化し、G2信号復号化部310は復号化されたD信号と予測値G^2を基にG2信号を復号化する。復号化されたG2信号と逆カラー変換されたR、G1、B信号によりRAWデータ311が復元される。
【0057】
図7は、G2信号復号化部とランレングス復号化部の処理フローチャートを示す。
【0058】
まず、差分値Dを復号して(ステップ501)、G2xの予測値G^2xを計算し(ステップ502)、その予測値G^2xと差分値Dを加算することで(ステップ503)、元の値のG2xを復号する。上記した処理を全てのG2信号の画素(1画面)について行う(ステップ504)。
【0059】
復号は、G1信号成分とG2信号成分を別々に処理できる。よって、G1信号成分の復号をG2よりも先に処理できるので、図6に示すように、G2xの予測値を再現するときには、G10、G11、G12およびG13信号値は復号されている。また、G2を例えばラスター順で復号した際には、図6に示されるようにG20、G21、G22およびG23信号の値は、G2xよりも前に復号化されたG2信号であるため、G2xの予測値を再現するときには、それらのG2信号は復号されている。
【0060】
G^2xを予測値、復号された差分値をDとすると、復号値G2xは、
G2x=D+G^2xとなる。
【0061】
予測値G^2xの算出例を以下に示す(符号化時に用いたものと同じ計算式を用いる)。
(6)平均予測1
単純にG2xの周りの4つのG1信号の平均値を用いたもの
【0062】
【数9】
【0063】
(7)平均予測2
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値を用いたもの
【0064】
【数10】
【0065】
(8)平均予測3
G2xの周りの4つのG1信号の二乗平均値と、現段階までに復号化処理されているG2信号成分のG20、G21とG22の二乗平均値(G2xの上側の平均値)とG23(G2xの左側の値)を重み付けで足した値を用いたもの
【0066】
【数11】
【0067】
(9)コンテキストによる予測1
数12のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、差分値の小さい値をG2xの予測値として用いたもの
【0068】
【数12】
【0069】
(10)コンテキストによる予測2
数13のように、G2xの周りの、G1信号の一方の隣り合う差分値がεより小さく、かつ他方の隣り合う差分値がεより大きい場合には、その差分が少ない方向の値が同じ値であると予測し、その方向にあるG2信号値をG2xの予測値として用いたもの
【0070】
【数13】
【0071】
なお、G2x信号の予測値G^2xとして、G10信号を用いてもよい。つまり、G2x信号はG2x=D+G10となる。
【0072】
以上、予測値の求め方について説明したが、本発明はベイヤー配列の単板式CCD出力のような赤、青、第1緑、第2緑の4信号を、3信号と1信号に分解し、分解した赤と青と第1緑信号を3信号入力・3信号出力のカラー変換を用いて以後処理し、残りの第2緑信号はその予測値を計算して、その予測値との差分をとることで、現在、広く使われているカラー信号として3入力3出力の符号化処理を行う。
【0073】
この4信号を、3信号と1信号に分解することにより、符号データの3信号のみを再現(復号)したものは、3信号入力の符号化の復号と同等であるので、符号化方式がスケーラブルな性質を持つもの、例えばJPEG2000やJPEG XRなどであれば、デジタルカメラのビューファインダに表示する画像を余分な回路を追加することなく行うことができ、ローコストにシステムを実現することが可能になる。
【0074】
図8は、デジタルカメラの構成例を示す。CCD601で取り込まれた画像は、補間処理部602に入り各信号が補間され、画像符号化器603で符号化された後に、記憶装置604に入力され、メモリカードなどに記憶される。記憶された符号データをプレビューするときは復号器605を使い復号した後に、ファインダー表示部606に縮小し表示する。
【0075】
復号処理と縮小を同時に行うことも可能であり、例えばJPEGではDC成分のみを取り出すことで1/64サイズの画像を得ることができる。また、ファインダー表示時に符号化器から復号器へ直接データを渡す構成も可能である。
【0076】
さて、以下に本発明を用いない場合のデジタルカメラの構成例を示す。図9に示す構成では、RAWデータの符号化として4コンポーネント(R、G1、G2、B)符号化器608が新たに追加される。また、そのRAWデータ表示のために、4コンポーネント復号器609も新規に必要になり、ハードウエア構成が大きくなり、実装コストも増大する。
【0077】
図10は、RAWデータ符号器として4コンポーネント符号化器(JPEG XR)を用いた場合のデジタルカメラの構成例を示す。JPEG XRでは、画像の色信号成分の最大値が3コンポーネントではないため、例えば1コンポーネントと3コンポーネントと4コンポーネントをサポートするJPEG XRを用いると、図10のように構成できる。図9の構成例よりも符号器が減り、より構成しやすくなってはいるが、カラー変換として同等なゲート数の2種類のカラー変換(703、704)が必要になり、実装面積が増加する。また、表示のための復号側にも2種類のカラー変換(708、709)が必要となり、実装面積が増す。
【0078】
図11は、本発明を適用した場合のデジタルカメラの構成例を示す。この構成例では、符号化器としてJPEG XRを用いたものである。方式を明確にするため、カラー変換器703、逆カラー変換器708を別に記載しており、そのためブロックの数としては多いが、予測計算と差分のブロック712以外は、図8の構成例と同じである(カラー変換と符号化器がフルカラー用とRAWデータ用に共用されている。ただし、D信号の符号化をJPEG XRで行う)。
【0079】
つまり、本発明では、予測計算と差分のブロック712のみの追加で構成可能であり、また予測計算と差分のブロック自体は実装方式を選ぶことで、カラー変換器よりも少ない面積で実装可能である。また、RAWデータ表示のための特別なブロックを必要としない。
【0080】
以上で説明したように、ベイヤー配列の単板式CCDを用いるデジタルカメラに、本発明を適用することにより、RAWデータの符号化を効率よく実装することができる。
【0081】
本発明は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。また、本発明の実施例の機能等を実現するためのプログラムは、ネットワークを介した通信によってサーバから提供されるものでも良い。
【符号の説明】
【0082】
301 CCDセンサ
302 カラー変換部
303 予測値/差分値計算部
304 JPEG XR符号化部
305 ランレングス符号化部
306 記憶装置
307 JPEG XR復号化部
308 逆カラー変換部
309 ランレングス復号化部
310 G2信号復号化部
311 RAWデータ
312 ファインダー表示部
313 外部表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2006−121669号公報
【特許文献2】特開2006−067390号公報
【特許文献3】特開平9−6952号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換手段と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化手段と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出手段と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号と、既に符号化処理されている第2緑信号とを用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、隣接する前記第1緑信号間の差分値の大きさに応じて選択される一対の第1緑信号、または前記一対の第1緑信号の近傍にある既に符号化処理されている第2緑信号を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、符号化された輝度信号と色差信号を復号化する第1の復号化手段と、前記復号化された輝度信号と色差信号を、赤信号と第1緑信号と青信号に逆変換する逆カラー変換手段と、符号化された差分信号を復号化する第2の復号化手段と、復号化された差分信号と、第2緑信号の予測値とを基に、前記第2緑信号を復号化する第3の復号化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号を用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号と、既に復号化処理されている第2緑信号とを用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、隣接する前記第1緑信号間の差分値の大きさに応じて選択される一対の第1緑信号、または前記一対の第1緑信号の近傍にある既に復号化処理されている第2緑信号を用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理方法であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換工程と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化工程と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出工程と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理方法であって、符号化された輝度信号と色差信号を復号化する第1の復号化工程と、前記復号化された輝度信号と色差信号を、赤信号と第1緑信号と青信号に逆変換する逆カラー変換工程と、符号化された差分信号を復号化する第2の復号化工程と、復号化された差分信号と、第2緑信号の予測値とを基に、前記第2緑信号を復号化する第3の復号化工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項9または10記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項9または10記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換手段と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化手段と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出手段と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号と、既に符号化処理されている第2緑信号とを用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、隣接する前記第1緑信号間の差分値の大きさに応じて選択される一対の第1緑信号、または前記一対の第1緑信号の近傍にある既に符号化処理されている第2緑信号を用いることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理装置であって、符号化された輝度信号と色差信号を復号化する第1の復号化手段と、前記復号化された輝度信号と色差信号を、赤信号と第1緑信号と青信号に逆変換する逆カラー変換手段と、符号化された差分信号を復号化する第2の復号化手段と、復号化された差分信号と、第2緑信号の予測値とを基に、前記第2緑信号を復号化する第3の復号化手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号を用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、前記第1緑信号と、既に復号化処理されている第2緑信号とを用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記予測値として、前記第2緑信号の近傍にある、隣接する前記第1緑信号間の差分値の大きさに応じて選択される一対の第1緑信号、または前記一対の第1緑信号の近傍にある既に復号化処理されている第2緑信号を用いることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理方法であって、前記赤信号と第1緑信号と青信号の3信号を、輝度信号と色差信号に変換するカラー変換工程と、前記輝度信号と色差信号を圧縮して符号化する第1の符号化工程と、前記第2緑信号の予測値を算出し、前記算出された予測値と前記第2緑信号との差分信号を算出する算出工程と、前記算出された差分信号を圧縮して符号化する第2の符号化工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
ベイヤー配列の単板式CCDセンサにより取り込まれた画像について、赤信号と第1緑信号と青信号と第2緑信号の4信号を単位として順次処理する画像処理方法であって、符号化された輝度信号と色差信号を復号化する第1の復号化工程と、前記復号化された輝度信号と色差信号を、赤信号と第1緑信号と青信号に逆変換する逆カラー変換工程と、符号化された差分信号を復号化する第2の復号化工程と、復号化された差分信号と、第2緑信号の予測値とを基に、前記第2緑信号を復号化する第3の復号化工程とを備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項9または10記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項9または10記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−15347(P2011−15347A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159865(P2009−159865)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]