説明

画像形成装置、画面表示方法、画像形成システム、プログラム、記憶媒体

【課題】ユーザの使用頻度に応じて適切な操作画面を表示すると共に、使用頻度の高い機能だけでなく自機で使用可能な機能を選択できる画像形成装置等を提供すること。
【解決手段】ユーザを識別する識別手段24と、ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段25と、操作画面を表示する表示手段12と、を有する、画像形成装置100であって、識別手段により識別されたユーザのユーザIDを他機に送信する送信手段23と、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能を指定する操作メニューを、操作画面に形成させる画面情報を、自機又は他機から取得する画面情報取得手段31と、画面情報取得手段が取得した画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化する最適化手段33、34と、画面情報に基づき形成された推奨操作画面30を表示手段に表示する表示制御手段21と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を印刷する画像形成装置等に関し、特に、ユーザに適切な操作画面を提供する画像形成装置、画面表示方法、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機などの画像形成装置は、プリントなどの各機能が複雑化・高度化すると共に、プリント機能・スキャナ機能・ファクシミリ機能・複写機能等の各機能が1台の画像形成装置に集約される場合があるなど、極めて多機能になっている。このような画像形成装置では、各機能を可能な限り分かりやすくユーザに提示するため、限られた大きさの操作パネルに機能の選択や各機能の詳細な設定等の操作メニューを配置している。
【0003】
しかしながら、機能が多くなると例えば機能に対応した操作メニューが階層化されるなど、ユーザがその所望の機能を表示するまで、所定数の操作が必要となるなど操作性の向上が困難となる場合がある。特に、同じ機能を使用する頻度の高いユーザであっても、操作の度に同じ操作を繰り返す必要が生じてしまう。
【0004】
この点について、操作画面をユーザ毎に可変とする技術が考えられている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、ユーザ自身が考えた操作キーレイアウトを記載した原稿を画像読み取り手段で読み取らせ、そのレイアウト中の各操作キーに所望の機能を割り付けることができる画像形成装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ユーザ毎に使用した機能の設定を記憶手段に保存しておき、ユーザが所定の操作ボタンを押下すると記憶している設定を呼び出したり、最近使用した機能の内で使用頻度の高い順に操作画面を操作パネルに表示する画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2004−007579号公報
【特許文献2】特開2007−130981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の画像形成装置では、操作キーレイアウトを読み取らせる必要があるため必ずしも操作性を向上させることはできないし、別の機能を使用する頻度が高くなったら却って操作性が低下するおそれもある。
【0007】
また、特許文献2記載の画像形成装置では、最近使用した機能を呼び出して表示することができるが、最近使用した機能以外の機能をユーザが選択するための操作画面について考慮されていないので、別の機能を使用する場合の操作性が低下するおそれがあるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの使用頻度に応じて適切な操作画面を表示すると共に、使用頻度の高い機能だけでなく自機で使用可能な機能を容易に選択できる画像形成装置、画面表示方法、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、ユーザを識別する識別手段と、ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段と、操作メニューが配置された操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を入力する入力手段と、を有する、画像形成装置であって、識別手段により識別されたユーザのユーザIDを他機に送信する送信手段と、
該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能を指定する操作メニューを、機能に対応づけて操作画面を形成する画面情報を記憶する画面情報記憶手段から他機が読み出した、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能に対応づけられた前記画面情報を取得する画面情報取得手段(例えば、お勧め画面検索部31)と、画面情報取得手段が取得した画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化する最適化手段(例えば、装置判定部33、機能判定部34等)と、画面情報に基づき形成された推奨操作画面を前記表示手段に表示する表示制御手段(例えば、メイン制御部26)と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、使用頻度が高い操作画面を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化するので、よく使う機能と共に、自機で使用できる機能も同等に扱い1つの推奨操作画面に表示することができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
ユーザの使用頻度に応じて適切な操作画面を表示すると共に、使用頻度の高い機能だけでなく自機で使用可能な機能を選択できる画像形成装置、画面表示方法、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置100が表示するお勧め選択画面とお勧め画面の一例を示す図である。お勧め選択画面は、背景として表示されている通常メニュー601と、複数のお勧め画面からその1つを選択するためのお勧め画面選択メニュー501〜503と、通常メニュー601を選択可能にする「閉じる」メニュー504と、から構成される。お勧め選択画面では、通常メニュー601は表示されてもトーンダウン(輝度が低くなっている)されたり、小さい字で表示されるなどされ、ユーザが選択することができない(ユーザが触れてもその機能を指定できない)。一方、お勧め画面選択メニュー501〜504は、トーンダウンされたり小さい文字で表示されることなく、ユーザが選択することができる(以下、お勧め画面選択メニュー501〜503と通常メニュー601を区別しない場合、操作メニューという。)。
【0013】
ユーザがお勧め選択メニュー501〜503のいずれかを選択すると、対応したお勧め画面が表示される。お勧め画面については後述する。お勧め画面30Aはステープルの使用頻度が高いユーザに勧めるお勧め画面であり、お勧め画面30Bは両面印刷の使用頻度が高いユーザに勧めるお勧め画面であり、お勧め画面30Cはソートの使用頻度が多いユーザに勧めるお勧め画面である(以下、単にお勧め画面30という。)。
【0014】
したがって、優先的にユーザがお勧め画面30を選択可能となると共に、ユーザはいくつかある(1つでもよい)中から所望のお勧め画面30を選択することができる。後述するように、これらお勧め画面30は、自機である画像形成装置100の機能及び装置を反映したものなので、ユーザはお勧め画面30から使用頻度の高い操作メニューだけでなく、使用頻度にかかわらず使用可能な操作メニューから所望の機能を選択できる。すなわち、非常に優れた操作性を提供することができる。
【0015】
なお、図1は、そのユーザに勧めるお勧め画面30が3つある場合であるので、お勧め画面選択メニュー501〜503は1つでもよいし4つ以上でもよい。また、お勧め画面30が1つしかない場合、お勧め選択画面を表示しなくてもよい。図1では「おすすめ1」「おすすめ2」「おすすめ3」とだけ表示されているか、各お勧め画面の内容(例えば、ステープル用、両面用、ソート用)をお勧め画面選択メニュー501〜503に表示することが好適である。
【0016】
また、以下では、タッチパネル型の操作パネル61に操作メニューが表示されることとし、ユーザが操作メニューに触れる(操作する)ことを、単に選択すると称する。タッチパネルは一例であって、非接触に操作メニューを選択できてもよいし、マウスなどのポインティングデバイスで選択してもよい。
【0017】
また、本実施形態では、画像形成装置100が提供する能力を、装置と機能とに分けて取り扱う(説明する)。装置は、画像形成装置100に備えられた、例えばジョブに対応した部品レベルのハードウェアであり、ステープル装置やパンチ装置、カラー印刷装置、が該当する。また、複写する能力を装置として取り出した複写装置、原稿の読み取り能力を装置として取り出したスキャナ装置、FAX送信する能力を装置として取り出したファクシミリ装置もそれぞれ装置に含まれる。また、機能は、装置を用いて提供されるサービスであり、両面印刷、集約印刷、ステープルの綴じ位置設定、パンチの穴空け位置設定、ソート順番設定、スタック設定、等が該当する。
【0018】
お勧め画面30を受信した画像形成装置100にその装置が搭載されていても機能がなければ、お勧め画面30のその機能を使用することはできない。逆に、お勧め画面30を受信した画像形成装置100にその機能がある場合、装置も搭載されている可能性が高いが、お勧め画面30を受信した画像形成装置100にその機能がない場合は、お勧め画面30のその機能を使用することはできない。このよう関係に基づき、本実施形態の画像形成装置100は、使用頻度の高い操作メニューを表示するだけでなく、自機に最適化したお勧め画面30を表示する。
【0019】
〔システム構成〕
上記のお勧め画面30を表示する画面表示システム200について説明する。図2は、画面表示システム200の概略構成図の一例を示す。図2では、画像形成装置100A(画像形成装置100Bと区別しない場合は画像形成装置100という)がお勧め画面30を表示するものとし、ユーザは画像形成装置100Bなどその他ネットワーク101に接続された画像形成可能な機器を使用したことがあるものとする。
【0020】
画像形成装置100は、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、及び、複写機の1以上の機能を備え、形成された画像を用紙に印刷できる機器であればよく、その名称はプリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機、又は、MFP(Multifunction Peripheral)等、どのようなものでもよい。
【0021】
ネットワーク101は例えば社内、一部署、一フロア等のLAN、支店間など地理的に離れたLAN同士を接続したWAN、又は、インターネットなどである。なお、ネットワーク101は有線・無線のいずれであってもよい。
【0022】
ユーザが画像形成装置100Aにて複写などのジョブを実行する場合、画像形成装置100Aは、ユーザを識別するユーザIDに基づき画像形成装置100A及びネットワーク101に接続された画像形成装置100Bを検索する。
【0023】
画像形成装置100A、100Bは使用回数の多い機能に対応づけられたお勧め画面30を決定し、ユーザが直接使用していない画像形成装置100Bはそれを画像形成装置100Aに送信する。画像形成装置100Aは、そのお勧め画面30を後述する方法で処理して、最終的に図1のようなお勧め選択画面及びお勧め画面30を表示する。
【0024】
なお、ユーザ毎に対応づけられる各機能の使用回数、各機能に対応づけられるお勧め画面30は、各画像形成装置100A、100Bでなく、PC(パーソナルコンピュータ)102等、1つの機器が集約して記憶していてもよい。また、PC102でなく例えば処理能力の高い画像形成装置100が、ユーザの識別情報に対応づけて各機能の使用回数、各機能に対応づけられるお勧め画面30を記憶していてもよい。この場合、画像形成装置100Aは、1台の機器(PC102、処理能力の高い画像形成装置100)にユーザの識別情報を送信するだけで、各画像形成装置100におけるユーザの使用状況を反映したお勧め画面30を取得することができる。
【0025】
〔画像形成装置100の構成〕
画像形成装置100のハードウェア構成には公知のものを用いることができる。図3は、画像形成装置100の概略構成図の一例を示す。この画像形成装置100は、電子写真プロセスを採用したカラーの画像形成が可能な装置である。
【0026】
ADF(Auto Document Feeder)又はユーザがコンタクトガラスに載置した原稿は、露光ランプ及びCCD等の個体撮像素子を備える読み取りユニット62にて読み取られる。露光ランプを搭載したキャリッジが副走査方向に移動して原稿を走査し、複数のミラーで反射された光をCCDにより光電変換してアナログデータを生成する。アナログデータは、A/Dコンバータによりデジタルの画像データに変換され、所定の画像処理を施された後、いったんメモリに記憶される。
【0027】
画像形成部70は、4個の感光体69と4個のLD(Laser Diode)71と、中間転写体72を有する。各感光体69は図において時計方向に回転駆動し、表面を所定の電位に帯電させる。LD71は画像情報に応じて光変調したレーザ光Lを照射し、それを図示しない高速回転するポリゴンミラーが偏光し、感光体69に照射される。これによって、静電潜像が形成されシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色のトナーを吸着するので、中間転写体72に順番に各色のトナー画像が転写される。
【0028】
画像形成部70の下部に配置した複数の給紙トレイ67、68には、用紙等の記録材が収容されており、いずれかの給紙トレイ67,68から記録材が定着部64の方向に複数のモータ(ローラ)により搬送される。搬送の途中、たわみを作成するレジスト部66により記録材のスキュー補正が行われる。
【0029】
記録材は、中間転写部65まで搬送されると、中間転写体72に形成された各色のトナー画像が転写される。その後、記録材は経路を迂回して再度、レジスト部66から中間転写部65に搬送され、次のトナー画像が転写される。これを計3回繰り返すことで、中間転写部65で記録材に4色のトナー画像が重ねて転写される。
【0030】
記録材に転写されたカラーのトナー画像は、定着部64で熱と圧力により定着され、排紙部63に排紙される。
【0031】
画像形成装置100は、その上部にユーザが操作する操作パネル61を有し、ここに上記のお勧め画面等が表示される。なお、操作パネル61の周囲には、機能が割り当てられたボタン、テンキー16等のキーボードが配置されている。
【0032】
図4は、画像形成装置100の概略のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置100Aと100Bの構成は同じとしてよいので、ここでは画像形成装置100Aについて説明する。画像形成装置100Aは、CPU51A、ROM52A、RAM53A、NIC(Network Interface Card)54A、HDD(Hard Disk Drive)55A、メモリカード装着部56A、及び、操作パネル61が内部バス57を介して接続された構成を有する。図にはプログラムを記憶する記憶媒体60を示した。
【0033】
CPU51Aは、ROM52A又はHDD55Aに記憶されたOSやアプリケーションプログラムを実行して、コピーアプリ、スキャンアプリ、FAXアプリ、メールアプリ、Webアプリ等が実現され、機能の実行単位である各ジョブを制御して実行する。また、CPU51Aは、HDD55Aにインストールされたお勧め画面表示プログラム50を実行して、後述する各機能を提供する。なお、RAM53Aは、CPU51AがOS等を実行する際の作業メモリである。
【0034】
HDD55Aは、各プログラム、フォントデータ、ジョブログ等を蓄積する記憶手段であるが、ハードディスクドライブでなく、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発メモリなどでもよい。
【0035】
メモリカード装着部56Aは、記憶媒体60が着脱可能に構成されており、記憶媒体60に記録されたお勧め画面表示プログラム50やデータを読み込みHDD55Aにインストールする際と、お勧め画面表示プログラム50やデータを書き込む際に使用される。なお、記憶媒体60は、CD、DVD、ブルーレイディスク、SDカード、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード、xDカード等、不揮発メモリであればよい。
【0036】
NIC54Aは、例えばイーサネット(登録商標)カードであり、OSI基本参照モデルの物理層、データリンク層に規定されたプロトコルに従う処理を実行し、ネットワーク101に接続する。これにWebアプリが上位のプロトコルを実行して、ユーザIDやお勧め画面30の画面情報等を、画像形成装置100Bとの間で送受信する。
【0037】
〔操作パネル61の詳細〕
図5は、操作パネル61の構成を示す図である。操作パネル61は、コピー、プリンタ、FAXなどのアプリケーションを選択する機能キー11、タッチパネルを搭載した液晶等の表示部12、予熱や初期設定用のキー13、クリア/ストップキー14、スタートキー15、テンキー16、が配置されている。
【0038】
表示部12には、各種機能に対応した操作メニュー及び画像形成装置100の状態を示すメッセージなどが表示される。表示部12がユーザに操作されるとタッチパネルが操作位置を検出し、例えばタッチパネルのデバイスドライバに送出する。デバイスドライバは、操作メニューの押下をキーイベントとして取得し、操作メニューに対応したキーイベント関数をコピーアプリ等のアプリケーションに送信する。このようにしてユーザの操作が検出され、操作メニューにより指定された機能がジョブとして実行される。また、コピーアプリ等のアプリケーションから要求されると、表示部12のデバイスドライバは、あらかじめ登録された関数ライブラリから、表示部12に各種画面を描画出力する描画関数やその他操作部に対する制御を行う関数を読み出し、表示部12に画面を表示する。
【0039】
図6は、表示部12に表示された操作画面の一例を示す図である。ユーザが表示部12に表示された操作メニュー601、601を選択すると、選択された操作メニュー601、602が黒く反転する。また詳細設定が必要な操作メニュー601(例えば両面ならば、片面→両面、両面→両面)を選択すると、詳細機能の操作画面が表示される。このように、表示部12は、ドット表示器を使用しているため、画面毎に最適な表示をグラフィカルに行なうことが可能である。ユーザがスタートキー15を操作すると、画像形成装置100は、選択されたトレイ1〜3の記録材に原稿をコピーするがジョブを実行する。
【0040】
〔画像形成装置100の機能ブロック〕
図7は、画像形成装置100の機能ブロック図の一例を示す。各機能ブロックは、CPU51Aがお勧め画面表示プログラム50を実行するか、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現される。操作画面の表示は、メイン制御部26と操作表示制御部21とにより制御される。メイン制御部26は、機能キー11、表示部12に表示された操作メニュー、キー13、クリア/ストップキー14、スタートキー15及びテンキー16の操作を検出して、各キーの操作に応じて、複写、スキャン、ファックス送信等の処理を実行する。また、メイン制御部26は、上記の描画関数を利用して表示部12に操作画面を表示する。お勧め画面30を表示する設定になっていれば(図8の設定テーブルにおける「お勧め画面表示モード」がオンなっている)、操作表示制御部21が生成したお勧め画面30を形成する画面情報に基づきお勧め画面30を表示部12に表示する。
【0041】
データ送受信制御部23は、NIC54Aを介してお勧め画面30の検索要求やユーザIDを送信し、また、お勧め画面30の画面情報を受信する。利用者認証部24は、画像形成装置100Aを使用するユーザを、例えばICカード、生体情報等により認証する。これにより画像形成装置100Aを使用するユーザを特定して一意のユーザIDを取得することができる。
【0042】
操作表示制御部21は、お勧め画面30を形成する画面情報に関する種々の処理を実行する。詳しくは図13のフローチャート図にて説明するが、画面情報が有するメニュー情報を削除したり新たなメニュー情報を追加するなど、メニュー情報を取捨して画像形成装置100Aに最適化する。
【0043】
<設定テーブル>
図8は、操作表示制御部21が参照する設定テーブルの一例を示す図である。設定テーブルは、例えばHDD55Aに記憶されており、各モードに対応づけて、そのモードがオンかオフかが設定されている。例えば、「お勧め画面表示モード」は、お勧め画面30を表示するか否かを決定する設定で、「オン」でなければ本実施形態のお勧め画面30は表示されない。「アラーム表示モード」は、検索されたお勧め画面30に含まれる機能又は装置が当該画像形成装置100Aに搭載されていない場合、ユーザに警告するためのアラームを表示するか否かを決定する設定であり、「オン」でなければアラームは表示されない。「非表示モード」は、検索されたお勧め画面30に含まれる機能又は装置が当該画像形成装置100Aに搭載されていない場合、お勧め画面30に表示するか否かを決定する設定であり、「オン」の場合にその機能又は装置に対応した操作メニューはお勧め画面30に表示されない。
【0044】
設定テーブルの設定は、ユーザが画像形成装置100Aを操作して設定テーブルの設定画面を呼び出し、モード毎にオン/オフを設定することで更新することができる。
【0045】
<機能毎の使用回数のカウント>
使用回数保存部25は、ユーザ毎に使用した機能の回数を、後述する使用回数保存テーブルに記憶していく。使用回数保存部25が、機能毎に機能を使用した回数を記憶する手順を図9のフローチャート図に基づき説明する。
【0046】
例えば、図6に示した操作画面において、ユーザが「トレイ1」を選択し(S10)、ついで「ソート」を選択する(S20)。ユーザがコピーする原稿をセットすると、スタートキー15を操作する(S30)。
【0047】
使用回数保存部25は、このスタートキー15の操作をトリガーに使用回数を使用回数保存テーブルに登録する(S40、S50)。使用回数保存部25は、メイン制御部からユーザが操作した機能を取得し、「トレイ1」の使用回数を1、「ソート」の使用回数を1、それぞれ1つずつ増やす(インクリメントする)。
【0048】
図10は、使用回数保存テーブルの一例を示す図である。使用回数保存テーブルは、例えばHDD55Aに記憶されている。図9のフローチャート図を例にすれば、「トレイ1」の使用回数n1が1つ増大し、「ソート」の使用回数n7が1つ増大する。
【0049】
<お勧め画面30の画面情報>
表示構成保存部22は、ユーザが使用した機能に基づきお勧め画面30の画面情報を記憶している。画面情報は、予めHDD55A記憶されていてもよいし(静的)、ユーザが機能を使用する毎に使用回数保存部25が記憶していってもよい(動的)。
【0050】
表示構成保存部22は、図10のように使用回数が記録される機能毎に、好適なお勧め画面30の画面情報を記憶している。このため図10には、各機能に画面情報を識別するための画面情報IDを示した。
【0051】
図11は、お勧め画面30の画面情報を模式的に説明する図の一例である。画面情報は、例えばHDD55Aに記憶されている。画面情報は、画面情報ID(すなわち機能ごと)に対応づけて、表示することが好ましい1以上の操作メニューの情報が登録されている。各操作メニュー1〜nの表示部12における配置は、座標情報1〜nにより決定される。この座標情報は例えば矩形の操作メニューの左上の頂点の位置を指定する。
【0052】
メニュー情報は、操作メニューを区画する矩形を表示するための関数及び矩形内に表示する文字の文字情報(例えば文字コード又はビットマップデータ)を記憶している。「トレイ1」の使用回数が多いユーザに対しては、「トレイ1」を選択できるお勧め画面30を表示すべきなので、画面情報IDがG1のメニュー情報は、「トレイ1」の文字情報や「トレイ2」の文字情報を含むものとなる。この場合、例えば、「トレイ1」の矩形だけを大きく表示することもでき、使用回数の多い操作メニューをユーザが選択しやすくすることができる。
【0053】
また、ステープルの使用回数の多いユーザの場合、G5の画面情報IDにて特定されるお勧め画面30が表示される。「ステープル」の使用回数が多いユーザに対しては、綴じ方を選択できるお勧め画面30を表示すべきなので、そのメニュー情報は「左綴じ」の文字情報や「右綴じ」の文字情報を含むものとなる。なお、「ステープル」の使用回数の多いユーザであっても、いずれかの用紙を選択する必要があるので、その他のメニュー情報(不図示)には「A4」「A3」等の用紙サイズを表示するメニュー情報が表示される。これにより、例えば図1(b)に示したお勧め画面30が表示できる。
【0054】
同様に、ソートの使用回数の多いユーザの場合、G7の画面情報IDにて特定されるお勧め画面30が表示される。「ソート」の使用回数が多いユーザに対しては、ソートを容易に(目立つように)選択できるお勧め画面30を表示すべきなので、そのメニュー情報は「ソート」を囲む矩形や文字を大きくしたものとなる。これにより、例えば図1(d)に示したお勧め画面30が表示できる。
【0055】
同様に、両面印刷の使用回数の多いユーザの場合、G8の画面情報IDにて特定されるお勧め画面30が表示される。「両面」の使用回数が多いユーザに対しては、印刷面を選択できるお勧め画面30を表示すべきなので、そのメニュー情報は「片→片」や「片→両」「両→両」の文字情報を含むものとなる。これにより、例えば図1(c)に示したお勧め画面30を表示できる。
【0056】
なお、ステープル、パンチ、スタックのように印刷の仕上げに関する機能は互いに近い機能であるので、ユーザが容易に選択できるように、1つのお勧め画面30に各操作メニューが含まれる方が操作性を向上させると言える。このため、G5〜G7のように別々に画面情報が用意されていても、各画面情報は操作メニューにステープル、パンチ、スタックの全て又は一部を含んでいることが好ましい。
【0057】
お勧め画面30により表示される各操作メニューは、実際の機能の情報を含んでおり、お勧め画面30のいずれかの操作メニューがユーザにより選択されると、メイン制御部26は、ユーザが選択した操作メニューを特定し対応する機能を実行する。
【0058】
図10のような画面情報は各画像形成装置100が備える。しかしながら、画像形成装置100が備える装置及び機能は、各画像形成装置100が同一の型でソフトウェアのバージョンなどが同一でない限り異なる可能性が生じる。このため、次述するように、お勧め画面30を表示する画像形成装置100Aにおいて、操作メニューの取捨が必要になる。
【0059】
〔画像形成装置100によるお勧め画面30の表示手順〕
画像形成装置100によるお勧め画面30の表示手順について説明する。図12は、操作表示制御部の詳細な機能ブロック図の一例を、図13はお勧め画面30の表示手順を示すフローチャート図の一例をそれぞれ示す。
【0060】
<S110>
まず、ユーザが画像形成装置100Aを使用する際、画像形成装置100Aがユーザを認証する。利用者認証部24は、ユーザが携帯するICカード、携帯電話等からユーザIDを読み出してもよいし、生体情報を取得し予め記憶している生体情報に対応づけられたユーザIDを読み出す。なお、ユーザがユーザIDを操作パネル61から入力してもよい。いずれにしても、利用者認証部24は一意のユーザIDを取得することができる。
【0061】
<S120>
ユーザを認証すると、操作表示制御部はお勧め画面30を表示するか否かを判定する。操作表示制御部は、HDD55Aに記憶された設定テーブルを参照して、「お勧め画面表示モード」がオンかオフかにより、お勧め画面30を表示するか否かを判定する。なお、「お勧め画面表示モード」がオフの場合(S120のNo)、お勧め画面30でなく従来の操作画面(例えば、図6の画面)を表示して(S400)処理を終了する。
【0062】
<S130〜S150>
お勧め画面30を表示する場合、お勧め画面検索部31がお勧め画面30を検索する。具体的には、お勧め画面検索部31は、画像形成装置100AのHDD55Aに記憶された使用回数保存テーブルを参照し、認証して得られたユーザIDに対応づけられた使用回数n1〜n12を読み出す。そして、予め設定された下限よりも使用回数が多く、かつ、例えば使用回数の多い順(すなわち使用頻度が高い)に上位3つ程度の機能を特定する。これにより、その機能に対応づけられた画面情報IDも特定できる。
【0063】
また、お勧め画面30は、他の画像形成装置100Bからも検索できるので、お勧め画面検索部31はユーザIDをネットワーク101に接続された画像形成装置100B等に送信し、お勧め画面30の候補を送信するよう要求する。画像形成装置100Bは、画像形成装置100Aと同様に、使用回数が上位3つ程度の機能に対応づけられた画面情報IDを特定する。
【0064】
ここで、各画像形成装置100間で、統一された画面情報IDを用いることとすれば、画像情報IDを送信するだけで、画像形成装置100Aはお勧め画面30を表示できるが、上記のように画像形成装置100Aと100Bが全く同一であるとは限らないので、画像形成装置100Bは画面情報IDと共に画面情報を送信する。
【0065】
お勧め画面検索部31は、自機の画面情報IDと画像形成装置100Bの画面情報IDをマージして、同じ画面情報IDを1つに絞る。このとき、操作メニューの数が多い方を優先的に残す。画面情報IDを絞ることができれば、いくつかのお勧め画面30も決定できたことになる。なお、数が多い場合、更に使用回数の多い上位3〜4にお勧め画面を絞ってもよい。
【0066】
<S160、S170>
ついで、表示判定部32は、お勧め画面30が自機の操作パネル61で表示可能か否かを判定する。自機から読み出した画面情報IDにより特定される画面情報であれば表示できないことはない。しかし、画像形成装置100Bの方が新しい型の場合など、画像形成装置100Bから受信した画面情報に、画像形成装置100Aの操作パネル61が対応していない場合がある。例えば、表示部12のサイズが異なっていたり、文字のコード体系が変わっていたり、操作メニューを区画する矩形を表示するための関数のフォーマットが変わっている場合である。表示判定部32は、画面情報IDに対応づけられたメニュー情報の全てについて、例えば対応するコードを記憶しているか否か、関数を解釈可能か否か等に基づき、お勧め画面30を表示できるか否かを判定する。
【0067】
お勧め画面30を表示できない場合、お勧め画面30でなく従来の操作画面(例えば、図6の画面)を表示して(S400)処理を終了する。なお、表示可能なお勧め画面30が1つでもあれば、ステップS170の判定はYesとなる。
【0068】
<S180〜S200>
お勧め画面30が表示可能な場合、装置判定部33は、お勧め画面30が含む操作メニューに対応した機能を提供するために必要な装置が、画像形成装置100Aに搭載されているか否かを判定する。装置判定部33は、画面情報を構成する1以上のメニュー情報に含まれる機能を全て抽出する。また、その機能を提供するために必要な装置は、例えば図14に示す機能・装置テーブルにより特定することができる。
【0069】
図示するように、機能「トレイ1〜4」には装置「トレイ1〜4」が必要であり、機能「ステープル」には装置「ステープル装置」が必要であり、機能「パンチ」には装置「パンチ装置」が必要であり、機能「ソート」には装置「ソート装置」が必要である。装置判定部33は、HDD55Aに記憶されている機能・装置テーブルを参照して、お勧め画面30に含まれる操作メニュー毎に、使用する装置が画像形成装置100Aに搭載されているか否かを判定する。
【0070】
判定の結果、機能に必要な装置が搭載されている場合(S180のYes)、その機能はお勧め画面30に表示され、機能に使用する装置が搭載されていない場合(S180のNo)、その機能は非表示候補機能となる。非表示候補機能は、典型的にはお勧め画面30から削除される(すなわち、非表示となる)が、選択できないように表示される場合がある。詳しくは、ステップS300〜S340にて説明するが、操作メニューを単に非表示とするのでなく、後述するようにアラーム表示してから操作メニューを非表示にしてもよい。また、アラームを表示することなく又はアラームの表示後、トーンダウンしてその操作メニューを表示してもよい。
【0071】
図17(a)は、装置判定部33による判定の結果、お勧め画面30で非表示とされる操作メニューの一例を示す図である。図17(a)の左の画面例は、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30であり、このお勧め画面30が含む各操作メニュー「トレイ1(A4)」「トレイ2(A3)」「トレイ3(A4)」「トレイ4(A3)」「ソート」「スタック」「ステープル」のそれぞれについて、装置判定部33は対応する装置があるか否かを判定する。例えば、画像形成装置100Aに「ステープル装置」「トレイ4」がないと判定された場合、メニュー削除部38はその操作メニューを削除する。これにより、図17(a)の右側の画面例に示すように、操作メニュー「ステープル」「トレイ4(A3)」が削除され、操作パネル61に表示されるお勧め画面30には表示されなくなる。
【0072】
<S210、S220>
ついで、装置判定部33は、追加装置が画像形成装置100Aに搭載されているか否かを判定する。追加装置とは、画像形成装置100Bにはないが、画像形成装置100Aには搭載されている装置である。例えば、画像形成装置100Bが送信した画面情報に「ステープル」の操作メニューがあっても「パンチ」の操作メニューがない場合がある。これは、画像形成装置100Bにパンチ装置がないためと考えられ、画像形成装置100Aにパンチ装置がある場合、「パンチ」の操作メニューを表示して、ユーザが選択可能とした方が利便性を向上させることができる。
【0073】
装置判定部33は、例えば、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30の画面情報から操作メニューを1つずつ取り出し、画像形成装置100Bにはないが画像形成装置100Aにはある装置を抽出する。画像形成装置100Aは搭載している装置を把握しているので(例えば、「ステープル」「パンチ」「ソート」)、受信した操作メニューにそのいずれかあれば、その他の装置を抽出する。そして、メニュー追加表示部35は、画像形成装置100Aにはある装置が提供する機能のメニュー情報を、お勧め画面30の画面情報に追加する。この場合、受信したお勧め画面30の方が、自機が表示できる操作メニューの数より少ないことになるので、メニュー情報を追加できないことは生じない。
【0074】
図17(b)は、装置判定部33による判定の結果、操作メニューが追加されたお勧め画面30の一例を示す図である。図17(b)の左の画面例は、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30であり、装置判定部33は、このお勧め画面30が含む各操作メニュー「トレイ1(A4)」「トレイ2(A3)」「トレイ3(A4)」「ソート」「スタック」以外に、画像形成装置100Aに搭載されている機能があるか否かを判定する。例えば、画像形成装置100Aに「ステープル装置」「トレイ4」が搭載されている場合、メニュー追加表示部35はその装置の機能に対応するメニュー情報を、お勧め画面30の画面情報に追加する。これにより、図17(b)の右側の画面例に示すように、操作メニュー「ステープル」「トレイ4(A3)」が追加され、操作パネル61に表示されるお勧め画面30には表示することができる。
【0075】
<S230〜S290>
次に、機能判定部34は、お勧め画面30が含む操作メニューに対応した機能を、画像形成装置100Aが有しているか否かを判定する。機能判定部34は、画面情報を構成する1以上のメニュー情報に含まれる機能を全て抽出する。メニュー情報に含まれる機能が、画像形成装置100Aで実行可能であるか否かは、画像形成装置100Aの機能リストに基づき判定する。
【0076】
図15は、画像形成装置100Aにて実行可能な機能リスト、代替機能の対応、の一例を示す図である。機能判定部34は、お勧め画面30の操作メニューに含まれる機能が機能リストに登録されているか否かにより、画像形成装置100Aと同じ機能を提供可能か否かを判定する。機能判定部34は、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30のメニュー情報を1つずつ取り出し、機能リストに含まれ得ているか否かを判定する。
【0077】
機能リストにある機能の操作メニューは(S240のYes)お勧め画面30に表示するのでそのままとし、機能リストにない機能の操作メニューは(S240のNo)お勧め画面30に表示するべきでない非表示候補機能として、ステップS300〜S340において説明するように処理される。
【0078】
次に、機能判定部34は、お勧め画面30が含む操作メニューに対応した機能ではないが、その機能を代替する機能を画像形成装置100Aが有しているか否かを判定する。代替する機能の一例は図15に示した。例えば、複写時に集約印刷する場合、2頁の集約と4頁の集約は互いに代替できる可能性があり、また、スタンプ印字と地紋印字は互いに代替できる可能性がある。したがって、例えば、4頁の集約機能が画像形成装置100Aに無い場合でも、2頁の集約機能がある場合、その操作メニューを表示することがユーザの利便性の向上につながると考えられる。
【0079】
機能判定部34は、ステップS240でお勧め画面30に含まれるが画像形成装置100Aにはない機能について、図15の代替機能の関係を参照して、代替機能があればその機能を読み出す。メニュー追加表示部35は、その代替機能に対応するメニュー情報を、お勧め画面30の画面情報に追加する。
【0080】
次に、機能判定部34は、追加機能を画像形成装置100Aが有しているか否かを判定する。追加機能とは、お勧め画面30の操作メニューには含まれていない機能だが、画像形成装置100Aは有している機能である。例えば、画像形成装置100Bが送信した画面情報に「左綴じ」の操作メニューがあっても「左上綴じ」の操作メニューがない場合がある。しかし、画像形成装置100Aが、「左上綴じ」の機能を備えている場合、「左上綴じ」の操作メニューを表示することでユーザの利便性が向上すると考えられる。
【0081】
機能判定部34は、例えば、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30から操作メニュー1つずつ読み出し、「複写系」「仕上げ系」毎に、図15の「実行可能機能」に一致する操作メニューがあるか否かを判定する。一致する操作メニューがある場合、メニュー追加表示部35は、「複写系」又は「仕上げ系」毎に「実行可能機能」の全てのメニュー情報を、お勧め画面30の画面情報に追加する。これにより、画像形成装置100Aにて提供可能な機能は、お勧め画面30に表示することができる。
【0082】
<S300〜S340>
ステップS240〜S290で、お勧め画面30に含まれる操作メニューと同じ機能でないと判定された非表示候補機能は、設定テーブルの設定に応じて処理される。
【0083】
まず、アラーム表示部36は、設定テーブルの「アラーム表示モード」がオンかオフかを参照する。「アラーム表示モード」がオフの場合、アラーム表示部36はアラームを表示しない。「アラーム表示モード」がオンの場合、アラーム表示部36はアラームを表示する。このアラームは、非表示候補機能の操作メニューを表示しない場合に、その旨をユーザに通知するメッセージである。
【0084】
図18(a)は、アラーム表示モードがオンの場合に、操作パネル61に表示される画面の一例を示す図である。図18(a)の左の画面例は、画像形成装置100Bから受信したお勧め画面30であり、このお勧め画面30には、各操作メニュー「トレイ1(A4)」「トレイ2(A3)」「トレイ3(A4)」「ソート」「スタック」が含まれている。機能判定部34が、画像形成装置100Aに「ステープル装置」「トレイ4」の機能が含まれていないと判定した場合、アラーム表示部36は、図18(a)の中央に示すように、例えば「機能がないため一部非表示になりました」と表示する。そして、ユーザがアラームを確認し「閉じる」ボタンを選択すると、「ステープル装置」「トレイ4」の機能に対応した操作メニューが非表示となったお勧め画面30が表示される。
【0085】
このように、アラームを表示することで、ユーザは所望の(よく使う)機能の操作メニューが表示されない理由を把握することができる。
【0086】
また、非表示候補機能を非表示としないことができる。メニュー削除部38及びメニュー修正部39は、設定テーブルの「非表示モード」がオンかオフかを参照する。「非表示モード」がオフの場合、メニュー削除部38は上記のように非表示候補機能をお勧め画面30において表示しない。また、メニュー修正部39は何もしない。
【0087】
「非表示モード」がオンの場合、メニュー削除部38は非表示候補機能を削除せず、メニュー修正部39は非表示候補機能を修正してお勧め画面30に表示する。図18(b)は、非表示モードのオンにより、操作パネル61に表示されるお勧め画面30の一例を示す図である。画像形成装置100Bから受信した時点のお勧め画面30は、図18(a)と同様である。メニュー修正部39は、非表示候補機能の操作メニューを例えばトーンダウンするなど、選択できないことを伝える態様で表示する。図では、「ステープル装置」「トレイ4」の非表示候補機能に対応した操作メニューが選択できない態様を斜線で示した。
【0088】
このように、選択できない操作メニューが一応はお勧め画面30に表示されることで、ユーザは所望の(よく使う)機能の操作メニューが選択できないことを確認でき、違和感なくお勧め画面30から画像形成装置100Aを操作することができるようになる。
【0089】
なお、メニュー修正部39は、アラームを表示した後に、非表示候補機能の操作メニューを例えばトーンダウンするなどして表示してもよく、アラーム表示モードと非表示モードはいずれも同時にオンとなる場合がある。
【0090】
<S350〜S370>
以上の一連の処理を、ステップS150で決定した全てのお勧め画面30について繰り返す(S350)。そして、全てのお勧め画面30について処理が終了すると、選択画面生成部37が、図1に示したような複数の候補からお勧め画面30を選択するお勧め選択画面を表示する。お勧め選択画面は定形の画面であるので、選択画面生成部37は、お勧め画面30の数だけお勧め画面選択メニュー501〜503を表示したお勧め選択画面を操作パネル61に表示する。
【0091】
以上説明したように、ユーザがよく使用する機能を含むお勧め画面30を優先的に表示することができる。画像形成装置100で使用できない機能は非表示(選択不能)とする一方で、代替機能や追加機能に対応した操作メニューを表示できるので、画像形成装置100の機能を、お勧めする機能と同等に選択可能とすることができる。
【0092】
〔お勧め画面30の更新〕
お勧め画面30の更新について説明する。画像形成装置100Aにお勧め画面30を表示した後、そのユーザに最適なお勧め画面30に更新することで、操作性を向上させることができる。例えば、画像形成装置100Aにおいて、使用回数保存テーブルを参照すると、片面→片面、片面→両面、両面→両面、それぞれの使用回数が異なる場合があると考えられる。このような場合、最も使用回数の多い印刷態様を、ユーザが選択しやすいように構成されたお勧め画面30を表示することが好ましいといえる。しかしながら、そこまで細分化されたお勧め画面30の画面情報を用意することは困難が伴うとも考えられる。そこで、お勧め画面30を受信した画像形成装置100Aにて使用回数保存テーブルを参照して、ユーザの使用頻度をより反映したお勧め画面30に更新する。
【0093】
図19は、更新前と更新後のお勧め画面30の一例を示す。上段の更新前のお勧め画面30は、「片面→片面」の操作メニューが表示されており、下段の更新前のお勧め画面30は、「片面→片面」「片面→両面」「両面→両面」の操作メニューのうち「片面→片面」が強調して表示されている。すなわち、更新前のお勧め画面30では、「片面→片面」が優先的に表示されていることになる。
【0094】
図16は、更新部41がお勧め画面30を更新する手順を示すフローチャート図の一例を示す。図16のフローチャート図は、お勧め画面の表示後、自動的にスタートしてもよいし、図19の後段に示すようにユーザが「更新」ボタンを選択することで、スタートしてもよい。
【0095】
図16では両面機能の表示を更新する例を示す。更新部41は、使用回数保存テーブルを参照して、「片面→片面」、「片面→両面」、「両面→両面」それぞれの使用回数を読み出す(S410〜S430)。
【0096】
そして、更新部41は、最も使用回数の多い機能を決定する(S440)。ここでは、「片面→両面」の使用回数が多かったとする。
【0097】
更新部41は、最も使用回数の多い「片面→両面」の操作メニューが優先的に表示されるようお勧め画面30を更新する(S450)。
【0098】
図19の上段の更新後のお勧め画面30では、「片面→片面」が「片面→両面」に更新されて表示されている。また、下段の更新後のお勧め画面30では、「片面→片面」の代わりに「片面→両面」の操作メニューが強調して表示されている。これにより、ユーザは、最も使用回数の多い機能を選択しやすくなる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置100は、ユーザの使用頻度に応じて形成された画面を表示するので、ユーザが操作しやすい(所望の機能を選択するまでの操作回数が少ない)お勧め画面30を表示することできる。また、自機の代替機能や追加機能によりお勧め画面30を最適化するので、使用頻度が高い操作メニューと自機で使用可能な操作メニューを同等に表示でき、ユーザの利便性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】画像形成装置が表示するお勧め選択画面とお勧め画面の一例を示す図である。
【図2】画面表示システムの概略構成図の一例である。
【図3】画像形成装置の概略構成図の一例である。
【図4】画像形成装置の概略のハードウェア構成図の一例である。
【図5】操作パネルの構成を示す図である。
【図6】表示部に表示された操作画面の一例を示す図である。
【図7】画像形成装置の機能ブロック図の一例である。
【図8】設定テーブルの一例を示す図である。
【図9】使用回数保存部が、機能毎に機能を使用した回数を記憶する手順示すフローチャート図の一例である。
【図10】使用回数保存テーブルの一例を示す図である。
【図11】お勧め画面の画面情報を模式的に説明する図の一例である。
【図12】操作表示制御部の詳細な機能ブロック図の一例である。
【図13】お勧め画面の表示手順を示すフローチャート図の一例である。
【図14】機能・装置テーブルの一例を示す図である。
【図15】画像形成装置にて実行可能な機能リスト、代替機能の対応、の一例を示す図である。
【図16】更新部がお勧め画面を更新する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図17】お勧め画面で非表示とされる操作メニューの一例を示す図である。
【図18】アラーム表示モードのオンにより、操作パネルに表示されるお勧め画面の一例を示す図である。
【図19】更新前と更新後のお勧め画面の一例である。
【符号の説明】
【0101】
12 表示部
21 操作表示制御部
22 表示構成保存部
23 データ送受信制御部
24 利用者認証部
25 使用機回数保存部
26 メイン制御部
30、30A〜30C お勧め画面
50 お勧め画面表示プログラム
55 HDD
60 記憶媒体
61 操作パネル
100、100A、100B 画像形成装置
101 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別する識別手段と、ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段と、操作メニューが配置された操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を入力する入力手段と、を有する、画像形成装置であって、
前記識別手段により識別されたユーザのユーザIDを他機に送信する送信手段と、
操作画面を形成する画面情報を機能に対応づけて記憶する画面情報記憶手段から他機が読み出した、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能に対応づけられた前記画面情報を取得する画面情報取得手段と、
前記画面情報取得手段が取得した前記画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化する最適化手段と、
最適化された前記画面情報に基づき形成された推奨操作画面を前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記画面情報取得手段が取得した前記画面情報が複数ある場合、前記推奨操作画面を選択する選択画面を前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
機能と該機能を提供するための装置を対応づけて登録した機能装置テーブルを記憶する機能装置テーブル記憶手段と、
前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能が、前記機能装置テーブルに登録されているか否かに基づき、前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を提供可能か否かを判定する装置判定手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を自機が提供可能か否かを判定する機能判定手段、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画面情報を前記表示手段が表示可能か否かを判定する表示判定手段を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記推奨操作画面を前記表示手段に表示するか否かを予め登録した、設定テーブルを記憶する設定テーブル記憶手段を有し、
前記表示制御手段は前記設定テーブルを参照して、前記推奨操作画面を前記表示手段に表示するか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記推奨操作画面を表示した後、
自機の前記使用回数記憶手段に記憶された機能の使用回数に基づき、前記該推奨操作画面に形成された操作メニューの表示態様を更新する更新手段、
を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記選択画面を表示し、前記入力手段により前記推奨操作画面が選択された場合、
前記表示制御手段は、選択された前記推奨操作画面を前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を提供する装置以外に、自機が装置を備えている場合、
自機が備えている装置により提供される機能を指定する操作メニューを、前記画面情報に追加するメニュー追加手段を有する、
ことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能以外に、自機が機能を備えている場合、
自機が備えている機能を指定する操作メニューを、前記画面情報に追加するメニュー追加手段を有する、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項11】
代替可能な機能が互いに対応づけて登録された代替テーブルを記憶する代替テーブル記憶手段を有し、
前記機能判定手段が、前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を、自機が備えていないと判定した場合、
前記代替テーブルを参照し、自機が備えていない機能の代替機能を指定する操作メニューを前記画面情報に追加するメニュー追加手段を有する、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記機能判定手段が、前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を、自機が備えていないと判定した場合、
当該機能を指定する操作メニューを前記画面情報から削除するメニュー削除手段を有する、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置
【請求項13】
前記機能判定手段が、前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を、自機が備えていないと判定した場合、
自機が該機能を備えていない旨を前記表示手段に表示するアラーム通知手段、
を有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記機能判定手段が、前記画面情報に含まれる操作メニューに対応した機能を、自機が備えていないと判定した場合、
該該機能に対応した操作メニューを選択不能に表示するメニュー修正手段、
を有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項15】
ユーザを識別する識別手段と、ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段と、機能を指定する操作メニューが配置された操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を入力する入力手段と、を有する、画像形成装置の画面表示方法であって、
送信手段が、前記識別手段により識別されたユーザのユーザIDを他機に送信するステップ、
画面情報取得手段が、操作画面を形成する画面情報を機能に対応づけて記憶する画面情報記憶手段から他機が読み出した、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能に対応づけられた前記画面情報を取得するステップと、
最適化手段が、前記画面情報取得手段が取得した前記画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化するステップと、
表示制御手段が、最適化された前記画面情報に基づき形成された推奨操作画面を前記表示手段に表示するステップと、
を有することを特徴とする画面表示方法。
【請求項16】
ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段と、
機能に対応づけて操作画面を形成する画面情報を記憶する画面情報記憶手段と、を有する機器と、
ユーザを識別する識別手段と、操作メニューが配置された操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を入力する入力手段と、
前記識別手段により識別されたユーザのユーザIDを前記機器に送信する送信手段と、
前記機器が前記画面情報記憶手段から読み出した、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能に対応づけられた前記画面情報を取得する画面情報取得手段と、
前記画面情報取得手段が取得した前記画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化する最適化手段と、
最適化された前記画面情報に基づき形成された推奨操作画面を前記表示手段に表示する表示制御手段と、を有する画像形成装置と、
を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項17】
ユーザを識別する識別手段と、ユーザが使用した機能と該機能の使用回数とが記憶された使用回数記憶手段と、機能を指定する操作メニューが配置された操作画面を表示する表示手段と、ユーザの操作を入力する入力手段とを有する、画像形成装置が備えるコンピュータを、
前記識別手段により識別されたユーザのユーザIDを他機に送信する送信手段と、
操作画面を形成する画面情報を機能に対応づけて記憶する画面情報記憶手段から他機が読み出した、該ユーザの使用頻度が所定値以上の機能に対応づけられた前記画面情報を取得する画面情報取得手段と、
前記画面情報取得手段が取得した前記画面情報を、自機の備える装置又は機能に応じて最適化する最適化手段と、
最適化された前記画面情報に基づき形成された推奨操作画面を前記表示手段に表示する表示制御手段と、として機能させるプログラム。
【請求項18】
請求項17記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−41238(P2010−41238A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200040(P2008−200040)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】