説明

画像形成装置およびジャム処理制御方法

【課題】複数のユーザにより指示された印刷ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、他のユーザに自分が印字した内容を見られること。
【解決手段】ユーザにより指示された印刷ジョブを実行する画像形成装置2において、複数のユーザにより指示された複数の印刷ジョブを互いに連結して連結ジョブLJとし、連結ジョブLJに対して用紙YSの供給を連続的に行って印刷を行うように制御する連続印刷制御手段101と、用紙YSのジャムを検出するジャム検出手段102と、ジャム検出手段102によって検出されたジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスをユーザに通知するガイダンス手段103と、連結ジョブLJが実行されているときにジャムが発生した場合に、ガイダンス手段103による通知の内容をユーザごとに異ならせるガイダンス制御手段105とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより指示された印刷ジョブを実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼称される多機能機などの画像形成装置が用いられる。画像形成装置では、例えば、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、それをさらに記録紙(記録媒体)に二次転写し、これを定着することにより画像形成を行う。
【0003】
従来、このような画像形成装置においては、ユーザによって複数の印刷ジョブが指示された場合に、それらの印刷ジョブがジョブ間連続として扱われ、印刷が連続的に行われる。つまり、ジョブ間連続として扱われることにより、前の印刷ジョブの最終ページの排出完了を待たずに、次の印刷ジョブの給紙および印字が行われる。これにより、生産性の向上が図られることとなる。
【0004】
なお、ジョブ間連続として扱われる複数の印刷ジョブは、「連結ジョブ」と呼称される。本明細書において、「連結ジョブ」の語句は、特に複数のユーザによって指示された印刷ジョブについて用いられる。
【0005】
連結ジョブの実行中に記録紙のジャムや装置の故障などが発生した場合に、複数のユーザからの指示に基づいて印刷された複数の記録紙が画像形成装置に残ってしまう可能性がある。その際に、ジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスが操作パネルの表示面に表示されることになるが、従来においては複数のユーザに対する記録紙であることについての考慮がなされていない。
【0006】
これに対し、セキュリティが必要とされるセキュリティジョブの実行中にジャムが発生した場合のジャム処理方法として、管理者に対して異常状態であるジャムの通知を行い、管理者によってジャム処理を行わせるが提案されている。また、セキュリティジョブを実行するセキュリティモードでは連結ジョブとしないよう制限をかけることが提案されている(特許文献1)。
【0007】
また、鍵付き給紙カセットから給紙を行うセキュリティジョブを実行している際にジャムが発生した場合には、管理者に対して通知を行い、その管理者によってジャム処理を行わせる方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−212821
【特許文献2】特開2005−178359
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1および2に記載の方法では、セキュリティジョブの実行中にジャムが発生した場合には管理者がジャムの処理を行うため、印刷ジョブを指示したユーザの印字内容が管理者に見られてしまうこととなる。セキュリティを確保したいユーザにとって、印字内容を他人に見られるのは避けたいことであるので、ジャムに対しても自らその処理を行うことが好ましいといえる。
【0010】
また、特許文献1および2に記載の方法において、セキュリティジョブでない場合には、ジャム処理時に他のユーザに自分の印字内容を見られるのを防ぐことができないという問題がある。すなわち、ジャム処理を行うユーザは、自分の記録紙が画像形成装置内のどこにあるのかを知る方法がないため、ジャム処理のために画像形成装置内に残った全ての記録紙を見ることとなり、セキュリティを確保するという点で問題が残る。
【0011】
本発明は、上に述べた問題に鑑みなされたもので、連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、自分の印字内容を他のユーザに見られることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、ユーザにより指示された印刷ジョブを実行する画像形成装置において、複数のユーザにより指示された複数の印刷ジョブを互いに連結して連結ジョブとし、前記連結ジョブに対して記録媒体の供給を連続的に行って印刷を行うように制御する連続印刷制御手段と、前記記録媒体のジャムを検出するジャム検出手段と、前記ジャム検出手段によって検出されたジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスを前記ユーザに通知するガイダンス手段と、前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、前記ガイダンス手段による通知の内容を前記ユーザごとに異ならせるガイダンス制御手段と、を有する。
【0013】
ガイダンス手段による通知の内容をユーザごとに異ならせることにより、ユーザは自分の記録媒体のみについてジャム処理を行うこととなる。
【0014】
好ましくは、前記ガイダンス手段は、前記ジャム処理ガイダンスを画面に表示するガイダンス表示手段を有し、前記ガイダンス制御手段は、前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留しているか否かを判別する判別手段、を有し、前記ガイダンス制御手段は、前記判別手段によって互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留していると判別された場合に、前記ユーザごとに異なる前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御し、前記判別手段によって互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留していないと判別された場合に、残留している前記記録媒体に係る印刷ジョブの実行を指示した単独のユーザのための前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する。
【0015】
また、好ましくは、前記ガイダンス制御手段は、前記連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、最初にジャムの処理を行うユーザが前記記録媒体の搬送方向における最下流側に位置する記録媒体の印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合には、前記最下流側に位置する前記記録媒体から順に前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御し、最初にジャム処理を行うユーザが前記記録媒体の搬送方向における最上流側に位置する記録媒体の印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合には、前記最上流側に位置する前記記録媒体から順に前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する。
【0016】
また、好ましくは、前記ガイダンス制御手段は、ジャムの処理を行っているユーザのジャムの処理状況をその後にジャムの処理を行うユーザに通知するように制御するジャム処理状況通知手段を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、自分の印字内容を他のユーザに見られることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ネットワークシステムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略の内部構成を示す図である。
【図3】画像形成装置の一部である画像形成部を拡大して示す図である。
【図4】画像形成装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態におけるジャム処理のための機能的な構成を示す図である。
【図6】ジャムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】連結処理判定の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ジャムが発生した場合におけるジャム処理画面の例を示す図である。
【図9】ジャムが発生した場合における連結ジョブの状態の例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の概略の内部構成を示す図である。
【図11】パスワード入力における表示パネルによる表示の例を示す図である。
【図12】パスワード入力におけるジャムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】ジャムの処理の順序と通知のタイミングを示す図である。
【図14】機密文書印刷ジョブが含まれたジャムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔画像形成装置の全体の説明〕
図1に示すように、ネットワークシステム1は、画像形成装置2、複数台の端末装置3、および通信回線4などによって構成される。画像形成装置2および端末装置3は、通信回線4を介して互いに接続可能である。通信回線4として、LAN、インターネット、公衆回線、または専用線などが用いられる。
【0020】
図2に示すように、画像形成装置2は、タンデム型のプリントエンジンを内蔵した電子写真方式のフルカラー複写機である。このような画像形成装置2は、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼称されることがある。
【0021】
図2において、画像形成装置2は、画像読取部10、画像形成部20、用紙供給部60、フィニッシャ部FNおよび制御部100などを有する。
【0022】
図3および図4をも参照して、画像読取部10は、原稿ガラス台の上に載置された原稿の画像を、スキャナを移動させて読取る。すなわち、スキャナに設置された露光ランプで原稿を照射し、その反射光による像を、レッド(R) 、グリーン(G) 、ブルー(B)の3原色に対応したCCDイメージセンサで読み取る。これにより、原稿画像に対応したR、G、Bの各画像データが得られる。
【0023】
画像読取部10で得られた画像データは、制御部100において各種の処理が施され、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換される。変換された画像データは、制御部100に設けられた画像メモリに各再現色ごとに格納される。用紙供給部60から供給される用紙YSの搬送状態に同期して、画像メモリから画像データが1走査ラインごとに読み出され、感光体ドラムを露光するレーザダイオード27の駆動信号として出力される。
【0024】
なお、用紙YSとして、紙、プラスチックシート、その他の記録媒体を用いることが可能である。つまり、用紙YSは、記録紙、記録材、転写材、記録媒体、または転写媒体などと言い換えることができる。
【0025】
画像形成部20は、電子写真方式によって用紙YS上に画像を形成するものであって、イメージングユニットU、中間転写部40、および定着部50などが設けられている。
【0026】
イメージングユニットUとして、Y、M、C、Kの4色のイメージングユニットUY、UM、UC、UKが設けられ、この順で中間転写ベルト41に沿って配置されている。各イメージングユニットUには、感光体ドラム21、帯電チャージャ22、感光体ドラム21の表面を露光して静電潜像を形成する露光部23、静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成する現像部24、トナー像を中間転写ベルト41に転写(一次転写)するための転写チャージャ25、図示しない転写ローラ、および感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーナ26などが設けられる。
【0027】
また、露光部23には、レーザ光を発光する図示しないレーザダイオード、およびレーザ光を偏向して感光体ドラム21上を主走査方向に露光走査させるためのポリゴンミラーなどが設けられる。
【0028】
各感光体ドラム21は、露光される前にクリーナ26で残留したトナーが除去され、図示しないイレーサランプで照射されて除電される。除電された感光体ドラム21は、帯電チャージャ22によって一様に帯電される。このように一様に帯電した感光体ドラム21は、レーザダイオード27による露光によって静電潜像が形成される。
【0029】
各静電潜像は、それぞれ各色の現像部24により現像される。これにより、感光体ドラム21の表面にY、M、C、Kのトナー像が形成される。
【0030】
これらのイメージングユニットUで形成された各色のトナー像(トナー画像)が、走行する中間転写ベルト41上の同じ位置に重ね合わされて転写され、合成される。
【0031】
中間転写部40には、中間転写ベルト41を走行可能に支持する複数のローラ42、43、44が設けられる。ローラ44に対向する位置に、転写ローラ45が設けられる。転写ローラ45は、中間転写ベルト41に対して接離可能に設けられており、中間転写ベルト41に圧接することによって転写ニップ部を形成する。また、転写ローラ45には、転写のためのバイアス電圧が印加される。
【0032】
転写ニップ部には、中間転写ベルト41の走行と同期して用紙YSが給送されてきており、転写ニップ部において、中間転写ベルト41上に形成されたトナー像が用紙YS上に転写(二次転写)される。二次転写された後に中間転写ベルト41上に残留したトナーは、クリーナ46によって除去される。
【0033】
定着部50には、定着ローラ51、加熱ローラ52、および用紙搬送ガイド53などが設けられる。二次転写によってトナー像が形成された用紙YSは、用紙搬送ガイド53に案内されて搬送路HR上を搬送され、定着ローラ51と加熱ローラ52との間を通過することによって定着される。定着された用紙YSは、搬送路HR上を搬送されてフィニッシャ部FNのトレイ65上に排出される。
【0034】
定着部50には、定着された用紙YS上に形成された画像の濃度を検知するための図示しない濃度センサ(IDCセンサ)が設けられている。濃度センサとして、光学式反射型センサがしばしば用いられる。濃度センサによって、画像安定化制御(IDC)のために用紙YS上に形成されたパッチの濃度が検知される。例えば、Y、M、C、Kそれぞれ4色のべた付着量が測定される。
【0035】
用紙供給部60には、種々のサイズの用紙YSが収容されており、ローラ61などからなる給紙搬送手段によって所定のタイミングで搬送路HRに送り出される。搬送路HRの途中には、図示しない中間ローラおよびレジストローラなどが設けられ、これらによって用紙YSは二次転写位置に搬送される。
【0036】
フィニッシャ部FNでは、排紙のための複数のトレイ65,65…が備えられ、印刷された用紙YSをグループごとにそれぞれのトレイ65に排紙することができる。また、印刷された用紙YSをステープルで綴じて仕上げるなどの種々のフィニッシュ処理を行うことができる。フィニッシュ処理として、中綴じ、パンチ、およびZ折りなど種々の処理を行うことができる。このような処理はオプションの機能であって、標準には備わっていない。
【0037】
図2において、搬送路HRには、ジャムが発生した場合の用紙YSの残留位置を検出するために、FN部サドルセンサ81、FN部入口センサ82、排出センサ83、定着センサ84、転写センサ85、および給紙センサ86などが設けられている。
【0038】
FN部サドルセンサ81は、フィニッシャ部FNのフィニッシュ処理が行われる位置などに設けられる。また、FN部入口センサ82は、フィニッシャ部FNの入口付近、すなわち画像形成装置2からフィニッシャ部FNに入る挿入口付近などに設けられる。また、排出センサ83は、フィニッシャ部FNを接続しない場合の排出トレイ部分に当たる位置などに設けられており、本実施形態では画像形成装置2からフィニッシャ部FNまで搬送するための水平搬送部に設けられている。
【0039】
定着センサ84は、定着部50の下流側などに設けられる。また、転写センサ85は、二次転写位置の上流側などに設けられる。また、給紙センサ86は、用紙供給部60の搬送路HRに送り出される部分の近辺などに設けられる。
【0040】
これらのセンサ81〜84として、例えば、光学式センサ、磁気近接センサ、マイクロスイッチなどが用いられる。
【0041】
図4において、制御部100は、CPU、半導体メモリおよび磁気記憶装置などからなる記憶部、制御用回路、種々のインタフェースなどからなる通信部などから構成されている。制御部100は、画像読取部10で読み取った画像データ、または図示しないパーソナルコンピュータなどから出力された画像データに対して画像処理を行い、また、画像形成装置2の各部の動作を制御する。
【0042】
図3に示すように、画像形成装置2には、帯電グリッド高圧電源71、現像バイアス高圧電源72、および二次転写高圧電源73が設けられている。また、上に述べた濃度センサ54、FN部サドルセンサ81、FN部入口センサ82、排出センサ83、定着センサ84、転写センサ85、および給紙センサ86の他に、温湿度センサ55およびPH温度センサ56などが設けられている。
【0043】
制御部100は、ユーザによる操作部11からの入力信号を受け付け、また操作部11に種々の信号を出力する。なお、操作部11には、画像形成装置2の動作の切り替えのための押しボタンなどからなる切替部、画像やメッセージを表示するための、タッチパネルなどからなる表示パネル13が設けられている。表示パネル13に、ジャムが発生した場合にジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスが表示される。ジャム処理ガイダンスについては後で詳しく説明する。
〔ジャム処理〕
図5は本実施形態の制御部100におけるジャム処理のための機能的な構成を示す図である。
【0044】
図5に示すように、ジャムの処理のために、制御部100には、連続印刷制御部101、ジャム検出部102、ガイダンス部103、およびガイダンス制御部105などが設けられている。
【0045】
連続印刷制御部101は、複数のユーザにより指示された複数の印刷ジョブを互いに連結して「連結ジョブ」とし、連結ジョブに対して用紙YSの供給を連続的に行って印刷を行うように制御する。例えば、ユーザAとユーザBとが互いに異なる端末装置3を使用して同時に印刷を指示すると、ユーザAの印刷ジョブに係る用紙YSとユーザBの印刷ジョブに係る用紙YSとの供給が連続的に行われる。つまり、「連結ジョブ」では、ユーザAの印刷ジョブの最終ページの用紙YSとユーザBの印刷ジョブの最初のページの用紙YSとが、間隔を空けずに連続的に供給される。換言すれば、連結ジョブにおいては、用紙YSの供給に関して、複数の印刷ジョブがあたかも1つの印刷ジョブであるかのように扱われる。
【0046】
ジャム検出部102は、印刷中に用紙詰まりなどのジャムが発生したことを検出する。また、ジャムが発生した際に、用紙YSが画像形成装置2の搬送路HRのどの位置に残留しているのかを、FN部サドルセンサ81、FN部入口センサ82、排出センサ83、定着センサ84、転写センサ85、および給紙センサ86などからの検出信号に基づいて検出する。
【0047】
ガイダンス部103は、ジャム検出部102によって検出された内容に基づいて、ジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスを印刷ジョブの実行を指示したユーザに通知する。ジャム処理ガイダンスは、例えば、ジャムが発生した旨、発生したジャムを処理するための処理方法などを示すメッセージ、画像、符号などである。
【0048】
ガイダンス部103は、ガイダンス表示部104によって、それらのジャム処理ガイダンスを表示パネル13の画面に表示する。
【0049】
ガイダンス制御部105は、連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、ガイダンス部103による通知の内容を印刷ジョブの実行を指示したユーザごとに異ならせるように制御する。
【0050】
また、ガイダンス制御部105には、判別部106が設けられている。
【0051】
判別部106は、連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の用紙YSが、画像形成装置2内に残留しているか否かを判別する。
【0052】
すなわち、判別部106によって、画像形成装置2内に残留している用紙YSがどのユーザによって指示された印刷ジョブに係る用紙YSであるかを判別する。判別部106については後で詳しく説明する。
【0053】
ガイダンス制御部105は、互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSが画像形成装置2内に残留していると判別された場合に、ユーザごとに異なるジャム処理ガイダンスを表示するよう、ガイダンス表示部104を制御する。
【0054】
また、互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSが画像形成装置2内に残留していないと判別された場合、つまり残留した複数の用紙YSが単独のユーザの印刷ジョブに係る用紙YSであると判断された場合には、その印刷ジョブの実行を指示したユーザのためのジャム処理ガイダンスを表示するよう、ガイダンス表示部104を制御する。
【0055】
例えば、図5に示すように、ユーザAとユーザBによる連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、ユーザAにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSは、排出センサ83および定着センサ84によって検出される。
【0056】
また、ユーザBにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSは、転写センサ85および給紙センサ86によって検出される。
【0057】
すなわち、ユーザAのジャムは水平搬送部と定着部で発生しており、ユーザBのジャムは二次転写位置および用紙供給部60で発生していることが検出される。
【0058】
したがって、ガイダンス制御部105において、ユーザAがジャムの処理を行う場合には、水平搬送部と定着部でジャムが発生していることを示す画面などを表示する。また、ユーザBがジャムの処理を行う場合には、二転写部分と用紙供給部60でジャムが発生していることを示す画面などを表示する。
【0059】
このように、ユーザごとにジャム処理ガイダンスの通知内容を異ならせることによって、他のユーザに自分の印字内容が見られることを防止することができる。
【0060】
さらに、ガイダンス制御部105では、連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、最初にジャムの処理を行うユーザが用紙YSの搬送方向における最下流側に位置する用紙YSの印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合に、最下流側に位置する用紙YSから順にジャム処理ガイダンスを表示するよう、ガイダンス表示部104を制御する。
【0061】
また、最初にジャムの処理(ジャム処理)を行うユーザが用紙YSの搬送方向における最上流側に位置する用紙YSの印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合に、最上流側に位置する用紙YSから順にジャム処理ガイダンスを表示するようにガイダンス表示部104を制御する。
【0062】
また、ガイダンス制御部105にはジャム処理状況通知部107が設けられている。
【0063】
ジャム処理状況通知部107は、ジャムの処理を行っているユーザのジャムの処理状況を、その後にジャムの処理を行うユーザに通知するように制御する。
【0064】
例えば、図5において、ユーザAが最初にジャムの処理を行った場合は、ユーザAがジャムの処理を開始したことと、ユーザAがどの位置のジャムを処理するのかをその後にジャムの処理を実行するユーザBの端末装置3に通知する。そして、ユーザAがジャムの処理を開始し、ジャムが処理が行われるごとにユーザBの端末装置3にその処理状況を通知する。
【0065】
例えば、ユーザAが水平搬送部のジャムの処理が完了した場合にその旨をユーザBの端末装置3に通知する。すなわち、ユーザBは、ユーザAのジャムを処理する位置と処理状況とを知ることができるので、ジャム処理についての自分の出番がいつごろかを知ることができる。また、ユーザBが最初にジャムの処理を行った場合についてもユーザAに対して上に述べた同様の処理が実行される。したがって、ジャムの処理に要する時間を軽減し、少ない時間でジャムから復帰することが可能となる。
【0066】
次に、ジャムが発生した場合にその状況に応じたジャム処理ガイダンスについて説明する。
【0067】
図6はジャムの処理の流れを示すフローチャート、図7は連結処理判定の処理の流れを示すフローチャート、図8はジャムが発生した場合におけるジャム処理画面の例を示す図、図9はジャムが発生した場合における連結ジョブの状態の例を示す図である。
【0068】
画像形成装置2の電源が投入されると、初期化が行われ、各種のモード設定などが行われる。図6において、画像形成が開始されると、まず連結処理判定を行う(#11)。連結処理判定では、連続印刷制御部101において複数の印刷ジョブが連結されているか否かを判定する。
【0069】
図7に示すように、連結処理判定では、当該印刷ジョブよりも先に実行される印刷ジョブがあるか否か判定する(#23)。先に実行される印刷ジョブがある場合は(#23でイエス)、それらの印刷ジョブを連結する(#24)。そして、連結フラグをTrueとする(#25)。
【0070】
先に実行される印刷ジョブがない場合は(#23でノー)、連結する印刷ジョブがないので連結を行うことなく(#26)、連結フラグをFalseとする(#27)。
【0071】
図6に戻って、ジャムが発生しなかった場合は(#12でノー)、印刷処理を行い、印刷処理が終了した後に印刷の終了処理を行う(#13)。
【0072】
ジャムが発生した場合は(#12でイエス)、連結フラグがTrueであるか、すなわち印刷ジョブが連結ジョブであるか否か判定する(#14)。連結ジョブでない場合は(#14でノー)、印刷ジョブの実行を指示したユーザのためのジャム処理ガイダンスCを表示する(#15)。
【0073】
なお、ジャム処理ガイダンスCとは、例えば、図8(a)に示すように、画像形成装置2の搬送路HRのどの位置にジャムの用紙YSが残留しているかを示すジャム画面である。
【0074】
さらに、ジャム画面に表示されているボタン「ガイダンスC」を押すことによって、ジャムが発生した用紙YSのジャムの解除方法を説明する画面が表示される。このとき、ジャムの解除方法を説明する画面の順序は、最下流側に位置するFN部が最初に表示され、ジャムが解除されるごとに、水平搬送部、定着部、転写部、および給紙部の順に画面が切り替わって表示される。
【0075】
また、ジャム画面に表示されているジョブリストCには、ユーザが指示した印刷ジョブの印刷ジョブ名、ユーザ名、ユーザアカウント(ユーザID)など、その他の種々の情報が表示される。
【0076】
そして、ジャムの処理が完了するとジャムが発生した印刷ジョブの再発行が開始される。なお、再発行が開始されるとステップ#11へ戻って同様の処理が行われる。
【0077】
次に、印刷ジョブが連結ジョブである場合は(#14でイエス)、単独のユーザによる印刷ジョブであるかまたは互いに異なるユーザによる印刷ジョブであるかを判別する(#16)。
【0078】
ここで、ステップ#16における判別部106の判別方法について説明する。
【0079】
図9には、連結ジョブLJの実行中において、どのような状態でジャムが発生した場合に、単独のユーザにより指示された印刷ジョブとなるのか、または互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブとなるのかが示されている。なお、各ユーザの各印刷ジョブの立ち上がり部分は、用紙YSの給紙が開始される位置である。給紙の開始前から画像形成処理が開始されており、また、用紙YSへの実際の印字は用紙YSが転写位置に到達したときから開始される。
【0080】
各ユーザの各印刷ジョブの立ち下がり部分は、用紙YSの排紙の完了位置を示している。
【0081】
図9(A)は、ユーザAが2つの印刷ジョブの実行を指示した例である。つまり、単独のユーザにより指示された複数の印刷ジョブが連結ジョブLJ1となった場合である。
【0082】
図9(A)に示すように、ユーザAにより指示された連結ジョブLJ1が実行されているときにジャムが発生した場合には、印刷ジョブA1の給紙が開始されてから印刷ジョブA2の排紙が完了するまでの期間T1の全てが、単独のユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される。
【0083】
次に、図9(B)は、ユーザAとユーザBとがそれぞれ1つの印刷ジョブの実行を指示した例である。つまり、複数のユーザにより指示された印刷ジョブが連結ジョブLJ2となった場合である。
【0084】
図9(B)に示すように、まず、ユーザAとユーザBとにより指示された連結ジョブLJ2において、まず、ユーザAの印刷ジョブA1の給紙が開始される。そして、ユーザBの給紙が開始されるまでの期間T1では、ユーザAにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSしか画像形成装置2内に存在していない状態となる。すなわち、この期間T1でジャムが発生した場合には、ユーザAだけでジャムの処理を行うこととなり、ユーザAのためのジャム処理ガイダンスを通知することとなる。したがって、この期間T1では、単独のユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される。
【0085】
次に、ユーザBの給紙が開始されてからユーザAの排紙が完了するまでの期間T2では、ユーザAとユーザBとにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSが画像形成装置2内に存在することとなる。したがって、この期間T2でジャムが発生した場合には、互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される。
【0086】
そして、ユーザAの排紙が完了してからユーザBの排紙が完了するまでの期間T1では、ユーザBにより指示された印刷ジョブに係る用紙YSしか画像形成装置2内に存在していない状態となる。したがって、この期間T1では、単独のユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される。
【0087】
また、図9(C)は、ユーザAが2つの印刷ジョブの実行を指示し、ユーザBが3つの印刷ジョブの実行を指示した例である。
【0088】
図9(C)に示すように、図9(B)の場合と同様に期間T1でジャムが発生した場合には、単独のユーザにより指示された印刷ジョブであると判別され、期間T2でジャムが発生した場合には、互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される。
【0089】
このように、複数のユーザによって指示された連結ジョブLJ2を実行しているときにジャムが発生した場合には、単独のユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される場合と互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであると判別される場合との2パターンの状態が発生する。判別部106により、上に述べた2パターンのいずれかであるかが判別される。
【0090】
なお、印刷ジョブは、1つの印刷ジョブに対して1枚の用紙YSを実行している場合を仮定して説明したが、1つの印刷ジョブで複数枚の用紙YSを印刷する場合も上で述べたと同様の処理を実行することが可能である。
【0091】
図6のフローチャートに戻って、連結ジョブが単独のユーザにより指示された印刷ジョブである場合は(ステップ#16で単独ユーザ)、印刷ジョブの実行を指示したユーザのためのジャム処理ガイダンスCを表示する(ステップ#15)。そして、ジャムの処理が完了するとジャムが発生した印刷ジョブに対して再発行が開始される。なお、再発行が開始されると、ステップ#11に戻って同様の処理が行われる。
【0092】
次に、連結ジョブが互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブである場合は(ステップ#16で異なるユーザ)、ジャムの処理を行うユーザがどの印刷ジョブの実行を指示したユーザであるかを判定する(#17)。
【0093】
ここで、印刷ジョブの実行を指示したユーザの判別方法について説明する。
【0094】
連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合には、表示パネル13に図8(b)に示すようなジャム画面が表示される。そこで、ジャムを処理しようとするユーザは、ジャム画面に表示されている自分の指示した印刷ジョブのジョブリストを選択する。
【0095】
例えば、図8(b)において、ユーザAが自分の指示した印刷ジョブのジョブリストAを選択すると、図8(c)に示すようなユーザAのジャム処理ガイダンスA、つまり、FN部、水平搬送、および定着部にユーザAのジャムが発生した用紙YSの位置が表示される(#18)。
【0096】
また、ユーザBが自分の指示した印刷ジョブのジョブリストBを選択すると、図8(d)に示すようなユーザBのジャム処理ガイダンスB、つまり、転写部および給紙部にユーザBのジャムが発生した用紙YSの位置が表示される(#19)。つまり、ユーザが指示した印刷ジョブのジョブリストを表示し、ジャムの処理を行うユーザにジョブリストを選択してもらうことによって、印刷ジョブの実行を指示したユーザを判別する。
【0097】
さらに、図8(c)に示すようなジャム画面において、ユーザAがガイダンスAを選択することによって、ユーザAのジャムが発生した用紙YSのジャムの解除方法を説明する画面が表示される。このとき、ジャムの解除方法を説明する画面が表示される順序として、最下流側に位置するFN部から順に、ジャムが解除されるごとに、水平搬送部、定着部へとガイダンスの表示画面が切り替わって表示される。また、図8(d)に示すようなジャム画面において、ユーザBがボタン「ガイダンスB」を押すことによって、ユーザBのジャムが発生した用紙YSのジャムの解除方法を説明する画面が表示されることとなる。このとき、ジャムの解除方法を説明する画面が表示される順序は、最上流側に位置する給紙部が最初に表示され、ジャムが解除されるごとに、転写部、定着部、水平搬送部の順に、ガイダンスの表示画面が切り替わる。
【0098】
なお、図8(b)において、ユーザが自分の指示した印刷ジョブのジョブリストを選択せず、自分のガイダンスを先に選択することも可能である。この場合には、ジャムが発生した位置を確認することなく、ジャムの解除方法を説明する画面が表示されることとなる。そして、ジャムの処理が完了すると、その後にジャムの処理を行うユーザのためのジャム画面が表示される。
【0099】
ステップ#18において、ユーザAがジョブリストAを選択することにより、ジャムの処理が開始される。このとき、ジャム処理状況通知部107によって、ユーザAのジャムが発生した用紙YSの位置がユーザBの端末装置3に通知される。これにより、ユーザAがジャムの処理を開始したことが認識される。さらに、ユーザAのジャムが解除されるたびに、ユーザBの端末装置3にユーザAのジャムの処理状況が通知される。例えば、ユーザAによってFN部のジャムの解除が完了すると、ユーザBの端末装置3にその旨が通知され、次に水平搬送部のジャムの解除が完了するとその旨がユーザBに通知される(#20)。
【0100】
また、先にジャムの処理を行うユーザがユーザBであるステップ#19においても、ユーザAのジャムが発生した用紙YSの位置およびジャム処理状況が、ユーザAの端末装置3に通知される(#21)。
【0101】
そして、先にジャムの処理を実行したユーザのジャムの処理が完了すると、後にジャムの処理を実行するユーザのために、残りのジャム処理ガイダンスを選択する画面が表示される(#22)。
【0102】
このように、本実施形態では、ジャムが発生した場合に、印刷ジョブの連結状態によってジャム処理ガイダンスの内容を変更する。また、機密文書の印刷ジョブが実行されている場合であっても、ユーザごとにジャム処理ガイダンスの表示を異ならせることによって、他のユーザによってジャムが解除されることが防止される。
【0103】
なお、機密文書の印刷ジョブについては、よりセキュリティの高い実施形態として次に説明する。
〔他の実施形態例〕
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。
【0104】
図10は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置2の概略の内部構成を示す図、図11はパスワード入力における表示パネルによる表示の例を示す図、図12はパスワード入力におけるジャムの処理の流れを示すフローチャート、図13はジャムの処理の順序とジャム処理状況の通知のタイミングを示す図である。
【0105】
図10に示すように、ジャムの処理のために、制御部100には、連続印刷制御部101、ジャム検出部102、ガイダンス部103、ガイダンス制御部105、識別付与部108、識別通知部109、認証表示部110、ユーザ認証制御部111、および機密文書検出部112が設けられている。なお、図10において、上に述べた図5に示す画像形成装置2と同様な機能を有する部分には同じ符号を付して説明を簡略化しまたは省略する。
【0106】
識別付与部108は、連結ジョブの実行中にジャムが発生した場合に、実行されていた連結ジョブに含まれるそれぞれの印刷ジョブに対してユニークに与えられた識別情報(例えば、パスワードなど)を生成し、生成された識別情報を実行されていた連結ジョブに含まれるそれぞれの印刷ジョブに対して付与する。なお、識別情報として、例えば、ユーザアカウントなどのID情報などを印刷ジョブに対して付与してもよい。
【0107】
識別通知部109は、連結ジョブの実行中にジャムが発生した場合に、識別付与部108による識別情報を実行されていた連結ジョブに含まれる印刷ジョブの実行を指示したユーザに通知する。つまり、ジャムが発生したときに、印刷ジョブの実行を指示したユーザの端末装置3に印刷ジョブに付与された識別情報を通知する。
【0108】
認証表示部110は、連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、実行されていた連結ジョブに含まれる印刷ジョブの実行を指示したユーザを認証するための認証画面を表示する。この認証画面は、識別通知部109によって通知された識別情報をユーザが入力するための画面である。例えば、表示される認証画面として、例えば図11に示すような認証画面が表示される。このとき、ジャムを処理するユーザは、操作ボタンユニット14を操作して、識別通知部109によって通知された識別情報であるパスワードなどを入力する。
【0109】
ユーザ認証制御部111は、認証画面により入力したユーザが印刷ジョブの実行を指示したユーザであるか否かの認証を行うとともに、その認証が行われた場合に、そのユーザのためのジャム処理ガイダンスを表示するよう、ガイダンス表示部104を制御する。つまり、連結ジョブの実行中にジャムが発生した場合に、連結ジョブに含まれる印刷ジョブに付与された識別情報、および認証画面からユーザが入力した識別情報に基づいて、その連結ジョブに含まれる印刷ジョブの実行を指示したユーザであるか否かが判断される。
【0110】
この認証は、入力されたパスワードと印刷ジョブに付与されたパスワードとを照合し、両者が一致すれば、そのユーザが印刷ジョブの実行を指示したユーザであると認証する。そして、認証されたユーザのためのジャム処理ガイダンスが表示される。また、認証が一致しなかった場合は、印刷ジョブの実行を指示したユーザではないと判別する。そして、印刷ジョブの実行を指示したユーザでないと判別されたユーザは、ジャムの処理を行うことができない。この場合には、再び認証画面が表示される。
【0111】
次に、機密文書の印刷ジョブである機密文書印刷ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合について説明する。
【0112】
機密文書検出部112は、ジャムが発生した場合に、機密文書印刷ジョブが実行されているか否かを検出する。
【0113】
認証表示部110は、機密文書検出部112によって少なくとも1つの機密文書印刷ジョブが検出されたときに、認証画面を表示する。
【0114】
ユーザ認証制御部111は、機密文書印刷ジョブの実行を指示したユーザであると認証した場合に、そのユーザのためのジャム処理ガイダンスを表示するよう、ガイダンス表示部104を制御する。また、認証されたユーザが機密文書印刷ジョブの実行を指示したユーザでない場合には、ジャム処理ガイダンスの表示を行わないよう、ガイダンス表示部104を制御する。
【0115】
次に、本発明に係る他の実施形態におけるジャムの処理の流れについて説明する。なお、図12のステップ#31〜#36の処理以外の内容については、上に述べた図6に示すステップ#11〜#16、ステップ#18〜#21の処理の内容と同様であるので同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0116】
図12において、画像形成が開始されると、まず連結処理判定を行う(#11)。連結処理判定では、印刷ジョブが連結されているか否かを判定する。
【0117】
次に、ジャムが発生しなかった場合は(#12でノー)、印刷処理が終了した後に画像形成装置2の印刷の終了処理を行う(#13)。
【0118】
ジャムが発生した場合は(#12でイエス)、残留しているそれぞれの印刷ジョブに対し、識別付与部108によってパスワードが設定される(#31)。設定されたそれぞれのパスワードは、識別通知部109によって印刷ジョブの実行を指示したユーザの端末装置3に通知される。
【0119】
なお、本実施形態において、識別付与部108は、パスワードの設定に際し、パスワードを印刷ジョブに対応付けて制御部100の記憶部などに記憶させる。記憶されたパスワードは、ある一定の時間、例えば20分間程経過した時点で消去される。しかし、印刷ジョブが完了するまでパスワードを記憶しておき、印刷ジョブの実行が完了した後にパスワードを消去するなど、他の種々の方法を用いることが可能である。
【0120】
次に、印刷ジョブが連結ジョブであるか否か判定する(#14)。連結ジョブでない場合は(#14でノー)、印刷ジョブの実行を指示したユーザのためのジャム処理ガイダンスCを表示する(#15)。
【0121】
次に、印刷ジョブが連結ジョブである場合は(#14でイエス)、判別部106によって単独のユーザにより指示された印刷ジョブであるかまたは互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであるかを判別する(#16)。
【0122】
そして、連結ジョブが単独のユーザにより指示された印刷ジョブの場合は(ステップ#16で単独ユーザ)、印刷ジョブの実行を指示したユーザのためのジャム処理ガイダンスCを表示する(ステップ#15)。ジャムの処理が完了すると、ジャムが発生した印刷ジョブの再発行が開始される。なお、再発行が開始されるとステップ#11へ戻って同様の処理が行われる。
【0123】
次に、連結ジョブが互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブである場合は(ステップ#16で異なるユーザ)、認証表示部110によって図11に示すような認証画面が表示される(#32)。ジャムを処理するユーザは、操作ボタンユニット14を操作して、識別通知部109によって通知されたパスワードを入力する。入力されたパスワードと記憶部などに記憶されたパスワードとが一致しなかった場合は(#34でノー)、ステップ#32に戻って再び認証画面を表示する。また、入力されたパスワードと記憶部などに記憶されたパスワードとが一致した場合は(#34でイエス)、認証したユーザがどのユーザなのかを判定する。
【0124】
つまり、一致したパスワードは、ユーザAに通知したパスワードであるのか、またはユーザBに通知したパスワードでるののかが分かっているので、入力されたパスワードからユーザを判別することが可能である(#35)。
【0125】
そして、認証したユーザがユーザAの場合は(#35でユーザA)、ユーザAに図8(c)に示すようなジャム処理ガイダンスAの画面が表示される(#18)。
【0126】
ユーザAがジョブリストAを選択することにより、ジャムの処理が開始される。このとき、ジャム処理状況通知部107によって、ユーザAのジャムが発生した用紙YSの位置がユーザBの端末装置3に通知される。さらに、ユーザAのジャムが解除されるたびに、ユーザBの端末装置3にユーザAのジャムの処理状況が通知される(#20)。
【0127】
また、認証したユーザがユーザBの場合は(#35でユーザB)、ユーザBに対して、図8(d)に示すようなジャム処理ガイダンスBの画面が表示される(#19)。
【0128】
ユーザBがジョブリストBを選択することにより、ジャムの処理が開始される。このとき、ジャム処理状況通知部107によって、ユーザBのジャムが発生した用紙YSの位置がユーザAの端末装置3に通知される。さらに、ユーザBのジャムが解除されるたびに、ユーザAの端末装置3にユーザBのジャムの処理状況が通知される(#21)。
【0129】
そして、先にジャムの処理を実行したユーザのジャムの処理が完了すると、後からジャムの処理を実行するユーザのために、残りのジャム処理ガイダンスを実行するための認証画面が表示される。そして、後からジャムを処理するユーザの認証が行われると残りのユーザのジャム処理ガイダンスの画面が表示される(#36)。
【0130】
このように、本実施形態では、ジャムが発生した場合に印刷ジョブにパスワードを設定することによって、印刷ジョブの実行を指示したユーザにとってさらにセキュリティを高めることが可能となる。
【0131】
次に、後からジャムの処理を実行するユーザに対してジャム処理状況の通知のタイミングを変えた他の実施形態について説明する。
【0132】
図13はジャムの処理の順序とジャム処理状況の通知のタイミングを示す図である。
【0133】
図13において、先に印刷ジョブの実行を指示したユーザをユーザA、後から印刷ジョブの実行を指示したユーザをユーザBとして説明する。
【0134】
図13に示すように、ジャムが発生した場合に、後から実行した印刷ジョブの用紙YSの最初のページの先端位置がどのセンサに検出されたかによって、他のユーザに通知するタイミングを変更する。
【0135】
例えば、排出センサが用紙YSの先端を検出したNo.3について、ユーザAが先にジャムの処理を行う場合について説明する。
【0136】
ここでは、ユーザAが識別通知部109によって通知されたパスワード「1111」を入力することにより、ユーザAのジャム画面が表示される。次に、ガイダンスを選択することによって、FN部のガイダンスの画面が表示される。そして、ユーザAによるFN部のジャムの解除が完了すると、ユーザAに対しては水平搬送部のガイダンスの画面が表示される。このとき、ユーザBに対しては、ユーザAのジャム処理状況、つまりジャムの処理の完了が間近である旨の通知が行われる。これにより、ユーザBはジャムの処理の出番が近づいていることが知らされる。
【0137】
また、ユーザBが先にジャムの処理を行う場合においても同様であり、図13に示すNo.3の排出センサが検知している場合には、識別通知部109によって通知されたパスワード「1110」をユーザBが入力することにより、ユーザBのジャム画面が表示される。次に、ガイダンスBを選択することによって、給紙部のガイダンスの画面が表示される。そして、ユーザBによる給紙部のジャムの解除が完了すると、ユーザBに対しては次の転写部のガイダンスの画面が表示される。このとき、ユーザAに対してはユーザBのジャム処理状況、つまりジャムの処理の完了が間近である旨の通知が行われる。
【0138】
なお、本来は、後からジャムの処理を行うユーザAに対してジャム処理状況の通知を行うタイミングとしては、定着部のガイダンスが表示される際に通知するほうがジャムの処理に要する時間が低減される。しかし、本実施形態では、定着部および転写部の用紙YSを解除するための外装カバーが共通であるので、転写部の用紙YSを取り除いた後にすぐ定着部の用紙YSを取り除くことが可能である。そのため、ユーザBへのジャム処理状況の通知タイミングを早めることによって、ジャムの処理に係る時間が低減されることとなる。このように、画像形成装置2の構造などによっても通知するタイミングを変更することが可能である。
【0139】
このように、本実施形態では、先にジャムの処理を行うユーザのジャムが発生した用紙YSの位置をその後にジャムの処理を行うユーザに通知しないことによって、よりセキュリティの高いジャムの処理が実行されることとなる。
【0140】
次に、ユーザにより指示された印刷ジョブの中に機密文書印刷ジョブがあってそれが実行されているときにジャムが発生した場合のジャムの処理の流れについて説明する。
【0141】
図14は機密文書印刷ジョブが含まれたジャムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図14のステップ#41〜ステップ#44の処理以外の内容については、上に述べた図12に示すステップ#11〜#16、ステップ#18、ステップ#20、およびステップ#31〜#34の処理の内容と同様であるので同じ符号を付して説明を簡略化しまたは省略する。また、この実施形態では、機密文書である機密情報付きの機密印刷ジョブの実行を指示したユーザをユーザAとする。
【0142】
印刷ジョブが連結ジョブであるか否か判定する(#14)。次に、印刷ジョブが連結ジョブである場合は(#14でイエス)、判別部106によって単独のユーザにより指示された印刷ジョブであるかまたは互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであるかを判別する(#16)。そして、連結ジョブが単独のユーザにより指示された印刷ジョブである場合は(ステップ#16で単独ユーザ)、印刷ジョブの実行を指示したユーザによるジャム処理ガイダンスCを表示する(ステップ#15)。そして、ジャムの処理が完了すると、ジャムが発生した印刷ジョブの再発行が開始される。なお、再発行が開始されるとステップ#11へ戻って同様の処理が行われる。
【0143】
次に、連結ジョブが互いに異なるユーザにより指示された印刷ジョブであった場合は(ステップ#16で異なるユーザ)、機密文書検出部112によって少なくとも1つの機密情報付きの機密文書印刷ジョブがあるか否かを判定する(#41)。なお、機密情報として、ステップ#31で生成されるパスワードとは異なるパスワードまたはユーザアカウントなどのID情報など、種々の情報が印刷ジョブの実行時に付与されている。
【0144】
そして、機密情報付きの機密文書印刷ジョブがない場合は(#41でノー)、図6に示すステップ#17の処理以降の内容と同様の処理を実行する。または、図12に示すステップ#32の処理以降の内容と同様な処理を実行してもよい(#42)。
【0145】
そして、機密情報付きの機密文書印刷ジョブがある場合は(#41でイエス)、認証表示部110によって図11に示すような認証画面が表示される(#32)。ジャムを処理するユーザは、操作ボタンユニット14を操作して、識別通知部109によって通知されたパスワードを入力する(#33)。入力されたパスワードと記憶部などで記憶されたパスワードとが一致しなかった場合は(#34でノー)、ステップ#32に戻って再び認証画面を表示する。また、入力されたパスワードと記憶部などに記憶されたパスワードとが一致した場合は(#34でイエス)、認証したユーザが機密情報付きの機密印刷ジョブの実行を指示したユーザであるか否かを判定する。つまり、一致したパスワードは、機密文書検出部112によって検出された印刷ジョブの実行を指示したユーザであるのかどうかが分かっているので、一致したパスワードが機密文書を実行したユーザであるかどうかを判別することが可能である(#43)。
【0146】
一致したパスワードが機密印刷ジョブでない場合は(#43でノー)、ステップ#32に戻って再び認証画面を表示する。このとき、例えば、ユーザAにユーザBがジャムの処理を開始した旨をユーザAの端末装置3に通知するようにしてもよい。これにより、ジャムの処理に係る時間を低減することが可能である。また、一致したパスワードが機密印刷ジョブである場合は(#43でイエス)、機密印刷ジョブの実行を指示したユーザAのガイダンス処理Aを表示する(#18)。
【0147】
そして、ユーザAは機密印刷ジョブのジャムを解除する。このとき、ジャム処理状況通知部107によって、ユーザAのジャムが発生した用紙YSの位置がユーザBの端末装置3に通知される。すなわち、ユーザAがジャムの処理を開始したことが分かる。さらに、ユーザAのジャムが解除されるたびに、ユーザBの端末装置3にユーザAのジャムの処理状況が通知される。または、ユーザAのジャムの処理の完了が間近である旨の通知を、ユーザBの端末装置3にジャムの処理状況として通知してもよい(#20)。
【0148】
そして、先にジャムの処理を実行したユーザのジャムの処理が完了すると、後からジャムの処理を実行するユーザのために残りのジャム処理ガイダンスを実行するための認証画面が表示される。そして、後からジャムを処理するユーザの認証が行われると、残りのユーザのジャム処理ガイダンスの画面が表示される。または、後にジャムの処理を実行するユーザのために、残りのジャム処理ガイダンスを選択する画面が表示される。
【0149】
このように、本実施形態では、機密文書である機密印刷ジョブのジャムの処理を他のユーザによって行われることを防止することができる。
【0150】
上に述べた実施形態では、一人または二人のユーザが端末装置3を使用して印刷を行った場合について説明したが、これ以外の複数のユーザが端末装置3を使用して印刷ジョブを実行した場合についても適用可能である。さらに、ジャムの処理方法として、ユーザごとにジャム処理ガイダンスの表示内容を異ならせたが、それに加えて、ジャムを解除するために開く画像形成装置2のカバーなどにロック機構を設けることも可能である。
【0151】
さらに、上に述べた実施形態では、ユーザが端末装置3から印刷ジョブを指示した場合について述べたが、複写などのために画像形成装置2を直接操作により生成された印刷ジョブと端末装置3から指示された印刷ジョブとの連結ジョブについても適用可能である。この場合には、連結ジョブの実行中にジャムが発生した場合に、画像形成装置2を直接操作しているユーザに対するパスワードとして、ユーザアカウントであるユーザIDなどを入力することにより、ジャム処理ガイダンスが表示されるように設定しておくことが可能である。
【0152】
または、画像形成装置2を直接操作しているユーザに対して、ジャムが発生した場合に印刷ジョブのパスワードを表示パネル13に表示させるように設定しておく。そして、ジャムが発生した場合に印刷ジョブのパスワードを表示させるための認証画面を表示させ、画像形成装置2を直接操作しているユーザのユーザアカウントであるユーザIDなどのパスワードを入力させることにより、ジャムが発生した印刷ジョブのパスワードが表示されるよう設定しておくことも可能である。
【0153】
その他、操作部11、表示パネル13、FN部サドルセンサ81、FN部入口センサ82、排出センサ83、定着センサ84、転写センサ85、給紙センサ86、制御部100、フィニッシャ部FNおよび画像形成装置2の全体または各部の構成、構造、回路、形状、寸法、個数、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0154】
2 画像形成装置
11 操作部
13 表示パネル
14 操作ボタンユニット
20 画像形成部
40 中間転写部
45 転写ローラ(転写部材)
50 定着部
60 用紙供給部
81 FN部サドルセンサ(ジャム検出手段)
82 FN部入口センサ(ジャム検出手段)
83 排出センサ(ジャム検出手段)
84 定着センサ(ジャム検出手段)
85 転写センサ(ジャム検出手段)
86 給紙センサ(ジャム検出手段)
100 制御部
101 連続印刷制御部(連続印刷制御手段)
102 ジャム検出部(ジャム検出手段)
103 ガイダンス部(ガイダンス手段)
104 ガイダンス表示部(ガイダンス表示手段)
105 ガイダンス制御部(ガイダンス制御手段)
106 判別部(判別手段)
107 ジャム処理状況通知部(ジャム処理状況通知手段)
108 識別付与部(識別付与手段)
109 識別通知部(識別通知手段)
110 認証表示部(認証表示手段)
111 ユーザ認証制御部(ユーザ認証制御手段)
112 機密文書検出部(機密文書検出手段)
FN フィニッシャ部
HR 搬送路
YS 用紙(転写材、記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより指示された印刷ジョブを実行する画像形成装置において、
複数のユーザにより指示された複数の印刷ジョブを互いに連結して連結ジョブとし、前記連結ジョブに対して記録媒体の供給を連続的に行って印刷を行うように制御する連続印刷制御手段と、
前記記録媒体のジャムを検出するジャム検出手段と、
前記ジャム検出手段によって検出されたジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスを前記ユーザに通知するガイダンス手段と、
前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、前記ガイダンス手段による通知の内容を前記ユーザごとに異ならせるガイダンス制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイダンス手段は、
前記ジャム処理ガイダンスを画面に表示するガイダンス表示手段を有し、
前記ガイダンス制御手段は、
前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留しているか否かを判別する判別手段、を有し、
前記ガイダンス制御手段は、前記判別手段によって互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留していると判別された場合に、前記ユーザごとに異なる前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御し、前記判別手段によって互いに異なるユーザにより指示された複数の印刷ジョブに係る複数の記録媒体が当該画像形成装置内に残留していないと判別された場合に、残留している前記記録媒体に係る印刷ジョブの実行を指示した単独のユーザのための前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する、
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイダンス制御手段は、前記連結ジョブを実行しているときにジャムが発生した場合に、最初にジャムの処理を行うユーザが前記記録媒体の搬送方向における最下流側に位置する記録媒体の印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合には、前記最下流側に位置する前記記録媒体から順に前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御し、最初にジャム処理を行うユーザが前記記録媒体の搬送方向における最上流側に位置する記録媒体の印刷ジョブの実行を指示したユーザである場合には、前記最上流側に位置する前記記録媒体から順に前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイダンス制御手段は、ジャムの処理を行っているユーザのジャムの処理状況をその後にジャムの処理を行うユーザに通知するように制御するジャム処理状況通知手段を有する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイダンス制御手段は、ジャムの処理を行うユーザに対してその後にジャムの処理を行うユーザのための前記ジャム処理ガイダンスの表示を行わないように前記ガイダンス表示手段を制御する、
請求項2ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、前記連結ジョブに含まれる印刷ジョブの実行を指示したユーザを認証するための認証画面を表示する、認証表示手段と、
前記認証画面により入力したユーザが前記印刷ジョブの実行を指示したユーザであるか否かの認証を行うとともに、その認証が行われた場合に、当該ユーザのための前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する、ユーザ認証制御手段と、を有する、
請求項2ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連結ジョブが実行されているときにジャムが発生した場合に、前記連結ジョブに含まれるそれぞれの印刷ジョブに識別情報を付与する識別付与手段と、
前記識別情報が付与された印刷ジョブの実行を指示したユーザに当該識別情報を通知する識別通知手段と、を有し、
前記ユーザ認証制御手段は、前記印刷ジョブに付与された前記識別情報とユーザにより入力された前記識別情報とに基づいて認証を行う、
請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
ジャムが発生した場合に機密文書の印刷ジョブである機密文書印刷ジョブが実行されているか否かを検出する機密文書検出手段を有し、
前記認証表示手段は、前記機密文書検出手段によって少なくとも1つの前記機密文書印刷ジョブが検出されたときに前記認証画面を表示し、
前記ユーザ認証制御手段は、前記認証画面により入力したユーザが前記機密文書印刷ジョブの実行を指示したユーザであると認証した場合に、当該ユーザのための前記ジャム処理ガイダンスを表示するように前記ガイダンス表示手段を制御する、
請求項6または7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記機密文書検出手段によって少なくとも1つの前記機密文書印刷ジョブが検出された場合に、前記ユーザ認証制御手段は、認証されたユーザが前記機密文書印刷ジョブの実行を指示したユーザでなければジャム処理ガイダンスの表示を行わないように前記認証表示手段を制御する、
請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
複数のユーザにより指示された複数の印刷ジョブを互いに連結して連結ジョブとし、前記連結ジョブに対して記録媒体の供給を連続的に行って印刷を行う画像形成装置におけるジャム処理制御方法であって、
前記記録媒体のジャムを検出するステップと、
ジャムが検出されたときに当該ジャムを処理するためのジャム処理ガイダンスを表示手段に表示することによってユーザに通知するステップと、
前記ジャムが前記連結ジョブにおけるジャムである場合に、ジャム処理ガイダンスの内容をユーザごとに異ならせるステップと、
を有することを特徴とするジャム処理制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−173219(P2010−173219A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19479(P2009−19479)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】