説明

画像形成装置、認証プリント方法、認証プリントプログラム、動作モード切換方法および動作モード切換プログラム

【課題】 ユーザーが操作する場合に限ってプリント動作を開始すること。
【解決手段】 MFPは、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する人体通信部と、画像を形成する画像形成部と、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証部59と、認証部59により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出部61と、認証部59によりユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、動作検出部61により所定の動作が検出されることを条件に、プリントデータの画像を画像形成部に形成させる認証出力部(67)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、認証プリント方法、認証プリントプログラム、動作モード切換方法および動作モード切換プログラムに関し、特に、ユーザーが携帯する携帯装置と通信することによりユーザーを認証する機能を備えた画像形成装置、その画像形成装置で実行される認証プリント方法、認証プリントプログラム、動作モード切換方法および動作モード切換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタなどの画像形成装置をネットワークに接続し、複数のユーザーが共有する使用形態が一般的となっている。この使用形態においては、あるユーザーがネットワークに接続されたコンピュータにプリントデータを画像形成装置に送信させた場合、例えば画像形成装置がコンピュータから離れた場所に設置されていると、そのユーザーより先に別のユーザーが画像形成装置により画像形成された用紙を手にすることができてしまう場合がある。この問題に対応するために、画像形成装置は、コンピュータから機密プリント用のプリントデータを、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とともに受信すると、そのユーザーがMFPにおいて認証されるまでプリントデータを画像形成しない機密プリント機能を備えている。
【0003】
この機密プリント機能を用いれば、コンピュータにプリントデータを送信させたユーザーが画像形成装置を操作可能な状態でのみ画像形成装置に画像形成させることができるので、画像形成された用紙が他人に見られるのを防止することができる。しかしながら、ユーザーは、画像形成装置によって認証されるために、必要な情報を入力しなければならず、操作が煩雑になる。
【0004】
一方、ユーザーが携帯する携帯装置と通信可能になると、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する技術が知られている。ユーザーの携帯する携帯装置が、画像形成装置と通信可能になると、画像形成装置によって認証されるので、機密プリントを実行させることができる。
【0005】
しかしながら、ユーザーは、画像形成装置に機密プリントを実行させるためにだけ画像形成装置に接近するとは限らない。単に移動のために画像形成装置の近傍を通過する場合、画像形成装置によって既に画像が形成された用紙を取りに画像形成装置に近づく場合などがある。このようにユーザーが画像形成装置に機密プリントを実行させる目的以外で画像形成装置の近傍を歩行する場合であっても、機密プリントが実行されてしまうといった問題がある。
【0006】
また、画像形成装置は、消費電力を抑えるために、稼動しない時間が所定時間以上継続すると、通常モードよりも消費電力を低くした省電力モードに動作モードを遷移させるものがある。携帯装置を携帯したユーザーが、省電力モードの状態の画像形成装置の近傍を歩行するだけで、省電力モードが解除されてしまう場合があり、この場合には電力が無駄に消費されてしまうといった問題があった。
【0007】
この問題を解決するために、特開2006−047765号公報には、複写機がスリープモード中であるとき、ICタグを携帯するユーザーが、タグリーダライタが発する電波の範囲内に存在する場合、タグリーダとICタグとの間で通信可能となるので、複写機は、ユーザーが近づいたと判断し、ICタグから読み取ったデータからユーザー認証を行い、その結果、使用可能なユーザーである場合、オートフィーダに原稿がセットされると、複写機内でOFFになっていた電源をONにし、複写機を省電力モードから復帰させる複写機が記載されている。
【0008】
しかしながら、従来の技術によれば、ユーザーは認証のための操作を入力する必要はないが、オートフィーダに原稿がセットされなければ省電力モードから復帰しないので、省電力モードから復帰させるために、オートフィーダに原稿をセットする操作が必要になるといった問題があった。
【特許文献1】特開2006−047765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、ユーザーが操作する場合に限ってプリント動作を開始することが可能な画像形成装置、認証プリント方法および認証プリントプログラムを提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の局面によれば、ユーザーが操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な画像形成装置、動作モード切換方法および動作モード切換プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、画像を形成する画像形成手段と、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、認証手段によりユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、プリントデータの画像を画像形成手段に形成させる認証出力手段と、を備える。
【0012】
この局面に従えば、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーが認証され、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータのうちに、認証されたユーザーのユーザー識別情報との組になるプリントデータが存在する場合、ユーザーによる所定の動作が検出されることを条件に、プリントデータの画像を形成する。このため、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する場合であっても、ユーザーによる所定の動作が検出されなければプリントしないので、ユーザーが操作する場合に限ってプリント動作を開始することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、動作検出手段は、通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0014】
この局面に従えば、通信可能な携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を検出するので、ユーザーが画像形成装置を操作する前の状態を検出することができ、画像形成装置の近傍を通過する動作を排除できる場合がある。
【0015】
好ましくは、画像形成手段によって画像が形成された用紙を蓄積するための排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出する用紙検出手段を、さらに備え、動作検出手段は、所定の動作を検出する前に、用紙検出手段により用紙が存在することが検出されていた状態から用紙が存在することが検出されない状態に変化する場合、通信手段が携帯装置と通信可能な状態が用紙検出手段により用紙が存在することが検出されない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0016】
この局面に従えば、ユーザーによる所定の動作を検出する前に、排紙トレイに用紙が存在する状態から用紙が存在しない状態に変化する場合、携帯装置と通信可能な状態が用紙が存在しない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を検出する。このため、ユーザーが、排紙トレイに存在する用紙を持ち帰る動作を排除できる場合がある。
【0017】
好ましくは、所定の範囲の床面に施設されたアンテナをさらに備え、通信手段は、アンテナおよびユーザーの人体を介して携帯装置と通信する人体通信手段を、含み、動作検出手段は、人体通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0018】
この局面に従えば、所定の範囲の床面に施設されたアンテナおよびユーザーの人体を介して携帯装置と通信し、予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を検出する。ユーザーがアンテナの上を歩行すると、ユーザーの足がアンテナに接触している間だけ通信可能となる。このため、ユーザーがアンテナの上を歩行する場合は、通信可能な期間が断続的となる。通信可能な期間が途切れることなく第3の時間以上継続する場合に、立ち止まる動作を検出するので、ユーザーが歩行する動作を排除することができる場合がある。
【0019】
好ましくは、認証手段によりユーザーが認証されることに応じて、認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータの一覧を表示する一覧表示手段を、さらに備える。
【0020】
好ましくは、
一覧表示手段は、動作検出手段により所定の動作が検出されない場合は、一覧の表示を停止する。
【0021】
この局面に従えば、他のユーザーによりプリントされるのを防止することができる。
【0022】
好ましくは、ユーザーの操作を受け付ける操作受付手段を、さらに備え、動作検出手段は、操作受付手段により操作が受け付けられると、ユーザーによる操作を入力する動作を所定の動作として検出する。
【0023】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える動作モード切換手段と、認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、を備え、動作モード切換手段は、動作モードが省電力モードの場合、認証手段によりユーザーが認証された場合は、動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換え、動作検出手段は、通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0024】
この局面に従えば、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーが認証され、動作モードが省電力モードの場合、携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、動作モードが通常モードに切り換えられる。このため、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する場合であっても、携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続しなければ動作モードを通常モードに切り換えないので、ユーザーが画像形成装置を操作する前の状態を検出することができ、画像形成装置の近傍を通過する動作を排除できる場合がある。このため、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0025】
好ましくは、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段によって画像が形成された用紙を蓄積するための排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出する用紙検出手段を、さらに備え、動作検出手段は、所定の動作が検出される前に、用紙検出手段により用紙が存在することが検出されていた状態から用紙が存在することが検出されない状態に変化する場合、通信手段が携帯装置と通信可能な状態が用紙検出手段により用紙が存在することが検出されない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0026】
この局面に従えば、ユーザーによる所定の動作を検出する前に、排紙トレイに用紙が存在する状態から用紙が存在しない状態に変化する場合、携帯装置と通信可能な状態が用紙が存在しない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を検出する。このため、ユーザーが、排紙トレイに存在する用紙を持ち帰る動作を排除できる場合がある。
【0027】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成装置は、所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、ユーザーが携帯する携帯装置と、アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、画像を形成する画像形成手段と、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える動作モード切換手段と、認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、を備え、動作モード切換手段は、動作モードが省電力モードの場合、認証手段によりユーザーが認証された場合は、動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換え、動作検出手段は、人体通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。
【0028】
この局面に従えば、所定の範囲の床面に施設されたアンテナおよびユーザーの人体を介して携帯装置と通信し、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーが認証され、動作モードが省電力モードの場合、予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、動作モードが通常モードに切り換えられる。ユーザーがアンテナの上を歩行すると、ユーザーの足がアンテナに接触している間だけ通信可能となる。このため、ユーザーがアンテナの上を歩行する場合は、通信可能な期間が断続的となる。通信可能な期間が途切れることなく第3の時間以上継続する場合に、立ち止まる動作を検出するので、ユーザーが歩行する動作を排除することができる場合がある。
このため、ユーザーが携帯する携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する場合であっても、予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続しなければ、通常モードに切り換えないので、ユーザーが画像形成装置を操作する前の状態を検出することができ、画像形成装置の近傍を通過する動作を排除できる場合がある。このため、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0029】
この発明のさらに他の局面によれば、認証プリント方法は、画像形成装置で実行される認証プリント方法であって、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、画像を形成する画像形成手段と、を備え、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、認証するステップにおいてユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、プリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、を含む。
【0030】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限ってプリント動作を開始することが可能な認証プリント方法を提供することができる。
【0031】
この発明のさらに他の局面によれば、動作モード切換方法は、画像形成装置で実行される動作モード切換方法であって、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段を備え、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を含み、動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換えるステップを含み、動作を検出するステップは、通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出するステップを含む。
【0032】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な動作モード切換方法を提供することができる。
【0033】
この発明のさらに他の局面によれば、動作モード切換方法は、画像形成装置で実行される動作モード切換方法であって、画像形成装置は、所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、ユーザーが携帯する携帯装置と、アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、を備え、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を含み、動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換えるステップを含み、動作を検出するステップは、人体通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出するステップを含む。
【0034】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な動作モード切換方法を提供することができる。
【0035】
この発明のさらに他の局面によれば、認証プリントプログラムは、画像形成装置を制御するコンピュータで実行される認証プリントプログラムであって、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、画像を形成する画像形成手段と、を備え、モード切換方法は、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、認証するステップにおいてユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、プリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【0036】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限ってプリント動作を開始することが可能な認証プリントプログラムを提供することができる。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、動作モード切換プログラムは、画像形成装置を制御するコンピュータで実行される動作モード切換プログラムであって、画像形成装置は、ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段を備え、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、をコンピュータに実行させ、動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換えるステップを含み、動作を検出するステップは、通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出するステップを含む。
【0038】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な動作モード切換プログラムを提供することができる。
【0039】
この発明のさらに他の局面によれば、動作モード切換プログラムは、画像形成装置を制御するコンピュータで実行される動作モード切換プログラムであって、画像形成装置は、所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、ユーザーが携帯する携帯装置と、アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、を備え、携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、通常モードと、通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、をコンピュータに実行させ、動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換えるステップを含み、動作を検出するステップは、人体通信手段が通信可能な携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出するステップを含む。
【0040】
この局面に従えば、ユーザーが画像形成装置を操作する場合に限って動作モードを切り換えることが可能な動作モード切換プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態の一つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPが備えるアンテナの範囲の一例を示す図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】MFPが備えるCPUの機能の概要をEEPROMに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。
【図5】動作モード切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】認証プリント処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図7】認証プリント処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態の一つにおける画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、ネットワーク2にそれぞれ接続された複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100B,100Cとパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)200と、携帯装置250とを含む。MFP100,100A,100B,100Cは、その構成および機能は同じなので、ここでは特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
【0044】
MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像形成装置の一例であり、原稿を読取るためのスキャナ、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成部、ファクシミリを含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においては、画像形成装置としてMFP100を例に説明するが、MFP100に代えて、例えば、画像形成機能を備えたプリンタ、ファクシミリ等であってもよい。
【0045】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット等であってもよい。MFP100,100A,100B,100Cは、ネットワーク2を介して互いに通信可能であり、またMFP100,100A,100B,100C各々は、ネットワーク2を介してPC200と通信が可能である。
【0046】
PC200は、一般的なコンピュータである。PC200のハード構成およびその機能は周知なので、ここでは説明を繰り返さない。PC200は、少なくともMFP100,100A,100B,100C各々を制御するためのプリンタドライバプログラムがインストールされている。ユーザーは、PC200を利用する場合に、PC200にユーザー識別情報およびパスワード等を入力することにより、PC200により認証される。プリンタドライバプログラムがPC200で実行されると、PC200は、プリンタドライバプログラムとは別のアプリケーションプログラムが実行されることにより生成されるデータをプリントデータに変換し、プリントデータを含むプリントジョブを、MFP100,100A,100B,100Cのうちユーザーにより指定されたものに送信する。
【0047】
プリントジョブは、プリントデータの他にジョブ情報を含む。ジョブ情報は、PC200により認証されたユーザーのユーザー識別情報と、プリント枚数などの画像形成条件を含む。また、PC200のユーザーは、機密プリントを指定するこができ、ユーザーが機密プリントを指定する場合は、ジョブ情報は、機密プリントを示す情報を含み、ユーザーが機密プリントを指定しない場合は、ジョブ情報は、機密プリントを示す情報を含まない。このため、MFP100,100A,100B,100Cのうち、PC200からプリントジョブを受信する装置は、ジョブ情報から機密プリントが指定されているか否かを判断することができる。
【0048】
プリントデータは、アプリケーションプログラムが実行されることにより生成されたデータを、例えばPCL(Printer Control Language)等のPDL(Page Description Language)で記述されたプリントデータに変換したデータである。アプリケーションプログラムは、PC200で実行可能であればよく、限定するものではないが、例えば、文書編集プログラム、図形編集プログラム、表計算プログラムを含む。ジョブ情報は、例えばPJL(Printer Job Language)で記述したデータである。例えば、PC200が、プリントジョブをMFP100に送信すれば、MFP100は、プリントジョブのジョブ情報に従って、プリントデータを画像形成する。
【0049】
本実施の形態における画像形成システム1においては、ユーザーがPC200を操作して、例えばMFP100にデータをプリントさせる指示を入力すると、PC200がプリントデータと画像形成条件とを含むプリントジョブを生成し、プリントジョブをMFP100に送信する。プリントジョブに含まれるジョブ情報は、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報と画像形成条件とを含み、機密プリントが指定された場合には機密プリントであることを示す情報を含む。MFP100においては、機密プリントが指定されているプリントジョブを受信する場合には、受信されたプリントジョブを直ちに実行することなく、プリントジョブを機密プリントデータとして一時記憶するが、機密プリントが指定されていないプリントジョブを受信する場合には、受信されたプリントジョブを直ちに実行する。機密プリントが指定されたプリントジョブは、MFP100に一時記憶された後、MFP100により所定の条件が成立すると、MFP100により実行される。MFP100が、機密プリントが指定されたプリントジョブを実行する処理については、後述する。
【0050】
MFP100は、それの周辺で所定の範囲の床面に施設された電極であるアンテナ118Aを含む。携帯装置250は、メモリと、MFP100,100A,100B,100Cそれぞれとの間で人体通信をするデータ通信部とを少なくとも備える。携帯装置250は、携帯装置250に割当てられたユニークな装置識別情報をメモリに記憶している。ユーザーが携帯装置250を携帯してMFP100のアンテナ118A上に存在すると、携帯装置250は、ユーザー自身の人体およびアンテナ118Aを介してMFP100と人体通信可能となる。
【0051】
携帯装置250は、例えば、ユーザーが身に付ける名札やカードなどに取り付けられる。なお、携帯装置250は、人体通信のための通信部を備えていれば、専用の装置であってもよいし、PDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機等に内蔵されてもよい。
【0052】
人体通信技術としては、人が電極に触れると人体に微弱電流を流し、その電流を変調して情報を伝達する電流方式、人体表面に沿う電解に変化を与え通信する電界方式、超音波を伝送媒体とする弾性波方式等、種々の方式が開発されているが、人体通信技術を限定するものではない。ここでは、人体通信技術として、電界方式を用いる場合を例に説明する。
【0053】
MFP100は、携帯装置250とユーザーとを対応付けるために、携帯装置250の装置識別情報と、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とを対応付けたユーザーテーブルを予め記憶しており、携帯装置250と通信可能になると、携帯装置250から受信する装置識別情報からユーザーを特定し、認証する。この場合、携帯装置250から受信される装置識別情報が、ユーザーを認証するための認証情報である。
【0054】
図2は、MFPが備えるアンテナの範囲の一例を示す図である。図2は、MFP100を上方から見た図である。図2を参照して、MFP100の本体の周辺の床面にアンテナ118Aが施設されている。アンテナ118Aの外周の形状は、1辺の長さをLとする正方形としている。アンテナ118Aのサイズは、アンテナ118Aの外周のうちMFP100の中心との間の距離が最短となる点と、MFP100の中心との間の距離で表され、ここでは、L/2である。
【0055】
MFP100は、アンテナ118Aが施設される中心に配置されている。なお、アンテナ118AとMFP100本体との位置関係は、MFP100が設置される環境に依存する。MFP100が、その側面が壁面に接触するように配置される場合、アンテナ118Aを、MFP100の壁面側に配置することはできないので、側面側を除く3方向を含む周辺に配置すればよい。また、MFP100を操作するために、MFP100に接近するための経路が限定されているような場合には、MFP100の周辺のうち、限定された経路にアンテナ118Aを配置すればよい。例えば、MFP100がその側面が壁面に接触するように配置され、壁に向かってMFP100の左右からMFP100に接近できないような場合には、MFP100の前方にMFP100に接近する経路が限定される。この場合には、MFO100の前方にアンテナ118Aを配置すればよい。
【0056】
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160と、用紙検出センサー141と、アンテナ118Aと、を含む。
【0057】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。
【0058】
原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0059】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後のプリントデータ、外部から受信されたプリントデータ、またはHDD116に記憶されたプリントデータに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像形成部140は、画像が形成された用紙を排紙トレイに排紙する。
【0060】
用紙検出センサー141は、排紙トレイに蓄積される用紙の有無を検出する。用紙検出センサー141は、排紙トレイ上の用紙の有無を示す信号をCPU111に出力する。
【0061】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、人体通信するための人体通信部118と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。
【0062】
CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160および用紙検出センサー141と接続され、MFP100の全体を制御する。ROM113は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
【0063】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0064】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してPC200、他のMFP100A,100B,100Cとの間で通信し、データを送受信する。特に、通信I/F部112は、PC200からプリントジョブが送信される場合には、PC200からプリントジョブを受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続された他のコンピュータと通信し、データを送受信する。
【0065】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0066】
人体通信部118は、アンテナ118Aと接続され、アンテナ118Aの上に携帯装置250を携帯したユーザーが存在する場合には、アンテナ118Aおよびユーザーの人体を通信媒体として、アンテナ118Aおよびユーザーの人体を介して携帯装置250と通信する。
【0067】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能である。CPU111は、外部記憶装置119に装表されたCD−ROM119Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書き換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0068】
なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリであってもよい。
【0069】
本実施の形態におけるMFP100は、画像形成部140が直ちに画像形成可能な通常モード、MFP100全体の消費電力が通常モードより低い省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える。なお、省電力モードは、通常モードよりも省電力モードが低ければよく、省電力モードのうちで消費電力が異なる複数のモードが存在してもよい。
【0070】
図4は、MFPが備えるCPUの機能の概要をEEPROMに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM103、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された動作モード切換プログラムおよび認証プリントプログラムを実行することにより、CPU111に実現される機能である。
【0071】
図4を参照して、CPU111は、プリントジョブを受信するプリントジョブ受信部51と、プリントジョブを制御するためのプリントジョブ制御部53と、人体通信部118を制御するための通信制御部55と、操作部160Bを制御する操作受付部57と、ユーザーを認証する認証部59と、認証されたユーザーの動作を検出する動作検出部61と、動作モードを切り換えるための動作モード切換部63と、プリントデータの一覧を表示する一覧表示部65と、認証出力部67と、用紙検出センサー141の出力が入力される用紙検出部69と、を含む。
【0072】
プリントジョブ受信部51は、通信I/F部112を制御してPC200からプリントジョブを受信する。プリントジョブ受信部51は、受信されたプリントジョブをプリントジョブ制御部53に出力する。
【0073】
プリントジョブ制御部53は、プリントジョブ受信部51からプリントジョブが入力される。プリントジョブ制御部53は、プリントジョブに含まれるジョブ情報が機密プリントを示す情報を含んでいれば、プリントジョブを機密プリントデータ81としてHDD106に記憶する。プリントジョブ制御部53は、プリントジョブに含まれるジョブ情報が機密プリントを示す情報を含んでいなければ、画像形成部140を制御して、画像形成部140にプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を画像形成条件に従って形成させる。これにより、排紙トレイにプリントデータの画像が形成された用紙が蓄積される。
【0074】
通信制御部55は、人体通信部118を制御し、人体通信部118に携帯装置250と通信させる。具体的には、通信制御部55は、人体通信部118に定期的に装置識別情報の送信要求を出力させ、送信要求を受信した携帯装置250が送信する装置識別情報を人体通信部118が受信すると、人体通信部118から装置識別情報を受け付ける。人体通信部118は、携帯装置250を携帯するユーザーがアンテナ118A上に存在するときに限って、携帯装置250と通信可能になる。このため、通信制御部55は、人体通信部118から装置識別情報が受け付けられると、携帯装置250を携帯するユーザーがアンテナ118A上に存在することを検出する。通信制御部55は、人体通信部118から装置識別情報が受け付けられると、受け付けられた装置識別情報を認証部59および動作検出部61に出力する。
【0075】
また、通信制御部55は、人体通信部118が装置識別情報を受信した後、人体通信部118に継続して装置識別情報の送信要求を定期的に出力させ、送信要求を受信した携帯装置250が送信する装置識別情報を人体通信部118が受信するごとに、人体通信部118から装置識別情報を受け付ける。これにより、通信制御部55は、携帯装置250を携帯するユーザーがアンテナ118A上から存在しなくなったことを検出することができる。換言すれば、通信制御部55は、携帯装置250を携帯するユーザーがアンテナ118A上に存在してから存在する期間を検出することができる。通信制御部55は、人体通信部118から装置識別情報が受け付けられている間は継続して、人体通信部118から装置識別情報が受け付けられるごとに装置識別情報を動作検出部61に出力する。
【0076】
認証部59は、通信制御部55から装置識別情報が入力されることに応じて、携帯装置250を携帯するユーザーを認証する。具体的には、EEPROM115にユーザーテーブルが記憶されており、認証部59は、通信制御部55から入力される装置識別情報に基づいて、ユーザーテーブルを参照してユーザーを認証する。ユーザーテーブルは、携帯装置250とユーザーとを対応付けるテーブルであって、携帯装置250の装置識別情報と、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報とを対応付けるユーザーレコードを含む。
【0077】
認証部59は、通信制御部55から装置識別情報が入力されると、入力された装置識別情報を含むユーザーレコードがユーザーテーブルに含まれていれば、そのユーザーレコードを抽出し、抽出されたユーザーレコードに含まれるユーザー識別情報で特定されるユーザーを認証する。認証部59は、通信制御部55から入力される装置識別情報を含むユーザーレコードがユーザーテーブルに含まれていなければ、認証しない。認証部59は、ユーザーを認証する場合、認証されたユーザーのユーザー識別情報を、動作検出部61、一覧表示部65および認証出力部67に出力する。
【0078】
操作受付部57は、操作部160Bと接続され、ユーザーが操作部160Bに入力する操作を受け付ける。ユーザーが操作部160Bに入力する操作は、操作部160Bが備えるハードキーのいずれかを押下する操作、操作部160Bが備えるタッチパネルを指示する操作を含む。さらに、操作受付部57は、自動原稿搬送装置120に原稿が載置されると、また、自動原稿搬送装置120が開かれると、ユーザーによるスキャンのための準備操作を受け付ける。操作受付部57は、操作部160Bまたは自動原稿搬送装置120からユーザーによる操作を受け付けると、受け付けられた操作を識別するための操作識別情報を、動作検出部61に出力する。操作識別情報は、ハードキーを押下する操作に対しては、押下されたハードキーを識別するための情報であり、タッチパネルを指示する操作に対しては、タッチパネル上で指示された位置を識別するための情報であり、自動原稿搬送装置に対する操作に対しては、自動原稿搬送装置に対する操作を識別するための情報である。
【0079】
用紙検出部69は、用紙検出センサー141の出力が入力され、画像形成部140が備える排紙トレイに用紙が蓄積されているか否かを検出する。用紙検出部69は、画像形成部140が備える排紙トレイに用紙が蓄積されているならば用紙が蓄積されていることを示す用紙有信号を動作検出部61に出力し、画像形成部140が備える排紙トレイに用紙が蓄積されていないならば用紙が蓄積されていないことを示す用紙無信号を動作検出部61に出力する。
【0080】
動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力され、通信制御部55から装置識別情報が入力され、操作受付部57から操作が入力される。動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力された後に、通信制御部55から入力される装置識別情報および用紙検出部69から入力される用紙有信号または用紙無信号に基づいて、認証されたユーザーの所定の動作を検出する。具体的には、動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力される直前から通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力されている場合、通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力される時間を計時する。ここでは、動作検出部61が計時した時間を立ち止まり時間という。認証部59からユーザー識別情報が入力される直前から通信制御部55から同一の装置識別情報が入力される時間は、ユーザーがアンテナ118A上に継続して存在する時間を示す。
【0081】
<用紙が蓄積されていない場合>
動作検出部61は、用紙検出部69から用紙無信号が入力されている場合、しきい値THを、予め定められた値TH1に設定する。動作検出部61は、立ち止まり時間がしきい値TH(TH1)以上になると、認証されたユーザーが、MFP100を操作するために立ち止まる動作を所定の動作の1つとして検出する。動作検出部61は、認証されたユーザーの立ち止まる動作を検出すると、立ち止まり動作を検出したことを示す立ち止まり信号を、認証出力部67および動作モード切換部63に出力する。
【0082】
ユーザーがMFP100を操作する目的で、アンテナ118Aに進入する場合には、MFP100の前に立ち止まる。このため、値TH1は、アンテナ118Aに進入してから、ユーザーがMFP100を操作することなくアンテナ118Aの外に出るまでの移動時間TAの最大値以上の値とすればよい。ここでは、アンテナ118Aの最も長い距離は、Lであり、ユーザーの歩行速度をW(m/s)とすれば、移動時間TA(s)=L/Wである。ここで、L=2(m)、W=1(m/s)とすれば、移動時間TA(s)=2(s)である。なお、人が1歩進むのに要する時間は、約0.6秒〜0,7秒であるため、最低でも移動時間TA(s)を1秒とするのが好ましい。
【0083】
動作検出部61は、また、認証部59からユーザー識別情報が入力された後に、通信制御部55から継続して入力されている装置識別情報が入力されなくなくと、認証されたユーザーが、MFP100から離れる動作を検出する。動作検出部61は、認証されたユーザーがMFP100から離れる動作を検出すると、認証されたユーザーがMFP100を操作する意思のないことを示す不操作信号を認証出力部67および一覧表示部65に出力する。動作検出部61は、認証されたユーザーの立ち止まる動作を検出する前に、換言すれば、通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力されている時間がしきい値TH(TH1)になる前に、認証されたユーザーがMFP100から離れる動作を検出すると、立ち止まり信号を出力することなく、不操作信号を認証出力部67および一覧表示部65に出力する。
【0084】
<用紙が蓄積されている場合>
動作検出部61は、用紙検出部69から用紙有信号が入力される場合、まず、しきい値THを、予め定められた値TH1に設定する。動作検出部61は、立ち止まり時間がしきい値TH(TH1)になる前に、用紙検出部69から用紙無信号が入力されると、しきい値THを、予め定められた値TH2に設定するとともに、それまで計時していた立ち止まり時間を「0」にリセットし、通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力される時間を、用紙検出部69から用紙無信号が入力された時点から計時し、計時した時間を立ち止まり時間とする。
【0085】
動作検出部61は、リセット後に計時される立ち止まり時間がしきい値TH(TH2)以上になると、認証されたユーザーが、MFP100を操作するために立ち止まる動作を所定の動作の1つとして検出する。ユーザーが、MFP100を操作することなく、MFP100に排紙され、排紙トレイに蓄積された用紙を取り出し、持ち帰る動作を排除するためである。動作検出部61は、認証されたユーザーの立ち止まる動作を検出すると、立ち止まり動作を検出したことを示す立ち止まり信号を、認証出力部67および動作モード切換部63に出力する。
【0086】
ユーザーが、MFP100を操作することなく、MFP100に排紙され、排紙トレイに蓄積された用紙を取り出し、持ち帰る場合、MFP100から移動してアンテナ118Aの外に出る。このため、値TH2は、MFP100から移動してアンテナ118Aの外に出るまでの移動時間TB以上の値とすればよく、値TH1より小さい値とすることができる。ここでは、アンテナ118AのサイズがL/2(m)であり、ユーザーの歩行速度をW(m/s)とすれば、移動時間TB(s)=L/2/Wである。ここでは、L=2(m)、W=1(m/s)とすれば、移動時間TB(s)=1(s)である。なお、人が1歩進むのに要する時間は、約0.6秒〜0,7秒であるため、移動時間TB(s)を1秒以上とするのが好ましい。
【0087】
動作検出部61は、また、リセット後に計時される立ち止まり時間がしきい値TH(TH2)以上になる前に、通信制御部55から継続して入力されている装置識別情報が入力されなくなくと、認証されたユーザーが、MFP100から離れる動作を検出する。動作検出部61は、認証されたユーザーがMFP100から離れる動作を検出すると、認証されたユーザーがMFP100を操作する意思のないことを示す不操作信号を認証出力部67および一覧表示部65に出力する。
【0088】
さらに、動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力された後に、操作受付部57から入力される操作識別情報に基づいて、認証されたユーザーの所定の動作を検出する。動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力された後に、操作受付部57から操作識別情報が入力されると、認証されたユーザーがMFP100に操作を入力する動作を所定の動作の1つとして検出する。動作検出部61は、認証されたユーザーの操作を入力する動作を検出すると、操作を入力する動作を検出したことを示す操作検出信号を認証出力部67および動作モード切換部63に出力する。
【0089】
動作モード切換部63は、MFP100の動作モードを、通常モードと、通常モードより消費電力の低い省電力モードとのいずれかに切り換える。動作検出部61は、動作モードを通常モードに切り換えている状態で、操作受付部57により操作が受け付けられることなく、また、画像形成部140により画像が形成されることなく、予め定められた期間(TH3)が経過すると、動作モードを省電力モードに切り換える。予め定められた期間は、MFP100の管理者により設定される値であってもよいし、デフォルトで定められた値でもよい。また、動作モード切換部63は、動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、操作受付部57により操作が受け付けられると、または、画像形成部140により画像を形成する指示が入力されると、動作モードを通常モードに切り換える。画像形成部140により画像を形成する指示が入力される場合は、プリントジョブ受信部51により機密プリントが指定されていないプリントジョブが受信される場合、また、ファクシミリ部117がファクシミリデータを受信する場合を含む。
【0090】
動作モード切換部63は、動作モードを省電力モードに切り換えている状態で、動作検出部61から立ち止まり信号、または、操作検出信号が入力される場合、動作モードを通常モードに切り換える。
【0091】
一覧表示部65は、認証部59から認証されたユーザーのユーザー識別情報が入力されると、そのユーザー識別情報を用いて、EEPROM115に記憶されている機密プリントデータ81を検索する。一覧表示部65は、EEPROM115に記憶されている機密プリントデータ81のうちに、認証部59から入力されるユーザー識別情報を含む機密プリントデータ81が存在すれば、その機密プリントデータのすべてを抽出する。一覧表示部65は、抽出された機密プリントデータを用いて一覧画面を生成し、表示部160Aに、生成された一覧画面を表示する。一覧画面は、抽出された機密プリントデータ含まれるプリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報を、選択可能に配置した画面である。さらに、一覧表示部65は、一覧画面を表示部160Aに表示した後に、動作検出部61から不操作信号が入力されると、一覧画面の表示を中止する。一覧画面を他のユーザーが操作して、プリントデータが選択されて画像形成されるのを防止するためである。
【0092】
認証出力部67は、認証部59から認証されたユーザーのユーザー識別情報が入力されると、そのユーザー識別情報を用いて、EEPROM115に記憶されている機密プリントデータ81を検索する。認証出力部67は、EEPROM115に記憶されている機密プリントデータ81のうちに、認証部59から入力されるユーザー識別情報を含む機密プリントデータ81が存在すれば、その機密プリントデータのすべてを抽出する。
【0093】
認証出力部67は、動作検出部61から立ち止まり信号、または、操作検出信号が入力される場合、画像形成部140を制御し、抽出された機密プリントデータのすべてを順に選択し、選択した機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成条件に従って形成させる。認証出力部67は、動作検出部61から立ち止まり信号、または、操作検出信号のいずれもが入力されない場合、抽出された機密プリントデータの画像を画像形成部140に形成させない。
【0094】
図5は、動作モード切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。動作モード切換処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM103、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された動作モード切換プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0095】
図5を参照して、CPU111は、タイマーT1をスタートさせる(ステップS01)。タイマーT1は、動作モードが通常モードの状態において、動作することなく継続する時間を計時する。次のステップS02においては、プリントジョブを受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、PC200からプリントジョブを受信したか否かを判断する。プリントジョブを受信したならば処理をステップS03に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS03においては、ステップS02において受信されたプリントジョブが、機密プリントの指定がされているか否かを判断する。機密プリントの指定がされているならば、処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS05に進める。ステップS04においては、ステップS02において受信されたプリントジョブを、機密プリントデータとして、EEPROM115に記憶し、処理をステップS12に進める。
【0096】
ステップS05においては、動作モードによって処理を切り換える。動作モードが省電力モードに設定されているならば、処理をステップS06に進めるが、通常モードに設定されているならばステップS06をスキップして処理をステップS07に進める。ステップS06においては、動作モードを通常モードに切り換え、処理をステップS07に進める。ステップS07においては、ステップS02において受信されたプリントジョブを実行する。具体的には、画像形成部140を制御して、ステップS02において受信されたプリントジョブに含まれるプリントデータの画像を画像形成条件に従って形成させる。次のステップS08においては、タイマーT1をリセットし、処理をステップS12に進める。タイマーT1のリセットとは、タイマーT1の値を「0」に設定し、計時を開始させることをいう。
【0097】
一方、ステップS09においては、動作モードが通常モードに設定されているか否かを判断する。動作モードが通常モードに設定されているならば、処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS10においては、タイマーT1の値がしきい値TH(TH3)以上か否かを判断する。しきい値TH(TH3)は、予め定められた値である。
【0098】
タイマーT1の値がしきい値TH(TH3)以上ならば処理をステップS11に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS11においては、動作モードを通常モードから省電力モードに切り換え、処理をステップS12に進める。
【0099】
ステップS12においては、MFP100本体の電源がOFFに切り換えられたか否かを判断する。電源がOFFに切り換えられたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS02に戻す。
【0100】
図6および図7は、認証プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。認証プリント処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM103、EEPROM115、HDD116またはCD−ROM119Aに記憶された認証プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0101】
図6および図7を参照して、CPU111は、携帯装置250と通信可能になったか否かを判断する(ステップS21)。携帯装置250と通信可能となるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、携帯装置250と通信可能になると(ステップS21でYES)、処理をステップS22に進める。ステップS22においては、認証に成功したか否かを判断する。携帯装置250から受信される装置識別情報を含むユーザーレコードが予め記憶されたユーザーテーブルのうちに存在するか否かを判断する。携帯装置250から受信される装置識別情報を含むユーザーレコード存在するならば、そのユーザーレコードにより装置識別情報と関連付けられたユーザー識別情報で特定されるユーザーを認証する。ユーザーの認証に成功したならば処理をステップS23に進めるが、認証に成功しないならば、処理をステップS21に戻す。
【0102】
ステップS23においては、機密プリントデータが存在するか否かを判断する。ステップS22において認証されたユーザーのユーザー識別情報を含む機密プリントデータ81が、EEPROM115に記憶されているならば、機密プリントデータが存在すると判断する。機密プリントデータが存在するならば、処理をステップS24に進めるが、そうでなければステップS24をスキップして処理をステップS25に進める。ステップS24においては、一覧画面を表示する。ステップS23において存在が確認された機密プリントデータを用いて一覧画面を生成し、表示部160Aに、生成された一覧画面を表示する。一覧画面は、抽出された機密プリントデータ含まれるプリントデータを識別するためのプリントデータ識別情報を、選択可能に配置した画面である。
【0103】
ステップS25においては、タイマーT2をスタートさせる。タイマーT2は、携帯装置250と通信可能になってから通信可能な状態が継続する時間を計時する。ステップS26においては、携帯装置250と通信可能な状態か否かを判断する。携帯装置250と通信可能ならば処理をステップS27に進めるが、そうでなければ処理をステップS46に進める。ステップS27においては、画像形成部140が備える排紙トレイに、存在していた用紙が回収されたか否かを判断する。用紙検出センサー141の出力が、用紙が存在することを示す状態から、用紙が存在しないことを示す状態に変化したか否かを判断する。排紙トレイに存在していた用紙が回収されたことを検出したならば処理をステップS28に進めるが、そうでなければ処理をステップS30に進める。
【0104】
ステップS28においては、タイマーT2の値がしきい値TH(TH1)より小さいか否かを判断する。タイマーT2の値がしきい値TH(TH1)より小さいならば処理をステップS29に進めるが、タイマーT2の値がしきい値TH(TH1)以上ならば処理をステップS34に進める。ステップS29においては、ユーザーによる操作を検出したか否かを判断する。ユーザーが操作部160Bのハードキーを押下する操作、または、タッチパネルを指示する操作、自動原稿搬送装置120を開く操作、原稿を載せる操作等を検出したか否かを判断する。ユーザーによる操作を検出したならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS26に戻す。
【0105】
一方、ステップS30においては、タイマーT3をスタートさせる。タイマーT3は、排紙トレイに存在していた用紙が回収されてからの経過時間を計時する。ステップS31においては、携帯装置250と通信可能か否かを判断する。携帯装置250と通信可能ならば処理をステップS32に進めるが、そうでなければ処理をステップS46に進める。
【0106】
ステップS46においては、ステップS24において表示部に表示した一覧画面の表示を中止し、処理をステップS47に進める。ステップS47においては、ステップS22において認証されたユーザーのログインを解除し、処理を終了する。
【0107】
ステップS32においては、タイマーT3の値がしきい値TH(TH2)より小さいか否かを判断する。タイマーT3の値がしきい値TH(TH2)より小さいならば処理をステップS33に進めるが、タイマーT3の値がしきい値TH(TH2)以上ならば処理をステップS34に進める。ステップS33においては、ステップS29と同様に、ユーザーによる操作を検出したか否かを判断する。ユーザーによる操作を検出したならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS31に戻す。
【0108】
ステップS34においては、タイマーT1を停止する。図5で説明したように、タイマーT1は、動作モード切換処理において使用され、動作モードが通常モードの状態において、動作することなく継続する時間を計時する。タイマーT1がしきい値TH(TH3)以上になると、動作モードが省電力モードに切り換えられるので、動作モードが省電力モードに切り換えられないようにするためである。
【0109】
ステップS35においては、動作モードにより処理を分岐させる。動作モードが省電力モードに設定されているならば、処理をステップS36に進めるが、動作モードが通常モードに設定されているならば、ステップS36をスキップして処理をステップS37に進める。ステップS36においては、動作モードを省電力モードから通常モードに切り換え、処理をステップS37に進める。
【0110】
ステップS37においては、ステップS23と同様に機密プリントデータが存在するか否かを判断する。機密プリントデータが存在するならば処理をステップS38に進めるが、そうでなければステップS38をスキップして処理をステップS39に進める。ステップS38においては、機密プリントデータの画像を形成し、処理をステップS39に進める。EEPROM115に記憶されている機密プリントデータ81のうちから、ステップS22において認証されたユーザーのユーザー識別情報を含む機密プリントデータのすべてを抽出する。そして、抽出された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成条件に従って、画像形成部140に形成させる。
【0111】
ステップS39においては、タイマーT1をリセットする。これにより、タイマーT1の値が「0」に設定され、タイマーT1による計時が開始される。
【0112】
次のステップS40においては、携帯装置250と通信可能か否かを判断する。携帯装置250と通信可能ならば処理をステップS41に進めるが、そうでなければ処理をステップS47に進める。ステップS41においては、ステップS29と同様に、ユーザーによる操作を検出したか否かを判断する。ユーザーによる操作を検出したならば処理をステップS42に進めるが、そうでなければ処理をステップS40に戻す。ステップS39においては、タイマーT1をリセットする。
【0113】
次のステップS43においては、ステップS41において検出された操作が、実行指示を示すか否かを判断する。ステップS41において検出された操作が実行指示を示すならば、処理をステップS44に進めるが、そうでなければステップS44をスキップして処理をステップS40に戻す。ステップS44においては、ステップS41において検出された操作に対応する処理を実行し、処理をステップS45に進める。ステップS45においては、タイマーT1をリセットし、処理をステップS40に戻す。
【0114】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、ユーザーが携帯する携帯装置250から受信される装置識別情報とユーザーテーブルに基づいてユーザーを認証し、機密プリントデータ81が存在する場合、ユーザーによる所定の動作が検出されることを条件に、機密プリントデータ81の画像を形成する。このため、ユーザーが携帯する携帯装置250から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する場合であっても、ユーザーによる所定の動作が検出されなければプリントしないので、ユーザーが操作する場合に限って機密プリントデータ81の画像を形成することができる。
【0115】
また、ユーザーが携帯する携帯装置250から受信される装置識別情報とユーザーテーブルに基づいてユーザーを認証し、動作モードが省電力モードに切り換えられている場合、ユーザーによる所定の動作が検出されることを条件に、動作モードを通常モードに切り換える。このため、ユーザーが携帯する携帯装置250から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する場合であっても、ユーザーによる所定の動作が検出されなければ通常モードに切り換えられないので、ユーザーが操作する場合に限って動作モードを通常モードに切り換えることができる。
【0116】
また、携帯装置250と通信を開始してから通信可能な状態がしきい値TH(TH1)以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出するので、ユーザーがMFP100を操作する前の状態を検出することができ、MFP100の周辺に配置されたアンテナ118A上を歩行して通過する動作を排除できる場合がある。
【0117】
また、携帯装置250と通信を開始してから通信可能な状態がしきい値TH(TH1)以上継続する前に、排紙トレイに用紙が存在する状態から用紙が存在しない状態に変化する場合、携帯装置250と通信可能な状態が用紙が存在しない状態に変化してからしきい値TH(TH2)以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を所定の動作として検出する。このため、ユーザーが、排紙トレイに存在する用紙を持ち帰る動作を排除できる場合がある。
【0118】
また、ユーザーが認証されることに応じて、認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になる機密プリントデータのプリントデータ識別情報を選択可能に列挙する一覧画面を表示し、所定の動作が検出されない場合は、一覧画面の表示を中止するので、他のユーザーによりプリントされるのを防止することができる。
【0119】
<第1の変形例>
上述した動作検出部61は、認証部59からユーザー識別情報が入力される直前から通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力されている場合、通信制御部55から同一の装置識別情報が継続して入力される時間を、立ち止まり時間として計時し、立ち止まり時間がしきい値TH(TH1)以上になると、立ち止まっていると判断した。
【0120】
携帯装置250を携帯するユーザーがアンテナ118Aの上で立ち止まっている場合は、足がアンテナ118A上に接地しているので、人体通信部118は、携帯装置250との間でエラーの少ない良好な通信が可能である。一方、ユーザーがアンテナ118Aの上を歩行中は、足がアンテナ118Aから離れる時点で、ノイズが発生し、エラー回数が増加する。また、ユーザーがアンテナ118Aの上を歩行中は、足がアンテナ118A上に接地している時間が短いので、通信できる時間が短い。このため、ユーザーがアンテナ118Aの上を歩行中は、人体通信部118が携帯装置250との間で良好な通信が可能となる期間が、断続的に発生する。
【0121】
第1の変形例における動作検出部61は、人体通信部118が、携帯装置250との間で、良好な通信が可能な期間がしきい値TH(TH5)以上となるときに、ユーザーによる立ち止まる動作を検出する。この場合におけるしきい値THに設定される値TH5は、立ち止まっていると判断できる時間であればよい。通常、人が1歩進行するのに0.6〜0.7秒を要するので、しきい値TH(TH5)は、0.7秒以上であればよい。良好な通信とは、通信品質が予め定められたレベル以上の通信をいう。通信品質は、例えば、通信エラー率を用いることができる。通信エラー率は、例えば、通信パケット中のエラーとなる通信パケットの比率等、周知の値を用いることができる。通信パケット中のエラーとなる通信パケットの比率が所定の値以上の場合に、良好な通信と判断することができる。
【0122】
この場合、図6および図7に示した認証プリント処理において、ステップS25、ステップS30は不要であり、ステップS28に代えて、人体通信部118が携帯装置250との間で良好な通信をしきい値TH(TH5)以上継続したか否かを判断するステップを設け、人体通信部118が携帯装置250との間で良好な通信をしきい値TH(TH5)以上継続したならば処理をステップS34に進め、そうでなければ処理をステップS29に進めるようにすればよい。
【0123】
また、ステップS32に代えて、人体通信部118が携帯装置250との間で良好な通信をしきい値TH(TH5)以上継続したか否かを判断するステップを設け、ステップS27において、用紙検出センサー141により用紙が検出されなくなった後に、人体通信部118が、携帯装置250との間で良好な通信をしきい値TH(TH5)以上継続したならば処理をステップS34に進め、そうでなければ処理をステップS33に進めるようにすればよい。
【0124】
第1の変形例におけるMFP100は、携帯装置250と通信し、予め定められた通信品質で通信可能な状態がしきい値TH(TH5)以上継続すると、ユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を検出する。ユーザーがアンテナ118Aの上を歩行すると、ユーザーの足がアンテナに接触している間だけ通信可能となる。このため、ユーザーがアンテナ118Aの上を歩行する場合は、通信可能な期間が断続的となる。通信可能な期間が途切れることなくしきい値TH(TH5)以上継続する場合に、立ち止まる動作を検出するので、ユーザーが歩行する動作を排除することができる場合がある。
【0125】
<第2の変形例>
上述した実施の形態においては、携帯装置250とMFP100,100A,100B,100C各々との間の通信に、人体通信を用いる例を説明したが、携帯装置250と、MFP100,100A,100B,100Cそれぞれとの間で近距離の無線通信をするようにしてもよい。例えば、携帯装置250を、RFID(Radio Frequency Identification)タグとすればよい。一方、MFP100が備える人体通信部118に代えて、Bluetooth(登録商標)規格のGAP(Generic Access Profile)等に基づき、携帯装置250と短距離無線通信可能な無線通信部を備えるようにすればよい。なお、携帯装置250とMFP100,100A,100B,100Cそれぞれとの間の無線通信は、Bluetooth(登録商標)規格等の通信媒体に電波や電磁波を用いた通信であってもよいし、IrDA(Infrared Data Association)規格等の通信媒体に赤外線を用いた通信であってもよい。
【0126】
なお、上述した実施の形態においては、機密プリントを指定したプリントジョブを、PC200からMFP100,100A〜100Cのいずれかに送信する例を説明したが、プリントサーバーを用いるようにしてもよい。この場合には、PC200からプリントジョブをプリントサーバーに送信し、プリントサーバーにプリントジョブを一時記憶する。その後、ユーザーが、例えば、MFP100で認証されると、プリントサーバーから認証されたユーザーのユーザー識別情報を含むプリントジョブをダウンロードして、MFP100でダウンロードされたプリントジョブを実行する。この場合においても、MFP100は、ユーザーを認証した後に、直ちにプリントジョブをダウンロードするのではなく、ユーザーによる所定の動作を検出した後に、プリントサーバーからプリントジョブをダウンロードするようにすればよい。
【0127】
また、上述した実施の形態においては、画像形成システム1について説明したが、MFP100,100A,100B,100Cそれぞれに図5、図6および図7に示した処理を実行させるための動作モード切換方法または認証プリント方法、または動作モード切換方法または認証プリント方法をコンピュータに実行させるための動作モード切換プログラムまたは認証プリントプログラムとして発明を捉ええることができるのはいうまでもない。
【0128】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0129】
<付記>
(1) 前記通信手段は、無線による通信が可能な距離が所定の範囲に制限された短距離無線通信手段を、含む請求項1に記載の画像形成装置。
(2)前記第2の時間は、前記第1の時間より短い、請求項3に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0130】
1 画像形成システム、2 ネットワーク、51 プリントジョブ受信部、53 プリントジョブ制御部、55 通信制御部、57 操作受付部、59 認証部、61 動作検出部、63 動作モード切換部、65 一覧表示部、67 認証出力部、69 用紙検出部、81 機密プリントデータ、100,100A〜100C MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 人体通信部、118A アンテナ、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、141 用紙検出センサー、150 給紙部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200 PC、250 携帯装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、
画像を形成する画像形成手段と、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、
前記認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、
前記認証手段によりユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに前記認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、前記動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、前記プリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる認証出力手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記動作検出手段は、前記通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段によって画像が形成された用紙を蓄積するための排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出する用紙検出手段を、さらに備え、
前記動作検出手段は、前記所定の動作を検出する前に、前記用紙検出手段により用紙が存在することが検出されていた状態から用紙が存在することが検出されない状態に変化する場合、前記通信手段が前記携帯装置と通信可能な状態が前記用紙検出手段により用紙が存在することが検出されない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
所定の範囲の床面に施設されたアンテナをさらに備え、
前記通信手段は、前記アンテナおよびユーザーの人体を介して前記携帯装置と通信する人体通信手段を、含み、
前記動作検出手段は、前記人体通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記認証手段によりユーザーが認証されることに応じて、前記認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータの一覧を表示する一覧表示手段を、さらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記一覧表示手段は、前記動作検出手段により所定の動作が検出されない場合は、前記一覧の表示を停止する、請求項5に記載の画像形成装置。

【請求項7】
ユーザーの操作を受け付ける操作受付手段を、さらに備え、
前記動作検出手段は、前記操作受付手段により操作が受け付けられると、ユーザーによる操作を入力する動作を前記所定の動作として検出する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える動作モード切換手段と、
前記認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、を備え、
前記動作モード切換手段は、動作モードが省電力モードの場合、前記認証手段によりユーザーが認証された場合は、前記動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換え、
前記動作検出手段は、前記通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、画像形成装置。
【請求項9】
画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された用紙を蓄積するための排紙トレイに用紙が存在するか否かを検出する用紙検出手段を、さらに備え、
前記動作検出手段は、前記所定の動作が検出される前に、前記用紙検出手段により用紙が存在することが検出されていた状態から用紙が存在することが検出されない状態に変化する場合、前記通信手段が前記携帯装置と通信可能な状態が前記用紙検出手段により用紙が存在することが検出されない状態に変化してから第2の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、
ユーザーが携帯する携帯装置と、前記アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証する認証手段と、
画像を形成する画像形成手段と、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える動作モード切換手段と、
前記認証手段により認証されたユーザーの動作を検出する動作検出手段と、を備え、
前記動作モード切換手段は、動作モードが省電力モードの場合、前記認証手段によりユーザーが認証された場合は、前記動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換え、
前記動作検出手段は、前記人体通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出する、画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置で実行される認証プリント方法であって、
前記画像形成装置は、
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、
画像を形成する画像形成手段と、を備え、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、
前記認証するステップにおいてユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに前記認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、前記動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、前記プリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を含む、認証プリント方法。
【請求項12】
画像形成装置で実行される動作モード切換方法であって、
前記画像形成装置は、
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段を備え、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を含み、
前記動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、前記認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、前記動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換えるステップを含み、
前記動作を検出するステップは、前記通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出するステップを含む、動作モード切換方法。
【請求項13】
画像形成装置で実行される動作モード切換方法であって、
前記画像形成装置は、
所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、
ユーザーが携帯する携帯装置と、前記アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、を備え、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を含み、
前記動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、前記認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、前記動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換えるステップを含み、
前記動作を検出するステップは、前記人体通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出するステップを含む、動作モード切換方法。
【請求項14】
画像形成装置を制御するコンピュータで実行される認証プリントプログラムであって、
前記画像形成装置は、
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段と、
画像を形成する画像形成手段と、を備え、
前記モード切換方法は、前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、
前記認証するステップにおいてユーザーが認証される場合、ネットワークを介して接続されたコンピュータから送信されたプリントデータとユーザーを識別するためのユーザー識別情報との組のうちに前記認証されたユーザーのユーザー識別情報と組になるプリントデータが存在する場合、前記動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、前記プリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を前記コンピュータに実行させる認証プリントプログラム。
【請求項15】
画像形成装置を制御するコンピュータで実行される動作モード切換プログラムであって、
前記画像形成装置は、
ユーザーが携帯する携帯装置と通信する通信手段を備え、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、前記認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、前記動作検出手段により所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換えるステップを含み、
前記動作を検出するステップは、前記通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから通信可能な状態が第1の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出するステップを含む、動作モード切換プログラム。
【請求項16】
画像形成装置を制御するコンピュータで実行される動作モード切換プログラムであって、
前記画像形成装置は、
所定の範囲の床面に施設されたアンテナと、
ユーザーが携帯する携帯装置と、前記アンテナおよびユーザーの人体を介して通信する人体通信手段と、を備え、
前記携帯装置から受信される認証情報に基づいてユーザーを認証するステップと、
通常モードと、前記通常モードより消費電力が小さい省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換えるステップと、
前記認証するステップにおいて認証されたユーザーの動作を検出するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記動作モードを切り換えるステップは、動作モードが省電力モードの場合、前記認証するステップにおいてユーザーが認証された場合は、前記動作を検出するステップにおいて所定の動作が検出されることを条件に、前記動作モードを前記通常モードに切り換えるステップを含み、
前記動作を検出するステップは、前記人体通信手段が通信可能な前記携帯装置と通信を開始してから予め定められた通信品質で通信可能な状態が第3の時間以上継続すると、前記認証されたユーザーが操作を開始するために立ち止まる動作を前記所定の動作として検出するステップを含む、動作モード切換プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−46093(P2013−46093A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180332(P2011−180332)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】