説明

画像処理装置

【課題】オリジナルの取扱説明書を作成するのに便利な画像処理装置を提供する。
【解決手段】複合機である画像処理装置1は、画像処理装置1の操作画面57が表示されるタッチパネル43と、タッチパネル43に表示されている操作画面57の画像データの記憶を命令する命令キー65と、命令キー65の操作により、タッチパネル43に表示されている操作画面57の画像データが記憶されるハードディスク25と、ハードディスク25に記憶されている操作画面57の画像データを出力する操作により、当該画像データを出力する出力部(MPU3、RAM21及びLANインターフェース29等)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複合機のような画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置(複合機、複写機等)は多機能化し、それに伴い操作の仕方を説明する取扱説明書が厚くなっている。取扱説明書を読まなくても操作の仕方が分かるように、本体各部の名称及びはたらきを液晶画面に表示する機能を備えた複写機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−75454号公報(段落0031〜段落0038、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置は多機能であり、ユーザ毎に使用する機能が異なる。したがって、ユーザは、自己が使用する機能についてだけ説明されているオリジナルの取扱説明書の作成を、画像処理装置の管理者等に依頼することがある。
【0005】
本発明の目的は、オリジナルの取扱説明書を作成するのに便利な画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コピー、ファクシミリ、スキャナ及びプリンタの少なくとも一つの機能を有する画像処理装置であって、前記画像処理装置の操作画面が表示される表示部と、前記表示部に表示されている操作画面の画像データの記憶を命令する命令キーと、前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面の画像データが記憶される記憶部と、前記記憶部に記憶されている操作画面の画像データを出力する操作により、当該画像データを出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、前記命令キーは、前記表示部に表示されている操作画面の画像データを前記記憶部に記憶させるモードにおいて、前記表示部に表示されている操作画面に含まれるソフトキーである、ようにすることができる。
【0008】
これによれば、命令キーとして機能するハードキーを設ける必要がなくなる。また、操作画面の画像データの記憶モード以外では、操作画面に命令キーが含まれないようにすることができる。
【0009】
本発明に係る画像処理装置は、前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面から前記命令キーを除いた操作画面の画像データが前記記憶部に記憶される、ようにすることができる。
【0010】
これによれば、命令キーを除いた操作画面の画像データを出力することができる。
【0011】
本発明に係る画像処理装置は、前記表示部及びハードキーを含む操作パネルを備え、前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面を含む前記操作パネルの画像データが前記記憶部に記憶される、ようにすることができる。
【0012】
これによれば、操作画面を含む操作パネルの画像データを出力することができるので、オリジナルの取扱説明書において、操作パネルのハードキー等に言及する場合に便利である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る画像処理装置によれば、画像処理装置の表示部に表示されている操作画面の画像データを出力することができる。したがって、パソコンでオリジナルの取扱説明書を作成する際にその操作画面の画像を取扱説明書に張り付けることができるので、オリジナルの取扱説明書を作成するのに便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置1の構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、コピー、ファクシミリ、スキャナ及びプリンタの機能を有する複合機である。
【0015】
画像処理装置1は、MPU(Micro Processing Unit)3、画像読取部5、画像記録部7、表示部9、操作部11、モデム13、NCU(Network Control Unit)15、ROM(Read Only Memory)19、RAM(Random Access Memory)21、画像メモリ23、ハードディスク25、コーデック27、LAN(Local Area Network)インターフェース29等が相互にバス33で接続された構成を有する。MPU3は、画像処理装置1を構成する上記ハードウェアを制御すると共に画像処理装置1の動作に必要なソフトウェアを実行する。
【0016】
画像読取部5は、CCD(Charge Coupled Device)等によって画像(文字、図、写真等)を読み取って画像データとして出力する。画像記録部7は、電子写真方式等のプリンタであり、画像読取部5から出力された画像データやファクシミリ通信により受信した別のファクシミリ機からの画像データを画像に戻し、この画像が記録された用紙を出力する。
【0017】
表示部9には、画像処理装置1の操作画面が表示される。操作画面は、画像処理装置1における各種の設定(例えば画質)、登録(例えば短縮ダイヤル)及び表示(例えば動作状態、エラー)に利用される。表示部9は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で実現される。操作部11は、画像処理装置1の操作に必要なキー(テンキー、スタートキー、リセットキー、各種のファンクションキー等)を備える。
【0018】
モデム13は、通常のファクシミリ通信用のファクシミリモデムの機能を有する。また、モデム13は、NCU15と直接に接続されている。NCU15は、公衆交換電話網(PSTN)17に接続される電話回線と画像処理装置1との接続を制御する機能の他に、通信相手の電話番号に応じたダイヤルパルスを送出する機能及び着信を検出する機能を有する。
【0019】
ROM19は、フラッシュメモリ等により実現されており、画像処理装置1の動作に必要なソフトウェアを記憶している。RAM21は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により実現されている。RAM21は、ソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。
【0020】
画像メモリ23は、DRAM等で実現されており、送信すべき画像データ、受信した画像データ及び画像読取部5から出力された画像データ等を一時的に記憶する。ハードディスク25は、ファクシミリ通信の対象となる画像データ等を記憶する。画像処理装置1ではファクシミリの送信予約情報及び通信管理記録に、通信対象となる画像を含めている。この画像を形成するのにハードディスク25に記憶されている上記画像データを利用する。
【0021】
コーデック27は、画像データを符号化圧縮すると共に符号化圧縮されている画像データを復号する。LANインターフェース29は、画像処理装置1がLAN31と通信可能に接続するインターフェースである。LAN31は、複数のパソコン35と接続されていると共にルータ37を経由してインターネット39と接続されている。
【0022】
図2は、画像処理装置1に備えられる操作パネル41の平面図である。操作パネル41は、タッチパネル43及び各種のハードキー(モード選択キー45、テンキー47、スタートキー49、クリアキー51、割込みキー53、リセットキー55等)を備える。これらは、図1の操作部11により実現される。各キーは、複合機に備えられるそれらの名称のキーと同様の目的で使用される。例えば、モード選択キー45は、ファクシミリ、コピー、プリンタ、スキャナのモードを切り替える際に操作する。
【0023】
ハードキーとは、操作パネル41に取り付けられたキーのことである。これに対して後で述べるようにソフトウェアによりタッチパネル43に表示される操作画面57に含まれるキーをソフトキーと称する。
【0024】
タッチパネル43は、図1の表示部9としての機能も有する。図2のタッチパネル43には、コピーモードのメニューを示す操作画面57が表示されている。これは、コピーモードの初期画面であり、コピーを選択するモード選択キー45を操作すると表示される。図2の操作画面57には、ソフトキー(画質等の設定キー59)が含まれる。
【0025】
画像処理装置1は、タッチパネル43(すなわち表示部9)に表示されている画像処理装置1の操作画面57の画像データを記憶する機能を有する。この機能について説明する。まず、タッチパネル43を操作して、操作画面57を図2に示す初期画面から図3に示す「操作画面の記憶モード」の設定画面に切り替える。
【0026】
タッチパネル43の取り消しキー61を操作して、操作画面57の画像データの記憶モードがオフ状態であるのを取り消す。次に、タッチパネル43の「オン」の文字画像に触れて、操作画面の記憶モードをオン状態にするのを選択する。そして、タッチパネル43の確定キー63を操作する。
【0027】
以上の操作により、操作画面57の画像データの記憶モードがオン状態となり、操作画面57が図3に示す画面から図4に示す画面に切り替わる。図4の操作画面57はコピーモードの初期画面を示しているが、記憶の対象となるものであり、コピーの実行に使用するものではない。図4の操作画面57が図2の操作画面57と異なるのは、操作画面57に命令キー65が含まれることである。
【0028】
命令キー65は、タッチパネル43に表示されている操作画面57の画像データの記憶を命令するキーである。本実施形態において、命令キー65は、タッチパネル43に表示されている操作画面57の画像データを記憶させるモードにおいて、タッチパネル43に表示されている操作画面57に含まれるソフトキーである。このようなソフトキーにすることにより、命令キー65として機能するハードキーを設ける必要がなくなる。また、操作画面57の画像データの記憶モード以外(例えば、コピーモードでのコピー画質の設定)では、操作画面57に命令キー65が含まれないようにすることができる。
【0029】
命令キー65を操作することにより、図4のタッチパネル43に表示されている操作画面57から命令キー65を除いた操作画面57の画像データが、図1のハードディスク25に記憶される。これにより、画像処理装置1は、命令キー65を除いた操作画面57の画像データを出力することができる。命令キー65は、操作画面57の画像データを記憶するモード以外では使用されず、通常の操作(例えばコピー操作)では操作画面57に含まれない。したがって、オリジナルの取扱説明書に張り付ける操作画面57に、命令キー65を含める必要がないので、命令キー65を除いた操作画面57の画像データを出力するようにしている。
【0030】
図1のハードディスク25には、操作画面57の画像データ用のフォルダ(図示せず)が予め設定されており、操作画面57の画像データが所定の形式(例えばジェイペグ)で記憶される。ハードディスク25は、操作画面57の画像データを記憶する記憶部として機能する。
【0031】
次に、例えば、図4の画質の設定キー59を操作すれば、操作画面57は図4に示す画面から図5に示す画面に切り替わる。この操作画面57は、コピーの画質を設定する画面であるが、記憶の対象となるものであり、コピーの画質の設定に使用するものではない。実際にコピーの画質の設定に使用する操作画面との違いは、操作画面57に命令キー65が含まれることである。
【0032】
操作画面57には、コピーの際の画質の種類を示す「標準」、「高画質」、「超高画質」、「写真」、「車検証」の文字画像が含まれる。ここで「車検証」とは、原稿の背景を読み取らない設定である。車検証等のような地模様及び/又は地色を有する原稿をコピーする時に利用することができる。「車検証」に設定すれば、原稿の背景の読み取りがなされないので、トナーの使用量を減らすことができる。
【0033】
命令キー65を操作することにより、図5のタッチパネル43に表示されている操作画面57から命令キー65を除いた操作画面57の画像データが、図4の操作画面57の画像データと同様に図1のハードディスク25に記憶される。
【0034】
次に、ハードディスク25に記憶されている操作画面57の画像データの出力について説明する。この出力を実行する出力部は、図1のMPU3、RAM21及びLANインターフェース29等により実現される。図1に示すパソコン35のうち例えばパソコン35Aを操作して、ハードディスク25に記憶されている操作画面57の画像データの出力を命令することにより、当該画像データがパソコン35Aへ出力されて、パソコン35Aのメモリに記憶される。このメモリに記憶された当該画像データを画像に戻してパソコン35Aのディスプレイに表示した例を図6及び図7に示す。
【0035】
図6は図4に示す操作画面の画像67であり、図7は図5に示す操作画面の画像67であるが、いずれも命令キー65の画像は含まれていない。これは、前述したように、命令キー65を含まない操作画面57の画像データが、図1のハードディスク25に記憶されるからである。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、タッチパネル43に表示されている操作画面57の画像データを、パソコン35へ出力することができる。したがって、パソコン35でオリジナルの取扱説明書を作成する際にその操作画面の画像67を取扱説明書に張り付けることができるので、オリジナルの取扱説明書を作成するのに便利である。
【0037】
操作画面57の画像データを記憶する例で説明したが、操作パネル41の画像データを記憶するようにしてもよい。例えば、図5の命令キー65を操作することにより、図5のタッチパネル43に表示されている操作画面57を含む操作パネル41の画像データが、図1のハードディスク25に記憶される。操作画面57の画像データを記憶する場合と同様の理由により、命令キー65の画像データは除かれている。上記操作パネル41の画像データを出力してパソコン35に記憶し、この記憶した画像データを画像に戻して、パソコン35のディスプレイに表示したものが、図8に示す操作パネルの画像69である。
【0038】
このように、操作画面57を含む操作パネル41の画像データを出力できるようにすれば、操作画面を含む操作パネルの画像69をオリジナルの取扱説明書に張り付けることができる。オリジナルの取扱説明書において、操作パネル41のハードキー等に言及する場合に便利である。
【0039】
命令キー65がソフトキーではなく、図9に示すような操作パネル41に取り付けられたハードキーでもよい。命令キー65がハードキーのときは、操作画面57に命令キー65は含まれない。
【0040】
本実施形態では、ハードディスク25に記憶された操作画面57の画像データを図1のパソコン35へ出力する例で説明したが、画像処理装置1と接続可能な外部記憶装置へ出力するようにしてもよい。外部記憶装置の具体例として、MO(Magnet Optical)、CD(Compact Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリのようなメモリカード、外付けのハードディスクドライブ等が挙げられる。
【0041】
本実施形態は、画像処理装置1として複合機を例に説明した。本発明に適用できる画像処理装置としては、例えばファクシミリ専用機、コピー専用機、スキャナ専用機、プリンタ専用機でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理装置1において、操作画面57として、コピーモードの初期画面がタッチパネル43に表示された操作パネル41の平面図である。
【図3】本実施形態に係る画像処理装置1において、操作画面57として、「操作画面の記憶モード」についての設定画面がタッチパネル43に表示された操作パネル41の平面図である。
【図4】本実施形態に係る画像処理装置1において、操作画面57として、記憶モードでのコピーモードの初期画面がタッチパネル43に表示された操作パネル41の平面図である。
【図5】本実施形態に係る画像処理装置1において、操作画面57として、記憶モードでのコピーモードの画質の設定画面がタッチパネル43に表示された操作パネル41の平面図である。
【図6】図4の操作画面の画像67を示す図である。
【図7】図5の操作画面の画像67を示す図である。
【図8】図5の操作パネルの画像69を示す図である。
【図9】本実施形態に係る画像処理装置1において、命令キー65がハードキーである例の操作パネル41の平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・・画像処理装置、3・・・MPU、5・・・画像読取部、7・・・画像記録部、9・・・表示部、11・・・操作部、13・・・モデム、15・・・NCU、17・・・公衆交換電話網、19・・・ROM、21・・・RAM、23・・・画像メモリ、25・・・ハードディスク、27・・・コーデック、29・・・LANインターフェース、31・・・LAN、33・・・バス、35(35A)・・・パソコン、37・・・ルータ、39・・・インターネット、41・・・操作パネル、43・・・タッチパネル、45・・・モード選択キー、47・・・テンキー、49・・・スタートキー、51・・・クリアキー、53・・・割込みキー、55・・・リセットキー、57・・・操作画面、59・・・設定キー、61・・・取消しキー、63・・・確定キー、65・・・命令キー、67・・・操作画面の画像、69・・・操作パネルの画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピー、ファクシミリ、スキャナ及びプリンタの少なくとも一つの機能を有する画像処理装置であって、
前記画像処理装置の操作画面が表示される表示部と、
前記表示部に表示されている操作画面の画像データの記憶を命令する命令キーと、
前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面の画像データが記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶されている操作画面の画像データを出力する操作により、当該画像データを出力する出力部と、を備える
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記命令キーは、前記表示部に表示されている操作画面の画像データを前記記憶部に記憶させるモードにおいて、前記表示部に表示されている操作画面に含まれるソフトキーである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面から前記命令キーを除いた操作画面の画像データが前記記憶部に記憶される
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記表示部及びハードキーを含む操作パネルを備え、
前記命令キーの操作により、前記表示部に表示されている操作画面を含む前記操作パネルの画像データが前記記憶部に記憶される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−194684(P2009−194684A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34267(P2008−34267)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】