説明

画像圧縮装置、画像形成装置、画像読取装置、画像圧縮方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体

【課題】文字画像の抽出処理を軽減した場合でも、所定の設定が選択されることにより、文字画像の再現性が高い画像圧縮を実現すること。
【解決手段】入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出部31と、文字エッジ抽出部31が抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮部32と、背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付部125と、背景画像データの解像度を解像度受付部が受け付けた解像度に変換する解像度変換部35と、解像度受付部125が受け付けた解像度に基づいて背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定部39と、背景画像データを、前記圧縮率設定部39が設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮部34aとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の文字に係る領域を分離して圧縮する画像圧縮装置、その画像圧縮装置を備える画像形成装置及び画像読取装置、画像圧縮方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式又はインクジェット方式を用いた複写機、又は、複合機等の装置では、スキャナで読み取られた画像の画像データのファイルサイズが大きいため、蓄積又は伝送する際に圧縮する。
【0003】
画像データを高圧縮率で圧縮するために、画像をレイヤに分離して、レイヤ毎に圧縮する技術がある。例えば、MRC(Mixed Raster Content)である。レイヤ分離は、圧縮する前の画像データから文字画像を表す前景レイヤを生成し、生成した前景レイヤに基づいて、画像を前景レイヤと背景レイヤとに分離する。分離された前景レイヤと背景レイヤとを、夫々に適した圧縮技術を用いて圧縮することにより、高圧縮を実現する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前景レイヤは、文字に係る情報を含むことが多いため、背景レイヤよりも高精細であることが求められる。そこで、圧縮率の低い可逆圧縮により圧縮されることが多い。背景レイヤは、前景レイヤを除く画像のコンテントであり、前景レイヤに比して、低い精細さでも画像に含まれる情報を再現することができる。そこで、圧縮率の高い非可逆圧縮により圧縮されることが多い。
【0005】
特許文献1では、カラー文書画像のテキスト領域毎に用いられている色を抽出し、同色が用いられていると判断されたテキスト領域を包含して包含画像を生成し、包含画像に対してMMR(Modified Modified Read code)圧縮を行い、この包含画像のパレット情報と包含画像情報をヘッダとして添付する。また、注目テキスト領域が1つの色のみを有している場合、この注目テキスト領域に対してMMR圧縮を行い、注目テキスト領域が複数の色を有する場合、可逆圧縮を行う。圧縮結果にはパレット情報とテキスト情報がヘッダに添付される。一方、テキスト情報を用いてカラー文書画像におけるテキスト領域を特定して、特定したテキスト領域を所定の色で塗りつぶした画像(下地画像)を生成しJPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮を行う方法が提案されている。
【0006】
文字画像の抽出は、例えば、文字画像のエッジを抽出して実現する。より詳細には、立ち上がりエッジ(文字画像の開始)と立ち下がりエッジ(文字画像の終了)とを抽出し、それらの間を文字画像の領域とする。また例えば、画素毎に、濃度、又は、色により閾値と比較して文字画像の領域に含まれるか否かを抽出する。
【0007】
文字画像を抽出する際に、写真画像のエッジ、印刷網点、ノイズ等の文字画像と異なる部分が、誤って文字画像として抽出されることがある。このような場合には、低い圧縮率により圧縮される前景レイヤに含まれる領域が増え、前景レイヤと背景レイヤとをあわせた圧縮後のデータ量が大きくなる。また、文字画像の一部が抽出されずに背景レイヤに含まれてしまうことがある。このような場合には、背景レイヤに含まれる文字画像が、低い精細さしか実現しない圧縮技術で圧縮されることにより、前景レイヤと背景レイヤを再び合成した後の画像における文字画像の再現性が低くなる。
【0008】
そこで、文字画像を精度良く抽出するための画像処理を抽出前に行うことがある。また、文字画像と異なる部分が誤って抽出されている場合、及び、文字画像が抽出されなかった場合を想定して、抽出後に補正のための画像処理を行うことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−18413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、文字画像を抽出する前の画像処理、及び/又は、抽出した後の画像処理を行って文字画像の抽出精度を高めるためには、多くの画像処理が必要となる。また、特許文献1の方法では、テキスト領域が正しく抽出されれば良いが、正しく抽出されない場合、背景レイヤに含まれ、非可逆圧縮により文字が潰れて読めなくなってしまうという問題がある。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、文字画像の抽出処理を軽減した場合でも、所定の設定が選択されることにより、文字画像の再現性が高い画像圧縮を実現する画像圧縮装置、画像形成装置、画像読取装置、画像圧縮方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像圧縮装置は、入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮装置において、入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出部と、該文字エッジ抽出部が抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮部と、前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付部と、前記背景画像データの解像度を該解像度受付部が受け付けた解像度に変換する解像度変換部と、前記解像度受付部が受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定部と、前記背景画像データを、前記圧縮率設定部が設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮部とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像圧縮方法は、入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮方法において、入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出ステップと、該文字エッジ抽出ステップで抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮ステップと、前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付ステップと、前記背景画像データの解像度を該解像度受付ステップで受け付けた解像度に変換する解像度変換ステップと、前記解像度受付ステップで受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定ステップと、前記背景画像データを、前記圧縮率設定ステップで設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るコンピュータプログラムは、入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮するためのコンピュータプログラムにおいて、入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出ステップと、該文字エッジ抽出ステップで抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮ステップと、前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付ステップと、前記背景画像データの解像度を該解像度受付ステップで受け付けた解像度に変換する解像度変換ステップと、前記解像度受付ステップで受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定ステップと、前記背景画像データを、前記圧縮率設定ステップで設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る記録媒体は、本発明のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、入力画像データから文字画像の抽出に代えて文字エッジを抽出して可逆圧縮し、背景画像データの出力解像度に基づく圧縮率で背景画像データを非可逆圧縮することにより、文字画像の再現性の高い画像圧縮を実現することができる。
【0017】
本発明に係る画像圧縮装置は、文字エッジを抽出するか否かの指定を受け付ける文字エッジ抽出受付部を有し、前記文字エッジ抽出部は、前記文字エッジ抽出受付部が抽出する指定を受け付けた場合に、文字エッジを抽出するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、文字画像の再現性を高めるための文字エッジの抽出を行うか否かを、受け付けることができる。
【0019】
本発明に係る画像圧縮装置は、圧縮後の画像データの形式を受け付ける形式受付部を有し、該形式受付部が受け付けた形式が、複数のレイヤを含む画像データの形式である場合に、前記文字エッジ抽出受付部は文字エッジを抽出するか否かの指定を受け付けるように構成してあることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、圧縮後の画像データの形式として複数のレイヤを含む画像データの形式を受け付けた場合に、文字エッジを抽出するか否かの指定を受け付ける。
【0021】
本発明に係る画像圧縮装置は、前記文字エッジ抽出受付部が文字エッジを抽出する指定を受け付けた場合に、前記解像度変換部が前記解像度受付部により受け付けられた解像度に関わらず前記背景画像データの解像度を低下させる解像度変換を行うか否かを受け付ける解像度変換受付部を有することを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、文字エッジ抽出受付部が文字エッジを抽出する指定を受け付けた場合に、さらに、入力画像データの解像度を低下させる解像度変換を行うか否かを受け付ける。
【0023】
本発明に係る画像圧縮装置は、前記入力画像データ又は該入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、前記文字エッジ抽出部が前記入力画像データから抽出した文字エッジに対応する領域に対して濃度勾配軽減処理を行う濃度勾配軽減処理部を有することを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、入力画像データ又は入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、文字エッジに対応する領域の画像データに対する濃度勾配軽減処理を行う。
【0025】
本発明に係る画像圧縮装置は、前記入力画像データ又は該入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、前記文字エッジ抽出部が前記入力画像データから抽出した文字エッジに対応する領域を除く領域の画像データに対する平滑化処理を行う平滑補正処理部を有することを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、入力画像データ又は入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、文字エッジ抽出部が抽出した文字エッジに対応する領域を除く領域の画像データに対する平滑化処理を行う。
【0027】
本発明に係る画像圧縮装置は、入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮装置において、文字領域に含まれる画素の情報が対応づけられている入力画像データに含まれる画素のうち文字領域に含まれる画素の数が所定数以上か否かを、前記画素の情報に基づいて判定する文字判定部と、前記文字判定部が前記入力画像データに含まれる画素のうち文字領域に含まれている画素の数が所定数以上と判定した場合に、前記入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出部と、該文字エッジ抽出部が抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮部と、前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付部と、前記背景画像データの解像度を該解像度受付部が受け付けた解像度に変換する解像度変換部と、前記解像度受付部が受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定部と、前記背景画像データを、前記圧縮率設定部が設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮部とを有することを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、文字領域に含まれる画素の情報に基づいて、入力画像データに含まれる画素のうち文字領域に含まれる画素の数が所定数以上の場合に、文字エッジを抽出して可逆圧縮し、解像度に基づく圧縮率で背景画像データを非可逆圧縮することにより、文字画像の再現性の高い画像圧縮を実現することができる。
【0029】
本発明に係る画像圧縮装置は、前記文字エッジは、黒文字エッジ及び所定の色の色文字エッジのうちの少なくとも何れか一方であることを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、前記文字エッジは、黒文字エッジ及び所定の色の色文字エッジのうちの少なくとも何れか一方である。
【0031】
本発明に係る画像形成装置は、本発明の何れか一つの画像圧縮装置と、該画像圧縮装置により圧縮された画像データを伸張する伸張部と、該伸張部により伸張された画像データによる画像を媒体上に形成する画像形成部とを備えることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る画像読取装置は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、該画像読取部により読み取られた画像データを前記入力画像データとして圧縮する本発明の何れか一つの画像圧縮装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、文字画像の抽出処理を軽減した場合でも、所定の設定が選択されることにより、文字画像の再現性が高い画像圧縮を実現する画像圧縮装置、画像形成装置、画像読取装置、画像圧縮方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】文字画像を含む画像の例を示す図である。
【図2】抽出された黒文字エッジの画像の例を示す図である。
【図3】エッジを抽出した画像の例を示す図である。
【図4】色文字エッジを抽出した画像の例を示す図である。
【図5】前景レイヤと背景レイヤとに分離されて圧縮された画像データを、伸張した後に合成した画像の例(その1)を示す図である。
【図6】前景レイヤと背景レイヤとに分離されて圧縮された画像データを、伸張した後に合成した画像の例(その2)を示す図である。
【図7】画像圧縮装置(その1)の機能構成を示すブロック図である。
【図8】領域識別信号の例と、領域識別信号に基づいて生成する前景レイヤの例とを示す図である。
【図9】エッジ検出により生成される2値データの例を示す図である。
【図10】濃度勾配を弱めるフィルタと平滑化フィルタとの例を示す図である。
【図11】濃度勾配を弱めるフィルタと、平滑化フィルタとによりフィルタ処理された画像の例を示す図である。
【図12】画像圧縮装置(その2)の機能構成を示すブロック図である。
【図13】バイリニア処理を施し解像度を1/2にした画像の例を示す図である。
【図14】圧縮率に対応する量子化テーブルの例を示す図である。
【図15】画像圧縮装置(その3)の機能構成を示すブロック図である。
【図16】濃度補正のルックアップテーブルの例を示す図である。
【図17】高濃度側の傾きを異ならせた2つのルックアップテーブルの例を示す図である。
【図18】画像圧縮装置(その4)の機能構成を示すブロック図である。
【図19】画像圧縮装置により処理される画像データの例を示す図である。
【図20】画像圧縮装置を有する画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図21】画像読取装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【図22】操作パネルが有する機能構成を示すブロック図である。
【図23】解像度に対応するQファクタを示す図である。
【図24】操作パネルに表示される画面の例(その1)を示す図である。
【図25】操作パネルに表示される画面の例(その2)を示す図である。
【図26】操作パネルに表示される画面の例(その3)を示す図である。
【図27】画像圧縮方法の処理の手順を示すフローチャートである。
【図28】黒文字重視・高精細処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図29】2色文字・高精細処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図30】黒文字重視処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図31】2色文字処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図32】通常高圧縮処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図33】画像形成装置のハードウェア構成の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0036】
(画像データの説明)
先ず、本発明の実施の形態の理解を容易にするために、本実施の形態に係る画像圧縮装置により処理される画像データ、画像データから文字画像が抽出されて生成する前景レイヤ、画像データから前景レイヤに含まれる画像が除かれた背景レイヤ、及び、前景レイヤと背景レイヤとが圧縮された後に再び合成されて生成する画像について、図1から図6を用いて説明する。
【0037】
図1は、文字画像を含む画像の例を示す図である。図1の画像P1は、網点領域A1を有する。画像P1は、さらに、複数の黒文字画像K1と色文字画像C1とを含み、それらは、網点領域A1の中及び網点領域A1の外に含まれている。
【0038】
図2から図4は、何れも画像を構成する画素が2値で表される画像である。図2の画像P2は、図1の画像P1から抽出された黒文字エッジの画像、図3の画像P3は、画像P1から、エッジを抽出した画像の例を示す図である。また、図4の画像P4は、画像P1から、色文字エッジを抽出した画像の例を示す図である。色文字エッジとは、色文字領域の端部である。
【0039】
画像P3から、画像P4の領域を除いた領域を抽出することにより、画像P2と同一の画像を生成することができる。
【0040】
なお、画像P2、画像P3、画像P4は、前景レイヤである。画像P1から前景レイヤを除いた画像を背景レイヤという。画像P1のうち、前景レイヤの画素に対応する位置の画素に対し、周囲の画素との平滑化処理等の画像処理を行って背景レイヤを生成することにより、圧縮によりエッジ付近に生じるノイズを抑制することができる。
【0041】
前景レイヤは、「前景マスク」ともいう。これは、これらの画像のうち、値が1の画素の領域(文字エッジの領域)を画像P1から除いて背景レイヤを生成することによる。
【0042】
なお、前景レイヤは、文字画像の他に、線画画像を含めてもよく、文字画像に代えて線画画像のみを含ませてもよい。
【0043】
前景レイヤは、可逆圧縮される。前景レイヤの可逆圧縮は、例えば、JBIG(Joint Bilevel Image Group)、MMR、LZW(Lempel Ziv Welch)等の圧縮方式を用いる。
【0044】
背景レイヤは、非可逆圧縮される。背景レイヤの非可逆圧縮は、例えば、JPEGを用いる。
【0045】
図5及び図6は、前景レイヤと背景レイヤとに分離されて圧縮された画像データを、伸張した後に合成した画像の例を示す図である。図5Aは、背景レイヤであり、画像P1から、画像P2に対応する領域に対する画像処理が行われた画像の画像データが圧縮され伸張された画像である。図5Bは、前景レイヤであり、黒文字エッジの画像P2の画像データが圧縮され伸張された画像である。前景レイヤは黒文字のエッジを示す2値画像である。
【0046】
図5Cは、圧縮された画像データを伸張し、前景レイヤと背景レイヤとを合成した画像となっている。図5Cでは、黒文字のエッジを強調して描いているものの、実際には、背景レイヤの黒文字の色に近い濃度の黒で表現されており、ギャップが目立たなくなっている。黒文字の輪郭は、可逆圧縮された前景レイヤで表現されているので、明確に表現され、黒文字の視認性は高い。また、黒文字とその他の部分との濃度差がより小さくなっているので、背景レイヤの非可逆圧縮の際に発生するノイズが抑制され、黒文字の視認性の悪化が抑制される。背景レイヤに含まれる色文字については、フィルタ処理及び非可逆圧縮処理によって滲みが発生し、ぼやけ気味になるが、濃度補正を行うことにより、黒文字ほどでは無いものの、視認性を向上させることが可能である。
【0047】
また、図6Aは、背景レイヤであり、画像P1から、画像P4に対応する領域に対する画像処理が行われた画像の画像データが圧縮され伸張された画像である。図6Bは、前景レイヤであり、色文字エッジの画像P4の画像データが圧縮され伸張された画像である。
【0048】
図6Cは、圧縮された画像データを伸張し、前景レイヤと背景レイヤとを合成した画像となっている。図6Cも、図5Cと同様に、色文字エッジを強調して描いているものの、実際には、背景レイヤの色の近い濃度の色で表現されており、ギャップが目立たなくなっている。
【0049】
(画像圧縮装置の説明)
図7は、本実施の形態に係る画像圧縮装置(その1)の機能構成を示すブロック図である。図7の画像圧縮装置30は、画像データと領域識別信号とが入力され、可逆圧縮データと非可逆圧縮データとを出力する。画像データは、RGB信号であり、マトリクス上に配置された複数の画素を有する。領域識別信号は、画像データに含まれる画素が含まれている領域を、識別する信号である。
【0050】
可逆圧縮データは、前景レイヤが圧縮されたものであり、非可逆圧縮データは、背景レイヤが圧縮されたものである。圧縮データを伸張する際には、圧縮形式に係る情報、及び、インデックスカラーテーブル(以下、「ICテーブル」という。)が必要となる。これらの情報を伸張情報という。画像圧縮装置30から出力される可逆圧縮データ、非可逆圧縮データ、及び、これらの圧縮データに対応する伸張情報が、一つのデータにまとめられる。
【0051】
画像圧縮装置30は、2値データ生成部31、可逆圧縮部32、補正処理部33、及び、非可逆圧縮部34を有する。
【0052】
2値データ生成部31は、画像データから、領域識別信号に基づいて、前景レイヤを生成する。前景レイヤは画素毎に1ビットで表される2値の値を有する。図8は、領域識別信号の例と、領域識別信号に基づいて生成する前景レイヤの例とを示す図である。信号P10は、領域識別信号であり、画素毎に4ビットの値を有する。各ビットが、画素の属する領域の種類を表し、左側から、色文字エッジの画素、黒文字エッジの画素、網点領域の画素、及び、写真領域の画素であることを示す。値が1であれば、その領域に属することを意味し、値が0であれば、その領域に属さないことを意味する。
【0053】
信号P11及び信号P12は、信号P10の領域識別信号から生成される前景レイヤの例を示す図である。信号P11は、黒文字エッジの画素を示し、信号P10を元に、左から2番目のビットの値が1の画素を抜き出している。信号P12は、色文字エッジの画素を示し、信号P10を元に、最左のビットの値が1の画素を抜き出している。
【0054】
なお、領域識別信号が与えられない場合には、2値データ生成部31は、エッジ検出を行い、黒文字エッジ又は色文字エッジの画素を抽出する。
【0055】
図9は、エッジ検出により生成される2値データの例を示す図である。画像データP20は、入力される画像データの例である。画像データP20に対し、フィルタF1及びフィルタF2によるフィルタ処理を行う。フィルタF1及びフィルタF2は、夫々縦及び横のソベルのエッジフィルタである。
【0056】
信号P21は、画像P20に対し、フィルタF1及びフィルタF2によるエッジ検出処理が施された画像データである。信号P21は、フィルタF1によるフィルタ結果と、フィルタF2によるフィルタ結果との和の絶対値である。
【0057】
信号P22は、信号P21に対し、所定の閾値による2値化処理が施された信号である。所定の閾値は、500である。
【0058】
信号P23は、信号P22に対し、補正処理が施された画像である。黒文字エッジを抽出する際の補正処理は、信号P22において、値が1となった画素のうち、以下の条件のうちの何れか一方を満たす画素の値を1とし、満たさない画素の値を0とする。
【0059】
(条件1) 近傍の画素のR,G,Bの値が、R=G=B,かつ、TH1以下である。但し、TH1は、黒と判定される輝度の閾値
(条件2) |R−G|,|G−B|,|B−R|が、夫々、所定の閾値TH2以下であり、R,G,Bの値が、TH1以下である。
【0060】
なお、TH1、及び、TH2は、サンプル画像を用いて黒画素を好適に判定できる値を定めるとよい。例えば、輝度のうちの40%程度までを黒画素とする場合は、TH1は、94とする。また例えば、色差5程度までを許容する場合は、TH2は、14とする。
【0061】
黒文字エッジ検出において、R=G=Bとして画像データP20を用い、TH1=60、TH2=10とすると、信号P23は、信号P22を補正処理して得られる2値データである。
【0062】
一方、色文字エッジを抽出する際の補正処理は、信号P22において、値が1となった画素のうち、以下の条件を満たす画素の値を1とし、満たさない画素の値を0とする。
【0063】
(条件) 近傍の画素のR,G,Bの値が、所定の代表色(Rt,Gt,Bt)に対し、|R−Rt|,|G−Gt|,|B−Bt|が何れもTH2以下である。但し、所定の代表色は、赤色、緑色、青色、水色、赤紫色、黄色の何れか一つであり、操作者により選択されるとよい。
【0064】
色文字エッジ検出において、(Rt,Gt,Bt)=(10,10,10)とし、TH2=10とすると、信号P23が、補正処理して得られる2値データであり、色文字エッジの前景レイヤである。
【0065】
なお、前景レイヤの生成の際に、黒文字エッジ、又は、色文字エッジに含まれる画素の濃度値の総和と画素数とを算出し、濃度値の平均を求めるとよい。これにより、前景レイヤを圧縮し伸張した後に、背景レイヤと合成する際に、エッジ領域の画素の濃度値を背景レイヤの対応する画素の近傍の画素の濃度値に近づけることができる。
【0066】
また、濃度値の平均を求めることに代えて、所定の値を用いてもよい。これにより、処理を低減することができる。
【0067】
図7に戻り、可逆圧縮部32は、2値データ生成部31が生成した2値の前景レイヤを、可逆圧縮する。
【0068】
補正処理部33は、入力画像データ又は入力画像データに濃度補正処理等が施された画像データに対し、領域識別信号に基づいて濃度勾配軽減処理及び平滑化処理等の画像処理を行う。補正処理部33は、例えば、図1の画像P1のうち、前景レイヤに含まれる画素に対応する位置の画素に対し、前景レイヤに含まれない画素の画素値を用いてエッジ付近の濃度勾配を弱めるフィルタ処理を行う。前景レイヤは、入力画像データから文字エッジに対応する領域が抽出されている。
【0069】
補正処理部33は、また例えば、図1の画像P1のうち、前景レイヤに含まれない領域に対し、平滑化するフィルタ処理を行う。補正処理部33が行う画像処理により、非可逆圧縮部34が背景レイヤを圧縮する際に、伸張画像に発生するノイズを低減することができる。
【0070】
図10は、画像P1に対してフィルタ処理する際の、濃度勾配を弱めるフィルタと平滑化フィルタとの例を示す図である。図10Aは、濃度勾配を弱めるフィルタの例であり、画像P1のうち、前景レイヤに含まれる画素に対応する位置の画素に対して用いる。
【0071】
図10Bは、平滑化フィルタの例であり、画像P1のうち、前景レイヤに含まれない領域の画素に対して用いる。平滑化フィルタは、網点のモアレが発生しない程度の強度がよい。
【0072】
図11は、濃度勾配を弱めるフィルタと、平滑化フィルタとによりフィルタ処理された画像の例を示す図である。画像データP30は、入力される画像データの例である。画像データP30は、R,G,Bの値のうち、何れか一つの色の値を示す。信号P31は、画像P30に対応する前景レイヤであり、黒文字エッジ領域を識別する2値の信号の例を示す図である。信号P31のうち、黒文字エッジ領域に含まれる画素の位置の値が1であり、黒文字エッジ領域に含まれない位置の値が0である。
【0073】
画像データP32は、フィルタ処理された画像の例を示す図である。画像データP32は、画像データP30の画像の画素毎に、信号P31の前景レイヤに基づいて、前景レイヤに含まれる画素に対応する位置の画素には、図10Aのフィルタによる濃度勾配を弱める処理を行っている。前景レイヤに含まれない画素には、図10Bのフィルタによる平滑化処理を行っている。なお、フィルタ処理は、画像データP30の外側に位置する図示しない画素の画素値を255として処理している。
【0074】
非可逆圧縮部34は、補正処理部33が画像処理した画像の画像データを、非可逆圧縮する。
【0075】
図12は、本実施の形態に係る画像圧縮装置(その2)の機能構成を示すブロック図である。図12の画像圧縮装置30aは、2値データ生成部31、可逆圧縮部32、補正処理部33、低解像度化部35、及び、非可逆圧縮部34aを有する。図12の画像圧縮装置30aにおいて、図7の画像圧縮装置30と同一の機能及び構成を有する各部については、説明を省略する。
【0076】
低解像度化部35は、補正処理部33が画像処理した画像を低解像度化する。低解像度化部35には、解像度信号が与えられる。解像度信号は、解像度に係る情報を含む。解像度に係る情報は、解像度の値でもよく、変換前の解像度と変換後の解像度との比でもよい。
【0077】
低解像度化部35は、単純間引き、ニアレストネイバー、バイリニア、及び、バイキュービック等の低解像度化処理を行う。図13は、図11の画像データP32にバイリニア処理を施し解像度を1/2にした画像である。ここでは、2×2画素の中心をバイリニアの始点としているため、2×2画素の平均値が低解像度化後の画素の値となる。
【0078】
低解像度化部35は、後述する「高精細」の指示が与えられている場合には、解像度変換を行わない。これにより、背景レイヤを「高精細」にする際に、入力される画像と同一の解像度にすることができる。
【0079】
非可逆圧縮部34aは、低解像度化部35が低解像度化した画像の画像データを非可逆圧縮する。非可逆圧縮部34aは、予め低解像度化部35に与えられているのと同一の解像度に係る情報を含む解像度信号が与えられている。非可逆圧縮部34aは、与えられている解像度に係る情報に対応する圧縮率により、画像データを圧縮する。
【0080】
図14は、圧縮率に対応する量子化テーブルの例を示す図である。図14では、基準となる前景レイヤの解像度に対して、背景レイヤが低解像度、同等の解像度、及び、高解像度のそれぞれである場合について、例を示す。ここでは、前景レイヤの解像度を300dpiとして、以下、説明する。
【0081】
テーブルL1及びテーブルC1は、背景レイヤの解像度が、前景レイヤよりも低い場合の量子化テーブルである。テーブルL1は、輝度成分の量子化テーブルであり、テーブルC1は、色差成分の量子化テーブルである。テーブルL1及びテーブルC1では、背景レイヤの解像度が150dpiであり、非可逆圧縮処理の圧縮率を制御するパラメータであるQファクタは、20程度である。
【0082】
テーブルL2及びテーブルC2は、背景レイヤの解像度が、前景レイヤと同等の場合の量子化テーブルである。テーブルL2は、輝度成分の量子化テーブルであり、テーブルC2は、色差成分の量子化テーブルである。テーブルL2及びテーブルC2では、背景レイヤの解像度が300dpiであり、Qファクタは、30程度である。
【0083】
テーブルL3及びテーブルC3は、背景レイヤの解像度が、前景レイヤよりも高い場合の量子化テーブルである。テーブルL3は、輝度成分の量子化テーブルであり、テーブルC3は色差成分の量子化テーブルである。テーブルL3及びテーブルC3では、背景レイヤの解像度が400dpiであり、Qファクタは、50程度である。
【0084】
ユーザにより設定される背景レイヤの解像度が前景レイヤより低い場合には、テーブルL1及びテーブルC1の量子化テーブルを用いることにより、圧縮データのファイルサイズを小さくすることができる。これは、背景レイヤの解像度を低めに設定する場合には、画質よりもファイルサイズを重視しているとみなせるからである。
【0085】
また、ユーザにより設定される背景レイヤの解像度が前景レイヤより高い場合には、テーブルL3及びテーブルC3の量子化テーブルを用いることにより、前景レイヤに抽出されなかった文字領域の精細さが失われることを低減することができる。
【0086】
なお、ユーザにより設定される背景レイヤの解像度が前景レイヤの解像度より高い場合には、背景レイヤの圧縮を省略してもよい。例えば、ユーザが600dpiを設定する場合には、背景レイヤの圧縮を省略する。
【0087】
図15は、本実施の形態に係る画像圧縮装置(その3)の機能構成を示すブロック図である。図15の画像圧縮装置30bは、2値データ生成部31、可逆圧縮部32、濃度補正処理部36、補正処理部33、濃度補正処理部37、及び、非可逆圧縮部34を有する。図15の画像圧縮装置30bにおいて、図7の画像圧縮装置30及び図12の画像圧縮装置30aと同一の機能及び構成を有する各部については、説明を省略する。
【0088】
濃度補正処理部36及び濃度補正処理部37は、夫々、補正処理部33によるフィルタ処理の前と、非可逆圧縮部34による圧縮前とに、濃度補正処理を行う。濃度補正処理は、平滑化フィルタ処理による画像のコントラストの低下、及び、圧縮処理による伸張後の画像のコントラストの低下を低減するために行う。
【0089】
濃度補正処理部36と濃度補正処理部37とで、異なるルックアップテーブルを用いることにより、より細かい濃度調整を行うことができる。また、濃度補正処理部36と濃度補正処理部37とで、同一のルックアップテーブルを用いる場合には、ルックアップテーブルのためのメモリ容量を小さくすることができる。
【0090】
図16は、濃度補正のルックアップテーブルの例を示す図である。図16のルックアップテーブルは、横軸に入力する濃度値、縦軸に出力する濃度値を示す。図16A及び図16Bは、濃度値が小さい側(図の左側)、すなわち高濃度側の出力が、低い値(高濃度)になる。
【0091】
図16Aは、高濃度側の0から100において、入力値の0から30までに対する出力値が0、入力値の30から64までに対する出力値が、入力値から30を減じた値、入力値の65以上に対する出力値は、入力値が100の場合に出力値が100となる線形で結んだテーブルである。低濃度側の100以上は、傾きが1の正比例である。
【0092】
図16Bは、高濃度側の0から128において、入力値の0から20までに対する出力値が0、入力値の21以降は、入力値が128の場合に出力値が128となる線形で結んだテーブルである。低濃度側の128以上は、傾きが1の正比例である。
【0093】
低解像度化の前には、より細かく濃度調整を行うことができる、図16Aのルックアップテーブルを用い、低解像度化の後には、図16Bのルックアップテーブルを用いるとよい。
【0094】
図17は、高濃度側の傾きを異ならせた2つのルックアップテーブルの例である。図17Aは、高濃度側の傾きが、図17Bよりも緩やかである。圧縮率を低くする場合は、滲み、ぼやけ等の劣化が生じにくく、コントラストの低下も少ない。そこで、図17Aのルックアップテーブルを用いるとよい。一方、圧縮率を高くする場合は、滲み、ぼやけ等の劣化が生じやすく、コントラストの低下も大きい。そこで、図17Bのルックアップテーブルを用いるとよい。
【0095】
図18は、本実施の形態に係る画像圧縮装置(その4)の機能構成を示すブロック図である。図18の画像圧縮装置30cは、2値データ生成部31、可逆圧縮部32、濃度補正処理部36c、補正処理部33、低解像度化部35、濃度補正処理部37c、及び、非可逆圧縮部34aを有する。図18の画像圧縮装置30cにおいて、図7の画像圧縮装置30、図12の画像圧縮装置30a、及び、図15の画像圧縮装置30bと同一の機能及び構成を有する各部については、説明を省略する。
【0096】
濃度補正処理部36c及び濃度補正処理部37cには、解像度信号が与えられる。解像度信号は、解像度に係る情報を含む。解像度に係る情報は、解像度の値でもよく、低解像度化部35による変換前の解像度と変換後の解像度との比でもよい。
【0097】
濃度補正処理部36c及び濃度補正処理部37cは、解像度に対応する濃度補正処理を行う。
【0098】
図19は、画像圧縮装置30cにより処理される画像データの例を示す図である。図19の画像データP41は、濃度補正処理部36cが処理した画像データである。画像データP41は、図16Aに示したルックアップテーブルを用いて、濃度補正処理された画像データである。
【0099】
画像データP42は、補正処理部33が、画像データP41を処理して得られる画像データである。より詳細には、画像データP41のうち、前景レイヤに含まれない画素に平滑化処理を施し、前景レイヤに含まれる領域の画素に濃度勾配を弱めるフィルタ処理を施した例である。画像データP43は、低解像度化部35が、画像データP42を低解像度化した画像の例である。
【0100】
画像データP44は、濃度補正処理部37cが、画像データP43を処理して得られる画像データである。画像データP44は、図16Bに示すルックアップテーブルを用いて、濃度補正処理された画像データである。
【0101】
画像データP44と図13の画像データとを比べると、画像データP44が、黒文字領域の画素値が濃い。これにより、非可逆圧縮を施した場合でも、主観が図11の画像データP32に近い画像を得られる。
【0102】
図20は、本実施の形態に係る画像圧縮装置を有する画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。図20の画像形成装置1は、スキャナで読み取られた画像データが入力され、媒体上に形成するための画像処理、又は、メールで送信するための画像処理を施された後に、出力される。
【0103】
画像形成装置1は、例えば、カラーコピー機能及びカラースキャナ機能を有するデジタル複合機である。画像形成装置1は、原稿からカラー画像を光学的に読み取るカラー画像入力装置11を備えている。
【0104】
カラー画像入力装置11には、読み取ったカラー画像の画像データ、及び、圧縮ファイルを生成するカラー画像処理装置2が接続されている。
【0105】
カラー画像処理装置2には、カラー画像処理装置2が生成した画像データに基づいてカラー画像を出力するカラー画像出力装置13、及び、カラー画像処理装置2が生成した圧縮ファイルを外部へ送信する送信装置14が接続されている。
【0106】
カラー画像入力装置11、カラー画像処理装置2、カラー画像出力装置13、及び、送信装置14には、操作パネル12が接続されている。
【0107】
操作パネル12は、ユーザが画像形成装置1に実行させる機能を設定するための設定ボタン及びテンキーを有する操作部と、液晶ディスプレイを有して構成される表示部とを備える。
【0108】
画像形成装置1で実行される各種処理は、図示しないCPU(Central Processing Unit)が制御する。画像形成装置1のCPUは、図示しないネットワークカード及びLANケーブルを介して、ネットワークに接続されたコンピュータ及び他のデジタル複合機等と通信を行う。
【0109】
以下、画像形成装置1の各部について詳述する。
【0110】
カラー画像入力装置11は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)を有するカラー・スキャナを有してなり、原稿からの反射光による像をCCDにより読み取って、カラー画像処理装置2へ出力する。
【0111】
カラー画像処理装置2は、カラー画像入力装置11から入力されたRGBのアナログ信号に対して、A/D変換部20、シェーディング補正部21、原稿種別判別部22、入力階調補正部23、及び、領域分離処理部24にて後述する画像処理を実行することによって、RGBのデジタル信号(以下、「RGB信号」という。)を有する画像データを生成する。RGB信号の強度をRGB値(r,g,b)と表す。
【0112】
また、カラー画像処理装置2は、領域分離処理部24が出力したRGB信号に対して色補正部25、黒色生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、出力階調補正部28、及び、階調再現処理部29にて後述する画像処理を実行することによって、CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル信号を含む画像データを生成して、ストリームとしてカラー画像出力装置13へ出力する。なお、画像データは、カラー画像出力装置13へ出力される前に、記憶部40に一旦記憶されていてもよい。記憶部40は、不揮発性の記憶装置(例えば、ハードディスク装置)である。
【0113】
カラー画像出力装置13は、カラー画像処理装置2から入力された画像データに基づいて、熱転写、電子写真、又は、インクジェット等の方式により、記録シート(例えば、記録用紙等)上に、カラー画像を形成して出力する。
【0114】
なお、画像形成装置1は、カラー画像出力装置13の代わりに、記録シート上にモノクローム画像を形成して出力する図示しないモノクロ画像出力装置を備えていてもよい。モノクローム画像を形成する場合は、カラー画像処理装置2にて、カラー画像の画像データがモノクローム画像の画像データに変換されてからモノクロ画像出力装置へ出力される。
【0115】
更にまた、カラー画像処理装置2は、領域分離処理部24が出力したRGB信号に対して、圧縮処理部3にて本実施の形態の画像圧縮処理を実行することにより、圧縮されたカラー画像の画像データを有する圧縮ファイルを生成し、送信装置14へ出力する。圧縮処理部3は、前述した画像圧縮装置30、画像圧縮装置30a、画像圧縮装置30b、画像圧縮装置30cの何れか一つとして機能する。なお、送信装置14へ出力される前に、圧縮ファイルが記憶部40に一旦記憶されてもよい。
【0116】
送信装置14は、図示しない公衆回線網、LAN(Local Area Network)、又は、インターネット等の通信ネットワークに接続されており、ファクシミリ又は電子メール等の通信方法により、通信ネットワークを介して外部へ圧縮ファイルを送信する。例えば、操作パネル12からscan to e−mail機能を実行することが入力されている場合、圧縮ファイルは、ネットワークカード、モデム等を有してなる送信装置14によりe−mailに添付され、設定された送信先へ送信される。
【0117】
なお、ファクシミリの送信機能を実現する場合は、画像形成装置1のCPUが、モデムを有してなる送信装置14にて、相手先との通信手続きを行い、送信可能な状態が確保されたときに、圧縮ファイルに対して圧縮形式の変更等の必要な処理を施してから、相手先に通信回線を介して順次送信する。
【0118】
また、ファクシミリの受信機能を実現する場合は、画像形成装置1のCPUは、送信装置14にて通信手続きを行いながら、相手先から送信される圧縮ファイルを受信して、カラー画像処理装置2に入力する。カラー画像処理装置2は、受信した圧縮ファイルに対し、図示しない伸張処理部で伸張処理を施す。
【0119】
圧縮ファイルを伸張することにより得られたカラー画像の画像データは、出力階調補正部28で出力階調補正が施され、階調再現処理部29で階調再現処理が施される。各種画像処理が施されたカラー画像の画像データは、カラー画像出力装置13へ出力され、カラー画像出力装置13にて、記録シート上にカラー画像が形成される。
【0120】
なお、伸張して得られた画像データは、出力階調補正部28により処理される前に、図示しない処理部で回転処理及び/又は解像度変換処理等の画像処理が施されてもよい。
【0121】
以下に、カラー画像処理装置2における画像処理を詳述する。
【0122】
A/D変換部20は、カラー画像入力装置11からカラー画像処理装置2へ入力されたRGBのアナログ信号を受け付け、RGBのアナログ信号をデジタルのRGB信号に変換し、変換したRGB信号をシェーディング補正部21へ与える。
【0123】
シェーディング補正部21は、A/D変換部20から入力されたRGB信号に対して、カラー画像入力装置11の照明系、結像系、及び、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を行う。次いで、シェーディング補正部21は、歪みを取り除いたRGB信号を原稿種別判別部22へ与える。
【0124】
原稿種別判別部22は、シェーディング補正部21から入力されたRGBの反射率信号をRGB各色の濃度を示す濃度(画素値)信号に変換し、原稿種別判別処理を実行する。原稿種別判別処理は、文字、印刷写真、又は、写真(連続階調領域)等の原稿の種別を判別する。原稿種別判別部22が原稿種別判別処理を実行することに代えて、ユーザが操作パネル12から原稿の種別を入力してもよい。原稿種別判別部22は、シェーディング補正部21から入力されたRGB信号を、そのまま、後段の入力階調補正部23に与える。原稿の種別は、後段の画像処理で用いられる。
【0125】
入力階調補正部23は、RGB信号に対して、カラーバランスの調整、下地濃度の除去、及び、コントラストの調整等の画質調整処理を行う。入力階調補正部23は、処理したRGB信号を領域分離処理部24へ与える。
【0126】
領域分離処理部24は、入力階調補正部23から入力されたRGB信号が表す画像を画素単位で文字領域、網点領域、及び、写真領域に分離する。領域の分離は、例えば、画像データ中の各画素が、何れの領域に属するか判別することにより実現する。
【0127】
領域分離処理部24は、さらに、画素毎に対応づけられる何れの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒色生成下色除去部26、空間フィルタ処理部27、階調再現処理部29、及び、圧縮処理部3へ与える。領域分離処理部24は、入力階調補正部23から入力されたRGB信号を、後段の色補正部25及び圧縮処理部3へ与える。
【0128】
色補正部25は、領域分離処理部24から入力されたRGB信号を、CMYのデジタル信号(以下、「CMY信号」という。)へ変換し、CMY信号から色濁りを取り除く処理を行う。色濁りは、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づくものであり、この処理は、色再現の忠実化実現のために行う。色補正部25は、色補正後のCMY信号を黒色生成下色除去部26へ与える。
【0129】
黒色生成下色除去部26は、色補正部25から入力されたCMY信号に基づき、CMY信号から黒色(K)信号を生成する黒色生成処理と、CMYK信号から黒色生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行う。これにより、CMY3色のデジタル信号は、CMYK4色のデジタル信号(以下、「CMYK信号」という。)に変換される。次いで、黒色生成下色除去部26は、CMY信号を変換したCMYK信号を空間フィルタ処理部27へ与える。
【0130】
黒色生成処理は、例えば、スケルトン・ブラックによる黒色生成を行う方法を用いる。この方法では、スケルトン・カーブの入出力特性をy=f(x),入力されるデータを、C,M,Y、出力されるデータをC',M',Y',K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒色生成下色除去処理は、下記の式(1)〜式(4)で表わされる。
【0131】
K'=f(min(C,M,Y)) …(1)
C'=C−αK' …(2)
M'=M−αK' …(3)
Y'=Y−αK' …(4)
【0132】
ここで、UCR率α(0<α<1)とは、CMYが重なっている部分をKに置き換えて、CMYをどの程度削減するかを示すものである。式(1)は、CMYの各信号強度の内の最も小さい信号強度に応じてK信号が生成されることを示している。
【0133】
空間フィルタ処理部27は、黒色生成下色除去部26から入力されたCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部24から入力された領域識別信号に基づいて、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正する。これにより、画像のぼやけ又は粒状劣化を改善する。例えば、領域分離処理部24にて文字に分離された領域に対しては、空間フィルタ処理部27は、文字の再現性を高めるために、高周波成分の強調量が大きいフィルタを用いて空間フィルタ処理を行う。また、領域分離処理部24にて網点に分離された領域に対しては、空間フィルタ処理部27は、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を行う。
【0134】
空間フィルタ処理部27は、処理後のCMYK信号を出力階調補正部28へ与える。
【0135】
出力階調補正部28は、空間フィルタ処理部27から入力されたCMYK信号に対して、カラー画像出力装置13の特性に基づく出力階調補正処理を行い、出力階調補正処理後のCMYK信号を階調再現処理部29へ与える。
【0136】
階調再現処理部29は、出力階調補正部28から入力されたCMYK信号に対して、領域分離処理部24から入力された領域識別信号に基づいて、領域の種別に応じた中間調処理を行う。例えば、文字領域に対しては、階調再現処理部29は、高周波成分の再現に適した、高解像度のスクリーンによる二値化又は多値化の処理を行う。また、網点領域に対しては、階調再現処理部29は、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化の処理を行う。階調再現処理部29は、処理後の画像データをカラー画像出力装置13へ出力する。
【0137】
図21は、本実施の形態に係る画像読取装置の機能構成の例を示すブロック図である。図21の画像読取装置1aは、カラー画像処理装置2aに、カラー画像入力装置11及び操作パネル12aが接続されている。
【0138】
カラー画像入力装置11は、図20に示すカラー画像入力装置11と同一の構成及び機能を有するので、ここでは説明を省略する。
【0139】
操作パネル12aは、ユーザが画像読取装置1aに実行させる機能を設定するための設定ボタン及びテンキーを有する操作部と、液晶ディスプレイを有して構成される表示部とを備える。操作パネル12aより入力される指示は、カラー画像入力装置11及びカラー画像処理装置2aに与えられる。
【0140】
カラー画像処理装置2aは、A/D変換部20、シェーディング補正部21、原稿種別判別部22、入力階調補正部23、領域分離処理部24a、及び、圧縮処理部3aを有する。これらの各部のうち、図20に示す各部と同一の構成及び機能を有する各部には、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0141】
領域分離処理部24aは、図20に示す領域分離処理部24と同一の処理を行い、画像を領域に分割する。領域分離処理部24aは、領域識別信号を圧縮処理部3aに与える。
【0142】
圧縮処理部3aは、画像圧縮装置30、画像圧縮装置30a、画像圧縮装置30b、及び、画像圧縮装置30cの何れか一つとして機能する。圧縮処理部3aは、圧縮された画像データを出力する。
【0143】
(操作パネルを含む機能構成)
図22は、操作パネル12が有する機能構成を示すブロック図である。図22には、操作パネル12、領域分離処理部24、圧縮率設定部39、及び、画像圧縮装置30cを示す。なお、図22では、画像圧縮装置30cを例示するが、画像圧縮装置30、画像圧縮装置30a、及び、画像圧縮装置30bが接続される場合の機能は、図22より容易に理解できるので、ここでは説明を省略する。なお、図22では、操作パネル12の機能構成を示すが、操作パネル12aの機能構成は、操作パネル12と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0144】
また、図22では、領域分離処理部24が設けられているが、2値データ生成部31が、前景レイヤの分離を行う場合には、領域分離処理部24は、設けられなくてもよい。
【0145】
図22では、操作パネル12から入力される指示が、画像圧縮装置30cに与えられる。
【0146】
図22の操作パネル12は、形式受付部121、高圧縮受付部122、文字エッジ抽出受付部123、精細受付部124、及び、解像度受付部125を有する。形式受付部121は、圧縮して生成する圧縮ファイルのファイル形式の入力を受け付ける。ファイル形式は、例えば、PDF、TIFF、XPS、又は、JPEGである。
【0147】
形式受付部121が受け付けたファイル形式は、可逆圧縮部32及び非可逆圧縮部34aに与えられる。
【0148】
高圧縮受付部122は、高圧縮を行うか否かを受け付ける。なお、高圧縮受付部122は、形式受付部121において、レイヤ分離が可能なファイル形式が受け付けられた場合にのみ、高圧縮を行うか否かを受け付けるように構成されるとよい。高圧縮受付部122が受け付けた指示は、文字エッジ抽出受付部123に与えられる。
【0149】
文字エッジ抽出受付部123は、画像データを圧縮する際に、文字エッジの抽出を行うか否かを受け付ける。「文字エッジの抽出を行うか否か」とは、例えば、ユーザの意図において「圧縮後の画像データにおいて、文字の判読精度を重視するか否か」である。文字エッジ抽出受付部123は、高圧縮受付部122が、高圧縮を受け付けた場合に、文字エッジの抽出を行うか否かを受け付けるとよい。
【0150】
文字エッジ抽出受付部123が受け付けた指示は、精細受付部124、及び、2値データ生成部31に与えられる。
【0151】
精細受付部124は、背景レイヤに含まれる画像の精細さに対する指示を受け付ける。より詳細には、背景レイヤに含まれる画像を高精細にする場合には、「高精細」の指示を受け付ける。精細受付部124は、また、「高精細」と「低精細」とのうちの何れか一方を選択する指示を受け付けてもよい。精細受付部124は、文字エッジ抽出受付部123が、文字エッジの抽出を行うことを受け付けた場合に、「高精細」に係る指示を受け付けてもよい。
【0152】
なお、「高精細」の指示が受け付けられた場合は、非可逆圧縮された後の画像データの精細さが、「高精細」の指示が受け付けられていない場合に比して、高精細となるように、解像度、又は、圧縮率等が設定される。より詳細には、後述する解像度受付部125が受け付けた解像度に関わらず、低解像度化部35が解像度を低下させない。
【0153】
精細受付部124が受け付けた「高精細」に係る指示は、圧縮率設定部39、及び、低解像度化部35に与えられる。
【0154】
解像度受付部125は、出力解像度を受け付ける。出力解像度は、例えば、圧縮及び伸張され出力される画像データの背景レイヤの解像度である。解像度受付部125は、複数の解像度の中から一つの解像度が選択される構成でもよく、任意の解像度が入力される構成でもよい。
【0155】
解像度受付部125が受け付けた解像度は、圧縮率設定部39、及び、低解像度化部35に与えられる。
【0156】
圧縮率設定部39は、量子化テーブルの選択を行う。量子化テーブルの選択は、解像度受付部125が受け付けた解像度に基づいて行う。図23は、解像度に対応するQファクタを示す図である。また、解像度毎に対応する量子化テーブルの例は、図14で示しているので、ここでは説明を省略する。圧縮率設定部39は、画像圧縮装置30cの外に設けられているが、非可逆圧縮部34aとともに、一つの機能ブロックとして構成されてもよい。
【0157】
(操作画面の例)
図24から図26は、画像形成装置1が有する操作パネル12に表示される画面の例を示す図である。なお、画像読取装置1aが有する操作パネル12aに表示される画面も同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0158】
図24の画面では、圧縮された画像データのファイル形式として、PDF、TIFF、XPS、及び、JPEGの何れかを選択することができる。図24の画面では、ファイル形式として、PDFが選択されている。図24の画面では、さらに、圧縮率として「高圧縮」が選択されている。
【0159】
図24の画面により、形式受付部121がファイル形式としてPDFを受け付け、高圧縮受付部122が、「高圧縮」を受け付ける。
【0160】
図25の画面では、図24の画面に加えて、さらに、「高圧縮」を選択することにより有効となるチェックボックスの「手動」が選択され、これにより有効となるチェックボックスの「黒文字重視」が選択されている。
【0161】
図25の画面により、文字エッジ抽出受付部123が、黒文字エッジの抽出を行うことを受け付ける。
【0162】
なお、図25の画面において、さらに、「高精細」のチェックボックスが選択される場合には、精細受付部124が「高精細」を受け付ける。また、「2色文字」のチェックボックスが選択される場合には、文字エッジ抽出受付部123は、黒文字エッジの抽出と、色文字エッジの抽出とを行うことを受け付ける。「2色文字」のチェックボックスが選択される場合には、文字色を選択するポップアップ画面が表示される。これにより、色文字の色を指定することができる。
【0163】
図26の画面は、解像度を受け付ける画面の例である。図26の画面では、縦横100dpiから、縦横600dpiまで、6つの解像度の中から1つの解像度を選択することができる。図26の画面により、解像度受付部125が、解像度を受け付ける。
【0164】
図27は、本実施の形態に係る画像圧縮方法の処理の手順を示すフローチャートである。図27の処理は、図24に示す画面に、所定の入力がなされた後に実行される。先ず、形式受付部121が、圧縮後の画像データのファイル形式を受け付ける(ステップS11)。ファイル形式が、PDF又はXPSの場合(ステップS11:PDF、XPS)の場合には、高圧縮受付部122が、圧縮率の選択を受け付ける(ステップS12)。
【0165】
高圧縮受付部122が受け付けた圧縮率が、「高圧縮」の場合(ステップS13:YES)には、文字エッジ抽出受付部123が、黒文字重視のチェックボックスが選択されているか否かを判定する(ステップS14)。黒文字重視の場合(ステップS14:YES)には、精細受付部124が、「高精細」が選択されているか否かを判定する(ステップS15)。「高精細」が選択されている場合(ステップS15:YES)には、文字エッジ抽出受付部123が、さらに、2色文字のチェックボックスが選択されているか否かを判定する(ステップS16)。
【0166】
2色文字のチェックボックスが選択されている場合(ステップS16:YES)には、画像圧縮装置30cが、2色文字・高精細処理を行う(ステップS19)。一方、2色文字のチェックボックスが選択されていない場合(ステップS16:NO)には、画像圧縮装置30cが、黒文字重視・高精細処理を行う(ステップS18)。
【0167】
また、「高精細」が選択されていない場合(ステップS15:NO)には、文字エッジ抽出受付部123が、さらに、2色文字のチェックボックスが選択されているか否かを判定する(ステップS17)。
【0168】
2色文字のチェックボックスが選択されている場合(ステップS17:YES)には、画像圧縮装置30cが、2色文字処理を行う(ステップS21)。一方、2色文字のチェックボックスが選択されていない場合(ステップS17:NO)には、画像圧縮装置30cが、黒文字重視処理を行う(ステップS20)。
【0169】
また、黒文字重視のチェックボックスが選択されていない場合(ステップS14:NO)には、画像圧縮装置30cが、通常の高圧縮処理を行う(ステップS22)。
【0170】
また、形式受付部121が受け付けたファイル形式がJPEGの場合(ステップS11:JPEG)、又は、高圧縮受付部122が受け付けた圧縮率が「高圧縮」ではない場合(ステップS13:NO)には、図示しない入力部が、ユーザが入力する圧縮率を受け付け、画像圧縮装置30cのうち、非可逆圧縮部34aに係る各部により、圧縮率を選択し(ステップS23)、圧縮処理を行う(ステップS24)。
【0171】
図28は、ステップS18における黒文字重視・高精細処理の手順の詳細を示すフローチャートである。図28の処理は、画像圧縮装置30又は30bにより実行される。ここでは、画像圧縮装置30により実行される例について説明する。先ず、2値データ生成部31が、黒文字エッジの検出を行う(ステップS181)。
【0172】
続いて、2値データ生成部31が、画像データにおける黒濃度の平均値を計算する(ステップS182)。2値データ生成部31が、計算された平均値に基づいて2値化の閾値を決定し、2値化を行う(ステップS183)。可逆圧縮部32が、2値化された画像データを可逆圧縮する(ステップS184)。
【0173】
一方、ステップS182からステップS184の処理と並列に、補正処理部33が、解像度変換を伴わない背景レイヤの生成を行う(ステップS185)。この処理は、例えば、平滑化フィルタを施すことにより、非可逆圧縮の際に生じるノイズを低減する。生成された背景レイヤは、非可逆圧縮部34が非可逆圧縮する(ステップS186)。
【0174】
画像圧縮装置30が、ステップS182からステップS184の処理により可逆圧縮された前景レイヤと、ステップS185からステップS186の処理により非可逆圧縮された背景レイヤとを、一つのファイルにまとめ、圧縮ファイルを生成する(ステップS187)。
【0175】
図29は、ステップS19における2色文字・高精細処理の手順の詳細を示すフローチャートである。図29の処理は、画像圧縮装置30又は画像圧縮装置30bにより実行される。ここでは、画像圧縮装置30により実行される例について説明する。先ず、2値データ生成部31が、黒文字エッジと色文字エッジとの検出を行う(ステップS191)。
【0176】
続いて、2値データ生成部31が、画像データにおける黒濃度の平均値と色文字の色の濃度の平均値とを、それぞれ計算する(ステップS192)。2値データ生成部31が、計算された平均値に基づいて2値化の閾値を決定する。ここでは、黒文字エッジと色文字エッジとのそれぞれに対して、2値化を行い、得られた結果を合成する(ステップS193)。可逆圧縮部32が、2値化された画像データを可逆圧縮する(ステップS194)。
【0177】
一方、ステップS192からステップS194の処理と並列に、ステップS195とステップS196の処理を行う。この処理は、ステップS185及びステップS186の処理と、それぞれ同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0178】
画像圧縮装置30が、ステップS192からステップS194の処理により可逆圧縮された前景レイヤと、ステップS195からステップS196の処理により非可逆圧縮された背景レイヤとを、一つのファイルにまとめ、圧縮ファイルを生成する(ステップS197)。
【0179】
図30は、ステップS20における黒文字重視処理の手順の詳細を示すフローチャートである。図30の処理は、画像圧縮装置30a又は画像圧縮装置30cにより実行される。ここでは、画像圧縮装置30aにより実行される例について、説明する。先ず、2値データ生成部31が、黒文字エッジの検出を行う(ステップS201)。
【0180】
続いて、2値データ生成部31が、画像データにおける黒濃度の平均値を計算する(ステップS202)。2値データ生成部31が、計算された平均値に基づいて2値化の閾値を決定し、2値化を行う(ステップS203)。可逆圧縮部32が、2値化された画像データを可逆圧縮する(ステップS204)。
【0181】
一方、ステップS202からステップS204の処理と並列に、補正処理部33が、平滑化フィルタを施し、低解像度化部35が、解像度を変換して背景レイヤの生成を行う(ステップS205)。平滑化フィルタ処理は、非可逆圧縮の際に生じるノイズを低減する。生成された背景レイヤは、非可逆圧縮部34が非可逆圧縮する(ステップS206)。
【0182】
画像圧縮装置30aが、ステップS202からステップS204の処理により可逆圧縮された前景レイヤと、ステップS205からステップS206の処理により非可逆圧縮された背景レイヤとを、一つのファイルにまとめ、圧縮ファイルを生成する(ステップS207)。
【0183】
図31は、ステップS21における2色文字処理の手順の詳細を示すフローチャートである。図31の処理は、画像圧縮装置30a又は画像圧縮装置30cにより実行される。ここでは、画像圧縮装置30aにより実行される例について説明する。先ず、2値データ生成部31が、黒文字エッジと色文字エッジとの検出を行う(ステップS211)。
【0184】
続いて、2値データ生成部31と可逆圧縮部32とが、ステップS212からステップS214の処理を実行する。この処理は、図29のステップS192からステップS194の処理と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0185】
一方、ステップS212からステップS214の処理と並列に、ステップS215とステップS216の処理を行う。この処理は、ステップS205及びステップS206の処理と、それぞれ同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0186】
画像圧縮装置30aが、ステップS212からステップS214の処理により可逆圧縮された前景レイヤと、ステップS215からステップS216の処理により非可逆圧縮された背景レイヤとを、一つのファイルにまとめ、圧縮ファイルを生成する(ステップS217)。
【0187】
図32は、ステップS22における通常高圧縮処理の手順の詳細を示すフローチャートである。図32の処理は、画像圧縮装置30a又は画像圧縮装置30cにより実行される。より詳細には、補正処理部33、低解像度化部35、及び、非可逆圧縮部34aにより実行される。
【0188】
先ず、補正処理部33が、フィルタ処理を行う(ステップS221)。このフィルタ処理は、画像の平滑化処理である。低解像度化部35が、解像度変換を行う(ステップS222)。非可逆圧縮部34aが、解像度変換された画像データを非可逆圧縮する(ステップS223)。非可逆圧縮された画像データに、伸張時に用いる情報を付加して、圧縮ファイルが生成される(ステップS224)。
【0189】
(操作パネルからの入力に依らない圧縮処理の選択)
操作パネルからの入力に依らずに、ステップS18からステップS24の処理の何れを実行するかを決定する場合には、画像データ中の黒文字又は色文字の画素数を計数する。以下、その詳細を説明する。
【0190】
2値データ生成部31は、領域分離処理部24が生成した領域識別信号が有する文字領域に含まれる画素の情報に基づいて、黒文字の画素、又は、色文字の画素の数を計数する。領域識別信号を用いない場合は、2値データ生成部31が前景レイヤを生成する処理の際に生成される文字領域に含まれる画素の情報に基づいて、黒文字の画素、又は、色文字の画素の数を計数するとよい。計数された黒文字の画素の数が所定の数よりも大きく、色文字の画素数が所定の数以下の場合には、黒文字重視の処理、すなわち、ステップS18又はステップS20の処理を実行する。
【0191】
また、計数された黒文字の数と色文字の数とが所定の数よりも大きい場合には、2色文字の処理、すなわち、ステップS19又はステップS21の処理を実行する。
【0192】
なお、色文字の計数には、簡易な方法を用いるとよい。例えば、色を6色に分類し、いくつの色が存在するかを計数する。計数した色の数が少なければ、2色文字モードと判定する。6色の分類は、各画素のRGB値から、赤色=Rだけが大きい値、緑色=Gだけが大きい値、青色=Bだけが大きい値、水色=GとBとが大きい値、赤紫色=RとBとが大きい値、及び、黄色=RとGとが大きい値、の何れかの色と判定して行う。
【0193】
より詳細には、画素毎に、R,G,B値の最大値、及び、最小値を判定し、残りの1色が、最大値と最小値との何れに近いかを求める.例えば、R=30、G=100、B=120の場合には、最大値がB=120、最小値がR=30、残りのGは、Bに近い。そこで、GとBとがRよりも大きいので、水色と判定する。
【0194】
以上の方法により、黒文字用画素の閾値をTH3=100、色文字用画素の閾値をTH4=500、色の数の閾値をTH5=2の場合の判定例について説明する。例えば、黒文字画素の計数値が5000、色文字画素の計数値が1000、色の数が2の場合は、黒文字画素の計数値はTH3以上であり、色文字画素の計数値はTH4以上であり、色の数はTH5以下であるので、2色文字の処理(ステップS19又はステップS21)となる。
【0195】
また例えば、黒文字画素の計数値が5000、色文字画素の計数値が2000、色の数が5の場合は、黒文字画素の計数値はTH3以上、色文字画素の数はTH4以上であるが、色の数がTH5以上であるため、黒文字重視の処理(ステップS18又はステップS20)となる。
【0196】
また例えば、黒文字画素の計数値が5000、色文字画素の計数値が100、色の数が5の場合は、黒文字画素の計数値はTH3以上、色文字画素の計数値はTH4未満、色の数がTH5以上であるため、黒文字重視の処理(ステップS18又はステップS20)となる。
【0197】
図33は、本実施の形態に係る画像形成装置900のハードウェア構成の例を説明する図である。図33の画像形成装置900は、画像処理部910、スキャナ920、ハードディスク装置(以下、「HDD」という。)930、ドライブ装置940、及び、プリンタ980を有する。画像処理部910は、画像処理部910に接続される各部の制御を行い、さらに、画像形成装置900が出力する画像データを処理する。
【0198】
画像処理部910は、CPU901、ROM902、RAM903、画像処理ASIC904、スキャナインタフェース(以下、「スキャナI/F」という。)912、HDDインタフェース(以下、「HDD−I/F」という。)913、ドライブインタフェース(以下、「ドライブI/F」という。)914、プリンタインタフェース(以下、「プリンタI/F」という。)918、及び、通信インタフェース(以下、「通信I/F」という。)919を有する。
【0199】
CPU901は、コンピュータプログラムを実行することにより、画像処理部910の各部、及び、画像処理部910に接続される各部の制御を行う。ROM902は、例えば、CPU901が実行するコンピュータプログラムを格納する。
【0200】
CPU901は、また、原稿自動判定処理、描画コマンド生成処理、及び、非表示コンテンツが付加されたイメージの生成処理を行う機能を実現してもよい。
【0201】
RAM903は、画像処理ASIC904、及び、CPU901がコンピュータプログラムを実行することにより実現される機能により処理される画像データを格納する。なお、この画像データは、ROM902に格納されてもよい。
【0202】
画像処理ASIC904は、画像データに対する各種処理を行う。画像処理ASIC904は、例えば、領域分離処理、下地除去処理、色補正処理、黒生成/下色除去処理、空間フィルタ処理、出力階調補正処理、及び、中間調生成処理の何れか一以上の処理を行う。
【0203】
スキャナI/F912は、スキャナ920から入力される画像データを受け取り、スキャナ920の特性に応じた画像処理を行う。HDD−I/F913は、CPU901の制御に基づいて、HDD930に格納される画像データの入出力を行う。ドライブI/F914は、ドライブ装置940に挿入される可搬性記録媒体941に対するデータの入出力を行う。
【0204】
プリンタI/F918は、画像処理部910が処理した画像データを、プリンタ980に出力する際のインタフェースである。通信I/F919は、画像処理部910からネットワーク990を介して他の装置と画像データ又は制御信号を通信する際のインタフェースである。
【0205】
スキャナ920は、媒体上に画像が形成されている原稿を光学的に読み取って画像データを出力する。スキャナ920が出力する画像データは、アナログ信号でもよく、アナログ信号が変換されたデジタル信号でもよい。
【0206】
HDD930は、画像処理部910が処理する画像データを格納する。HDD930は、例えば、スキャナ920から入力される画像データ、通信I/F919から入力される画像データ、並びに、CPU901、及び、画像処理ASIC904の処理により生成される中間画像データを格納する。ドライブ装置940は、可搬性記録媒体941が挿入されることにより、可搬性記録媒体941に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。可搬性記録媒体941には、例えば、CPU901が実行するコンピュータプログラムが格納される。
【0207】
プリンタ980は、画像処理部910により処理された画像データを、媒体上に形成して出力する。
【0208】
以上、発明を実施するための形態について説明を行ったが、本発明は、この発明を実施するための形態で述べた実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0209】
1 画像形成装置
11 カラー画像入力装置
12、12a 操作パネル
121 形式受付部
122 高圧縮受付部
123 文字エッジ抽出受付部
124 精細受付部(解像度変換受付部)
125 解像度受付部
13 カラー画像出力装置
14 送信装置
1a 画像読取装置
2、2a カラー画像処理装置
21 シェーディング補正部
22 原稿種別判別部
23 入力階調補正部
24、24a 領域分離処理部(文字エッジ抽出部)
25 色補正部
26 黒色生成下色除去部
27 空間フィルタ処理部
28 出力階調補正部
29 階調再現処理部
3、3a 圧縮処理部
30、30a、30b、30c 画像圧縮装置
31 2値データ生成部(文字エッジ抽出部)
32 可逆圧縮部
33 補正処理部(濃度勾配軽減処理部、平滑補正処理部)
34、34a 非可逆圧縮部
35 低解像度化部(解像度変換部)
36、36c 濃度補正処理部
37、37c 濃度補正処理部
39 圧縮率設定部
40 記憶部
900 画像形成装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 画像処理ASIC
910 画像処理部
920 スキャナ
930 HDD
940 ドライブ装置
941 可搬性記録媒体
980 プリンタ
990 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮装置において、
入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出部と、
該文字エッジ抽出部が抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮部と、
前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付部と、
前記背景画像データの解像度を該解像度受付部が受け付けた解像度に変換する解像度変換部と、
前記解像度受付部が受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定部と、
前記背景画像データを、前記圧縮率設定部が設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮部と
を有することを特徴とする画像圧縮装置。
【請求項2】
文字エッジを抽出するか否かの指定を受け付ける文字エッジ抽出受付部を有し、
前記文字エッジ抽出部は、前記文字エッジ抽出受付部が抽出する指定を受け付けた場合に、文字エッジを抽出するように構成してあること
を特徴とする請求項1に記載の画像圧縮装置。
【請求項3】
圧縮後の画像データの形式を受け付ける形式受付部を有し、
該形式受付部が受け付けた形式が、複数のレイヤを含む画像データの形式である場合に、前記文字エッジ抽出受付部は文字エッジを抽出するか否かの指定を受け付けるように構成してあること
を特徴とする請求項2に記載の画像圧縮装置。
【請求項4】
前記文字エッジ抽出受付部が文字エッジを抽出する指定を受け付けた場合に、前記解像度変換部が前記解像度受付部により受け付けられた解像度に関わらず前記背景画像データの解像度を低下させる解像度変換を行うか否かを受け付ける解像度変換受付部を有すること
を特徴とする請求項2又は3に記載の画像圧縮装置。
【請求項5】
前記入力画像データ又は該入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、前記文字エッジ抽出部が前記入力画像データから抽出した文字エッジに対応する領域に対して濃度勾配軽減処理を行う濃度勾配軽減処理部を有することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像圧縮装置。
【請求項6】
前記入力画像データ又は該入力画像データを画像処理した処理画像データのうち、前記文字エッジ抽出部が前記入力画像データから抽出した文字エッジに対応する領域を除く領域の画像データに対する平滑化処理を行う平滑補正処理部を有することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像圧縮装置。
【請求項7】
入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮装置において、
文字領域に含まれる画素の情報が対応づけられている入力画像データに含まれる画素のうち文字領域に含まれる画素の数が所定数以上か否かを、前記画素の情報に基づいて判定する文字判定部と、
前記文字判定部が前記入力画像データに含まれる画素のうち文字領域に含まれている画素の数が所定数以上と判定した場合に、前記入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出部と、
該文字エッジ抽出部が抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮部と、
前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付部と、
前記背景画像データの解像度を該解像度受付部が受け付けた解像度に変換する解像度変換部と、
前記解像度受付部が受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定部と、
前記背景画像データを、前記圧縮率設定部が設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮部と
を有することを特徴とする画像圧縮装置。
【請求項8】
前記文字エッジは、黒文字エッジ及び所定の色の色文字エッジのうちの少なくとも何れか一方であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の画像圧縮装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の画像圧縮装置と、
該画像圧縮装置により圧縮された画像データを伸張する伸張部と、
該伸張部により伸張された画像データによる画像を媒体上に形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
原稿上の画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、
該画像読取部により読み取られた画像データを前記入力画像データとして圧縮する請求項1から8の何れか一項に記載の画像圧縮装置と
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮する画像圧縮方法において、
入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出ステップと、
該文字エッジ抽出ステップで抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮ステップと、
前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付ステップと、
前記背景画像データの解像度を該解像度受付ステップで受け付けた解像度に変換する解像度変換ステップと、
前記解像度受付ステップで受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定ステップと、
前記背景画像データを、前記圧縮率設定ステップで設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮ステップと
を有することを特徴とする画像圧縮方法。
【請求項12】
入力画像データから抽出した文字に係る情報を含む文字画像データを可逆圧縮し、前記入力画像データから抽出した前記文字に係る情報に対応する領域を除く領域の情報を含む背景画像データを非可逆圧縮するためのコンピュータプログラムにおいて、
入力画像データから文字エッジを抽出する文字エッジ抽出ステップと、
該文字エッジ抽出ステップで抽出した文字エッジを含む文字画像データを可逆圧縮する可逆圧縮ステップと、
前記背景画像データの出力解像度を受け付ける解像度受付ステップと、
前記背景画像データの解像度を該解像度受付ステップで受け付けた解像度に変換する解像度変換ステップと、
前記解像度受付ステップで受け付けた解像度に基づいて前記背景画像データを非可逆圧縮する際の圧縮率を設定する圧縮率設定ステップと、
前記背景画像データを、前記圧縮率設定ステップで設定した圧縮率により非可逆圧縮する非可逆圧縮ステップと
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−231419(P2012−231419A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99943(P2011−99943)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】