説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】 特定の階調範囲に階調値が偏った画像領域が複数あり、前記複数の画像領域が画像の大半を占めている画像に対しても、良好なコントラスト補正処理ができる画像処理装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】 画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理手段13と、前記画像の階調ヒストグラムを所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離手段11と、前記領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定手段12を備え、前記凸領域が複数領域あると判定されたときに、前記コントラスト補正処理手段13が、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の階調ヒストグラムに基づいて前記画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理手段を備えた画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像処理装置では、コントラスト補正処理手段により画像のコントラスト補正処理が実施されている。しかし、例えば、逆光で撮影された画像や雪山で人物を撮影した画像では、人物の顔は暗く、また、背景の空や雪の色は白っぽく撮影され、且つ、人物と背景とは共にコントラスト感がない画像となるが、このようなときに、前記画像に一律に濃度補正やコントラスト補正等の階調補正を施すと、人物または背景の何れかの画像における画質が更に損なわれるという問題があった。このため、例えば特許文献1のように、コントラスト補正処理対象画像の階調ヒストグラムにおいて、図11(a)、図11(b)に示すように、最大度数Dmとなる階調値Kmを境に画像領域を明るい階調領域Rsと暗い階調領域Rdとに領域分離し、夫々の階調領域に応じたコントラスト補正処理を施すことが提案されていた。
【特許文献1】特開2002−125130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、逆光で撮影された画像や雪山で人物を撮影した画像における階調ヒストグラムは、図12(a)に示すように、凡そ人物の顔領域に相当する第一のピーク階調領域P1と、凡そ背景の空や雪の領域に相当する第二のピーク階調領域P2とが、それぞれが離間した階調領域として形成されることが多い。このような場合には、上述した従来技術のように、最大度数Dmとなる階調値Kmを境に画像領域を明るい階調領域Rsと暗い階調領域Rdとに領域分離しても、画像の大半を占める階調範囲の異なる二つの領域、つまり、例えば、前記第一のピーク階調領域P1と前記第二のピーク階調領域P2とが領域分離されることにはならず、画像にマッチしたコントラスト補正処理が実施できないという問題があった。
【0004】
また、このような場合には、図12(b)に示すように、明るい階調領域Rsと暗い階調領域Rdとを、コントラスト補正処理対象画像の平均階調Kaを境にして領域分離することも考えられるが、前記第一のピーク階調領域P1と、前記第二のピーク階調領域P2は、既に、それぞれ最小階調設定値Min、または、最大階調設定値Maxの方向に偏っているため、それぞれの階調領域ともに、例えば、コントラストが高くなるようにコントラスト補正処理を実施すると、却って階調が潰れてしまう画像領域Pbが、広範囲で発生してしまうことが問題となっていた。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、特定の階調範囲に階調値が偏った画像領域が複数あり、前記複数の画像領域が画像の大半を占めている画像に対しても、良好なコントラスト補正処理ができる画像処理装置及び画像処理方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明による画像処理装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、画像の階調ヒストグラムに基づいて前記画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理手段を備えた画像処理装置であって、前記階調ヒストグラムを所定度数となる階調閾値に基づいて前記所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離手段と、前記領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定手段を備え、前記凸領域数判定手段により前記凸領域が複数領域あると判定されたときに、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【0007】
上述の構成によれば、階調ヒストグラムにおいて所定度数より上回る凸領域が複数あるときに、つまり、特定の階調範囲に階調値が偏った画像領域が複数あり、前記複数の画像領域が画像の大半を占めているときに、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理するため、画像に殆ど含まれないような画像領域の階調範囲を削減する代わりに、画像の大半を占めている画像領域の階調範囲を広げることが可能となるのである。つまり、特定の階調範囲に階調値が偏った画像領域が複数あり、前記複数の画像領域が画像の大半を占めている画像に対しても、階調潰れが発生する画像領域を殆ど生じされることなく、良好なコントラスト補正処理を実施することができるのである。
【0008】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択手段を備え、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域選択手段により選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【0009】
上述の構成によれば、例えば、明るい階調領域や暗い階調領域等といった特定の階調領域の画像を重視した画像としてコントラスト補正処理するようなときに、前記凸領域選択手段が、前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて、例えば、明るい階調領域や暗い階調領域となっている特定の凸領域を選択し、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域選択手段により選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理するため、特定の階調領域の画像を重視しながらも、他の階調領域の画像を殆ど劣化させることなく良好なコントラスト補正処理を実施することができるのである。
【0010】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記特徴量が前記凸領域のピーク階調値であり、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近いピーク階調値となっている凸領域を選択する点にある。
【0011】
複数ある凸領域において、ピーク階調値が最小設定階調値または最大設定階調値に最も近くなっている凸領域の画像は、既に、階調が潰れ気味になっている可能性が大きい。上述の構成によれば、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近いピーク階調値となっている凸領域、つまり、階調が潰れ気味になっている画像領域を選択し、前記コントラスト補正処理手段が、前記画像領域のコントラストを高くするようにコントラスト補正処理するため、潰れ気味となっている階調を復元することができるのである。
【0012】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記特徴量が前記凸領域の平均階調値であり、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近い平均階調値となっている凸領域を選択する点にある。
【0013】
複数ある凸領域において、平均階調値が最小設定階調値または最大設定階調値に最も近くなっている凸領域の画像は、既に、階調が潰れ気味になっている可能性が大きい。上述の構成によれば、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近い平均階調値となっている凸領域、つまり、階調が潰れ気味になっている画像領域を選択し、前記コントラスト補正処理手段が、前記画像領域のコントラストを高くするようにコントラスト補正処理するため、潰れ気味となっている階調を復元することができるのである。
【0014】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記画像における被写体の顔領域を検出する顔領域検出手段を備え、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【0015】
画像において主に被写体の顔領域が主要被写体となっていることが多く、また、一般的に、主要被写体のコントラストが高い画像が好まれる。上述の構成によれば、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理するため、主要被写体である可能性の高い顔領域の階調を潰すことなく好適なコントラスト補正処理を実施することができるのである。
【0016】
上述の目的を達成するため、本発明による画像処理方法の第一の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、画像の階調ヒストグラムに基づいて前記画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理ステップを備えた画像処理方法であって、前記階調ヒストグラムを所定度数となる階調閾値に基づいて前記所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離ステップと、前記領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定ステップを備え、前記凸領域数判定ステップにより前記凸領域が複数領域あると判定されたときに、前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【0017】
同第二の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択ステップを備え、前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域選択ステップにより選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【0018】
同第三の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記特徴量が前記凸領域のピーク階調値であり、前記凸領域選択ステップで、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近いピーク階調値となっている凸領域を選択する点にある。
【0019】
同第四の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記特徴量が前記凸領域の平均階調値であり、前記凸領域選択ステップで、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近い平均階調値となっている凸領域を選択する点にある。
【0020】
同第五の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記画像における被写体の顔領域を検出する顔領域検出ステップを備え、前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する点にある。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した通り、本発明によれば、特定の階調範囲に階調値が偏った画像領域が複数あり、前記複数の画像領域が画像の大半を占めている画像に対しても、良好なコントラスト補正処理ができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明による画像処理装置が組み込まれた写真画像処理装置の実施の形態について説明する。図2に示すように、写真画像処理装置1は、印画紙Pに対して出力画像データに基づいた露光処理を行ない露光された印画紙を現像処理する写真プリンタ2と、現像済みの写真フィルムFから画像を読み込むフィルムスキャナ31やデジタルスチルカメラ等で撮影された画像データが格納されたメモリカード等の画像データ記憶メディアMから画像データを読み取るメディアドライバ32や、コントローラ33としての汎用コンピュータ等を備え、入力された元画像としての写真画像に対するプリントオーダ情報を設定入力するとともに、各種の画像補正処理を行なう操作ステーション3を備えて構成され、前記操作ステーション3で元画像から編集処理されたプリントデータが前記写真プリンタ2に出力されて所望の写真プリントが生成される。
【0023】
前記写真プリンタ2は、図2及び図3に示すように、ロール状の印画紙Pを収容した二系統の印画紙マガジン21と、前記印画紙マガジン21から引き出された印画紙Pを所定のプリントサイズに切断するシートカッター22と、切断後の印画紙Pの背面にコマ番号等のプリント情報を印字するバックプリント部23と、前記プリントデータに基づいて印画紙Pを露光する露光部24と、露光後の印画紙Pを現像、漂白、定着するための各処理液が充填された複数の処理槽25a、25b、25cを備えた現像処理部25が印画紙Pの搬送経路に沿って配置され、現像処理後に乾燥処理された印画紙Pが排出される横送りコンベア26と、横送りコンベア26に集積された複数枚の印画紙(写真プリント)Pがオーダー単位で仕分けられるソータ27を備えて構成される。
【0024】
前記露光部24には、搬送機構28によって副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、搬送方向に直交する主走査方向に前記プリントデータに基づき変調されたRGB三色のレーザ光線束を出力して露光する露光ヘッド24aが収容されている。
【0025】
前記搬送経路に沿って配置された前記露光部24や現像処理部25に応じたプロセス速度で印画紙Pを搬送する複数のローラ対でなる搬送機構28が配置され、前記露光部24の前後には印画紙Pを複列に搬送可能なチャッカー式搬送機構28aが設けられている。
【0026】
前記操作ステーション3に設けられたコントローラ33には、汎用のオペレーティングシステムの管理下で動作し、前記写真処理装置1の各種制御が実行されるアプリケーションプログラムがインストールされ、オペレータとの操作インターフェースとしてモニタ34、キーボード35、マウス36等が接続されている。
【0027】
前記コントローラ33のハードウェア及びソフトウェアの協働により実行される写真処理プロセスを機能ブロックで説明すると、図4に示すように、前記フィルムスキャナ31やメディアドライバ32によって読み取られた写真画像データを受け取り、所定の前処理を行なって後述のメモリ41に転送する画像入力部40と、前記モニタ34の画面にプリントオーダ情報や画像編集情報を表示するとともに、それらに対して必要なデータ入力のための操作用アイコンを表示するグラフィック操作画面を生成し、或いは表示されたグラフィック操作画面に対する前記キーボード35やマウス36からの入力操作に基づいて各種の制御コマンドを生成するグラフィックユーザーインターフェース部42と、前記画像入力部40から転送される写真画像データ及び後述の画像処理部47による補正処理後の写真画像データやそのときの補正パラメータ、更には設定されたプリントオーダ情報等が所定領域に区画されて格納されるメモリ41と、プリントオーダ情報を生成するオーダー処理部43と、前記メモリ41に格納された各写真画像データに対して濃度補正処理やコントラスト補正処理等を行なう画像処理部47と、前記グラフィックユーザーインターフェース部42からの表示コマンドに基づいて前記メモリ41に展開された画像データや各種の入出力用グラフィックデータ等を前記モニタ34に表示処理するビデオRAM等を備えた表示制御部46と、各種の補正処理が終了した最終の補正画像を前記写真プリンタ2に出力するためのプリントデータを生成するプリントデータ生成部44と、顧客のオーダーに応じて最終の補正画像をCD−R等の記憶媒体に書き込むためのファイル形式に変換するフォーマッタ部45等で構成される。
【0028】
前記フィルムスキャナ31は、フィルムFに記録された画像を低解像度ではあるものの高速で読み取るプレスキャンモードと、低速ではあるものの高解像度で読み取る本スキャンモードの二モードで作動するように構成され、プレスキャンモードで読み込まれた低解像度の画像に対してプレジャッジモード(後述のプレジャッジ処理で詳述する。)で各種の補正処理が行なわれ、その際に前記メモリ41に記憶された補正パラメータに基づいて本スキャンモードで読み込まれた高解像度の画像に対する最終の補正処理が実行されて前記プリンタ2に出力される。
【0029】
同様に、前記メディアドライバ32から読み込まれた画像ファイルには高解像度の撮影画像とそのサムネイル画像が含まれ、サムネイル画像に対して後述の各種の補正処理が行なわれ、その際に前記メモリ41に記憶された補正パラメータに基づいて高解像度の撮影画像に対する最終の補正処理が実行される。尚、画像ファイルにサムネイル画像が含まれないときには、前記画像入力部40で高解像度の撮影画像からサムネイル画像が生成されて前記メモリ41に転送される。このように、低解像度の画像に対して頻繁に試行錯誤される各種の編集処理が実行されることによりコントローラ33の演算負荷が低減されるように構成されている。
【0030】
前記画像処理部47は、図1に示すように、入力された写真画像データに対して所定の濃度補正値に基づいて濃度補正処理を実施する濃度補正処理手段10と、前記濃度補正処理手段10により濃度補正処理された画像データにおける階調ヒストグラムを所定度数となる階調閾値に基づいて前記所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離手段11と、前記領域分離手段11により領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定手段12と、前記凸領域数判定手段12による判定結果に基づいて前記濃度補正処理手段10により濃度補正処理された画像データに対してコントラスト補正処理するコントラスト補正処理手段13と、前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し前記導出した特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択手段14を備えて構成されている。
【0031】
尚、前記画像処理部47は、撮影レンズに起因する歪を補正する歪補正部、画像のエッジを強調しノイズを低減する鮮鋭化処理部、写真プリントのサイズに適した画像サイズに変換する拡縮処理部等を備えた構成としてもよい。
【0032】
前記領域分離手段11は、図5(a)に示すように、前記画像データにおける階調ヒストグラムを生成し、予め設定されている所定度数Dthとなる階調閾値Nth(k)を全て導出し、前記導出した階調閾値Nth(k)を境として前記階調ヒストグラムを領域分離することで、前記階調ヒストグラムの度数が、前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)と前記所定度数Dthより下回る凹領域Ro(n)とに領域分離するように構成されている。尚、符号k、m、nは、それぞれ階調閾値、凸領域、凹領域が複数ある場合に、それぞれを識別するための識別子である。
【0033】
例えば、前記図5(a)に示される階調ヒストグラムでは、所定度数Dthとなる階調閾値は、Nth(1)、Nth(2)、Nth(3)、Nth(4)の4箇所が導出され、前記階調閾値Nth(1)から前記階調閾値Nth(2)までの階調領域Rt(1)と、前記階調閾値Nth(3)から前記階調閾値Nth(4)までの階調領域Rt(2)の2領域が、それぞれ前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(1)、Rt(2)として領域分離されるとともに、最小設定階調Minから前記階調閾値Nth(1)までの階調領域Ro(1)と、前記階調閾値Nth(2)から前記階調閾値Nth(3)までの階調領域Ro(2)と、前記階調閾値Nth(4)から最大設定階調値Maxまでの階調領域Ro(3)の3領域が、それぞれ前記所定度数Dthより下回る凹領域Ro(1)、Ro(2)、Ro(3)として領域分離される。
【0034】
尚、前記最小設定階調値Min及び最大設定階調値Maxは、例えば、前記画像データが8ビットデータで0階調から255階調で設定されるときには、それぞれ、0及び255である。
【0035】
前記凸領域数判定手段12は、前記領域分離手段11により導出された階調閾値Nth(k)数に基づいて、または、領域分離された凸領域Rt(m)数に基づいて、前記凸領域Rt(m)が複数領域あるか否かを判定するように構成されている。
【0036】
前記コントラスト補正処理手段13は、画像データにおける階調ヒストグラムが、例えば、前記図5(a)に示したような階調ヒストグラムであって、前記凸領域数判定手段12により、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域あると判定されたときに、前記凸領域Rt(1)と前記凸領域Rt(2)との間にある前記凹領域Ro(2)の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、詳細は後述するが前記凸領域選択手段14により選択された凸領域、例えば、凸領域Rt(1)における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理するように構成されている。
【0037】
前記凹領域Ro(2)におけるコントラスト補正処理は、図6に示すように、当該凹領域Ro(2)での階調変換特性Laを、ポイントPla(Nth(3),Nth(3))を基準点として、その傾きSk1が等倍変換特性Lrの傾きよりも小さくなるように設定し、前記階調変換特性Laに基づいた階調変換として実施されるものである。
【0038】
尚、前記等倍変換特性Lrは、出力階調値Cout(i)を入力階調値Nin(i)と等しくすることが可能な階調変換特性であり、また、前記ポイントPla(Nth(3),Nth(3))は、画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理される前記凸領域Rt(1)と当該凹領域Ro(2)を介して異なる側に接している凸領域Rt(2)との境であって、前記等倍変換特性Lr上の点である。
【0039】
つまり、前記階調変換特性Laに基づいたコントラスト補正処理では、当該凹領域Ro(2)と前記凸領域Rt(2)の境となっている階調閾値Nth(3)が画素データとなっている画素に対しては、出力階調値Cout(i)が入力階調値Nth(3)と等しくなるように、また、当該凹領域Ro(2)と前記凸領域Rt(1)の境となっている階調閾値Nth(2)が画素データとなっている画素に対しては、出力階調値Cout(i)が入力階調値Nth(2)とは異なる階調値Nsとなるように、更には、前記階調閾値Nth(2)から前記階調閾値Nth(3)までの階調値が画素データとなっている画素に対しては、それぞれの画素データを入力階調値Nin(i)として、例えば、〔数1〕、〔数2〕に基づいた出力階調値Cout(i)となるように階調変換が実施される。
【0040】
【数1】

【0041】
【数2】

【0042】
尚、前記出力階調値Nsは、前記階調変換特性Laの傾きSk1を予め設定しておき、前記傾きSk1に基づいて前記〔数2〕から導出することができる。
【0043】
前記凸領域Rt(1)におけるコントラスト補正処理は、当該凸領域Rt(1)での階調変換特性Lbを、ポイントPlb(Nth(1),Nth(1))を基準点として、その傾きSk2が前記等倍変換特性Lrの傾きよりも大きくなるように設定し、且つ、前記階調変換特性Lbと前記階調変換特性LaとがポイントPr(Nth(2),Ns)で接続するように設定し、前記階調変換特性Lbに基づいた階調変換として実施されるものである。
【0044】
尚、前記ポイントPlb(Nth(1),Nth(1))は、画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理される前記凹領域Ro(2)と当該凸領域Rt(1)を介して異なる側に接している凹領域Ro(1)との境であって、前記等倍変換特性Lr上の点である。また、前記ポイントPr(Nth(2),Ns)は、画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理される前記凹領域Ro(2)と当該凸領域Rt(1)との境であって、前記階調変換特性La上の点である。
【0045】
つまり、前記階調変換特性Lbに基づいたコントラスト補正処理では、当該凸領域Rt(1)と前記凹領域Ro(1)の境となっている階調閾値Nth(1)が画素データとなっている画素に対しては、出力階調値Cout(i)が入力階調値Nth(1)と等しくなるように、また、当該凸領域Rt(1)と前記凹領域Ro(2)の境となっている階調閾値Nth(2)が画素データとなっている画素に対しては、出力階調値Cout(i)が入力階調値Nth(2)とは異なる階調値Nsとなるように、更には、前記階調閾値Nth(1)から前記階調閾値Nth(2)までの階調値が画素データとなっている画素に対しては、それぞれの画素データを入力階調値Nin(i)として、例えば、〔数3〕、〔数4〕に基づいた出力階調値Cout(i)となるように階調変換が実施される。
【0046】
【数3】

【0047】
【数4】

【0048】
尚、前記傾きSk2は、前記導出されたNsに基づいて前記〔数4〕から導出することができる。
【0049】
ここで、前記階調ヒストグラムが、例えば、図5(b)に示すように、前記凸領域Rt(1)が大きく最小設定階調値Minに偏り、前記最小設定階調値Minと前記凸領域Rt(1)の間に、前記凹領域Ro(1)が無いようなときには、前記ポイントPlb(Nth(1),Nth(1))を、ポイントPlb(Min,Min)として、上述と同様に階調変換特性Lbを設定することができる。
【0050】
前記コントラスト補正処理手段13は、前記凸領域数判定手段12により、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域ない、つまり、凸領域Rt(m)がないか、あっても1領域であると判定されたときには、例えば、〔数5〕、〔数6〕に示すようなコントラスト補正関数に基づいて前記濃度補正処理手段10により濃度補正処理された画像データに対してコントラスト補正処理するように構成されている。
【0051】
【数5】

【0052】
【数6】

【0053】
前記〔数5〕に示すコントラスト補正関数は、図7、図8(a)に示すように、前記画像データにおける所定の領域分離階調閾値Eth、例えば、前記画像データにおける平均階調値Ethよりも明るい画素からなるハイライト領域Rsの各画素データを入力階調値Nin(i)として順次入力することで、前記ハイライト領域Rsのコントラストをコントラスト補正値Cr1に応じてコントラスト補正処理する関数である。尚、定数Lは、前記最大設定階調値Maxであり、また、出力階調値Cout(i)が前記定数Lよりも大きくなるときには定数Lに丸め処理が行なわれるように構成されている。
【0054】
前記〔数6〕に示すコントラスト補正関数は、図7、図8(b)に示すように、前記画像データにおける所定の領域分離階調閾値Eth、例えば、前記画像データにおける平均階調値Ethよりも暗い画素からなるシャドー領域Rdの各画素データを入力階調値Nin(i)として順次入力することで、前記シャドー領域Rdのコントラストをコントラスト補正値Cr2に応じてコントラスト補正処理する関数である。尚、出力階調値Cout(i)が0よりも小さくなるときには0に丸め処理が行なわれるように構成されている。
【0055】
つまり、前記コントラスト補正処理手段13は、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域ないと判定されたときには、そのような階調ヒストグラムとなる画像に適した上述のコントラスト補正関数に基づいてコントラスト補正処理を行なうように構成されている。
【0056】
尚、前記コントラスト補正値Cr1、Cr2は、予め設定されている構成としてもよいし、画像データに応じて適宜設定される構成としてもよい。
【0057】
前記凸領域選択手段14は、前記領域分離された各凸領域Rt(m)の特徴量To(m)を導出し、前記導出した特徴量To(m)に基づいて特定の凸領域を選択するもので、前記特徴量To(m)は、例えば、前記各凸領域Rt(m)において最大度数となっているピーク階調値Pm(m)、また例えば、前記各凸領域Rt(m)における平均階調値Na(m)とすることができ、前記特徴量To(m)が前記画像データの最小設定階調値Minまたは最大設定階調値Maxに最も近い特徴量To(m)となっている凸領域Rt(m)を選択するように構成されている。尚、前記凸領域選択手段14は、前記凸領域数判定手段12により、少なくとも、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域あると判定されたときに、前記特徴量To(m)に基づいて特定の凸領域Rt(m)を選択する構成となっていればよい。
【0058】
以下、前記画像処理部47の動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。前記メモリ41に写真画像データが入力されると(SA1)、前記濃度補正処理手段10は、入力された写真画像データに対して所定の濃度補正値に基づいて濃度補正処理を行なう(SA2)。
【0059】
前記領域分離手段11は、前記濃度補正処理手段10により濃度補正処理された画像データにおける階調ヒストグラムを生成し(SA3)、予め設定されている所定度数Dthとなる階調閾値Nth(k)を全て導出し(SA4)、前記導出した階調閾値Nth(k)を境として前記階調ヒストグラムを領域分離することで、前記階調ヒストグラムの度数が、前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)と前記所定度数Dthより下回る凹領域Ro(n)とに領域分離する(SA5)。
【0060】
前記凸領域数判定手段12は、前記領域分離手段11により導出された階調閾値Nth(k)数に基づいて、または、前記領域分離された凸領域Rt(m)数に基づいて、前記凸領域Rt(m)が複数領域あるか否かを判定する。
【0061】
前記凸領域数判定手段12により、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域あると判定されると(SA6)、前記凸領域選択手段14は、前記領域分離された各凸領域Rt(m)の特徴量To(m)、例えば、前記各凸領域Rt(m)において最大度数となっているピーク階調値Pm(m)を導出し(SA7)、前記導出した各ピーク階調値Pm(m)を、前記最小設定値Min及び前記最大設定値Maxと順次比較し、前記最小設定階調値Minまたは前記最大設定階調値Maxに最も近いピーク階調値Pm(m)となっている凸領域Rt(m)を選択する(SA8)。
【0062】
尚、前記導出する特徴量To(m)は、前記各凸領域Rt(m)において最大度数となっているピーク階調値Pm(m)に限定するものではなく、例えば、前記各凸領域Rt(m)における平均階調値Na(m)であってもよい。何れにしても、階調が潰れ気味になっている可能性が最も大きい凸領域Rt(m)を選択することが可能な特徴量であることが好ましい。
【0063】
前記コントラスト補正処理手段13は、画像データにおける階調ヒストグラムが、例えば、前記図5(a)に示したような階調ヒストグラムであって、前記凸領域数判定手段12により、上述のように前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域あると判定されているときには、前記凸領域Rt(1)と前記凸領域Rt(2)との間にある前記凹領域Ro(2)の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに(SA9)、前記凸領域選択手段14により選択された凸領域、例えば、凸領域Rt(1)が選択されていたときには、前記凸領域Rt(1)における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する(SA10)。
【0064】
つまり、前記コントラスト補正処理手段13は、前記〔数1〕、前記〔数2〕に基づいて、前記階調閾値Nth(2)から前記階調閾値Nth(3)までの階調値が画素データとなっている画素に対して順次階調変換を行なうとともに、前記〔数3〕、前記〔数4〕に基づいて、前記階調閾値Nth(1)から前記階調閾値Nth(2)までの階調値が画素データとなっている画素に対して順次階調変換を行なうことで、画像に殆ど含まれないような画像領域の階調範囲を削減する代わりに、画像の大半を占めている画像領域の階調範囲を広げるようにコントラスト補正処理を実施する。
【0065】
また、前記凸領域数判定手段12により、前記階調ヒストグラムに前記所定度数Dthより上回る凸領域Rt(m)が複数領域ないと判定されると(SA6)、前記コントラスト補正処理手段13は、前記〔数5〕、前記〔数6〕に基づいて、順次全ての画素に対して階調変換を行なうことで前記画像データのコントラスト補正処理を行なう(SA11)
以下、別の実施形態について説明する。上述の実施形態では、前記コントラスト補正処理手段13が、前記凸領域数判定手段12による判定結果に基づいて、階調ヒストグラムの凹領域と凸領域とで異なるコントラスト補正処理を実施するか、それとは異なるコントラスト補正処理を実施するかを選択する構成について説明したが、前記コントラスト補正処理手段13は、前記凸領域数判定手段12による判定結果にかかわらず、予め何らかのコントラスト補正処理、例えば、前記〔数5〕、前記〔数6〕に基づいたコントラスト補正処理を実施した後、前記凸領域数判定手段12による判定結果に基づいて、階調ヒストグラムの凹領域と凸領域とで異なるコントラスト補正処理を実施するか否かを選択する構成としてもよい。何れにしても、前記凸領域数判定手段12により前記凸領域が複数あると判定されたときに、凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理を実施するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理を実施すれば、画像に殆ど含まれないような画像領域の階調範囲を削減する代わりに、画像の大半を占めている画像領域の階調範囲を広げることが可能となる。
【0066】
上述の実施形態では、前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択手段14を備え、前記コントラスト補正処理手段13が、前記凸領域選択手段14により選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する構成について説明したが、前記凸領域選択手段14の代わりに、前記画像における被写体の顔領域を検出する顔領域検出手段を備え、前記コントラスト補正処理手段13が、前記凸領域Rt(m)のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する構成としてもよい。主要被写体である可能性の高い顔領域の階調を潰すことなく好適なコントラスト補正処理を実施することができる。
【0067】
尚、詳細には、前記顔領域検出手段が、前記画像における被写体の顔領域を検出し、前記検出された顔領域における階調ヒストグラムを生成するとともに、前記顔領域における階調ヒストグラムを最も多く含む凸領域を選択し、前記コントラスト補正処理手段13が、前記選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する構成とすればよい。また、前記顔領域の検出は、前記画像データから抽出された濃度エッジやカラーエッジに基づく輪郭が顔領域であるか否かを、予め準備された顔領域の輪郭、目、鼻、口、耳等の複数の要素配置パターンとの一致度を評価することによるパターン認識技術に基づいて検出する等といった公知の技術を用いることができる。
【0068】
上述の実施形態では、前記コントラスト補正処理手段13が、階調ヒストグラムに複数ある凸領域Rt(m)に対して、前記凸領域選択手段14に選択された一つの凸領域のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する構成について説明したが、前記コントラスト補正処理手段13は、全ての凸領域のコントラストが高くなるように、または、前記凸領域選択手段14が複数の凸領域を選択するように構成し、前記凸領域選択手段14に選択された複数の凸領域のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する構成としてもよい。図10に示すように、各凸領域に対して、コントラストが高くなるような階調変換特性Le、Lfをそれぞれ設定するとともに、凸領域間にある凹領域のコントラストが低くなるような階調変換特性Lgを設定し、前記領域毎に設定した階調変換特性に基づいて、それぞれに対応する画像領域の画素に対して順次階調変換を実施すればよい。
【0069】
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】画像処理部における機能ブロック構成の説明図
【図2】写真画像処理装置の外観構成の説明図
【図3】写真プリンタの説明図
【図4】写真画像処理装置の機能ブロック構成の説明図
【図5】所定度数より上回る凸領域が複数ある階調ヒストグラムの例であり、また、所定度数より上回る凸領域と所定度数より下回る凹領域との領域分離の説明図
【図6】所定度数より上回る凸領域が複数ある場合に、コントラスト補正処理を実施するときの階調変換特性の説明図
【図7】所定度数より上回る凸領域が複数ない階調ヒストグラムの例であり、また、領域分離階調閾値に基づいた領域分離の説明図
【図8】所定度数より上回る凸領域が複数ない場合に、コントラスト補正処理を実施するときの階調変換特性の説明図であり、(a)は領域分離階調閾値よりも明るい画素からなる画像領域に対する階調変換特性、(b)は領域分離階調閾値よりも暗い画素からなる画像領域に対する階調変換特性
【図9】画像処理部の動作を説明するためのフローチャート
【図10】所定度数より上回る凸領域が複数ある場合に、コントラスト補正処理を実施するときの別実施形態における階調変換特性の説明図
【図11】従来技術におけるコントラスト補正処理の説明図であり、(a)は階調ヒストグラムにおける領域分離の説明図、(b)は各領域での階調変換特性の説明図
【図12】(a)は階調ヒストグラムを最大度数となる階調で領域分離した場合の説明図、(b)は階調ヒストグラムを平均階調で領域分離した場合の説明図
【符号の説明】
【0071】
1:写真画像処理装置
10:濃度補正処理手段
11:領域分離手段
12:凸領域数判定手段
13:コントラスト補正処理手段
14:凸領域選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の階調ヒストグラムに基づいて前記画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理手段を備えた画像処理装置であって、
前記階調ヒストグラムを所定度数となる階調閾値に基づいて前記所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離手段と、前記領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定手段を備え、
前記凸領域数判定手段により前記凸領域が複数領域あると判定されたときに、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する画像処理装置。
【請求項2】
前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択手段を備え、
前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域選択手段により選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴量が前記凸領域のピーク階調値であり、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近いピーク階調値となっている凸領域を選択する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記特徴量が前記凸領域の平均階調値であり、前記凸領域選択手段が、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近い平均階調値となっている凸領域を選択する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像における被写体の顔領域を検出する顔領域検出手段を備え、前記コントラスト補正処理手段が、前記凸領域のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像の階調ヒストグラムに基づいて前記画像のコントラスト補正処理を実施するコントラスト補正処理ステップを備えた画像処理方法であって、
前記階調ヒストグラムを所定度数となる階調閾値に基づいて前記所定度数より上回る凸領域と前記所定度数より下回る凹領域に領域分離する領域分離ステップと、前記領域分離された凸領域が複数領域あるか否かを判定する凸領域数判定ステップを備え、
前記凸領域数判定ステップにより前記凸領域が複数領域あると判定されたときに、前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域間における凹領域の画像のコントラストが低くなるようにコントラスト補正処理するとともに、前記凸領域のうち少なくとも一つの凸領域における画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する画像処理方法。
【請求項7】
前記領域分離された凸領域の特徴量を導出し、前記導出した凸領域の特徴量に基づいて特定の凸領域を選択する凸領域選択ステップを備え、
前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域選択ステップにより選択された凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記特徴量が前記凸領域のピーク階調値であり、前記凸領域選択ステップで、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近いピーク階調値となっている凸領域を選択する請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記特徴量が前記凸領域の平均階調値であり、前記凸領域選択ステップで、前記画像の最小設定階調値または最大設定階調値に最も近い平均階調値となっている凸領域を選択する請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記画像における被写体の顔領域を検出する顔領域検出ステップを備え、前記コントラスト補正処理ステップで、前記凸領域のうち、検出された顔領域が含まれる凸領域の画像のコントラストが高くなるようにコントラスト補正処理する請求項6に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−28244(P2007−28244A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208069(P2005−208069)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】