説明

画像処理装置、画像表示装置及び画像処理方法

【課題】簡素な構成で、画素ずれ補正と幾何補正とを同時に行うことができる画像処理装
置、画像表示装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号を補正する画
像処理装置は、1又は複数の補正テーブルを記憶する補正テーブル記憶部と、前記補正テ
ーブル記憶部に記憶されたいずれかの補正テーブルに基づいて、各色成分の画像信号を独
立に補正する画像信号補正部とを含み、前記画像信号補正部が、前記色成分毎に独立に、
前記サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるように表示した表示画素により構成
される表示画像の幾何補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像表示装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(画像投影装置)としてのプロジェクタは、設置の自由度が高く、低コス
トで、液晶ディスプレイ装置では実現できない大画面の表示を行うことができる。このプ
ロジェクタは画像をスクリーンに投射するため、プロジェクタ本体とスクリーンとの位置
関係が変わると、表示画像の形状が変わってしまうという性質がある。このため、近年の
プロジェクタでは、キーストーン補正等の幾何補正を画像処理で実現し、プロジェクタ本
体とスクリーンとの位置関係によって変化する表示画像の形状補正を行っている。
【0003】
また、プロジェクタは、光源(ランプ)からの光を光変調素子に入射し、光学系におい
て合成や拡大投射を行ってスクリーン上に結像することで大画面の表示を実現している。
多くの場合、1画素に対応したスクリーン上の表示画素の色を、複数の原色の色成分のサ
ブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせることで表現している。このため、光変調素
子の取り付け精度、温度による伸縮の影響、光学系を構成する部品の色収差等に起因して
、各色成分の表示サブ画素の表示位置がずれる現象(画素ずれ)が発生し、画質の低下を
招くという問題がある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1には、上記のキーストーン補正と画素ずれ補正とを実現する
技術が開示されている。この特許文献1では、水平・垂直同期信号のタイミングをずらす
ことで、画素単位で光変調素子としての液晶パネル上の画像の位置を平行移動させている
。そして、キーストーン補正と水平・垂直同期信号のタイミング操作とを順次行うことで
、キーストーン補正と画素ずれ補正とを実現している。
【0005】
【特許文献1】特開平8−102901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、液晶パネル上の画像の位置の平行移
動を画素単位でしか行うことができず、画素ずれに起因する画質の低下を十分に抑えるこ
とができないことがある。また、特許文献1に開示された技術では、キーストーン補正を
行う回路と、水平・垂直同期信号のタイミング操作を行う回路とが必要となり、回路規模
が増大する上に、画像処理の遅延時間が長くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、
簡素な構成で、画素ずれ補正や幾何補正を行うことができる画像処理装置、画像表示装置
及び画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応
した画像信号を補正する画像処理装置であって、1又は複数の補正テーブルを記憶する補
正テーブル記憶部と、前記補正テーブル記憶部に記憶されたいずれかの補正テーブルに基
づいて、各色成分の画像信号を独立に補正する画像信号補正部とを含み、前記画像信号補
正部が、前記色成分毎に独立に、前記サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるよ
うに表示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行う画像処理装置に関係す
る。
【0009】
本発明によれば、色成分毎に、補正テーブル記憶部に記憶されたいずれかの補正テーブ
ルに基づいて、独立に画像信号を補正し、色成分毎に、表示サブ画素を重ね合わせるよう
に表示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行うようにしたので、水平・
垂直同期信号のタイミング操作を行うことなく、簡素な構成で幾何補正処理を実現する画
像処理装置を提供できるようになる。
【0010】
また本発明に係る画像処理装置では、前記補正テーブル記憶部は、前記表示サブ画素の
表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補正量とに対応した補正データを有する補正
テーブルを記憶し、前記画像信号補正部は、前記表示画像の幾何補正を行うように前記画
像信号を補正すると共に、前記画素ずれ量に対応した画素ずれ補正を行うことができる。
【0011】
本発明によれば、補正テーブル記憶部に、画素ずれ量と幾何補正量とに対応した補正デ
ータを有する補正テーブルを記憶させるようにしたので、簡素な構成で、画素ずれ補正と
幾何補正とを同時に行うことができるようになる。これにより、画像処理の遅延時間も短
縮できるようになる。
【0012】
また本発明に係る画像処理装置では、前記画像信号補正部は、前記補正テーブルに基づ
いて、当該サブ画素の画像信号と前記当該サブ画素の周囲の1又は複数のサブ画素に対応
した画像信号との補間処理を行うことで、前記表示画像の幾何補正を行うように前記当該
サブ画素の画像信号を補正すると共に前記画素ずれ補正を行うことができる。
【0013】
本発明によれば、補正テーブルに基づいて、当該サブ画素の画像信号と当該サブ画素の
周囲の1又は複数のサブ画素に対応した画像信号との補間処理を行うようにしたので、1
画素より小さい単位で画素ずれ補正を行うことができると共に、簡素な構成で、画素ずれ
補正と幾何補正とを同時に行う画像処理装置を提供できるようになる。
【0014】
また本発明に係る画像処理装置では、1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素に
より構成される場合に、前記補正テーブル記憶部は、各補正テーブルが、前記表示サブ画
素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補正量とに対応した補正データを有する
N種類の補正テーブルを記憶し、前記画像信号補正部は、前記色成分毎に異なる補正テー
ブルに基づいて、色成分毎に独立に画像信号を補正することができる。
【0015】
本発明によれば、簡素な構成で、N種類の色成分毎に補正処理が可能な画像処理装置を
提供できるようになる。従って、各色成分について、例えば画素ずれ補正及び幾何補正等
の複数種類の補正処理を同時に行うことが可能となる。
【0016】
また本発明に係る画像処理装置では、1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素に
より構成される場合に、前記補正テーブル記憶部は、各補正テーブルが、前記表示サブ画
素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正データを有する(N−1)種類の補正テーブル
を記憶し、前記画像信号補正部は、(N−1)種類の色成分について、色成分毎に独立に
画像信号を補正することができる。
【0017】
本発明によれば、簡素な構成で、(N−1)種類の色成分毎に補正処理が可能な画像処
理装置を提供できるようになる。従って、例えば、1つの色成分の表示サブ画素の表示位
置を基準に、残りの色成分の表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した画素ずれ補
正を行うことができるようになる。
【0018】
また本発明に係る画像処理装置では、半径Rの円筒スクリーンの中心に位置する視点の
後方にLだけ離して設置された画像表示装置が該円筒スクリーンに画像を表示する場合に
おいて、前記視点から見た前記円筒スクリーンの水平方向の幅を2w、前記視点から角度
θの方向のサブ画素に対する補正データをΔxとすると、前記補正テーブル記憶部に記憶
される補正テーブルの1つは、次の式に従って角度θに対する補正データを記憶すること
ができる。
【数1】

【0019】
本発明によれば、簡素な構成で、画素ずれ補正と同時に実現可能で、円筒スクリーンへ
の投影画像の幾何補正が可能な画像処理装置を提供できるようになる。
【0020】
また本発明は、1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号に基づい
て画像を表示する画像表示装置であって、上記のいずれか記載の画像処理装置と、前記画
像処理装置によって補正された画像信号に基づいて、各サブ画素に対応した表示サブ画素
を重ね合わせて表示する画像表示部とを含む画像表示装置に関係する。
【0021】
本発明によれば、簡素な構成で、画素ずれ補正や幾何補正を行って、画質の低下を抑え
たり幾何補正が行われたり、画像を表示する画像表示装置を提供できるようになる。
【0022】
また本発明は、1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号を補正す
る画像処理方法であって、前記サブ画素に対応した画像信号を取得する画像信号取得ステ
ップと、補正テーブル記憶部に記憶された1又は複数の補正テーブルのいずれかに基づい
て、色成分毎に独立に、前記画像信号取得ステップにおいて取得された画像信号を補正す
る画像信号補正ステップとを含み、前記画像信号補正ステップは、前記色成分毎に独立に
、前記サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるように表示した表示画素により構
成される表示画像の幾何補正を行う画像処理方法に関係する。
【0023】
本発明によれば、色成分毎に、補正テーブル記憶部に記憶されたいずれかの補正テーブ
ルに基づいて、独立に画像信号を補正し、色成分毎に、表示サブ画素を重ね合わせるよう
に表示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行うようにしたので、水平・
垂直同期信号のタイミング操作を行うことなく、簡素な構成で幾何補正処理を実現する画
像処理方法を提供できるようになる。
【0024】
また本発明に係る画像処理方法では、前記補正テーブル記憶部は、前記表示サブ画素の
表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補正量とに対応した補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正ステップは、前記表示画像の幾何補正を行うように前記画像信号を補正
すると共に、前記画素ずれ量に対応した画素ずれ補正を行うことができる。
【0025】
本発明によれば、画素ずれ量と幾何補正量とに対応した補正データを有する補正テーブ
ルに基づいて、色成分毎に画像信号を補正するようにしたので、簡素な構成で、画素ずれ
補正と幾何補正とを同時に行うことができるようになる。これにより、画像処理の遅延時
間も短縮できるようになる。
【0026】
また本発明に係る画像処理方法では、前記画像信号補正ステップは、前記補正テーブル
に基づいて、当該サブ画素の画像信号と前記当該サブ画素の周囲の1又は複数のサブ画素
に対応した画像信号との補間処理を行うことで、前記当該サブ画素の画像信号に対して前
記幾何補正を行うと共に前記画素ずれ補正を行うことができる。
【0027】
本発明によれば、補正テーブルに基づいて、当該サブ画素の画像信号と当該サブ画素の
周囲の1又は複数のサブ画素に対応した画像信号との補間処理を行うようにしたので、1
画素より小さい単位で画素ずれ補正を行うことができると共に、簡素な構成で、画素ずれ
補正と幾何補正とを同時に行う画像処理方法を提供できるようになる。
【0028】
また本発明に係る画像処理方法では、1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素に
より構成される場合に、前記補正テーブル記憶部は、各補正テーブルが、前記表示サブ画
素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補正量とに対応した補正データを有する
N種類の補正テーブルを記憶し、前記画像信号補正ステップは、前記色成分毎に異なる補
正テーブルに基づいて、色成分毎に独立に画像信号を補正することができる。
【0029】
本発明によれば、簡素な構成で、N種類の色成分毎に補正処理が可能な画像処理方法を
提供できるようになる。従って、各色成分について、例えば画素ずれ補正及び幾何補正等
の複数種類の補正処理を同時に行うことが可能となる。
【0030】
また本発明に係る画像処理方法では、1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素に
より構成される場合に、前記補正テーブル記憶部は、各補正テーブルが、前記表示サブ画
素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正データを有する(N−1)種類の補正テーブル
を記憶し、前記画像信号補正ステップは、(N−1)種類の色成分について、色成分毎に
独立に画像信号を補正することができる。
【0031】
本発明によれば、簡素な構成で、(N−1)種類の色成分毎に補正処理が可能な画像処
理方法を提供できるようになる。従って、例えば、1つの色成分の表示サブ画素の表示位
置を基準に、残りの色成分の表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した画素ずれ補
正を行うことができるようになる。
【0032】
また本発明に係る画像処理方法では、半径Rの円筒スクリーンの中心に位置する視点の
後方にLだけ離して設置された画像表示装置が該円筒スクリーンに画像を表示する場合に
おいて、前記視点から見た前記円筒スクリーンの水平方向の幅を2w、前記視点から角度
θの方向のサブ画素に対する補正データをΔxとすると、前記補正テーブル記憶部に記憶
される補正テーブルの1つは、次の式に従って角度θに対する補正データを記憶すること
ができる。
【数1】

【0033】
本発明によれば、簡素な構成で、画素ずれ補正と同時に実現可能で、円筒スクリーンへ
の投影画像の幾何補正が可能な画像処理方法を提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明す
る実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではな
い。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0035】
以下では、本発明に係る画像表示装置(画像投影装置)としてプロジェクタを例に説明
するが、本発明に係る画像表示装置がプロジェクタに限定されるものではない。例えば、
サブ画素に対応した表示サブ画素の表示位置のずれに起因した画質の低下は、プロジェク
タに限らず種々の画像表示装置でも起こり得る現象であると考えられるため、本発明に係
る画像表示装置はプロジェクタに限定されるものではない。
【0036】
図1に、本発明に係る実施形態における画像表示装置としてのプロジェクタを含む画像
表示システムの構成例のブロック図を示す。
【0037】
本実施形態における画像表示システム10は、プロジェクタ20と、スクリーンSCR
とを含む。プロジェクタ20は、複数の色成分に対応した画像信号に基づいて変調された
光をスクリーンSCRに投射することで画像表示を行う。ここで、入力画像の1画素は、
複数の色成分に対応した複数のサブ画素から構成されている。そして、スクリーンSCR
に投射された表示画像を構成する表示画素は、1画素を構成する複数のサブ画素に対応し
た複数の表示サブ画素により構成される。
【0038】
このようなプロジェクタ20は、画像処理装置としての画像処理部30と、画像表示部
としての投射部100とを含む。
【0039】
画像処理部30は、各サブ画素の画素値に対応した画像信号に対して、色成分毎に(サ
ブ画素毎に)、スクリーンSCRに投射された表示画像の幾何補正処理(形状補正処理)
を行う。更に、画像処理部30は、この幾何補正処理と同時に、該表示画像の各表示画素
を構成する表示サブ画素の表示位置のずれ量に応じた画素ずれ補正処理を行うことができ
る。この画像信号は、図示しない画像信号生成装置によって生成され、画像処理部30に
供給される。
【0040】
投射部100は、画像処理部30によって補正された画像信号に基づいて、色成分毎に
、光源からの光を変調し、各色成分の変調光を合成して、各表示サブ画素が重なり合うよ
うにスクリーンSCRに投射する。これにより、スクリーンSCRに投射された画像の形
状が補正されると共に、画素ずれに起因した画質の低下を抑えることができる。
【0041】
このような画像処理部30は、補正テーブル記憶部40と、補正量算出部44と、画像
信号補正部46とを含むことができる。補正テーブル記憶部40は、1又は複数の補正テ
ーブルを記憶する。各補正テーブルは、各色成分の画像信号の補正量に対応した補正デー
タを有する。補正量算出部44は、補正テーブル記憶部40に記憶された補正テーブルの
中から色成分毎に指定された補正テーブルに従って、色成分毎に画像信号の補正量を算出
する。画像信号補正部46は、色成分毎に独立に、補正量算出部44によって算出された
補正量を用いて画像信号を補正し、サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるよう
に表示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行う。この画像信号補正部4
6による幾何補正後の画像信号は、投射部100に出力される。
【0042】
ここで、1画素がN(Nは2以上の整数)種類の色成分のサブ画素により構成される場
合、補正テーブル記憶部40は、1又は複数の補正テーブルを記憶することができ、同時
に、最大でN種類の第1〜第Nの補正テーブル42〜42が個別に参照される。各補
正テーブルに格納される補正データとして、幾何補正すべき量、画素ずれ量及びその他の
補正すべき量に対応した補正データを採用することで、色成分毎に、どの補正テーブルを
参照するかを指定して、画像信号補正部46が、各色成分の画像信号に対して複数種類の
補正処理を同時に行うことができる。
【0043】
例えば、補正テーブル記憶部40は、表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と表示画素
により構成される表示画像の幾何補正量とに対応した補正テーブルを記憶し、補正量算出
部44が、該補正テーブルに従って補正量を算出する。そして、画像信号補正部46は、
補正量算出部44によって算出された補正量を用いて、表示画像の幾何補正を行うように
画像信号を補正すると共に、画素ずれ量に対応した画素ずれ補正を行う。これにより、幾
何補正用の回路と画素ずれ補正用の回路とを個別に設けて順次補正処理を行うようなこと
なく、小規模の構成で、幾何補正と画素ずれ補正とを同時に行うことができるようになる

【0044】
なお、補正テーブル記憶部40が記憶する各補正テーブルは、表示画像の1画面内の複
数の代表画素(代表点)における補正データを有することが望ましい。この場合、補正量
算出部44は、この補正テーブルの補正データに対する補間処理により、当該サブ画素位
置における補正データを算出する。こうして、補正量算出部44は、1画面の全画素につ
いて、補正量を算出することができる。
【0045】
以下では、Nが「3」であり、1画素がR成分、G成分及びB成分のサブ画素から構成
されるものとして説明するが、本実施形態が1画素を構成する色成分数に限定されるもの
ではない。
【0046】
図2に、本実施形態における画像処理部30の構成例の詳細なブロック図を示す。図2
において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0047】
本実施形態における画像処理部30は、図1の補正テーブル記憶部40、補正量算出部
44及び画像信号補正部46に加えて、補正テーブル選択部50と、補正処理指定部52
とを含むことができる。
【0048】
補正テーブル選択部50は、補正テーブル記憶部40に記憶された第1〜第3(=N)
の補正テーブル42〜42の中から、色成分毎に補正処理指定部52によって指定さ
れた補正テーブルを選択する制御を行う。そして、補正テーブル選択部50は、色成分毎
に、指定された補正テーブルの補正データを補正量算出部44に出力する。
【0049】
補正処理指定部52は、色成分毎に、補正テーブル記憶部40の第1〜第3の補正テー
ブル42〜42のいずれかを指定する。補正処理指定部52は、複数の色成分で共通
の補正テーブルを指定するようにしてもよいし、色成分毎に異なる補正テーブルを指定す
るようにしてもよい。
【0050】
また、補正処理指定部52は、色成分毎に、補正処理のオン又はオフを指定する。補正
処理のオンが指定された色成分については、当該色成分の画像信号に対して補正処理が行
われる。補正処理のオフが指定された色成分については、当該色成分の画像信号に対して
補正処理が行われない。補正処理指定部52は、1又は複数の色成分の補正処理のオンを
指定したり、1又は複数の色成分の補正処理のオフを指定したりしてもよい。
【0051】
補正量算出部44は、R成分用補正量算出部44R、G成分用補正量算出部44G及び
B成分用補正量算出部44Bを含み、色成分毎に、補正量を算出することができるように
なっている。R成分用補正量算出部44R、G成分用補正量算出部44G及びB成分用補
正量算出部44Bの各色成分用補正量算出部は、補正テーブル選択部50によって選択さ
れた補正テーブルに従って補正量を算出する。
【0052】
画像信号補正部46は、R成分用画像信号補正部46R、G成分用画像信号補正部46
G及びB成分用画像信号補正部46Bを含み、色成分毎に、各色成分の画像信号を補正す
ることができるようになっている。R成分用画像信号補正部46R、G成分用画像信号補
正部46G及びB成分用画像信号補正部46Bのうち、補正処理指定部52によってオン
が指定されたものは、当該色成分の画像信号に対して、当該色成分用補正量算出部によっ
て算出された補正量を用いた補正処理を行う。R成分用画像信号補正部46R、G成分用
画像信号補正部46G及びB成分用画像信号補正部46Bのうち、補正処理指定部52に
よってオフが指定されたものは、当該色成分の画像信号に対して補正処理を行わない。
【0053】
このような構成により、色成分毎に、指定された補正テーブルに従って補正量が算出さ
れ、色成分毎に独立して画像信号が補正される。
【0054】
投射部100には、このような画像処理部30によって補正処理が行われた画像信号が
供給される。この投射部100は、例えば3板式の液晶プロジェクタにより構成され、1
画素を構成するサブ画素の画像信号に基づいてスクリーンSCRに画像を投射する。より
具体的には、投射部100は、画像処理部30によって補正された画像信号に基づいて、
図示しない光源からの光を変調し、変調後の光を用いてスクリーンSCRに投射する。
【0055】
図3に、図1の投射部100の構成例を示す。図3では、本実施形態における投射部1
00が、いわゆる3板式の液晶プロジェクタにより構成されるものとして説明するが、本
発明に係る画像表示装置の投射部がいわゆる3板式の液晶プロジェクタにより構成される
ものに限定されるものではない。
【0056】
投射部100は、光源110、インテグレータレンズ112、114、偏光変換素子1
16、重畳レンズ118、R成分用ダイクロイックミラー120R、G成分用ダイクロイ
ックミラー120G、反射ミラー122、R成分用フィールドレンズ124R、G成分用
フィールドレンズ124G、R成分用液晶パネル130R(第1の光変調素子)、G成分
用液晶パネル130G(第2の光変調素子)、B成分用液晶パネル130B(第3の光変
調素子)、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160、投射レンズ17
0を含む。R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶パネル130G及びB成分用液晶
パネル130Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光
学系140は、リレーレンズ142、144、146、反射ミラー148、150を含む

【0057】
光源110は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成
分の光、B成分の光を含む光を射出する。インテグレータレンズ112は、光源110か
らの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレータレンズ
114は、インテグレータレンズ112の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有
する。重畳レンズ118は、インテグレータレンズ112の複数の小レンズから射出され
る部分光を液晶パネル上で重畳する。
【0058】
また偏光変換素子116は、偏光ビームスプリッタアレイとλ/2板とを有し、光源1
10からの光を略一種類の偏光光に変換する。偏光ビームスプリッタアレイは、インテグ
レータレンズ112により分割された部分光をp偏光とs偏光に分離する偏光分離膜と、
偏光分離膜からの光の向きを変える反射膜とを、交互に配列した構造を有する。偏光分離
膜で分離された2種類の偏光光は、λ/2板によって偏光方向が揃えられる。この偏光変
換素子116によって略一種類の偏光光に変換された光が、重畳レンズ118に照射され
る。
【0059】
重畳レンズ118からの光は、R成分用ダイクロイックミラー120Rに入射される。
R成分用ダイクロイックミラー120Rは、R成分の光を反射して、G成分及びB成分の
光を透過させる機能を有する。R成分用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、
G成分用ダイクロイックミラー120Gに照射され、R成分用ダイクロイックミラー12
0Rにより反射した光は反射ミラー122により反射されてR成分用フィールドレンズ1
24Rに導かれる。
【0060】
G成分用ダイクロイックミラー120Gは、G成分の光を反射して、B成分の光を透過
させる機能を有する。G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、リレー光
学系140に入射され、G成分用ダイクロイックミラー120Gにより反射した光はG成
分用フィールドレンズ124Gに導かれる。
【0061】
リレー光学系140では、G成分用ダイクロイックミラー120Gを透過したB成分の
光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくするために
、リレーレンズ142、144、146を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ
142を透過した光は、反射ミラー148によりリレーレンズ144に導かれる。リレー
レンズ144を透過した光は、反射ミラー150によりリレーレンズ146に導かれる。
リレーレンズ146を透過した光は、B成分用液晶パネル130Bに照射される。
【0062】
R成分用フィールドレンズ124Rに照射された光は、平行光に変換されてR成分用液
晶パネル130Rに入射される。R成分用液晶パネル130Rは、光変調素子(光変調部
)として機能し、R成分用画像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するよう
になっている。従って、R成分用液晶パネル130Rに入射された光(第1の色成分の光
)は、画像処理部30によって補正されたR成分用の画像信号に基づいて変調され、変調
後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
【0063】
G成分用フィールドレンズ124Gに照射された光は、平行光に変換されてG成分用液
晶パネル130Gに入射される。G成分用液晶パネル130Gは、光変調素子(光変調部
)として機能し、G成分用画像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するよう
になっている。従って、G成分用液晶パネル130Gに入射された光(第2の色成分の光
)は、画像処理部30によって補正されたG成分用の画像信号に基づいて変調され、変調
後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
【0064】
リレーレンズ142、144、146で平行光に変換された光が照射されるB成分用液
晶パネル130Bは、光変調素子(光変調部)として機能し、B成分用画像信号に基づい
て透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、B成分用液晶パネル
130Bに入射された光(第3の色成分の光)は、画像処理部30によって補正されたB
成分用の画像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム16
0に入射される。
【0065】
R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶パネル130G及びB成分用液晶パネル1
30Bは、それぞれ同様の構成を有している。各液晶パネルは、電気光学物質である液晶
を一対の透明なガラス基板に密閉封入したものであり、例えばポリシリコン薄膜トランジ
スタをスイッチング素子として、各サブ画素の画像信号に対応して各色光の通過率を変調
する。
【0066】
クロスダイクロイックプリズム160は、R成分用液晶パネル130R、G成分用液晶
パネル130G及びB成分用液晶パネル130Bからの入射光を合成した合成光を出射光
として出力する機能を有する。投射レンズ170は、出力画像をスクリーンSCR上に拡
大して結像させるレンズであり、ズーム倍率に応じて画像を拡大又は縮小させる機能を有
する。
【0067】
ここで、本実施形態における幾何補正処理と画素ずれ補正処理について説明する。
【0068】
図4(A)、図4(B)に、本実施形態における幾何補正処理の説明図を示す。図4(
A)は、R成分用液晶パネル130Rの画素(サブ画素)を模式的に表す。図4(B)は
、R成分用液晶パネル130Rによる変調光を用いたスクリーンSCRの表示画像を模式
的に表す。
図5に、本実施形態における幾何補正前後の表示画像の形状を模式的に示す。
【0069】
例えば図4(A)に示すように、プロジェクタ20の本体とスクリーンSCRとの位置
関係によっては、スクリーンSCRに投射された表示画像の形状が図4(B)に示すよう
に歪む。これは、例えば投射レンズの光学特性(幾何収差)に起因するものである。そこ
で、例えば図4(B)の表示サブ画素P2に対応する図4(A)のサブ画素P1の画像信
号を、サブ画素P1の近傍(周囲)の1又は複数のサブ画素(例えば、図4(A)のサブ
画素群P10)の画像信号を用いた補間処理により算出し、幾何補正後のサブ画素P1の
画像信号として出力する。投射部100のR成分用液晶パネル130Rは、サブ画素P1
に対応する補正後の画像信号により光源からの光を変調し、この変調光を用いてスクリー
ンSCRに投射される。
【0070】
その結果、例えば図5に示すように幾何補正前の投射画像IMG1が、幾何補正後の投
射画像IMG2に形状補正され、プロジェクタ20とスクリーンSCRとの位置関係に応
じて適切な表示画像を表示させることが可能となる。
【0071】
なお、図4(A)、図4(B)及び図5では、R成分の表示サブ画素を例に説明したが
、G成分及びB成分も同様である。また、プロジェクタ20とスクリーンSCRとの位置
関係や投射レンズの幾何収差に起因した幾何補正を例に説明したが、プロジェクタ20に
対するスクリーンSCRの投射面の向きに起因して幾何補正を行う場合も同様である。
【0072】
このように、幾何補正処理は、例えばプロジェクタ20本体とスクリーンSCRとの位
置関係や投射レンズの幾何収差に起因して行われるが、画素ずれ補正処理は、例えば光学
部品の取り付け精度や色収差等に起因して行われる。
【0073】
図6に、図3の投射部100によりスクリーンSCRに投射された表示画像を構成する
表示画素を模式的に示す。
【0074】
スクリーンSCRに投射された表示画像を構成する表示画素PXは、R成分用液晶パネ
ル130Rのサブ画素に対応したR成分の表示サブ画素PR、G成分用液晶パネル130
Gのサブ画素に対応したG成分の表示サブ画素PG、及びB成分用液晶パネル130Bの
サブ画素に対応したB成分の表示サブ画素PBから構成されている。そして、投射部10
0は、R成分の表示サブ画素PR、G成分の表示サブ画素PG、及びB成分の表示サブ画
素PBの各表示サブ画素が重なるように投射する。
【0075】
ところが、投射部100は図3のような構成を有しており、光学系の色収差や、光学系
の構成部材の位置調整手段の調整精度等に起因して、スクリーンSCR上における表示サ
ブ画素の表示位置のずれが生じる場合がある。そこで、表示サブ画素の表示位置の画素ず
れ量に応じて、この表示サブ画素に対応したサブ画素の画像信号を、該サブ画素の近傍(
周囲)の1又は複数のサブ画素の画像信号を用いた補間処理により算出し、画素ずれ補正
後のサブ画素の画像信号として出力する。これにより、表示サブ画素の表示位置のずれが
生じた場合であっても、例えば表示画像のエッジ部分や最端部において、解像感の低下や
偽色の発生を抑えて、表示画像の画質の低下を抑えることができる。
【0076】
次に、このような補正処理を実現する補正量算出部44及び画像信号補正部46の動作
について説明する。
【0077】
図7に、図2のR成分用補正量算出部44Rの動作説明図を示す。
【0078】
ここでは、補正テーブル記憶部40に、R成分の表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量
に対応した補正テーブルが記憶されており、R成分用補正量算出部44Rが、この補正テ
ーブルに基づいて補正量を算出するものとする。なお、図7では、R成分用補正量算出部
44Rについて説明するが、G成分用補正量算出部44G及びB成分用補正量算出部44
Bも同様である。
【0079】
図7は、投射部100によって投射された表示画像(水平方向の画素数がW、垂直方向
の画素数がH)の投射領域PAを表している。補正テーブル記憶部40に記憶される補正
テーブルのうち補正テーブル選択部50によって選択される補正テーブルは、表示画像の
四隅又は四隅付近の表示画素を構成する表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した
補正データとする。
【0080】
図7では、R成分の表示サブ画素PR1〜PR4の表示位置の画素ずれ量を模式的に表
している。この画素ずれ量は、水平方向であるx方向の画素ずれ量dx、垂直方向である
y方向の画素ずれ量dyからなる。即ち、R成分用補正量算出部44Rが参照する補正テ
ーブルは、例えば表示サブ画素PR1の表示位置の画素ずれ量について、x方向の画素ず
れ量dx[0]、y方向の画素ずれ量dy[0]を記憶する。
【0081】
ここで、表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量は、以下のように正規化されていること
が望ましい。
【0082】
図8に、本実施形態における表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量の説明図を示す。図
8において、図7と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0083】
プロジェクタ20の投射部100により投射された表示画像の投射領域PAのサイズは
、一意に定まる。そこで、投射領域PAの水平方向の長さをDLEN、水平方向の画素数
をDとすると、DLEN/Dを1単位とした画素ずれ量を求めることで、x方向の画素ず
れ量の数値が何画素分に相当するかを特定できる。同様に、投射領域PAの垂直方向の長
さをHLEN、垂直方向の画素数をHとすると、HLEN/Hを1単位とした画素ずれ量
を求めることで、y方向の画素ずれ量の数値が何画素分に相当するかを特定できる。
【0084】
このように正規化された表示サブ画素PR1の画素ずれ量dx[0]、dy[0]、表
示サブ画素PR2の画素ずれ量dx[1]、dy[1]、表示サブ画素PR3の画素ずれ
量dx[2]、dy[2]、及び表示サブ画素PR4の画素ずれ量dx[3]、dy[3
]を用いて、R成分用補正量算出部44Rは、投射領域PAの表示サブ画素PREのx方
向の画素ずれ量x_shift、y方向の画素ずれ量y_shiftを算出する。
【0085】
より具体的には、R成分用補正量算出部44Rは、画素ずれ量dx[0]〜dx[3]
に基づいて、投射領域PAの左上隅を原点とする座標(x,y)に位置する表示サブ画素
PREのx方向の画素ずれ量x_shift(x,y)を算出する。このとき、R成分用
補正量算出部44Rは、次式で示すように、線形補間処理によって画素ずれ量x_shi
ft(x,y)を算出する。
【数2】

【0086】
同様に、R成分用補正量算出部44Rは、画素ずれ量dy[0]〜dy[3]に基づい
て、投射領域PAの左上隅を原点とする座標(x,y)に位置する表示サブ画素PREの
y方向の画素ずれ量y_shift(x,y)を算出する。
【数3】

【0087】
以上のように、代表点における画素ずれ量を用いた補間処理を行うことで、1画素より
小さい単位で画素ずれ補正に用いる補正量を算出することができる。そのため、精度の高
い補正処理が可能となり、より一層、画質の低下を防止できるようになる。
【0088】
なお、図7及び図8では、投射領域PA内のR成分の表示サブ画素の画素ずれ量を算出
するものとして説明したが、投射領域PA内のG成分及びB成分の表示サブ画素の画素ず
れ量も同様に算出できる。このように、補正テーブル記憶部40が、画素ずれ補正処理に
用いる投射領域PAの四隅の画素ずれ量に対応した補正データのみを保存していても、補
正量算出部44の各部は、投射領域PA内の全表示サブ画素の画素ずれ量を算出すること
ができる。
【0089】
ところで、画素ずれ補正に際し、補正量算出部44の各部が参照する補正テーブルには
、例えばG成分の表示サブ画素の表示位置を基準に、R成分の表示サブ画素の表示位置の
画素ずれ量に対応した補正データ及びB成分の表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対
応した補正データが記憶されることが望ましい。こうすることで、G成分用補正量算出部
44Gの画素ずれ補正処理を省略することができるようになる。更に、補正量算出部44
の各部が画素ずれ補正処理に用いる補正量のみを算出する場合には、補正量算出部44の
各部が参照する補正テーブルの容量を削減できるようになる。
【0090】
図7及び図8では、補正テーブル記憶部40に記憶される補正テーブルが、表示画像の
四隅又は四隅付近の表示画素を構成する表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した
補正データを記憶する例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。補
正量の算出対象のサブ画素の近傍の複数のサブ画素に対応した複数の表示サブ画素の表示
位置の画素ずれ量に対応した補正データを、補正テーブル記憶部40に記憶される補正テ
ーブルが記憶していればよい。例えば、表示画像の水平方向の1ラインの複数の代表点に
おける画素ずれ量に対応した補正データや、表示画像の垂直方向の1ラインの複数の代表
点における画素ずれ量に対応した補正データを記憶していてもよい。
【0091】
また、図7及び図8では、補正量算出部44の各部が、画素ずれ補正処理に用いる補正
量を算出する例を説明したが、幾何補正処理に用いる補正量もまた、同様に算出すること
ができる。この場合もまた、補正テーブル記憶部40に記憶される補正テーブルが、1画
面の複数の代表点において、幾何補正すべき量に対応した補正データを記憶しておき、補
正量算出部44の各部が、上記のように、幾何補正処理に用いる補正量を算出する。
【0092】
例えば、補正テーブル記憶部40に、表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と表示画素
により構成される表示画像の幾何補正量とに対応した補正テーブルを記憶しておくことが
できる。この場合、例えば、画素ずれ量のx成分と幾何補正量のx成分との加算値、画素
ずれ量のy成分と幾何補正量のy成分との加算値を、補正テーブルに記憶させることがで
きる。そして、補正量算出部44の各部が、該補正テーブルに従って補正量を算出するこ
とで、画素ずれ補正処理に用いる補正量と幾何補正処理に用いる補正量とを得ることがで
きる。
【0093】
図9に、図2のR成分用画像信号補正部46Rの動作説明図を示す。
【0094】
なお、図9では、R成分用画像信号補正部46Rについて説明するが、G成分用画像信
号補正部46G及びB成分用画像信号補正部46Bも同様である。
【0095】
図9は、R成分の表示サブ画素に対応したサブ画素R(i,j)の画素値IMGs[i
][j]の補正処理の説明図を表す。図9では、例えば投射領域の左上隅を原点とする座
標系で定義されるR成分のサブ画素R(i,j)の周囲のR成分のサブ画素が模式的に示
されている。ここで、例えばR成分のサブ画素R(i−1,j−1)は、画素値img[
i−1][j−1]を有し、R成分のサブ画素R(i,j+1)は、画素値img[i]
[j+1]を有しているものとする。
【0096】
図9のサブ画素R(i,j)に対応した表示サブ画素の表示位置は、G成分のサブ画素
に対応した表示サブ画素の表示位置を基準に、x方向にx_shift、y方向にy_s
hiftだけずれているものとする。この画素ずれ量に対応した補正データ(パラメータ
)は、補正テーブル記憶部40が記憶する補正テーブルから読み出されたり、図7及び図
8で説明したR成分用補正量算出部44Rにより算出されたりする。
【0097】
R成分用画像信号補正部46Rは、この画素ずれ量に対応した補正データ(パラメータ
)に基づいて、当該サブ画素R(i,j)の周囲のサブ画素(x方向に隣接するサブ画素
、y方向に隣接するサブ画素)の画素値を用いた面積階調法により、当該サブ画素R(i
,j)の画素値IMGs[i][j]を求め、この画素値IMGs[i][j]を補正後
の画像信号として投射部100に出力する。
【数4】

【0098】
このように、画像信号補正部46を構成する各部は、補正テーブルに基づいて、当該サ
ブ画素の画像信号と当該サブ画素の周囲の1又は複数のサブ画素に対応した画像信号との
補間処理を行うことで、当該サブ画素の画像信号を補正することができる。これにより、
1画素より小さい単位で画素ずれ補正を行うことができ、精度の高い補正処理が可能とな
る。
【0099】
そして、補正テーブルの補正データが幾何補正量に対応した補正データであるときは、
上記の補間処理により、表示画像の幾何補正を行うように当該サブ画素の画像信号を補正
することができる。また、補正テーブルの補正データが画素ずれ量に対応した補正データ
であるときは、上記の補間処理により、当該サブ画素の画素ずれ補正を行うことができる
。更に、補正テーブルの補正データが幾何補正量及び画素ずれ量に対応した補正データで
あるときは、上記の補間処理により、当該サブ画素の幾何補正及び画素ずれ補正を行うこ
とができる。
【0100】
上記のような補正テーブル記憶部40に記憶される補正テーブルに基づいて、サブ画素
に対応した画像信号を補正する画像処理部30の機能は、ハードウェアで実現されてもよ
いし、ソフトウェア処理で実現されてもよい。
【0101】
図10に、本実施形態における画像処理部30のハードウェア構成例のブロック図を示
す。
【0102】
画像処理部30は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)80、読み
出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)82、ランダムアクセスメモリ(Random Ac
cess Memory:RAM)84、インターフェース(Interface:I/F)回路86、画像処
理回路88を含む。CPU80、ROM82、RAM84、I/F回路86及び画像処理
回路88は、バス90を介して接続されている。
【0103】
ROM82には、プログラムが格納されており、バス90を介してプログラムを読み込
んだCPU80が、該プログラムに対応した処理を実行することができる。RAM84は
、CPU80が処理を実行するための作業用メモリとなったり、CPU80が読み込むプ
ログラムが一時的に格納されたりする。I/F回路86は、外部からの画像信号の入力イ
ンターフェース処理や、投射部100への画像信号の出力インターフェース処理を行う。
【0104】
CPU80は、ROM82又はRAM84に格納されたプログラムを読み込んで該プロ
グラムに対応した処理を実行する。また、画像処理回路88は、CPU80によって指定
された制御データに基づいて、サブ画素に対応した画像信号の補正処理を行う。
【0105】
図2の補正テーブル記憶部40の機能は、ROM82又はRAM84により実現される
。図2の補正量算出部44、画像信号補正部46、補正テーブル選択部50及び補正処理
指定部52の機能は、画像処理回路88によって実現される。CPU80は、ROM82
又はRAM84に格納されたプログラムをバス90を介して読み込み、該プログラムに従
って制御データを補正処理指定部52に設定することで画像処理回路88の制御を行う。
なお、図1又は図2には図示されない画像信号取得部は、外部から供給される入力画像信
号をバッファリングする機能を有し、例えば図10のRAM84又はI/F回路86によ
りその機能が実現される。
【0106】
本実施形態では、ROM82又はRAM84の記憶領域内の有限な補正テーブル記憶領
域に最大で3(=N)種類の補正テーブルが割り当て可能に構成されている。そして、本
実施形態では、この補正テーブル記憶領域内に割り当てられた補正テーブルの種類数に応
じて、簡素な構成で多様な補正処理を実現できるようになっている。
【0107】
〔第1の処理例〕
図11に、本実施形態の第1の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示
す。
【0108】
図11は、補正テーブル記憶部40としてのROM82又はRAM84の補正テーブル
記憶領域の全領域を、R成分、G成分及びB成分共通の補正テーブル記憶領域に割り当て
る例を表している。即ち、第1の処理例は、補正テーブル記憶部40が、1種類の補正テ
ーブルのみを記憶する例である。
【0109】
この第1の処理例では、1画素を構成するR成分、G成分及びB成分のすべてに対して
同じ補正処理を局所的又は全体的に行うことができる。そのため、第1の処理例における
補正テーブルは、幾何補正処理すべき補正量に対応した補正データにより構成することが
できる。
【0110】
以下では、幾何補正として、スクリーンSCRがいわゆる円筒スクリーン(シリンドリ
カルスクリーン)であり、この円筒スクリーンへの投影画像の形状補正を行う例について
説明する。
【0111】
図12(A)、図12(B)に、円筒スクリーンへの投影画像の形状補正の説明図を示
す。図12(A)は、円筒スクリーンの説明図を表す。図12(B)は、図12(A)の
上面図を表す。図12(A)、図12(B)において、図1と同一部分には同一符号を付
し、適宜説明を省略する。なお、図12(B)の円筒スクリーンは、図12(A)の円筒
スクリーンの画像投影領域の上面図であり、図12(B)の円筒スクリーンの端部は、投
影画像の端部となることを意味する。
【0112】
図12(A)、図12(B)では、半径Rの円筒スクリーンの中心に視点Vが位置し、
視点Vの後方でLだけ離れた位置にプロジェクタ20が設置されている。視点Vからみた
円筒スクリーンの水平方向の幅は、2wである。ここで、プロジェクタ20が図12(A
)、図12(B)に示す円筒スクリーンに画像を投影した場合、円筒スクリーンの投影面
に起因して、プロジェクタ20が投影する画像の形状と視点Vから見た画像の形状とが一
致しない。
【0113】
例えば、プロジェクタ20及び視点Vの真正面方向を基準として角度θの方向の円筒ス
クリーン上の画素Pを視点Vから見た場合、該円筒スクリーンの水平方向の両端点を結ぶ
仮想的なスクリーン平面上の交点Q1に位置する画素として見える。そのため、プロジェ
クタ20は、画素Pとプロジェクタ20とを結ぶ線と上記のスクリーン平面との交点Q2
の位置に、交点Q1に位置する画素を投影する必要がある。そこで、プロジェクタ20で
は、元の画像に対して、水平方向に補正量Δx(交点Q1と交点Q2との距離)だけシフ
トさせた画像を表示させる。
【0114】
ここで、Δxは、次の式で表され、補正テーブルには、下の式に従って求められる補正
量に対応した補正データが記憶されることが望ましい。
【数5】

【0115】
図13に、図12(B)の補正量を示す。図13において、横軸は、円筒スクリーンの
中心位置からの画素数(距離)であり、縦軸は補正量Δxである。
【0116】
図13に示すように、第1の処理例では、円筒スクリーンの中心位置と該円筒スクリー
ンの端の位置で補正量Δxが「0」となり、その中間画素付近で補正量Δxが大きくなる
ように、補正量Δxに対応した補正データが補正テーブルに格納される。
【0117】
図14に、本実施形態の第1の処理例における画像処理部30の処理例のフロー図を示
す。
【0118】
例えば、ROM82には、予め図14に示す処理を実現するためのプログラムが格納さ
れており、CPU80がROM82に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに
対応した処理を実行することで、図14に示す処理をソフトウェア処理により実現できる

【0119】
まず、画像処理部30の補正処理指定部52における補正処理オンオフ設定ステップと
して、CPU80は、画像処理回路88に対してRGBの各色成分の補正処理をオンに設
定する(ステップS10)。これにより、画像処理部30では、RGBの各色成分につい
て色成分毎に画像信号の補正処理が行われる。
【0120】
次に、画像処理部30の補正処理指定部52における補正テーブル参照先指定ステップ
として、CPU80は、画像処理回路88に対して、RGBの各色成分に対し、補正テー
ブル記憶部40に記憶される第1〜第3の補正テーブル42〜42のいずれを参照す
るかを指定する(ステップS12)。ここでは、RGB共通で同じ補正テーブルを参照す
るように指定される。
【0121】
そして、画像処理部30では、入力画像信号取得ステップとして、図示しない画像信号
生成装置から、入力画像の各画素を構成するサブ画素に対応した画像信号を取得する(ス
テップS14)。
【0122】
続いて、画像処理部30の補正テーブル選択部50における補正データ取得ステップと
して、ステップS12で指定されたRGBの各色成分で共通の補正テーブルを参照して、
色成分毎に補正データを取得する(ステップS16)。
【0123】
次に、画像処理部30の補正量算出部44における補正量算出ステップとして、補正量
算出部44の各部において、色成分毎に補正量を算出する(ステップS18)。ステップ
S18では、図13に示すような補正量に対応した補正データに基づいて、図7で説明し
たように色成分毎に補正量が算出される。
【0124】
そして、画像処理部30の画像信号補正部46における画像信号補正ステップとして、
画像信号補正部46の各部において、ステップS18で算出された補正量を用いて、色成
分毎に画像信号を補正する(ステップS20)。ステップS20では、図9で説明したよ
うに色成分毎に画像信号が補正される。
【0125】
ここで、全画素について画像信号の補正処理が行われたとき(ステップS22:Y)、
一連の処理を終了し(エンド)、全画素について画像信号の補正処理が行われていないと
き(ステップS22:N)、ステップS14に戻る。
【0126】
こうして補正された画像信号は、投射部100に入力される。投射部100は、画像表
示ステップとして、画像処理部30によって補正された画像信号に基づいて変調された光
をスクリーンSCRに投射して、画像を表示する。
【0127】
以上説明したように、第1の処理例では、補正テーブル記憶部40としてのROM82
又はRAM84の補正テーブル記憶領域の全領域を、R成分、G成分及びB成分共通の補
正テーブル記憶領域に割り当てるようにしている。これにより、補正データの記憶容量を
最大限活用しながら、RGBの各色成分の対する共通の補正処理が可能となる。補正デー
タの記憶容量を最大限利用できるため、より高精度な補正処理が可能となり、例えば、円
筒スクリーンに投影される画像の精密な形状補正が可能となる。なお、第1の処理例にお
ける幾何補正として、近接プロジェクタ等の局所的な幾何補正であってもよい。
【0128】
なお、第1の処理例では、画素ずれ補正を行うことなく幾何補正のみを行う例を説明し
たが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、G成分の表示サブ画素の表
示位置を基準にR成分及びB成分の表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正
データのみを1つの補正テーブルに記憶させ、G成分の画像信号の補正処理と、目の感度
が相対的に低いB成分の画像信号の補正処理とをオフにして、R成分の画像信号に対して
画像信号の補正処理を行うことで、精密なR成分の画素ずれ補正処理が可能となる。
【0129】
〔第2の処理例〕
図15に、本実施形態の第2の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示
す。
【0130】
図15は、補正テーブル記憶部40としてのROM82又はRAM84の補正テーブル
記憶領域を2つの領域に分割し、それぞれをR成分用補正テーブル記憶領域とB成分用補
正テーブル記憶領域として割り当てる例を表している。即ち、第2の処理例は、補正テー
ブル記憶部40が、2種類の補正テーブルのみを記憶する例である。
【0131】
この第2の処理例では、1画素を構成するR成分、G成分及びB成分の表示サブ画素の
うちG成分の表示サブ画素の表示位置を基準に、R成分及びB成分の画素ずれ補正を行う
ことができる。そのため、第2の処理例における補正テーブルは、画素ずれ補正量に対応
した補正データにより構成することができる。
【0132】
図16に、第2の処理例におけるR成分の画素ずれ補正量の一例を示す。図16では、
横軸は、スクリーンの中心位置からの画素数(距離)であり、縦軸は画素ずれ補正量Δx
である。なお、図16では、スクリーンの中心位置からの水平方向に複数の画素ずれ量を
与えられている例を表しているが、図7で説明したように表示画像の四隅の画素ずれ量の
みが与えられていてもよい。
【0133】
第2の処理例では、スクリーンの中心位置からの画素数に応じて、図16に示す補正量
Δxに対応した補正データが補正テーブルに格納される。図16では、画像の水平方向の
画素ずれ量の分布を表しているが、画像の垂直方向の画素ずれ量についても、スクリーン
の中心位置からの画素数に応じて、補正テーブルに格納されてもよい。
【0134】
図17に、本実施形態の第2の処理例における画像処理部30の処理例のフロー図を示
す。なお、図17では、表示画像の水平方向の各走査ラインについて、水平方向の画素ず
れ量が図16と同一であるものとし、垂直方向の各ラインについても、図16に示すよう
な同一の垂直方向の画素ずれ量の分布であるものとする。
【0135】
例えば、ROM82には、予め図17に示す処理を実現するためのプログラムが格納さ
れており、CPU80がROM82に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに
対応した処理を実行することで、図17に示す処理をソフトウェア処理により実現できる

【0136】
まず、画像処理部30の補正処理指定部52における補正処理オンオフ設定ステップと
して、CPU80は、画像処理回路88に対して、G成分の補正処理をオフに設定すると
共に、R成分及びB成分の補正処理をオンに設定する(ステップS30)。これにより、
画像処理部30では、R成分及びB成分について色成分毎に画像信号の補正処理が行われ
る。
【0137】
次に、画像処理部30の補正処理指定部52における補正テーブル参照先指定ステップ
として、CPU80は、画像処理回路88に対して、R成分及びB成分の各色成分に対し
、補正テーブル記憶部40に記憶される第1及び第2の補正テーブル42〜42のい
ずれを参照するかを指定する(ステップS32)。ここでは、R成分及びB成分のそれぞ
れが、異なる補正テーブルを参照するように指定される。
【0138】
そして、画像処理部30では、入力画像信号取得ステップとして、図示しない画像信号
生成装置から、入力画像の各画素を構成するサブ画素に対応した画像信号を取得する(ス
テップS34)。
【0139】
続いて、画像処理部30の補正テーブル選択部50における補正データ取得ステップと
して、ステップS32で指定されたR成分及びB成分のそれぞれについて指定された補正
テーブルを参照して、色成分毎に補正データを取得する(ステップS36)。
【0140】
次に、画像処理部30の補正量算出部44における補正量算出ステップとして、補正量
算出部44の各部のうち、R成分用補正量算出部44R及びB成分用補正量算出部44B
の各部において、色成分毎に補正量を算出する(ステップS38)。ステップS38では
、図16に示すような代表点における補正量に対応した補正データに基づいて、補間処理
により色成分毎に補正量が算出される。
【0141】
そして、画像処理部30の画像信号補正部46における画像信号補正ステップとして、
画像信号補正部46のR成分用画像信号補正部46R及びB成分用画像信号補正部46B
の各部において、ステップS38で算出された補正量を用いて、色成分毎に画像信号を補
正する(ステップS40)。ステップS40では、図9で説明したように色成分毎に画像
信号が補正される。
【0142】
ここで、全画素について画像信号の補正処理が行われたとき(ステップS42:Y)、
一連の処理を終了し(エンド)、全画素について画像信号の補正処理が行われていないと
き(ステップS42:N)、ステップS34に戻る。
【0143】
こうして補正された画像信号は、投射部100に入力される。投射部100は、画像表
示ステップとして、画像処理部30によって補正された画像信号に基づいて変調された光
をスクリーンSCRに投射して、画像を表示する。
【0144】
以上説明したように、第2の処理例では、補正テーブル記憶部40としてのROM82
又はRAM84の補正テーブル記憶領域を、R成分用補正テーブルの記憶領域及びB成分
用補正テーブルの記憶領域に分割して割り当てるようにしている。即ち、1画素がN個の
サブ画素により構成される場合に、補正テーブル記憶部40は、各補正テーブルが、表示
サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正データを有する(N−1)種類の補正テ
ーブルを記憶し、画像信号補正部46は、(N−1)種類の色成分について、色成分毎に
独立に画像信号の補正を行う。
【0145】
第2の処理例では、補正テーブル記憶領域を2つの記憶領域に分割するため、第1の処
理例と比べて、各補正テーブル補正データの記憶容量は少なくなるものの、簡素な構成で
、2つの色成分について色成分毎に補正処理が可能となる。この結果、例えば、1つの色
成分の表示サブ画素の表示位置を基準に、残りの色成分の表示サブ画素の表示位置の画素
ずれ量に対応した画素ずれ補正を行うことができるようになる。
【0146】
なお、第2の処理例では、G成分を基準とした画素ずれ補正処理を行う例を説明したが
、R成分を基準としたり、B成分を基準としたりしてもよい。つまり、1画素を構成する
複数の色成分のうちの1つの色成分を基準とすることができる。
【0147】
〔第3の処理例〕
図18に、本実施形態の第3の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示
す。
【0148】
図18は、補正テーブル記憶部40としてのROM82又はRAM84の補正テーブル
記憶領域を3つの領域に分割し、それぞれをR成分用補正テーブル記憶領域、G成分用補
正テーブル記憶領域、B成分用補正テーブルテーブル記憶領域として割り当てる例を表し
ている。即ち、第3の処理例は、補正テーブル記憶部40が、3種類の補正テーブルを記
憶する例である。
【0149】
この第3の処理例では、1画素を構成するR成分、G成分及びB成分のそれぞれについ
て、色成分毎に独立の補正を行うことができる。そのため、第3の処理例における補正テ
ーブルは、幾何補正量と画素ずれ補正量に対応した補正データにより構成することができ
る。
【0150】
図19に、第3の処理例における補正量の一例を示す。図19では、横軸は、スクリー
ンの中心位置からの画素数(距離)であり、縦軸は画素ずれ補正量Δxである。
【0151】
図19では、図13の幾何補正すべき補正量AMD1と、第3の処理例における補正量
AMD2とを合わせて示している。第3の処理例における補正量AMD2は、例えば図1
3の幾何補正量と図16の画素ずれ補正量とを加算して得られる。
【0152】
第3の処理例では、スクリーンの中心位置からの画素数に応じて、図19に示す補正量
AMD2に対応した補正データが補正テーブルに格納される。図19では、1つの色成分
の補正量のみを示しているが、他の色成分についても同様に補正量の分布が与えられ、こ
れに対応した補正データが補正テーブルに格納される。
【0153】
図20に、本実施形態の第3の処理例における画像処理部30の処理例のフロー図を示
す。なお、図20では、表示画像の水平方向の各走査ラインについて、水平方向の補正量
が図19と同一であるものとし、垂直方向の各ラインについても、図19に示すような同
一の垂直方向の補正量の分布であるものとする。
【0154】
例えば、ROM82には、予め図20に示す処理を実現するためのプログラムが格納さ
れており、CPU80がROM82に格納されたプログラムを読み出して該プログラムに
対応した処理を実行することで、図20に示す処理をソフトウェア処理により実現できる

【0155】
まず、画像処理部30の補正処理指定部52における補正処理オンオフ設定ステップと
して、CPU80は、画像処理回路88に対して、RGBの各色成分の補正処理をオンに
設定する(ステップS50)。これにより、画像処理部30では、RGBの各色成分毎に
画像信号の補正処理が行われる。
【0156】
次に、画像処理部30の補正処理指定部52における補正テーブル参照先指定ステップ
として、CPU80は、画像処理回路88に対して、R成分、G成分及びB成分の各色成
分に対し、補正テーブル記憶部40に記憶される第1及び第3の補正テーブル42〜4
のうちそれぞれ異なる補正テーブルを参照するように指定する(ステップS52)。
例えば、R成分は第1の補正テーブル42を参照し、G成分は第2の補正テーブル42
を参照し、B成分は第3の補正テーブル42を参照するように指定される。
【0157】
そして、画像処理部30では、入力画像信号取得ステップとして、図示しない画像信号
生成装置から、入力画像の各画素を構成するサブ画素に対応した画像信号を取得する(ス
テップS54)。
【0158】
続いて、画像処理部30の補正テーブル選択部50における補正データ取得ステップと
して、ステップS52で指定されたR成分、G成分及びB成分のそれぞれについて指定さ
れた補正テーブルを参照して、色成分毎に補正データを取得する(ステップS56)。
【0159】
次に、画像処理部30の補正量算出部44における補正量算出ステップとして、補正量
算出部44の各部において、色成分毎に補正量を算出する(ステップS58)。ステップ
S58では、図19に示すような補正量に対応した補正データに基づいて、色成分毎に補
正量が算出される。
【0160】
そして、画像処理部30の画像信号補正部46における画像信号補正ステップとして、
画像信号補正部46の各部において、ステップS38で算出された補正量を用いて、色成
分毎に画像信号を補正する(ステップS60)。ステップS60では、図9で説明したよ
うに色成分毎に画像信号が補正される。
【0161】
ここで、全画素について画像信号の補正処理が行われたとき(ステップS62:Y)、
一連の処理を終了し(エンド)、全画素について画像信号の補正処理が行われていないと
き(ステップS62:N)、ステップS54に戻る。
【0162】
こうして補正された画像信号は、投射部100に入力される。投射部100は、画像表
示ステップとして、画像処理部30によって補正された画像信号に基づいて変調された光
をスクリーンSCRに投射して、画像を表示する。
【0163】
以上説明したように、第3の処理例では、補正テーブル記憶部40としてのROM82
又はRAM84の補正テーブル記憶領域を、R成分用補正テーブルの記憶領域、G成分の
補正用テーブルの記憶領域及びB成分用補正テーブルの記憶領域に分割して割り当てるよ
うにしている。即ち、1画素がN個のサブ画素により構成される場合に、補正テーブル記
憶部40は、各補正テーブルが、表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と表示画素により
構成される表示画像の幾何補正量とに対応した補正データを有するN種類の補正テーブル
を記憶し、画像信号補正部46は、色成分毎に異なる補正テーブルに基づいて、色成分毎
に独立に画像信号の補正を行う。
【0164】
第3の処理例では、補正テーブル記憶領域を3つに分割するため、第1及び第2の処理
例と比べて、各補正テーブル補正データの記憶容量は少なくなるものの、簡素な構成で、
3つの色成分毎に補正処理が可能となる。この結果、各色成分について、画素ずれ補正及
び幾何補正を同時に行うことが可能となる。
【0165】
このように本実施形態においては、1又は複数の補正テーブルを記憶する補正テーブル
記憶部を備え、サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるように表示した表示画素
により構成される表示画像の幾何補正を、補正テーブル記憶部に記憶された補正テーブル
に基づいて、各色成分の画像信号に対して色成分毎に独立に行う構成を有している。従っ
て、色成分毎に、それぞれ異なる補正テーブルを参照するようにしたり、複数の色成分で
共通の補正テーブルを参照するようにしたり、全色成分で共通の補正テーブルを参照する
ようにしたりすることで、簡素な構成で、多様な補正処理を実現できるようになっている
。これにより、例えば表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と表示画素により構成される
表示画像の幾何補正量とに対応した補正テーブルを記憶することで、簡素な構成で、表示
画像の幾何補正と画素ずれ量に対応した画素ずれ補正とを同時に行うことができ、画像処
理の遅延時間を短縮できるようになる。
【0166】
以上、本発明に係る画像処理装置、画像表示装置及び画像処理方法を上記の実施形態に
基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような
変形も可能である。
【0167】
(1)上記の実施形態では、補正テーブル記憶部が記憶する補正テーブルに、表示画像
内の全画素のうち代表点としてサンプリングされた複数のサブ画素のずれ量に対応した補
正データを記憶しておき、補正量算出部で任意のサブ画素のずれ量を算出するものとして
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補正テーブル記憶部が記
憶する補正テーブルは、1画面全体のずれ量に対応した補正データを記憶しておき、補正
量算出部を省略してもよい。
【0168】
(2)上記の実施形態では、補正テーブル記憶部が記憶する補正テーブルに、補正量に
対応した補正データを記憶するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はない。例えば、補正テーブル記憶部が記憶する補正テーブルは、補正量そのものを記憶
するようにしてもよい。
【0169】
(3)上記の実施形態では、1画素を3つの色成分のサブ画素で構成されるものとして
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。1画素を構成する色成分数が2、
又は4以上であってもよい。
【0170】
(4)上記の実施形態では、画素ずれ補正量として、各表示画素を構成する表示サブ画
素のうちの1つの表示サブ画素の表示位置を基準位置とするものとして説明したが、本発
明はこれに限定されるものではない。例えば、スクリーン座標系の所定位置や各液晶パネ
ルのパネル座標系の所定位置を基準位置としてもよい。
【0171】
(5)上記の実施形態では、光変調素子として透過型の液晶パネルを用いるものとして
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調素子として、例えばDLP
(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等
を採用してもよい。
【0172】
(6)上記の実施形態では、光変調素子として、いわゆる3板式の透過型の液晶パネル
を用いた構成を例に説明したが、2板、又は4板式以上の透過型の液晶パネルを用いた構
成を採用してもよい。
【0173】
(7)全サブ画素の画素ずれ量の補間処理方法や画像信号の補正処理方法として上記の
実施形態で説明したものに、本発明が限定されるものではなく、バイリニア法、ニアレス
トネイバー法、バイキュービック法や面積階調法等の種々の方法を適用でき、本発明はこ
れらの処理方法に限定されるものではない。
【0174】
(8)上記の実施形態において、本発明を、画像処理装置、画像表示装置及び画像処理
方法として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る
画像処理方法の処理手順が記述されたプログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明に係る実施形態におけるプロジェクタを含む画像表示システムの構成例のブロック図。
【図2】本実施形態における画像処理部の構成例の詳細なブロック図。
【図3】図1の投射部の構成例を示す図。
【図4】図4(A)、図4(B)は本実施形態における幾何補正処理の説明図。
【図5】本実施形態における幾何補正前後の表示画像の形状を模式的に示す図。
【図6】図3の投射部によりスクリーンに投射された表示画像を構成する表示画素を模式的に示す図。
【図7】図2のR成分用補正量算出部の動作説明図。
【図8】本実施形態における表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量の説明図。
【図9】図2のR成分用画像信号補正部の動作説明図。
【図10】本実施形態における画像処理部のハードウェア構成例のブロック図。
【図11】第1の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示す図。
【図12】図12(A)、図12(B)は円筒スクリーンへの投影画像の形状補正の説明図。
【図13】図12(B)の補正量を示す図。
【図14】本実施形態の第1の処理例における画像処理部の処理例のフロー図。
【図15】第2の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示す図。
【図16】第2の処理例におけるR成分の画素ずれ補正量の一例を示す図。
【図17】第2の処理例における画像処理部の処理例のフロー図。
【図18】第3の処理例における補正テーブル記憶領域の割り当て例を示す図。
【図19】第3の処理例における補正量の一例を示す図。
【図20】第3の処理例における画像処理部の処理例のフロー図。
【符号の説明】
【0176】
10…画像表示システム、 20…プロジェクタ、 30…画像処理部、
40…補正テーブル記憶部、 42…第1の補正テーブル、
42…第Nの補正テーブル、 44…補正量算出部、
44B…B成分用補正量算出部、 44G…G成分用補正量算出部、
44R…R成分用補正量算出部、 46…画像信号補正部、
46B…B成分用画像信号補正部、 46G…G成分用画像信号補正部、
46R…R成分用画像信号補正部、 50…補正テーブル選択部、
52…補正処理指定部、 80…CPU、 82…ROM、 84…RAM、
86…I/F回路、 88…画像処理回路、 90…バス、 100…投射部、
100…投射部、 110…光源、 112,114…インテグレータレンズ、
116…偏光変換素子、 118…重畳レンズ、
120R…R成分用ダイクロイックミラー、
120G…G成分用ダイクロイックミラー、 122,148,150…反射ミラー、
124R…R成分用フィールドレンズ、 124G…G成分用フィールドレンズ、
130R…R成分用液晶パネル、 130G…G成分用液晶パネル、
130B…B成分用液晶パネル、 140…リレー光学系、
142,144,146…リレーレンズ、 160…クロスダイクロイックプリズム、
170…投射レンズ、 SCR…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号を補正する画像処理装置
であって、
1又は複数の補正テーブルを記憶する補正テーブル記憶部と、
前記補正テーブル記憶部に記憶されたいずれかの補正テーブルに基づいて、各色成分の
画像信号を独立に補正する画像信号補正部とを含み、
前記画像信号補正部が、
前記色成分毎に独立に、前記サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるように表
示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行うことを特徴とする画像処理装
置。
【請求項2】
請求項1において、
前記補正テーブル記憶部は、
前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補正量とに対応した補
正データを有する補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正部は、
前記表示画像の幾何補正を行うように前記画像信号を補正すると共に、前記画素ずれ量
に対応した画素ずれ補正を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記画像信号補正部は、
前記補正テーブルに基づいて、当該サブ画素の画像信号と前記当該サブ画素の周囲の1
又は複数のサブ画素に対応した画像信号との補間処理を行うことで、前記表示画像の幾何
補正を行うように前記当該サブ画素の画像信号を補正すると共に前記画素ずれ補正を行う
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素により構成される場合に、
前記補正テーブル記憶部は、
各補正テーブルが、前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補
正量とに対応した補正データを有するN種類の補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正部は、
前記色成分毎に異なる補正テーブルに基づいて、色成分毎に独立に画像信号を補正する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素により構成される場合に、
前記補正テーブル記憶部は、
各補正テーブルが、前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正データを
有する(N−1)種類の補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正部は、
(N−1)種類の色成分について、色成分毎に独立に画像信号を補正することを特徴と
する画像処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
半径Rの円筒スクリーンの中心に位置する視点の後方にLだけ離して設置された画像表
示装置が該円筒スクリーンに画像を表示する場合において、前記視点から見た前記円筒ス
クリーンの水平方向の幅を2w、前記視点から角度θの方向のサブ画素に対する補正デー
タをΔxとすると、
前記補正テーブル記憶部に記憶される補正テーブルの1つは、
次の式に従って角度θに対する補正データを記憶することを特徴とする画像処理装置。
【数1】

【請求項7】
1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号に基づいて画像を表示す
る画像表示装置であって、
請求項1乃至6のいずれか記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置によって補正された画像信号に基づいて、各サブ画素に対応した表示
サブ画素を重ね合わせて表示する画像表示部とを含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項8】
1画素を構成する複数の色成分のサブ画素に対応した画像信号を補正する画像処理方法
であって、
前記サブ画素に対応した画像信号を取得する画像信号取得ステップと、
補正テーブル記憶部に記憶された1又は複数の補正テーブルのいずれかに基づいて、色
成分毎に独立に、前記画像信号取得ステップにおいて取得された画像信号を補正する画像
信号補正ステップとを含み、
前記画像信号補正ステップは、
前記色成分毎に独立に、前記サブ画素に対応した表示サブ画素を重ね合わせるように表
示した表示画素により構成される表示画像の幾何補正を行うことを特徴とする画像処理方
法。
【請求項9】
請求項8において、
前記補正テーブル記憶部は、前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像
の幾何補正量とに対応した補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正ステップは、
前記表示画像の幾何補正を行うように前記画像信号を補正すると共に、前記画素ずれ量
に対応した画素ずれ補正を行うことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記画像信号補正ステップは、
前記補正テーブルに基づいて、当該サブ画素の画像信号と前記当該サブ画素の周囲の1
又は複数のサブ画素に対応した画像信号との補間処理を行うことで、前記当該サブ画素の
画像信号に対して前記幾何補正を行うと共に前記画素ずれ補正を行うことを特徴とする画
像処理方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかにおいて、
1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素により構成される場合に、
前記補正テーブル記憶部は、
各補正テーブルが、前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量と前記表示画像の幾何補
正量とに対応した補正データを有するN種類の補正テーブルを記憶し
前記画像信号補正ステップは、
前記色成分毎に異なる補正テーブルに基づいて、色成分毎に独立に画像信号を補正する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかにおいて、
1画素がN(Nは2以上の整数)個のサブ画素により構成される場合に、
前記補正テーブル記憶部は、
各補正テーブルが、前記表示サブ画素の表示位置の画素ずれ量に対応した補正データを
有する(N−1)種類の補正テーブルを記憶し、
前記画像信号補正ステップは、
(N−1)種類の色成分について、色成分毎に独立に画像信号を補正することを特徴と
する画像処理方法。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれかにおいて、
半径Rの円筒スクリーンの中心に位置する視点の後方にLだけ離して設置された画像表
示装置が該円筒スクリーンに画像を表示する場合において、前記視点から見た前記円筒ス
クリーンの水平方向の幅を2w、前記視点から角度θの方向のサブ画素に対する補正デー
タをΔxとすると、
前記補正テーブル記憶部に記憶される補正テーブルの1つは、
次の式に従って角度θに対する補正データを記憶することを特徴とする画像処理方法。
【数1】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−87699(P2010−87699A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252668(P2008−252668)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】