説明

画像形成装置および記録材処理装置

【課題】第1の側辺と第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の第1面に施される処理と、第1の側辺と第2の側辺とが入れ替わるように表裏が反転されたこの記録材の第2面に施される処理の位置合わせの精度を向上させる。
【解決手段】第1搬送ロール44の下流側に、用紙の側辺を検知する第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2が設けられている。また、第1搬送ロール44の上流側にも、用紙の側辺を検知する第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4が設けられている。第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3は、搬送されてくる用紙の一方の側辺の検知が可能なように画像形成装置の奥側に配置されている。また、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4は、用紙の他方の側辺の検知が可能なように画像形成装置の手前側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙搬送経路の方向に対して直交する軸線を中心に用紙を一度反転させる手段と、用紙搬送経路の方向に対して平行な軸線を中心に用紙を一度反転させる横移動反転装置と、更に、用紙搬送経路の方向に対して直交する軸線を中心に用紙を一度反転させる手段とが設けられた自動印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、シート材を挟持して中央基準で搬送するローラ対と、前記ローラ対に搬送されているシート材の搬送方向に対して直交する方向の一側端位置を検知するシート材側端位置検知手段とを有したシート材位置ずれ修正装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2561380号公報
【特許文献2】特許第3268329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、第1の側辺と第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の第1面に施される処理と、第1の側辺と第2の側辺とが入れ替わるように表裏が反転されたこの記録材の第2面に施される処理の位置合わせの精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材が搬送される搬送経路を有し、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の当該第1の側辺および当該第2の側辺が当該搬送経路に沿って移動するように当該記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されてきた記録材の第1面に画像を形成する画像形成部と、前記第1面に画像が形成された記録材の第2面に画像が形成される場合に、前記第1の側辺と前記第2の側辺とが入れ替わるように記録材の表裏を反転させ、反転させた当該記録材を前記搬送経路に供給する供給手段と、前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際に、前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知して当該第1面の基準位置を把握し、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際に、前記供給手段により当該搬送経路に供給された記録材の当該第1の側辺を再度検知して当該第2面の基準位置を把握する把握手段と、を備える画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際の画像の形成位置を、前記第1面の基準位置に基づき変更するとともに、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際の画像の形成位置を、前記第2面の基準位置に基づき変更する変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記変更手段は、前記記録材を移動させることで、前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際の画像の形成位置、および、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際の画像の形成位置を変更することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記搬送経路を搬送される記録材の搬送方向と交差する方向に記録材を移動させる移動手段と、前記第1面に画像が形成される際に前記移動手段により前記交差する方向に移動する記録材を前記第1面の基準位置に基づき停止させ、前記供給手段により当該搬送経路に供給され当該移動手段により当該交差する方向に移動する記録材を前記第2面の基準位置に基づき停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記把握手段は、前記第1の側辺の前記検知に用いるセンサを有し、前記センサは、前記搬送経路を搬送される記録材の搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記把握手段は、前記第1の側辺の前記検知に用いるセンサを有し、前記センサとして、前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際に前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知するセンサ、および、前記供給手段により当該搬送経路に供給され当該搬送経路を搬送される記録材の当該第1の側辺を検知するセンサの2つのセンサが少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記供給手段は、前記搬送経路の側方から、前記第1の側辺および前記第2の側辺の何れか一方の側辺を先頭として当該搬送経路へ前記記録材を搬送するとともに当該搬送経路の予め定められた箇所にて当該搬送を停止することで、当該搬送経路に対して表裏を反転させた当該記録材を供給し、前記搬送経路の前記側方から当該搬送経路へ搬送される前記記録材を検知するセンサが設けられ、前記供給手段は、前記側方から前記搬送経路に向けて搬送した前記記録材を、前記センサの検知結果に基づき停止させることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項8に記載の発明は、記録材が搬送される搬送経路を有し、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の当該第1の側辺および当該第2の側辺が当該搬送経路に沿って移動するように当該記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された記録材の前記第1の側辺と前記第2の側辺とが入れ替わるように当該記録材の表裏を反転させ、反転させた当該記録材を前記搬送経路に供給する供給手段と、前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知して当該記録材の第1面の基準位置を把握し、前記供給手段により当該搬送経路に供給された当該記録材の当該第1の側辺を再度検知して当該記録材の第2面の基準位置を把握する把握手段と、を備える記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の側辺と第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の第1面に施される処理と、第1の側辺と第2の側辺とが入れ替わるように表裏が反転されたこの記録材の第2面に施される処理の位置合わせの精度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材の第1面に形成される画像と記録材の第2面に形成される画像の位置合わせの精度を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、記録材が画像形成部に到達する直前でも、画像形成部が記録材に画像を形成する際の画像形成位置を変更することができるようになる。
請求項4の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材の第1面に形成される画像と記録材の第2面に形成される画像の位置合わせの精度を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、サイズの異なる記録材が搬送される場合であっても記録材の第1の側辺の検知を行うことができるようになる。
請求項6の発明によれば、一つのセンサを移動させることで、第1の側辺の1回目の検知と2回目の検知を行う場合に比べ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
請求項7の発明によれば、把握手段が第1の側辺の再度の検知を行う際の検知領域と、この第1の側辺とが大きく離れることを抑制することが可能となる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の側辺と第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の第1面に施される処理と、第1の側辺と第2の側辺とが入れ替わるように表裏が反転されたこの記録材の第2面に施される処理の位置合わせの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置をフロント側から眺めた場合の図である。
【図2】反転機構を説明するための図である。
【図3】図2の矢印III方向から反転機構を眺めた場合の図である。
【図4】図1の矢印IV方向から第1用紙搬送経路を眺めた場合の図である。
【図5】移動機構を説明するための図である。
【図6】制御部が実行する処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第3側辺検知センサおよび第4側辺検知センサと用紙との位置関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置をフロント側から眺めた場合の図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型の構成を有するものであって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)を備えている。また本実施形態の画像形成装置100では、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを含んで構成され、画像形成装置100を構成する各装置および各部の動作を制御する制御部80が設けられている。また、表示パネルにより構成され、ユーザから受けた指示を制御部80に出力するとともに制御部80からの情報をユーザに提示するユーザインタフェース部(UI)90が設けられている。さらに、例えばパーソナルコンピュータ(PC)や画像読取装置(スキャナ)等から画像データ等を受信する受信部70が設けられている。
【0011】
また、画像形成装置100は、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されるともにこのトナー像を保持する中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上のトナー像を矩形状に形成された用紙P(記録材の一例)に一括転写(二次転写)する二次転写装置30とを備えている。
【0012】
また画像形成装置100には、二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1用紙搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2用紙搬送経路R2、定着装置50(後述)よりも下流側にて第2用紙搬送経路R2から分岐するとともに第1用紙搬送経路R1の下方まで延びる第3用紙搬送経路R3が設けられている。ここで第1用紙搬送経路R1〜第3用紙搬送経路R3では、用紙Pが有する4つの側辺のうちの互いに対向する関係の2つの側辺(一の側辺とこの一の側辺とは反対側に位置する他方の側辺)がこれらの用紙搬送経路に沿って移動するように用紙Pの搬送が行われる。
【0013】
また本実施形態では、第3用紙搬送経路R3から第1用紙搬送経路R1へ用紙Pを搬送するとともにこの用紙Pの表裏を反転して第1用紙搬送経路R1へこの用紙Pを供給する供給手段の一例としての反転機構500が設けられている。付言すると、本実施形態には、第1用紙搬送経路R1における用紙搬送方向および第3用紙搬送経路R3における用紙搬送方向に沿う軸線を中心に用紙Pを反転させる反転機構500が設けられている。さらに本実施形態では、画像形成装置100の筐体101に、開口102が形成されている。ここで、第2用紙搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pは、この開口102を通じて筐体101の外部に排出され、不図示の用紙積載部上に積載される。なお筐体101に隣接させて処理装置(不図示)を設け、開口102から排出されてくる用紙Pに対し穴あけなどの処理をさらに行うこともできる。
【0014】
また画像形成装置100には、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置410が設けられている。また、第1用紙供給装置410よりも用紙Pの搬送方向における上流側に設けられ、第1用紙搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置420が設けられている。なお、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420は同様に構成されており、第1用紙供給装置410および第2用紙供給装置420の各々には、用紙Pを収容する用紙収容部41、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42が設けられている。
【0015】
また、第1用紙搬送経路R1上であって二次転写装置30の上流側には、第1用紙搬送経路R1上の用紙Pを二次転写装置30に向けて搬送する第1搬送ロール44が設けられている。さらに、第1搬送ロール44に向けて用紙Pを搬送する第2搬送ロール45、第2搬送ロール45に向けて用紙Pを搬送する第3搬送ロール46、第3搬送ロール46に向けて用紙Pを搬送する第4搬送ロール47が設けられている。
【0016】
またこれらの搬送ロールの他に、第1用紙搬送経路R1、第2用紙搬送経路R2、および、第3用紙搬送経路R3には、これらの用紙搬送経路上に位置する用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。なお、第1搬送ロール44、第2搬送ロール45、第3搬送ロール46、第4搬送ロール47、および搬送ロール48は、回転可能に設けられ互いに押し合う一対のロール状部材によって構成されるとともに一方のロール状部材が回転駆動されることで用紙Pの搬送を行う。
【0017】
また本実施形態では、第2搬送ロール45と第3搬送ロール46との間に、用紙Pの先端部が突き当てられる突き当て部材300が設けられている。本実施形態ではこの突き当て部材300に対して用紙Pの先端部が突き当てられることで、用紙Pのスキュー(搬送方向に対する用紙Pの傾き)が補正されるようになっている。なお、突き当て部材300により用紙Pのスキューが補正された後、この突き当て部材300は第1用紙搬送経路R1から退避する。また本実施形態では、第2用紙搬送経路R2上に、二次転写装置30により用紙P上に二次転写された画像をこの用紙Pに定着させる定着装置50が設けられている。
【0018】
さらに、二次転写装置30と定着装置50との間には、二次転写装置30を通過した用紙Pを定着装置50へ搬送する搬送装置51が設けられている。ここでこの搬送装置51は、周回移動するベルト51Aを有しており、このベルト51Aの上に用紙Pを載せて用紙Pの搬送を行う。また定着装置50には、内蔵されたヒータ(不図示)により加熱される加熱ロール50A、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bが設けられている。そしてこの定着装置50では、加熱ロール50Aと押圧ロール50Bとの間を用紙Pが通過することで、用紙Pが加圧および加熱される。これにより用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
【0019】
ここで、画像形成部の一部として機能する画像形成ユニット10の各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
【0020】
中間転写ベルト20は、3本のロール部材21〜23に掛け渡され、回転するように設けられている。これら3本のロール部材21〜23のうち、ロール部材22は、中間転写ベルト20を駆動するようになっている。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
【0021】
また、本実施形態の画像形成装置100では、第1用紙供給装置410等から供給された用紙Pの第1面に画像を形成することができるのに加え、用紙Pの第2面に画像を形成することができるようになっている。より具体的に説明すると、この画像形成装置100では、定着装置50を通過した用紙Pの表裏が反転機構500によって反転され、表裏が反転された用紙Pが再度二次転写装置30へと搬送される。そして二次転写装置30にて用紙Pの第2面に対して画像が転写される。その後、この用紙Pは定着装置50を再び通過し、転写されたこの画像は用紙Pに定着される。これにより、用紙Pの第1面のみならず第2面にも画像が形成されるようになる。
【0022】
図2は、反転機構500を説明するための図である。
上記にて説明したとおり、本実施形態では、第3用紙搬送経路R3に、この第3用紙搬送経路R3に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。また、第1用紙搬送経路R1にも、第1用紙搬送経路R1に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール48が複数設けられている。また第3用紙搬送経路R3には、第3用紙搬送経路R3における用紙Pの搬送方向と直交する方向(交差する方向)に向けて用紙Pを搬送する搬送ロール91が設けられている。付言すると、第3用紙搬送経路R3の側方に向けて用紙Pを搬送する搬送ロール91が設けられている。
【0023】
さらに本実施形態では、搬送ロール91により搬送された用紙Pが上方に向かって移動するように、また、上方へ移動したこの用紙Pが第1用紙搬送経路R1に向かってさらに移動するように、この用紙Pを案内する案内部材92が設けられている。さらに、本実施形態では、案内部材92により案内され先端部が上方を向いた用紙Pをニップし、この用紙Pをさらに上方に向けて搬送する搬送ロール93が設けられている。また第1用紙搬送経路R1には、搬送ロール93により搬送されてきた用紙Pを第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで搬送する搬送ロール94が設けられている。また図示は省略するが、搬送ロール48、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94を回転させる駆動モータ(不図示)が設けられている。なおこの駆動モータは、ステッピングモータに構成されている。
【0024】
なお、搬送ロール48の各々は、上記のとおり、一対のロール状部材により構成されている。また、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94も、互いに押し合う一対のロール状部材により構成されている。なお図2では、搬送ロール48、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94を構成する一対のロール状部材のうちの一方のロール状部材のみを図示している。
【0025】
また本実施形態では、搬送ロール48に設けられた一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間できるようになっている。また、搬送ロール91および搬送ロール94も同様であり、一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間できるようになっている。さらに、図示は省略するが、これら一方のロール状部材を他方のロール状部材から離間させる離間機構(不図示)が設けられている。なおこの離間機構は、モータやカムなど既存の技術により構成される。
【0026】
反転機構500により用紙Pの表裏の反転が行われる際には、まず、搬送ロール48により第3用紙搬送経路R3に沿って用紙Pが搬送されてくる。なおこのとき第3用紙搬送経路R3に設けられた搬送ロール91のうちの一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間している。次いで、搬送ロール48の一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間するとともに、搬送ロール91の一方のロール状部材が用紙Pを介して他方のロール状部材に押し付けられる。
【0027】
次いで、搬送ロール91、搬送ロール93、および、搬送ロール94が回転駆動され、用紙Pが第1用紙搬送経路R1に向けて搬送される。なおこのとき、第1用紙搬送経路R1に設けられた搬送ロール48の一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間している。そして、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで用紙Pが搬送されると、搬送ロール91、搬送ロール93、および、搬送ロール94の回転駆動が停止される。その後、搬送ロール94における一方のロール状部材が他方のロール状部材から離間するとともに、第1用紙搬送経路R1に設けられた搬送ロール48の一方のロール状部材が用紙Pを介して他方のロール状部材に押し付けられる。
【0028】
次いで、この搬送ロール48が回転駆動され第1用紙搬送経路R1に沿って用紙Pが搬送される。なおこのとき用紙Pの表裏が既に反転された状態となっている。ここで、本実施形態における反転機構500では、用紙Pの搬送方向における先端部と後端部とが入れ替わることなく表裏の反転が行われる。その一方で本実施形態における反転機構500では、用紙の一方の側辺と他方の側辺とが入れ替わるようになる。
【0029】
図3は、図2の矢印III方向から反転機構500を眺めた場合の図である。なお図3では、図2にて示した搬送ロール91および搬送ロール94の図示を省略している。また図3では、図2にて示した案内部材92の図示も省略している。
【0030】
図2では説明を省略したが、本実施形態における反転機構500では、図3に示すように、第3用紙搬送経路R3と第1用紙搬送経路R1とを接続する第4用紙搬送経路R4に、この第4用紙搬送経路R4に沿って搬送されてきた用紙Pの先端部を検知する検知センサFS1が設けられている。
なお本実施形態では、第1用紙搬送経路R1〜第3用紙搬送経路R3にて、用紙Pが有する2つの側辺がこれらの用紙搬送経路に沿って移動するように用紙Pが搬送されるが、第4搬送経路R4では、この2つの側辺のうちの一方の側辺が先頭となった状態で用紙Pが搬送される。そしてこの用紙Pは、第1用紙搬送経路R1の側方から第1用紙搬送経路R1に供給される。
【0031】
また本実施形態では、検知センサFS1によって用紙Pの先端部が検知されてから予め定められたステップ数だけ不図示の駆動モータを駆動させ、その後、この駆動モータを停止させる。これにより、上記にて説明したように、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所まで用紙Pが搬送されるようになる。なお検知センサFS1は、発光素子および受光素子を備えたいわゆる反射型のセンサにより構成することもできるし、第4用紙搬送経路R4の一方側に発光素子が配置され他方側に受光素子が配置されたいわゆる透過型のセンサにより構成することもできる。
【0032】
図4は、図1の矢印IV方向から第1用紙搬送経路R1を眺めた場合の図である。
同図に示すように、本実施形態では、第1搬送ロール44の下流側に、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送されてきた用紙Pの側辺を検知する第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2が設けられている。また、第1搬送ロール44の上流側にも、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送されてきた用紙Pの側辺を検知する第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4が設けられている。ここで、第1側辺検知センサSK1および第3側辺検知センサSK3は、画像形成装置100の奥側(リア側)に配置されている。また、第2側辺検知センサSK2および第4側辺検知センサSK4は、画像形成装置100の手前側(フロント側)に配置されている。
【0033】
ここで、第1側辺検知SK1および第2側辺検知センサSK2の各々には、複数個の受光素子40が用紙Pの搬送方向と直交する方向に並んだ状態で配置されている。そして本実施形態では、この受光素子40が並ぶ方向に沿って配列された複数のLED等の光源(不図示)からの照射光が用紙Pに照射されるとともに用紙Pからの反射光が受光素子40にて受光される。そして本実施形態では、受光素子40の各々にて得られる信号を2値化するとともに、2値化後の濃度レベルの変化点を用紙Pの側辺として検知する。
【0034】
また、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4は、上記検知センサFS1と同様、反射型のセンサにより構成されている。なお上記と同様、いわゆる透過型のセンサを、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4に用いることもできる。また本実施形態では、第3側辺検知センサSK3を用紙Pの搬送方向と直交する方向(交差する方向)に移動させる第1移動機構110、第4側辺検知センサSK4を用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動させる第2移動機構120が設けられている。
【0035】
ここで第1移動機構110は、第3側辺検知センサSK3が取り付けられた無端状のベルト111と、このベルト111を駆動させるプーリー112と、プーリー112を回転させる不図示のモータとを備えており、このモータを駆動しプーリー112を回転させることでベルト111を回転させ、第3側辺検知センサSK3を用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動させる。なお、第2移動機構120も、同様に、第4側辺検知センサSK4が取り付けられた無端状のベルト111と、このベルト111を駆動させるプーリー112と、プーリー112を回転させる不図示のモータとを備えている。
【0036】
また本実施形態では、用紙Pの搬送方向と直交する方向に沿った移動が可能なように第1搬送ロール44が設けられている。また、第1搬送ロール44を移動させる移動機構200が設けられている。この移動機構200は、図5(移動機構200を説明するための図)に示すように、第1搬送ロール44の端部に取り付けられたラックギア210と、このラックギア210に噛み合うピニオンギア220と、このピニオンギア220を回転させるギアモータ230により構成されている。本実施形態では、このギアモータ230を正転および逆転することで、第1搬送ロール44が用紙Pの搬送方向と直交する方向に移動する。
【0037】
ここで本実施形態における画像形成装置100では、機械誤差などによって、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pがずれた状態で用紙Pが搬送される場合がある。この場合、ユーザが意図した箇所とは異なる箇所に画像が形成されるおそれがある。付言すると、上記直交する方向において、予め定められた箇所からずれた箇所に画像が形成されるおそれがある。
【0038】
このため本実施形態では、第1搬送ロール44を用い、上記直交する方向においてずれた状態で搬送されてきた用紙Pをこの直交する方向に移動させる。付言すると、用紙Pを挟んだ状態の第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、用紙Pの搬送方向と直交する方向に用紙Pを移動させる。これにより、第1用紙搬送経路R1上の予め定められた箇所を用紙Pが通過するようになり、ユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。付言すると、第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、用紙Pにおける画像の形成位置が変更され、ユーザの意図していた箇所に画像が形成されるようになる。ここで第1搬送ロール44、制御部80等は、画像形成部が記録材の一例である用紙Pに画像を形成する際の画像の形成位置を変更する変更手段として捉えることができる。また、第1搬送ロール44、制御部80等は、用紙Pの搬送方向と交差する方向に用紙Pを移動させる移動手段として捉えることができる。
【0039】
図6(制御部80が実行する処理の流れを示したフローチャート)を参照し、搬送方向と直交する方向に用紙Pを移動させる際の処理について詳細に説明する。
本実施形態では、まず、制御部80が、画像を形成しようしている用紙Pのサイズや種類など用紙Pに関する情報を把握する(ステップ101)。なおこの用紙Pに関する情報は、UI90(図1参照)を通じてユーザにより入力された情報や受信部70にて受信された情報に基づき把握することができる。次いで、制御部80は、把握した用紙Pのサイズに基づき、用紙Pの一方の側辺が通過する通過位置を把握する(ステップ102)。なお通過位置は、例えば、用紙Pのサイズと通過位置との関係を予め規定したLUT(Look Up Table)をROMなどに予め格納しておき、このLUTを参照することで把握することができる。
【0040】
その後、用紙Pの搬送を開始する(ステップ103)。ここで用紙Pの搬送を開始すると、この用紙Pが第1側辺検知センサSK1まで達するが、この際、把握手段として機能する制御部80は、第1側辺検知センサSK1からの出力に基づき、用紙Pの上記一方の側辺の実際の通過位置(第1面の基準位置)を把握する(ステップ104)。その後、上記ステップ102にて把握した通過位置と、ステップ104にて把握した実際の通過位置とのずれ量(差)を把握する(ステップ105)。その後、制御部80は、把握したこのずれ量の分だけ第1搬送ロール44を移動させる(ステップ106)。具体的には、移動機構200(図4参照)を駆動することで第1搬送ロール44を移動させる。これによって、用紙Pが予め定められた箇所を通過するようになり、ユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。
【0041】
なお、用紙Pの第2面にも画像が形成される際には、用紙Pの側辺が再度検知され用紙Pのずれが修正された後に、この用紙Pに対して画像が形成される。ここで、用紙Pの第2面に画像が形成される際には、上記のとおり、反転機構500によって用紙Pの表裏がまず反転され、その後、この用紙Pが二次転写装置30へと供給される。そして2次転写装置30へ用紙Pが供給される直前に、2回目の側辺の検知がなされ、そしてこの検知結果に基づき、第1搬送ロール44が軸方向に移動する。これにより、用紙Pのずれが修正される。
【0042】
ここで本実施形態では、第1側辺検知センサSK1に加え第2側辺検知センサSK2が設けられている。そして本実施形態では、上記2回目の側辺の検知を行う際には、第1側辺検知センサSK1ではなくこの第2側辺検知センサSK2を用いて検知を行う。付言すると、第1側辺検知センサSK1ではなくこの第2側辺検知センサSK2を用い、第1側辺検知センサSK1により検知された側辺がこの第2側辺検知センサSK2によって再度検知されるようにしている。さらに説明すると、第1側辺検知センサSK1により検知された側辺を第2側辺検知センサSK2で再度検知して用紙Pの第2面の基準位置を把握するようにしている。
【0043】
ここで本実施形態では、1回目の側辺の検知後に(第1面への画像の形成後に)、用紙Pが定着装置50を通過するため用紙Pが伸縮する場合がある。また、用紙Pは裁断により形成されるのが一般的であるが、裁断時の誤差などにより用紙Pの長さが予め定められた規格値とは異なっている場合がある。そしてこのような場合、1回目の検知を行った側辺とは異なる側辺を2回目の検知で検知し、この検知結果に基づき、第1搬送ロール44を移動させると、用紙Pの第2面に形成される画像がユーザの意図している箇所とは異なる箇所に形成されるおそれがある。
【0044】
付言すると、画像を書き出す基準が第1面の場合と第2面の場合とで異なるようになり、用紙Pの第2面に形成される画像がユーザの意図している箇所とは異なる箇所に形成されるおそれがある。さらに説明すると、用紙Pの表裏で画像の位置合わせをユーザが行った場合であっても、上記のように書き出す基準が異なるようになると、この位置合わせが難しくなり、用紙Pの表裏において画像の位置ずれが生じてしまう。このため本実施形態では、第1側辺検知センサSK1に加え第2側辺検知センサSK2を設け、1回目に検知を行った側辺と同じ側辺を2回目の検知でも検知するようにしている。付言すると、本実施形態では、第1搬送ロール44を用いて用紙Pを第1搬送ロール44の軸方向に移動させる際の基準となる用紙Pの側辺が原稿の表裏で同じとなるようにしている。
【0045】
なお第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2では、第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2の性質上、OHP(Overhead projector)シートなどの透明なシートや黒色の用紙Pなど、ある特定の用紙P(シート)の側辺の検知がなされにくくなっている。一方で、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4では、このような用紙Pの側辺の検知を行うことができる。このため、本実施形態では、用紙Pの種類に応じて使用する側辺検知センサを切り替え、上記黒色の用紙Pなど特定の用紙Pの側辺については、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4により検知されるようにしている。
【0046】
より具体的に説明すると、上記ステップ101にて把握された用紙Pの種類がOHPのシートなど特定の用紙Pである場合に、制御部80が、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4による側辺の検知を行うと決定する。なお、特定の用紙Pではない場合は、上記にて説明したように、第1側辺検知センサSK1および第2側辺検知センサSK2による側辺の検知が行われる。ここで、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4による側辺の検知が行われる場合、制御部80は、用紙Pのサイズに基づき、第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4の配置位置を決定し、この配置位置まで第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4を移動させる。なおこの移動は、第1移動機構110および第2移動機構120(図4参照)により行われる。
【0047】
ここで図7は、上記配置位置に配置された第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4と用紙Pとの位置関係を示した図である。
本実施形態では、同図(a)に示すように、第1用紙供給装置410(図1参照)等から供給され第1用紙搬送経路R1を経由して搬送されてくる用紙P(第1面に画像を形成する際の用紙P)の第3側辺検知センサSK3側に位置する側辺よりも内側に位置するように第3側辺検知センサSK3が配置される。また本実施形態では、同図(b)に示すように、反転機構500により反転され第1用紙搬送経路R1を経由して再度されてくる用紙P(第2面に画像を形成する際の用紙P)の第4側辺検知センサSK4側に位置する側辺よりも内側に位置するように第4側辺検知センサSK4が配置される。
【0048】
そして本実施形態では、用紙Pの搬送に伴い、用紙Pが第3側辺検知センサSK3および第4側辺検知センサSK4に到達することになるが、用紙Pの第1面に画像が形成される際には、第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、図7(a)の矢印7Aに示す方向に用紙Pを移動させ、用紙Pのうちの第3側辺検知センサSK3側に位置する側辺をこの第3側辺検知センサSK3に接近させ且つこの第3側辺検知センサSK3を通過させる。
【0049】
これにより第3側辺検知センサSK3によってこの側辺が検知される。そしてこの検知後、制御部80は、移動機構200(図5参照)に設けられたギアモータ230を予め定められたステップ数だけさらに駆動し、その後、この駆動を停止させる。これにより、用紙Pの搬送方向と交差する方向に移動を行っていた用紙Pの移動が停止される。これにより、用紙Pが予め定められた一定の箇所を通過するようになり、用紙Pの第1面のうちのユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。ここで、本実施形態における制御部80は、用紙Pの搬送方向と交差する方向に移動する用紙Pを停止させる停止手段の一部して機能している。
【0050】
その後、用紙Pが反転機構500により反転され、この用紙Pが再び搬送されてくるが、この場合は、第1搬送ロール44を軸方向に移動させることで、図7(b)の矢印7Bに示す方向に用紙Pを移動させ、用紙Pのうちの第4側辺検知センサSK4側に位置する側辺をこの第4側辺検知センサSK4に検知させる。そしてこの検知後、上記と同様、ギアモータ230を予め定められたステップ数だけさらに駆動し、その後、この駆動を停止させる。これにより、用紙Pの第2面に画像が形成される際にも、用紙Pが予め定められた一定の箇所を通過するようになり、第2面のうちのユーザの意図した箇所に画像が形成されるようになる。
【0051】
ところで、本実施形態では、反転機構500にて用紙Pを反転する際、上記のとおり、検知センサFS1で用紙Pの先端部を検知するとともに、先端部が検知された後にモータを予め定められたステップ数だけ駆動させる。ところで検知センサFS1を省略し、例えば、搬送ロール91、搬送ロール93、および搬送ロール94を予め定められた時間駆動することで第1用紙搬送経路R1に対し用紙Pを送り込むこともできる。
【0052】
ところでこの場合、第4用紙搬送経路R4から第1用紙搬送経路R1へ用紙Pを送り込んだ後における用紙Pの位置(用紙Pを第1用紙搬送経路R1上にて停止させた際の用紙Pの位置)が変動しやすくなる。そしてこのような変動が生じやすい状況にて、例えば第4側辺検知センサSK4が設けられている箇所まで用紙Pを搬送すると、第4側辺検知センサSK4と用紙Pの側辺(第4側辺検知センサSK4側の側辺)とが大きく離れる事態が生じうる。
【0053】
そしてこの場合、用紙Pを移動させたとしても用紙Pの側辺が第4側辺検知センサSK4まで到達せず、第4側辺検知センサSK4による側辺の検知が困難となる事態が生じうる。また側辺の検知が可能であったとしても、用紙Pの側辺が第4側辺検知センサSK4に検知されるように用紙Pを移動させる際の用紙Pの移動量が大きくなってしまう。
【0054】
ここで、このように移動量が大きくなると、用紙Pの慣性力が大きくなる。その一方で、第4側辺検知センサSK4と用紙Pの側辺とが離れない場合も生じ、この場合は、用紙Pが移動する際の慣性力が小さくなる。この結果、順次搬送されてくる用紙P毎に上記慣性力が異なる事態が生じ、第1搬送ロール44を軸方向に移動させて用紙Pを予め定められた同じ箇所まで移動させた場合であっても、慣性力の違いによって、用紙Pの到達箇所が異なるようになる。
【0055】
そしてこの場合、第4側辺検知センサSK4を用いて用紙Pの側辺を検知しこの検知結果に基づき用紙Pを移動させているにも関わらず、用紙Pの位置にばらつきが生じてしまう。そしてこの場合、画像の形成位置もばらつくようになる。このため、本実施形態では、第4用紙搬送経路R4に設けた検知センサFS1の検知結果に基づき用紙Pの搬送を停止させるようにしている。この場合、第1用紙搬送経路R1の予め定められた一定の箇所に用紙Pが停止するようになり、第4側辺検知センサSK4と、この第4側辺検知センサSK4により検知される側辺とが大きく離れないようになる。また、第4側辺検知センサSK4と、この第4側辺検知センサSK4により検知される側辺との距離が用紙P毎にばらつくことが抑制される。
【0056】
なお、第2側辺検知センサSK2を用いて側辺の検知を行う場合も同様であり、検知センサFS1で先端部を検知しない場合、第2側辺検知センサSK2による側辺の検知後における用紙Pの移動量が大きくなるおそれがある。また、第2側辺検知センサSK2による側辺の検知後における用紙Pの移動量が変動しやすくなる。
【0057】
なお上記では、第1側辺検知センサSK1による1回目の検知後に、第2側辺検知センサSK2による2回目の検知を行ったが、第2側辺検知センサSK2により1回目の検知を行い、第1側辺検知センサSK1により2回目の検知を行うようにしてもよい。また同様に、第4側辺検知センサSK4により1回目の検知を行い、第3側辺検知センサSK3により2回目の検知を行うようにしてもよい。
【0058】
また上記では、図3に示すように、第1用紙搬送経路R1と第3用紙搬送経路R3とを接続する第4用紙搬送経路R4上に検知センサFS1を設けた場合を説明したが、本実施形態におけるこの第4用紙搬送経路R4は、同図に示すように湾曲した状態となっている。このため本実施形態では、湾曲した状態の用紙Pの先端部が検知センサFS1により検知されるようになり、検知の精度が低下するおそれがある。このため図3の符号FS2に示すように、直線状に形成された第1用紙搬送経路R1に対峙するようにセンサを設け、湾曲していない状態の用紙Pの先端部を検知する構成とすることもできる。
【0059】
また上記では、第1搬送ロール44の下流側に第1側辺検知センサSK1と第2側辺検知センサSK2の2つのセンサを設けたが、用紙Pの一方の側辺から他方の側辺にかけて受光素子40(図4参照)が配列された1つのセンサを用いて、用紙Pの側辺を検知するようにしてもよい。また例えば、第4側辺検知センサSK4を省略するとともに第3側辺検知センサSK3の移動範囲を拡げることで、第3側辺検知センサSK3のみで用紙Pの側辺を検知することもできる。
【0060】
また上記では、検知センサFS1を用いて用紙Pの先端部を検知したが、用紙Pの後端部を検知し、後端部の検知結果に基づき、第1用紙搬送経路R1上に向けて搬送した用紙Pの搬送を停止させることもできる。この場合は、2回目の側辺の検知が行われる際に第4側辺検知センサSK4等にて検知される箇所と、検知センサFS1により検知される箇所とが同じとなり、第4側辺検知センサSK4等と、この第4側辺検知センサSK4等により検知される側辺との距離が用紙P毎に変動することを更に抑制可能となる。
【0061】
また上記では、用紙Pの側辺の検知結果に基づき搬送方向と直交する方向に用紙Pを移動させることで、用紙Pと画像との位置合わせ(位置の修正)を行ったが、露光装置13(図1参照)が静電潜像を感光体ドラム11に書き込む際の書き込み位置を変更することで、用紙Pと画像との位置合わせを行うこともできる。なお本実施形態は、第4側辺検知センサSK4等にて用紙Pの側辺が検知される時点で、露光装置13による書き込みが既に終了しており、静電潜像の書き込み位置を変更することが困難となっている。このため本実施形態では、用紙Pを移動させることで、用紙Pと画像との位置合わせを行っている。このように、用紙Pを移動させる場合は、二次転写装置30に用紙Pが到達する直前まで、用紙Pにおける画像の形成位置を変更することできるようになる。
【0062】
また上記では画像形成装置100を一例に説明したが、上記にて説明した構成は、用紙Pに対して、ステープル綴じなどの綴じ処理、穴開け加工、エンボス加工などの処理を行う処理装置にも適用することができる。用紙Pの第1面の特定箇所に予め定められた処理を行った後、表裏が反転された用紙Pの第2面の特定箇所に予め定められた処理を行う場合に、1回目に検知を行った側辺と2回目に検知を行った側辺が異なると、第1面に施される処理と第2面に施される処理を位置合わせする際の精度が低下しやすい。上記にて説明した構成をこのような処理装置に適用した場合、1回目に検知を行った側辺と同じ側辺が2回目の検知で検知されるようになり位置合わせの精度が向上する。
【符号の説明】
【0063】
10…画像形成ユニット、44…第1搬送ロール、80…制御部、100…画像形成装置、500…反転機構、FS1…検知センサ、P…用紙、R1…第1用紙搬送経路、SK3…第3側辺検知センサ、SK4…第4側辺検知センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材が搬送される搬送経路を有し、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の当該第1の側辺および当該第2の側辺が当該搬送経路に沿って移動するように当該記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されてきた記録材の第1面に画像を形成する画像形成部と、
前記第1面に画像が形成された記録材の第2面に画像が形成される場合に、前記第1の側辺と前記第2の側辺とが入れ替わるように記録材の表裏を反転させ、反転させた当該記録材を前記搬送経路に供給する供給手段と、
前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際に、前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知して当該第1面の基準位置を把握し、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際に、前記供給手段により当該搬送経路に供給された記録材の当該第1の側辺を再度検知して当該第2面の基準位置を把握する把握手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際の画像の形成位置を、前記第1面の基準位置に基づき変更するとともに、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際の画像の形成位置を、前記第2面の基準位置に基づき変更する変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記記録材を移動させることで、前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際の画像の形成位置、および、当該画像形成部が前記第2面に画像を形成する際の画像の形成位置を変更することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送経路を搬送される記録材の搬送方向と交差する方向に記録材を移動させる移動手段と、
前記第1面に画像が形成される際に前記移動手段により前記交差する方向に移動する記録材を前記第1面の基準位置に基づき停止させ、前記供給手段により当該搬送経路に供給され当該移動手段により当該交差する方向に移動する記録材を前記第2面の基準位置に基づき停止させる停止手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記把握手段は、前記第1の側辺の前記検知に用いるセンサを有し、
前記センサは、前記搬送経路を搬送される記録材の搬送方向と交差する方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記把握手段は、前記第1の側辺の前記検知に用いるセンサを有し、
前記センサとして、
前記画像形成部が前記第1面に画像を形成する際に前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知するセンサ、および、前記供給手段により当該搬送経路に供給され当該搬送経路を搬送される記録材の当該第1の側辺を検知するセンサの2つのセンサが少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記供給手段は、前記搬送経路の側方から、前記第1の側辺および前記第2の側辺の何れか一方の側辺を先頭として当該搬送経路へ前記記録材を搬送するとともに当該搬送経路の予め定められた箇所にて当該搬送を停止することで、当該搬送経路に対して表裏を反転させた当該記録材を供給し、
前記搬送経路の前記側方から当該搬送経路へ搬送される前記記録材を検知するセンサが設けられ、
前記供給手段は、前記側方から前記搬送経路に向けて搬送した前記記録材を、前記センサの検知結果に基づき停止させることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
記録材が搬送される搬送経路を有し、第1の側辺と当該第1の側辺とは反対側に位置する第2の側辺とを有した記録材の当該第1の側辺および当該第2の側辺が当該搬送経路に沿って移動するように当該記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された記録材の前記第1の側辺と前記第2の側辺とが入れ替わるように当該記録材の表裏を反転させ、反転させた当該記録材を前記搬送経路に供給する供給手段と、
前記搬送経路を搬送される記録材の前記第1の側辺を検知して当該記録材の第1面の基準位置を把握し、前記供給手段により当該搬送経路に供給された当該記録材の当該第1の側辺を再度検知して当該記録材の第2面の基準位置を把握する把握手段と、
を備える記録材処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−206786(P2012−206786A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71374(P2011−71374)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】