説明

画像処理装置文書認証システム及び画像処理プログラム

【課題】複数のユーザにより文書データの認証を行なうことができる画像処理装置文書認証システム及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】HDDに複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データ及び認証を行なうユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予め記憶させ、ユーザ毎に文書データに対して認証したことを示す認証情報が入力された場合に、CPUにより、HDDに記憶された文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙Pに複数ページずつ、記録用紙Pに印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行ない、面付を行なった当該文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるようにHDDに記憶されたユーザの印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置文書認証システム及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、契印書等の文書においては、ページの入れ替えなどの改竄が行なわれか否かを判別しやすくするため、ページの見開き毎に割印を押印する作業が行なわれる。
【0003】
しかし、ページ数が多い文書になるほど押印作業の負担が大きいという課題があった。
【0004】
そこで、特許文献1には、与えられた印影を、印刷時にランダムな位置で分割し、印刷する2枚の記録用紙上に割印となるように印刷する技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、印影にランダムな回転処理を施して割印として印刷する技術が提案されている。
【0006】
また、特許文献3には、印影にマスク処理を施して、複数の相補的な印影画像を生成し、各相補的な印影画像を記録用紙にそれぞれ印刷し、記録用紙を重ね合わせてすかし見ることにより文書の関連性を確認する技術が提案されている。
【0007】
さらに、特許文献4には、印章を分割して正本の文書に印刷するとともに、印刷した割印章(正副)と文書の関連づけを記録し、後に、正本の印章を基づいて記録装置から副本の割印章を取り出し、副本を画面に表示することで正当性の検証を行なう技術が提案されている。
【特許文献1】特開平07−30742号公報
【特許文献2】特開2000−36905号公報
【特許文献3】特開2001−071579号公報
【特許文献4】特許3735626号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数のユーザにより文書データの認証を行なうことができる画像処理装置文書認証システム及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データ及び認証を行なうユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予め記憶した記憶手段と、前記ユーザ毎に前記文書データに対して認証したことを示す認証情報を入力するための入力手段と、前記入力手段により前記認証情報が入力された場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙に複数ページずつ、記録用紙に印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行ない、面付を行なった当該文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された当該ユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なう画像処理手段と、を備えている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記画像処理手段が、前記文書データの、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がり、且つ当該見開きページ毎に合成位置を変えて前記印影画像を合成する画像処理を行なうものである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記画像処理手段が、文書データにより示される文書の各ページをページ毎に複数並べてそれぞれ1枚の記録用紙に対応させて配置する面付を行ない、面付を行なって記録用紙に対応して複数並んで配置されたページの境界に跨がるように前記印影画像を合成する画像処理を行なうものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3記載に項記載の発明において、前記画像処理手段が、他の印影画像が合成済みである場合、当該他の印影画像と重ならないように、前記印影画像を合成する画像処理を行なうものである。
【0013】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4記載に項記載の発明において、前記画像処理手段が、第1の認証情報と第2の認証情報とを関連して記憶し、前記入力手段により前記第1の認証情報と第2の認証情報とが入力された場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書データにより示される文書の画像を、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された前記第1の認証情報に対応するユーザと前記第2の認証情報に対応するユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なうものである。
【0014】
一方、請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像処理装置と、ユーザを識別する情報を受け付ける受付手段、前記受付手段により前記識別情報を受け付けた場合に、受け付けられた当該識別情報により示されるユーザによる前記認証情報を前記画像処理装置へ送信する送信手段、及び前記画像処理手段により画像処理が行なわれた前記文書データの各ページを、1枚の記録用紙に前記複数ページずつ、記録用紙に印刷する印刷手段を備えた印刷装置と、を有するものである。
【0015】
一方、請求項7に記載の発明は、ユーザにより入力手段に対して複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データに対して認証したことを示す認証情報が入力された場合に、前記記憶手段に記憶された当該文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙に複数ページずつ、記録用紙に印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行なう面付ステップと、前記面付ステップによる面付を行なった当該文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された当該ユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する合成ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、複数のユーザにより文書データの認証を行なうことができる、という優れた効果を有する。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、文書の各ページ毎の改竄の有無を容易に判別できる、という優れた効果を有する。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、複数並んで配置された文書の各ページ毎の改竄の有無を容易に判別できる、という優れた効果を有する。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、認証を複数のユーザで行なうことができる、という優れた効果を有する。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、関連のある複数のユーザの認証が行われて初めて、それぞれのユーザが印影の付加された文書データを取得できる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明をサーバ・コンピュータ(以下「サーバ」という。)とICカードリーダが設けられた複数の複合機とがネットワークにより接続され、ユーザがICカードを用いて各複合機から文書の認証を行なう文書認証システムの場合について説明する。
【0022】
図1には、本実施の形態に係る文書認証システム5の全体的な概略構成が示されている。
【0023】
同図に示されるように、文書認証システム5は、複数の複合機10と、サーバ14と、を備えており、複合機10とサーバ14とがネットワーク16により接続されている。
【0024】
図2には、本実施の形態に係る複合機10及びサーバ14の構成が示されている。
【0025】
同図に示されるように、複合機10は、所定の読込位置に置かれた記録用紙から画像を読み込み、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ22と、電子写真方式にて記録用紙上への画像の印刷を行う印刷エンジン部24と、コピー操作などの各種の操作指示が入力される操作ボタンが設けられた操作パネル26と、IC(Integrated Circuit)カードに記憶された情報を読み取るためのICカードリーダ28と、を備えている。
【0026】
なお、本実施の形態に係る印刷エンジン部24は、記録用紙の表裏を反転させる両面印刷ユニット(不図示)を備え、記録用紙の一方の面に画像の印刷を行なった後に両面印刷ユニットにより記録用紙の表裏を反転させて当該記録用紙の他方の面に画像の印刷を行なうことにより、記録用紙の表裏の両面に印刷を行なうことが可能とされている。
【0027】
また、複合機10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)30と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM32と、各種データを一時的に記憶するRAM34と、各種データを記憶して保持するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)36と、スキャナ22による光学的な画像の読み取りを制御するスキャナドライバ38と、印刷エンジン部24の作動を制御する印刷エンジン制御部40と、操作パネル26に設けられた操作ボタンに対する操作状態を検出する操作入力検出部42と、ICカードリーダ28によるICカードの読み取りを制御するカードリーダ制御部44と、ネットワーク16に接続され、ネットワーク16との間で通信データの送受信を行うネットワークI/F(インタフェース)部46と、を備えている。
【0028】
CPU30、ROM32、RAM34、HDD36、スキャナドライバ38、印刷エンジン制御部40、操作入力検出部42、カードリーダ制御部44、及びネットワークI/F部46は、システムバスBUS1を介して相互に接続されている。従って、CPU30は、ROM32、RAM34、HDD36へのアクセスを行うことができると共に、スキャナドライバ38を介したスキャナ22の作動の制御、印刷エンジン制御部40を介した印刷エンジン部24の作動の制御、カードリーダ制御部44を介したICカードリーダ28によるICカードの読み取りの制御、及びネットワークI/F部46を介したネットワーク16に接続された他の端末装置とのデータの送受信の制御、を各々行うことができる。また、CPU30は、操作入力検出部42を介して操作パネル26に設けられた操作ボタンに対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0029】
一方、サーバ14は、操作メニューやメッセージ等を表示するディスプレイ70と、ユーザからの各種の操作指示が入力されるキーボード72と、を備えている。
【0030】
また、サーバ14は、装置全体の動作を司るCPU80と、制御プログラムや後述する認証処理プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM82と、各種データを一時的に記憶するRAM84と、各種データを記憶して保持するHDD86と、ディスプレイ70への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ88と、キーボード72に対する操作状態を検出する操作入力検出部90と、ネットワーク16に接続され、ネットワーク16との間で通信データの送受信を行うネットワークI/F部92と、を備えている。
【0031】
CPU80、ROM82、RAM84、HDD86、ディスプレイドライバ88、操作入力検出部90、及びネットワークI/F部92は、システムバスBUS2を介して相互に接続されている。従って、CPU80は、ROM82、RAM84、HDD86へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ88を介したディスプレイ70への各種情報の表示の制御、及びネットワークI/F部92を介したネットワーク16に接続された他の端末装置とのデータの送受信の制御、を行うことができる。また、CPU80は、操作入力検出部90を介してキーボード72に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0032】
次に、本実施の形態に係る文書認証システム5の作用を説明する。
【0033】
図3には、本実施の形態に係る文書認証システム5による文書データの承認の流れが模式的に示されている。
【0034】
本実施の形態に係るサーバ14は、認証を行なうユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予めHDD86に記憶している。
【0035】
ユーザは、例えば、契約書等の複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データをネットワーク16に接続されたPC(パーソナル・コンピュータ)等のクライアント・コンピュータからサーバ14へ送信する(図3、「1」参照。)。
【0036】
本実施の形態に係るサーバ14は、ネットワーク16を介して文書データを受信すると、文書データを識別するため新たなジョブIDを生成し、生成したジョブIDに関連付けて当該受信した文書データをHDD86に記憶し、関連付けたジョブIDをクライアント・コンピュータに通知する(図3、「2」参照。)。この通知されたジョブIDは、メールなどによって認証を行なう各ユーザに通知される。
【0037】
認証を行なう各ユーザは、例えば、クライアント・コンピュータにおいて認証対象とする文書データにより示される文書を確認したり、あるいは別に印刷された認証対象とする文書を確認し、認証を行なう場合、当該文書に関連付けられたジョブIDを複合機10の操作パネル26に入力すると共に、ユーザを識別するための識別情報(例えば、ユーザのID番号)が記憶されたICカード98をICカードリーダ28にかざす。なお、図3は、ユーザA、及びユーザBがICカード98によりそれぞれ文書の認証を行なう場合を示している(図3、「3」、「4」参照。)。
【0038】
複合機10は、ICカードリーダ28によりICカード98から識別情報を読み取り、読み取った識別情報を操作パネル26に入力されたジョブIDと共に、文書を認証したことを示す認証情報としてサーバ14へ送信する。
【0039】
サーバ14は、ネットワーク16を介して認証情報を受信すると、CPU80により認証処理プログラムを実行して、文書データにより示される文書に認証したユーザの印影画像を割印として合成する画像処理を行なう。
【0040】
図4には、CPU80により実行される認証処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムはROM82の所定の領域に予め記憶されている。
【0041】
同図のステップ100では、認証情報として受信したジョブIDに対応する文書データ、及び認証情報として受信した識別情報に対応するユーザの印影画像を示す印影画像データをHDD86からそれぞれ読み出す。
【0042】
次のステップ102では、上記ステップ100において読み出した文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙Pに複数ページずつ、記録用紙Pに印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行なう。
【0043】
すなわち、例えば、文書データに示される8ページの文書が記録用紙Pに各々印刷されて中綴じ製本されるものである場合、図5(A)に示すように、2枚の記録用紙Pの表面、裏面にそれぞれ各ページを対応させる面付を行なう。なお、図5の各記録用紙Pに示した「1」〜「8」の数字は対応させるページ数を示している。
【0044】
そして、次のステップ104では、図5(A)に示すように、上記ステップ100において読み出した印影画像データにより示される印影画像を、上記ステップ102において面付を行なった文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように合成する画像処理を行なう。なお、本実施の形態では、見開きページ毎に合成位置を変えて印影画像を合成する。例えば、文書データに示される文書が図5(A)に示したように8ページの文書である場合、丸付きの「契約」として示すように、印影画像が合成される。なお、この合成を行なう際に、既に他のユーザにより認証が行なわれて文書データにより示される文書に他の印影画像が合成済みである場合、当該他の印影画像と重ならないように印影画像を合成することが好ましい。この場合、文書データにより示される文書に他の印影画像の合成を行う毎に、合成した印影の大きさ及び各ページに印影を合成した位置(例えば、合成した中心位置)を合成済印影情報として文書データに対応付けてHDD86に記憶させ、新たな印影画像を合成する際に、当該合成済印影情報に基づいて合成位置を決めればよい。
【0045】
次のステップ106では、上記ステップ104において画像処理を行なった文書データをHDD86に上書きして記憶させて、本認証処理プログラムを終了する。
【0046】
ユーザは、認証した文書データにより示される文書の印刷を行なう場合、複合機10の操作パネル26に当該文書に関連付けられたジョブIDを入力すると共に、印刷開始の指示の入力を行なう。
【0047】
複合機10は、印刷開始の指示の入力されると、操作パネル26に入力されたジョブIDと共に、文書データの送信要求をサーバ14へ送信する(図3、「5」参照。)。
【0048】
サーバ14は、ネットワーク16を介して文書データの送信要求を受信すると、送信要求と共に受信したジョブIDに対応する文書データをHDD86から読み出し、読み出した文書データを送信要求元の複合機10へ送信する。
【0049】
送信要求元の複合機10は、ネットワーク16を介して文書データを受信すると、印刷エンジン部24を制御して、受信した文書データの各ページを、1枚の記録用紙Pに複数ページずつ、記録用紙Pに印刷する。
【0050】
以上のように本実施の形態によれば、ユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予め記憶しておき、ユーザにより認証が行なわれた場合に当該ユーザの印影画像を文書データに割印として合成することにより、複数のユーザにより文書データの認証を行なうことができる。この際に、例えばユーザAとユーザBとの間で契約を行うための契約書を作成しユーザAとユーザBのそれぞれの印影画像を割印の形式で文書に付加して印字させる場合、サーバ14は、ユーザAとユーザBの間の関連を記憶し、この記憶した関連ユーザであるユーザAとユーザBの両者の認証が完了したことを条件に、ユーザAとユーザBの印影画像を文書データに割印として合成した文書データを、送信要求元であるユーザAおよびユーザBが送信要求を行った複合機10へ送信するように構成してもよい。このように構成することにより、契約書などユーザAとユーザBで同じ文書を所有する必要がアル場合に、お互い同一の文書を入手することが可能となる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、例えば、図5(A)に示したように印影画像が合成された文書を中綴じ製本した場合、出来上がり状態(見開き)は、図5(B)に示すように見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように割印が存在するようになるため、この割印の一致を確認することにより各ページ毎の改竄の有無を容易に判別できる。
【0052】
なお、本実施の形態では、文書データにより示される文書の各ページを、記録用紙Pに印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図6(A)に示すように、文書データにより示される文書の各ページをページ毎に複数並べてそれぞれ1枚の記録用紙Pに印刷し(図6ではページ毎に2つ並べてそれぞれ1枚の記録用紙Pに印刷)、図6(B)に示すように、各記録用紙Pを2つに分けて、正本と副本にする場合、図6(A)に示すように、上述した認証処理プログラムのステップ102において、文書データにより示される文書の各ページをページ毎に複数並べてそれぞれ1枚の記録用紙Pに対応させて配置する面付を行ない、ステップ104において、図6(A)に示すように、各記録用紙Pに対応して複数並んで配置されたページの境界に跨がるように印影画像を合成してもよい。なお、図6の各記録用紙Pに示した「1」〜「8」の数字は対応させるページ数を示している。この場合、例えば、図7に示すように、ユーザAが、印刷された各記録用紙Pを裁断して正本と副本に分けて一方を他のユーザに送付する。この正本と副本には、各ページ毎に跨がるように割印が存在するため、正本と副本のページ毎の割印の一致を確認することにより改竄の有無を容易に判別できる。
【0053】
また、本実施の形態では、サーバ14にユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予め記憶させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、サーバ14以外の他のサーバに印影画像データを予め記憶させ、サーバ14が認証を行なうユーザの印影画像データをネットワーク16を介して他のサーバから受信して印影画像の合成を行なってもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、サーバ14において印影画像を合成する画像処理を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、サーバ14が、印影画像の合成を行なわずに、文書データと印影画像データを複合機10へ送信し、複合機10において印刷を行なう際に文書データに示される文書に印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なってもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、ICカードにより文書データの認証を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ユーザが、クライアントコンピュータからネットワーク16を介して文書データの認証を行なったり、あるいはキーボード72により文書データの認証を行なうものとしてもよい。
【0056】
その他、本実施の形態で説明した複合機10及びサーバ14の構成(図1、図2参照。)は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0057】
また、本実施の形態で説明した認証処理プログラムの処理の流れ(図4参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態に係る文書認証システムの全体的な概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る複合機及びサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係る文書認証システムによる文書データの承認の流れを示す模式図である。
【図4】実施の形態に係る認証処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る文書を中綴じ製本する場合の各ページの位置関係を示す模式図である。
【0059】

【図6】実施の形態に係る文書の各ページをページ毎に2つ並べて正本、複本を作成する場合の各ページの位置関係を示す模式図である。
【図7】実施の形態に係る正本、複本を作成する文書認証システムによる文書データの承認の流れを示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
5 文書認証システム
10 複合機(印刷装置)
14 サーバ(画像処理装置)
24 印刷エンジン部(印刷手段)
28 カードリーダ(受付手段)
46 ネットワークI/F部(送信手段)
72 キーボード(入力手段)
80 CPU(画像処理手段)
86 HDD(記憶手段)
92 ネットワークI/F部(入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データ及び認証を行なうユーザ毎の印影画像を示す印影画像データを予め記憶した記憶手段と、
前記ユーザ毎に前記文書データに対して認証したことを示す認証情報を入力するための入力手段と、
前記入力手段により前記認証情報が入力された場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙に複数ページずつ、記録用紙に印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行ない、面付を行なった当該文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された当該ユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なう画像処理手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記文書データの、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がり、且つ当該見開きページ毎に合成位置を変えて前記印影画像を合成する画像処理を行なう
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、文書データにより示される文書の各ページをページ毎に複数並べてそれぞれ1枚の記録用紙に対応させて配置する面付を行ない、面付を行なって記録用紙に対応して複数並んで配置されたページの境界に跨がるように前記印影画像を合成する画像処理を行なう
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、他の印影画像が合成済みである場合、当該他の印影画像と重ならないように、前記印影画像を合成する画像処理を行なう
請求項1〜請求項3記載の何れか1項記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、第1の認証情報と第2の認証情報とを関連して記憶し、前記入力手段により前記第1の認証情報と第2の認証情報とが入力された場合に、前記記憶手段に記憶された前記文書データにより示される文書の画像を、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された前記第1の認証情報に対応するユーザと前記第2の認証情報に対応するユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する画像処理を行なう
請求項1〜請求項4記載の何れか1項記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像処理装置と、
ユーザを識別する情報を受け付ける受付手段、前記受付手段により前記識別情報を受け付けた場合に、受け付けられた当該識別情報により示されるユーザによる前記認証情報を前記画像処理装置へ送信する送信手段、及び前記画像処理手段により画像処理が行なわれた前記文書データの各ページを、1枚の記録用紙に前記複数ページずつ、記録用紙に印刷する印刷手段を備えた印刷装置と、
を有する文書認証システム。
【請求項7】
ユーザにより入力手段に対して複数ページで構成された認証対象とする文書を示す文書データに対して認証したことを示す認証情報が入力された場合に、前記記憶手段に記憶された当該文書データにより示される文書の画像を、1枚の記録用紙に複数ページずつ、記録用紙に印刷して製本した場合に各ページがページ順に並ぶように対応させる面付を行なう面付ステップと、
前記面付ステップによる面付を行なった当該文書データにより示される文書の、製本した場合に見開きページとして並ぶ各ページに跨がるように前記記憶手段に記憶された当該ユーザの前記印影画像データにより示される印影画像を合成する合成ステップと、
をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−77062(P2009−77062A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242816(P2007−242816)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】