説明

画像形成装置、及び初期画面表示方法

【課題】画像形成装置の起動の要因に応じて初期画面を表示させる。
【解決手段】画像形成装置1は、画像形成に関する複数の機能(コピー機能、スキャナ機能等)を有し、これらの機能に対応する画面(コピー画面311、スキャン画面312等)を表示部31に表示させる。記憶部120には、システム起動の起動要因と初期画面とが対応付けられて記憶されており、起動要因入力部から起動要因が入力されると、制御部110は起動要因判別制御処理によって、起動要因を判別し、要因別初期画面表示制御処理によって、起動要因に応じた初期画面をシステム起動時に表示部31に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び初期画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機能、スキャン機能、プリント機能等を有する複合型の画像形成装置が開発されている。この画像形成装置には、操作パネルが供えられており、ユーザは、操作パネルを介して各種指示入力を行う。
【0003】
操作パネルには、画像形成装置において現在実行中のジョブの進行状況や、画像形成装置を構成する各部品の状態等の各種情報を表示させることもできる。これらの画面の表示切替は、操作パネルからのユーザ入力によって行われる。
また、画像形成装置に電源が投入され、画像形成装置が起動されると、操作パネルには初期画面が表示される。ユーザの初期操作性を高めるために、画像形成装置の起動時に表示すべき初期画面を決定する技術が種々考案されている。
【0004】
特許文献1には、予め設定された各種機能に対応する操作画面や使用頻度に応じた操作画面を画像形成装置の表示部に初期画面として表示させる技術が記載されている。
特許文献2には、電源投入時等に動作する機能を特定するための設定値をメモリに設定し、この設定値によって特定される機能に対応する初期画面を表示部に表示させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−124068号公報
【特許文献2】特開2007−267254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、予め設定された各種機能に対応する操作画面又は使用頻度に応じた操作画面を画像形成装置の起動時の初期画面として表示させることはできるが、画像形成装置の起動の要因に応じて初期画面を表示させているわけではなく、ユーザの初期操作性を高めることができない。例えば、画像形成装置がパワーセーブモードの状態において、スキャナ機能を使用するためのボタンが押下されることにより起動したにも関わらず、初期画面としてコピー機能に対応する画面が表示された場合、スキャナ機能に対応する画面にいちいち画面遷移しなければならない。
【0007】
特許文献2に記載の技術も同様であり、予め指定された設定値に基づいて初期画面を表示させても、画像形成装置の起動の要因に応じて初期画面を表示させているわけではないので、ユーザの初期操作性を高めることができない。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の起動の要因に応じて初期画面を表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
画像形成に関する複数の機能を有する画像形成装置であって、
前記機能に対応する画面を表示する表示部と、
前記画像形成装置の起動時に前記表示部に表示すべき初期画面と前記画像形成装置の起動要因情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記起動要因情報を取得する情報取得部と、
前記画像形成装置の停止時に前記情報取得部から起動要因情報が入力されると前記画像生成装置を起動させ、当該起動要因情報と前記記憶部に記憶された起動要因情報とを比較することにより前記表示部に表示すべき初期画面を決定し、当該決定された初期画面を前記表示部に表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記起動要因情報は、前記画像形成装置の電源スイッチのオン/オフ信号であって、
前記制御部は、前記電源スイッチからスイッチオンの信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記画像形成装置は、外部端末又はタンデムマスタ機とデータ送受信可能に接続され、
前記起動要因情報は、前記外部端末又は前記タンデムマスタ機から送信されたプリントデータを受信した旨の受信通知情報であって、
前記制御部は、前記受信通知情報が入力されると、初期画面としてジョブリスト画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記起動要因情報は、原稿の載置を検知する紙検知センサの検知信号であって、
前記制御部は、前記検知信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記起動要因情報は、前記画像形成装置に対して各種指示入力を行うためのタッチパネルに対する外部からのタッチ検出信号であって、
前記制御部は、前記タッチ検出信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記起動要因情報は、前記画像形成装置に対して各種指示入力を行うための操作ボタンが選択された旨の信号であって、
前記制御部は、前記信号が入力されると、初期画面として当該入力に対応する機能の画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記起動要因情報は、前記画像形成装置の再起動を指示するオートリセットの指示であって、
前記制御部は、前記オートリセットの指示が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、
画像形成に関する複数の機能を有し、前記機能に対応する画面を表示する表示部と、 起動時に前記表示部に表示すべき初期画面と起動要因情報とを対応付けて記憶する記憶部と、制御部と、を備える画像形成装置の起動時の初期画面を表示する方法であって、
前記制御部によって、前記画像形成装置の停止時に起動要因情報が入力されると前記画像形成装置を起動させ、当該起動要因情報と前記記憶部に記憶された起動要因情報とを比較することにより前記表示部に表示すべき初期画面を決定し、当該決定された初期画面を前記表示部に表示させる工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像形成装置の画像形成装置の起動の要因に応じて初期画面を表示させることができる。よって、画像形成装置の起動時の操作を低減させることができるので、使いやすい画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態における画像形成装置の概略断面構成を示す模式図である。
【図2】図1の画像形成装置の制御ブロック図である。
【図3】本実施の形態における起動要因の一覧である。
【図4】図2のLCDに表示されるコピー画面の一例である。
【図5】図2のLCDに表示されるスキャン画面の一例である。
【図6】図2のLCDに表示されるジョブリスト画面の一例である。
【図7】本実施の形態における初期画面表示制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態における起動要因判別制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態における要因別初期画面表示制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略断面構成図を示す。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取部20、プリント部40等を備えて構成される。画像形成装置1は、原稿dから画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成して出力するコピー機能、読み取った画像のデータを電子メール等で外部装置2に送信するスキャナ機能、外部装置2等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等を含むジョブを受信し、受信したジョブに基づいて画像を用紙P上に形成して出力するプリント機能等の複数の機能を有している。
【0021】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)や紙検知センサ21a等の自動原稿送り部21と読取部22とを備える。自動原稿送り部21の紙検知センサ21aによって、原稿トレイ21bに原稿dが載置されたことが検知される。この検知信号は、後述する制御部110に送信される。
原稿トレイ21bに載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)22aにより原稿dの画像が読み取られる。CCD22aによって読み取られる画像は、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含まれる。
【0022】
画像読取部20により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する画像制御基板100の読取処理部140に出力され、読取処理部140においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0023】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部41、搬送部42、画像形成部43、定着部44、搬出部45、搬出待機部46を備えて構成される。
【0024】
給紙部41は、用紙Pの斤量やサイズ毎に用紙Pが格納される複数の給紙トレイ、搬送部に用紙Pを給紙する給紙手段、積載された用紙Pを給紙ローラによって一枚ずつ搬送部42に向けて搬送する手差しトレイ等を備える。
【0025】
搬送部42は、給紙部41から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経て二次転写ローラへと搬送し、用紙Pを画像形成部43に搬送する。
【0026】
画像形成部43は、感光体ドラムの周囲に設置された帯電装置や露光装置、中間転写ベルト等によって構成され、画像データに基づく静電潜像が現像されたトナー画像を中間転写ベルト上に転写して最大4色(イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像を形成する。また、画像形成部43は、他にも、中間転写ベルトにトナーが一次転写された後、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等を除去する。
【0027】
定着部44は、熱源を有する加熱ローラや加熱ベルト等の回転定着部材と、この回転定着部材に圧接してニップ部を形成する加圧ローラ等によって構成される。定着部44は、用紙Pに二次転写されたトナー像を熱定着する。
【0028】
搬出部45は、複数の排紙ローラ、搬出口、及び排紙面切替経路等によって構成される。搬出部45は、トナー像が定着された用紙Pを排紙ローラに挟持させて搬出口から搬出待機部46へ搬出したり、トナー像が定着された用紙Pを排紙ローラに挟持させて搬出待機部46に排紙する用紙Pの用紙面を切り替えるための排紙面切替経路に搬送した後に搬出口から搬出待機部46へ搬出する。
【0029】
搬出待機部46は、複数の排紙ローラと搬出路等から構成される。搬出待機部46は、搬出部45の搬出口から搬入された用紙Pを搬出路に搬送させた後に排紙トレイ47に排紙させる。
【0030】
図2に、画像形成装置1の制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラ1bから構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置2やタンデムマスタ機Mと相互にデータ送受信可能に接続されている。タンデムマスタ機Mとは、画像形成装置1と略同様の機能を持ち、複数の画像形成装置の管理を行う。タンデムマスタ機Mから画像形成装置1に対してプリンタデータの入力があった際には、画像形成装置1は、このプリンタデータに基づいて画像形成を実行する。
【0031】
本体部1aは、画像読取部20、表示部31とタッチパネル32等を有する操作表示部30、プリント部40、電源部50、画像制御基板100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM130に展開し、RAM130に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0033】
また、制御部110は、外部装置2や電源部50等から入力される起動要因に基づいて、画像形成装置1の起動を制御する。起動要因とは、停止した画像形成装置1を起動させるために制御部110に対して入力される指示のことである。通信部14、紙検知センサ21a、操作表示部30、電源部50は、起動要因を制御部110に対して入力する情報取得部Kとして機能する。また、本実施の形態において、画像形成装置1の停止とは、電源スイッチ51がオフにされて画像形成装置1の各部への電源供給が停止された場合、後述するパワーセーブモード、又はオートリセットの際にいったん画像形成装置1が停止されることをいう。
【0034】
図3に、画像形成装置1の起動要因の一例を示す。図3に示すように、停止した画像形成装置1の起動要因となるのは、「電源スイッチオン」、「パワーセーブモード解除」、「オートリセット」の3つに分けられる。
【0035】
電源スイッチオンとは、後述する電源スイッチ51が入力されることである(以降、要因Aという。)。
【0036】
パワーセーブモード解除は、外部端末2等による外部データの入力と、画像形成装置1へのユーザ入力による機械操作とに分けられる。パワーセーブモードとは、システムの停止の一態様であり、画像形成装置1を構成する各部品のうち、予め指定された部品に対する電源部50からの電源供給を停止させることをいう。パワーセーブモードの状態で、パワーセーブモード解除の起動要因が制御部110に対して入力された場合、これらの部品に対する電源部50からの電源供給を開始させる旨の指示が、電源制御部500に対して送信される。
【0037】
外部データの入力とは、外部端末2から通信部14を介してプリントデータが画像形成装置1に対して入力されること(以降、要因Bという。)や、タンデムマスタ機Mから各種データが入力されること(以降、要因Cという。)である。
機械操作とは、画像読取部20のADFへの原稿dの載置(以降、要因Dという。)、タッチパネル32へのタッチ(以降、要因Eという。)、操作ボタン33の押下である。操作ボタン33の押下は、更にスキャナボタン33aの押下(以降、要因Fという。)、スキャナボタン33a以外のその他のボタンの押下(以降、要因Gという。)である。
【0038】
オートリセットとは、画像形成装置1をいったん停止させて再起動を行うことをいう。オートリセットは、一定時間経過毎に制御部110によって実行されてもよいし、タッチパネル32からの入力により実行されるようにしてもよい。起動要因が「オートリセット」とは、これらの指示入力が制御部110に対して入力されることを示す(以降、要因Hという)。
【0039】
図2に戻り、記憶部120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態に係る初期画面表示制御処理のプログラム、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、記憶部120は、システム起動時に表示部31に表示すべき初期画面を起動要因毎に記憶する。
【0040】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータ、ジョブを構成する各種データ等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
【0041】
読取処理部140は、画像読取部20の画像読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0042】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0043】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸長IC180による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。例えば、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存が指示されると、読取処理部140から入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC180により伸長処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0044】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とペ
ージメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力用の画像データ(プリントデータ)を一時的に格納するためのメモリである。
【0045】
伸長IC180は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0046】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された画像データに基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部40に出力する。
【0047】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部31、表示部31を覆うように設けられたタッチパネル32、各種指示入力を行うテンキー等の操作ボタン33(スキャナボタン33aを含む)、操作表示制御部300等から構成される。操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、画像形成装置1の各種機能に対応する画面を表示部31に表示させる。また、操作表示制御部300は、タッチパネル32又は操作ボタン33が押下されることにより選択指示が受け付けられ、この選択指示に基づく操作信号を制御部110に出力する。
【0048】
図4に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示されるコピー画面311を示す。コピー画面311は、画像読取部20に原稿dを読み取らせ、プリント部40に画像形成の開始を指示するための画面である。
【0049】
図5に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示されるスキャン画面312を示す。スキャン画面312は、画像読取部20に原稿dを読み取らせ、読み取りデータを記憶部120に記憶したり、通信部14を介して外部装置2に対して送信する旨の指示を入力するための画面である。
【0050】
図6に、操作表示制御部300の制御によって表示部31に表示されるジョブリスト画面313を示す。ジョブリスト画面313は、画像形成装置1において現在実行中のジョブの一覧を表示させたり、次に実行すべきジョブの順番の入れ替えを指示するための画面である。
【0051】
コピー画面311、スキャン画面312、又はジョブリスト画面313の表示切替はタッチパネル32からの入力によって行うことができる。他にも、ジョブ保存機能、ジョブ読出し画面、機械状態を表示させるための画面(いずれも図示せず)も同様にタッチパネル32からの入力によって表示の切り替えを行うことができる。
【0052】
プリント部40は、図1に示した給紙部41、搬送部42、画像形成部43、定着部44、搬出部45、搬出待機部46等のプリント出力に係る各部やプリント制御部400を備えて構成される。プリント制御部400は、CPU、ROM、RAM等により構成されており、制御部110からの指示に従って各部の動作を制御し、書込処理部190から入力されたプリントデータに基づいて用紙Pを搬送して画像形成を行わせ排紙トレイ47に排紙させる。
【0053】
電源部50は、電源スイッチ51、電源制御部500等から構成され、画像形成装置1を構成する各部に対して外部からの電源を供給する。電源スイッチ51は、電源のオン/オフを指示するための主電源スイッチ及び副電源スイッチ等から構成され、電源制御部500に対してこれらの指示を入力する。電源制御部500は、電源スイッチ51や制御部110から電源供給の指示が入力された場合、画像形成装置1を構成する各部に対して外部からの電源を供給するよう制御を行う。
【0054】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。プリンタコントローラ1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続された外部装置2から画像形成装置1に対して送信されたデータの管理及び制御を行うものであり、外部装置2からプリント対象のデータを受信し、このデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0055】
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリ13、通信部14から構成される。
【0056】
コントローラ制御部11は、プリンタコントローラ1b各部の動作を統括的に制御し、通信部14を介して、外部装置2から入力されるデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0057】
DRAM制御IC12は、通信部14により受信されたデータの画像メモリ13への格納や、画像メモリ13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0058】
画像メモリ13は、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0059】
通信部14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2やタンデムマスタ機Mからデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0060】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図7に、画像形成装置1の停止時において起動要因が制御部110に対して入力された際に、制御部110によって実行される初期画面表示制御処理のフローチャートを示す。初期画面表示制御処理は、制御部110と記憶部120に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0061】
まず、画像形成装置1が起動される(ステップS1)。次いで、起動要因判別制御処理が実行され(ステップS2)、起動要因が判別される。この判別された起動要因に基づいて、要因別初期画面表示制御処理が実行される(ステップS3)。
【0062】
図8に、ステップS2において実行される起動要因判別制御処理のフローチャートを示す。起動要因判別制御処理は、制御部110と記憶部120に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0063】
まず、起動要因が電源スイッチ51の主電源又は副電源のスイッチがオンにされたことによる指示であるか否かが判断される(ステップS21)。主電源又は副電源のスイッチがオンにされたことによる指示であると判断されない場合(ステップS21;NO)、外部からのデータ入力による指示であるか否かが判断される(ステップS22)。
【0064】
外部からのデータ入力による指示であると判断されない場合(ステップS22;NO)、スキャナボタン33aからの操作入力による指示であるか否かが判断される(ステップS23)。
【0065】
主電源又は副電源のスイッチがオンにされたことによる指示であると判断された場合(ステップS21;YES)、又はスキャナボタン33aからの操作入力による指示であると判断されない場合(ステップS23;NO)、起動要因が要因A、D、E、G、又はHであることがRAM130に記憶される(ステップS24)。
【0066】
スキャナボタン33aからの操作入力による指示であると判断された場合(ステップS23;YES)、起動要因が要因FであることがRAM130に記憶される(ステップS25)。
【0067】
外部からのデータ入力による指示であると判断された場合(ステップS22;YES)、この外部からのデータ入力が外部機器2からのプリンタデータの入力であるか否かが判断される(ステップS26)。
【0068】
プリンタデータの入力であると判断された場合(ステップS26;YES)、起動要因が要因BであることがRAM130に記憶される(ステップS27)。
【0069】
プリンタデータの入力であると判断されない場合(ステップS26;NO)、起動要因が要因CであることがRAM130に記憶される(ステップS28)。
このように、ステップS24、ステップS25、ステップS27、又はステップS28においてRAM130に起動要因が記憶され、起動要因判別制御処理は終了する。
【0070】
図9に、ステップS3において実行される要因別初期画面表示制御処理のフローチャートを示す。要因別初期画面表示制御処理は、制御部110と記憶部120に記憶されたプログラムとの協働により実行される。
【0071】
まず、RAM130に記憶された起動要因が何であるかが判断される(ステップS31)。起動要因が、要因A、D、E、G、又はHである場合(ステップS31;AorDorEorGorH)、記憶部120に記憶された起動要因毎の初期画面の設定が参照され、初期画面がコピー画面311であるか否かが判断される(ステップS32)。
【0072】
初期画面の設定がコピー画面311であると判断された場合(ステップS32;YES)、表示部31にコピー画面311を表示させるよう操作表示制御部300に対して指示が送信される(ステップS33)。
【0073】
初期画面の設定がコピー画面311であると判断されない場合(ステップS32;NO)、表示部31にスキャナ画面312を表示させるよう操作表示制御部300に対して指示が送信される(ステップS34)。
【0074】
起動要因が要因Bである場合(ステップS31;B)、記憶部120に記憶された起動要因毎の初期画面の設定が参照され、表示部31にジョブリスト画面313を表示させるよう操作表示制御部300に対して指示が送信される(ステップS35)。
【0075】
起動要因が要因Cである場合(ステップS31;C)、記憶部120に記憶された起動要因毎の初期画面の設定が参照され、初期画面が表示部31にコピー画面311を表示させるよう操作表示制御部300に対して指示が送信される(ステップS36)。
【0076】
起動要因が要因Fである場合(ステップS31;F)、記憶部120に記憶された起動要因毎の初期画面の設定が参照され、初期画面が表示部31にスキャナ画面312を表示させるよう操作表示制御部300に対して指示が送信される(ステップS37)。
【0077】
以上のように、本実施の形態における画像形成装置1によれば、初期画面表示制御処理によって、画像形成装置1の起動要因に応じた初期画面を決定し、画像形成装置1の起動時には、この初期画面を表示部31に表示させることができる。したがって、画像形成装置1のユーザは、この初期画面から初期操作入力を行うことができ、初期操作性が向上する。
【0078】
また、起動要因が要因A、D、E、G、Hである場合、初期画面設定に基づいてコピー画面又はスキャナ基本画面を表示させることができ、初期操作性が向上する。同様に、起動要因が要因B、要因C、要因Fの場合はそれぞれジョブリスト画面、コピー画面、スキャナ基本画面を表示させることができ、初期操作性が向上する。
【0079】
なお、上述した本実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、本実施の形態においては、起動要因は要因A〜要因Hとしたが、画像形成装置1の起動を指示するための予め定められた起動要因であればよく、これに限られない。例えば、コピー部数を入力するためのテンキーが入力された場合に、この入力を起動要因としてもよい。
【0080】
また、起動要因に対応する初期画面は、記憶部120に記憶され、予め定められた画面であればよく、本実施の形態における例に限られない。例えば、上記のようにテンキーの入力による起動要因で画像形成装置1が起動した場合には、コピー画面であってもスキャナ画面であってもよい。他の起動要因についても同様であり、画像形成装置1のユーザによって任意に設定されていてよい。
【0081】
また、本実施の形態における記憶部120以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0082】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラ
2 外部装置
3 ネットワーク
11 コントローラ制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリ
14 通信部
20 画像読取部
21 自動原稿送り部
21a 紙検知センサ
21b 原稿トレイ
22 読取部
22a CCD
200 画像読取制御部
30 操作表示部
31 表示部
311 コピー画面
312 スキャン画面
313 ジョブリスト画面
32 タッチパネル
33 操作ボタン
33a スキャナボタン
300 操作表示制御部
40 プリント部
41 給紙部
42 搬送部
43 画像形成部
44 定着部
45 搬出部
46 搬出待機部
47 排紙トレイ
400 プリント制御部
50 電源部
51 電源スイッチ
500 電源制御部
100 画像制御基板
110 制御部
120 記憶部
130 RAM
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸長IC
190 書込処理部
K 情報取得部
M タンデムマスタ機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に関する複数の機能を有する画像形成装置であって、
前記機能に対応する画面を表示する表示部と、
前記画像形成装置の起動時に前記表示部に表示すべき初期画面と前記画像形成装置の起動要因情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記起動要因情報を取得する情報取得部と、
前記画像形成装置の停止時に前記情報取得部から起動要因情報が入力されると前記画像生成装置を起動させ、当該起動要因情報と前記記憶部に記憶された起動要因情報とを比較することにより前記表示部に表示すべき初期画面を決定し、当該決定された初期画面を前記表示部に表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記起動要因情報は、前記画像形成装置の電源スイッチのオン/オフ信号であって、
前記制御部は、前記電源スイッチからスイッチオンの信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、外部端末又はタンデムマスタ機とデータ送受信可能に接続され、
前記起動要因情報は、前記外部端末又は前記タンデムマスタ機から送信されたプリントデータを受信した旨の受信通知情報であって、
前記制御部は、前記受信通知情報が入力されると、初期画面としてジョブリスト画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記起動要因情報は、原稿の載置を検知する紙検知センサの検知信号であって、
前記制御部は、前記検知信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記起動要因情報は、前記画像形成装置に対して各種指示入力を行うためのタッチパネルに対する外部からのタッチ検出信号であって、
前記制御部は、前記タッチ検出信号が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記起動要因情報は、前記画像形成装置に対して各種指示入力を行うための操作ボタンが選択された旨の信号であって、
前記制御部は、前記信号が入力されると、初期画面として当該入力に対応する機能の画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記起動要因情報は、前記画像形成装置の再起動を指示するオートリセットの指示であって、
前記制御部は、前記オートリセットの指示が入力されると、初期画面としてコピー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成に関する複数の機能を有し、前記機能に対応する画面を表示する表示部と、 起動時に前記表示部に表示すべき初期画面と起動要因情報とを対応付けて記憶する記憶部と、制御部と、を備える画像形成装置の起動時の初期画面を表示する方法であって、
前記制御部によって、前記画像形成装置の停止時に起動要因情報が入力されると前記画像形成装置を起動させ、当該起動要因情報と前記記憶部に記憶された起動要因情報とを比較することにより前記表示部に表示すべき初期画面を決定し、当該決定された初期画面を前記表示部に表示させる工程を有することを特徴とする初期画面表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−157967(P2010−157967A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243(P2009−243)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】