説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、画像形成装置の制御プログラム、及び記憶媒体

【課題】画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、画像形成装置の制御プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることにより、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができ、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、画像形成装置の制御プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
制御手段が不揮発性記憶媒体を内蔵した装置において、主電源が切断された場合の対策が施された装置の一例が特許文献1,2に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、「不揮発性メモリ書き込み回路」に関するものであり、電源異常によるファイルシステムの破壊を防ぐ場合に消費電力の低減が可能な不揮発性メモリ書き込み回路、携帯型情報端末及び不揮発性メモリのデータ書き込み方法を提供することを目的とする。
【0004】
特許文献1に記載の発明は、「不揮発性メモリと、不揮発性メモリに対する書き込みを制御する制御部と、不揮発性メモリと制御部に対して電力供給を行う主電源部及び補助電源部とを備え、不揮発性メモリは、少なくとも、ファイル管理情報を格納するファイル管理領域とファイルデータを格納するファイル格納領域とに区画して使用され、不揮発性メモリにファイル管理情報を書き込む際は、主電源部及び補助電源部による電力供給を可能とし、不揮発性メモリにファイルデータを書き込む際は、補助電源部による電力供給を停止して、主電源部による電力供給を行なう。」構成である。
【0005】
すなわち、特許文献1に記載の発明は、不揮発性メモリにファイル管理情報を書き込む際は、主電源及び補助電源による電力供給を可能とし、不揮発性メモリにファイルデータを書き込む際は、補助電源による電力供給を停止して、主電源による電力供給を行なうものである。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、不揮発性メモリデータ保護装置に関する発明であり、主電源が切断されても、不揮発性メモリへの書き込みがあるときのみバックアップ電源に切り替わり、バックアップ終了時には再び主電源に切り替わる不揮発性メモリデータ保護装置を供給することを目的とする。
【0007】
特許文献2に記載の発明は、「電源断を検知する電圧降下検知手段と、不揮発性メモリへのデータの書き込み中であることを検知する書き込み検知手段と、2つの検知手段からの検知結果に応じて別電源に切り替える制御手段と、を有し、制御手段は、電源断、且つ不揮発性メモリへのデータ書き込み中であると検知された時には別電源に切り替え、電源断時に不揮発性メモリへのデータ書き込みがない時には別電源からの電力供給を行なわないように制御する」構成である。
【0008】
すなわち、特許文献2に記載の発明は、不揮発性メモリへの電源の供給を行なう電源部と、バックアップ電源(リチウムイオン電池等の2次電池)を有し、電源の切り替えはスイッチで行なう。スイッチは供給電源の切り替えを制御する制御部によって切り替え制御が行われる。そして、制御部の動作は電源部の電源電圧の降下を検知する電圧降下検知手段と、不揮発性メモリへのデータ書き込み中であることを検知する書き込み検知手段の結果とによって決まるものである。
【特許文献1】特開2006−155006号公報
【特許文献2】特開2004−272309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、ファイル管理情報と、ファイルデータ書込みで電源を切り替えるので、書込みが発生するたびに電源を切り替える処理が必要となるため、処理が煩雑となり動作速度の低下が懸念される。また、特許文献2に記載の発明は、不揮発性メモリが書き込み中であることを検知する必要がある。さらに、特許文献2に記載の発明は、不揮発性メモリの書き込みと電源断が重なったときに補助電源を使用するので、常に充電された補助電源を接続(有効化)しておく必要があり、常に不揮発性メモリへの書き込みと主電源の状態を監視していなくてはならないという課題がある。
【0010】
ここで、画像形成装置のメインスイッチをONにすることにより、主電源より電力供給がはじまり、メインコントローラ部において初期化、OS(Operating System:オペレーティングシステム)起動、アプリケーション展開を行なう。不揮発性デバイスのライトアクセス時の主電源の電源断が発生した場合は、データ保護には技術課題がある。
補助電源機構を搭載し、主電源断が発生した際、補助電源ユニットを起動し電力供給回路を切り替える手段が一般的であるが、この場合、常に電力が供給可能な1次電池、別電源ユニットとなる。1次電池においては、電力量に限りがあるため、半永久的に使用しつづけることは不可能である。叉別電源ユニットにての供給は、常に電源ユニットをAC(Alternating Current:交流)電源タップに装着する必要があり、画像形成装置の使用環境化では、2つのAC電源口が必要となるため、限られたユーザーに限定される。
【0011】
そのため、別電源ユニットを使用せず、半永久的に主電源断が発生した場合にも電力供給が可能な2次電池を採用することで、画像形成装置の主電力供給開始とほぼ同時に2次電池を供給可能な状態にして、画像形成装置起動時の突然の電源断時の不揮発性デバイス保護をする必要がある。
【0012】
画像形成装置の補助電源に2次電池を用いた際、2次電池の蓄積電力量が無いもしくは、微小の場合、画像形成装置の起動中、主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池で電力供給を行うが、2次電池の蓄電量が無い場合がある。
そのため、主電源のメインスイッチONをトリガーに2次電池の蓄電量をチェックして電源断に行なう、メインコントローラ部の供給電力に達してない場合は、充電を行い、蓄電量がメインコントローラ部の供給電力が可能な量であれば、そのレベルをASIC部へ転送し、システム起動に必要なOS/アプリケーション展開を行なうことにすることにより、補助電源となる2次電池が常に電源断時の不揮発性デバイスデータ保護を行なう必要がある。
【0013】
2次電池の充電には、時間を有するため、充電が十分電力量に達するまでシステム起動が行えなくなる。それを回避する手段として、充電量が必要最低限レベルに達した場合、メインコントローラのOS/アプリ展開を許可する。(不揮発性媒体の書き込み可能とする。)ただし、充電量は十分な電力量でないため、コントローラ全体の電力供給を行った際、不揮発性デバイスのライト動作正常終了を保証することが困難である。
【0014】
そのため、メインコントローラ起動時、不揮発性デバイスのライト動作が発生するデバイスに限定し、叉そのライト動作を指示、支援する周辺回路部のみ限定して、2次電池の電力消費を抑える必要がある。
【0015】
起動時の電源断のタイミングはユーザー操作のため、そのタイミングの予測が出来ない。
そのため、不揮発性デバイスライト動作限定とその周辺回路限定での電力供給時には、電源断が発生した場合、不揮発性デバイス内のデータ保護は可能であるが、システム的にエラーを検知してしまう可能性がある。不要なエラーLog(記録)を検知し、デバイス単体でデータ保護回路が含まれている不揮発性デバイス(例:FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory:誘電体メモリ))等のデバイスにそのlogが格納されてしまうと、画像形成装置の本当のエラーか否か切り分けが必要になる不具合が発生する可能性がある。
【0016】
そのため、電源断時、2次電池の充電電力が十分な量を確保出来ている場合は、メインコントローラ全体に電力供給を行うことにより、画像形成装置としてより信頼性の高い保護装置となる。
【0017】
画像形成装置のメインスイッチをONにすることにより、主電源より電力供給がはじまり、メインコントローラ部において初期化、OS起動、アプリケーション展開を行なう。不揮発性デバイスのライトアクセス時の主電源の電源断が発生した場合は、データ保護には技術課題がある。
【0018】
補助電源機構を搭載し、主電源断が発生した際、補助電源ユニットを起動し電力供給回路を切り替える手段が一般的であるが、この場合、常に電力が供給可能な1次電池、別電源ユニットとなる。1次電池においては、電力量に限りがあるため、半永久的に使用しつづけることは不可能である。また別電源ユニットにての供給は、常に電源ユニットをAC電源タップに装着する必要があり、画像形成装置の使用環境化では、2つのAC電源口が必要となるため、限られたユーザーに限定される。
【0019】
2次電池を用いた構成では上記技術課題を達成できるが、回路複雑化、2次電源制御複雑化となる。そのため、本発明項では、蓄電可能なコンデンサ(以下電気2重層コンデンサ)を採用することで、画像形成装置の主電力供給開始とほぼ同時にを電気2重層コンデンサの電力を供給可能な状態にして、画像形成装置起動時の突然の電源断時の不揮発性デバイスを保護する必要がある。
【0020】
画像形成装置の補助電源に電気2重層コンデンサを用いた際、電気2重層コンデンサの蓄積電力量が無いもしくは、微小の場合、画像形成装置の起動中、主電源断が発生した場合、有効化されている電気2重層コンデンサでの電力供給を行うが、十分な電力がなく、不揮発性のデバイス保護が困難な可能性がある。そのため、主電源のメインスイッチONをトリガーに電気2重層コンデンサのチャージが完了するまで、要なOS/アプリケーション展開を行なわないようにする必要がある。
【0021】
そこで、本発明の目的は、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、画像形成装置の制御プログラム、及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する主電源と、前記制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源と、充電された前記補助電源を前記制御手段に接続することにより有効化する有効化手段と、前記主電源もしくは前記補助電源を切り替える切替手段とを備えた画像形成装置において、前記制御手段は、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記補助電源を有効化しておき、前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記切替手段により前記主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給するようにしたことを特徴とする。
【0023】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給するようにしたことを特徴とする。
【0025】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項記載の発明において、前記制御手段は、前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行うようにしたことを特徴とする。
【0026】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか一項記載の発明において、前記補助電源は、2次電池もしくは電気2重層コンデンサであることを特徴とする。
【0027】
請求項6に係る発明は、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段を備えた画像形成装置の制御方法において、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源を充電して前記制御手段に接続することにより有効化しておき、前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記制御手段に電力を供給する主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給することを特徴とする。
【0028】
請求項7に係る発明は、請求項6記載の発明において、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行うことを特徴とする。
【0029】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の発明において、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給することを特徴とする。
【0030】
請求項9に係る発明は、請求項6から8の何れか一項記載の発明において、前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行うことを特徴とする。
【0031】
請求項10に係る発明は、コンピュータを、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する手段、前記制御手段に補助的に電力を供給する手段、充電された前記補助電源を前記制御手段に接続することにより有効化する手段、前記主電源もしくは前記補助電源を切り替える手段として機能させるための画像形成装置の制御プログラムにおいて、前記コンピュータを、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記補助電源を有効化する手段、前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記切替手段により前記主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給する手段として機能させることを特徴とする。
【0032】
請求項11に係る発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータを、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行う手段、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行う手段として機能させることを特徴とする。
【0033】
請求項12に係る発明は、請求項10記載の発明において、前記コンピュータを、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行う手段、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給する手段として機能させることを特徴とする。
【0034】
請求項13に係る発明は、請求項10から12の何れか一項記載の発明において、前記コンピュータを、前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行う手段として機能させることを特徴とする。
【0035】
請求項14に係る発明は、請求項10から13の何れか一項記載の制御プログラムを記憶した記憶媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることにより、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。すなわち、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
<画像形成装置>
本発明に係る画像形成装置の一実施の形態は、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する主電源と、制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源と、充電された前記補助電源のラインを接続することにより有効化する有効化手段と、主電源もしくは補助電源を切り替える切替手段とを備えた画像形成装置において、制御手段は、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ補助電源を有効化しておき、立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、切替手段により主電源から補助電源に切り替えて制御手段に電力を供給するようにしたことを特徴とする。
【0038】
画像形成装置としては、例えば、複写機、ファクシミリ装置、スキャナプリンタ等が挙げられる。
制御手段としては、例えば、マイクロコントローラが挙げられる。
不揮発性記憶媒体としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等が挙げられる。
切替手段としては、例えば、カソード同士を結合した二つのダイオードのアノードに主電源と補助電源とをそれぞれ接続し、カソードを制御手段に接続するようにしてもよく、ドレイン同士が接続された二つのMOS(Metal Oxide Semiconductor:金属酸化膜半導体)トランジスタのいずれか一方のゲート電位を「1」論理レベルにすることによりドレインーソース間をオンオフ制御するようにしてもよい。
【0039】
上記構成によれば、メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることにより、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。すなわち、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる。
【0040】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、制御手段は、メインスイッチONの際に、補助電源に制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行なうようにしたことを特徴とする。
【0041】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、制御手段は、メインスイッチONの際に、補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行なうデバイスにのみ電力を供給するようにしたことを特徴とする。
【0042】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、制御手段は、補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、補助電源から制御手段全体に電力供給を行なうようにしたことを特徴とする。
【0043】
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態は、上記構成に加え、補助電源は、2次電池もしくは電気2重層コンデンサであることを特徴とする。
2次電池としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、シール鉛蓄電池、バナジウムリチウム電池等が挙げられる。
【0044】
<画像形成装置の制御方法>
本発明に係る画像形成装置の制御方法の一実施の形態は、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段を備えた画像形成装置の制御方法において、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源を充電して接続することにより有効化しておき、立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、制御手段に電力を供給する主電源から補助電源に切り替えて制御手段に電力を供給することを特徴とする。
【0045】
上記構成によれば、メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることにより、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。すなわち、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる。
【0046】
本発明に係る画像形成装置の制御方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、メインスイッチONの際に、補助電源に制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行なうことを特徴とする。
【0047】
本発明に係る画像形成装置の制御方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、メインスイッチONの際に、補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行なうデバイスにのみ電力を供給することを特徴とする。
【0048】
本発明に係る画像形成装置の制御方法の他の実施の形態は、上記構成に加え、補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、補助電源から制御手段全体に電力供給を行なうことを特徴とする。
【0049】
<プログラム及び記憶媒体>
以上で説明した本発明の画像形成装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの一実施の形態は、コンピュータを、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する手段、制御手段に補助的に電力を供給する手段、充電された前記補助電源のラインを接続することにより有効化する手段、主電源もしくは補助電源を切り替える手段として機能させるための画像形成装置の制御プログラムにおいて、コンピュータを、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ補助電源を有効化する手段、立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、切替手段により主電源から補助電源に切り替えて制御手段に電力を供給する手段として機能させることを特徴とする。
【0051】
上記構成によれば、メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることにより、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。すなわち、画像形成装置の起動時の突然の電源断時の不揮発性記憶手段を保護することができる。
【0052】
本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータを、メインスイッチONの際に、補助電源に制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行なう手段、制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行なう手段として機能させることを特徴とする。
【0053】
本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータを、メインスイッチONの際に、補助電源の蓄積電力量検知を行なう手段、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行なうデバイスにのみ電力を供給する手段として機能させることを特徴とする。
【0054】
本発明に係る画像形成装置の制御プログラムの他の実施の形態は、上記構成に加え、コンピュータを、補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、補助電源から制御手段全体に電力供給を行なう手段として機能させることを特徴とする。
【0055】
本発明に係る記憶媒体の一実施の形態は、上記何れかの制御プログラムを記憶したことを特徴とする。
【0056】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明の装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0057】
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(CD Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、HDD、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリが挙げられる。
【0058】
ここで、書き込み中の電源断により復帰不能となるような重大な障害が起こる可能性があるのは、装置立ち上げ中に発生する書込み途中であるため、本発明ではメインスイッチONから一定の期間のみとし、処理を単純化している。
【0059】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【実施例1】
【0060】
図2は、本発明に係る画像形成装置の外観図の一例である。図3は、図2に示した画像形成装置のブロック図の一例である。図4は、図2に示した画像形成装置のメインスイッチがONされてから立ち上げが終了するまでのフローの一例である。
図2に示す画像形成装置において、まずメインスイッチがONになり主電源が入ると、主電源からの電力供給により画像形成装置は図3に示すフローにてメインコントローラの立ち上げ処理を開始にする。
【0061】
図3に示す画像形成装置は、主電源ユニット14より、AC/DC(Alternating Current/Direct Current:交流/直流)変換を行って直流電源電圧(DC電源)を生成する。
生成されたDC電源は、画像形成装置を、駆動系を制御メインとするエンジン制御ユニット23と、データ処理をメインとするメインコントローラユニットとなるCTL(コントローラ)16とに電力供給を行う。
【0062】
CTL16は、CPU21-ASIC19-DRAM20−ROM(NAND_フラッシュメモリ22a/NOR_フラッシュメモリ22b/FeRAM22c)22−HDD22dの基本構成ブロックにて、主電源ユニット14から電力供給が行われると、CTL16内にて、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)起動し(ステップS1)、ブートローダを起動し(ステップS2)、CTLハードウェア診断・初期化を行い(ステップS3)、カーネル(OS(Operating System))を起動し(ステップS4)、コピーアプリ(コピーアプリケーション)を起動し(ステップS5)、レディー状態に移行し(ステップS6、HDDレディー検知を行い(ステップS7)、I/F(Inter/Face)オプション検知を行い(ステップS8)、各アプリケーションを起動(プリンタ/スキャナ/FAX(ファクシミリ装置))することにより(ステップS9)、CTL16の起動(立ち上げ)を行う。
【0063】
主電源ユニットの他にCTL16上に補助電源17となる2次電池を用いた電源ユニットを用意する。
補助電源17となる2次電池は、図5、6に示す回路で電力供給の切り替えを行う。
図5は、図2に示した画像形成装置に用いられる電源切替手段周辺のブロック図の一例である。図6は、図2に示した画像形成装置が補助電源を2次電池とした場合の概念を説明するためのブロック図の一例である。図1は、本発明に係る画像形成装置が2次電池を補助電源とした場合の制御方法を示すフローの一例である。
【0064】
図5、6において、メインスイッチがONされると、主電源ユニット(PSU:Power Supply Unit)14から2次電池に供給される電力は、充電回路43を経由して、2次電池17のチャージを行う。2次電池17の公称定格電圧が仮に2.5Vであれば、4個の電圧の和をもとに、最大10Vとする。
2次電池17の充電電圧が5V以上で、コントローラCLT16の補助電源としての機能を網羅できる場合は、電圧検知回路42により充電電圧が5V以上であると検知できれば、充電検知信号を5Vレベル完了として出力とする。電圧検知回路42により、充電電圧が7.5V以上であると検知できればフル充電とみなし充電検知信号を7.5Vレベル以上として出力とする。
【0065】
定電圧回路42によって、コントローラCLT16にて必要な電圧:5Vに電圧変換を行い、供給可能な状態にする。先にコントローラCLT16は主電源ユニット14から供給された電力により、不揮発性記憶手段22に書き込みが発生しない、CTLハード診断の初期化フェーズまで終了し、充電検知信号が入力されるまで待機している。
【0066】
メインスイッチONから一定の期間中に、主電源断が発生した場合は、主電源ユニット14からの電源検知信号を元に、ASIC19にて主電源OFFを認識し、電源ユニット14の切替のための制御信号を出力する。制御信号により、2次電池17からの電力供給を有効にするように、導通接続切替を行い、さらに蓄電量を検知した検知信号にて、2次電池17の電圧が7.5Vの場合は、コントローラCTL16全体に電力供給可能なままとし、2次電池17の電圧が5V検知の場合は、ライトアクセスが発生しないNAND_フラッシュメモリ、自己保護回路を持つFeRAM(誘電体メモリ)、不揮発性デバイス以外のI/F制御デバイス(PHY(Physics:物理層)等)18の電力供給をOFFとする。
【0067】
すなわち、メインスイッチがONされると、二次電池17がチャージされる(ステップS12)。コントローラCTL16は、電圧検知回路より2次電池17の充電電圧が5V以上であるか否かを判断し(ステップS13)、充電電圧が5V以上でないと判断した場合(ステップS13/No)は待機し、充電電圧が5V以上であると判断した場合(ステップS13/Yes)は、電圧検知回路より2次電池17の充電電圧が7.5V以上であるか否かを判断する(ステップS14)。
【0068】
コントローラCTL16は、2次電池17の充電電圧が7.5V以上であると判断した場合(ステップS14/Yes)は、電圧検知回路が充電フルレベル信号を出力し(ステップS15)、OSを起動し(ステップS16)、主電源断となり電源検知信号がOFFとなると(ステップS17)、ASIC19は制御信号を出力する(ステップS18)。
コントローラCTL16は、制御信号にて電源供給接続切替を行い(ステップS19)、保護電源が有効となる。
【0069】
一方、コントローラCTL16は、2次電池17の充電電圧が7.5V以上でないと判断した場合(ステップS14/No)は、電圧検知回路は充電検知信号を出力し(ステップS21)、OSを起動し(ステップS22)、主電源断となり電源検知信号がOFFとなると(ステップS23)、ASIC19は制御信号を出力する(ステップS24)。
コントローラCTL16は、制御信号にて電源供給接続切替を行い(ステップS25)、NAND、フラッシュ/FeRAM/PHYの電源供給をOFFにすることにより(ステップS26)保護電源が有効となる。
【実施例2】
【0070】
図7は、本発明に係る画像形成装置が電気2重層コンデンサを補助電源とした場合の制御方法を示すフローの一例である。図8は、図2に示した画像形成装置が補助電源を電気2重層コンデンサとした場合の概念を説明するためのブロック図の一例である。
【0071】
図7において、主電源ユニット14から供給される電力は、充電回路43を経由して、電気2重層コンデンサ50のチャージを行う。
電気2重層コンデンサ50の公称定格電圧が仮に2.5Vであれば、4個の電気2重層コンデンサ50の電圧の和をもとに、最大10Vとする。電気2重層コンデンサ50の充電電圧が7.5V以上で、コントローラCTL16の補助電源としての機能を網羅できる場合は、電圧検知回路41により、充電電圧が7.5V以上であると検知できれば、充電検知信号を有効とする。
電気2重層コンデンサ50にチャージされた電荷は、定電圧回路42によって、コントローラCTL16にて必要な電圧:5Vに電圧変換を行い、供給可能な状態にする。
【0072】
先にメインコントローラCTL16は主電源ユニット14から供給された電力により、不揮発性記憶手段22に書き込みが発生しない、CTLハード診断の初期化フェーズまで終了し、充電検知信号が入力されるまで待機している。メインスイッチONから一定の期間中に、主電源断が発生した場合は、主電源ユニット14からの電源検知信号を元に、ASIC17にて主電源OFF認識、電源ユニット14の切替のための制御信号を出力する。制御信号により、電気2重層コンデンサ50からの電力供給を有効にするように、導通接続切替を行い、主電源ユニット14の代わりにコントローラCTL16へ電力供給を開始する。
【0073】
すなわち、メインスイッチがONされると(ステップS31)、電気2重層コンデンサ50がチャージされる(ステップS32)。
メインコントローラCTL16は、電圧検知回路より電気2重層コンデンサ50の充電電圧が7.5V以上あるか否かを判断し(ステップS33)、充電電圧が7.5V以上ないと判断した場合(ステップS33/No)は待機し、充電電圧が7.5V以上あると判断した場合(ステップS33/Yes)、電圧検知回路は充電検知信号を出力する(ステップS34)。
メインコントローラCTL16は、OSを起動し(ステップS35)、主電源断となり、電源検知信号がOFFとなると(ステップS36)、ASIC19は制御信号を出力し(ステップS37)、メインコントローラCTL16は、制御信号にて電源供給接続を切り替えることにより(ステップS38)、保護電源が有効となる。
【実施例3】
【0074】
本発明に係る画像形成装置の構成について、図9を参照して説明する。
同図に示す画像形成装置は、図2に示した主電源ユニット17、コントローラCTL16及びエンジン制御ユニット23を有する。尚、図9において、主電源ユニット14、及びCTL16は省略されている。また、エンジン部としてプリンタの場合として説明する。
回転可能に支持されて図9の矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置Lと、クリーニング装置202と、帯電装置203と、現像装置205とが配設されている。
【0075】
感光体201の外周部における帯電装置203と現像装置205との間には、露光装置204から発せられる光情報を入射させるスペースが確保されている。
図9に示す構成では感光体201が4個(201a,201b,201c,201d)あるが、現像装置205が扱う色材(トナー)の色が異なるのみであり、それぞれの外周部に設けられる画像形成用の上述した部品構成は同じである。
【0076】
感光体201は、直径が30mmから100mm程度のアルミニュム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けて構成され、その一部が中間転写ベルト(第1の顕像担持手段)210に接している。
【0077】
中間転写ベルト210は、回転するローラ211,212,213,214により支持され、図9の矢印方向に移動可能に張架されている。この中間転写ベルト210の裏側(ループの内側)には、第1の転写手段としてのローラ212が感光体201の近傍に配備され、感光体201上の顕像を中間転写ベルト210に転写させる。
【0078】
中間転写ベルト210のベルトループの外側における、中間転写ベルト210から顕像を記録媒体(以下、用紙と表記)Pまたは裏面用中間転写ベルト(第2の顕像担持手段)200に転写する位置の下流に、中間転写ベルト用クリーニング装置250が配設されている。このクリーニング装置250のブラシは、中間転写ベルト210から顕像が他に転写された後でベルト表面に残留する不要なトナーを拭い去る。
【0079】
図9はブラシローラが裏面用中間転写ベルト200の表面から離れた状態にある。このブラシローラは支点250Aを中心として揺動可能に設けられ、裏面用中間転写ベルト200表面に接離可能な構造になっている。
中間転写ベルト210から転写されたトナー像を用紙Pに転写する以前、すなわち裏面用中間転写ベルト100がトナー像を担持しているときは離れた状態とし、用紙Pへの転写が行われてクリーニングが必要となったとき、ブラシローラは図9での反時計方向に揺動し接触される。
除去された不要トナーはトナー収納部250Bに集められる。
【0080】
露光装置204は公知のレーザ方式によるもので、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体201表面に潜像として照射する。この露光装置204としては、LEDアレイと結像手段とから成る露光装置を用いてもよい。
【0081】
このように、上述した感光体201と、クリーニング装置202と、帯電装置203と、露光装置204と、現像装置205と、除電装置Lと、第1の転写手段212とが、中間転写ベルト210に転写する顕像(トナーによる像)を生成する作像手段として機能する。
【0082】
中間転写ベルト210は、基体の厚みが50μm〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトであり、感光体211からトナーを転写可能とする抵抗値を備える。
この中間転写ベルト210に対して図9の右方には、ベルト状の裏面用中間転写ベルト(第2の顕像担持手段)200が配設されている。この裏面用中間転写ベルト200は、回転ローラ216,217,218,219により支持され、図9の矢印方向に移動可能に張架されており、裏側(ループの内側)には、第2の転写手段220が配設されている。裏面用中間転写ベルト200によるベルトループの外側に、この裏面用中間転写ベルト用クリーニング装置250、チャージャCHなどが配設されている。
【0083】
上述した第2の転写手段219と、ローラ218,219と、中間転写ベルト210を支持するローラ214とにより、中間転写ベルト210と裏面用中間転写ベルト200とが接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。
【0084】
裏面用中間転写ベルト200は、基体の厚みが50μm〜600μmの樹脂フィルムあるいはゴムを基体にしたベルトで、中間転写ベルト210からトナーを転写可能とする抵抗値を備えるベルトである。
【0085】
用紙Pは図の下方の給紙装置(給紙カセット)226-1,226-2に収納されており、最上にある用紙が給紙ローラ227で1枚づつ、複数のガイド229を経てレジストローラ対228に搬送される。
用紙Pが搬送されるさらに下流には、定着用加熱手段230、排紙ガイド対231、排紙ローラ対232、排紙スタック部240が配設されている。
【0086】
図9における中間転写ベルト210の上方で排紙スタック部240の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部TSが設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、トナーカートリッジTCの形態にされている。このトナーカートリッジTCからは、粉体ポンプ等により対応する色の現像装置に適宜補給される。
【0087】
こうした装置本体の一部であるフレーム251は、開閉支軸251Aを中心として、回動・開放が可能な構造にされている。このため、ユーザーはこのフレーム251を開いた状態とすることにより用紙の搬送路を大きく開くことができ、ジャムが発生した場合の用紙Pの処理を容易にしている。
【0088】
また、上述した用紙Pへの画像形成を行う装置本体の上部に読み取り部11が支持部266を介して連設され、この読み取り部11により読み取られた画像データを上述した装置本体が用紙Pに印刷することで、コピー動作を可能にするよう構成されている。
【0089】
読み取り部11の外周部には、操作示部(表示手段、かつ入力手段)12が設けられている。この操作部12は、ユーザーに各種の操作情報を表示により通知すると共に操作入力を受けるタッチパネルや、テンキーなど各種のボタンを備える。
ユーザーは、この操作部12により、コピーの片面/両面切り替え、コピー動作の開始、コピー枚数の設定、コピー機能とプリンタ機能との切り替えなどの各種操作を行う。
【0090】
なお、上述した実施例は、本発明の好適な実施例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。例え場、上述した実施例ではエンジン部がプリンタの場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プロッタであってもよい。
【0091】
<効 果>
メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている2次電池より電力供給されることを特徴とする装置においては、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、2次電池より供給された電力により、ライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。
【0092】
充放電可能な蓄電デバイス2次電池においては、メインスイッチON時に、蓄積電力量検知を行い、メインコントローラ部装置を保護するに必要な電力が充電されていることを確認し、その結果をトリガーとして、メインコントローラ部の初期起動動作を行うことを特徴とする装置においては、蓄電量が無い場合は、メインコントローラの起動を静止しているので、不揮発性デバイスへのライトアクセスが発生することを止める効果がある。
【0093】
充放電可能な蓄電デバイス2次電池においては、メインスイッチON時に、蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積した場合(している場合)は、メインコントローラ部の不揮発性媒体をアクセス制御するASIC-CPU-RAM間と不揮発性媒体の起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ、電力供給を行うことを特徴とする装置おいては、メインコントローラ起動時、不揮発性デバイスのライト動作を必要とするデバイスに限定し、叉そのライト動作を指示、支援する周辺回路部のみ限定して2次電池の電力供給可能としておくことにより、電源断が発生した場合、電力を供給し、2電池の充電が必要最低レベルであれば、画像形成装置の起動を可能として、起動時間短縮を行なう効果がある。
【0094】
2次電池の蓄積電力量が十分な量を確保出来ている場合は、主電源断が発生した際、補助電源となる2次電池は、不揮発性媒体を搭載するメインコントローラ部全体に電力供給を行うことを特徴とする装置においては、電源断時、メインコントローラ全体を保護するようにしているので、回路簡略化と不必要なエラーLog等を検知することなく安定したシステムOFFが行える効果がある。
【0095】
メインスイッチONから一定の期間のみ補助電源を有効にしておき、メインコントローラへの電力供給は基本的に主電源から行うが、立ち上げ時に主電源断が発生した場合、有効化されている電気2重層コンデンサより電力供給されることを特徴とする装置においては、不揮発性デバイスのライトアクセス中の電源断においても、電気2重層コンデンサより供給された電力により、不揮発性デバイスがライト動作であれば、確実にライト動作を終了させてデータ保護、ファイルシステム破壊に至ることの無いようにすることができる。
【0096】
蓄電可能な電気2重層コンデンサにおいては、メインスイッチON時に、インコントローラ部装置を保護するに必要な電力が充電されていることを確認し、その結果をトリガーとして、メインコントローラ部の初期起動動作を行うことを特徴とする装置においては、蓄電量が無い場合は、メインコントローラの起動を静止しているので、不揮発性デバイスへのライトアクセスが発生することを止める効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置、スキャナプリンタ、もしくはこれらの機能を複合化した複合機等の画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係る画像形成装置が2次電池を補助電源とした場合の制御方法を示すフローの一例である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の外観図の一例である。
【図3】図2に示した画像形成装置のブロック図の一例である。
【図4】図2に示した画像形成装置のメインスイッチがONされてから立ち上げが終了するまでのフローの一例である。
【図5】図2に示した画像形成装置に用いられる電源切替手段周辺のブロック図の一例である。
【図6】図2に示した画像形成装置が補助電源を2次電池とした場合の概念を説明するためのブロック図の一例である。
【図7】本発明に係る画像形成装置が電気2重層コンデンサを補助電源とした場合の制御方法を示すフローの一例である。
【図8】図2に示した画像形成装置が補助電源を電気2重層コンデンサとした場合の概念を説明するためのブロック図の一例である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
11 読み取り部
12 操作部
13 エンジン(プリンタもしくはプロッタ)部
14 主電源ユニット
15 メインスイッチ
16 コントローラ(CTL)
17 補助電源
18 PHY
19 ASIC
20 DRAM
21 CPU
22 不揮発性記憶手段
22a NAND フラッシュメモリ
22b NOR フラッシュメモリ
22c FeRAM
22d HDD
23 エンジン制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する主電源と、
前記制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源と、
充電された前記補助電源を前記制御手段に接続することにより有効化する有効化手段と、
前記主電源もしくは前記補助電源を切り替える切替手段とを備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記補助電源を有効化しておき、前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記切替手段により前記主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行うようにしたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記補助電源は、2次電池もしくは電気2重層コンデンサであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段を備えた画像形成装置の制御方法において、
メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記制御手段に補助的に電力を供給する充電可能な補助電源を充電して前記制御手段に接続することにより有効化しておき、前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記制御手段に電力を供給する主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行い、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行うことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行い、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行うことを特徴とする請求項6から8の何れか一項記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、不揮発性記憶媒体を内蔵した制御手段に電力を供給する手段、
前記制御手段に補助的に電力を供給する手段、
充電された前記補助電源を前記制御手段に接続することにより有効化する手段、
前記主電源もしくは前記補助電源を切り替える手段として機能させるための画像形成装置の制御プログラムにおいて、
前記コンピュータを、メインスイッチONから定常状態になるまでの立ち上げ期間のみ前記補助電源を有効化する手段、
前記立ち上げ期間中に主電源断が発生した場合、前記切替手段により前記主電源から前記補助電源に切り替えて前記制御手段に電力を供給する手段として機能させるための画像形成装置の制御プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源に前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されているか否かの検知を行う手段、前記制御手段を保護するのに必要な電力が充電されている場合にのみ初期起動動作を行う手段として機能させるための請求項10記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記メインスイッチONの際に、前記補助電源の蓄積電力量検知を行う手段、必要最低限の蓄積電力量を蓄積している場合は、前記不揮発性記憶媒体のアクセス制御及び起動時の書き込み動作を行うデバイスにのみ電力を供給する手段として機能させるための請求項10記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータを、前記補助電源がフル充電出来ている場合、主電源断が発生すると、前記補助電源から前記制御手段全体に電力供給を行う手段として機能させる請求項10から12の何れか一項記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項14】
請求項10から13の何れか一項記載の制御プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−301093(P2009−301093A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151574(P2008−151574)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】