説明

画像形成装置、画像形成方法、およびプログラム

【課題】紙厚のある記録媒体であっても表面と裏面に印刷する両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを精度良く検出して、高精度に補正できるようにする。
【解決手段】記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する両面印刷手段としてのプロッタ装置24と、記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る両面読取り手段としての読取り装置10と、記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する補正パターン位置検出手段としてのCPU18と、補正パターン位置検出手段によって検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出する演算手段としてのCPU18と、演算手段によって算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する補正手段としてのCPU18とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、両面印刷時の画像形成位置は、用紙の縦方向の位置をレジストローラ等で先端を規制することにより決定し、横方向の位置を用紙カセットの中にある規制板、片面が記録された用紙がいったん載置される両面ユニットの規制板、あるいは、その他の規制板で規制することにより決定していた。
【0003】
しかし、上記構成の画像形成装置では、画像形成位置の誤差が大きく、給紙カセットに用紙を補給するだけでもその画像形成位置がずれることがある。そこで、他の画像形成装置では、記録媒体に両面印刷した補正パターンを出力した後、自機の読み取り手段で補正パターンを表面と裏面とを片面ずつ読み取ることにより、両面印刷時の印刷位置ずれを別々に補正するという技術が知られている。
【0004】
また、特許文献1の画像形成装置には、両面印刷時の表面と裏面との印刷位置ずれを補正する目的で、所定の画像を印刷媒体の両面に印刷出力し、第1の面の画像と第2の面の画像の位置ずれを、片面読み取りによって表面と裏面写りとを読み取り、各面の画像形成位置を互いにずれた分だけ移動することで、両面の印刷位置を一致させる補正手段が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記他の画像形成装置にあっては、記録媒体に両面印刷した補正パターンを出力した後、自機の読み取り手段で補正パターンを表面と裏面とを片面ずつ読み取ることによって、両面印刷時の印刷位置ずれを別々に補正していたため、表面と裏面の読み取り精度を考慮する必要があり、その分補正精度が低くなるという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1の画像形成装置にあっては、記録媒体の両面に印刷した補正パターンを読み取り手段で読み取る際に、裏写りを読み取っていたため、紙厚のある記録媒体に補正パターンを印刷すると裏写りを読み取ることができず、所望の補正ができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、紙厚のある記録媒体であっても表面と裏面に印刷する両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを精度良く検出して、高精度に補正することができる画像形成装置、画像形成方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する両面印刷手段と、前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る両面読取り手段と、前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する補正パターン位置検出手段と、前記補正パターン位置検出手段によって検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出する演算手段と、前記演算手段によって算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、前記画像形成装置は、両面印刷手段と、両面読取り手段と、補正パターン位置検出手段と、演算手段と、補正手段を備え、前記両面印刷手段は、記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する工程と、前記両面読取り手段は、前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る工程と、前記補正パターン位置検出手段は、前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する工程と、前記演算手段は、検出された両面の補正パターンの位置から印刷位置ずれの補正量を算出する工程と、前記補正手段は、算出された補正量に基づいて両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置に搭載されるプログラムであって、コンピュータを記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する両面印刷手段と、前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る両面読取り手段と、前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する補正パターン位置検出手段と、前記補正パターン位置検出手段によって検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出する演算手段と、前記演算手段によって算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する補正手段として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録媒体の表面と裏面に印刷された補正パターンを両面読取り手段で一度に読み取り、それぞれの補正パターンの位置を検出して、検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出し、その算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれが補正される。これにより、本発明は、紙厚のある記録媒体であっても表面と裏面に印刷する両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを精度良く検出できると共に、これを高精度に補正することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】図2は、図1の読取り装置の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、補正パターンの出力動作のフローチャートである。
【図4−1】図4−1は、表面に出力した補正パターンの一例を示す図である。
【図4−2】図4−2は、裏面に出力した補正パターンの一例を示す図である。
【図4−3】図4−3は、両面に出力した補正パターンの一例を示す図である。
【図5】図5は、第1の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートである。
【図6−1】図6−1は、表面に出力した補正パターンの別の例を示す図である。
【図6−2】図6−2は、裏面に出力した補正パターンの別の例を示す図である。
【図6−3】図6−3は、両面に出力した補正パターンの別の例を示す図である。
【図6−4】図6−4は、ショックジター回避用の補正パターンを出力した例を示す図である。
【図7】図7は、ADF装置の搬送速度の変化を示す線図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートである。
【図9】図9は、補正パターン出力後の記録媒体の先端付近の拡大図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法、およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更実施の形態が可能である。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。なお、本実施の形態では、本発明における画像形成装置を、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納したデジタル画像形成装置(MFP:Multi Function Peripherals)に適用した例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置などスキャナ機能を備えた装置であれば、いずれの装置にも本発明における画像形成装置を適用することができる。
【0015】
画像形成装置8は、図1に示すように、両面読取り手段としての読取り装置10、画像データ処理装置12、バス制御装置14、HDD(Hard Disk Drive)16、補正パターン位置検出手段と演算手段と補正手段としてのCPU(Central Processing Unit)18、メモリ20、プロッタI/F装置22、両面印刷手段としてのプロッタ装置24、エラー報知手段としての操作表示装置26、回線I/F装置28、外部I/F装置30、S.B.(South Bridge)32、ROM(Read Only Memory)34、および外部メディア用のスロット36等を備えており、汎用規格の拡張バス38を介して接続されている。
【0016】
読取り装置10は、CCD(Charge Coupled Device:光電変換素子)からなるラインセンサと、A/Dコンバータと、それらの駆動回路とを具備しており、読み取り位置に来た原稿をスキャンして得られる原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成して出力するものである。
【0017】
画像データ処理装置12は、読取り装置10から出力されたデジタル画像データに対して予め定めた特性に統一する処理を施して出力するものである。統一する特性とは、画像データをHDD4に蓄積した後、再利用する場合に出力先の画像変換に適する特性のことである。
【0018】
バス制御装置14は、デジタルカラー複合機内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置であり、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。
【0019】
HDD16は、パーソナルコンピュータなどにも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置であり、デジタルカラー複合機内では主にデジタル画像データおよびデジタル画像データの付帯情報(例えば、設定モードなど)を蓄積するものである。本実施の形態においては、IDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。
【0020】
CPU18は、デジタルカラー複合機の制御全体を司るマイクロプロセッサである。CPU18は、高速処理が求められるため、通常起動時にROM34に記憶されたブートプログラムにてシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ20に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施の形態においては、規格化されたパーソナルコンピュータに使用されているDIMMを使用する。
【0021】
メモリ20は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や、接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータを記憶したり、CPU18がデジタルカラー複合機の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶したりする揮発性メモリである。
【0022】
プロッタI/F装置22は、CPU18を介する汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、プロッタ装置24の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行うものである。本実施の形態で使用している汎用規格I/Fは、PCI−Expressバスである。
【0023】
プロッタ装置24は、CMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスを使って、転写紙に受け取った画像データを出力するものである。
【0024】
操作表示装置26は、デジタルカラー複合機とユーザのインタフェースを行う部分で、タッチパネルを設けたLCD(液晶表示装置)と各種処理モード設定キーや、置数キー、スタートキーなどを備えたキースイッチ群から構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのタッチパネルやキースイッチ群を介した入力を検知する。本実施の形態では、読み取りエラーが発生したことをLCDに表示してユーザに知らせるためのエラー報知手段としても用いられる。
【0025】
回線I/F装置28は、PCI−Expressバスと電話回線を接続する装置である。回線I/F装置10により、デジタルカラー複合機は、電話回線を介して画像出力装置(画像処理部)であるFAX50との間で各種データの授受を行うことが可能になる。
【0026】
外部I/F装置30は、PCI−Expressバスと画像出力装置であるPC(パーソナルコンピュータ)52などと接続する装置である。また、外部I/F装置30は、スロット36を介してSDカード等の外部メディア54とも接続する装置である。この外部I/F装置11により、デジタルカラー複合機は、PC52や外部メディア54との間で各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施の形態では、その接続I/Fにネットワーク(Ethernet:登録商標)を使用している。すなわち、画像形成装置8は、外部I/F装置30を介してネットワークに接続されている。なお、外部メディア54は、インストールされたアプリケーションソフトやドライバについて、外部メディア用のスロット36を介して、デジタルカラー複合機に対して各種制御や画像データの入出力を行う。
【0027】
S.B.32は、PC52に使用されるチップセットの一つであり、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスである。主に、PCI−ExpressとISAブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものであり、本実施の形態においてはROM13との間をブリッジしている。
【0028】
ROM34は、CPU18がデジタルカラー複合機の制御を行う際の各種プログラム(ブートプログラムを含む)を格納するメモリである。本実施の形態では、ROM34とCPU18とがPCI‐Expressバスを介して接続されている。
【0029】
なお、本実施の形態において、画像データ処理装置12とCPU18とは、PCI−Expressバスで接続され、HDD4とはATAバスで接続するものであり、ASIC化されている。また、CPU18と操作表示装置26と回線I/F装置28と外部I/F装置30とS.B.32とは、汎用規格の拡張バス38で接続されている。
【0030】
なお、本実施の形態の画像処理装置8で実行されるプログラムは、ROM34等に予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態の画像処理装置8で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0031】
また、本実施の形態の画像処理装置8で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の画像処理装置8で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0032】
また、本実施の形態の画像処理装置8で実行されるプログラムは、上述した各部(両面印刷手段、両面読取り手段、補正パターン位置検出手段、演算手段、補正手段、エラー報知手段等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)18が上記ROM34からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、両面印刷手段、両面読取り手段、補正パターン位置検出手段、演算手段、補正手段、エラー報知手段等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0033】
ここで、プログラムとしては、コピー動作プロセスのプログラム(コピーアプリ)やスキャナ配信プロセスのプログラム(スキャナ配信アプリ)、ファックス送信プロセスのプログラム(ファックスアプリ)などがある。
【0034】
また、ユーザが選択することができる処理モードとしては、カラー/モノクロモード、アプリケーションモードや画質モード等がある。具体的には、カラー/モノクロモードは、フルカラーモード、シングルカラーモード、白黒モードなどがある。アプリケーションモードは、コピーモード、スキャナモード、FAXモード、スキャナ配信モードなどがある。画質モードは、文字モード、文字写真モード、写真モードなどがある。また、これ以外にも、原稿を濃くする、薄くするなどのノッチ情報などがある。
【0035】
図2は、図1の読取り装置の構成を示す断面図である。図2に示す読取り装置10は、原稿を載置するための原稿トレイ100と、原稿を一枚ずつ繰り出すピックアップローラ153、搬送ドラム104、及び排紙ローラ124などからなるADF装置(自動原稿給送装置)を経て、排紙トレイ126に原稿が排出される。搬送路の途中には、読取窓106を介して原稿の表面を読み取る表面用イメージセンサ118と、原稿の裏面を読み取る裏面用イメージセンサ120とが配置されている。
【0036】
裏面用イメージセンサ120には、原稿の裏面画像データを読み取ってアナログの電気信号に変換するCIS(Contact Image Sensor:密着型イメージセンサ)が用いられている。CISは、図示しないLED光源、セルフォックレンズアレイ、イメージセンサ素子、A/D変換回路、デジタル処理回路等で構成されている。また、裏面用イメージセンサ120に対向する位置には、基準白ローラ122が配置されている。
【0037】
表面用イメージセンサ118には、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)が用いられている。表面用イメージセンサ118は、CCDと、CCDからの信号を処理する信号処理部が搭載されたセンサボードユニット(SBU)で構成されている。搬送ドラム104で搬送される原稿の表面画像は、原稿が読取窓106を通過する際に、キセノンランプ108で照明された表面画像がミラー110aを有する第1キャリッジ112と、2枚のミラー110b,110cを有する第2キャリッジ114を経て、レンズ116を通り、表面用イメージセンサ118で読み取られる。また、この読取窓106の傍には、基準白板128が配置されている。
【0038】
このように、本実施の形態の読取り装置10は、ADF装置を備えているため、そのADF装置にセットされた複数枚の原稿を連続的に搬送しながら画像を読み取ることができる。また、この読取り装置10は、原稿両面同時読取対応のADF装置であって、表面用イメージセンサ118と裏面用イメージセンサ120とにより、一回の原稿搬送で両面原稿の表面と裏面の画像データを読み取ることができる。
【0039】
図3は、補正パターンの出力動作のフローチャートであり、図4−1は、表面に出力した補正パターンの一例を示す図であり、図4−2は、裏面に出力した補正パターンの一例を示す図であり、図4−3は、両面に出力した補正パターンの一例を示す図である。図1、図3および図4を用いて、補正パターンの出力動作を説明する。
【0040】
まず、ユーザは、図3に示すように、図1の操作表示装置26の補正パターン出力ボタンを押下すると(ステップS100)、ROM34に蓄積された補正パターンがメモリ20に展開され(ステップS102)、プロッタ装置24により記録媒体の両面に補正パターンを出力する(S104)。このとき、記録媒体の表面と裏面には、図4−3に示すような“+”印の基準点がそれぞれ5個ずつ印刷される。この基準点の印刷位置は、図4−1および図4−2に示すように、記録媒体の先端部から、それぞれDa〜Diの距離にあって、表面と裏面のパターンが重ならない位置にある(図4−3参照)。
【0041】
なお、本実施の形態では、図4に示すように、1面における基準点の個数を5個としたが、必ずしもこれに限定される必要はなく、印刷位置ずれの影響を受けやすい記録媒体の四隅にあって、基準点同士の距離ができるだけ離れているものであれば、検出精度を保つことができる。
【0042】
図5は、第1の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートである。図5に示すように、上記図3の補正パターンの出力動作により出力された補正パターンを、図2の読取り装置10のADF装置の原稿トレイ100にセットする(ステップS200)。CPU18は、ユーザから操作表示装置26の読み取り開始ボタンの押下があると(ステップS202)、読取り装置10に対して補正パターンの読み取りを開始させる。
【0043】
まず、補正パターンの表面(図4−1)を読取り装置10の表面用イメージセンサ118により検出する(ステップS204)。表面の補正パターンが検出されない場合は(ステップS204でNo)、一定時間Taが経過したか否かを判断し(ステップS206)、経過していなければステップS204に戻る。一定時間Taが経過していれば、エラー処理1が行われる。エラー処理1とは、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨を操作表示装置26のLCDに表示する処理をいう。
【0044】
また、ステップS204において、補正パターンの表面(図4−1)が読取り装置10の表面用イメージセンサ118により検出された場合は(ステップS204でYes)、ステップS208に移行し、補正パターンの裏面(図4−2)を読取り装置10の裏面用イメージセンサ120により検出する。裏面の補正パターンが検出されない場合は(ステップS208でNo)、一定時間Tbが経過したか否かを判断し(ステップS210)、経過していなければステップS208に戻る。一定時間Tbが経過していれば、エラー処理2が行われる。エラー処理2は、エラー処理1と同様に、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示する。
【0045】
また、ステップS208において、補正パターンの裏面(図4−2)が読取り装置10の裏面用イメージセンサ120により検出された場合は(ステップS208でYes)、ステップS212に移行し、補正パターンの表面が検出されたタイミングを基準として、表面と裏面との検出時間の差が一定時間Tc未満でなければ(ステップS212でNo)、エラー処理3が行われる。エラー処理3は、エラー処理1と同様に、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示する。
【0046】
また、ステップS212において、補正パターンの表面が検出されたタイミングを基準として、表面と裏面との検出時間の差が一定時間Tc未満であれば(ステップS212でYes)、表面と裏面との検出時間の差の有無を検出し、検出時間差が無ければ補正不要となり、補正は実行されない。
【0047】
また、ステップS214において、表面と裏面との検出時間の差があれば(ステップS214でNo)、表面と裏面との検出時間差に基づいて補正量を演算する(ステップS216)。この補正量の演算は、補正パターンの表面と裏面との相対的な検出時間差から実行されるが、複数ある補正パターンの表面と裏面との検出時間差の平均値を用いる。そして、その補正量から両面印刷時の裏面の画像形成位置を副走査方向に補正することにより(ステップS218)、本発明の目的である表面と裏面の画像形成位置を合わせることができる。
【0048】
なお、上記した「表面と裏面との検出時間の差」とは、表面用イメージセンサ118の検出位置である読取窓106と、裏面用イメージセンサ120の検出位置との物理的な間隔(距離)Ds(図2に示した間隔)と、読取り装置10が補正パターンを読み取る速度から算出される時間のことである。また、イメージセンサの表面と裏面との距離Dsに応じて、記録媒体に印刷する表面と裏面との補正パターンの位置(基準点“+”の印刷位置)を、以下の(1)式の関係式が成り立つように配置することにより、補正パターンの表面と裏面を各イメージセンサで検出する検出タイミングの差に起因する測定誤差を小さくすることができる。
Ds=(Dg−Da)×A=(Dh−Db)×B=(Di−Dc)×C・・・(1)
(A,B,C:任意の定数)
【0049】
このように、本第1の実施の形態では、記録媒体の表面と裏面に形成された補正パターンを表面用イメージセンサと裏面用イメージセンサとを用いて一回の搬送で検出できるため、表面と裏面の読み取り精度を考慮する必要がなく、検出精度を上げることができる。
【0050】
また、本第1の実施の形態では、補正パターンにおける基準点の印刷位置を、記録媒体の表面と裏面のパターンが重ならない位置に配置するようにしたため、裏写りにより誤検出や、表裏同じ位置に印刷することによる弊害(例えば、トナーの定着不良、インクの滲み等)を防止することができる。
【0051】
また、本第1の実施の形態では、表面用イメージセンサと裏面用イメージセンサとの間隔(Ds)に対応させて、記録媒体に印刷する表面と裏面の補正パターンを配置するようにしたため、補正パターンの表面と裏面との検出タイミングの差に起因する測定誤差を小さくすることができる。
【0052】
さらに、本第1の実施の形態では、補正パターンが一定時間読み取れなかった場合に、操作画面に読み取りエラーを表示するようにしたため、ユーザに補正パターンの読み取りが失敗したことを知らせることができる。なお、ここでは操作画面上にエラー表示を行うようにしたが、これに限定されず、音声や光等ユーザが認識可能な手段を用いてエラー発生を知らせるものであれば良い。
【0053】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の特徴は、補正パターンの検出をより適切に行えるようにする点にある。画像形成装置の基本的な構成については、第1の実施の形態の図1および図2と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
図6−1は、表面に出力した補正パターンの別の例を示す図であり、図6−2は、裏面に出力した補正パターンの別の例を示す図であり、図6−3は、両面に出力した補正パターンの別の例を示す図であり、図6−4は、ショックジター回避用の補正パターンを出力した例を示す図であり、図7は、ADF装置の搬送速度の変化を示す線図であり、図8は、第2の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートであり、図9は、補正パターン出力後の記録媒体の先端付近の拡大図である。
【0055】
まず、ユーザは、第1の実施の形態と同様に、図3のフローチャートに示す操作表示装置の補正パターン出力ボタンを押下すると(ステップS100)、ROMに蓄積された補正パターンがメモリに展開されて(ステップS102)、プロッタ装置24により記録媒体の両面に補正パターンを出力する(S104)。このとき、記録媒体の表面と裏面には、図6−3に示すように、“+”印の基準点がそれぞれ5個ずつ印刷される。この基準点の印刷位置は、図6−1および図6−2に示すように、記録媒体の端部から、それぞれDa〜Diの距離にあって、表面と裏面のパターンが重ならない位置にある(図6−3参照)。
【0056】
図6に示す補正パターンは、図4の補正パターンと比べると、記録媒体端部からの距離が裏面の方が表面よりも短くなっている点に特徴がある。つまり、記録媒体端部から各補正パターンの“+”印の基準点までの距離の大小関係を比較すると、Dg>Da,Dh>Db,Di>Dcの関係が成り立つ。そして、第2の実施の形態では、図2に示す表面用イメージセンサと裏面用イメージセンサとの距離Dsに対して、記録媒体に印刷する表面と裏面との補正パターンの位置(基準点“+”の印刷位置)が以下の(2)式の関係が成り立つように配置されている。
Ds=Dg−Da=Dh−Db=Di−Dc・・・(2)
このように補正パターンを配置することにより、表面と裏面の補正パターンは、上記2つのイメージセンサによって同時に検出することができる。
【0057】
これは、図7に示すように、ADF装置の搬送速度は、搬送ムラにより常に変化しているため、表面と裏面の補正パターンの検出タイミングが異なると、補正パターンの検出結果も異なってくる。つまり、補正パターン検出時におけるADF装置の搬送速度が図7に示すように表面と裏面で異なると、搬送速度の違いが検出距離の違いとなって表れ、検出精度が悪くなる。これに対して、本第2の実施の形態では、表面と裏面を各イメージセンサで同じタイミングで検出できるように、補正パターンを配置したため、搬送速度の変動による搬送ムラを回避することができ、検出精度を向上させることが可能となる。
【0058】
また、図6−4に示すように、ADF装置で原稿を読み取る際には、記録媒体の搬送方向の先端部と後端部(図6−4のハッチングで示した部分)でショックジターの影響を受け易くなる。ショックジターとは、記録媒体の先端部が加圧部材の間に突入する時と、記録媒体の後端部が加圧部材の間から抜け出るときに、搬送速度が急激に変動する現象をいう。このため、図6−4に示すハッチング部分に補正パターンが印刷されていると、ショックジターの影響によって補正パターンの検出タイミングにずれが生じることが想定される。そこで、第2の実施の形態では、ショックジターの影響を受けない記録媒体の箇所(図6−4のハッチング以外の箇所)に補正パターンを印刷することにより、ショックジターの影響を回避することができ、表面用イメージセンサ118と裏面用イメージセンサ120とで安定して補正パターンを読み取ることができる。
【0059】
本第2の実施の形態では、以上のように構成されている。以下では、図8を用いて両面印刷時における印刷位置ずれの補正動作を説明する。まず、図3の補正パターンの出力フローチャートに基づいて、図6−3に示すように、記録媒体の両面にそれぞれ補正パターンを印刷する。ユーザは、読取り装置10のADF装置に補正パターンが印刷された記録媒体をセットし(ステップS300)、操作表示装置26の読み取り開始ボタンを押下すると(ステップS302)、補正パターンの読み取りが開始される。
【0060】
ここで、補正パターンの表面/裏面が読取り装置10の各イメージセンサにより同時に検出された場合は、補正が不要となる(ステップS304でYes)。また、ステップS304で補正パターンの表面/裏面が同時に検出されなかった場合は(ステップS304でNo)、ステップS306に移行して、補正パターンの表面を検出したか否かを検出する。補正パターンの表面が検出されない場合は(ステップS306でNo)、ステップS308に移行して、補正パターンの裏面が検出されたか否かを検出する。補正パターンの裏面が検出されずに(ステップS308でNo)、一定時間Taが経過していない場合は(ステップS310でNo)、上記ステップS304に戻る。また、補正パターンの裏面が検出されずに(ステップS308でNo)、一定時間Taが経過した場合は(ステップS310でYes)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理1が行われる。
【0061】
また、上記ステップS308において、補正パターンの裏面が検出された場合(ステップS308でYes)は、補正パターンの表面の検出の有無を判断する(ステップS312)。ここで、補正パターンの表面が検出されなくて(ステップS312でNo)、一定時間Tcが経過しない場合は(ステップS314でNo)、ステップS312に戻る。また、補正パターンの表面が検出されずに(ステップS312でNo)、一定時間Tcが経過した場合は(ステップS314でYes)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理2が行われる。ステップS312において、補正パターンの表面が検出された場合は(ステップS312でYes)、後述するステップS320に移行する。
【0062】
また、上記ステップS306において、補正パターンの表面が検出されて(ステップS306でYes)、補正パターンの裏面が検出されない場合は(ステップS316でNo)、一定時間Tbの経過の有無を判断し(ステップS318)、一定時間Tbが経過していなければステップS316に戻るが、一定時間Tbが経過していれば、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理3が行われる。
【0063】
また、ステップS306で補正パターンの表面が検出され(ステップS306でYes)、ステップS316で補正パターンの裏面が検出された場合は(ステップS316でYes)、ステップS320において、補正パターンの表面と裏面との検出時間差が一定時間Tc未満か否かを判断する。表面と裏面との検出時間差がTc未満であれば(ステップS320でYes)、表面と裏面との検出時間差から補正量をCPU18にて演算するが(ステップS322)、表面と裏面との検出時間差がTc未満でなければ(ステップS320でNo)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理4が行われる。
【0064】
ここで、補正パターンの表面と裏面のどちらが先に検出されたかにより、副走査への補正方向が変わる(ステップS324)。つまり、裏面が先に検出された場合は(ステップS324でYes)、裏面印刷位置が副走査後端方向となるように補正が行われ(ステップS326)、表面が先に検出された場合は(ステップS324でNo)、裏面印刷位置が副走査先端方向となるように補正が行われる(ステップS328)。これにより、両面印刷時における表面と裏面の画像形成位置を適切な位置に調整することができる。
【0065】
また、補正パターンをADF装置で読み取る際に、一定時間Ta,Tb,Tcが経過しても補正パターンの検出が確認されない場合は、補正パターン読み取りエラーが発生した旨を操作表示装置26のLCDに表示するようにしたが、読み取りエラー発生の検出方法は時間だけでなく、表面と裏面との検出間隔が所定のライン数内に収まっているか否かによっても検出することが可能である。
【0066】
さらに、補正パターンの表面と裏面を間違えてADF装置にセットしてしまうことも想定される。このため、本第2の実施の形態では、図9に示すように、補正パターンが印刷された記録媒体の上端部に、「↑こちらを表にして矢印の方向にセットして下さい。」などの注意文を印刷することにより、ユーザが補正パターンを正しい向きと面でADF装置にセットすることができる。
【0067】
このように、本第2の実施の形態では、補正パターンを表面と裏面で同時に検出されるように配置したため、補正パターンをADF装置で搬送する際の搬送ムラを回避して、検出精度を上げることができる。
【0068】
また、本第2の実施の形態では、ショックジターの影響を受けない記録媒体の箇所に補正パターンを印刷するようにしたため、安定して補正パターンを読み取ることが可能となり、検出精度を上げることができる。
【0069】
また、本第2の実施の形態では、補正パターンが一定時間読み取れなかった場合、あるいは、表面と裏面との補正パターンの検出間隔が所定のライン数内に収まっていなかった場合に、操作画面に読み取りエラーを表示するようにしたため、ユーザに補正パターンの読み取りが失敗したことを知らせることができる。
【0070】
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、補正パターンの表面と裏面との検出時間を先に検出される表面を基準とし、裏面が検出されるまでの時間を測定していたが、第3の実施形態では、記録媒体の端部(以下、紙エッジともいう)を基準とし、補正パターンまでの検出時間を測定する点に特徴がある。
【0071】
図10は、第3の実施の形態に係る両面印刷時の印刷位置ずれ補正動作のフローチャートである。まず、図3の補正パターンの出力フローチャートに基づいて、記録媒体の両面に、例えば図4−3に示すような補正パターンをそれぞれ印刷する。ユーザは、読取り装置10のADF装置に補正パターンが印刷された記録媒体をセットし(ステップS400)、操作表示装置26の読み取り開始ボタンが押下されると(ステップS402)、補正パターンの読み取りが開始される。
【0072】
ここで、CPU18は、読み取られた画像データに基づいて、補正パターンが印刷されている記録媒体の端部、つまり、紙エッジが検出されたか否かを判断する(ステップS404)。紙エッジの検出がなく(ステップS404でNo)、一定時間Taが経過しない場合は(ステップS406でNo)、ステップS404に戻る。一定時間Taが経過した場合は(ステップS406でYes)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理1が行われる。
【0073】
また、補正パターンの紙エッジが検出された場合は(ステップS404でYes)、補正パターンの表面(図4−1)を読取り装置10の表面用イメージセンサ118により検出する(ステップS408)。表面の補正パターンが検出されなくて(ステップS408でNo)、一定時間Tbが経過しない場合は(ステップS410でNo)、ステップS408に戻る。一定時間Tbが経過した場合は(ステップS410でYes)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理2が行われる。
【0074】
また、ステップS408において、補正パターンの表面(図4−1)が読取り装置10の表面用イメージセンサ118により検出された場合は(ステップS408でYes)、ステップS412に移行し、補正パターンの裏面(図4−2)を読取り装置10の裏面用イメージセンサ120により検出する。裏面の補正パターンが検出されなくて(ステップ412でNo)、一定時間Tcが経過しない場合は(ステップS414でNo)、ステップS412に戻る。一定時間Tcが経過した場合は(ステップS414でYes)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理3が行われる。
【0075】
また、ステップS412において、補正パターンの裏面(図4−2)が読取り装置10の裏面用イメージセンサ120により検出された場合は(ステップS412でYes)、ステップS416に移行し、補正パターンの紙エッジ(端部)が検出されたタイミングを基準として、表面と裏面との検出時間の差が一定時間Td未満でなければ(ステップS416でNo)、補正パターンの読み取りエラーが発生した旨をLCDに表示するエラー処理4が行われる。
【0076】
また、ステップS416において、補正パターンの紙エッジが検出されたタイミングを基準として、表面と裏面との検出時間の差が一定時間Td未満であれば(ステップS416でYes)、表面と裏面の補正パターンの検出時間の差の有無を判定する(ステップS418)。検出時間に差が有る場合は(ステップS418でNo)、表面と裏面との検出時間差に基づいて補正量を演算するが(ステップS420)、検出時間に差が無ければ補正不要となり、補正は実行されない。
【0077】
また、上記ステップS420における補正量の演算は、補正パターンが印刷された記録媒体の端部である紙エッジを基準として検出された値に基づいて実行されるため、補正パターンの表面と裏面を同じ時系列で管理することが可能となり、検出精度を向上させることができる。そして、算出された補正量から両面印刷時の裏面の画像形成位置を副走査方向に補正することにより(ステップS422)、本発明の目的である表面と裏面の画像形成位置を合わせることができる。
【0078】
このように、本第3の実施の形態では、補正パターンの位置を検出する際に、記録媒体の端部(紙エッジ)を基準として検出するようにしたため、記録媒体の表面と裏面に印刷された補正パターンを同じ時系列で管理できることから検出精度を上げることができる。そして、第3の実施の形態に係る画像形成装置は、この検出値に基づいて補正量の演算をCPU18で行い、両面印刷時における両面の画像形成位置を適正な位置に補正することができる。
【符号の説明】
【0079】
8 画像形成装置
10 読取り装置
12 画像データ処理装置
14 バス制御装置
16 HDD
18 CPU
20 メモリ
22 プロッタI/F装置
24 プロッタ装置
26 操作表示装置
28 回路I/F装置
30 外部I/F装置
32 S.B.
34 ROM
36 スロット
38 拡張バス
118 表面用イメージセンサ
120 裏面用イメージセンサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開平10−246992号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する両面印刷手段と、
前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る両面読取り手段と、
前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する補正パターン位置検出手段と、
前記補正パターン位置検出手段によって検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出する演算手段と、
前記演算手段によって算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記両面印刷手段は、前記記録媒体の表面と裏面に前記補正パターンを印刷する際に、前記記録媒体の端部から前記補正パターンまでの距離が、表面と裏面とで異なるように印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記両面印刷手段は、前記両面読取り手段に設置された補正パターンを検出する表面用イメージセンサと裏面用イメージセンサとの間隔に対応させて、前記記録媒体の表面と裏面の補正パターンが配置されるように印刷することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記両面印刷手段は、前記両面読取り手段が前記補正パターンを読み取る際に、前記表面用イメージセンサと前記裏面用イメージセンサとがそれぞれの面に印刷された補正パターンを同時に検出できるように、前記記録媒体に印刷する表面と裏面の補正パターンの位置を調整して印刷することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記両面印刷手段は、前記両面読取り手段が前記補正パターンを読み取る際に、搬送速度が変動し易い前記記録媒体の搬送方向の先端部と後端部の一定領域を除き、前記補正パターンを印刷することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記両面読取り手段は、前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを読み取る際に、前記記録媒体のそれぞれの面の端部と、前記補正パターンとを読み取り、
補正パターン位置検出手段は、前記記録媒体のそれぞれの面の前記記録媒体の端部を基準として、当該面に印刷されている補正パターンの位置を検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
エラーの発生をユーザに知らせるエラー報知手段をさらに備え、
前記両面読取り手段は、前記記録媒体に印刷された補正パターンを読み取る際に、前記記録媒体の表面と裏面の補正パターンの検出間隔が所定のライン数内に収まらない場合に、前記エラー報知手段により読み取りエラーの発生をユーザに知らせることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、両面印刷手段と、両面読取り手段と、補正パターン位置検出手段と、演算手段と、補正手段を備え、
前記両面印刷手段は、記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する工程と、
前記両面読取り手段は、前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る工程と、
前記補正パターン位置検出手段は、前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する工程と、
前記演算手段は、検出された両面の補正パターンの位置から印刷位置ずれの補正量を算出する工程と、
前記補正手段は、算出された補正量に基づいて両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
画像形成装置に搭載されるプログラムであって、
コンピュータを
記録媒体の表面と裏面に補正パターンを印刷する両面印刷手段と、
前記記録媒体の両面に印刷された補正パターンを一度に読み取る両面読取り手段と、
前記記録媒体の両面から読み取ったそれぞれの補正パターンの位置を検出する補正パターン位置検出手段と、
前記補正パターン位置検出手段によって検出された両面の補正パターンから印刷位置ずれの補正量を算出する演算手段と、
前記演算手段によって算出された補正量に基づいて、両面印刷時における表面と裏面の印刷位置ずれを補正する補正手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−186241(P2011−186241A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52245(P2010−52245)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】