説明

画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラム

【課題】 図書館、情報ライブラリ等において書籍をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーする場合に、自動的に警告を発する。
【解決手段】 書籍1に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に、当該書籍1についての著作権情報(著作権の有効無効情報や許可刊行物の情報等)と、書籍1の総ページ数情報と、書籍サイズの情報とを記録しておく。そして、画像形成装置に備えられたリーダ/ライタ101により、ICタグ10に記録された情報を読み取り、該ICタグ10に記録された情報を基に、書籍1のページが重複印字(重複コピー)される場合や、制限ページ数を超えて印字(コピー)される場合に、警告情報を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、複写機等の画像形成装置に関し、特に、書籍等の刊行物を図書館等でコピーする場合に、著作権が有効な刊行物について、著作権法で許可された範囲を超えてコピーが行なわれる場合に警告情報を発生することができる、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、RFID(Radio Frequency Identification)等の非接触ICタグを個々の物品(例えば、書籍等の刊行物)に貼付し、個々の物品に固有な情報をICタグに記録して、これらの個々の物品の利用状況の管理を行なう技術が開発されている。
【0003】
このRFIDを利用した先行技術として、図書館、情報ライブラリ等の自動化システムに関する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の発明は、RFIDを収蔵品に貼り付けて識別を行い、貸出/返却業務、収蔵管理/業務、不正持ち出し監視業務を省略することを目的とした発明である。
【特許文献1】特開2003−216744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、書籍等の刊行物には、著作権法などにより自由なコピーが許可されていない刊行物があり、その場合には、「書籍等の総ページ数の所定割合(例えば、50%)までしかコピーを取ってはいけない」、「コピーは1人1部まで(ページを重複してコピーできない)」等の規制がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の技術では、RFIDを利用して不正持ち出しを監視することはできても、先に示した著作権法による規制に対しては、その警告を発する手段を持たず、著作権法の規定が守られているか否かは、図書館、情報ライブラリ等のコピー係が目視で判断するしか方法がなく、非常に煩わしい作業となっていた。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、図書館、情報ライブラリ等において書籍をコピーする際に、著作権により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーするか、またはその恐れがある場合に、自動的に警告を発することで、書籍の著作権の保護を実現できると共に、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の画像形成装置は、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置であって、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手段と、前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手段と、前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手段と、前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手段と、前記コピー可能ページ数算出手段より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手段によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手段と、前記コピーページ数判定手段により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手段とを備えることを特徴とする。
これにより、図書館、情報ライブラリ等において書籍等の刊行物をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。また、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、コピー対象となるページの特定部分を抽出してページ認識情報を得る画像領域分離手段と、前記画像領域分離手段により得られたページ認識情報と新たにスキャンしたページのページ認識情報との照合を行うパターンマッチング手段と、前記パターンマッチング手段により、同一ページが繰返しコピーされようとしているか、または同一ページが繰返しコピーされたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手段とを備えることを特徴とする。
これにより、図書館、情報ライブラリ等において書籍等の刊行物をコピーする際に、著作権法により定められた部数を超えて重複コピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。また、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、前記ICタグには刊行物のサイズに関する情報を予め記録しておき、該刊行物のサイズに関する情報を前記リーダ/ライタにより読み取る手段と、前記刊行物のサイズの情報と、印字の際のコピー倍率と印字紙サイズの設定情報からコピーした刊行物の実ページ数を判定する実ページ数判定手段とを備えることを特徴とする。
これにより、刊行物のページが縮小してコピー(印字)される場合に、コピーされる刊行物の実ページ数を判定できる。すなわち、一度に複数ページのコピーであるか否かを判定できる。例えば、書籍サイズB5の本のページを印字倍率1でB4の用紙に印字する場合は、コピーページ数が2枚と判定できる。また、例えば、書籍サイズB5の本のページを印字倍率0.81でA4の用紙に縮小して印字する場合も、コピーページ数が2枚と判定できる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、前記コピー可能なページ数が、刊行物の総ページ数の50%であることを特徴とする。
これにより、著作権法31条に規定される「著作物の一部分」に違反することなく、書籍等の刊行物のコピーを行なうことができる。
【0011】
また、本発明のICタグは、書籍を含む刊行物に貼付されると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置に、当該刊行物についての著作権法により許容されるコピー可能ページ数の情報を与えるためのICタグであって、当該刊行物についての著作権に関する情報と、当該刊行物の総ページ数に関する情報と、所望の場合には、刊行物のサイズの情報とが記録されたことを特徴とする。
これにより、図書館、情報ライブラリ等の画像形成装置により刊行物をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。
【0012】
また、本発明の画像形成方法は、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置における画像形成方法であって、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手順と、前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手順と、前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手順と、前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手順と、前記コピー可能ページ数算出手順より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手順によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手順と、前記コピーページ数判定手順により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手順とを含むことを特徴とする。
これにより、図書館、情報ライブラリ等において書籍をコピーする際に、著作権により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすることを抑止し、書籍の著作権の保護を実現できる。また、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる。
【0013】
また、本発明のコンピュータプログラムは、書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置内のコンピュータに、前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手順と、前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手順と、前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手順と、前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手順と、前記コピー可能ページ数算出手順より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手順によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手順と、前記コピーページ数判定手順により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手順とを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の画像形成装置および画像形成方法においては、書籍等の刊行物に貼り付けられたICタグ(RFID等)に予め著作権情報(例えば、著作権の有効無効の情報や許可刊行物の情報など)と刊行物の総ページ数情報とを記録しておき、画像形成装置に備えられたリーダ/ライタによりICタグに記録された情報を読み取り、許可刊行物の重複印字や制限ページ数を超えて印字(コピー)される場合に警告を発するようにしたので、これにより、図書館、情報ライブラリ等において刊行物をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。また、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置においては、コピー対象となるページの特定部分を抽出してページ認識情報を取得し、新たにスキャンしたページのページ認識情報との照合を行う。そして、同一ページが繰返しコピーされようとしていると判定された場合、または同一ページが繰返しコピーされたと判定した場合に警告情報を発生するようにしたので、これにより、図書館、情報ライブラリ等において書籍等の刊行物をコピーする際に、著作権法により定められた部数を超えて重複コピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。また、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置においては、ICタグに記録された刊行物のサイズの情報と、印字の際のコピー倍率と印字紙サイズの設定情報とを基に、コピーした刊行物の実ページ数を判定するようにしたので、これにより、刊行物のページが縮小して印字される場合に、コピーされる刊行物の実ページ数を判定できる。すなわち、一度に複数ページのコピーであるか否かを判定できる。例えば、書籍サイズB5の本のページを印字倍率1でB4の用紙に印字する場合は、コピーページ数が2枚と判定できる。また、例えば、書籍サイズB5の本のページを印字倍率0.81でA4の用紙に縮小して印字する場合も、コピーページ数が2枚と判定できる。
【0017】
また、本発明の画像形成装置においては、コピー可能なページ数が、刊行物の総ページ数の50%であるようにしたので、これにより、著作権法31条に規定される「著作物の一部分」に違反することなく、書籍等の刊行物のコピーを行なうことができる。
【0018】
また、本発明のICタグにおいては、刊行物に貼付されると共に、当該刊行物についての著作権に関する情報と、当該刊行物の総ページ数に関する情報と、所望の場合には、刊行物のサイズの情報とを記録するようにしたので、これにより、図書館、情報ライブラリ等の画像形成装置により刊行物をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすることを抑止し、書籍等の刊行物の著作権の保護を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の画像形成装置における処理手順を示すフローチャートであり、コピー対象となる書籍1に貼付されたICタグ(RFID等)10の読み取りから、書籍ページのスキャニング、および書籍ページの印字(コピー)までの処理手順を示したフローチャートである。
【0021】
以下、図1を参照して、その処理の流れについて説明する。
最初に、コピー対象となる書籍1に添付されたICタグ(RFID等)10が、リーダ/ライタ101により読み取られる。例えば、ICタグ10に記録された当該書籍に関する著作権情報(著作権の有効無効、許可刊行物であるか否かの情報等)、総ページ数、本のサイズ等の情報が読み取られる(ステップS1)。また、書籍のコピー対象ページが画像形成装置のスキャナ102aにより読み取られる(ステップS2)。
【0022】
次に、画像形成装置では、ICタグ10から読み出した著作権情報により、当該書籍1の著作権が有効か(または、許可刊行物か)どうかを判定する(ステップS3)。もし著作権が無効(または、許可刊行物)であればそのまま印字処理に移る(ステップS11)。
【0023】
ステップS3において著作権が有効であると判定された場合は、画像領域分離処理により、コピー対象ページのページ認識を行う(ステップS4)。この、画像領域分離処理は、
コピー対象となるページの特定部分(例えば、タイトル部分の文字や特定の領域等)を抽出してページ認識情報を得るものである。なお、この特定領域は、ページの認識(区別)に必要な最小限の領域であればよい。
【0024】
次に、パターンマッチング処理を行い、前に印字したページと同じページかどうかを判定する(ステップS5)。このパターンマッチング処理は、ステップS4の画像領域分離処理により得られた特定部分のページ認識情報を、前のページのページ認識情報と比較することにより行なわれる。
【0025】
ステップS5のパターンマッチング処理により、同じページを繰り返しコピーしたと判定した場合、または同じページを繰り返しコピーしようとしていると判定した場合は、同一ページの重複印字に対する警告を出す(ステップS6)。
【0026】
ステップS5のパターンマッチング処理において、前に印字されていないページであると判定された場合は、コピーするページ数を判定する(ステップS7)。このコピーするページ数の判定は、本のサイズと印字の設定倍率、印字する紙のサイズから、例えば、書籍サイズB5の本のページを印字倍率1でB4の用紙にコピーする場合は、コピーページ数が2枚と判定する。また、書籍サイズB5の本のページをA4の用紙に縮小コピーする場合も、コピーページ数が2枚と判定する
【0027】
次に、ページカウンタ(図3のページカウンタ109を参照)の計数ページ数をカウントアップし(ステップS8)、ページカウント値がコピー可能なページ数を超えているかどうかを判定し(ステップS9)、コピー可能なページ数を超えていなければ印字処理に移り(ステップS11)、コピー可能なページ数を超えているか、または超えようとしていると判定した場合には、制限ページ数以上印字したこと(または制限ページ数を超えて印字しようとしていること)に対して警告を発する(ステップS10)。
【0028】
以上、説明した処理手順により、著作権情報と総ページ数と本のサイズの情報を記憶したICタグ(RFID等)が貼り付けられた書籍をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーすると警告を発することで、書籍の著作権の保護を実現できると共に、図書館、情報ライブラリ等の係員の著作権管理作業を軽減することができる。
【0029】
また、図2は、刊行物に貼付されるICタグの構成例を示す図である。図2に示すICタグは、RFIDの例であり、ICタグ10には、アンテナ11とICチップ12とが埋め込まれ、電磁波を媒体として、画像形成装置のリーダ/ライタ101とデータの交換を行う。
【0030】
また、ICチップ12内には、電源整流部13、送受信部14、CPU15、記憶部20が設けられている。電源整流部13は、アンテナ11で受信した電磁波を整流してICチップ12を駆動する電力を供給する。送受信部14は、リーダ/ライタ101との間で、電磁波によるデータの送受信を行う処理部である。また、CPU15は、ICチップ12の全体を制御する。
【0031】
また、記憶部20には、ICタグ属性情報(ICタグの製造メーカ、製造番号、型式などの情報)、書籍ID情報(書籍登録番号)22、著作権情報(著作権の有効無効の情報等)23、当該書籍の総ページ数、本のサイズ等の情報24が記録されている。
【0032】
また、図3は、本発明の画像形成装置の構成例を示す図であり、本発明に直接関係する部分のみを示したものである。図3において、リーダ/ライタ(著作権関連情報読取手段)101は、書籍1に貼り付けられたICタグ(RFID等)10に記録された情報を、アンテナ101aを介して電磁波により読み取る。このICタグ10には、当該書籍1に関する著作権情報、総ページ数、本のサイズ等の情報が記録されている。
【0033】
ページスキャン部102は、書籍1のコピー対象ページをスキャナ102aで読み取る処理を行う。著作権有効判定部(著作権有効判定手段)103は、リーダ/ライタ101で読み取ったICタグ10の著作権情報から、当該書籍1の著作権が有効かどうか(または許可刊行物であるかどうか)を判定する。また、著作権有効判定部103には、ICタグ10に記録された書籍1の総ページ数の情報から、当該書籍1について許可されるコピー可能ページ数を算出するコピー可能ページ数算出部(コピー可能ページ数算出手段)104が含まれる。
【0034】
画像領域分離処理部(画像領域分離手段)105は、コピー対象となるページの特定部分(例えば、タイトル部分の文字や、ページ内の特定領域等)を抽出し、該特定領域によりページの認識処理を行う。この特定領域は、ページの認識(区別)に必要な最小限の領域であればよい。
【0035】
パターンマッチング処理部(パターンマッチング手段)106では、画像領域分離処理部105により得られたページ認識情報と新たにスキャンしたページのページ認識情報との照合を行う。このパターンマッチング処理は、画像領域分離処理部105により得られたページ認識情報を、前のページのページ認識情報と比較することにより行なわれる。このようにして、パターンマッチング処理部106では、新たに印字しようとするページが前に印字したページと同じページかどうかを判定する。
【0036】
また、ページカウント部107には、実ページ数判定部(実ページ数判定手段)108と、ページカウンタ(コピーページ数カウント手段)109、コピーページ数判定部(コピーページ数判定手段)110と、警告発生部(警報情報発生手段)111とが含まれる。
実ページ数判定部108では、書籍のページを一度に2ページコピーしたのか1ページだけコピーしたかを知るために、ICタグ10内に本のサイズ情報を持たせておき、コピー倍率と印字紙のサイズの設定情報からコピーした実ページ数を判定する。
【0037】
ページカウンタ109は、コピーしたページ数を計数するカンタである。
コピーページ数判定部110では、ページカウンタ109の計数値と、コピー可能ページ数算出部104により求めたコピー可能ページ数とを比較し、コピーしたページ数がコピー可能なページ数を超えているか、または超えようとしているかを判定する。
【0038】
また、警告発生部111では、印刷(コピー)したページ数がコピー可能なページ数を超えている場合、または超えようとしている場合に、警告情報を表示部112に表示する。
【0039】
印字処理部113では、印刷(コピー)したページ数がコピー可能なページ数を超えてない場合、または超えようとしていない場合に、コピー対象となる書籍のページの印字(コピー)を行なう。
【0040】
なお、上述した画像形成装置100は内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
【0041】
すなわち、画像形成装置100における、各処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。
【0042】
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の画像形成装置およびICタグは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、図書館、情報ライブラリ等において書籍をコピーする際に、著作権法により定められたコピー可能ページ数を超えてコピーする場合に、自動的に警告を発することで、書籍の著作権の保護を実現できると共に、図書館、情報ライブラリ等の係員の負担を軽減することができる効果を奏するので、本発明は、画像形成装置、ICタグ、画像形成方法、及びプログラム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の画像形成装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図2】ICタグの構成例を示す図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 書籍
10 ICタグ
11 アンテナ
12 ICチップ
20 記憶部
100 画像形成装置
101 リーダ/ライタ
101a アンテナ
102 ページスキャン部
102a スキャナ
103 著作権有効判定部
104 コピー可能ページ数算出部
105 画像領域分離処理部
106 パターンマッチング処理部
107 ページカウント部
108 実ページ数判定部
109 ページカウンタ
110 コピーページ数判定部
111 警告発生部
112 表示部
113 印字処理部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置であって、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手段と、
前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手段と、
前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手段と、
前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手段と、
前記コピー可能ページ数算出手段より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手段によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手段と、
前記コピーページ数判定手段により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
コピー対象となるページの特定部分を抽出してページ認識情報を得る画像領域分離手段と、
前記画像領域分離手段により得られたページ認識情報と新たにスキャンしたページのページ認識情報との照合を行うパターンマッチング手段と、
前記パターンマッチング手段により、同一ページが繰返しコピーされようとしているか、または同一ページが繰返しコピーされたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ICタグには刊行物のサイズに関する情報を予め記録しておき、該刊行物のサイズに関する情報を前記リーダ/ライタにより読み取る手段と、
前記刊行物のサイズの情報と、印字の際のコピー倍率と印字紙サイズの設定情報からコピーした刊行物の実ページ数を判定する実ページ数判定手段と
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コピー可能なページ数が、刊行物の総ページ数の50%であること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
書籍を含む刊行物に貼付されると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置に、当該刊行物についての著作権法により許容されるコピー可能ページ数の情報を与えるためのICタグであって、
当該刊行物についての著作権に関する情報と、
当該刊行物の総ページ数に関する情報と、
所望の場合には、刊行物のサイズの情報と
が記録されたことを特徴とするICタグ。
【請求項6】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手順と、
前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手順と、
前記コピー可能ページ数算出手順より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手順によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手順と、
前記コピーページ数判定手順により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手順と
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
書籍を含む刊行物に貼付されたICタグのリーダ/ライタを備えると共に、前記刊行物のコピー画像を印字する画像形成装置内のコンピュータに、
前記リーダ/ライタにより、前記ICタグに予め記録された当該刊行物の著作権に関する情報と総ページ数の情報とを読み取る著作権関連情報読取手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取った著作権に関する情報を基に、当該刊行物の著作権が有効かどうかを判定する著作権有効判定手順と、
前記リーダ/ライタにより読み取った刊行物の総ページ数に関する情報を基に、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を算出するコピー可能ページ数算出手順と、
前記刊行物についてのコピーされたページ数をカウントするコピーページ数カウント手順と、
前記コピー可能ページ数算出手順より求めたコピー可能ページ数の情報と、前記コピーページ数カウント手順によりカウントしたコピーページ数の情報を基に、前記刊行物がコピー可能ページ数を超えてコピーされようとしているか否か、またはコピー可能ページ数を超えてコピーされたか否かを判定するコピーページ数判定手順と、
前記コピーページ数判定手順により、当該刊行物についてのコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれようとしていると判定した場合、またはコピー可能なページ数を超えてコピーが行なわれたと判定した場合に、警告情報を発生する警告情報発生手順と
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−91717(P2006−91717A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279936(P2004−279936)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】