説明

画像形成システム及びこのシステムの起動方法

【課題】画像形成システムの初期化処理技術に関し、特に設定されたタイミングまでに初期化処理を終了させ、当該設定されたタイミングで画像形成システムを使用可能状態とする技術を提供する。
【解決手段】画像を記録媒体表面に出力し、又はこれに加えて記録媒体を製本する画像形成システムに当該システムの使用可能タイミングを記憶させ、前記使用可能タイミングに基づき各種初期化処理毎の初期化開始タイミングを算出しておき、時間を計時して前記初期化開始タイミングが到達すると、そのタイミングで初期化処理開始タイミングが到達した初期化処理を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成システムの初期化処理を伴う起動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、画像データに従って紙媒体に画像を出力する装置である。この画像形成装置は、近年急速に高付加価値化が進み、システム化される方向に進んでいる。例えば、画像形成装置には、画像を紙媒体に出力するだけでなく、スキャナやファクシミリが搭載されるようになってきた。また、画像形成装置の周辺装置として、紙媒体を収容する給紙装置や、ステイプルフィニッシャ、折り機、中綴じ機、くるみ製本機、又は大容量スタッカ等の画像を出力した記録媒体を積載又は製本する装置が連結される。
【0003】
このような画像形成装置は、汎用的に使用される事務処理部門等や、印刷を専門とする印刷業務等、各種部門に普及している。業務上利用される画像形成システムは、利用する部門の操作者の手動により出勤時に起動され、また終業時に手動により電源が落とされるのが通常である。しかし、業務効率の向上を図る目的で、画像形成システムに対して、業務スケジュールに合わせた自動的な起動が求められている。
【0004】
この要望に対し、例えば画像形成システムのウォームアップ動作の起動時刻の設定を行う技術が開示されている(例えば、「特許文献1参照」。)。画像形成システムは、電源を入れると即座に使用可能となるわけでなく、画像データの初期化、画像データの取得設定の初期化、画像の出力設定の初期化、被加熱部材のウォームアップ、記録媒体の蓄積設定の初期化、記録媒体の製本設定の初期化、画像形成システムの調整等の各種初期化処理が必要となる。この技術は、そのうちのウォームアップについて自動的に所定の時刻に開始させる技術である。この技術によって、出勤時刻にウォームアップ動作の起動時刻を合わせておけば、出勤時刻からウォームアップ動作が開始され、出勤時刻からウォームアップ動作の終了後、画像形成システムの使用が可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−350388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のウォームアップ動作の起動時刻設定技術によっては、自動的に画像形成システムを起動させることは可能となるが、設定時刻から初期化処理が開始されるため、設定時刻を出勤時刻に合わせていたのでは、出勤時刻からの速やかな画像形成システム使用ができない。従って、従来の技術では、出勤してから使用可能となるまで作業開始が待たされてしまい、業務効率の向上効果は薄れてしまう。
【0007】
また、初期化処理に必要な時間を操作者が推測して出勤時刻よりも前に起動時刻を設定することも考えられるが、初期化処理時間は、初期化処理の内容が画像形成システムの使用条件によって可変するため、正確に初期化処理時間を予測することは困難であり、出勤時刻よりも前に使用可能状態になってしまい、消費電力を無駄遣いしてしまう。
【0008】
この発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、画像形成システムの初期化処理技術に関し、特に設定されたタイミングまでに初期化処理を終了させ、当該設定されたタイミングで画像形成システムを使用可能状態とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムであって、初期化処理を開始させる初期化制御手段と、時間を計時するタイマーと、当該システムの使用可能タイミングを記憶する記憶手段と、初期化に要する初期化時間を前記初期化処理に対応して記憶する初期化時間テーブルを含み、前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを算出するタイミング算出手段と、前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、前記初期化制御手段の制御開始を管理するタイミング管理手段と、を備えること、を特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、少なくとも画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムであって、当該システムの各種初期化処理を開始させる初期化制御手段と、時間を計時するタイマーと、当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングを記憶する記憶手段と、初期化に要する初期化時間を前記各種初期化処理毎に記憶する初期化時間テーブルを含み、前記使用可能タイミングよりも前記初期化時間前の初期化開始タイミングを、前記各種使用条件に対応して実行される初期化処理毎に算出するタイミング算出手段と、前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、前記初期化制御手段の制御開始を管理するタイミング管理手段と、を備えること、を特徴とする。
【0011】
前記各種使用条件と前記使用可能タイミングの設定を受け付ける設定手段をさらに備えるようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0012】
前記設定手段は、予め、一方の使用条件の設定内容に応じて他の使用条件の設定内容が固定される依存関係情報を記憶し、当該依存関係情報に従って、前記一方の使用条件の設定内容に応じて、前記他の使用条件の設定内容を設定許可又は不許可とするようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0013】
画像を読み取るスキャナ部、又は画像を受信するファクシミリ部の何れかを少なくともさらに備える画像形成システムであって、前記記憶手段は、前記使用条件として、前記プリンタ部、前記スキャナ部、又は前記ファクシミリ部の使用の有無を記憶するようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0014】
前記タイミング算出手段は、予め、一方の初期化処理完了後に他方の初期化処理を開始させる初期化実行順序情報を記憶し、当該初期化実行順序情報に従って、前記一方の初期化処理の初期化開始タイミングを、前記使用可能タイミングと前記他方の初期化処理の初期化開始タイミングとに基づき算出するようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0015】
画像が出力された記録媒体を製本する各種製本装置をさらに備える画像形成システムであって、前記記憶手段は、前記使用条件として、各種製本装置の使用の有無を記憶するようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0016】
補正処理実行カウンタ、又はクリーニング処理実行カウンタをさらに備え、前記タイミング算出手段は、前記補正処理実行カウンタ又はクリーニング処理実行カウンタが所定値に達すると、前記補正処理又は前記クリーニング処理毎に初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0017】
システム内の気温を検知する温度検知手段をさらに備え、前記タイミング算出手段は、当該検知した気温と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出し、前記初期化処理制御手段は、前記初期化処理として、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理を開始させるようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0018】
システム内の湿度を検知する湿度検知手段をさらに備え、前記タイミング算出手段は、当該検知した湿度と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出し、前記初期化処理制御手段は、前記初期化処理として、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理を開始させるようにしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【0019】
前記記憶手段は、当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングの各種組み合わせを記憶し、
前記設定手段は、前記各種組み合わせのうち一の選択を受け付け、前記タイミング算出手段は、選択された一の組み合わせに基づいて、初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項11記載の発明に相当)。
【0020】
上記課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムの起動方法であって、予め、初期化に要する初期化時間を初期化時間テーブルに記憶しておき、当該システムの使用可能タイミングを記憶し、前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを算出し、時間を計時し、前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、初期化処理開始を管理し、前記初期化処理開始の管理に従って、初期化処理を開始させること、を特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムの起動方法であって、予め、初期化に要する初期化時間を前記各種初期化処理毎に初期化時間テーブルに記憶しておき、当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングを記憶し、前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを前記各種使用条件に対応して実行される初期化処理毎に算出し、時間を計時し、前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、初期化処理開始を管理し、前記初期化処理開始の管理に従って、各種初期化処理を開始させること、を特徴とする。
【0022】
前記各種使用条件と前記使用可能タイミングの設定を受け付け、前記設定された各種使用条件と使用可能タイミングを記憶するようにしてもよい(請求項14記載の発明に相当)。
【0023】
前記各種使用条件の設定では、予め、一方の使用条件の設定内容に応じて他の使用条件の設定内容が固定される依存関係情報を記憶しておき、当該依存関係情報に従って、前記一方の使用条件の設定内容に応じて、前記他の使用条件の設定内容を設定許可又は不許可とするようにしてもよい(請求項15記載の発明に相当)。
【0024】
画像を読み取るスキャナ、又は画像を受信するファクシミリの何れかを少なくともさらに備える画像形成システムについての起動方法であって、前記使用条件として、前記プリンタ部、前記スキャナ部、又は前記ファクシミリ部の使用の有無を記憶するようにしてもよい(請求項16記載の発明に相当)。
【0025】
前記初期化開始タイミングの算出では、予め、一方の初期化処理完了後に他方の初期化処理を開始させる初期化実行順序情報を記憶しておき、当該初期化実行順序情報に従って、前記一方の初期化処理の初期化開始タイミングを、前記使用可能タイミングと前記他方の初期化処理の初期化開始タイミングとに基づき算出するようにしてもよい(請求項17記載の発明に相当)。
【0026】
画像が出力された記録媒体を製本する各種製本装置をさらに備える画像形成システムについての起動方法であって、前記使用条件として、各種製本装置の使用の有無を記憶するようにしてもよい(請求項18記載の発明に相当)。
【0027】
前記初期化処理には、補正処理又はクリーニング処理の何れかが少なくとも含まれ、当該補正処理の実行回数、又はクリーニング処理の実行回数をカウントし、前記初期化開始タイミングの算出では、補正処理実行カウンタ又はクリーニング処理実行カウンタが所定値に達すると、前記補正処理又は前記クリーニング処理毎に初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項19記載の発明に相当)。
【0028】
前記初期化処理には、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理が含まれ、システム内の気温を検知し、前記初期化開始タイミングの算出では、当該検知した気温と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項20記載の発明に相当)。
【0029】
前記初期化処理には、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理が含まれ、システム内の湿度を検知し、前記初期化開始タイミングの算出では、当該検知した湿度と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項21記載の発明に相当)。
【0030】
当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングの各種組み合わせを記憶し、前記各種使用条件の設定では、前記各種組み合わせのうちの一を選択させ、前記初期化開始タイミングの算出では、選択された一の組み合わせに基づいて、初期化開始タイミングを算出するようにしてもよい(請求項22記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、使用可能タイミングに使用可能状態とするための初期化開始タイミングを初期化処理について算出し、計時する時間と初期化開始タイミングが一致すると、初期化処理を開始させる。初期化開始タイミングは、使用可能タイミングよりも初期化に必要な初期化時間前である。従って、使用可能タイミングには、初期化処理は終了し、直ちに画像形成システムを使用することが可能となる。これにより、印刷業務の作業効率が向上するとともに、待機時間が減少し、消費電力の低減も図ることができる。消費電力の低減は、操作者が初期化時間を推測して経験的に起動時刻を設定していた従来と比べて、その効果が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図1乃至20に基づき詳細に説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの構成図である。図1に示すように、画像形成システムは、画像形成装置100を装置本体とし、画像形成装置100の前段及び後段に周辺装置が連結されて構成される。画像形成装置100の後段には、後段装置200が連結されている。画像形成装置100の前段には、給紙装置300が連結されている。後段装置200は、ステイプルフィニッシャ、折り機、中綴じ機、くるみ製本機、又は大容量スタッカ等の画像を出力した記録媒体を積載又は製本する装置である。各種後段装置200,200・・・は、複数直列に連結される場合もある。
【0034】
画像形成装置100は、複合機であり、装置内にプリンタ部100a、スキャナ部100b、及びファクシミリ部100cが配置されている。プリンタ部100aは、画像データに従い、例えば電子写真方式によって記録媒体表面に画像を出力する。スキャナ部100bは、原稿等の物表面に表されている画像を光電変換で読み取り画像データを取得する。ファクシミリ部100cは、公衆回線に接続され、外部機器から公衆回線を介して画像データを受信する。また、画像形成装置100は、LAN等のネットワークに接続されており、ネットワークを介してLAN内の外部機器から画像データを受信する。
【0035】
給紙装置300は、内部に記録媒体を収容し、画像形成装置100に記録媒体を給紙する。収容される記録媒体は、厚紙、コート紙、記録紙等のトナーが付着可能な紙状体である。
【0036】
ステイプルフィニッシャは、記録媒体の束にステイプルを打込する。折り機は、記録媒体の束を折って冊子形状に加工する。中綴じ機は、記録媒体を中綴じする。くるみ製本機は、記録媒体の束の背を接着して表紙で装丁する。大容量スタッカは、内部に画像が出力された記録媒体を積載しておく。
【0037】
この画像形成システムでは、外部機器からLANや公衆回線を介して画像データを受信することで、若しくはスキャナ部100bにより原稿から画像を読み取ることで、画像データを取得する。記録媒体を給紙し、記録媒体表面に画像データに従った画像を出力する。さらにこの画像を出力した記録媒体を蓄積し、又は蓄積した記録媒体の束を製本処理する。
【0038】
プリンタ部100aは、例えばタンデム型のカラー画像形成手段である。タンデム型は、色毎の画像出力系を有し、その画像出力系が記録媒体搬送方向に並んで配されるものである。プリンタ部100aには、画像を記録媒体に出力する画像出力部104が配置されている。また、給紙口103と画像出力部104との間には、記録媒体を給紙装置から画像出力部104へ給紙する搬送路105が配置されている。画像出力部104の後段には、定着部106が配置されている。
【0039】
搬送路105は、画像出力部104と定着部106に給紙口103から搬入された記録媒体を搬送し、さらに後段装置200内へ搬送する。この搬送路105は、所定間隔で配された対向する複数組のローラ対で形成される。ローラ対が記録媒体を挟持し、搬送方向へ送り出し回転することで、記録媒体を次段のローラ対へ搬送する。
【0040】
給紙口103の近傍には、給紙ローラ105aが配置され、記録媒体収容部103から記録媒体を取り出す。給紙ローラ105aの後段には、画像出力部104へ向けて、搬送ローラ105b、105c、及びレジストローラ105dが配置され、記録媒体を画像出力部104と定着部106へ搬送する。レジストローラ105dでは、搬送されてきた記録媒体を一端止め置き、記録媒体の先端規制をしてから画像出力部104へ搬送する。
【0041】
定着部106の後段には、分岐路105eが配置され、画像出力部104及び定着部106を通過した記録媒体を排紙側又は循環側へ搬送する。分岐路105eの排紙側には、排紙ローラ105fが配され、排紙側へ搬送された記録媒体を外部へ排紙し、製本装置200内へ搬送する。
【0042】
分岐路105eの循環側には、循環通紙路105gと反転搬送路105hと再給紙搬送路105iが配置される。記録媒体の両面に画像を形成する場合、画像出力部104で片面に画像を形成した後、循環通紙路105gを経て、反転搬送路105hで記録媒体の紙面を反転させ、再給紙搬送路105iを経て再度搬送ローラ105cに合流させる。
【0043】
画像出力部104は、色毎の画像形成ユニット109Y、109M、109C、109Kと、この画像形成ユニット109Y、109M、109C、109Kと色毎に対になった半導体レーザ110Y、110M、110C、110Kと、各色共通の無終端状の中間転写ベルト111と備えている。
【0044】
画像形成ユニット109Yと半導体レーザ110Yは、イエロー(Y)色の画像を形成し、画像形成ユニット109Mと半導体レーザ110Mは、マゼンタ(M)色の画像を形成し、画像形成ユニット109Cと半導体レーザ110Cは、シアン(C)色の画像を形成し、画像形成ユニット109Kと半導体レーザ110Kは、黒(K)色の画像を形成する。
【0045】
画像形成ユニット109Yには、感光ドラム1Yと帯電部2Yと現像部3Yとクリーニング部5Yが配されている。画像形成ユニット109Mには、感光ドラム1Mと帯電部2Mと現像部3Mとクリーニング部5Mが配されている。画像形成ユニット109Cには、感光ドラム1Cと帯電部2Cと現像部3Cとクリーニング部5Cが配されている。画像形成ユニット109Kには、感光ドラム1Kと帯電部2Kと現像部3Kとクリーニング部5Kが配されている。
【0046】
感光ドラム1Y、1M、1C、1Kは、回転可能な円柱体であり、表面がスコロトロン方式等の帯電方式により均一に帯電されている。帯電した表面は、半導体レーザ110Y、110M、110C、110Kの出力するレーザ光により露光され、レーザ光の出力強度に応じて露光部分の電位が低下し、静電潜像が形成される。
【0047】
帯電部2K、2M、2C、2Kは、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面に静電荷を与えて一様に帯電させる。現像部3Y、3M、3C、3Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行い、トナー供給によって感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面にトナー像を形成する。クリーニング部5Y、5M、5C、5Kは、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに残る残留トナーを除去する。
【0048】
半導体レーザ110Y、110M、110C、110Kは、画像データに従って出力強度を可変させつつレーザ光を走査し、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面を露光して各色の静電潜像を形成する。この半導体レーザ110Y、110M、110C、110Kは、各色の画像データの各画素が有する出力値に対応した駆動信号が入力されて駆動し、出力値に比例した出力強度のレーザ光を出力する。
【0049】
中間転写ベルト111は、無終端状に回動している。ベルト表面には感光ドラム1Y、1M、1C、1Kが配され、ベルト裏面には、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kと対峙して1次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kが配されている。また、中間転写ベルト111を挟んで対向する2次転写ローラ7と、ベルト表面の残留トナーを除去するクリーニング部8が配されている。
【0050】
中間転写ベルト111には、使用するトナーと反対極性の1次転写バイアスが1次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kに印加されることにより、感光ドラム1Y、1M、1C、1K表面に形成されたトナー像が各色逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。
【0051】
中間転写ベルト111は、回動して画像を2次転写ローラ7へ運び、同期して2次転写ローラ7に挟持された記録媒体の表面に画像を各色一括転写する(2次転写)。転写後は、残留トナーをクリーニング部8へ運び、クリーニング部8で残留トナーが除去される。
【0052】
定着部106は、内部にヒータを備えた定着ローラ106a及び定着ローラ106aと対向する加圧ローラ106bを備えており、画像が形成された記録媒体を定着ローラ106aと加圧ローラ106bで挟持して加熱圧着作用により画像を記録媒体に定着させる。
【0053】
この画像形成システムは、画像形成装置100の内部に備えられる制御ユニット102に制御されて駆動する。制御ユニット102は、プリンタ部100a、スキャナ部100b、ファクシミリ部100c、及び給紙装置300や後段装置200等の周辺装置を制御して、記録媒体の給紙駆動、画像出力駆動、記録媒体の蓄積駆動、及び製本処理駆動させる。特に画像形成システムの起動時に初期化処理の駆動をさせる。この制御ユニット102による制御は、画像形成装置100の表面に埋め込まれた操作パネル108による入力に応じてなされる。
【0054】
図2は、画像形成システムの制御系を示す図である。制御ユニット102は、演算制御部(CPU)102aを含む各種制御回路、処理回路、記憶回路、駆動回路等により構成される。この制御ユニット102は、画像データの取得及び保持と、プリンタ部100a、ファクシミリ部100c、スキャナ部100b、給紙装置300、並びに後段装置200への各種駆動信号送信、及び駆動信号送信の条件処理を行っている。
【0055】
駆動制御では、スキャナ部100bを制御するスキャナ制御部102bと、ファクシミリ部100cを制御するファクシミリ制御部102cと、プリンタ部100aを制御するプリンタ制御部102d及び書込処理部102eと、後段装置200を制御する後段装置制御部102fと、給紙装置300を制御する給紙装置制御部102gとが配置される。
【0056】
スキャナ部100bから送信されたアナログ信号の画像データは、読取処理部102hでデジタルデータに変換される。LANを介して外部機器から送信された画像データは、LANインターフェース102iで受信する。ファクシミリ部100cが受信した画像データは、ファクシミリ制御部102cに入力される。
【0057】
取得した画像データは、画像メモリ102jで一時的に保持される。画像メモリ102jの読み込み又は書き込みは、DRAM制御IC102kで制御される。画像メモリ102jの読み込み又は書き込みの際には、圧縮・伸張IC102Lで画像データが圧縮又は伸張される。画像形成システムの停止時においても保持するデータは、不揮発メモリ102pに記憶される。
【0058】
演算制御部102aは、プログラムメモリ102mに記憶されているプログラムを適宜読み出し、システムメモリ102nに展開してプログラムを解釈及び実行する。演算制御部102aは、値の呼び出し、値の比較、演算、及びDRAM制御IC102k、スキャナ制御部102b、ファクシミリ制御部102c、プリンタ制御部102d、書込処理部102e、後段装置制御部102f、及び給紙装置制御部102gに制御信号を送信して画像形成システムに各機能を発揮させる。
【0059】
演算制御部102aは、画像形成システムの起動において、画像形成システムの各種初期化処理のプログラムを読み出し、スキャナ制御部102b、ファクシミリ制御部102c、プリンタ制御部102d、書込処理部102e、後段装置制御部102f、給紙装置制御部102gの何れかに初期化処理信号を送信する。初期化処理信号を受けたこれら制御部は、各種初期化処理の制御を開始し、システムを使用可能状態にする。
【0060】
初期化処理は、画像データの初期化、画像データの取得設定の初期化、画像の出力設定の初期化、定着部106やくるみ製本装置等の被加熱部材のウォームアップ、記録媒体の蓄積設定の初期化、記録媒体の製本設定の初期化、画像形成システムの調整である。使用可能状態は、初期化処理が終了して、画像データを直ちに取得でき、画像を直ちに出力し、蓄積又は製本可能となる状態である。使用可能状態は、画像形成システムの使用パラメータの値によって異なる。使用パラメータは、使用可能状態における画像形成システムの使用条件であり、使用パラメータの値は、画像形成システムの各機能の使用有無である。
【0061】
画像形成システムの起動は、演算制御部102aがシステムの停止中に起動のためのプログラムを実行し、所定のタイミングが到達することによっても行われる。所定のタイミングとなると、演算制御部102aは、各制御部に初期化処理信号を出力する。
【0062】
起動のタイミング設定は、操作パネル108を用いて操作者に入力させる。マンマシンインターフェース制御部102tは、操作パネル108に設定画面を表示させ、操作者に各種設定を施す。操作パネル108は、液晶ディスプレイで構成される表示手段、及び文字キー、数字キー、各種機能に対応づけられたキー等の操作キーで構成される入力手段で構成される。
【0063】
操作パネル108には、画像形成システムが使用可能状態となる時刻や経過時間等のタイミング(使用可能タイミング)と使用パラメータを設定するための設定画面を表示させる。操作パネル108を用いて操作者が使用可能タイミングと使用パラメータを設定画面に入力することによって、制御ユニット102は、画像形成システムが使用可能タイミングに使用可能状態となるように初期化処理を実行させる。即ち所定のタイミングは、初期化開始タイミングである。
【0064】
タイミングは、クロック発生器102qが計時する時間を取得して計る。クロック発生器102qは、水晶発振器を含む回路で、周期的にタイミングパルスを発生させる。
【0065】
図3は、画像形成システムを起動する制御ユニット102及びその周辺部の機能ブロック図である。図3に示すように、制御ユニット102は、記憶手段11、タイミング算出手段12、タイマー14、タイミング管理手段15、初期化制御手段17として機能する。また、操作パネル108は、設定手段10として機能する。
【0066】
記憶手段11は、不揮発メモリ102pで構成される。タイミング算出手段12は、演算制御部102a及びプログラムメモリ102mにより構成される。タイミング管理手段15は、演算制御部102a及び不揮発メモリ102pにより構成される。タイマー14は、クロック発生器102qと演算制御部102aで構成される。初期化制御手段17は、スキャナ制御部102b、ファクシミリ制御部102c、プリンタ制御部102d、書込処理部102e、後段装置制御部102f、給紙装置制御部102gで構成される。
【0067】
記憶手段11は、設定手段10で設定された使用可能タイミングと使用パラメータの値を記憶する。図4は、記憶手段11の記憶領域を示す図である。図4に示すように、記憶手段11には、使用可能タイミング記憶領域11aと使用パラメータ記憶領域11bが確保されている。使用可能タイミング記憶領域11aと使用パラメータ記憶領域11bを示すアドレスは関連づけられている。使用可能タイミング記憶領域11aには、使用可能タイミングが記憶される。使用パラメータ記憶領域11bは、各種使用パラメータ毎に確保され、各種使用パラメータの値が記憶される。
【0068】
使用パラメータは、画像形成装置100本体及び連結される周辺装置の各種機能の使用有無、安定駆動ウェイトの使用有無、システム調整の使用有無に大別される。使用パラメータ記憶領域11bは、プリンタ部100aの使用有無、ファクシミリ100cの使用有無、スキャナ100bの使用有無、給紙装置300の使用有無、後段装置200がステイプルフィニッシャである場合の使用有無、折り機である場合の使用有無、中綴じ機である場合の使用有無、くるみ製本機である場合の使用有無、搬送エア制御の使用有無、起動時補正の使用有無、起動時クリーニングの使用有無の各使用パラメータの値を記憶する。起動時補正は、例えば起動時に中間転写ベルト111に転写された各色の画像の位置ズレを補正する。
【0069】
各種機能、安定駆動ウェイト、システム調整が使用される場合には、それに対応する初期化処理がなされ、使用パラメータの種類と初期化処理の種類は一致する。
【0070】
タイミング算出手段12は、使用可能タイミングから各種初期化処理の初期化開始タイミングを算出する。算出には、初期化時間テーブル13を参照する。初期化時間テーブルは、プログラムメモリ102mで構成される。
【0071】
図5は、初期化時間テーブル13を示す図である。初期化時間テーブル13には、複数の初期化時間記憶領域13aが確保されている。初期化時間記憶領域13aは、各初期化処理に関連づけられている。初期化時間記憶領域13aには、関連づけられた初期化処理に必要な初期化時間が記憶される。
【0072】
タイミング算出手段12は、記憶手段11から使用パラメータを読み出し、値が使用有である使用パラメータに対応する初期化処理の初期化時間を初期化時間テーブル13から読み出す。読み出した初期化時間を記憶手段11に記憶されている使用可能タイミングから減じることで、初期化開始タイミングを算出する。
【0073】
タイマー14は、周期的なタイミングパルスから時間を計時する。時刻によってタイミングを計る場合には、さらに計時した時間から現在時刻を算出する。
【0074】
タイミング管理手段15は、現在時刻又は経過時間と各初期化開始タイミングを比較し、一致すると、初期化開始タイミングに到達した初期化処理の初期化処理開始信号を初期化制御手段17に出力する。初期化開始タイミングの参照は、タイミング管理テーブル16を参照する。タイミング管理テーブル16は、不揮発メモリ102pで構成される。
【0075】
図6は、タイミング管理テーブル16を示す図である。タイミング管理テーブル16は、各種初期化処理に関連づけられた初期化開始タイミング記憶領域16aを有する。初期化開始タイミング記憶領域16aには、実行する初期化処理の初期化開始タイミングが記憶される。タイミング管理手段15は、タイミング算出手段12が算出した初期化開始タイミングを取得し、その初期化開始タイミングに対応する初期化開始タイミング記憶領域16aに記憶させる。
【0076】
初期化制御手段17は、初期化処理開始信号を受信すると、初期化処理の対象となるプリンタ部100a、スキャナ部100b、ファクシミリ部100c、給紙装置300、後段装置200の各駆動体に駆動信号を出力し、初期化処理を開始させる。
【0077】
図7は、画像形成システムの起動設定に係るフローチャートである。まず、設定手段10は、設定画面を表示する(S01)。設定画面に従って使用可能タイミングと使用パラメータが入力されると(S02,Yes)、入力された使用可能タイミングと使用パラメータを記憶手段11に記憶する(S03)。
【0078】
タイミング算出手段12は、全ての使用パラメータについて処理開始タイミングの算出が終了していない場合は(S04,No)、記憶手段11から算出に供していない使用パラメータと使用可能タイミングを読み出す(S05)。
【0079】
タイミング算出手段12は、さらに初期化時間テーブル13を読み出し(S06)、記憶手段11から読み出した使用パラメータに対応する初期化処理に関連づけられた初期化時間を初期化時間テーブル13から抽出する(S07)。初期化時間を読み出すと、使用可能タイミングから初期化時間を減じることで初期化開始タイミングを算出する(S08)。
【0080】
算出した初期化開始タイミングは、タイミング管理テーブル16の記憶領域のうち、使用パラメータに対応する初期化処理が関連づけられた初期化開始タイミング記憶領域16aに記憶させる(S09)。
【0081】
全ての使用パラメータについて処理開始タイミングの算出が終了していない場合はこのS05〜S09を繰り返す(S04,No)。全ての使用パラメータについて処理開始タイミングの算出が終了した場合は(S04,Yes)、タイミング管理手段15に周期的なタイミング管理ルーチンの実行のトリガとなるメッセージを送信して周期的なタイミング管理ルーチンを実行させる(S10)。
【0082】
図8は、画像形成システムの起動制御に係るフローチャートである。本説明では、使用開始タイミングは現在日時で設定され、タイマー14から現在日時を取得する場合を前提に説明する。
【0083】
まず、タイミング管理手段15は、現在時刻と初期化開始タイミングの比較が未処理である初期化開始タイミングが存在するかチェックする(S11)。比較が未処理の初期化開始タイミングが存在する場合(S11,Yes)、タイマー14から現在時刻を取得し、比較が未処理の初期化開始タイミングと現在時刻とを比較する(S12)。
【0084】
タイミング算出手段15は、比較により現在時刻が初期化開始タイミングを経過していると(S12,Yes)、この初期化開始タイミングに対応する初期化処理を実行する駆動体を制御する初期化制御手段17に初期化処理開始信号を出力する(S13)。
【0085】
初期化処理開始信号を受信した初期化処理制御手段17は、制御する駆動体に駆動信号を出力し、初期化処理を開始させる(S14)。
【0086】
一方、比較処理が全て終了している場合(S11,No)、タイミング管理手段15は、初期化開始タイミングを取得しているが初期化処理が未実行である初期化処理が存在するかチェックする(S15)。未実行の初期化処理が存在する場合には(S15,Yes)、タイミング管理手段15は、S11〜S15のタイミング管理ルーチンから離脱する。このタイミング管理処理ルーチンは、タイマー14のタイミングパルスを取得して、周期的に実行する。初期化処理が全て終了している場合には(S15,No)、タイミング管理ルーチンの周期的実行を終了する(S16)。
【0087】
図9は、画像形成システムの起動制御に係るフローチャートである。本説明では、使用開始タイミングは経過時間で設定され、タイマー14から計時された時間をそのまま取得する場合を前提に説明する。まず、タイミング管理手段15は、タイマー14が計時した経過時間と初期化開始タイミングの比較が未処理である初期化開始タイミングが存在するかチェックする(S21)。比較が未処理の初期化開始タイミングが存在する場合(S21,Yes)、タイマー14から経過時間を取得し、比較が未処理の初期化開始タイミングと経過時間とを比較する(S22)。比較によりタイマー14が計時した経過時間が初期化開始タイミングを経過していると(S22,Yes)、この初期化開始タイミングに対応する初期化処理を実行する駆動体を制御する初期化制御手段17に初期化処理開始信号を出力する(S23)。
【0088】
初期化処理開始信号を受信した初期化処理制御手段17は、制御する駆動体に駆動信号を出力し、初期化処理を開始させる(S24)。
【0089】
一方、比較処理が全て終了している場合(S21,No)、タイミング管理手段15は、初期化開始タイミングが関連づけられているが初期化処理が未実行である初期化処理が存在するかチェックする(S25)。未実行の初期化処理が存在する場合には(S25,Yes)、タイミング管理手段15は、S21〜S25のタイミング管理ルーチンを離脱する。このタイミング管理処理ルーチンは、タイマー14のタイミングパルスを取得して、周期的に実行される。初期化処理が全て終了している場合には(S25,No)、タイミング管理ルーチンの周期的実行を停止する(S26)。
【0090】
このような画像形成システムでは、所定の初期化処理が終了しなければ初期化処理が開始できない排他処理がある。例えば、プリンタ部100aの初期化処理が終了しなければ、起動時のクリーニングや補正の処理は開始できない。
【0091】
この場合、図10に示すように、初期化時間テーブル13には、排他関係記憶領域13bと、優先度記憶領域13cが確保される。排他関係記憶領域13bには、排他関係を有する初期化処理同士の関連づけの情報が記憶される。優先度記憶領域13cには、排他関係を有する初期化処理の処理順序を示す優先度が記憶される。
【0092】
タイミング算出手段12は、初期化開始タイミングの算出対象である初期化処理が排他関係を有すると、算出対象である初期化処理よりも低い優先度を有する初期化処理の初期化開始タイミングを、算出対象である初期化処理の初期化開始タイミングに全て加算し、加算結果を使用開始タイミングから減じて初期化開始タイミングを算出する。
【0093】
図11は、この排他関係を考慮した初期化開始タイミング算出動作を示すフローチャートである。まず、タイミング算出手段12は、記憶手段11から算出に供する使用パラメータと使用可能タイミングを読み出す(S31)。さらに初期化時間テーブル13を読み出し(S32)、初期化開始タイミングの算出対象となる初期化処理の排他関係記憶領域13bに排他関係の関連づけの情報が存在すると(S33,Yes)、タイミング算出手段12は、算出対象の初期化処理と排他関係を有する他の初期化処理を他の排他関係記憶領域13bから検索する(S34)。
【0094】
排他関係を有する他の初期処理が検索されると、算出対象の初期化処理及びこれと排他関係を有する他の初期化処理の優先度を優先度記憶領域13cから抽出し(S35)。抽出した優先度を比較する(S36)。
【0095】
比較の結果、算出対象の初期化処理よりも優先度が低い他の初期化処理があると(S36,Yes)、算出対象の初期化処理の初期化時間及びこれより優先度が低い他の初期化処理の初期化時間を初期化時間記憶領域13aから全て抽出して合算する(S37)。合算すると、さらにその合算値を使用可能タイミングから減じることで、算出対象の初期化処理の初期化開始タイミングを算出する(S38)。
【0096】
尚、関連づけの情報が存在しない場合(S33,No)、及び優先度の低い他の初期化処理がない場合(S36,No)は、上述のS07の処理を行う。
【0097】
またシステム調整は、その使用パラメータを使用有無と使用間隔の値で設定するようにしてもよい。図12は、起動時補正や起動時クリーニングの使用パラメータを使用有無と使用間隔の値で設定する場合の制御ユニット102の機能ブロック図である。
【0098】
図12に示すように、制御ユニット102には、補正カウンタ18とクリーニングカウンタ19が備えられる。補正カウンタ18及びクリーニングカウンタ19は、演算制御部102a及び不揮発メモリ102pにより構成される。補正カウンタ18は、補正が実行されると補正回数をカウントアップして更新記憶する。クリーニングカウンタ19は、クリーニングが実行されるとクリーニング回数をカウントアップして更新記憶する。
【0099】
設定手段10は、起動時補正や起動時クリーニングに対応する使用パラメータとして使用有無と使用間隔の値を対にして記憶手段11に記憶させる。タイミング算出手段12は、使用間隔の値が存在する使用パラメータに対応する初期化処理の初期化開始タイミングの算出の際、補正カウンタ18又はクリーニングカウンタ19から補正回数又はクリーニング回数を読み出し、補正回数又はクリーニング回数が使用間隔以上である場合にのみ、起動時補正や起動時クリーニングの初期化開始タイミングを算出する。
【0100】
図13は、起動時補正や起動時クリーニングを所定間隔毎に実行する画像形成システムの起動設定に係るフローチャートである。まず、タイミング算出手段12は、記憶手段11から算出に供する使用パラメータと使用可能タイミングを読み出す(S41)。
【0101】
使用パラメータに使用間隔の値があると(S42,Yes)、タイミング算出手段12は、使用パラメータに対応する初期化処理のカウンタからカウントを読み出す(S43)。使用パラメータに対応する初期化処理が起動時補正であれば補正カウンタ18から補正回数を、使用パラメータに対応する初期化処理が起動時クリーニングであればクリーニングカウンタ19からクリーニング回数を読み出す。
【0102】
読み出したカウントと使用間隔の値を比較し(S44)、カウントが使用間隔の値以上である場合(S44,Yes)、初期化開始タイミングの算出を継続する(S45)。一方、カウントが使用間隔の値未満である場合(S44,No)、読み出した使用パラメータに対応する初期化処理の初期化開始タイミングの算出は中止する(S46)。
【0103】
また、プリント部100aの初期化処理において、定着装置106は、加熱圧着作用を記録媒体に与えるため定着ローラ106aを加熱する。くるみ製本装置においても同様に被加熱部材が配されている。定着ローラ106aの加熱は、装置本体内の温度及び湿度によって、その加熱時間が異なり、プリント部100aの初期化時間は、装置本体内の温度及び湿度に左右される。そのため、画像形成システムでは、プリント部100aの初期化時間を温度及び湿度に応じて可変設定するようにしてもよい。
【0104】
図14は、制御ユニット102による画像形成システムの制御系を示す図である。図14に示すように、画像形成システムは、画像形成装置100内に温度計102r及び湿度計102sを配置している。温度計102r及び湿度計102sが検出した温度及び湿度は、演算制御部102aに入力される。
【0105】
図15は、温度及び湿度によって初期化時間を可変させる設定の場合に読み出される初期化時間テーブル13を示す。図15に示すように、温度及び湿度によって可変する初期化時間を有する初期化処理の初期化時間記憶領域13a(例えばくるみ製本装置の初期化時間記憶領域13a)には、温度及び湿度毎の初期化時間を記憶する環境別初期化時間テーブル20を参照することを示す情報が記憶されている。
【0106】
図16は、環境別初期化時間テーブル20を示す図である。環境別初期化時間テーブル20は、プログラムメモリ102mで構成される。環境別初期化時間テーブル20は、温度及び湿度毎に所定の初期化処理についての初期化時間記憶領域20aを有し、初期化時間を記憶する。尚、温度又は湿度毎に別々のテーブルを用意し、温度のみに対応する初期化時間、又は湿度のみに対応する初期化時間を記憶するテーブルを別々に用意し、設定によって温度のみによって初期化時間を可変させたり、湿度のみによって初期化時間を可変させたりするようにしてもよい。
【0107】
タイミング算出手段12は、初期化時間テーブル13の初期化時間記憶領域13aに環境別初期化時間テーブル20を参照することを示す情報が記憶されていると、環境別初期化時間テーブル20を参照して、温度計102rの示す温度と湿度計102sの示す湿度から初期化時間を取得する。
【0108】
図17は、タイミング算出手段12により初期化時間を取得する動作を示すフローチャートである。まず、タイミング算出手段12は、記憶手段11から算出に供していない使用パラメータと使用可能タイミングを読み出す(S51)。
【0109】
タイミング算出手段12は、さらに初期化時間テーブル13を読み出し(S52)、読み出した使用パラメータに対応する初期化処理の初期化時間記憶領域13aを読み出す(S53)。
【0110】
初期化時間記憶領域13aに環境別初期化時間テーブル20を参照することを示す情報が記憶されていると(S54,Yes)、温度計102rから温度情報を取得し、湿度計102sから湿度情報を取得する(S55)。次に環境別初期化時間テーブル20を読み出し(S56)、取得した温度情報及び湿度情報に対応する初期化時間を環境別初期化時間テーブル20から取得する(S57)。
【0111】
尚、初期化時間記憶領域13aに初期化時間が記憶されている場合は、上述のS07以降の処理を行う。温度情報及び湿度情報に対応する初期化時間を取得すると上述のS08以降の処理を行う。
【0112】
図18乃至20は、以上の画像形成システムの操作パネル108に表示される設定画面の具体例である。操作者は、画像形成システムの操作パネル108に表示される設定画面を目視しながら、起動設定を入力する。設定画面は、図18に示す使用可能タイミングを入力する画面と、図19及び図20に示す各使用パラメータを選択する画面に大別される。
【0113】
図18に示すように、使用可能タイミングを設定する設定画面には、使用可能タイミングを時刻又は経過時間で設定する選択を行うボックスB1が表示される。さらに、この選択に合わせて時刻であれば使用可能とする時刻、経過時間であれば使用可能とする経過時間を入力するボックスB2が表示される。この使用可能タイミングを設定するボックスB2は、例えば曜日毎に設定できるように、曜日毎に用意してもよい。このボックスB2で入力された時刻は、使用可能タイミングとして記憶手段11に書き込まれる。
【0114】
また、使用可能タイミングを設定する設定画面には、設定した使用パラメータの保存の要否を選択するボックスB3を表示するようにしてもよい。このボックスB3で使用パラメータの保存が選択された場合は、設定された使用パラメータを不揮発メモリ102pに使用条件名と関連づけて記憶する。使用パラメータの保存の要否を選択するボックスB3を表示させる場合は、この設定画面に、使用条件名を選択させるボックスB4を表示する。使用条件名が選択されると、初期化開始タイミングの算出時に、不揮発メモリ102pから使用条件と関連づけられた使用パラメータを読み出し、記憶手段11に書き込む。
【0115】
図19及び図20に示すように、使用パラメータを設定する設定画面には、各使用パラメータを設定するボックスB5が表示される。例えば、プリンタの使用有無、ファクシミリの使用有無、スキャナの使用有無、給紙装置の使用有無、後段装置がステイプルフィニッシャである場合の使用有無、折り機である場合の使用有無、中綴じ機である場合の使用有無、くるみ製本機である場合の使用有無、搬送エア制御の使用有無、起動時補正の使用有無、起動時クリーニングの使用有無を設定するボックスB5が表示される。尚、この設定は、自動設定を選択することもでき、自動設定が選択された場合はデフォルトで用意されている使用パラメータが記憶手段11に記憶される。
【0116】
また、起動時補正や起動時クリーニングの使用間隔を設定するボックスB6が表示される。さらに、画像形成システムに温度計102rや湿度計102sを備えない場合は、起動時の推定温度や湿度を入力するボックスB7を表示してもよい。
【0117】
画像形成システムは、一方の機能が使用された場合、他方の機能を使用することができない依存関係を有する機能がある。例えば、プリンタ部100aが使用されない場合は、搬送エア制御は使用不可である。また、周辺装置が連結されていない場合、連結されていない周辺装置は使用不可である。設定手段10は、この依存関係を示す情報を予めプログラムメモリ102mに記憶させておき、使用パラメータを設定する設定画面の表示時にこの依存関係を示す情報を呼び出して、依存関係や未連結によって使用できない機能の使用パラメータのボックスはグレーアウト表示し、設定の選択が不可能とする。
【0118】
このように画像形成システムでは、設定手段10が表示させた設定画面に基づいて使用可能タイミングと使用パラメータが入力されると、記憶手段10に書き込まれ、タイミング算出手段12が初期化時間テーブル13を参照して、使用可能タイミングに使用可能状態とするための初期化開始タイミングを各初期化処理について算出する。算出した初期化開始タイミングは、タイミング管理テーブル16に記憶され、タイミング管理手段15により初期化開始タイミングとタイマー14が計時する時間を比較する。初期化開始タイミングとタイマー14が計時する時間が一致すると、初期化開始信号を初期化制御手段17に出力して、初期化処理を開始させる。
【0119】
初期化開始タイミングは、使用可能タイミングよりも初期化に必要な初期化時間前であるから、使用可能タイミングには、初期化処理は終了し、直ちに画像形成システムを使用することが可能となる。従って、印刷業務の作業効率が向上するとともに、待機時間が減少し、消費電力の低減も図ることができる。消費電力の低減は、操作者が初期化時間を推測して経験的に起動時刻を設定していた従来と比べて、その効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成システムの制御系を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成システムの制御系による起動制御の機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成システムが有する記憶手段の記憶領域を示す図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成システムが有する初期化時間テーブルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る画像形成システムが有するタイミング管理テーブルを示す図である。
【図7】本実施形態に係る画像形成システムの起動設定に係るフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る画像形成システムの起動制御に係るフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る画像形成システムの他の起動制御に係るフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る画像形成システムが有する他の初期化時間テーブルを示す図である。
【図11】本実施形態に係る画像形成システムの排他関係を考慮した初期化開始タイミング算出動作を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る画像形成システムの他の機能ブロック図である。
【図13】本実施形態に係る画像形成システムの他の起動設定を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態に係る画像形成システムの他の制御系を示すブロック図である。
【図15】本実施形態に係る画像形成システムが有する他の初期化時間テーブルを示す図である。
【図16】本実施形態に係る画像形成システムが有する環境別初期化時間テーブルを示す図である。
【図17】本実施形態に係る画像形成システムの初期化時間を取得する他の動作を示すフローチャートである。
【図18】本実施形態に係る画像形成システムの使用可能タイミングを設定する設定画面を示す図である。
【図19】本実施形態に係る画像形成システムの使用パラメータを設定する第1の設定画面を示す図である。
【図20】本実施形態に係る画像形成システムの使用パラメータを設定する第2の設定画面を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
10 設定手段
11 記憶手段
12 タイミング算出手段
13 初期化時間テーブル
14 タイマー
15 タイミング管理手段
16 タイミング管理テーブル
17 初期化制御手段
18 補正カウンタ
19 クリーニングカウンタ
20 環境別初期化時間テーブル
100 画像形成装置
100a プリンタ部
100b スキャナ部
100c ファクシミリ部
102 制御ユニット
102a 演算制御部
102b スキャナ制御部
102c ファクシミリ制御部
102d プリンタ制御部
102f 後段装置制御部
102g 給紙装置制御部
102m プログラムメモリ
102p 不揮発メモリ
108 操作パネル
200 後段装置
300 給紙装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムであって、
初期化処理を開始させる初期化制御手段と、
時間を計時するタイマーと、
当該システムの使用可能タイミングを記憶する記憶手段と、
初期化に要する初期化時間を前記初期化処理に対応して記憶する初期化時間テーブルを含み、前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを算出するタイミング算出手段と、
前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、前記初期化制御手段の制御開始を管理するタイミング管理手段と、
を備えること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
少なくとも画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムであって、
各種初期化処理を開始させる初期化制御手段と、
時間を計時するタイマーと、
当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングを記憶する記憶手段と、
初期化に要する初期化時間を前記各種初期化処理毎に記憶する初期化時間テーブルを含み、前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを、前記各種使用条件に対応して実行される初期化処理毎に算出するタイミング算出手段と、
前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、前記初期化制御手段の制御開始を管理するタイミング管理手段と、
を備えること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
前記各種使用条件と前記使用可能タイミングの設定を受け付ける設定手段をさらに備えること、
を特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記設定手段は、
予め、一方の使用条件の設定内容に応じて他の使用条件の設定内容が固定される依存関係情報を記憶し、当該依存関係情報に従って、前記一方の使用条件の設定内容に応じて、前記他の使用条件の設定内容を設定許可又は不許可とすること、
を特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
画像を読み取るスキャナ部、又は画像を受信するファクシミリ部の何れかを少なくともさらに備える請求項2記載の画像形成システムであって、
前記記憶手段は、前記使用条件として、前記プリンタ部、前記スキャナ部、又は前記ファクシミリ部の使用の有無を記憶すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記タイミング算出手段は、予め、一方の初期化処理完了後に他方の初期化処理を開始させる初期化実行順序情報を記憶し、当該初期化実行順序情報に従って、前記一方の初期化処理の初期化開始タイミングを、前記使用可能タイミングと前記他方の初期化処理の初期化開始タイミングとに基づき算出すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項7】
画像が出力された記録媒体を製本する各種製本装置をさらに備える請求項2記載の画像形成システムであって、
前記記憶手段は、前記使用条件として、各種製本装置の使用の有無を記憶すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
補正処理実行カウンタ、又はクリーニング処理実行カウンタをさらに備え、
前記タイミング算出手段は、前記補正処理実行カウンタ又はクリーニング処理実行カウンタが所定値に達すると、前記補正処理又は前記クリーニング処理毎に初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項9】
システム内の気温を検知する温度検知手段をさらに備え、
前記タイミング算出手段は、当該検知した気温と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出し、
前記初期化処理制御手段は、前記初期化処理として、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理を開始させること、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項10】
システム内の湿度を検知する湿度検知手段をさらに備え、
前記タイミング算出手段は、当該検知した湿度と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出し、
前記初期化処理制御手段は、前記初期化処理として、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理を開始させること、
を特徴とする請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記記憶手段は、当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングの各種組み合わせを記憶し、
前記設定手段は、前記各種組み合わせのうちの一の選択を受け付け、
前記タイミング算出手段は、選択された一の組み合わせに基づいて、初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項12】
画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムの起動方法であって、
予め、初期化に要する初期化時間を初期化時間テーブルに記憶しておき、
当該システムの使用可能タイミングを記憶し、
前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを算出し、
時間を計時し、
前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、初期化処理開始を管理し、
前記初期化処理開始の管理に従って、初期化処理を開始させること、
を特徴とする起動方法。
【請求項13】
画像を記録媒体表面に出力するプリンタ部を含む画像形成システムの起動方法であって、
予め、初期化に要する初期化時間を前記各種初期化処理毎に初期化時間テーブルに記憶しておき、
当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングを記憶し、
前記使用可能タイミング前であって前記初期化時間前の初期化開始タイミングを前記各種使用条件に対応して実行される初期化処理毎に算出し、
時間を計時し、
前記計時される時間と前記初期化開始タイミングとの比較に基づき、初期化処理開始を管理し、
前記初期化処理開始の管理に従って、各種初期化処理を開始させること、
を特徴とする起動方法。
【請求項14】
前記各種使用条件と前記使用可能タイミングの設定を受け付け、前記設定された各種使用条件と使用可能タイミングを記憶すること、
を特徴とする請求項13記載の起動方法。
【請求項15】
前記各種使用条件の設定では、予め、一方の使用条件の設定内容に応じて他の使用条件の設定内容が固定される依存関係情報を記憶しておき、当該依存関係情報に従って、前記一方の使用条件の設定内容に応じて、前記他の使用条件の設定内容を設定許可又は不許可とすること、
を特徴とする請求項14記載の起動方法。
【請求項16】
画像を読み取るスキャナ、又は画像を受信するファクシミリの何れかを少なくともさらに備える画像形成システムについての請求項13記載の起動方法であって、
前記使用条件として、前記プリンタ部、前記スキャナ部、又は前記ファクシミリ部の使用の有無を記憶すること、
を特徴とする起動方法。
【請求項17】
前記初期化開始タイミングの算出では、予め、一方の初期化処理完了後に他方の初期化処理を開始させる初期化実行順序情報を記憶しておき、当該初期化実行順序情報に従って、前記一方の初期化処理の初期化開始タイミングを、前記使用可能タイミングと前記他方の初期化処理の初期化開始タイミングとに基づき算出すること、
を特徴とする請求項12又は13記載の起動方法。
【請求項18】
画像が出力された記録媒体を製本する各種製本装置をさらに備える画像形成システムについての請求項13記載の起動方法であって、
前記使用条件として、各種製本装置の使用の有無を記憶すること、
を特徴とする起動方法。
【請求項19】
前記初期化処理には、補正処理又はクリーニング処理の何れかが少なくとも含まれ、当該補正処理の実行回数、又はクリーニング処理の実行回数をカウントし、
前記初期化開始タイミングの算出では、補正処理実行カウンタ又はクリーニング処理実行カウンタが所定値に達すると、前記補正処理又は前記クリーニング処理毎に初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項12又は13記載の起動方法。
【請求項20】
前記初期化処理には、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理が含まれ、
システム内の気温を検知し、
前記初期化開始タイミングの算出では、当該検知した気温と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項12又は13記載の起動方法。
【請求項21】
前記初期化処理には、加熱される被加熱部材をウォームアップするウォームアップ処理が含まれ、
システム内の湿度を検知し、
前記初期化開始タイミングの算出では、当該検知した湿度と前記使用可能タイミングに基づき、前記ウォームアップ処理の初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項12又は13記載の起動方法。
【請求項22】
当該システムの各種使用条件と使用可能タイミングの各種組み合わせを記憶し、
前記各種使用条件の設定では、前記各種組み合わせのうちの一を選択させ、
前記初期化開始タイミングの算出では、選択された一の組み合わせに基づいて、初期化開始タイミングを算出すること、
を特徴とする請求項12記載の起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−201605(P2007−201605A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−15168(P2006−15168)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】