説明

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】時刻認証を受けた電子化文書の属性のみ変更した後、再度の時刻認証を受けずに電子化文書を用いることを可能にする画像処理装置を提供すること。
【解決手段】画像処理装置は、第1のパラメータセットに示される読取り条件に従って紙文書から第1の電子化文書を作成する読取制御手段と、少なくとも一つのパラメータ値が前記第1のパラメータセットとは異なる第2のパラメータセットに示される読取り条件に従って前記第1の電子化文書から第2の電子化文書を作成し、前記第1の電子化文書の第1のハッシュ値と前記第2の電子化文書の第2のハッシュ値とを計算するハッシュ値計算手段と、前記第1のハッシュ値に対する第1の時刻認証情報と前記第2のハッシュ値に対する第2の時刻認証情報とを外部装置から取得する時刻認証手段と、前記第1の時刻認証情報と、前記第2の時刻認証情報と、前記第1の電子化文書とを共に保存するデータ保存手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関するものであって、時刻認証済みの電子化文書に対してその属性のみを変更した後に、再度の時刻認証を受けなくともその電子化文書を用いることを可能にする画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、e−文書法が施行され、紙文書を電子化して保存することへのニーズが高まってきている。紙文書を電子化して保管する際に求められるのが、作成された日付情報等を含む電子化文書の真正性を証明することである。
【0003】
このような電子化文書の真正性には、「いつ」「どのような文書(データ)を」「誰が」作成したのかということを証明することが必要となってくる。ここで、「いつ」という要件を満たすために、文書の作成時期を証明するための手段の1つとして、時刻認証事業、すなわち、タイムスタンプサービスが行われている。タイムスタンプは、重要性の高い電子データに対して正確な日時情報を付与し、その時点での電子データの存在証明と非改ざん証明を行うことを目的とした技術のことである。タイムスタンプサービスは、多様なものが存在するが、例えば、利用者が電子化文書のハッシュ値を時刻認証事業者の管理する時刻認証サーバに送信し、当該事業者は自らの電子署名とともに時刻を記録したタイムスタンプトークンを作成して利用者に送り返すことで成立する。
【0004】
作成された文書の将来的な確認又は読み出しを目的としたタイムスタンプ技術として、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1によれば、利用者によって提供された電子化文書を暗号関数を用いて認定し、文書フィンガープリントを生成し、これをタイムスタンプと共に暗号により署名する。これによって、文書のフィンガープリント及びタイムスタンプの偽造は不可能となる。認定された文書は、安全な寄託のため及び後の読出しに備えるため保管され、文書フィンガープリントとタイムスタンプは、文書認定データの一部として、利用者に返却される。この文書認定データを使用することにより、オリジナル文書のコピーの真正性が確認でき、文書の優先日における存在を判定することができる。各文書認定データのファイル名には、電子化文書に関連する文書フィンガープリントの一部を含むことができる。そこで、それを利用して複数の文書認定データを極めて効率的に検索して、文書認定データと確認対象の電子化文書との潜在的な一致を識別することのできる方法および装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ある時点で真正性の認証された電子化文書にある程度の変更を加えたい場合がある。例えば、他者に電子的に送信するためにファイルサイズを小さくする場合である。ファイルサイズは、解像度を落としたり、圧縮画像の圧縮品質を落としたりすることで小さくできる。ところが、電子化文書に対して、このような変更を加えるとその電子化文書のデータ属性も変更されてしまう。この場合、文書の内容自体に変更が無いとしても、過去に認証された電子化文書の真正性が証明できなくなる。すなわち、認証済みの電子化文書の内容に変更が無い場合であっても、改竄してから送信されてきたものとの見分けがつかないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子化文書のコンテンツ以外の属性について、後に変更が加えられた場合であっても、時刻認証を再度受けずに済む画像処理装置を提供することをその目的の一つとする。
【0007】
また、本発明は、電子化文書のデータのパラメータを後の使用時に変更したとしても、過去の時点で認証された真正性が失われないことを可能とする画像処理装置を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1のパラメータセットに示される読取り条件に従って紙文書から第1の電子化文書を作成する読取制御手段と、少なくとも一つのパラメータ値が前記第1のパラメータセットとは異なる第2のパラメータセットに示される読取り条件に従って前記第1の電子化文書から第2の電子化文書を作成し、前記第1の電子化文書の第1のハッシュ値と前記第2の電子化文書の第2のハッシュ値とを計算するハッシュ値計算手段と、前記第1のハッシュ値に対する第1の時刻認証情報と前記第2のハッシュ値に対する第2の時刻認証情報とを外部装置から取得する時刻認証手段と、前記第1の時刻認証情報と、前記第2の時刻認証情報と、前記第1の電子化文書とを共に保存するデータ保存手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、紙原稿を読み取って電子化する際に、読み取られた電子化文書から、パラメータの異なる複数の電子化文書データを予め用意しておき、そのデータに対してそれぞれ時刻認証を受けておくことで、後に電子化文書のパラメータを変更しても、認証済みの情報をそのまま使用することができ、電子化文書の改竄を疑われずに済むという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる画像処理装置とそれに接続される外部機器の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明における、電子化文書を読み取る際のパラメータを例示したテーブルである。
【図3】図3は、電子化文書の読み取り時における複数のパラメータに対して、利用者が選択したパラメータ値を例示した図である。
【図4】図4は、電子化文書の初期保存に採用されるパラメータセットについて説明する図である。
【図5】図5は、本発明における複数のパラメータセットを例示した図である。
【図6】図6は、本発明における電子化文書の生成及び時刻認証を受ける工程を示したフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子化文書ファイルと共に保存される複数のタイムスタンプファイルを表した概念図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる電子化文書ファイルと共に保存される複数のタイムスタンプファイルを表した概念図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態にかかる画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施の形態にかかる複数のタイムスタンプの保存について概念的に示した図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態にかかる複数のタイムスタンプの保存について具体的に示した図である。
【図12】図12は、本発明にかかる配布物印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの最適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、または実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる画像処理装置100とそれに接続される外部機器の構成を概略的に示すブロック図である。画像処理装置100は、紙文書の読み取り、及びe−文書法に定められた手続きに従った時刻認証を受ける処理を行う。
【0013】
画像処理装置100には、パラメータ取得部101、選択入力部102、読取制御部103、文書保持部104、ハッシュ値計算部105、送信部106、受信部107、データ保存部108が含まれる。
【0014】
パラメータ取得部101は、紙文書を電子化文書として取り込む際、データベース(DB)4に格納されている電子化文書読み取りパラメータ(以下、単にパラメータと称す)を呼び出して取得する。ここで、パラメータとは、紙文書を電子化するために必要な諸条件であり、後述するように、読み取りサイズや色調などをいう。
【0015】
選択入力部102は、パラメータ取得部101の取得した複数のパラメータを、例えば表示装置(図示せず)に表示させる。具体的には、選択入力部102は、各パラメータについて複数の選択肢(以下、パラメータ値と称する)を利用者に提示し、それらのパラメータ値の選択を促す。これに対して、利用者は、入力装置3を用いて、各パラメータについてパラメータ値を一つだけでなく、現在または将来必要であろうと考えられる二つ以上のパラメータ値を選択することが可能である。パラメータの選択の具体的内容については、図3を用いて後述する。
【0016】
読取制御部103は、画像処理装置100に接続された、画像読取装置(スキャナ)5などの外部機器に対して、読み取り機構、例えばADF(Auto Document Feeder)やコンタクトガラスに設置された紙文書(オリジナル文書)を読み取らせる。
【0017】
文書保持部104は、読取制御部103が画像読取装置5によって読み取らせ、生成された電子化文書を受け取り、一時記憶領域に保持する。
【0018】
ハッシュ値計算部105は、文書保持部104に保持されている電子化文書について、当該電子化文書が時刻認証を受ける際に必要となるハッシュ値をハッシュ関数によって算出する。ここで、ハッシュ関数とは、文書内の文字列(数字列)等から一定長のデータをハッシュ値として算出する関数であり、ハッシュ関数の例としては、SHA(Secure Hash Algorithm)やMD5(Message Digest Algorithm 5)などが挙げられる。
【0019】
送信部106は、ハッシュ値計算部105の算出したハッシュ値を外部のネットワーク2に接続された時刻認証サーバ1(外部装置)に向けて送信する。ここで、時刻認証サーバ1を管理するのは時刻認証事業者である。ハッシュ値を受け取った時刻認証サーバ1が時刻認証情報としてのタイムスタンプを発行し、受信部107は、そのタイムスタンプを受信する。
【0020】
データ保存部108は、電子化文書とともに、時刻認証サーバ1から受信部107が受け取ったタイムスタンプを保存する。ここで、複数のパラメータセットのそれぞれに対応する複数のタイムスタンプを得た場合には、当該電子化文書に対して全てのタイムスタンプが共に保存されるものとする。パラメータセットと、電子化文書およびタイムスタンプの保存とについては後述する。
【0021】
図2は、本発明における、電子化文書を読み取る際のパラメータを例示したテーブルである。ここでは、例として、読み取りサイズ、読み取り濃度、色調、解像度、ファイル形式、ファイル品質(非可逆圧縮ファイル形式を選択したときのみ)がパラメータとして挙げられている。
【0022】
通常、紙媒体を電子的に取り込む(読み取る)際に、これらのパラメータは固定されておらず、利用者のニーズによって選択することが可能である。「読み取りサイズ」パラメータは、紙媒体のサイズを表すものであり、A3横、A4縦、A4横、A5縦、A5横、B5縦、B5横等の汎用的な用紙サイズから選択することができる。また、「読み取り濃度」パラメータは、紙媒体を読み取る際の濃度を表すものであり、例えば、濃い、やや濃い、普通、やや薄い、薄い、の5段階から選択することができる。これらの「読み取りサイズ」及び「読み取り濃度」パラメータは、後の読み出し時における変更ができないものであり、図2のテーブルでは、「後変更可」の欄に、×マークがつけられている。つまり、「後変更可」の欄に×マークがつけられているパラメータは、最初の紙原稿読み取りの時にのみ使用されるパラメータであり、電子化文書が作成された後で変更することができないものである。例えば、「読み取りサイズ」は、紙原稿の読み取り時に読取り機構上やコンタクトガラス上のどの領域(大きさ)の読み取りを行うかを決定するものであるため、一度読み取りがなされれば変更はできない。
【0023】
「色調」パラメータは、色の明度と彩度で分けられる色系統のことであり、例えば、フルカラー(24bit)、グレースケール(8bit)、白黒(2bit)から選択することができる。また、「解像度」パラメータは、画像のきめ細かさや画質の滑らかさを表す尺度であり、例えば、600×600dpi、400×400dpi、200×200dpiから選択することができる。さらに、「ファイル形式」パラメータは、コンピュータ上で利用するファイルの保存形式を表すものであり、例えば、可逆圧縮方式と非可逆圧縮方式から選択することができる。「ファイル品質」パラメータは、「ファイル形式」パラメータにおいて非可逆圧縮方式を選択した場合にのみ有効となるパラメータであり、例えば、高品質(100)、中品質(75)、低品質(50)から選択することができる。
【0024】
図2のテーブルにおいて、「後変更可」の欄に○マークがつけられている「色調」、「解像度」、「ファイル形式」、「ファイル品質」の4つのパラメータは、一旦、文書の読み取りが行われ、電子化文書が作成された後でも、制限された範囲内でそれぞれのパラメータ値を変更することができる。例えば、「色調」は、フルカラーの電子化文書を後にグレースケールに変更することが可能であり(逆は不可)、後の読み出し時でも変更が可能なパラメータである。
【0025】
図3は、電子化文書の読み取り時における複数のパラメータのそれぞれに対して、利用者が選択したパラメータ値を例示した図である。図3に示すようなパラメータ値の選択は、文書読み取り時に選択入力部102によって提示された各パラメータのパラメータ値から、利用者が入力装置3を用いて一つ以上選択することにより行われる。通常、一つの電子化文書は、各パラメータについて一つのパラメータ値のみを選択できる。換言すれば、パラメータの種類の数だけ、パラメータ値が選択される。ここで、異なるパラメータのそれぞれに対して選択された一つずつのパラメータ値の組み合わせを、一つのパラメータセットと称する。よって、上記したように、パラメータのうちの少なくとも一つに対して複数のパラメータ値が選択されていれば、何通りかのパラメータセットが存在することになる。図3は、その複数のパラメータセットを示す図でもある。
【0026】
利用者は、「読み取りサイズ」及び「読み取り濃度」パラメータのパラメータ値についてはそれぞれ1つのみを選択し、その他のパラメータについては、必要に応じて1つ以上のパラメータ値を選択することができる。ここで、後の読み出し時に変更が可能なパラメータについて、利用者は変更の可能性のあるパラメータについて、複数のパラメータ値を選択しておくことによって、将来の電子化文書のパラメータ変更に備えることができる。そのために、紙原稿を電子化する際に、複数のパラメータセットのそれぞれに従った電子化文書を作成し、作成された複数の電子化文書のそれぞれの時刻認証を受けるものとする。
【0027】
ここで、パラメータの指定およびパラメータ値の選択は、原稿の読み取りを行う際に利用者がその場でパラメータを指定したりパラメータ値を選択したりしても良いし、予めパラメータの指定およびパラメータ値の選択を行い、DB4に記憶保持させたものを呼び出す方法を用いても良い。事前にパラメータの指定等がなされていれば、利用者が介在することなしに、指定されたパラメータおよび選択されたパラメータ値の読み込みが可能となる。
【0028】
図4は、電子化文書の初期保存に採用されるパラメータセットについて説明する図である。利用者は、複数のパラメータセットについて時刻認証を得てその情報を保持することができるが、電子化文書として実際に作成されるのは、複数のパラメータセットのうちの1つが適用された電子化文書である。作成された電子化文書のパラメータが将来的に変更されるとすれば、その変更を可能にするには、最初に作成される電子化文書が最も情報量が多くなるようなパラメータ値(制限の少ないパラメータ)で作成される必要がある。例えば、「色調」パラメータで「フルカラー(24bit)」と「グレースケール(8bit)」の二つが選択されているとする。このとき、フルカラーからグレースケールへの変換は可能であるが、グレースケールからフルカラーへの変換は事実上不可能である。すなわち、二つのパラメータ値のうちで、情報量の多い(制限の少ない)パラメータ値は「フルカラー(24bit)」ということとなり、保存される電子化文書はフルカラーというパラメータ値が適用されるのが適切である。
【0029】
このように、利用者によって複数選択されたパラメータ値の中から、最も情報量の多い(制限の少ない)パラメータ値(以下、初期画像採用値と称する)が選ばれる。なお、後の変更が可能なパラメータであっても、利用者がパラメータ値を1つしか選択しなかったパラメータについては、そのパラメータ値が初期画像採用値としてそのまま用いられる。
【0030】
図5は、本発明における、複数のパラメータセットを例示した図である。利用者によって選択されたパラメータ値の全ての組み合わせによって、複数のパラメータセットが生成される。図5に示した一例では、図4に示されたように「色調」及び「解像度」パラメータがそれぞれ2つずつ選択されており(他のパラメータは1つのみ選択)、組み合わせとして計4つのパラメータセットが生成される。
【0031】
図5に示されたパラメータセット1が、前述した図4での初期画像採用値であり、最初に作成される電子化文書のパラメータとなる。残りのパラメータセットは、将来の変更に備えて、現在の時点での時刻認証を受けておくために用いられる。
【0032】
図6は、本発明における電子化文書の生成及び時刻認証を受ける工程を示したフローチャートである。電子化文書の読み取り時のパラメータを複数パターン設定して、パラメータセットごとに受けた時刻認証情報(タイムスタンプ)と電子化文書が一緒に保存される。以下、フローチャートに基づく画像処理方法の手順を詳細に説明する。
【0033】
パラメータ取得部101は、DB4に保持されたパラメータを取得し、選択入力部102において、取得されたパラメータのうちそれぞれ1つ以上のパラメータ値が選択され、1つ以上のパラメータセットが生成される(ステップS201)。次に、読取制御部103は、一つのパラメータセットに基づいて、画像読取装置5を用いて原稿(紙文書)を読み取る(ステップS202)。画像読取装置5で読み取られた原稿画像は、読取制御部103を経て、所定のファイル形式の電子化文書として文書保持部104に保持(一時記憶)される(ステップS203)。次に、ハッシュ値計算部105は、ハッシュ関数を用いて、文書保持部104に保持されている電子化文書のハッシュ値を計算する(ステップS204)。
【0034】
ハッシュ値計算部105によって算出されたハッシュ値は、送信部106からネットワーク2を介して外部の時刻認証サーバ1に向けて送信される(ステップS205)。外部の時刻認証サーバ1は、送信部106から受け取ったハッシュ値に対してタイムスタンプを生成し、生成したタイムスタンプを受信部107に返信する(ステップS206)。受信部107において受信されたタイムスタンプは、データ保存部108に送信され、データ保存部108は、そのタイムスタンプを記憶領域に一時的に記憶する(ステップS207)。ここで、生成された1つ以上のパラメータセットに対するタイムスタンプの取得が全て終了したかどうかを判断し(ステップS208)、全てのパラメータセットに対するタイムスタンプが取得されていれば(ステップS208,Yes)、データ保存部108は、初期画像採用値に基づいて電子化された文書ファイルとともに全てのタイムスタンプを含んだファイルを記憶領域に保存し、画像処理方法にかかる一連の処理を終了する(ステップS209)。
【0035】
一方、全てのパラメータセットについて時刻認証がなされていないと判断されれば(ステップS208,No)、選択入力部102で選択された他のパラメータセットを処理対象として設定し(ステップS210)、選択されたパラメータセットに対して、ステップS203以降の処理が繰り返される。
【0036】
図7は、本発明の第1の実施の形態にかかる電子化文書ファイルと共に保存される複数のタイムスタンプファイルを表した概念図である。前述のように、図6のフローチャートにおけるステップS209では、取得した複数のタイムスタンプは、電子化文書とともに保存される。例えば、現在の電子化文書に適用されているのがパラメータセット1であるとすると、複数のタイムスタンプのうち、パラメータセット1に対して認証されたタイムスタンプが認識されなければならない。そのため、現在の電子化文書に適用中のパラメータセットを複数のタイムスタンプ(タイムスタンプ群)の先頭に置き、それ以外のパラメータセットのタイムスタンプを続けて保存することとする。
【0037】
なお、後に電子化文書を異なるパラメータに変換する際、利用者はその時点において、任意のアプリケーションソフトウェアを使用して、保存されているタイムスタンプの順序を適切に入れ替えることが必要である。先頭に置かれたタイムスタンプが、当該電子化文書のタイムスタンプとして真正性が判断されるためである。
【0038】
第1の実施の形態によれば、時刻認証情報の必要な文書を電子化する際に、複数の異なるパラメータセットに対して、時刻認証情報を取得して付随的に保持し、当該時刻認証情報の順序を適切に配置すれば、事後的に初期パラメータと異なるパラメータに従って電子化文書を変換したとしても、時刻認証情報を入れ替えることによって、時刻認証情報をそのまま利用することができるという効果を奏する。
【0039】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、保存されている複数のタイムスタンプのうち、電子化文書に使用されているタイムスタンプをタイムスタンプファイルの先頭に置くようにしたが、第2の実施の形態では、保存されているタイムスタンプにフラグを付け、使用中であるか否かを判断することができるようにする。
【0040】
本実施の形態では、第1の実施の形態で示された画像処理装置100の構成がそのまま用いられる(図1参照)。各構成要素の機能も同様である。また、読み取り機構から時刻認証を受けるまでの流れを示した図6のフローチャートの処理手順も同様に、第2の実施の形態において適用される。
【0041】
図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる電子化文書ファイルと共に保存される複数のタイムスタンプファイルを表した概念図である。第2の実施の形態では、現在使用中のパラメータセットのタイムスタンプにフラグを立て、使用中のパラメータセットが容易に認識できるようにする。前述した図7とは異なり、タイムスタンプの順序とは無関係に、選択中の画像に使用されたパラメータセットに「使用中」を示すフラグを設定する。ここで、フラグの単位としては、1ビットまたは1バイト等の二値が格納できる単位を用いることができる。
【0042】
なお、後の読み出し時に電子化文書のパラメータを変更する際には、利用者はその時点において、任意のアプリケーションソフトウェアを使用して、タイムスタンプのフラグエリアを適切に書き換える必要がある。フラグの付いたタイムスタンプが、当該電子化文書のタイムスタンプとして、真正性が判断されるためである。
【0043】
第2の実施の形態によれば、時刻認証情報の必要な文書を電子化する際に、複数の異なるパラメータに対して、時刻認証情報を取得して付随的に保持し、使用中の時刻認証情報にフラグを適切に設定することによって、事後的に初期パラメータと異なるパラメータを適用して電子化文書を変換したとしても、既存の時刻認証情報をそのまま利用することができるという効果を奏する。
【0044】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態で示された複数のパラメータセットに対するタイムスタンプが、共に保存されている電子化文書に電子透かしとして埋め込まれて保持されるようにする。
【0045】
図9は、本発明の第3の実施の形態にかかる画像処理装置の構成を概略的に示すブロック図である。図9に示すように、画像処理装置200は、パラメータ取得部201、選択入力部202、読取制御部203、文書保持部204、ハッシュ値計算部205、送信部206、受信部207、データ保存部208、電子透かし埋込部209が含まれる。ここで、パラメータ取得部201、選択入力部202、読取制御部203、文書保持部204、ハッシュ値計算部205、送信部206、受信部207、データ保存部208は、図1に示したパラメータ取得部101、選択入力部102、読取制御部103、文書保持部104、ハッシュ値計算部105、送信部106、受信部107、データ保存部108にそれぞれ対応し、同じ役割を担うものであるので、それらの説明を省略する。
【0046】
電子透かし埋込部209は、データ保存部208によって保存されている電子化文書及び複数のタイムスタンプについて、当該複数のタイムスタンプを電子化文書内に電子透かしとして埋め込む。電子透かしは、著作権等の保護の観点から発展した技術であり、電子化文書に固有の情報を埋め込むことにより実現される。また、この電子透かしには、人間の知覚によって容易に認識できるもの及び人間の知覚によっては認識できないもの等がある。
【0047】
図10及び図11は、第3の実施の形態にかかる複数のタイムスタンプの保存について概念的及び具体的に示した図である。図10は、複数のタイムスタンプ情報を電子化文書内に電子透かしとして埋め込んで保持している状態を概念的に示している。
【0048】
図11には、複数のタイムスタンプを電子透かしで埋め込んで保存した状態が示されている。これは、複数のタイムスタンプの電子透かしによる埋め込みが、人間の視覚によって容易に認識できない状態で行われた具体例である。図11に例示したのは、電子透かしの具体例として、フォント透かし法を用いて二値画像への電子透かしの埋め込みを行った例である。より具体的に述べると、文字フォントの本来のドット(黒四角)に対し、人の目に気付かれないようなパターンで電子透かし情報をドット(白四角)として埋め込んでいる。なお、図11の白四角で表示したドットは、電子透かし情報を埋め込んだドットとわかりやすくするために色を変えて表示したものであり、実際には二値画像であるのでどれも通常フォントと同じ黒色のドットである。
【0049】
また、他の電子透かし法としては、例えば、多値カラー画像であれば輝度操作を用いた電子透かし法や、フレネル変換を用いた電子透かし法、DCT係数を利用した電子透かし法などがあり、それぞれの適用が可能である。
【0050】
第3の実施の形態によれば、時刻認証情報を電子透かしとして埋め込むことによって、作成された電子化文書のフォントの一部に時刻認証情報を埋め込むことができるので、事後的に初期パラメータと異なるパラメータを適用して電子化文書を変換したとしても、既存の時刻認証情報をそのまま利用することができるという効果を奏する。
【0051】
第1〜3の実施の形態の画像処理装置は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成によっても実現することができる。
【0052】
第1〜3の実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0053】
また、第1〜3の実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理方法は、画像処理プログラムとして、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、その画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良いし、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0054】
第1〜3の実施の形態の画像処理装置で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(パラメータ取得部、選択入力部、読取制御部、文書保持部、ハッシュ値計算部、送信部、受信部、データ保存部、電子透かし埋込部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、パラメータ取得部、選択入力部、読取制御部、文書保持部、ハッシュ値計算部、送信部、受信部、データ保存部、電子透かし埋込部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0055】
図12は、本発明の第1〜3の実施の形態にかかる画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像処理装置は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、画像処理装置全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0056】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0057】
CPU11は、画像処理装置の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0058】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0059】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0060】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0061】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0062】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0063】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 時刻認証サーバ
2 ネットワーク
3 入力装置
4 データベース
5 画像読取装置
10 コントローラ
11 CPU
12 MEM−P
12a ROM
12b RAM
13 NB
14 SB
15 AGPバス
16 ASIC
17 MEM−C
18 HDD
30 FCU
40 USB
42 表示画面
50 IEEE1394インターフェース
60 エンジン部
100,200 画像処理装置
101,201 パラメータ取得部
102,202 選択入力部
103,203 読取制御部
104,204 文書保持部
105,205 ハッシュ値計算部
106,206 送信部
107,207 受信部
108,208 データ保存部
209 組込処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開平11−338780号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパラメータセットに示される読取り条件に従って紙文書から第1の電子化文書を作成する読取制御手段と、
少なくとも一つのパラメータ値が前記第1のパラメータセットとは異なる第2のパラメータセットに示される読取り条件に従って前記第1の電子化文書から第2の電子化文書を作成し、前記第1の電子化文書の第1のハッシュ値と前記第2の電子化文書の第2のハッシュ値とを計算するハッシュ値計算手段と、
前記第1のハッシュ値に対する第1の時刻認証情報と前記第2のハッシュ値に対する第2の時刻認証情報とを外部装置から取得する時刻認証手段と、
前記第1の時刻認証情報と、前記第2の時刻認証情報と、前記第1の電子化文書とを共に保存するデータ保存手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記外部装置は、ネットワーク上の時刻認証サーバであり、
前記時刻認証手段は、前記第1のハッシュ値及び前記第2のハッシュ値を前記時刻認証サーバに送信する送信手段と、
前記第1の時刻認証情報と記前記第2の時刻認証情報とを前記時刻認証サーバから受信する受信手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1のパラメータセットは、複数種のパラメータのそれぞれのパラメータ値からなり、
前記第2のパラメータセットは、前記第1のパラメータセットのパラメータ値のうち少なくとも一つが異なるパラメータ値からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記複数種のパラメータのそれぞれに対しパラメータ値を入力し、且つそれらパラメータのうちの少なくとも一つのパラメータに対しては二つ以上のパラメータ値を入力する選択入力手段をさらに備え、
前記パラメータ値の組み合わせから前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットが決定され、
前記読取制御手段は、前記第1の電子化文書を作成するために、前記選択入力手段によって入力された前記第1のパラメータセットを用い、
前記ハッシュ値計算手段は、前記第2の電子化文書を作成するために、前記選択入力手段によって入力された前記第2のパラメータセットを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットのそれぞれのパラメータ値を予め記憶保持する記憶手段をさらに備え、
前記読取制御手段は、前記第1の電子化文書を作成するために、前記記憶手段によって記憶保持された前記第1のパラメータセットを用い、
前記ハッシュ値計算手段は、前記第2の電子化文書を作成するために、前記記憶手段によって記憶保持された前記第2のパラメータセットを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1のパラメータセットのパラメータ値は、選択しうるパラメータ値のうち電子化後の文書の情報量が最も多いパラメータ値であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記データ保存手段は、前記第1の時刻認証情報及び前記第2の時刻認証情報を共に電子透かしとして、前記第1の電子化文書内に埋め込む電子透かし埋込手段をさらに備え、
前記電子透かしは、前記第1の電子化文書内に埋め込まれて保存されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第1の電子化文書と前記第2の電子化文書のうち実際に適用されている電子化文書に対応する時刻認証情報が、時刻認証情報群の先頭に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の電子化文書と前記第2の電子化文書のうち実際に適用されている電子化文書に対応する時刻認証情報にフラグ情報が付与されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
画像処理装置で利用される画像処理方法であって、
前記画像処理装置の読取制御手段が、第1のパラメータセットに示される読取り条件に従って紙文書から第1の電子化文書を作成する読取制御工程と、
前記画像処理装置のハッシュ値計算手段が、少なくとも一つのパラメータ値が前記第1のパラメータセットとは異なる第2のパラメータセットに示される読取り条件に従って前記第1の電子化文書から第2の電子化文書を作成し、前記第1の電子化文書の第1のハッシュ値と前記第2の電子化文書の第2のハッシュ値とを計算するハッシュ値計算工程と、
前記画像処理装置の時刻認証手段が、前記第1のハッシュ値に対する第1の時刻認証情報と前記第2のハッシュ値とに対する第2の時刻認証情報とを外部装置から取得する時刻認証工程と、
前記画像処理装置のデータ保存手段が、前記第1の時刻認証情報と、前記第2の時刻認証情報と、前記第1の電子化文書とを共に保存するデータ保存工程と、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
前記外部装置は、ネットワーク上の時刻認証サーバであり、
前記時刻認証工程は、前記画像処理装置の送信手段が、前記第1のハッシュ値及び前記第2のハッシュ値を前記時刻認証サーバに送信する送信工程と、
前記画像処理装置の受信手段が、前記第1の時刻認証情報と、前記第2の時刻認証情報とを前記時刻認証サーバから受信する受信工程と、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記第1のパラメータセットは、複数種のパラメータのそれぞれのパラメータ値からなり、
前記第2のパラメータセットは、前記第1のパラメータセットのパラメータ値のうち少なくとも一つが異なるパラメータ値からなることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記画像処理装置の選択入力手段によって、前記複数種のパラメータのそれぞれに対しパラメータ値を入力し、且つそれらパラメータのうちの少なくとも一つのパラメータに対しては二つ以上のパラメータ値を入力する選択入力工程をさらに含み、
前記パラメータ値の組み合わせから前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットが決定され、
前記読取制御工程は、前記第1の電子化文書を作成するために、前記選択入力工程で入力された前記第1のパラメータセットを用い、
前記ハッシュ値計算工程は、前記第2の電子化文書を作成するために、前記選択入力工程で入力された前記第2のパラメータセットを用いることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記第1のパラメータセットおよび前記第2のパラメータセットのそれぞれのパラメータ値を前記画像処理装置の記憶手段に予め記憶保持する記憶工程をさらに含み、
前記読取制御工程は、前記第1の電子化文書を作成するために、前記記憶工程で記憶保持された前記第1のパラメータセットを用い、
前記ハッシュ値計算工程は、前記第2の電子化文書を作成するために、前記記憶工程で記憶保持された前記第2のパラメータセットを用いることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項15】
前記第1のパラメータセットのパラメータ値は、選択しうるパラメータ値のうち電子化後の文書の情報量が最も多いパラメータ値であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項16】
前記データ保存工程は、前記画像処理装置の電子透かし埋込手段によって、前記第1の時刻認証情報及び前記第2の時刻認証情報を共に電子透かしとして、前記第1の電子化文書内に埋め込む電子透かし埋込工程をさらに含み、
前記電子透かしは、前記第1の電子化文書内に埋め込まれて保存されることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記第1の電子化文書と前記第2の電子化文書のうち実際に適用されている電子化文書に対応する時刻認証情報が、時刻認証情報群の先頭に配置されることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項18】
前記第1の電子化文書と前記第2の電子化文書のうち実際に適用されている電子化文書に対応する時刻認証情報にフラグ情報が付与されていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項19】
請求項10〜18に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−206399(P2010−206399A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48338(P2009−48338)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】