画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム
【課題】複数のユーザが認証印刷を行う場合に錯誤によるトラブルを避けてセキュリティをより向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数のユーザは、それぞれ印刷ジョブを画像形成装置に送信し、認証カードを認証装置に読み取らせ、その印刷ジョブの印刷を行う。画像形成装置のCPUは、認証カードから読み取った各ユーザのユーザ属性情報に応じてユーザグループを作成し、そのユーザグループに印刷ジョブをグルーピングする(S301)。CPUは、ユーザグループ毎に印刷ジョブのデータを読み出す(S303)。CPUは、ユーザグループ毎に、印刷ジョブについて印刷方法を設定し(S305)、印刷を実行する(S307)。ユーザグループ毎に、異なる印刷タイミングや異なる排出先で印刷物を出力し、印刷物の取り違えなどを防止することができる。
【解決手段】複数のユーザは、それぞれ印刷ジョブを画像形成装置に送信し、認証カードを認証装置に読み取らせ、その印刷ジョブの印刷を行う。画像形成装置のCPUは、認証カードから読み取った各ユーザのユーザ属性情報に応じてユーザグループを作成し、そのユーザグループに印刷ジョブをグルーピングする(S301)。CPUは、ユーザグループ毎に印刷ジョブのデータを読み出す(S303)。CPUは、ユーザグループ毎に、印刷ジョブについて印刷方法を設定し(S305)、印刷を実行する(S307)。ユーザグループ毎に、異なる印刷タイミングや異なる排出先で印刷物を出力し、印刷物の取り違えなどを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、認証装置によるユーザの認証結果に基づいて印刷ジョブを実行する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認証装置によりユーザを認証することができる電子写真式の画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)がある。このような画像形成装置は、例えば、ユーザを認証することにより、画像形成装置に保存された印刷ジョブをプリント可能である。印刷ジョブは、例えば画像形成装置に接続されたPC(Personal Computer)などから画像形成装置に送信され、画像形成装置に保存される。
【0003】
このような画像形成装置としては、複数の印刷ジョブを保存しておき、認証されたユーザ分の印刷ジョブを実行するものがある。この動作は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、複数のユーザからそれぞれ印刷ジョブが送信され、画像形成装置には複数の印刷ジョブが保存される。この状態で、あるユーザが認証を行うと、画像形成装置は、認証されたユーザ分の印刷ジョブを実行する。このようにして行われる印刷を、マルチジョブにおける認証印刷と呼ぶことがある。マルチジョブにおける認証印刷は、特に、画像形成装置を多くのユーザで利用する場合に便利である。認証されたユーザの印刷ジョブを一律に実行して、他のユーザの印刷ジョブは保存したままで認証が行われるまで待機することができ、印刷物のセキュリティを確保することができるからである。
【0004】
なお、下記特許文献1は、プリント管理装置がクライアント端末からの印刷要求に基づいて印刷ジョブを生成する印刷処理システムを開示している。この印刷処理システムでは、ユーザをグループに分け、グループ毎に印刷可能部数の上限値を設けて、各グループの印刷可能部数を管理する。プリント管理装置は、印刷可能なグループ、そのグループに属するユーザ、そのグループで印刷可能な部数の上限値、グループ毎の印刷可能部数並びにそのグループに属する各ユーザの印刷履歴の各情報を、各文書について管理する。これにより、同じグループに属する他のユーザが印刷してくれた文書などについての重複印刷を防止して、資源の浪費を防止している。
【0005】
また、下記特許文献2は、ICカードを持つ利用者が単独で複写機の操作モードを設定できる複写機を開示している。複写機は、利用者毎のICカードなどを読み込んだとき、当該ICカードなどに記憶されたコードに対応するモード設定情報を読み出す。また、複写機は、読み出したモード設定情報に応じて、操作モードを自動設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−92505号公報
【特許文献2】特開平5−88425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置を属性が互いに異なる複数のユーザで利用する場合、上記のようなマルチジョブにおける認証印刷に関して以下のような問題が生じることがある。ここで属性とは、例えば、職位などの階層に関するものや、所属部門、所属サイト(Site)、所属会社、在籍場所などの所属に関するものである。
【0008】
例えば、複数のユーザが比較的短い時間に連続してカード認証を行った場合、それらのユーザ分の印刷ジョブが連続して実行される。各ユーザによる印刷物は、例えば所定の排紙トレイに連続して出力される。そのため、各ユーザは自分の印刷物を判別しにくくなり、錯誤によるトラブルが発生しやすくなる。トラブルとしては、印刷物の取り違えがある。また、トラブルとしては、ユーザが、自分の印刷物を排紙トレイから取り損ね、その印刷物を排紙トレイに残してしまうことがある。
【0009】
階層が上位であるユーザの印刷物や所属会社が他のユーザとは異なるユーザの印刷物が取り違えられたり排紙トレイに残ったりすると、印刷物の内容によっては、機密情報の漏えいにつながる。
【0010】
また、例えば在籍場所が異なり、互いに居所が離れている複数のユーザ間で印刷物の取り違えが発生し、別のユーザが印刷物を自席に持ち帰ったりすると、印刷物を取り戻すことが困難になることがある。所属部門や所属サイト、所属会社などが異なるユーザ間で印刷物の取り違えが発生した場合も、同様である。
【0011】
なお、特許文献1および特許文献2には、このように複数のユーザでマルチジョブにおける認証印刷を行う場合に生じる取り違えなどに関する解決策は何ら開示されていない。
【0012】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、複数のユーザが認証印刷を行う場合に錯誤によるトラブルを避けて、セキュリティをより向上させることができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントするものであって、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピング手段と、グルーピング手段によりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定手段とを備える。
【0014】
好ましくはグルーピング手段は、抽出手段により複数の認証媒体の各々からユーザ属性情報が抽出されることで複数のユーザ属性情報が抽出された場合には、記憶媒体に記憶された印刷ジョブから、複数のユーザ属性情報に対応するものについてのグルーピングを行う。
【0015】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報を含み、グルーピング手段は、少なくともユーザの階層に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする。
【0016】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの所属に関する情報を含み、グルーピング手段は、少なくともユーザの所属に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする。
【0017】
好ましくは画像形成装置は、各ユーザグループの属性に基づいて、ユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段をさらに備える。
【0018】
好ましくは画像形成装置は、ユーザにより操作可能な操作パネルと、各ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に並び替える並び替え手段と、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行した後、操作パネルにより、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷開始要求を確認する確認手段と、確認手段により確認が行われた後に、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する実行手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは画像形成装置は、各ユーザグループの属性に基づいて、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込んで出力するために、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを複数に分割する分割手段と、分割された複数の印刷ジョブのうち少なくとも一つを実行した後に、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行し、その後に分割された複数の印刷ジョブのうち残りを実行する実行手段とをさらに備える。
【0020】
好ましくは画像形成装置は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段をさらに備え、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する。
【0021】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報を含み、グルーピング手段は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングし、画像形成装置は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち一方に関する属性を有するユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段と、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち他方に関する属性を有する1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、当該カウント処理が終了したとき、他方に関する属性を有する次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段とをさらに備える。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御方法は、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとを備える。
【0023】
この発明のさらに他の局面に従うと、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御プログラムは、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
これらの発明に従うと、認証媒体により認証されたユーザの属性情報に応じて、印刷ジョブをグルーピングして印刷方法の設定を行うことができる。これにより、複数のユーザで用いたときに錯誤によるトラブルを避けてセキュリティをより向上させることができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す正面図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】認証カードを示す平面図である。
【図4】認証印刷機能のユーザの認証が行われるまでの動作を示すフローチャートである。
【図5】認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図6】印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの別の例を示す図である。
【図10】第3の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図11】第4の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図13】第6の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図14】第7の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図15】第7の実施の形態における階層別印刷処理を示すフローチャートである。
【図16】第8の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図17】第8の実施の形態における在籍別印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0027】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。このような画像形成装置は、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる。スキャナ機能では、画像形成装置は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする。
【0028】
[第1の実施の形態]
【0029】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す正面図である。
【0030】
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット3と、第1の排紙トレイ5と、第2の排紙トレイ7と、第3の排紙トレイ9と、HDD部(記憶媒体)11と、スキャン部13と、認証装置15とを備える。
【0031】
給紙カセット3には、画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は、センサにより検出される。用紙がセットされていない場合、または印字中に用紙が無くなった場合には、センサが状況を検出し、後述の操作パネル23等でユーザに知らせる。
【0032】
第1の排紙トレイ5は、画像形成装置1の中央部に配置されている。第2の排紙トレイ7は、画像形成装置1の側部上方に配置されている。第3の排紙トレイ9は、第2の排紙トレイ7の下方に配置されている。画像形成装置1において印刷された印刷物は、画像形成装置1の内部からこれらの排紙トレイ5,7,9のうちいずれかに排出される。
【0033】
HDD部11は、画像形成装置1の筺体内部に収容されている。スキャン部13は、画像形成装置1の筺体の上部であって第1の排紙トレイ5の上方に配置されている。また、認証装置15は、スキャン部13の側方に設けられた支持台上に配置されている。これにより、ユーザが後述のようにカード認証を容易に行うことができる。
【0034】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0035】
図を参照して画像形成装置1は、さらに、プリント部17と、LAN(Local Area Network)コントローラ19と、CPU21と、操作パネル23とを備える。
【0036】
HDD部11は、例えばLANコントローラ19等を介して送信された印刷ジョブ(JOB)やスキャン部13で読み取ったデータなどを記憶する。また、HDD部11は、後述のようにカード認証を行うための認証データや、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶する。HDD部11は、1つのクライアント又は複数のクライアントから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。なお、複数の印刷ジョブを記憶して順次印刷を行うことを、マルチジョブ印刷と呼ぶことがある。
【0037】
スキャン部13は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部13は、例えば、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサなどにより走査して画像データとして読み取る。また、スキャン部13は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF(Auto Document Feeder)により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサなどにより画像データとして読み取る。
【0038】
認証装置15は、例えば、後述のような認証カード(認証媒体)50が近づけられたときにその認証カード50に埋め込まれた情報を読み取る機能を有している。認証装置15は、認証カード50との間で無線通信、すなわち非接触通信を行うことができる。認証装置15は、例えば、認証カード50と通信するための磁場を発生させるアンテナおよび無線回路や、受信した情報を復調し復号する回路などを有している。認証装置15で読み取られた情報は、CPU21に送られる。認証装置15は、互いに重ねられるなどした複数枚の認証カード50が近づけられたとき、これらそれぞれの認証カード50と通信し、それぞれの認証カード50から情報を読み取ることができる。
【0039】
プリント部17は、CPU21による制御の下、給紙カセット3から用紙を給紙して画像形成装置1の内部で搬送する。また、プリント部17は、搬送される用紙に電子写真方式により画像を形成し、排紙トレイ5,7,9のうちいずれかに排出する。用紙の排紙先は、CPU21による制御の下、排紙トレイ5,7,9のうち例えばユーザにより選択されたものに設定される。プリント部17は、用紙にカラー画像を形成することができる。なお、プリント部17は、用紙にモノクロの画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0040】
LANコントローラ19は、例えば、LANケーブル(図示せず)を介して、画像形成装置1をLANなどのネットワークに接続する。これにより、画像形成装置1は、LANに接続されているクライアントPCなどの外部機器と通信可能になる。図において、画像形成装置1が接続されているLANには、ユーザAが使用するPC(ユーザA PC)41やユーザBが使用するPC(ユーザB PC)42等が接続されている。画像形成装置1は、これらのPC41やPC42から印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、PC41やPC42にスキャン部13で読み取った画像を送信可能である。なお、LANコントローラ19は、無線通信によりLANなどに接続可能に構成されていてもよい。
【0041】
操作パネル23は、例えばタッチパネル機能を有するLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成されている。操作パネル23は、LCDに画像を表示する機能やタッチパネルによりユーザによる操作を受け付ける機能を有している。操作パネル23は、CPU21による制御に基づき、例えば所定の操作メニュー画面を表示してユーザからの操作を受け付ける。また、操作パネル23は、画像形成装置1の状態に関する情報を表示し、ユーザに通知する。操作パネル23にユーザによる操作がなされると、それに応じて、操作信号または操作コマンドがCPU21に送信される。
【0042】
CPU21は、HDD部11やメモリ等に記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、例えば、操作パネル23から操作信号が送られたり、PC41,42,…などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラムを実行する。これにより、ユーザにより操作パネル23になされた操作やPC41,42,…からの指示に応じて、画像形成装置1の所定の動作が行われる。
【0043】
次に、認証装置15で読み取り可能な認証カードについて説明する。
【0044】
図3は、認証カードを示す平面図である。
【0045】
認証カード50は、いわゆる非接触ICカードである。認証カード50の内部には、IC部51と、アンテナ(図示せず)が埋め込まれている。認証カード50が認証装置15のアンテナが内蔵されている部位に近づけられると、電磁誘導により認証カード50のアンテナに電流が発生する。IC部51は、その電流を電源として駆動される。IC部51は、駆動されると、記憶している情報を変調してアンテナより電波を出力する。認証装置15は、その電波を受信し復調することにより、認証カード50に記憶されている情報を読み取ることができる。
【0046】
認証カード50は、例えば、画像形成装置1の各ユーザに配布されて、各ユーザの認証に用いられる。各ユーザに配布される認証カード50のIC部51には、当該ユーザに関するユーザ属性情報が記憶されている。ユーザ属性情報は、例えば、ユーザの所属に関する情報や、階層に関する情報や、ユーザの年齢、性別、ユーザID番号などに関する情報を含む。所属に関する情報は、所属会社、所属部署(所属部門)、配属サイト(Site)などに関する情報を含む。ここで、配属サイトとは、ユーザが配属されている支店、支所などのことをいう。また、階層とは、役員、部長、課長、係長など、会社などの組織内におけるユーザの職級のことをいう。
【0047】
画像形成装置1は、認証カード50によりユーザを認証するカード認証機能を有している。カード認証機能により、例えば、認証されたユーザについて、個別の文書の印刷可否や、画像形成装置1の各機能の利用制限を行うことができる。CPU21は、認証カード50から読み取られたユーザID番号などと認証ユーザリストなどとを比較して、ユーザのカード認証を行う。認証ユーザリストには、例えば、認証可能ユーザのユーザID番号があらかじめ設定されている。認証ユーザリストは、HDD部11から読み込まれたり、LANに接続された外部サーバなどから読み込まれたりする。
【0048】
ここで、画像形成装置1は、カード認証機能の一機能として、認証印刷機能を実行することができる。認証印刷機能は、CPU21により制御されて実行される。以下、本実施形態における認証印刷機能について説明する。
【0049】
図4は、認証印刷機能のユーザの認証が行われるまでの動作を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS101において、CPU21は、PC41,42,…などのクライアントPCから印刷ジョブ(JOB)を受信可能な状態で待機する。
【0051】
ステップS101において印刷ジョブを受信すると、ステップS103において、CPU21は、その印刷ジョブのデータをHDD部11内に保存(記憶)する。
【0052】
ステップS105において、CPU21は、HDD部11に記憶した印刷ジョブを送信したユーザのカード認証を、認証装置15により受け付ける。ユーザが認証カード50を認証装置15に近づけると、CPU21は、ユーザのカード認証を行う。CPU21は、認証装置15がその認証カード50から読み取った情報から、ユーザ属性情報を抽出する。
【0053】
図5は、認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図4のステップS105においてユーザ属性情報が取得されると、ステップS201において、CPU21は、HDD部11内に記憶された印刷ジョブのグルーピングを行う。グルーピングは、認証カード50から抽出されたユーザ属性情報に基づいて行われる。グルーピングは、認証されたユーザの印刷ジョブを所定のユーザグループに関連付けることにより行う。第1の実施の形態において、ユーザグループは、予め画像形成装置1に設定されている。このとき、ユーザグループの情報などは、HDD部11内などに記憶されていればよい。
【0055】
ステップS203において、CPU21は、グルーピングされた印刷ジョブのデータすなわち認証されたユーザに対応する印刷ジョブのデータをHDD部11から読み出す。また、CPU21は、印刷するために、その印刷ジョブのデータをプリント部17に送信する。
【0056】
ステップS205において、CPU21は、HDD部11から読み出した印刷ジョブについて、印刷方法を設定する。ここで、印刷方法は、ユーザグループ毎に、ユーザグループの属性に応じて設定される。詳細には、例えば、あるユーザグループが階層が上位であるか下位であるかの属性を有しているとき、その属性に応じて、印刷物の出力先などの印刷方法の設定を行う。
【0057】
ステップS207において、CPU21は、プリント部17に印刷ジョブの印刷を開始させる。印刷は、カード認証されたユーザの印刷ジョブについて行われる。また、印刷は、ステップS205において設定された印刷方法によって行われる。印刷ジョブの実行は、印刷ジョブが画像形成装置1に送信された順にかかわらず、ユーザグループ単位で行われる。これにより、印刷物は、他のユーザグループにグルーピングされるような印刷ジョブについての印刷物とは差別化されて出力される。
【0058】
図6は、印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。図を参照し、上述の認証印刷機能の具体例について説明する。
【0059】
まず、前提として、4人のユーザ(ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザD)が画像形成装置1を用いているとする。各ユーザの階層は、ユーザAが部長であり、ユーザCが課長であり、ユーザBが係長であり、ユーザDが職位なしである。これらの階層の上下関係は、上位であるものから順に、部長、課長、係長、職位なし、である。なお、階層としては、これらのほかに、部長より上位となる役員などがある。
【0060】
また、画像形成装置1には、ユーザグループとして、階層上位グループおよび階層下位グループが予め設定されている。階層上位グループには、階層が比較的上位であることが属性づけられている。また、階層下位グループには、階層が比較的下位であることが属性づけられている。本例では、役員および部長の階層は、階層上位グループに対応づけられている。また、課長、係長および職位なしの階層は、階層下位グループに対応づけられている。
【0061】
画像形成装置1には、印刷方法として、印刷物の出力先を第1の排紙トレイ5とする第1の印刷方法と、印刷物の出力先を第2の排紙トレイ7とする第2の印刷方法とが設定されている。階層上位グループには、例えば、第1の印刷方法が対応づけられている。また、階層下位グループには、第2の印刷方法が対応づけられている。
【0062】
いま、合計7つの印刷ジョブ(ジョブ)101,…,107がHDD部11に記憶されているとする。これらの印刷ジョブ101,…,107は、PC41,42,…のいずれかから送信されたものである。これらの印刷ジョブ101,…,107は、まだカード認証が行われていないものである。印刷ジョブ101,…,107は、この時点で、先に画像形成装置1が受信したものが印刷順が先になるように並んでいる。図に示すように、印刷ジョブ101,103,107は、ユーザAから送信されたものである。印刷ジョブ102,106は、ユーザBから送信されたものである。印刷ジョブ104は、ユーザCから送信されたものである。印刷ジョブ105は、ユーザDから送信されたものである。
【0063】
ここで、ユーザAが認証装置15に自身の認証カード50を読み取らせると、ユーザAについてカード認証が行われる。また、認証カード50から読み取られた情報から、ユーザAの階層が部長である旨の階層情報がユーザ属性情報として抽出される。CPU21は、図に破線で囲って示すように、ユーザAの印刷ジョブ101,103,107を、ユーザAの階層に対応する階層上位グループ110にグルーピングする。
【0064】
グルーピングが行われると、印刷ジョブ101,103,107が、HDD部11から読み出され、プリント部17に送信される。また、CPU21は、印刷ジョブ101,103,107について、印刷方法を設定する。すなわち、印刷方法は、これらが属する階層上位グループ110に対応する第1の印刷方法になる。これにより、ユーザAの印刷ジョブ101,103,107が実行されると、印刷物が第1の排紙トレイ5に出力される。
【0065】
各ユーザは、認証印刷を行った場合の、自分の印刷物の出力先を予め知っている。そのため、ユーザは、印刷物が出力された排紙トレイの別により、自身の印刷物と他のユーザの印刷物とを分別しやすくなる。従って、複数のユーザで画像形成装置1を使用する場合に、印刷物を他者のものと取り違えにくくなる。
【0066】
なお、これは一つの具体例であり、ユーザグループとして、階層に関する情報に替えて、所属に関する情報に関して属性づけられたものが予め設定されていてもよい。また、印刷方法として上述とは別の方法を設定し、ユーザグループ毎の印刷物の出力を差別化してもよい。
【0067】
また、ユーザグループは、予め設定されていなくてもよい。この場合、例えば、画像形成装置1に、所定のユーザ属性情報に応じてユーザグループを作成するときのグループ作成ルールや、その作成されたユーザグループの属性に応じた印刷方法の設定ルールが予め設定されていればよい。このとき、CPU21は、カード認証が行われる度に、グループ作成ルールに従って、ユーザ属性情報に対応するユーザグループを作成する。作成されたユーザグループは、認証されたユーザの属性情報について属性付けられたものになる。また、CPU21は、作成したユーザグループに印刷ジョブをグルーピングする。そして、CPU21は、設定ルールに基づいて、ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を設定し、印刷する。これにより、同様に、印刷物の取り違えが発生する可能性を低減することができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
【0069】
第2の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、複数のユーザが略同時期にカード認証を行った場合の認証印刷機能(同時認証マルチジョブ印刷)が、第1の実施の形態と異なる。
【0070】
先ず、第2の実施の形態において想定される、複数のユーザが略同時期にカード認証を行う場合(同時認証と呼ぶことがある)について説明する。同時認証としては、大まかに2つの場合が考えられる。すなわち、複数ユーザ分の複数の認証カード50を重ねるなどして束とし、その束を認証装置15に近づけて行われる、第1の同時認証がある。また、複数のユーザが、次々と連続してカード認証を行う、第2の同時認証がある。第1の同時認証では、複数の認証カード50が略同時に認証装置15に読み取られて、複数のユーザが認証される。他方、第2の同時認証では、厳密には、複数の認証カード50が同時に読み取られるわけではない。しかしながら、ここでは、CPU21は、例えば前のユーザがカード認証を行ってから所定の時間(例えば、10秒間)内に次のユーザがカード認証を行った場合に、両者は同時に認証されたものとみなす。従って、例えば3人のユーザについて、一人目と二人目および二人目と三人目のそれぞれが所定時間以内の間隔でカード認証を行った場合、これらの3人のユーザについて第2の同時認証が成立する。なお、以下の認証印刷機能を実行する条件としては、上記第1の同時認証が行われたこと又は第2の同時認証が行われたことに限ってもよい。
【0071】
次に、第2の実施の形態における同時認証時の認証印刷機能について説明する。ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。すなわち、CPU21は、PC41,42,…などから印刷ジョブを受け付けてHDD部11に記憶する(S101、S103)。その後、同時認証が行われると、CPU21は、その際読み取られた複数の認証カード50の各々から、ユーザ属性情報を抽出する(S105)。これにより、複数のユーザ属性情報が抽出される。
【0072】
図7は、第2の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS301において、CPU21は、認証されたユーザ分のユーザ属性情報に応じてユーザグループを形成する。換言すると、ユーザグループは、カード認証時に認証カード50から読み取られたユーザ属性情報に基づいて形成される。そのため、同時認証が行われる度に、認証されたユーザの人数や読み取られたユーザ属性情報の偏りなどに応じて、異なる数のユーザグループが作成されることもある。また、CPU21は、HDD部11内に記憶されている認証された各ユーザ分の印刷ジョブについてグルーピングを行う。CPU21は、各印刷ジョブを、作成したユーザグループのうち属性が対応するものにグルーピングする。これにより、ユーザ属性情報として共通の属性又は互いに似ている属性を有するユーザの印刷ジョブ同士は、同一のユーザグループにグルーピングされる。
【0074】
なお、ユーザグループは、予め画像形成装置1に設定されていてもよい。この場合、ユーザグループの情報などは、HDD部11内などに記憶されていればよい。
【0075】
ステップS303において、CPU21は、グルーピングされた印刷ジョブのデータをHDD部11から読み出す。このとき、データは、ユーザグループ単位で、各ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブのものが読み出される。読み出されたデータは、プリント部17に送信される。
【0076】
また、ステップS305において、CPU21は、各ユーザグループについて、印刷方法を設定する。印刷方法は、各ユーザグループの属性に応じて所定の設定ルールなどに従って設定される。
【0077】
ステップS307において、CPU21は、設定された印刷方法により、カード認証されたユーザの印刷ジョブの印刷をプリント部17に開始させる。印刷ジョブの実行は、印刷ジョブが画像形成装置1に送信された順にかかわらず、ユーザグループ毎に行われる。これにより、ユーザグループ毎に印刷方法を変えて印刷が行われる。従って、印刷物は、他のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷物に対して差別化されて出力される。
【0078】
図8は、第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。図を参照し、上述の認証印刷機能の具体例について説明する。
【0079】
以下に述べる具体例の前提は、上記第1の実施の形態において具体例として説明したものと略同様である。すなわち、各々の階層に関する情報が記憶された認証カード50を有する4人のユーザ(ユーザA,ユーザB,ユーザC,ユーザD)が印刷を行う。また、画像形成装置1には、印刷物の出力先を第1の排紙トレイ5とする第1の印刷方法と、第2の排紙トレイ7とする第2の印刷方法とが設定されている。ただし、画像形成装置1にはユーザグループは設定されていない点が、上記具体例とは異なる。
【0080】
いま、合計7つの印刷ジョブ201,…,207がHDD部11に記憶されているとする。これらの印刷ジョブ201,…,207は、PC41,42,…のいずれかから送信されたものである。これらの印刷ジョブ201,…,207は、まだカード認証が行われていないものである。印刷ジョブ201,…,207は、この時点で、先に画像形成装置1が受信したものが印刷順が先になるように並んでいる。図に示すように、印刷ジョブ201,203,207は、ユーザAから送信されたものである。印刷ジョブ202,206は、ユーザBから送信されたものである。印刷ジョブ204は、ユーザCから送信されたものである。印刷ジョブ205は、ユーザDから送信されたものである。
【0081】
ここで、これら4人のユーザは、各々の認証カード50を束とし、上記第1の同時認証を行う。これら4枚の認証カード50が読み取られると、4人のユーザについてカード認証が行われる。また、認証カード50から読み取られた情報から、各ユーザについての階層に関する情報が抽出される。
【0082】
CPU21は、抽出した情報に基づいて、ユーザグループを形成してグルーピングを行う。本具体例では、ユーザグループとして、階層上位グループと階層下位グループが形成されるとする。上記第1の実施の形態の具体例と同様に、階層上位グループは、階層が比較的上位であるという属性を有する。また、階層下位グループは、階層が比較的下位であるという属性を有する。この4人のユーザが同時認証された場合、CPU21は、例えば、部長であるユーザAと、課長であるユーザCとに対応する階層上位グループを作成する。また、係長であるユーザBと、職位なしであるユーザDとに対応する階層下位グループを作成する。また、CPU21は、図に破線で囲って示すように、ユーザAの印刷ジョブ201,203,207およびユーザCの印刷ジョブ204を、階層上位グループ210にグルーピングする。また、CPU21は、図に一点鎖線で囲って示すように、ユーザBの印刷ジョブ202,206およびユーザDの印刷ジョブ205を、階層下位グループ220にグルーピングする。
【0083】
グルーピングが行われると、先ず、階層上位グループ210にグルーピングされた印刷ジョブ201,203,204,207が、HDD部11から読み出されてプリント部17に送信される。また、CPU21は、これらの印刷ジョブ201,203,204,207について、印刷方法を設定する。ここでは、CPU21は、上述の2つの印刷方法のうち一方の第1の印刷方法を設定する。プリント部17により、設定された印刷方法に従って印刷ジョブ201,203,204,207が順次実行され、印刷物が第1の排紙トレイ5に出力される。
【0084】
階層下位グループ220にグルーピングされた印刷ジョブ202,205,206は、階層上位グループ210にグルーピングされたものの印刷後に実行される。すなわち、印刷ジョブ202,205,206は、印刷ジョブ201,203,204,207より後にHDD部11から読み出されてプリント部17に送信される。また、CPU21は、これらの印刷ジョブ202,205,206について、上述の2つの印刷方法のうち他方の第2の印刷方法を設定する。プリント部17により、印刷ジョブ202,205,206が順次実行され、印刷物が第2の排紙トレイ7に出力される。
【0085】
なお、階層上位グループ210と階層下位グループ220との印刷順は逆であってもよい。
【0086】
このように認証印刷が行われると、階層が比較的上位であるユーザと階層が比較的下位であるユーザとで印刷物の出力先が相違する。また、両ユーザ間で印刷物の出力順も相違する。したがって、複数のユーザで同時認証が行われた場合でも、階層が比較的離れた他者との間で印刷物を取り違えにくくなる。
【0087】
図9は、第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの別の例を示す図である。以下、上述の図8で説明した場合とは同時認証を行ったユーザの人数が異なる場合について説明する。印刷ジョブ201,…,207を受け付けるまでの動作と、印刷ジョブのグルーピング後の動作とは上述の図8で説明した場合と同様である。
【0088】
本例では、ユーザA、ユーザB、ユーザDが同時認証を行い、ユーザCがカード認証を行っていないとする。この場合、ユーザCの印刷ジョブ204については実行されない。3人のユーザが同時認証された場合、3人の階層に関する情報に基づいて、階層上位グループと階層下位グループとが作成され、グルーピングが行われる。例えば、階層上位グループ310には、ユーザAの印刷ジョブ201,203,207がグルーピングされる。また、階層下位グループ320には、ユーザBの印刷ジョブ202,206およびユーザDの印刷ジョブ205がグルーピングされる。ユーザグループ毎に上述のように印刷が行われることにより、カード認証されたユーザ間で、印刷物の取り違えが発生する可能性が低くなる。
【0089】
なお、この場合、例えば、CPU21は、階層が部長であるユーザAと係長であるユーザBとに対応する階層上位グループ310を作成し、職位なしのユーザDに対応する階層下位グループ320を作成してもよい。また、ユーザグループをさらに多く作成してもよい。ユーザグループは、例えば、同時認証されたユーザのユーザ属性情報の偏りや、各ユーザの印刷ジョブの件数または印刷枚数などに応じて、数や属性を適宜変更して作成可能なものである。また、ユーザグループの作成ルールは、適宜設定すればよい。
【0090】
また、CPU21は、同一のユーザグループ内においては、各印刷ジョブを印刷ジョブの受け付け順に実行すればよい。また、CPU21は、各ユーザ分の印刷ジョブをまとめて、ユーザ毎に印刷ジョブを実行してもよい。ユーザ毎に実行する場合、同一のユーザグループの他者との間でも印刷物を取り違えにくくすることができる。
【0091】
なお、これらはそれぞれ一つの具体例である。CPU21は、階層に関する情報に替えて、所属に関する情報に基づいて、ユーザグループを作成するようにしてもよい。
【0092】
[第3の実施の形態]
【0093】
第3の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第3の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、操作パネル23を通じたユーザの印刷要求を確認して印刷を行う印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0094】
第3の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0095】
図10は、第3の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS401において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる階層情報を抽出する。CPU21は、それらの階層情報に応じて、ユーザグループを作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。ユーザグループの作成およびグルーピングは、例えば、上述の第2の実施の形態におけるそれと同様にして行われる。CPU21は、例えば、階層下位グループと、階層上位グループとの2つのユーザグループを作成する。このとき、CPU21は、例えば、階層下位グループから順に印刷ジョブを実行する。
【0097】
ステップS403において、CPU21は、HDD部11から階層下位グループ分の印刷ジョブのデータを読み出し、プリント部17に送信する。
【0098】
ステップS405において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。これにより、階層下位グループに対応するユーザについての印刷物の出力がプリント部17により行われる。
【0099】
ステップS407において、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブについて、ユーザの印刷開始要求の確認を行う。CPU21は、操作パネル23上に印刷開始要求画面を表示させる。
【0100】
ステップS409において、CPU21は、操作パネル23を通じてユーザにより印刷開始を要求する操作が行われるまで待機する。
【0101】
ステップS409においてユーザにより印刷開始要求操作が行われたことが確認されると、ステップS411において、CPU21は、HDD部11から階層上位グループ分の印刷ジョブのデータを読み出し、プリント部17に送信する。
【0102】
ステップS413において、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブを実行する。これにより、階層上位グループに対応するユーザについての印刷物の出力が行われる。
【0103】
このように、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブについて階層上位グループ分のものよりも先に印刷を行う。すなわち、CPU21は、ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に並び替える。また、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブを、ユーザによる印刷開始要求を確認した後に実行する。これにより、機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物が、階層下位ユーザの印刷物と分別しやすいようにして出力される。従って、印刷物の取り違えが防止される。また、階層上位ユーザの印刷物は、ユーザによる操作指示を経て意識的に印刷されるので、ユーザによる印刷物の取り忘れを防止することができる。
【0104】
なお、CPU21が作成するユーザグループは2つに限られない。各ユーザグループの印刷順は、適宜設定することができる。このとき、1つのユーザグループについて印刷が行われる度に、CPU21は、次のユーザグループについての印刷開始要求の確認を行ってもよい。また、所定のユーザグループについてのみ、印刷開始要求の確認を行ってもよい。
【0105】
また、CPU21は、例えば認証された各ユーザの所属に関する情報に応じてユーザグループを作成してもよい。このときも、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更し、操作パネル23を通じてユーザの確認に応じて印刷ジョブを実行する。従って、ユーザグループが異なるユーザ間で印刷物の取り違えなどを発生しにくくすることができる。
【0106】
[第4の実施の形態]
【0107】
第4の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第4の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第4の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0108】
第4の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0109】
図11は、第4の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0110】
ステップS501において、CPU21は、第3の実施の形態のステップS401と同様にユーザグループの作成および印刷ジョブのグルーピングを行う。CPU21は、例えば、階層に関する属性が互いに異なる複数のユーザグループ(階層グループ)を作成する。また、CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更する。CPU21は、例えば、階層が下位である属性を有するユーザグループにグルーピングした印刷ジョブを、他のユーザグループのものよりも先に実行する。
【0111】
ステップS503において、CPU21は、作成したユーザグループの数をカウントする。
【0112】
ステップS505において、CPU21は、カウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0113】
ステップS507において、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントする(n=n+1)。
【0114】
ステップS509において、CPU21は、実行順を最初としたユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する。
【0115】
ステップS511において、CPU21は、プリント部17にデータを送信した印刷ジョブを実行する。これにより、1つのユーザグループに対応するユーザについての印刷物の出力が行われる。
【0116】
ステップS513において、CPU21は、所定期間(例えば、印刷ジョブの実行終了後、所定時間(例えば、20秒程度)の経過まで)のカウントを開始する。
【0117】
所定期間のカウントが終了後、ステップS515において、CPU21は、作成したユーザグループの数がカウンタnと等しいかどうかを確認する。
【0118】
ステップS515においてユーザグループ数がカウンタnと等しくなければ、CPU21は、残りのユーザグループのうち一つについて、印刷ジョブの実行を行う。すなわち、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントし(S507)、実行順が次のユーザグループの印刷ジョブをプリント部17に送信し(S509)、印刷ジョブを実行する(S511)。CPU21は、そのユーザグループについて印刷が完了する度、所定時間のカウントを行う(S513)。CPU21は、すべてのユーザグループについて印刷が完了するまで、これらの処理を繰り返して行う(S515)。
【0119】
ステップS515においてユーザグループ数がカウンタnと等しいとき、すなわちすべてのユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0120】
このように、CPU21は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物が、階層下位ユーザの印刷物と分別しやすいように、所定時間ずつ異なるタイミングで出力される。従って、印刷物の取り違えが防止される。
【0121】
なお、印刷ジョブの実行順はこれに限られない。例えば、階層が上位である属性を有するユーザグループについて、先に印刷ジョブが実行されるようにしてもよい。また、CPU21は、1つのユーザグループについて印刷したとき、ユーザグループ数とカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次のユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0122】
[第5の実施の形態]
【0123】
第5の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第5の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第5の実施の形態では、CPU21は、あるユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込むようにして出力させる印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0124】
第5の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0125】
図12は、第5の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0126】
ステップS601において、CPU21は、第3の実施の形態のステップS401と同様に、ユーザグループの作成および印刷ジョブのグルーピングを行う。CPU21は、例えば、階層に関する属性が互いに異なる複数のユーザグループを作成する。例えば、階層がそれぞれ部長、課長、職位なしである3人のユーザが同時認証を行った場合、CPU21は、それぞれのユーザの階層に対応する3つのユーザグループ(部長グループ、課長グループ、職位なしグループ)を作成する。
【0127】
ステップS603において、CPU21は、HDD部11から、ユーザグループ単位で、グルーピングされた印刷ジョブのデータを読み出す。
【0128】
ステップS605において、CPU21は、作成したユーザグループのうち、階層下位グループの数をカウントする。階層下位グループは、比較的階層が下位であるという属性を有する。CPU21は、階層下位グループの数が2以上であるかどうかを判断する。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、課長グループおよび職位なしグループが、例えばここでは階層下位グループしてカウントされる。
【0129】
ステップS605において階層下位グループの数が2以上であるときには、ステップS607において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。このとき、CPU21は、印刷ジョブを個々のユーザグループ別に分割し、そのうち少なくとも一つの階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。すなわち、CPU21は、すべての階層下位グループ分の印刷ジョブをすべて実行するのではなく、先ずその一部のみを実行する。例えば、上述ように、階層下位グループとして課長グループおよび職位なしグループがあるとき、CPU21は、例えばそれらのうち課長グループについて印刷ジョブを実行する。
【0130】
ステップS609において、CPU21は、階層上位グループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。階層上位グループは、比較的階層が上位であるという属性を有する。これにより、先に出力された階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物が排出される。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、部長グループが、例えばここでは階層上位グループとなる。従って、部長グループ分の印刷ジョブによる印刷物が、課長グループ分の印刷物に続けて排出される。
【0131】
ステップS611において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブのうち残りのものを実行する。これにより、先に出力された階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層下位グループ分の残りの印刷ジョブによる印刷物が排出される。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、残りの職位なしグループについて印刷ジョブが実行される。従って、職位なしグループ分の印刷ジョブによる印刷物が、課長グループ分の印刷物および部長グループ分の印刷物に続けて排出される。
【0132】
他方、ステップS605において階層下位グループの数が1つであるときには、ステップS613において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを2分割する。
【0133】
ステップS615において、CPU21は、2分割した階層下位グループの印刷ジョブのうち一方(1部目)について実行する。すなわち、CPU21は、すべての階層下位グループ分の印刷ジョブをすべて実行するのではなく、先ずその一部のみを実行する。
【0134】
ステップS617において、CPU21は、階層上位グループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、先に出力された階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物が排出される。
【0135】
ステップS619において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブのうち他方(2部目)を実行する。これにより、先に出力された階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層下位グループ分の残りの印刷ジョブによる印刷物が排出される。
【0136】
これにより、認証印刷機能が終了したとき、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物は、階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物の間に挿入された状態になる。機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物は、初回に出力されないので、印刷物の排紙トレイ5,7,9から取り損ねられにくく、排紙トレイ5,7,9に残りにくい。また、階層上位ユーザの印刷物は、最終回に出力されず、排紙トレイ5,7,9上で階層下位ユーザの印刷物により隠された状態になる。例えば、階層上位ユーザが認証を行った後に緊急に呼び出されるなどして画像形成装置1から離れ、印刷物が出力後にしばらく放置されても、その印刷物は他人の目に触れにくくなる。このように、階層上位ユーザの印刷物が他人の目に触れにくいように出力されるので、機密を維持し、セキュリティを強化することができる。
【0137】
なお、CPU21は、例えば認証された各ユーザの所属に関する情報に応じてユーザグループを作成してもよい。
【0138】
[第6の実施の形態]
【0139】
第6の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第6の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第6の実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、CPU21は、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属部門情報に応じて処理を行う。
【0140】
第6の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0141】
図13は、第6の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0142】
ステップS701において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる在籍情報(所属に関する情報)を抽出する。
【0143】
ステップS703において、CPU21は、抽出した在籍情報に応じて、ユーザグループを作成する。CPU21は、例えば、在籍情報から各ユーザの所属部門を判別する。また、CPU21は、その所属部門情報に応じてユーザグループを形成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更する。
【0144】
ユーザグループ毎の印刷方法としては、第4の実施の形態のそれと略同様である。すなわち、CPU21は、作成したユーザグループの数をカウントし(S705)、カウンタnの値をリセットする(S707)。
【0145】
また、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントする(S709)。CPU21は、実行順を最初としたユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S711)。CPU21は、プリント部17に送信した印刷ジョブを実行する(S713)。CPU21は、印刷ジョブの実行終了を把握し、その後、所定時間のカウントを行う(S715)。CPU21は、すべてのユーザグループについて印刷が完了するまで、これらのステップS709からS715の処理を繰り返して行う(S717)。
【0146】
このように、CPU21は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、印刷物が、所属部門が異なるユーザの印刷物と分別しやすいように異なるタイミングで出力され、印刷物の取り違えが防止される。従って、所属部門毎の情報の機密が守られる。また、所属部門毎にユーザの居所が異なるような場合に、他部門のユーザによって離れた場所に印刷物が持って行かれることがなくなる。なお、同部門のユーザでは印刷タイミングが同じとなるが、仮にそのユーザによって印刷物が持って行かれても、印刷物の取り戻しは容易である。
【0147】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、認証されたユーザの所属部門に限らず、例えば、所属会社や、配属サイトに応じて上述のように印刷タイミングを変更してもよい。また、CPU21は、1つのユーザグループについて印刷したとき、ユーザグループ数とカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次のユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0148】
[第7の実施の形態]
【0149】
第7の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第7の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第7の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、印刷ジョブの実行間隔を所定時間だけ設けたり、印刷物の排出先を変更する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属部門情報に応じて印刷物の排出先を変更する。また、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて印刷タイミングを変更する。
【0150】
第7の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0151】
図14は、第7の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0152】
ステップS801において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる所属部門情報を抽出する。
【0153】
ステップS803において、CPU21は、抽出した所属部門情報に応じて、ユーザグループ(所属部門別ユーザグループ)を作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎について変更する。
【0154】
ステップS805において、CPU21は、作成した所属部門別ユーザグループの数をカウントする。
【0155】
ステップS807において、CPU21は、第1のカウンタxの値をリセットする(x=0)。
【0156】
ステップS809において、CPU21は、第1のカウンタxの値をインクリメントする(x=x+1)。
【0157】
ステップS811において、CPU21は、印刷ジョブの実行順が先の1つの所属部門別ユーザグループについて、階層別印刷処理を実行する。階層別印刷処理については後述する。
【0158】
階層別印刷処理が終了すると、ステップS813において、CPU21は、作成した所属部門別ユーザグループの数が第1のカウンタxと等しいかどうかを確認する。
【0159】
ステップS813において所属部門別ユーザグループ数が第1のカウンタxと等しくなければ、ステップS815において、CPU21は、印刷物の排出先を切り替える。例えば、CPU21は、印刷物の排出先を第1の排紙トレイ5から第2の排紙トレイ7に変更する。
【0160】
CPU21は、すべての所属部門別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS809からS815の処理を繰り返して行う。これにより、所属部門別ユーザグループ毎に、印刷物の排出先が変更されて印刷ジョブが実行される。
【0161】
ステップS813において所属部門別ユーザグループ数がカウンタxと等しいとき、すなわちすべての所属部門別ユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0162】
次に、ステップS811において行われる階層別印刷処理について説明する。
【0163】
図15は、第7の実施の形態における階層別印刷処理を示すフローチャートである。
【0164】
ステップS851において、CPU21は、階層情報の抽出を行う。CPU21は、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループに対応するユーザの各々について、階層情報を抽出する。
【0165】
ステップS853において、CPU21は、抽出した階層情報に基づいて、ユーザグループ(階層別ユーザグループ)を形成する。また、CPU21は、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブについて、さらに、階層別ユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、1つの所属部門別ユーザグループの中で、印刷ジョブの実行順を階層別ユーザグループ毎に変更する。CPU21は、例えば、階層が下位である属性を有する階層別ユーザグループにグルーピングした印刷ジョブを、他のユーザグループにグルーピングしたものよりも先に実行する。
【0166】
ステップS855において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数をカウントする。
【0167】
ステップS857において、CPU21は、第2のカウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0168】
以後、ステップS859からS867までは、上述の第4の実施の形態におけるステップS507からS515までと略同様に行われる。すなわち、CPU21は、第2のカウンタnの値をインクリメントする(S859)。CPU21は、実行順が最初の階層別ユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S861)。CPU21は、プリント部17に送信した印刷ジョブを実行する(S863)。印刷ジョブの実行終了後、CPU21は、所定時間のカウントを行う(S865)。CPU21は、すべての階層別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS859からS865の処理を繰り返して行う(S867)。これにより、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループにグルーピングされたすべての印刷ジョブがユーザの階層毎に実行される。
【0169】
第7の実施の形態によれば、同時認証を行ったユーザの階層毎に印刷タイミングが異なる。これにより、印刷物がユーザの階層毎に分別しやすいように出力され、印刷物の機密が維持され、セキュリティを強化することができる。また、同時認証を行ったユーザの所属部門毎に印刷物の排出先が変更される。これにより、印刷物がユーザの所属部門毎に分別しやすいように出力され、居所とは異なる場所へ印刷物が持ち帰られるなどのトラブルを防止することができる。このように、階層および所属部門が互いに異なる複数のユーザが同時認証を行った場合であっても、印刷物の取り違えなどを防止し、トラブルを防止することができる。
【0170】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、認証されたユーザの所属部門に限らず、例えば、所属会社や、配属サイトに応じて上述のように印刷物の排出先を変更してもよい。また、CPU21は、階層別印刷処理において、1つの階層別ユーザグループについて印刷したとき、階層別ユーザグループ数と第2のカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次の階層別ユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0171】
[第8の実施の形態]
【0172】
第8の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第8の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第8の実施の形態では、第7の実施の形態と同様に、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、印刷ジョブの実行間隔を所定時間だけ設けたり、印刷物の排出先を変更する印刷方法を採用している。第8の実施の形態において、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて印刷物の排出先を変更する。また、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属サイト情報(在籍情報)に応じて印刷タイミングを変更する。
【0173】
第8の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0174】
図16は、第8の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0175】
ステップS901において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる階層情報を抽出する。
【0176】
ステップS903において、CPU21は、抽出した階層情報に応じて、ユーザグループ(階層別ユーザグループ)を作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順を階層別ユーザグループ毎について変更する。
【0177】
ステップS905において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数をカウントする。
【0178】
ステップS907において、CPU21は、第1のカウンタxの値をリセットする(x=0)。
【0179】
ステップS909において、CPU21は、第1のカウンタxの値をインクリメントする(x=x+1)。
【0180】
ステップS911において、CPU21は、印刷ジョブの実行順が先の1つの階層別ユーザグループについて、在籍別印刷処理を実行する。在籍別印刷処理については後述する。
【0181】
在籍別印刷処理が終了すると、ステップS913において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数が第1のカウンタxと等しいかどうかを確認する。
【0182】
ステップS913において階層別ユーザグループ数が第1のカウンタxと等しくなければ、ステップS915において、CPU21は、印刷物の排出先を切り替える。印刷物の排出先の切り替えは、第7の実施の形態のそれと略同様に行われる。
【0183】
CPU21は、すべての階層別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS909からS915の処理を繰り返して行う。これにより、階層別ユーザグループ毎に、印刷物の排出先が変更されて印刷ジョブが実行される。
【0184】
ステップS913において階層別ユーザグループ数がカウンタxと等しいとき、すなわちすべての階層別ユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0185】
次に、ステップS911において行われる在籍別印刷処理について説明する。
【0186】
図17は、第8の実施の形態における在籍別印刷処理を示すフローチャートである。
【0187】
ステップS951において、CPU21は、在籍情報の抽出を行う。CPU21は、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループに対応するユーザの各々について、在籍情報を抽出する。なお、在籍情報は、例えばユーザの所属サイトに関する情報である。在籍情報はこれに限られず、ユーザの所属会社情報や、所属部門情報であってもよい。
【0188】
ステップS953において、CPU21は、抽出した在籍情報に基づいて、ユーザグループ(在籍別ユーザグループ)を形成する。また、CPU21は、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブについて、さらに、在籍別ユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、1つの階層別ユーザグループの中で、印刷ジョブの実行順を在籍別ユーザグループ毎に変更する。
【0189】
ステップS955において、CPU21は、作成した在籍別ユーザグループの数をカウントする。
【0190】
ステップS957において、CPU21は、第2のカウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0191】
以後、ステップS959からS967までは、上述の第6の実施の形態におけるステップS709からS717までと略同様に行われる。すなわち、CPU21は、第2のカウンタnの値をインクリメントする(S959)。CPU21は、実行順が最初の在籍別ユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S961)。CPU21は、プリント部17にデータを送信した印刷ジョブを実行する(S963)。印刷ジョブの実行終了後、CPU21は、所定時間のカウントを行う(S965)。CPU21は、すべての在籍別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS959からS965の処理を繰り返して行う(S967)。これにより、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループにグルーピングされたすべての印刷ジョブが、ユーザの所属サイト毎に実行される。
【0192】
第8の実施の形態によれば、同時認証を行ったユーザの階層毎に印刷物の排出先が変更される。これにより、印刷物がユーザの階層毎に分別しやすいように出力され、印刷物の機密が維持され、セキュリティを強化することができる。また、同時認証を行ったユーザの所属サイト毎に印刷タイミングが異なる。これにより、印刷物がユーザの所属サイト毎に分別しやすいように出力され、居所とは異なる場所に印刷物が持ち帰られるなどのトラブルを防止することができる。このように、所属サイトおよび階層が互いに異なる複数のユーザが同時認証を行った場合であっても、印刷物の取り違えなどを防止し、トラブルを防止することができる。
【0193】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、在籍別印刷処理において、1つの在籍別ユーザグループについて印刷したとき、在籍別ユーザグループ数と第2のカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次の在籍別ユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0194】
[実施の形態における効果]
【0195】
以上のように構成された画像形成装置では、認証カードにより認証されたユーザの属性情報に応じて印刷ジョブをグルーピングして、ユーザグループ毎に印刷方法の設定を行うことができる。これにより、画像形成装置を複数のユーザで用いたときに、印刷物の取り違えや取り残しなど、ユーザの錯誤によるトラブルを避けることができる。従って、画像形成装置のセキュリティをより向上させることができる。
【0196】
特に、複数のユーザによる同時認証が行われたときには、認証されたユーザの属性情報に応じてユーザグループが作成される。また、そのユーザグループの属性に応じて印刷方法が設定され、ユーザグループ毎に印刷物の出力が差別化される。従って、異なるユーザグループの印刷物との取り違えなどを確実に防止することができ、トラブルの発生を避け、また、セキュリティを強化することができる。
【0197】
また、ユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングは、認証カードに記憶されているユーザ属性情報に応じて行われる。従って、あるユーザの属性が変わったとしても、画像形成装置側において設定の変更などを行う必要がなく、ユーザ属性情報が変更された認証カードを用意するだけでよいので、画像形成装置の利便性が高い。
【0198】
また、ユーザ属性情報が互いに似ているような、印刷ジョブが同一のユーザグループに属するユーザの印刷物は、共に同一の印刷方法で出力される。従って、印刷物が、ユーザの属性に応じてまとまって出力されるので、画像形成装置の利便性が高くなる。
【0199】
[その他]
【0200】
ユーザの認証は、認証カードを認証装置に読み取らせて行われるものに限られない。例えば、認証カードに代えて、ユーザが保有する携帯電話などの携帯端末など、種々の認証媒体を用いることができる。認証媒体には、ユーザ属性情報が記憶されていればよい。
【0201】
また、ユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングに用いられるユーザ属性情報は、上述のような、階層に関する情報や所属に関する情報に限られない。例えば、ユーザの課金情報や残高情報、印刷履歴情報などであってもよい。また、認証媒体から抽出されたユーザ属性情報に応じて、CPUが、例えばHDD部などの記憶媒体や外部サーバなどに記憶されたそのユーザの詳細な属性情報を読み出し、その詳細な属性情報に応じてユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングなどを行ってもよい。
【0202】
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
【0203】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。
【0204】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0205】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0206】
1 画像形成装置
5 第1の排紙トレイ
7 第2の排紙トレイ
9 第3の排紙トレイ
11 HDD部(記憶媒体)
15 認証装置
21 CPU
23 操作パネル
50 認証カード(認証媒体)
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、特に、認証装置によるユーザの認証結果に基づいて印刷ジョブを実行する画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認証装置によりユーザを認証することができる電子写真式の画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)がある。このような画像形成装置は、例えば、ユーザを認証することにより、画像形成装置に保存された印刷ジョブをプリント可能である。印刷ジョブは、例えば画像形成装置に接続されたPC(Personal Computer)などから画像形成装置に送信され、画像形成装置に保存される。
【0003】
このような画像形成装置としては、複数の印刷ジョブを保存しておき、認証されたユーザ分の印刷ジョブを実行するものがある。この動作は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、複数のユーザからそれぞれ印刷ジョブが送信され、画像形成装置には複数の印刷ジョブが保存される。この状態で、あるユーザが認証を行うと、画像形成装置は、認証されたユーザ分の印刷ジョブを実行する。このようにして行われる印刷を、マルチジョブにおける認証印刷と呼ぶことがある。マルチジョブにおける認証印刷は、特に、画像形成装置を多くのユーザで利用する場合に便利である。認証されたユーザの印刷ジョブを一律に実行して、他のユーザの印刷ジョブは保存したままで認証が行われるまで待機することができ、印刷物のセキュリティを確保することができるからである。
【0004】
なお、下記特許文献1は、プリント管理装置がクライアント端末からの印刷要求に基づいて印刷ジョブを生成する印刷処理システムを開示している。この印刷処理システムでは、ユーザをグループに分け、グループ毎に印刷可能部数の上限値を設けて、各グループの印刷可能部数を管理する。プリント管理装置は、印刷可能なグループ、そのグループに属するユーザ、そのグループで印刷可能な部数の上限値、グループ毎の印刷可能部数並びにそのグループに属する各ユーザの印刷履歴の各情報を、各文書について管理する。これにより、同じグループに属する他のユーザが印刷してくれた文書などについての重複印刷を防止して、資源の浪費を防止している。
【0005】
また、下記特許文献2は、ICカードを持つ利用者が単独で複写機の操作モードを設定できる複写機を開示している。複写機は、利用者毎のICカードなどを読み込んだとき、当該ICカードなどに記憶されたコードに対応するモード設定情報を読み出す。また、複写機は、読み出したモード設定情報に応じて、操作モードを自動設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−92505号公報
【特許文献2】特開平5−88425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、画像形成装置を属性が互いに異なる複数のユーザで利用する場合、上記のようなマルチジョブにおける認証印刷に関して以下のような問題が生じることがある。ここで属性とは、例えば、職位などの階層に関するものや、所属部門、所属サイト(Site)、所属会社、在籍場所などの所属に関するものである。
【0008】
例えば、複数のユーザが比較的短い時間に連続してカード認証を行った場合、それらのユーザ分の印刷ジョブが連続して実行される。各ユーザによる印刷物は、例えば所定の排紙トレイに連続して出力される。そのため、各ユーザは自分の印刷物を判別しにくくなり、錯誤によるトラブルが発生しやすくなる。トラブルとしては、印刷物の取り違えがある。また、トラブルとしては、ユーザが、自分の印刷物を排紙トレイから取り損ね、その印刷物を排紙トレイに残してしまうことがある。
【0009】
階層が上位であるユーザの印刷物や所属会社が他のユーザとは異なるユーザの印刷物が取り違えられたり排紙トレイに残ったりすると、印刷物の内容によっては、機密情報の漏えいにつながる。
【0010】
また、例えば在籍場所が異なり、互いに居所が離れている複数のユーザ間で印刷物の取り違えが発生し、別のユーザが印刷物を自席に持ち帰ったりすると、印刷物を取り戻すことが困難になることがある。所属部門や所属サイト、所属会社などが異なるユーザ間で印刷物の取り違えが発生した場合も、同様である。
【0011】
なお、特許文献1および特許文献2には、このように複数のユーザでマルチジョブにおける認証印刷を行う場合に生じる取り違えなどに関する解決策は何ら開示されていない。
【0012】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、複数のユーザが認証印刷を行う場合に錯誤によるトラブルを避けて、セキュリティをより向上させることができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントするものであって、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピング手段と、グルーピング手段によりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定手段とを備える。
【0014】
好ましくはグルーピング手段は、抽出手段により複数の認証媒体の各々からユーザ属性情報が抽出されることで複数のユーザ属性情報が抽出された場合には、記憶媒体に記憶された印刷ジョブから、複数のユーザ属性情報に対応するものについてのグルーピングを行う。
【0015】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報を含み、グルーピング手段は、少なくともユーザの階層に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする。
【0016】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの所属に関する情報を含み、グルーピング手段は、少なくともユーザの所属に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする。
【0017】
好ましくは画像形成装置は、各ユーザグループの属性に基づいて、ユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段をさらに備える。
【0018】
好ましくは画像形成装置は、ユーザにより操作可能な操作パネルと、各ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に並び替える並び替え手段と、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行した後、操作パネルにより、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷開始要求を確認する確認手段と、確認手段により確認が行われた後に、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する実行手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは画像形成装置は、各ユーザグループの属性に基づいて、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込んで出力するために、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを複数に分割する分割手段と、分割された複数の印刷ジョブのうち少なくとも一つを実行した後に、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行し、その後に分割された複数の印刷ジョブのうち残りを実行する実行手段とをさらに備える。
【0020】
好ましくは画像形成装置は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段をさらに備え、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する。
【0021】
好ましくはユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報を含み、グルーピング手段は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングし、画像形成装置は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち一方に関する属性を有するユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段と、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち他方に関する属性を有する1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、当該カウント処理が終了したとき、他方に関する属性を有する次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段とをさらに備える。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御方法は、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとを備える。
【0023】
この発明のさらに他の局面に従うと、認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御プログラムは、認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
これらの発明に従うと、認証媒体により認証されたユーザの属性情報に応じて、印刷ジョブをグルーピングして印刷方法の設定を行うことができる。これにより、複数のユーザで用いたときに錯誤によるトラブルを避けてセキュリティをより向上させることができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す正面図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】認証カードを示す平面図である。
【図4】認証印刷機能のユーザの認証が行われるまでの動作を示すフローチャートである。
【図5】認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図6】印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの別の例を示す図である。
【図10】第3の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図11】第4の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図13】第6の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図14】第7の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図15】第7の実施の形態における階層別印刷処理を示すフローチャートである。
【図16】第8の実施の形態における認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【図17】第8の実施の形態における在籍別印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0027】
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。このような画像形成装置は、いわゆるデジタル複合機と呼ばれる。スキャナ機能では、画像形成装置は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする。
【0028】
[第1の実施の形態]
【0029】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す正面図である。
【0030】
図を参照して画像形成装置1は、給紙カセット3と、第1の排紙トレイ5と、第2の排紙トレイ7と、第3の排紙トレイ9と、HDD部(記憶媒体)11と、スキャン部13と、認証装置15とを備える。
【0031】
給紙カセット3には、画像を形成するための用紙が収容されている。用紙の有無は、センサにより検出される。用紙がセットされていない場合、または印字中に用紙が無くなった場合には、センサが状況を検出し、後述の操作パネル23等でユーザに知らせる。
【0032】
第1の排紙トレイ5は、画像形成装置1の中央部に配置されている。第2の排紙トレイ7は、画像形成装置1の側部上方に配置されている。第3の排紙トレイ9は、第2の排紙トレイ7の下方に配置されている。画像形成装置1において印刷された印刷物は、画像形成装置1の内部からこれらの排紙トレイ5,7,9のうちいずれかに排出される。
【0033】
HDD部11は、画像形成装置1の筺体内部に収容されている。スキャン部13は、画像形成装置1の筺体の上部であって第1の排紙トレイ5の上方に配置されている。また、認証装置15は、スキャン部13の側方に設けられた支持台上に配置されている。これにより、ユーザが後述のようにカード認証を容易に行うことができる。
【0034】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0035】
図を参照して画像形成装置1は、さらに、プリント部17と、LAN(Local Area Network)コントローラ19と、CPU21と、操作パネル23とを備える。
【0036】
HDD部11は、例えばLANコントローラ19等を介して送信された印刷ジョブ(JOB)やスキャン部13で読み取ったデータなどを記憶する。また、HDD部11は、後述のようにカード認証を行うための認証データや、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶する。HDD部11は、1つのクライアント又は複数のクライアントから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。なお、複数の印刷ジョブを記憶して順次印刷を行うことを、マルチジョブ印刷と呼ぶことがある。
【0037】
スキャン部13は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部13は、例えば、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサなどにより走査して画像データとして読み取る。また、スキャン部13は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を、ADF(Auto Document Feeder)により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサなどにより画像データとして読み取る。
【0038】
認証装置15は、例えば、後述のような認証カード(認証媒体)50が近づけられたときにその認証カード50に埋め込まれた情報を読み取る機能を有している。認証装置15は、認証カード50との間で無線通信、すなわち非接触通信を行うことができる。認証装置15は、例えば、認証カード50と通信するための磁場を発生させるアンテナおよび無線回路や、受信した情報を復調し復号する回路などを有している。認証装置15で読み取られた情報は、CPU21に送られる。認証装置15は、互いに重ねられるなどした複数枚の認証カード50が近づけられたとき、これらそれぞれの認証カード50と通信し、それぞれの認証カード50から情報を読み取ることができる。
【0039】
プリント部17は、CPU21による制御の下、給紙カセット3から用紙を給紙して画像形成装置1の内部で搬送する。また、プリント部17は、搬送される用紙に電子写真方式により画像を形成し、排紙トレイ5,7,9のうちいずれかに排出する。用紙の排紙先は、CPU21による制御の下、排紙トレイ5,7,9のうち例えばユーザにより選択されたものに設定される。プリント部17は、用紙にカラー画像を形成することができる。なお、プリント部17は、用紙にモノクロの画像のみを形成可能に構成されていてもよい。
【0040】
LANコントローラ19は、例えば、LANケーブル(図示せず)を介して、画像形成装置1をLANなどのネットワークに接続する。これにより、画像形成装置1は、LANに接続されているクライアントPCなどの外部機器と通信可能になる。図において、画像形成装置1が接続されているLANには、ユーザAが使用するPC(ユーザA PC)41やユーザBが使用するPC(ユーザB PC)42等が接続されている。画像形成装置1は、これらのPC41やPC42から印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、PC41やPC42にスキャン部13で読み取った画像を送信可能である。なお、LANコントローラ19は、無線通信によりLANなどに接続可能に構成されていてもよい。
【0041】
操作パネル23は、例えばタッチパネル機能を有するLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成されている。操作パネル23は、LCDに画像を表示する機能やタッチパネルによりユーザによる操作を受け付ける機能を有している。操作パネル23は、CPU21による制御に基づき、例えば所定の操作メニュー画面を表示してユーザからの操作を受け付ける。また、操作パネル23は、画像形成装置1の状態に関する情報を表示し、ユーザに通知する。操作パネル23にユーザによる操作がなされると、それに応じて、操作信号または操作コマンドがCPU21に送信される。
【0042】
CPU21は、HDD部11やメモリ等に記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、例えば、操作パネル23から操作信号が送られたり、PC41,42,…などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラムを実行する。これにより、ユーザにより操作パネル23になされた操作やPC41,42,…からの指示に応じて、画像形成装置1の所定の動作が行われる。
【0043】
次に、認証装置15で読み取り可能な認証カードについて説明する。
【0044】
図3は、認証カードを示す平面図である。
【0045】
認証カード50は、いわゆる非接触ICカードである。認証カード50の内部には、IC部51と、アンテナ(図示せず)が埋め込まれている。認証カード50が認証装置15のアンテナが内蔵されている部位に近づけられると、電磁誘導により認証カード50のアンテナに電流が発生する。IC部51は、その電流を電源として駆動される。IC部51は、駆動されると、記憶している情報を変調してアンテナより電波を出力する。認証装置15は、その電波を受信し復調することにより、認証カード50に記憶されている情報を読み取ることができる。
【0046】
認証カード50は、例えば、画像形成装置1の各ユーザに配布されて、各ユーザの認証に用いられる。各ユーザに配布される認証カード50のIC部51には、当該ユーザに関するユーザ属性情報が記憶されている。ユーザ属性情報は、例えば、ユーザの所属に関する情報や、階層に関する情報や、ユーザの年齢、性別、ユーザID番号などに関する情報を含む。所属に関する情報は、所属会社、所属部署(所属部門)、配属サイト(Site)などに関する情報を含む。ここで、配属サイトとは、ユーザが配属されている支店、支所などのことをいう。また、階層とは、役員、部長、課長、係長など、会社などの組織内におけるユーザの職級のことをいう。
【0047】
画像形成装置1は、認証カード50によりユーザを認証するカード認証機能を有している。カード認証機能により、例えば、認証されたユーザについて、個別の文書の印刷可否や、画像形成装置1の各機能の利用制限を行うことができる。CPU21は、認証カード50から読み取られたユーザID番号などと認証ユーザリストなどとを比較して、ユーザのカード認証を行う。認証ユーザリストには、例えば、認証可能ユーザのユーザID番号があらかじめ設定されている。認証ユーザリストは、HDD部11から読み込まれたり、LANに接続された外部サーバなどから読み込まれたりする。
【0048】
ここで、画像形成装置1は、カード認証機能の一機能として、認証印刷機能を実行することができる。認証印刷機能は、CPU21により制御されて実行される。以下、本実施形態における認証印刷機能について説明する。
【0049】
図4は、認証印刷機能のユーザの認証が行われるまでの動作を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS101において、CPU21は、PC41,42,…などのクライアントPCから印刷ジョブ(JOB)を受信可能な状態で待機する。
【0051】
ステップS101において印刷ジョブを受信すると、ステップS103において、CPU21は、その印刷ジョブのデータをHDD部11内に保存(記憶)する。
【0052】
ステップS105において、CPU21は、HDD部11に記憶した印刷ジョブを送信したユーザのカード認証を、認証装置15により受け付ける。ユーザが認証カード50を認証装置15に近づけると、CPU21は、ユーザのカード認証を行う。CPU21は、認証装置15がその認証カード50から読み取った情報から、ユーザ属性情報を抽出する。
【0053】
図5は、認証印刷機能のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図4のステップS105においてユーザ属性情報が取得されると、ステップS201において、CPU21は、HDD部11内に記憶された印刷ジョブのグルーピングを行う。グルーピングは、認証カード50から抽出されたユーザ属性情報に基づいて行われる。グルーピングは、認証されたユーザの印刷ジョブを所定のユーザグループに関連付けることにより行う。第1の実施の形態において、ユーザグループは、予め画像形成装置1に設定されている。このとき、ユーザグループの情報などは、HDD部11内などに記憶されていればよい。
【0055】
ステップS203において、CPU21は、グルーピングされた印刷ジョブのデータすなわち認証されたユーザに対応する印刷ジョブのデータをHDD部11から読み出す。また、CPU21は、印刷するために、その印刷ジョブのデータをプリント部17に送信する。
【0056】
ステップS205において、CPU21は、HDD部11から読み出した印刷ジョブについて、印刷方法を設定する。ここで、印刷方法は、ユーザグループ毎に、ユーザグループの属性に応じて設定される。詳細には、例えば、あるユーザグループが階層が上位であるか下位であるかの属性を有しているとき、その属性に応じて、印刷物の出力先などの印刷方法の設定を行う。
【0057】
ステップS207において、CPU21は、プリント部17に印刷ジョブの印刷を開始させる。印刷は、カード認証されたユーザの印刷ジョブについて行われる。また、印刷は、ステップS205において設定された印刷方法によって行われる。印刷ジョブの実行は、印刷ジョブが画像形成装置1に送信された順にかかわらず、ユーザグループ単位で行われる。これにより、印刷物は、他のユーザグループにグルーピングされるような印刷ジョブについての印刷物とは差別化されて出力される。
【0058】
図6は、印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。図を参照し、上述の認証印刷機能の具体例について説明する。
【0059】
まず、前提として、4人のユーザ(ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザD)が画像形成装置1を用いているとする。各ユーザの階層は、ユーザAが部長であり、ユーザCが課長であり、ユーザBが係長であり、ユーザDが職位なしである。これらの階層の上下関係は、上位であるものから順に、部長、課長、係長、職位なし、である。なお、階層としては、これらのほかに、部長より上位となる役員などがある。
【0060】
また、画像形成装置1には、ユーザグループとして、階層上位グループおよび階層下位グループが予め設定されている。階層上位グループには、階層が比較的上位であることが属性づけられている。また、階層下位グループには、階層が比較的下位であることが属性づけられている。本例では、役員および部長の階層は、階層上位グループに対応づけられている。また、課長、係長および職位なしの階層は、階層下位グループに対応づけられている。
【0061】
画像形成装置1には、印刷方法として、印刷物の出力先を第1の排紙トレイ5とする第1の印刷方法と、印刷物の出力先を第2の排紙トレイ7とする第2の印刷方法とが設定されている。階層上位グループには、例えば、第1の印刷方法が対応づけられている。また、階層下位グループには、第2の印刷方法が対応づけられている。
【0062】
いま、合計7つの印刷ジョブ(ジョブ)101,…,107がHDD部11に記憶されているとする。これらの印刷ジョブ101,…,107は、PC41,42,…のいずれかから送信されたものである。これらの印刷ジョブ101,…,107は、まだカード認証が行われていないものである。印刷ジョブ101,…,107は、この時点で、先に画像形成装置1が受信したものが印刷順が先になるように並んでいる。図に示すように、印刷ジョブ101,103,107は、ユーザAから送信されたものである。印刷ジョブ102,106は、ユーザBから送信されたものである。印刷ジョブ104は、ユーザCから送信されたものである。印刷ジョブ105は、ユーザDから送信されたものである。
【0063】
ここで、ユーザAが認証装置15に自身の認証カード50を読み取らせると、ユーザAについてカード認証が行われる。また、認証カード50から読み取られた情報から、ユーザAの階層が部長である旨の階層情報がユーザ属性情報として抽出される。CPU21は、図に破線で囲って示すように、ユーザAの印刷ジョブ101,103,107を、ユーザAの階層に対応する階層上位グループ110にグルーピングする。
【0064】
グルーピングが行われると、印刷ジョブ101,103,107が、HDD部11から読み出され、プリント部17に送信される。また、CPU21は、印刷ジョブ101,103,107について、印刷方法を設定する。すなわち、印刷方法は、これらが属する階層上位グループ110に対応する第1の印刷方法になる。これにより、ユーザAの印刷ジョブ101,103,107が実行されると、印刷物が第1の排紙トレイ5に出力される。
【0065】
各ユーザは、認証印刷を行った場合の、自分の印刷物の出力先を予め知っている。そのため、ユーザは、印刷物が出力された排紙トレイの別により、自身の印刷物と他のユーザの印刷物とを分別しやすくなる。従って、複数のユーザで画像形成装置1を使用する場合に、印刷物を他者のものと取り違えにくくなる。
【0066】
なお、これは一つの具体例であり、ユーザグループとして、階層に関する情報に替えて、所属に関する情報に関して属性づけられたものが予め設定されていてもよい。また、印刷方法として上述とは別の方法を設定し、ユーザグループ毎の印刷物の出力を差別化してもよい。
【0067】
また、ユーザグループは、予め設定されていなくてもよい。この場合、例えば、画像形成装置1に、所定のユーザ属性情報に応じてユーザグループを作成するときのグループ作成ルールや、その作成されたユーザグループの属性に応じた印刷方法の設定ルールが予め設定されていればよい。このとき、CPU21は、カード認証が行われる度に、グループ作成ルールに従って、ユーザ属性情報に対応するユーザグループを作成する。作成されたユーザグループは、認証されたユーザの属性情報について属性付けられたものになる。また、CPU21は、作成したユーザグループに印刷ジョブをグルーピングする。そして、CPU21は、設定ルールに基づいて、ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を設定し、印刷する。これにより、同様に、印刷物の取り違えが発生する可能性を低減することができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
【0069】
第2の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、複数のユーザが略同時期にカード認証を行った場合の認証印刷機能(同時認証マルチジョブ印刷)が、第1の実施の形態と異なる。
【0070】
先ず、第2の実施の形態において想定される、複数のユーザが略同時期にカード認証を行う場合(同時認証と呼ぶことがある)について説明する。同時認証としては、大まかに2つの場合が考えられる。すなわち、複数ユーザ分の複数の認証カード50を重ねるなどして束とし、その束を認証装置15に近づけて行われる、第1の同時認証がある。また、複数のユーザが、次々と連続してカード認証を行う、第2の同時認証がある。第1の同時認証では、複数の認証カード50が略同時に認証装置15に読み取られて、複数のユーザが認証される。他方、第2の同時認証では、厳密には、複数の認証カード50が同時に読み取られるわけではない。しかしながら、ここでは、CPU21は、例えば前のユーザがカード認証を行ってから所定の時間(例えば、10秒間)内に次のユーザがカード認証を行った場合に、両者は同時に認証されたものとみなす。従って、例えば3人のユーザについて、一人目と二人目および二人目と三人目のそれぞれが所定時間以内の間隔でカード認証を行った場合、これらの3人のユーザについて第2の同時認証が成立する。なお、以下の認証印刷機能を実行する条件としては、上記第1の同時認証が行われたこと又は第2の同時認証が行われたことに限ってもよい。
【0071】
次に、第2の実施の形態における同時認証時の認証印刷機能について説明する。ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。すなわち、CPU21は、PC41,42,…などから印刷ジョブを受け付けてHDD部11に記憶する(S101、S103)。その後、同時認証が行われると、CPU21は、その際読み取られた複数の認証カード50の各々から、ユーザ属性情報を抽出する(S105)。これにより、複数のユーザ属性情報が抽出される。
【0072】
図7は、第2の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS301において、CPU21は、認証されたユーザ分のユーザ属性情報に応じてユーザグループを形成する。換言すると、ユーザグループは、カード認証時に認証カード50から読み取られたユーザ属性情報に基づいて形成される。そのため、同時認証が行われる度に、認証されたユーザの人数や読み取られたユーザ属性情報の偏りなどに応じて、異なる数のユーザグループが作成されることもある。また、CPU21は、HDD部11内に記憶されている認証された各ユーザ分の印刷ジョブについてグルーピングを行う。CPU21は、各印刷ジョブを、作成したユーザグループのうち属性が対応するものにグルーピングする。これにより、ユーザ属性情報として共通の属性又は互いに似ている属性を有するユーザの印刷ジョブ同士は、同一のユーザグループにグルーピングされる。
【0074】
なお、ユーザグループは、予め画像形成装置1に設定されていてもよい。この場合、ユーザグループの情報などは、HDD部11内などに記憶されていればよい。
【0075】
ステップS303において、CPU21は、グルーピングされた印刷ジョブのデータをHDD部11から読み出す。このとき、データは、ユーザグループ単位で、各ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブのものが読み出される。読み出されたデータは、プリント部17に送信される。
【0076】
また、ステップS305において、CPU21は、各ユーザグループについて、印刷方法を設定する。印刷方法は、各ユーザグループの属性に応じて所定の設定ルールなどに従って設定される。
【0077】
ステップS307において、CPU21は、設定された印刷方法により、カード認証されたユーザの印刷ジョブの印刷をプリント部17に開始させる。印刷ジョブの実行は、印刷ジョブが画像形成装置1に送信された順にかかわらず、ユーザグループ毎に行われる。これにより、ユーザグループ毎に印刷方法を変えて印刷が行われる。従って、印刷物は、他のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷物に対して差別化されて出力される。
【0078】
図8は、第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの一例を示す図である。図を参照し、上述の認証印刷機能の具体例について説明する。
【0079】
以下に述べる具体例の前提は、上記第1の実施の形態において具体例として説明したものと略同様である。すなわち、各々の階層に関する情報が記憶された認証カード50を有する4人のユーザ(ユーザA,ユーザB,ユーザC,ユーザD)が印刷を行う。また、画像形成装置1には、印刷物の出力先を第1の排紙トレイ5とする第1の印刷方法と、第2の排紙トレイ7とする第2の印刷方法とが設定されている。ただし、画像形成装置1にはユーザグループは設定されていない点が、上記具体例とは異なる。
【0080】
いま、合計7つの印刷ジョブ201,…,207がHDD部11に記憶されているとする。これらの印刷ジョブ201,…,207は、PC41,42,…のいずれかから送信されたものである。これらの印刷ジョブ201,…,207は、まだカード認証が行われていないものである。印刷ジョブ201,…,207は、この時点で、先に画像形成装置1が受信したものが印刷順が先になるように並んでいる。図に示すように、印刷ジョブ201,203,207は、ユーザAから送信されたものである。印刷ジョブ202,206は、ユーザBから送信されたものである。印刷ジョブ204は、ユーザCから送信されたものである。印刷ジョブ205は、ユーザDから送信されたものである。
【0081】
ここで、これら4人のユーザは、各々の認証カード50を束とし、上記第1の同時認証を行う。これら4枚の認証カード50が読み取られると、4人のユーザについてカード認証が行われる。また、認証カード50から読み取られた情報から、各ユーザについての階層に関する情報が抽出される。
【0082】
CPU21は、抽出した情報に基づいて、ユーザグループを形成してグルーピングを行う。本具体例では、ユーザグループとして、階層上位グループと階層下位グループが形成されるとする。上記第1の実施の形態の具体例と同様に、階層上位グループは、階層が比較的上位であるという属性を有する。また、階層下位グループは、階層が比較的下位であるという属性を有する。この4人のユーザが同時認証された場合、CPU21は、例えば、部長であるユーザAと、課長であるユーザCとに対応する階層上位グループを作成する。また、係長であるユーザBと、職位なしであるユーザDとに対応する階層下位グループを作成する。また、CPU21は、図に破線で囲って示すように、ユーザAの印刷ジョブ201,203,207およびユーザCの印刷ジョブ204を、階層上位グループ210にグルーピングする。また、CPU21は、図に一点鎖線で囲って示すように、ユーザBの印刷ジョブ202,206およびユーザDの印刷ジョブ205を、階層下位グループ220にグルーピングする。
【0083】
グルーピングが行われると、先ず、階層上位グループ210にグルーピングされた印刷ジョブ201,203,204,207が、HDD部11から読み出されてプリント部17に送信される。また、CPU21は、これらの印刷ジョブ201,203,204,207について、印刷方法を設定する。ここでは、CPU21は、上述の2つの印刷方法のうち一方の第1の印刷方法を設定する。プリント部17により、設定された印刷方法に従って印刷ジョブ201,203,204,207が順次実行され、印刷物が第1の排紙トレイ5に出力される。
【0084】
階層下位グループ220にグルーピングされた印刷ジョブ202,205,206は、階層上位グループ210にグルーピングされたものの印刷後に実行される。すなわち、印刷ジョブ202,205,206は、印刷ジョブ201,203,204,207より後にHDD部11から読み出されてプリント部17に送信される。また、CPU21は、これらの印刷ジョブ202,205,206について、上述の2つの印刷方法のうち他方の第2の印刷方法を設定する。プリント部17により、印刷ジョブ202,205,206が順次実行され、印刷物が第2の排紙トレイ7に出力される。
【0085】
なお、階層上位グループ210と階層下位グループ220との印刷順は逆であってもよい。
【0086】
このように認証印刷が行われると、階層が比較的上位であるユーザと階層が比較的下位であるユーザとで印刷物の出力先が相違する。また、両ユーザ間で印刷物の出力順も相違する。したがって、複数のユーザで同時認証が行われた場合でも、階層が比較的離れた他者との間で印刷物を取り違えにくくなる。
【0087】
図9は、第2の実施の形態における印刷ジョブのグルーピングの別の例を示す図である。以下、上述の図8で説明した場合とは同時認証を行ったユーザの人数が異なる場合について説明する。印刷ジョブ201,…,207を受け付けるまでの動作と、印刷ジョブのグルーピング後の動作とは上述の図8で説明した場合と同様である。
【0088】
本例では、ユーザA、ユーザB、ユーザDが同時認証を行い、ユーザCがカード認証を行っていないとする。この場合、ユーザCの印刷ジョブ204については実行されない。3人のユーザが同時認証された場合、3人の階層に関する情報に基づいて、階層上位グループと階層下位グループとが作成され、グルーピングが行われる。例えば、階層上位グループ310には、ユーザAの印刷ジョブ201,203,207がグルーピングされる。また、階層下位グループ320には、ユーザBの印刷ジョブ202,206およびユーザDの印刷ジョブ205がグルーピングされる。ユーザグループ毎に上述のように印刷が行われることにより、カード認証されたユーザ間で、印刷物の取り違えが発生する可能性が低くなる。
【0089】
なお、この場合、例えば、CPU21は、階層が部長であるユーザAと係長であるユーザBとに対応する階層上位グループ310を作成し、職位なしのユーザDに対応する階層下位グループ320を作成してもよい。また、ユーザグループをさらに多く作成してもよい。ユーザグループは、例えば、同時認証されたユーザのユーザ属性情報の偏りや、各ユーザの印刷ジョブの件数または印刷枚数などに応じて、数や属性を適宜変更して作成可能なものである。また、ユーザグループの作成ルールは、適宜設定すればよい。
【0090】
また、CPU21は、同一のユーザグループ内においては、各印刷ジョブを印刷ジョブの受け付け順に実行すればよい。また、CPU21は、各ユーザ分の印刷ジョブをまとめて、ユーザ毎に印刷ジョブを実行してもよい。ユーザ毎に実行する場合、同一のユーザグループの他者との間でも印刷物を取り違えにくくすることができる。
【0091】
なお、これらはそれぞれ一つの具体例である。CPU21は、階層に関する情報に替えて、所属に関する情報に基づいて、ユーザグループを作成するようにしてもよい。
【0092】
[第3の実施の形態]
【0093】
第3の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第3の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、操作パネル23を通じたユーザの印刷要求を確認して印刷を行う印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0094】
第3の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0095】
図10は、第3の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS401において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる階層情報を抽出する。CPU21は、それらの階層情報に応じて、ユーザグループを作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。ユーザグループの作成およびグルーピングは、例えば、上述の第2の実施の形態におけるそれと同様にして行われる。CPU21は、例えば、階層下位グループと、階層上位グループとの2つのユーザグループを作成する。このとき、CPU21は、例えば、階層下位グループから順に印刷ジョブを実行する。
【0097】
ステップS403において、CPU21は、HDD部11から階層下位グループ分の印刷ジョブのデータを読み出し、プリント部17に送信する。
【0098】
ステップS405において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。これにより、階層下位グループに対応するユーザについての印刷物の出力がプリント部17により行われる。
【0099】
ステップS407において、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブについて、ユーザの印刷開始要求の確認を行う。CPU21は、操作パネル23上に印刷開始要求画面を表示させる。
【0100】
ステップS409において、CPU21は、操作パネル23を通じてユーザにより印刷開始を要求する操作が行われるまで待機する。
【0101】
ステップS409においてユーザにより印刷開始要求操作が行われたことが確認されると、ステップS411において、CPU21は、HDD部11から階層上位グループ分の印刷ジョブのデータを読み出し、プリント部17に送信する。
【0102】
ステップS413において、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブを実行する。これにより、階層上位グループに対応するユーザについての印刷物の出力が行われる。
【0103】
このように、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブについて階層上位グループ分のものよりも先に印刷を行う。すなわち、CPU21は、ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に並び替える。また、CPU21は、階層上位グループ分の印刷ジョブを、ユーザによる印刷開始要求を確認した後に実行する。これにより、機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物が、階層下位ユーザの印刷物と分別しやすいようにして出力される。従って、印刷物の取り違えが防止される。また、階層上位ユーザの印刷物は、ユーザによる操作指示を経て意識的に印刷されるので、ユーザによる印刷物の取り忘れを防止することができる。
【0104】
なお、CPU21が作成するユーザグループは2つに限られない。各ユーザグループの印刷順は、適宜設定することができる。このとき、1つのユーザグループについて印刷が行われる度に、CPU21は、次のユーザグループについての印刷開始要求の確認を行ってもよい。また、所定のユーザグループについてのみ、印刷開始要求の確認を行ってもよい。
【0105】
また、CPU21は、例えば認証された各ユーザの所属に関する情報に応じてユーザグループを作成してもよい。このときも、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更し、操作パネル23を通じてユーザの確認に応じて印刷ジョブを実行する。従って、ユーザグループが異なるユーザ間で印刷物の取り違えなどを発生しにくくすることができる。
【0106】
[第4の実施の形態]
【0107】
第4の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第4の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第4の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0108】
第4の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0109】
図11は、第4の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0110】
ステップS501において、CPU21は、第3の実施の形態のステップS401と同様にユーザグループの作成および印刷ジョブのグルーピングを行う。CPU21は、例えば、階層に関する属性が互いに異なる複数のユーザグループ(階層グループ)を作成する。また、CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更する。CPU21は、例えば、階層が下位である属性を有するユーザグループにグルーピングした印刷ジョブを、他のユーザグループのものよりも先に実行する。
【0111】
ステップS503において、CPU21は、作成したユーザグループの数をカウントする。
【0112】
ステップS505において、CPU21は、カウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0113】
ステップS507において、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントする(n=n+1)。
【0114】
ステップS509において、CPU21は、実行順を最初としたユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する。
【0115】
ステップS511において、CPU21は、プリント部17にデータを送信した印刷ジョブを実行する。これにより、1つのユーザグループに対応するユーザについての印刷物の出力が行われる。
【0116】
ステップS513において、CPU21は、所定期間(例えば、印刷ジョブの実行終了後、所定時間(例えば、20秒程度)の経過まで)のカウントを開始する。
【0117】
所定期間のカウントが終了後、ステップS515において、CPU21は、作成したユーザグループの数がカウンタnと等しいかどうかを確認する。
【0118】
ステップS515においてユーザグループ数がカウンタnと等しくなければ、CPU21は、残りのユーザグループのうち一つについて、印刷ジョブの実行を行う。すなわち、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントし(S507)、実行順が次のユーザグループの印刷ジョブをプリント部17に送信し(S509)、印刷ジョブを実行する(S511)。CPU21は、そのユーザグループについて印刷が完了する度、所定時間のカウントを行う(S513)。CPU21は、すべてのユーザグループについて印刷が完了するまで、これらの処理を繰り返して行う(S515)。
【0119】
ステップS515においてユーザグループ数がカウンタnと等しいとき、すなわちすべてのユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0120】
このように、CPU21は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物が、階層下位ユーザの印刷物と分別しやすいように、所定時間ずつ異なるタイミングで出力される。従って、印刷物の取り違えが防止される。
【0121】
なお、印刷ジョブの実行順はこれに限られない。例えば、階層が上位である属性を有するユーザグループについて、先に印刷ジョブが実行されるようにしてもよい。また、CPU21は、1つのユーザグループについて印刷したとき、ユーザグループ数とカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次のユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0122】
[第5の実施の形態]
【0123】
第5の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第5の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第5の実施の形態では、CPU21は、あるユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込むようにして出力させる印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて処理を行う。
【0124】
第5の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0125】
図12は、第5の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0126】
ステップS601において、CPU21は、第3の実施の形態のステップS401と同様に、ユーザグループの作成および印刷ジョブのグルーピングを行う。CPU21は、例えば、階層に関する属性が互いに異なる複数のユーザグループを作成する。例えば、階層がそれぞれ部長、課長、職位なしである3人のユーザが同時認証を行った場合、CPU21は、それぞれのユーザの階層に対応する3つのユーザグループ(部長グループ、課長グループ、職位なしグループ)を作成する。
【0127】
ステップS603において、CPU21は、HDD部11から、ユーザグループ単位で、グルーピングされた印刷ジョブのデータを読み出す。
【0128】
ステップS605において、CPU21は、作成したユーザグループのうち、階層下位グループの数をカウントする。階層下位グループは、比較的階層が下位であるという属性を有する。CPU21は、階層下位グループの数が2以上であるかどうかを判断する。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、課長グループおよび職位なしグループが、例えばここでは階層下位グループしてカウントされる。
【0129】
ステップS605において階層下位グループの数が2以上であるときには、ステップS607において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。このとき、CPU21は、印刷ジョブを個々のユーザグループ別に分割し、そのうち少なくとも一つの階層下位グループ分の印刷ジョブを実行する。すなわち、CPU21は、すべての階層下位グループ分の印刷ジョブをすべて実行するのではなく、先ずその一部のみを実行する。例えば、上述ように、階層下位グループとして課長グループおよび職位なしグループがあるとき、CPU21は、例えばそれらのうち課長グループについて印刷ジョブを実行する。
【0130】
ステップS609において、CPU21は、階層上位グループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。階層上位グループは、比較的階層が上位であるという属性を有する。これにより、先に出力された階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物が排出される。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、部長グループが、例えばここでは階層上位グループとなる。従って、部長グループ分の印刷ジョブによる印刷物が、課長グループ分の印刷物に続けて排出される。
【0131】
ステップS611において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブのうち残りのものを実行する。これにより、先に出力された階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層下位グループ分の残りの印刷ジョブによる印刷物が排出される。上述の3人のユーザが同時認証を行った場合、残りの職位なしグループについて印刷ジョブが実行される。従って、職位なしグループ分の印刷ジョブによる印刷物が、課長グループ分の印刷物および部長グループ分の印刷物に続けて排出される。
【0132】
他方、ステップS605において階層下位グループの数が1つであるときには、ステップS613において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブを2分割する。
【0133】
ステップS615において、CPU21は、2分割した階層下位グループの印刷ジョブのうち一方(1部目)について実行する。すなわち、CPU21は、すべての階層下位グループ分の印刷ジョブをすべて実行するのではなく、先ずその一部のみを実行する。
【0134】
ステップS617において、CPU21は、階層上位グループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、先に出力された階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物が排出される。
【0135】
ステップS619において、CPU21は、階層下位グループ分の印刷ジョブのうち他方(2部目)を実行する。これにより、先に出力された階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物に続けて、階層下位グループ分の残りの印刷ジョブによる印刷物が排出される。
【0136】
これにより、認証印刷機能が終了したとき、階層上位グループ分の印刷ジョブによる印刷物は、階層下位グループ分の印刷ジョブによる印刷物の間に挿入された状態になる。機密を維持する必要性が高い階層上位ユーザの印刷物は、初回に出力されないので、印刷物の排紙トレイ5,7,9から取り損ねられにくく、排紙トレイ5,7,9に残りにくい。また、階層上位ユーザの印刷物は、最終回に出力されず、排紙トレイ5,7,9上で階層下位ユーザの印刷物により隠された状態になる。例えば、階層上位ユーザが認証を行った後に緊急に呼び出されるなどして画像形成装置1から離れ、印刷物が出力後にしばらく放置されても、その印刷物は他人の目に触れにくくなる。このように、階層上位ユーザの印刷物が他人の目に触れにくいように出力されるので、機密を維持し、セキュリティを強化することができる。
【0137】
なお、CPU21は、例えば認証された各ユーザの所属に関する情報に応じてユーザグループを作成してもよい。
【0138】
[第6の実施の形態]
【0139】
第6の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第6の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第6の実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、CPU21は、ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属部門情報に応じて処理を行う。
【0140】
第6の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0141】
図13は、第6の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0142】
ステップS701において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる在籍情報(所属に関する情報)を抽出する。
【0143】
ステップS703において、CPU21は、抽出した在籍情報に応じて、ユーザグループを作成する。CPU21は、例えば、在籍情報から各ユーザの所属部門を判別する。また、CPU21は、その所属部門情報に応じてユーザグループを形成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎に変更する。
【0144】
ユーザグループ毎の印刷方法としては、第4の実施の形態のそれと略同様である。すなわち、CPU21は、作成したユーザグループの数をカウントし(S705)、カウンタnの値をリセットする(S707)。
【0145】
また、CPU21は、カウンタnの値をインクリメントする(S709)。CPU21は、実行順を最初としたユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S711)。CPU21は、プリント部17に送信した印刷ジョブを実行する(S713)。CPU21は、印刷ジョブの実行終了を把握し、その後、所定時間のカウントを行う(S715)。CPU21は、すべてのユーザグループについて印刷が完了するまで、これらのステップS709からS715の処理を繰り返して行う(S717)。
【0146】
このように、CPU21は、1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する。これにより、印刷物が、所属部門が異なるユーザの印刷物と分別しやすいように異なるタイミングで出力され、印刷物の取り違えが防止される。従って、所属部門毎の情報の機密が守られる。また、所属部門毎にユーザの居所が異なるような場合に、他部門のユーザによって離れた場所に印刷物が持って行かれることがなくなる。なお、同部門のユーザでは印刷タイミングが同じとなるが、仮にそのユーザによって印刷物が持って行かれても、印刷物の取り戻しは容易である。
【0147】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、認証されたユーザの所属部門に限らず、例えば、所属会社や、配属サイトに応じて上述のように印刷タイミングを変更してもよい。また、CPU21は、1つのユーザグループについて印刷したとき、ユーザグループ数とカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次のユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0148】
[第7の実施の形態]
【0149】
第7の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第7の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第7の実施の形態では、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、印刷ジョブの実行間隔を所定時間だけ設けたり、印刷物の排出先を変更する印刷方法を採用している。ここでは、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属部門情報に応じて印刷物の排出先を変更する。また、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて印刷タイミングを変更する。
【0150】
第7の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0151】
図14は、第7の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0152】
ステップS801において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる所属部門情報を抽出する。
【0153】
ステップS803において、CPU21は、抽出した所属部門情報に応じて、ユーザグループ(所属部門別ユーザグループ)を作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順をユーザグループ毎について変更する。
【0154】
ステップS805において、CPU21は、作成した所属部門別ユーザグループの数をカウントする。
【0155】
ステップS807において、CPU21は、第1のカウンタxの値をリセットする(x=0)。
【0156】
ステップS809において、CPU21は、第1のカウンタxの値をインクリメントする(x=x+1)。
【0157】
ステップS811において、CPU21は、印刷ジョブの実行順が先の1つの所属部門別ユーザグループについて、階層別印刷処理を実行する。階層別印刷処理については後述する。
【0158】
階層別印刷処理が終了すると、ステップS813において、CPU21は、作成した所属部門別ユーザグループの数が第1のカウンタxと等しいかどうかを確認する。
【0159】
ステップS813において所属部門別ユーザグループ数が第1のカウンタxと等しくなければ、ステップS815において、CPU21は、印刷物の排出先を切り替える。例えば、CPU21は、印刷物の排出先を第1の排紙トレイ5から第2の排紙トレイ7に変更する。
【0160】
CPU21は、すべての所属部門別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS809からS815の処理を繰り返して行う。これにより、所属部門別ユーザグループ毎に、印刷物の排出先が変更されて印刷ジョブが実行される。
【0161】
ステップS813において所属部門別ユーザグループ数がカウンタxと等しいとき、すなわちすべての所属部門別ユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0162】
次に、ステップS811において行われる階層別印刷処理について説明する。
【0163】
図15は、第7の実施の形態における階層別印刷処理を示すフローチャートである。
【0164】
ステップS851において、CPU21は、階層情報の抽出を行う。CPU21は、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループに対応するユーザの各々について、階層情報を抽出する。
【0165】
ステップS853において、CPU21は、抽出した階層情報に基づいて、ユーザグループ(階層別ユーザグループ)を形成する。また、CPU21は、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブについて、さらに、階層別ユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、1つの所属部門別ユーザグループの中で、印刷ジョブの実行順を階層別ユーザグループ毎に変更する。CPU21は、例えば、階層が下位である属性を有する階層別ユーザグループにグルーピングした印刷ジョブを、他のユーザグループにグルーピングしたものよりも先に実行する。
【0166】
ステップS855において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数をカウントする。
【0167】
ステップS857において、CPU21は、第2のカウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0168】
以後、ステップS859からS867までは、上述の第4の実施の形態におけるステップS507からS515までと略同様に行われる。すなわち、CPU21は、第2のカウンタnの値をインクリメントする(S859)。CPU21は、実行順が最初の階層別ユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S861)。CPU21は、プリント部17に送信した印刷ジョブを実行する(S863)。印刷ジョブの実行終了後、CPU21は、所定時間のカウントを行う(S865)。CPU21は、すべての階層別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS859からS865の処理を繰り返して行う(S867)。これにより、そのとき印刷を行う1つの所属部門別ユーザグループにグルーピングされたすべての印刷ジョブがユーザの階層毎に実行される。
【0169】
第7の実施の形態によれば、同時認証を行ったユーザの階層毎に印刷タイミングが異なる。これにより、印刷物がユーザの階層毎に分別しやすいように出力され、印刷物の機密が維持され、セキュリティを強化することができる。また、同時認証を行ったユーザの所属部門毎に印刷物の排出先が変更される。これにより、印刷物がユーザの所属部門毎に分別しやすいように出力され、居所とは異なる場所へ印刷物が持ち帰られるなどのトラブルを防止することができる。このように、階層および所属部門が互いに異なる複数のユーザが同時認証を行った場合であっても、印刷物の取り違えなどを防止し、トラブルを防止することができる。
【0170】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、認証されたユーザの所属部門に限らず、例えば、所属会社や、配属サイトに応じて上述のように印刷物の排出先を変更してもよい。また、CPU21は、階層別印刷処理において、1つの階層別ユーザグループについて印刷したとき、階層別ユーザグループ数と第2のカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次の階層別ユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0171】
[第8の実施の形態]
【0172】
第8の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第8の実施の形態は、第2の実施の形態の同時認証時の認証印刷機能の一つの動作例を示す。第8の実施の形態では、第7の実施の形態と同様に、CPU21は、ユーザグループの属性に応じて、印刷ジョブの実行間隔を所定時間だけ設けたり、印刷物の排出先を変更する印刷方法を採用している。第8の実施の形態において、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの階層情報に応じて印刷物の排出先を変更する。また、CPU21は、同時認証を行った各ユーザの所属サイト情報(在籍情報)に応じて印刷タイミングを変更する。
【0173】
第8の実施の形態において、ユーザの認証が行われるまでの動作の流れは、図4に示したような第1の実施の形態におけるそれと同じである。
【0174】
図16は、第8の実施の形態における画像形成装置のユーザの認証後の動作を示すフローチャートである。
【0175】
ステップS901において、CPU21は、認証ユーザのユーザ属性情報に含まれる階層情報を抽出する。
【0176】
ステップS903において、CPU21は、抽出した階層情報に応じて、ユーザグループ(階層別ユーザグループ)を作成する。また、CPU21は、認証されたユーザ分の印刷ジョブについて、作成したユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、印刷ジョブの実行順を階層別ユーザグループ毎について変更する。
【0177】
ステップS905において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数をカウントする。
【0178】
ステップS907において、CPU21は、第1のカウンタxの値をリセットする(x=0)。
【0179】
ステップS909において、CPU21は、第1のカウンタxの値をインクリメントする(x=x+1)。
【0180】
ステップS911において、CPU21は、印刷ジョブの実行順が先の1つの階層別ユーザグループについて、在籍別印刷処理を実行する。在籍別印刷処理については後述する。
【0181】
在籍別印刷処理が終了すると、ステップS913において、CPU21は、作成した階層別ユーザグループの数が第1のカウンタxと等しいかどうかを確認する。
【0182】
ステップS913において階層別ユーザグループ数が第1のカウンタxと等しくなければ、ステップS915において、CPU21は、印刷物の排出先を切り替える。印刷物の排出先の切り替えは、第7の実施の形態のそれと略同様に行われる。
【0183】
CPU21は、すべての階層別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS909からS915の処理を繰り返して行う。これにより、階層別ユーザグループ毎に、印刷物の排出先が変更されて印刷ジョブが実行される。
【0184】
ステップS913において階層別ユーザグループ数がカウンタxと等しいとき、すなわちすべての階層別ユーザグループについて印刷が完了した場合には、CPU21は、認証印刷機能を終了する。
【0185】
次に、ステップS911において行われる在籍別印刷処理について説明する。
【0186】
図17は、第8の実施の形態における在籍別印刷処理を示すフローチャートである。
【0187】
ステップS951において、CPU21は、在籍情報の抽出を行う。CPU21は、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループに対応するユーザの各々について、在籍情報を抽出する。なお、在籍情報は、例えばユーザの所属サイトに関する情報である。在籍情報はこれに限られず、ユーザの所属会社情報や、所属部門情報であってもよい。
【0188】
ステップS953において、CPU21は、抽出した在籍情報に基づいて、ユーザグループ(在籍別ユーザグループ)を形成する。また、CPU21は、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブについて、さらに、在籍別ユーザグループへのグルーピングを行う。CPU21は、1つの階層別ユーザグループの中で、印刷ジョブの実行順を在籍別ユーザグループ毎に変更する。
【0189】
ステップS955において、CPU21は、作成した在籍別ユーザグループの数をカウントする。
【0190】
ステップS957において、CPU21は、第2のカウンタnの値をリセットする(n=0)。
【0191】
以後、ステップS959からS967までは、上述の第6の実施の形態におけるステップS709からS717までと略同様に行われる。すなわち、CPU21は、第2のカウンタnの値をインクリメントする(S959)。CPU21は、実行順が最初の在籍別ユーザグループ分の印刷ジョブをHDD部11から読み出し、プリント部17に送信する(S961)。CPU21は、プリント部17にデータを送信した印刷ジョブを実行する(S963)。印刷ジョブの実行終了後、CPU21は、所定時間のカウントを行う(S965)。CPU21は、すべての在籍別ユーザグループについて印刷が完了するまで、これらステップS959からS965の処理を繰り返して行う(S967)。これにより、そのとき印刷を行う1つの階層別ユーザグループにグルーピングされたすべての印刷ジョブが、ユーザの所属サイト毎に実行される。
【0192】
第8の実施の形態によれば、同時認証を行ったユーザの階層毎に印刷物の排出先が変更される。これにより、印刷物がユーザの階層毎に分別しやすいように出力され、印刷物の機密が維持され、セキュリティを強化することができる。また、同時認証を行ったユーザの所属サイト毎に印刷タイミングが異なる。これにより、印刷物がユーザの所属サイト毎に分別しやすいように出力され、居所とは異なる場所に印刷物が持ち帰られるなどのトラブルを防止することができる。このように、所属サイトおよび階層が互いに異なる複数のユーザが同時認証を行った場合であっても、印刷物の取り違えなどを防止し、トラブルを防止することができる。
【0193】
なお、印刷ジョブの実行順は適宜設定することができる。また、CPU21は、在籍別印刷処理において、1つの在籍別ユーザグループについて印刷したとき、在籍別ユーザグループ数と第2のカウンタnとが等しくなければ、その後、所定時間のカウントを行って、実行順が次の在籍別ユーザグループについて印刷を行うようにしてもよい。
【0194】
[実施の形態における効果]
【0195】
以上のように構成された画像形成装置では、認証カードにより認証されたユーザの属性情報に応じて印刷ジョブをグルーピングして、ユーザグループ毎に印刷方法の設定を行うことができる。これにより、画像形成装置を複数のユーザで用いたときに、印刷物の取り違えや取り残しなど、ユーザの錯誤によるトラブルを避けることができる。従って、画像形成装置のセキュリティをより向上させることができる。
【0196】
特に、複数のユーザによる同時認証が行われたときには、認証されたユーザの属性情報に応じてユーザグループが作成される。また、そのユーザグループの属性に応じて印刷方法が設定され、ユーザグループ毎に印刷物の出力が差別化される。従って、異なるユーザグループの印刷物との取り違えなどを確実に防止することができ、トラブルの発生を避け、また、セキュリティを強化することができる。
【0197】
また、ユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングは、認証カードに記憶されているユーザ属性情報に応じて行われる。従って、あるユーザの属性が変わったとしても、画像形成装置側において設定の変更などを行う必要がなく、ユーザ属性情報が変更された認証カードを用意するだけでよいので、画像形成装置の利便性が高い。
【0198】
また、ユーザ属性情報が互いに似ているような、印刷ジョブが同一のユーザグループに属するユーザの印刷物は、共に同一の印刷方法で出力される。従って、印刷物が、ユーザの属性に応じてまとまって出力されるので、画像形成装置の利便性が高くなる。
【0199】
[その他]
【0200】
ユーザの認証は、認証カードを認証装置に読み取らせて行われるものに限られない。例えば、認証カードに代えて、ユーザが保有する携帯電話などの携帯端末など、種々の認証媒体を用いることができる。認証媒体には、ユーザ属性情報が記憶されていればよい。
【0201】
また、ユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングに用いられるユーザ属性情報は、上述のような、階層に関する情報や所属に関する情報に限られない。例えば、ユーザの課金情報や残高情報、印刷履歴情報などであってもよい。また、認証媒体から抽出されたユーザ属性情報に応じて、CPUが、例えばHDD部などの記憶媒体や外部サーバなどに記憶されたそのユーザの詳細な属性情報を読み出し、その詳細な属性情報に応じてユーザグループの作成や印刷ジョブのグルーピングなどを行ってもよい。
【0202】
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
【0203】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。
【0204】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0205】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0206】
1 画像形成装置
5 第1の排紙トレイ
7 第2の排紙トレイ
9 第3の排紙トレイ
11 HDD部(記憶媒体)
15 認証装置
21 CPU
23 操作パネル
50 認証カード(認証媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置であって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピング手段と、
前記グルーピング手段によりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記グルーピング手段は、前記抽出手段により複数の認証媒体の各々からユーザ属性情報が抽出されることで複数のユーザ属性情報が抽出された場合には、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブから、前記複数のユーザ属性情報に対応するものについてのグルーピングを行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、少なくとも前記ユーザの階層に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの所属に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、少なくとも前記ユーザの所属に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記各ユーザグループの属性に基づいて、前記ユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザにより操作可能な操作パネルと、
前記各ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順を前記ユーザグループ毎に並び替える並び替え手段と、
所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行した後、前記操作パネルにより、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷開始要求を確認する確認手段と、
前記確認手段により確認が行われた後に、前記別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する実行手段とをさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各ユーザグループの属性に基づいて、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込んで出力するために、前記他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを複数に分割する分割手段と、
前記分割された複数の印刷ジョブのうち少なくとも一つを実行した後に、前記所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行し、その後に前記分割された複数の印刷ジョブのうち残りを実行する実行手段とをさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段をさらに備え、
ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングし、
前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち一方に関する属性を有するユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段と、
前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち他方に関する属性を有する1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、当該カウント処理が終了したとき、前記他方に関する属性を有する次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段とをさらに備えた、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御方法であって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、
前記グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとを備えた、画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御プログラムであって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、
前記グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項1】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置であって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピング手段と、
前記グルーピング手段によりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記グルーピング手段は、前記抽出手段により複数の認証媒体の各々からユーザ属性情報が抽出されることで複数のユーザ属性情報が抽出された場合には、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブから、前記複数のユーザ属性情報に対応するものについてのグルーピングを行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、少なくとも前記ユーザの階層に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの所属に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、少なくとも前記ユーザの所属に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングする、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記各ユーザグループの属性に基づいて、前記ユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザにより操作可能な操作パネルと、
前記各ユーザグループの属性に基づいて、印刷ジョブの実行順を前記ユーザグループ毎に並び替える並び替え手段と、
所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行した後、前記操作パネルにより、別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブの印刷開始要求を確認する確認手段と、
前記確認手段により確認が行われた後に、前記別のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行する実行手段とをさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各ユーザグループの属性に基づいて、所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物を、他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブによる印刷物の間に挟み込んで出力するために、前記他の少なくとも一つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを複数に分割する分割手段と、
前記分割された複数の印刷ジョブのうち少なくとも一つを実行した後に、前記所定のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行し、その後に前記分割された複数の印刷ジョブのうち残りを実行する実行手段とをさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、そのカウント処理が終了したとき、次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段をさらに備え、
ユーザグループ毎に印刷ジョブの実行間隔を所定時間設けて印刷する、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ユーザ属性情報は、ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報を含み、
前記グルーピング手段は、前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブをグルーピングし、
前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち一方に関する属性を有するユーザグループ毎に印刷物の排出先を切り替える切替手段と、
前記ユーザの階層に関する情報およびユーザの所属に関する情報のうち他方に関する属性を有する1つのユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行後、所定時間のカウント処理を行い、当該カウント処理が終了したとき、前記他方に関する属性を有する次のユーザグループにグルーピングされた印刷ジョブを実行するカウント手段とをさらに備えた、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御方法であって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、
前記グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとを備えた、画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
認証装置で認証媒体を読み取り、その認証結果に基づいて、記憶媒体に記憶された印刷ジョブを実行してプリントする画像形成装置の制御プログラムであって、
前記認証媒体から所定のユーザ属性情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにより抽出されたユーザ属性情報に基づいて、前記記憶媒体に記憶された印刷ジョブを、それぞれ所定の属性を有する1つ以上のユーザグループのうちの少なくとも1つにグルーピングするグルーピングステップと、
前記グルーピングステップによりグルーピングされた印刷ジョブの印刷方法を、そのユーザグループの属性に応じて設定する設定ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−167627(P2010−167627A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11074(P2009−11074)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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