説明

画像形成装置、画像形成処理方法及びプログラム

【課題】画像形成装置において画像形成処理部が停止状態にあっても、処理を遅滞させることなく所望の画像を得られるようにするとともに、消費電力を効率的に抑えることを可能とする。
【解決手段】画像処理を行うためのサブボード220が処理不能状態であるか否かを検出し、処理不能状態であると検出された場合に、情報処理を行うためのメインボード200において仮想環境を起動し、該仮想環境で画像処理を行う画像処理部304を動作させる。そして画像処理部304で処理したデータを、サブボード220が処理可能状態になった時点でサブボード220に転送し、プリントエンジン227により印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置や複合機能装置等の画像形成装置、その画像形成処理方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の機能が追加された印刷装置や複合機能装置等の画像形成装置においては、省エネルギの観点から消費電力削減が望まれており、機能追加に伴う消費電力の上昇を如何に抑えるかが技術課題となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−268594号公報
【特許文献2】特開平10−016304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の画像形成装置は単一のシステムにおいて画像形成処理を行うように構成されているため、システム中で最も電力を消費するプリントエンジンへの電力供給を抑えようとした場合には画像形成装置全体の電力を落とす必要があった。
【0005】
更に電力を落とした場合等により画像形成装置全体が停止してしまった場合、処理中の印刷出力等が滞ってしまうという問題が発生してしまう。係る問題を解消する技術として例えば特許文献1には、複数台の画像形成装置により分散出力を行っている際に、一台の画像形成装置における処理が停止すると、他の画像形成装置に処理を代替させ、代替先から印刷出力を行う方法が開示されている。
【0006】
しかしながら上記特許文献1に記載の方法では、所望の画像形成装置から出力結果が得られない場合があった。更には、当初出力予定だった画像形成装置と代替先の画像形成装置とでプリントエンジンの特性が異なる場合には、画像の濃淡等の出力結果に差が出るようなことも考えられる。
【0007】
一方で近年、印刷装置や複合機能装置等の画像形成装置に対する機能追加の要求は多岐に渡り、これらを的確に処理するために情報処理を行うハードウェアの性能向上が継続的に図られている。例えば、最新のCPU(中央処理装置)では、複数のOS(オペレーティングシステム)を多重動作させることを可能にする仮想化と呼ばれる技術が搭載されてきている。
【0008】
本発明は係る実情に鑑み、仮想化技術を利用することで、画像形成装置において画像形成処理を行うシステムが停止状態にあっても、処理を遅滞させることなく所望の画像を得られるようにし、更に消費電力を効率的に抑え得る画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、第一システム、第二システム及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置であって、前記第一システムは、前記第二システムと通信を行う第一通信手段と、前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により前記第二システムが処理不能状態であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動手段と、前記仮想環境で画像処理を行う第一画像処理手段とを有し、前記第二システムは、前記第一システムと通信を行う第二通信手段と、前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理手段と、前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御手段とを有し、前記出力エンジンは、前記出力エンジン制御手段の制御により、画像処理されたデータを画像として出力することを特徴とする。
また、本発明の画像形成処理方法は、第一システム、第二システム、及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置による画像形成処理方法であって、前記第一システムにおいて前記第二システムと通信を行う第一通信ステップと、前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出ステップと、前記検出ステップにより、前記第二システムが処理不能であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動ステップと、前記仮想環境で動作する画像処理手段により画像処理を行う第一画像処理ステップと、前記第二システムにおいて前記第一システムと通信を行う第二通信ステップと、前記第二システムにおいて前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理ステップと、前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御ステップと、前記出力エンジン制御手ステップの制御により、画像処理されたデータを画像として出力するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、第一システム、第二システム、及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置による画像形成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第一システムにおいて前記第二システムと通信を行う第一通信ステップと、前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出ステップと、前記検出ステップにより、前記第二システムが処理不能であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動ステップと、前記仮想環境で動作する画像処理手段により画像処理を行う第一画像処理ステップと、前記第二システムにおいて前記第一システムと通信を行う第二通信ステップと、前記第二システムにおいて前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理ステップと、前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御ステップと、前記出力エンジン制御ステップの制御により、画像処理されたデータを画像として出力するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば第二システムへの電源供給を必要な場面にのみ限定することが可能となり、画像形成装置において消費電力を効率的に抑えることができる。また過負荷等により一時的に第二システムが処理を受け付けられない場合であっても、第二システムで行う画像処理を第一システムが行うことで、異なる画像形成装置に処理させた場合に生じ得る画像出力の差異を回避でき良好な画像出力を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザービームプリンタ(以下、カラーLBPと呼ぶ)の構成例を示す断面図である。
【0012】
図1に示すカラーLBP100は、外部に接続されているホストコンピュータから供給されるプリントデータ(文字コードや画像データ等)及び制御コードから成る印刷命令を受信して記憶する。そしてカラーLBP100は、受信した印刷命令に従って、対応する文字パターンやイメージ等を作成し記録媒体の一例としての記録紙上に可視像を形成する。
【0013】
カラーLBP100において、フォーマッタ制御部110は、外部機器であるホストコンピュータから供給される印刷命令を解析し、印刷イメージの生成処理を行うとともに、カラーLBP100の制御を行う。フォーマッタ制御部110はまた、ユーザによる操作及びユーザに対する状態通知のためのオペレーション・パネル部120と接続する。
【0014】
オペレーション・パネル部120は、スイッチ及びLED表示器等を配して構成されており、例えばカラーLBP100の筐体の一部として実装されている。フォーマッタ制御部110は、生成された最終的な印刷イメージをビデオ信号として出力制御部130に送出する。
【0015】
出力制御部130は、カラーLBP100の不図示の各種センサからの状態入力とともに、光学ユニット140及び各種駆動系機構部に対し制御信号を出力し、カラーLBP100の印刷処理制御をつかさどる。
【0016】
次に、カラーLBP100における印刷動作を、各構成要素を参照しながら説明する。
カラーLBP100において、給紙カセット161から給紙された記録紙Pはその先端がグリッパ154fにより狭持されて、転写ドラム154の外周に保持される。光学ユニット140により感光ドラム151上に形成された、4色に色分解された原稿画像の静電潜像は、順次、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色現像器Dy、Dm、Dc、Dbにより現像される。現像結果である各色トナー像を転写ドラム154上の記録紙Pに重ねて転写することにより、記録紙P上に多色画像が形成される。
【0017】
その後、記録紙Pは転写ドラム154から分離されて、定着ユニット155へ搬送される。定着ユニット155では熱と圧力によりトナー像を記録紙Pに定着し、記録紙Pを排紙部159から排紙トレイ部160に排出する。
【0018】
ここで、各色の現像器Dy、Dm、Dc、Dbは、その両端に回転支軸を有し、各々がその軸を中心に回転可能となるように現像器選択機構部152に保持される。これによって、各現像器Dy、Dm、Dc、Dbは、本図に示すように現像器選択のために現像器選択機構部152が回転軸152aを中心にして回転しても、その姿勢を一定に維持できる構成をとっている。
【0019】
現像器選択機構部152は現像器Dy、Dm、Dc、Dbと一体となり、支点153bを中心にして、選択機構保持フレーム153がソレノイド153aにより感光ドラム151方向へ引っ張られることで回動する構成になっている。これにより、選択された現像器Dy、Dm、Dc、Dbが現像位置に移動後、各色の現像器Dy、Dm、Dc、Dbが感光ドラム151方向へ移動し、現像処理が行われるようになっている。なお、感光ドラム151は帯電器156によって所定の極性に均一に帯電される。
【0020】
また、フォーマッタ制御部110においてデバイス依存ビットマップとして展開された印刷命令は、対応するパターンのビデオ信号に変換され、不図示のレーザドライバに出力され、半導体レーザ141を駆動する。ビデオ信号入力に応じて半導体レーザ141から発射されるレーザ光は、オン/オフ制御されつつ、スキャナモータ143によって高速回転するポリゴンミラー142で反射され、ポリゴンレンズ144や反射鏡145を介して感光ドラム151上を走査露光する。これにより、感光ドラム151上にはビデオ信号に対応した静電潜像が形成される。静電潜像においては、例えばM(マゼンタ)色の静電潜像がM(マゼンタ)色の現像器Dmにより現像され、感光ドラム151上にM(マゼンタ)色の第1のトナー像が形成される。
【0021】
また静電潜像と並行して所定のタイミングで記録紙Pが給紙される。そして、トナーと反対極性(例えばプラス極性)の転写バイアス電圧が転写ドラム154に印加されることで、感光ドラム151上の第1トナー像が記録紙Pに転写されると共に、記録紙Pが転写ドラム154の表面に静電吸着される。その後、感光ドラム151はクリーナー157によって残留するM(マゼンタ)色トナーが除去され、次の色の潜像形成及び現像工程に備える。以下同様の手順によってC(シアン)、Y(イエロー)、Bk(ブラック)の順で第2、3、4色目のトナー像の転写が行われる。但し、各色の転写時には、転写ドラム154には前回よりも高いバイアス電圧が印加される点は異なる。
【0022】
4色のトナー像が重畳転写された記録紙Pの先端部が分離位置に近づくと、分離爪158が接近してその先端が転写ドラム154の表面に接触し、記録紙Pを転写ドラム154から分離する。分離された記録紙Pは定着ユニット155に搬送され、ここで記録紙上のトナー像が定着されて排紙トレイ部160上に排出される。
【0023】
なお、本発明に係る画像形成装置は、ここで説明したカラーLBP100に限られるものではなく、インクジェット方式や熱転写方式等、他の方式のカラー或いはモノクロの印刷装置や複合機能装置であってもよい。
【0024】
図2は、カラーLBP100を制御するとともに、本発明に係る処理を実現するコントローラボードの構成図である。本装置は大きく分けて、一般的な情報処理をつかさどるメインボード200(図1のフォーマッタ制御部110の機能を含む)と、画像処理をつかさどるサブボード220(図1の出力制御部130の機能を含む)とから構成される。なお、メインボード200とサブボード220を1つのボードとして構成することが可能であることは言うまでも無いが、説明を簡潔にするため本実施の形態では、メインボード200とサブボード220の2つから構成される場合を例に取って以降の説明をする。なお、メインボード200は本発明でいう第一システム、サブボード220は本発明でいう第二システムの構成例に対応するものである。
【0025】
メインボード200には、起動プログラムが格納された不揮発性メモリであるブートロム201、起動プログラム及び他のプログラムを実行する演算装置であるCPU202、プログラムやデータを一時的に格納する揮発性メモリ203が実装される。また、サブボード220との接続をつかさどるバスコントローラ204、ハードディスク装置(HDD)206を制御するディスクコントローラ205も実装される。更には、外部装置である情報処理装置との通信をつかさどるネットワークやUSB(Universal Serial Bus)等を制御する通信コントローラ207等も実装される。なお、バスコントローラ204は本発明でいう第一通信手段の一構成例に対応する。
【0026】
一方、サブボード220には、起動プログラムが格納された不揮発性メモリであるブートロム221、起動プログラムや他のプログラムを実行する演算装置であるCPU222、プログラムやデータを一時的に格納する揮発性メモリ223が実装される。また、メインボード200との接続をつかさどるバスコントローラ225、画像形成処理を高速に実行するハードウェアである画像プロセッサ224も実装される。更には、デバイスを制御するデバイスコントローラ226も実装される。デバイスコントローラ226は、接続されたプリントエンジン227等の画像形成デバイスの制御を実行するものである。なお、バスコントローラ225は本発明でいう第二通信手段の一構成例に対応する。
【0027】
以下、本実施の形態に係るカラーLBP100における画像形成処理について説明するが、その前に、まず図7を用いて従来の画像形成装置における画像形成処理を図7の機能構成図を用いて説明する。なお、画像形成処理とは、入力されたデータを画像処理し、その後に印刷出力する処理をいうものとする。
【0028】
図7に示す情報処理装置(ホストコンピュータ)701は、画像形成装置702に対して画像形成要求を送信する。画像形成装置702は受信した画像形成要求に基づき画像形成処理を行う。画像形成装置702は、大きく分けて、コントローラボード703及びプリントエンジン704から構成される。即ち、画像形成処理は、主にコントローラボード703及びプリントエンジン704とで行われることになる。
【0029】
ここでコントローラボード703は、データ解析部705、PDL処理部706、画像処理部707、デバイス制御部708を機能手段として有する。また、プリントエンジン704は、濃度測定部710を有する。以下、これら各部によって具体的に実現される画像形成処理について説明する。
【0030】
情報処理装置701からジョブと呼ばれる画像形成処理要求を受信すると、データ解析部705はその内容を解析し、処理不能なデータであれば処理を中止して情報処理装置701に対してエラーを返却する。一方、処理可能なデータであれば、データ解析部705は、該データをPDL処理部706に転送する。PDL処理部706においては、受信したデータ中のPDL(ページ記述言語)と呼ばれる画像出力命令を解析し、中間データを生成する。PDLの解析が完了すると、画像処理部707において、先に生成した中間データを基に、濃度補正、色処理、変倍処理等の画像処理を行い、印刷イメージを生成する。中間データに対する処理が完了すると、デバイス制御部708で印刷イメージをプリントエンジン704に送ることにより印刷出力が得られる。
【0031】
なお、プリントエンジン704で印刷出力を生成する際に、温度や湿度、トナー残量等の条件によっては、実際に出力されるトナー濃度が想定濃度と異なってしまう場合がある。係る問題を解決するため、例えば特許文献2で開示されるように、パッチと呼ばれる濃度測定用のパターンを出力し、これを読み取るような、パッチ検出が広く用いられている。これにより、現在の環境における出力濃度を測定し、この測定値を基に画像処理のパラメータを調整することで、意図した画像出力を実現することが可能となる。図7では、濃度測定部710がパッチ検出に相当し、この測定値は濃度補正値709として、コントローラボード703内に格納され、画像処理部707による画像処理により用いられる。
【0032】
次に、本実施の形態に係るカラーLBP100における画像形成処理を図3の機能構成図を用いて説明する。本実施の形態に係る画像形成処理では、該画像形成処理における画像処理工程を2系統で行い得るようにした点で上述したような従来の画像形成装置702と異なる。以下、詳細を説明するが、上述図2や図7と同じ要素については同符号で示し、説明を省略する。
【0033】
図3において、情報処理装置(ホストコンピュータ)701はカラーLBP100に対して画像形成要求(本発明でいう「入力されたデータ」に対応する)を送信する。カラーLBP100における画像形成処理は、コントローラボードにおけるメインボード200及びサブボード220、並びにプリントエンジン227で行われる。
【0034】
情報処理をつかさどるメインボード200において、データ解析部301は情報処理装置701からの画像形成要求を解析する。そして、解析の結果、処理不能なデータであれば処理を中止して情報処理装置701に対してエラーを返却し、処理可能なデータであれば、該データをPDL処理部302に転送する。PDL処理部302においては、受信したデータに含まれるPDL(ページ記述言語)と呼ばれる画像出力命令を解析し、中間データを生成し、一旦、HDD206に格納する。
【0035】
中間データを格納した後、PDL処理部302は、画像形成処理をつかさどるサブボード220で処理を受付可能かどうか(換言すれば、処理不能状態であるか否か)の判定を待つ。そして、PDL処理部302は、判定に応じて、仮想環境で動作する画像処理部304又はサブボード220内の画像処理部307に中間データを転送する。
【0036】
具体的にはサブボード220が受付可能な(換言すれば、処理可能状態である)場合、PDL処理部302はHDD206から中間データを読み出し、画像処理部307に転送する。そして画像処理部307は、先に生成した中間データを基に、濃度補正、色処理、変倍処理等の画像処理を行い、印刷イメージを生成する。このようにして中間データに対する処理が完了するとデバイス制御部306は、印刷イメージをプリントエンジン227に送ることにより印刷出力が得られる。
【0037】
一方、サブボード220が受付不能な場合は、PDL処理部302は、HDD206から中間データを読み出し、仮想環境管理部303により起動された仮想環境409(図4において後述する)で動作する画像処理部304に転送する。そして画像処理部304は、先に生成した中間データを基に、濃度補正、色処理、変倍処理等の画像処理を行い、印刷イメージを生成する。このようにして中間データに対する処理が完了すると画像処理部304は、デバイス制御部306に印刷イメージを転送する。そしてデバイス制御部306は、印刷イメージをプリントエンジン227に送ることにより、印刷出力が得られる。
【0038】
また、画像処理部304及び画像処理部307は、プリントエンジン227における濃度測定部309と接続しており、濃度測定部309が検出した測定値を濃度補正値305或いは308として、画像処理の際に用いるようにしている。ここで画像処理部304及び画像処理部307は、濃度測定部309から取得した測定値をHDD206等の記憶媒体に一時的に格納するようにしてもよい。なお、ここで説明した濃度測定部309からの測定値を取得する構成は本発明でいう出力エンジン特性測定手段の一構成例に対応する。
【0039】
図4は、情報処理をつかさどるメインボード200において仮想化技術を適用した場合の処理を説明するためのブロック図である。上述の図2で説明したとおり、メインボード200はCPU202、揮発性メモリ203、周辺チップ等のハードウェア資源401を有している。そしてメインボード200では、メインOS/ドライバ402がハードウェア資源401を制御して、プログラム実行環境を提供することにより、情報処理系の機器制御アプリケーション404が動作している。
【0040】
メインボード200では更に、メインOS/ドライバ402が提供する実行環境上で、VM(仮想マシン)403を動作させ、VM403上に仮想環境409を動作させることができる。VM403は、仮想環境409で動作するゲストOS/ドライバ405に対し、あたかも、ハードウェア資源401にアクセスしているかのように見せかける、ハードウェア資源401のエミュレーションプログラムと言うことができる。
【0041】
また、ゲストOS/ドライバ405上では、画像処理プログラム407と画像チップエミュレータ408が動作する。画像処理プログラム407は、画像処理を高速に行う画像チップ(図示しない)を利用するために、仮想画像チップドライバ406を呼び出す。仮想画像チップドライバ406は、メインボード200上に画像チップが存在しないため、画像チップエミュレータ408を呼び出して画像処理を行わせる。そして、その結果を画像処理プログラム407に返却する。以上のような仮想化技術により、仮想環境409上で画像処理部304を、サブボード220側の画像処理部307と同様の処理で動作させることができるようになる。なお、ここで説明した仮想画像チップドライバ406の処理は、本発明でいう仮想画像処理ドライバの処理に対応する。
【0042】
以下、図5のフローチャートを用いて、本実施の形態に係るカラーLBP100のコントローラボードによる画像形成処理の流れについて説明する。
【0043】
まず図5(A)において、カラーLBP100がホストコンピュータ701からジョブを受信すると、ステップS501においてデータ解析部301は、ジョブの解析を行う。解析の結果、ジョブの形式が正常であり、PDLを含む場合にはステップS502において、PDL処理部302がPDLの解析を行う。
【0044】
次にステップS503において、PDL処理部302は、PDL解析により得られた文字、図形、画像等のオブジェクトに分解された中間データをHDD206等に格納(スプール)する。
【0045】
PDL解析による中間データの格納が完了するとステップS504において、サブボード220が画像形成処理を受付可能かどうかを判定(検出)する。ここでの検出は、CPU202がバスコントローラ204を介して行うものとする。なお、ステップS504の処理は、本発明でいう検出手段の一処理例に対応する。また、サブボード220が画像形成処理を受付不能である場合については、サブボード220がスリープ中である場合、再起動処理中である場合、又はユーザ自身が処理を停止させた場合等が考えられる。
【0046】
ステップS504でサブボード220が受け付け可能と判定された場合は図5(B)に示すステップS505以降の処理をサブボード220で実行する。
【0047】
ステップS505においては、画像処理部307がステップS503で格納された中間データに対し色処理を実行するが、ここで濃度測定部309から取得した濃度補正値308を用いることで、想定濃度で出力されるように調整される。
【0048】
そして、ステップS506において画像処理部307はその他の所定の画像処理を実行し、その後、得たイメージデータを、ステップS507において画像メモリに展開する。画像メモリへのイメージデータの展開が完了するとステップS508において、デバイス制御部306は、プリントエンジン227を制御することにより、イメージデータを印刷出力する。なお、ここまでの説明において、ステップS505及びステップS506の処理は本発明でいう第二画像処理手段の一処理例に対応する。また、ステップS508の処理は本発明でいう出力エンジン制御手段及び出力エンジンの処理に対応する。
【0049】
一方、ステップS504でサブボードが処理を受付できないと判定された場合はステップS509において、仮想環境管理部303が仮想環境409を起動し、画像処理部304を動作させる。仮想環境が起動するとステップS511においてPDL処理部302は、仮想環境409上で動作する画像処理部304にステップS503で格納された中間データを転送する。なお、ステップS509の処理は本発明でいう仮想環境起動手段の一処理例に対応する。
【0050】
そしてステップS512において画像処理部304は、中間データに対し色処理を行い、ステップS513においてその他の所定の画像処理を実行する。ここで、画像処理は、濃度測定部309で測定され、メインボード200により定期的に取得された後HDD206等に格納されている濃度補正値305を用いて実行される。なお、ステップS512及びS513における処理は、前述の通り、図4に示した、画像処理プログラム407及び画像チップエミュレータ408により実行されるものである。また、ステップS512及びS513の処理は本発明でいう第一画像処理手段の一処理例に対応する。
【0051】
その後ステップS507において画像処理部304は、ステップS513で生成されたイメージデータを画像メモリに展開することで、ステップS508においてデバイス制御部306がプリントエンジン227を制御してイメージデータを印刷出力する。なお、本処理においては、ステップS507で画像処理部304がイメージデータを画像メモリに展開するタイミングをサブボード220が処理を可能な状態を待って行うようにする。また転送するイメージデータは、ステップS505及びS506での処理と同様の処理が完了したもの(換言すれば、画像形成単位の処理が完了した画像処理データ)を転送するものとする。
【0052】
また、上述した処理においては、ステップS513で処理が完了した後に、ステップS507でイメージデータを画像メモリに展開するようにしているが、サブボード220が処理可能な状態になった時点でサブボード220側に転送するようにしてもよい。この場合、サブボード220の画像処理部307により画像処理を引き継ぐようにさせる。なお、このようにサブボード220での画像処理を任意のタイミングで停止させるか、又は上述したようにステップS512及びS513での処理の完了をもって停止させるかは、カラーLBP100において任意の選択可能に構成しても構わない。
【0053】
また、上述の処理においてステップS512及びS513で行う処理は、サブボード220で画像処理する場合と相違のないものとしているが、サブボード220で行われる画像処理が汎用画像処理である場合は、汎用画像処理プログラムを実行するのみでよい。
【0054】
以上、本実施の形態では、画像処理をつかさどるサブボード220が処理不能な状態であった場合に、情報処理をつかさどるメインボード200上で仮想環境を起動し、通常サブボード220で行われる画像処理をエミュレートするプログラムを起動する。そして、メインボード200上で画像処理を行うようにし、この処理により得られたイメージデータを、サブボード220が処理可能になった時点でサブボード220に転送して印刷出力を行うようにした。
このような構成により、例えばサブボード220への電源供給を必要な場面にのみ限定するようにすることで、サブボード220及びプリントエンジン227の電源供給を最適化することが可能となり、消費電力を効率的に抑えることができる。また、過負荷等によりサブボード220が一時的に処理を受け付けない場合でもメインボード200上の仮想環境により、途中まで又は全ての画像処理を行うことができるため、ダウンタイムを最小化しスループットの向上が見込まれ、処理を遅滞させることもない。
また、メインボード200側の画像処理部304は、サブボード220側の画像処理部307と同様の処理を実施しているため、画像の劣化等を回避し所望の画像を得ることができる。特に、画像処理部304は、濃度測定部309からプリントエンジンの特性である濃度補正値305を用いて画像処理を行っているため、画像処理部307で処理した画像と同様の画像を得ることができる。なお本例においては、プリントエンジンの特性として濃度測定値を挙げたが、その他の特有の画像処理パラメータであってもかまわない。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第1実施の形態では、メインボード200で仮想環境を実行していたが、本実施の形態ではメインボード200に加えてサブボード220においても仮想環境を実行できるようにする。
【0056】
以下、図6を用いて、サブボード220において仮想環境を実行する例について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と共通する部分については同符号で説明を行うものとする。
【0057】
本実施の形態に係るサブボード220は、図2で示したとおりCPU222、揮発性メモリ223、画像チップ等から構成されるハードウェア資源601を利用するメインOS/ドライバ602の管理の下で、画像処理アプリケーション605を実行する。画像処理アプリケーション605は、メインボード200のPDL処理部302から中間データを取得し、中間データに基づき、色処理、濃度補正、変倍等の画像処理を行う。また、画像処理アプリケーション605は、画像チップドライバ603を介して画像チップを利用することにより高速に画像処理を行っている。そして画像処理が完了すると、プリントエンジン227を制御して画像を印刷出力する。
【0058】
サブボード220で仮想環境を実行させるためには、第1の実施の形態の構成と同様にVM(仮想マシン)604をメインOS/ドライバ602上で動作させる必要がある。ここで本実施の形態では、VM604が仮想環境609においてゲストOS/ドライバ606を展開する。そしてゲストOS/ドライバ606上で画像処理アプリケーション608を動作させるようにする。
【0059】
上述した第1の実施の形態では、メインボード200の仮想環境で動作していた仮想画像チップドライバ406は、画像チップが自装置内に存在しないため、画像処理を画像チップエミュレータ408に行わせていた。一方、本実施の形態では画像処理を行う画像チップが存在する。そのため、画像処理アプリケーション608は仮想環境609上に仮想画像チップドライバ607を呼び出しアクセスを行うが、仮想画像チップドライバ607は画像チップドライバ603と直接アクセスして画像処理を行うようにする。即ち、仮想画像チップドライバ607は、画像処理アプリケーション608から画像処理要求を受け付けた際に、画像チップドライバ603を介して画像チップにより画像処理を行う構成となっている。
【0060】
このような構成により本実施の形態では、サブボード220が処理不能な状態になった間にメインボード200で動作していた仮想環境409をサブボード220に転送させ、画像処理アプリケーション608により処理を再開させるようにする。また本実施の形態では、仮想環境を任意の時点で処理の停止が可能とし、停止した仮想環境自体を同様の仮想環境を提供する他のシステム上に転送することにより、停止状態から再開できるようにする。このようにすることで例えばメインボード200上の仮想環境で画像処理を行っている途中でサブボード220が処理可能になると、メインボード200上の仮想環境を停止して該仮想環境をサブボード220に転送し処理を再開するようにすることができる。この場合、画像形成処理においては、サブボード220が提供する画像チップによる高速処理の恩恵を受けることができる。
【0061】
以上、本実施の形態では、サブボード220でも仮想環境を実行可能に構成することにより、サブボード220が処理可能になった時点で、メインボード200で実行している仮想環境を停止させ、この仮想環境をサブボード220に転送するようにした。そして、サブボード220において転送された仮想環境を実行することで、サブボード220が有する画像チップを用いて高速に画像処理を行うことを可能とした。なお、上記では、メインボード200上の仮想環境で画像処理を行っている途中でサブボード220が処理可能になった場合に該仮想環境をサブボード220に転送することを説明したが、このような転送をするか否かを任意に設定できるようにしてもよい。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。第1及び第2の実施の形態では、仮想環境の起動を画像形成装置自身のメインボード200あるいはサブボード220上で行っていた。本実施の形態では、通信コントローラ207を介して、本発明を実現する他の画像形成装置と通信が可能である場合には、当該画像形成装置で仮想環境を起動して、該仮想環境で画像処理を実行し、生成されたイメージデータを取得するようにする。なお、本実施の形態においても、第2の実施の形態で説明したように、画像処理アプリケーション及び画像チップエミュレータを含む仮想環境を、他の画像処理装置に転送して、起動するようにしてもよい。また本実施の形態の構成と、第1又は第2の実施の形態の構成とを組み合わせてよいが、この場合は、他の画像形成装置で仮想環境を起動して、該仮想環境で画像処理を実行するか否かを任意に設定できるようにする。
【0063】
以上のような本実施の形態によれば、LAN(ローカルエリアネットワーク)等を介して、本発明を実現する他の画像形成装置で画像形成処理を行わせることができる。これにより、例えば画像形成装置のメインボードにおける処理が過多の場合であっても、画像形成処理のスループットの低下を極小化することが可能となる。
【0064】
(その他の実施の形態)
なお、本発明を実現するために、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体を用いても良い。この場合には記録媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって本発明の目的が達成される。
【0065】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0066】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0067】
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれることは言うまでもない。
【0068】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。この場合には、書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例としてのカラーレーザービームプリンタ(カラーLBP)の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカラーLBPが有するコントローラボードの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカラーLBPにおける画像形成処理を説明するための機能構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカラーLBPのメインボードにおいて仮想化技術を適用した場合の処理を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るカラーLBPにおける画像形成処理についてのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るカラーLBPのサブボードにおいて仮想環境を実行する例について説明するためのブロック図である。
【図7】従来の画像形成装置における画像形成処理を説明するための機能構成図である。
【符号の説明】
【0070】
100 カラーレーザービームプリンタ(カラーLBP)
110 フォーマッタ制御部
130 出力制御部
200 メインボード
202 CPU
203 揮発性メモリ
204 バスコントローラ
205 ディスクコントローラ
207 通信コントローラ
220 サブボード
222 CPU
223 揮発性メモリ
224 画像プロセッサ
225 バスコントローラ
226 デバイスコントローラ
227 プリントエンジン
401、601 ハードウェア資源
402、602 メインOS/ドライバ
403、604 仮想マシン(VM)
405、606 ゲストOS/ドライバ
407 画像処理プログラム
408 画像チップエミュレータ
603 画像チップドライバ
406、607 仮想画像チップドライバ
608 画像処理アプリケーション
409、609 仮想環境

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一システム、第二システム及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置であって、
前記第一システムは、
前記第二システムと通信を行う第一通信手段と、
前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記第二システムが処理不能状態であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動手段と、
前記仮想環境で画像処理を行う第一画像処理手段とを有し、
前記第二システムは、
前記第一システムと通信を行う第二通信手段と、
前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理手段と、
前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御手段とを有し、
前記出力エンジンは、前記出力エンジン制御手段の制御により、画像処理されたデータを画像として出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一画像処理手段は、前記出力エンジンの特性を利用して画像処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力エンジンの特性を測定する出力エンジン特性測定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段により前記第二システムが処理不能状態であると検出され、前記仮想環境起動手段により前記仮想環境が起動されると、前記第一通信手段は、前記第一画像処理手段と通信を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第一画像処理手段は前記仮想環境において展開する仮想画像処理ドライバにより画像処理を行う構成であり、第二画像処理手段による画像処理が前記第二システムに特有のハードウェアを用いるものであった場合、前記仮想画像処理ドライバは前記第二システムに特有のハードウェアをエミュレートするプログラムを実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第二システムに特有のハードウェアをエミュレートする前記プログラムは、前記出力エンジンの特性を利用して画像処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第二システムが処理可能状態になった場合に、前記第一画像処理手段により実行される画像処理を、画像形成単位で停止するか又は任意の時点で停止するかを選択できるようにしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第二システムが処理可能状態になった場合に、前記第一通信手段により、前記仮想環境自体を前記第二システムに転送するか、又は画像形成単位で処理された画像処理データを前記第二システムに転送するかを選択できるようにしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検出手段により前記第二システムが処理不能状態であると検出された場合に、当該画像形成装置あるいは他の画像形成装置の第一システムで仮想環境を起動して画像処理を行わせるか、又は当該画像形成装置あるいは他の画像形成装置の第一システムに仮想環境を転送及び起動して画像処理を行わせるのかを選択できるようにしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第一システムは情報処理のためのシステムであり、前記第二システムは画像処理のためのシステムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
第一システム、第二システム、及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置による画像形成処理方法であって、
前記第一システムにおいて前記第二システムと通信を行う第一通信ステップと、
前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより、前記第二システムが処理不能であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動ステップと、
前記仮想環境で動作する画像処理手段により画像処理を行う第一画像処理ステップと、
前記第二システムにおいて前記第一システムと通信を行う第二通信ステップと、
前記第二システムにおいて前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理ステップと、
前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御ステップと、
前記出力エンジン制御手ステップの制御により、画像処理されたデータを画像として出力するステップとを有することを特徴とする画像形成処理方法。
【請求項12】
前記検出ステップで前記第二システムが処理不能状態であると検出され、前記仮想環境起動ステップで前記仮想環境が起動されると、前記第一通信ステップは、前記仮想環境で動作する前記画像処理手段と通信を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像形成処理方法。
【請求項13】
第一システム、第二システム、及び出力エンジンを備え、入力されたデータを前記第一システム及び前記第二システムを介して画像処理し、前記出力エンジンにおいて画像として出力する画像形成装置による画像形成処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第一システムにおいて前記第二システムと通信を行う第一通信ステップと、
前記第二システムが処理不能状態であるか否かを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより、前記第二システムが処理不能であると検出された場合に前記第一システムで動作する仮想環境を起動する仮想環境起動ステップと、
前記仮想環境で動作する画像処理手段により画像処理を行う第一画像処理ステップと、
前記第二システムにおいて前記第一システムと通信を行う第二通信ステップと、
前記第二システムにおいて前記第一システムから受信したデータに対して画像処理を行う第二画像処理ステップと、
前記出力エンジンを制御する出力エンジン制御ステップと、
前記出力エンジン制御手ステップの制御により、画像処理されたデータを画像として出力するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−241475(P2009−241475A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92207(P2008−92207)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】