説明

画像形成装置及びその制御プログラム

【課題】 画像形成装置のセキュリティを向上させ、操作性に優れた機密文書印刷を行なうことを可能とする。
【解決手段】 上記制御部120は、でフィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャ90に設けられた認証用データ保持部91からユーザー認証用データを読み込んで、上記フィニッシャ90のユーザー認証処理を行い、給紙部40から用紙を画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部20により画像が形成された用紙を排紙部80により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャ90により上記用紙に後処理を施す制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複写機、ファクシミリ装置あるいは複合機等の画像形成装置及びその制御プログラムに関し、特に、フィニッシャが着脱可能な画像形成装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、容易に操作ができ、かつ出力を効率良く行うプリンタセキュリティシステムとして、例えば、特許文献1に記載されているように、指紋や手書き文字の画像データを予め登録し、画像データに対して番号を付加してIDとすることで、コンピュータ側からは、番号を指示し、プリンタ側では、指紋や手書き文字などの画像データの入力によりIDデータとすることでプリンタの操作部で容易に操作を行えると共に、IDが画像データであるためセキュリティ性を向上することができるようにしたものが提案されている。
【0003】
また、例えば、特許文献2に記載されているプリンタ機能を含む複数の機能を搭載した複合機では、メールボックス印刷指示をした場合に、ユーザーが複合機の前で待たされる時間を短縮するために、クライアントPCからメールボックス印刷指示のあった印刷データをハードディスクに蓄積する一方、RFID制御部が検出エリア内に入ったユーザーが携帯したメモリカードに対して電磁波信号を送信しユーザーの認識情報を読み取り、読み取った認識情報に基づいてユーザー認証した後、そのユーザーの個人情報テーブルにメールボックス印刷動作「有り」が設定されていれば、印刷データがハードディスクに存在するか否か判断し、存在すれば当該印刷データを印刷出力するようにしている。
【0004】
また、操作性に優れた機密文書印刷を行なうことが可能な画像形成装置として、例えば、特許文献3に記載されているように、ネットワークに接続された画像形成装置において、機密データを保護するためのセキュリティシステムとして、データを記憶するためのデータ記憶部と、記憶するデータを暗号化する暗号化部と、出力時にID認証をするID認識部と、暗号化されたデータを解読する暗号解読部と、ID認証をする際に、印刷用紙に取り付けられた無線タグであるRFIDタグデータを受信するIDデータ入力部とを有し、受信したデータをIDとして、特定の用紙に対してのみ印刷する機能を有するものが提案されている。
【0005】
さらに、例えば、特許文献4に記載されている画像形成装置では、指紋認証により、画像形成装置のセキュリティを向上させるとともに、ユーザー認証時の操作性の向上を図るようにしている。すなわち、ユーザー端末において、ユーザーの認証情報が登録されたセキュリティキーに印刷出力対象の出力データが保存され、ユーザーはこのセキュリティキーを画像形成装置に接続してスタートキーを押下すると、画像形成装置では、スタートキーに併設された認証情報入力部によりユーザーの指紋情報が認証情報として入力され、当該入力された認証情報と、セキュリティキーに登録された認証情報とが照合されてユーザー認証が行われる。ユーザーが認証されると、セキュリティキーから出力データが読み出されて印刷出力される。
【0006】
また、従来より、画像形成装置により画像形成された用紙にステイプル処理やパンチ処理、中折り処理等の後処理を施すフィニッシャが普及している。
【0007】
【特許文献1】特開2002−127545号公報
【特許文献2】特開2005−244656号公報
【特許文献3】特開2002−230510号公報
【特許文献4】特開2004−355244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたプリンタセキュリティシステムでは、画像データをユーザー情報としてMFPに登録しておくのは、多くのメモリを必要とする。また、プリンタに近づいただけで、出力が始まってしまうので、セキュリティが高いとは言い切れない。複数のRFIDが近づいた場合、もしくは、初め認識されたRFIDより後に近づいてきたRFIDを持つユーザーが、誤って出力物を持ち出してしまう虞がある。
【0009】
また、特許文献2に記載されているプリンタ機能を含む複数の機能を搭載した複合機のように、RFID制御部が検出エリア内に入ったユーザーが携帯したメモリカードに対して電磁波信号を送信しユーザーの認識情報を読み取り、読み取った認識情報に基づいてユーザー認証を行うようにしたのでは、プリンタに近づいただけで、出力が始まってしまうので、セキュリティが高いとは言い切れない。また、複数のRFIDが近づいた場合、もしくは、初め認識されたRFIDより後に近づいてきたRFIDを持つユーザーが、誤って出力物を持ち出してしまう虞がある。
【0010】
また、特許文献3に記載されている画像形成装置のように、印刷用紙に取り付けられたRFIDを用いて認証処理を行う場合、RFIDを所有する印刷用紙は高価であり、また非常に特殊である。ユーザーが印刷したい印刷用紙(例えば、OHPシート等。)にRFIDを付着させることが困難な場合も生じる。
【0011】
さらに、特許文献4に記載されている画像形成装置のように指紋認証を行うのでは、指紋情報を登録しておくために多くのメモリを必要とする。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の問題点に鑑み、画像形成装置のセキュリティを向上させ、操作性に優れた機密文書印刷を行なうことを可能とすることにある。また、画像形成装置の前で、自分が出力したい印刷物の出力待ち時間を短縮することにある。さらに、給紙カセット、給紙サイズ、給紙方向の人間による誤操作を削減することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、フィニッシャが着脱可能に差し込まれるフィニッシャ差込口を有し、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより画像が形成された用紙に後処理を施す機能を有する画像形成装置であって、用紙に画像を形成する画像形成部と、上記画像形成部に用紙を給紙する給紙部と、上記画像形成部により画像が形成された用紙を排紙する排紙部と、これらの動作を制御する制御部と、上記フィニッシャに設けられ、ユーザー認証用データを保持した認証用データ保持部とを備え、上記制御部は、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込んで、上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、上記給紙部から用紙を上記画像形成部に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部により画像が形成された用紙を上記排紙部により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより上記用紙に後処理を施す制御を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像形成装置において、上記制御部は、例えば、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データとプリンタドライバから与えられるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行う。
【0016】
また、本発明に係る画像形成装置において、上記制御部は、例えば、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データと操作部から入力されるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置において、上記制御部は、例えば、プリンタドライバからユーザーのプリントデータが与えられる。
また、本発明に係る画像形成装置において、上記認証用データ保持部は、例えば、ユーザー認証用データとともにユーザーのプリントデータを保持しており、上記制御部は、上記認証用データ保持部は、ユーザー認証用データとともにユーザーのプリントデータを読み込む。
【0018】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、例えば、原稿を読み取る画像読取部を備え、上記制御部は、上記画像読取部より読み取った原稿の画像をプリントデータとする。
【0019】
本発明は、フィニッシャが着脱可能に差し込まれるフィニッシャ差込口を有し、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより画像が形成された用紙に後処理を施す機能を有する画像形成装置の制御プログラムであって、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込み、上記ユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、上記給紙部から用紙を上記画像形成部に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を画像形成部により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部により画像が形成された用紙を排紙部により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより上記用紙に後処理を施す制御を上記画像形成装置のコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る画像形成装置の制御プログラムでは、例えば、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データとプリンタドライバから与えられるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行う。
【0021】
また、本発明に係る画像形成装置の制御プログラムでは、例えば、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データと操作部から入力されるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行う。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込み、上記ユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込み、上記ユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、給紙部から用紙を画像形成部に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を画像形成部により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部により画像が形成された用紙を排紙部により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより上記用紙に後処理を施す制御を行うので、画像形成装置のセキュリティを向上させ、操作性に優れた機密文書印刷を行なうことができる。また、ユーザーは自分の用紙を自分で管理することができ、自分が出力したい印刷物の出力待ち時間を短縮することができる。さらに、給紙カセット、給紙サイズ、給紙方向の人間による誤操作を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0024】
本発明は、例えば図1に示すように、ユーザーが印刷を指示するクライアント1と画像形成装置(印刷機)2がLANなどのネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されたてなる印刷システム10に適用される。なお、画像形成装置2は、ネットワーク3を介することなく、USBインターフェースあるいはパラレルインターフェースなど介してクライアント1に直接接続されていてもよい。
【0025】
クライアント1は、例えば、所謂パーソナルコンピュータからなり、図2に示すように、装置全体の制御および各種演算処理を行うCPU111、プログラムやデータを格納するためのROM112、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するためのRAM113、各種のプログラムやデータを保存するための外部記憶装置としてのハードディスク114、各種情報の表示のための液晶ディスプレイなどの表示部115、各種指示の入力のためのキーボードやマウスなどからなる入力部116、上記ネットワーク3に接続するためのLANカードなどのネットワークインターフェース117などがバス118を介して相互に接続されてなる。
【0026】
また、画像形成装置2は、その外観を図3に示すように、画像形成部20を備えた本体部21、本体部21の上方に設置された原稿読取部30、本体部21の下部に設置された給紙部40、本体部21のフロント部分に設置された操作表示部50などを備える複写機である。この画像形成装置2には、本体部21の一方の側方に着脱自在にフィニッシャ90が装着されるフィニッシャ差込口22が設けられている
上記画像形成装置2は、そのハードウエア構成を図4のブロック図に示すように、装置全体の動作制御を司るCPUを中心とする制御部120を備え、この制御部120に画像形成部20、原稿読取部30、給紙部40、操作表示部50、画像記憶部60、画像処理部70、ネットワークインターフェース75、排紙部80等が接続されている。
【0027】
制御部120は、図5に示すように、画像形成装置2の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)121、一時的にデータを保管するRAM(Random Access Memory)122、更新可能な各種設定データなどを保管するEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)123及び制御プログラム等を上記ROM121から読み出して実行するマイクロコンピュータ124等からなり、操作表示部50等において入力された所定の指示情報や、本装置の各所に設けられた各種センサからの検出信号に応じて装置全体の制御を行う。
【0028】
画像形成部20は、給紙部40によって搬送されてきた用紙に対して所定の画像形成(印刷)を行うものであって、図示しないプリンタコントローラ、レーザ走査ユニットや定着ローラ等からなる。
【0029】
原稿読取部30は、原稿の読み取りを行って当該原稿に対応する画像データを生成するものであって、光学的に取得した原稿の画像から画像データを生成するCCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等を備えたスキャナやコンタクトガラス等からなり、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査しつつ取得した画像データを制御部120へ出力する。
【0030】
給紙部40は、画像形成部20に対して用紙の給紙を行うものであって、装置本体内の図示しない給紙トレイから用紙を1枚ずつ取り出して搬送経路を介して画像形成部20へ用紙を搬送するようになっている。
【0031】
操作表示部50は、ユーザーの操作に応じて所定の指示入力を行うものであって、図示しない、ユーザーが印刷実行指示を入力するためのスタートキーと、印刷部数等を入力するためのテンキーと、各種複写動作の設定等を入力するための操作ガイド情報等を表示する種々の操作ボタン等が表示される液晶表示器(LCD)を備えている。
【0032】
画像記憶部60は、原稿読取部30によって読み取られた原稿の画像データや図示しない略のネットワークI/F部等を介して外部装置から送信されてきた画像データを一時的に記憶するメモリである。
【0033】
画像処理部70は、印刷データに対する各種画像処理を行うものであって、例えば、印刷データをRGBデータあるいはCMYKデータに変換する処理や複数の原稿画像を1つの用紙に集約させる画像処理、すなわち、原稿画像の画像サイズを拡大又は縮小する拡大縮小処理や、複数の原稿画像を1つの用紙に配置するレイアウト処理などを行う。
【0034】
排紙部80は、上記画像形成部20により画像が形成された画像形成済みの用紙を排紙する。
【0035】
ここで、上記フィニッシャ差込口22に装着されるフィニッシャ90には、ユーザー認証のために用いられる認証情報を保持した認証情報保持部91が設けられている。
上記認証情報保持部91には、RFID、バーコード、その他、個人データを認証させることが可能なメモリカードなどが用いられる。
【0036】
なお、上記フィニッシャ90に設けられた認証情報保持部91には、ユーザー情報以外の情報(印刷設定等)があらかじめ登録されていても良い。また、本体部21には、上記フィニッシャ90が装着されるフィニッシャ差込口22を複数設けるようにしても良い。
【0037】
この印刷システム10において、画像形成装置2の制御部120は、上記クライアント1から送られてくる制御情報や上記操作表示部50の操作により入力された設定情報に応じて、給紙部40から用紙を画像形成部20に給紙し、給紙された用紙に画像形成部20により画像を形成し、上記画像形成部20により画像が形成された画像形成済みの用紙を排紙部80により搬送して排紙する制御を行う。
【0038】
また、上記画像形成装置2の制御部120は、上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれたときに、自動的にそのフィニッシャ90を認識し、認証情報保持部91に保持されている認証情報に基づいて、そのフィニッシャ90が誰のものであるかを判断し、ユーザー認証を行う。
【0039】
そして、この印刷システム10では、例えばユーザーAがクライアント1上のデータを当該クライアント1にインストールされているプリンタドライバを用いて出力する場合、例えば印刷時のクライアント1での設定で、画像形成装置2でユーザー認証を行うよう設定し、図6のフローチャートに示す手順に従って、データの印刷を実行する。
【0040】
すなわち、この印刷システム10において、印刷処理の実行時に、画像形成装置2の制御部120は、ユーザー認証後プリントアウトするように設定されているか否かを判定し(ステップS1)、その判定結果がNOすなわちユーザー認証後プリントアウトするように設定されていない場合には、クライアント1から送られてくるプリントデータを受信して直ちに印刷して(ステップS11)、印刷処理を終了する。
【0041】
また、上記画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS1の判定結果がYESすなわちユーザー認証後プリントアウトするように設定されている場合には、クライアント1から送られてくるプリントデータを受信して画像記憶部60に保持する(ステップS2)。
【0042】
次に、画像形成装置2の制御部120は、ユーザー認証用データを受信する(ステップS3)。
【0043】
上記ユーザー認証用データは、クライアント1にインストールされているプリンタドライバから上記プリントデータに付加して送信しても良いし、画像形成装置2の操作表示部50から入力するようにしても良い。
【0044】
次に、画像形成装置2の制御部120は、この画像形成装置2の上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれたか否かを判定し(ステップS4)、その判定結果がNOの場合には、一定時間経過したか否かを判定する(ステップS5)。
【0045】
そして、上記ステップS5の判定結果がNOの場合には、上記ステップS4に戻って、ステップS4,S5の判定処理を繰り返し行い、上記ステップS5の判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれていない状態で所定時間経過すると、上記ステップS2,S3において受信したプリントデータ及びユーザー認証用データを消去して(ステップS6)、印刷を行うことなく、印刷処理を終了する。
【0046】
また、上記ステップS4の判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれると、画像形成装置2の制御部120は、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91からユーザー認証用データを読み込む(ステップS7)。
【0047】
次に、画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS3において受信したユーザー認証用データと上記ステップS7において読み込んだユーザー認証用データに基づいて、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものであるかであるか否かを判定する(ステップS8)。
【0048】
このステップS8における判定結果がNOすなわち上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものでない場合には、画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS4に戻って、上記フィニッシャ差込口22に新たにフィニッシャ90が差し込まれたか否かを判定する。
【0049】
また、上記ステップS8における判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものである場合には、画像形成装置2の制御部120は、他の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS9)。
【0050】
そして、上記ステップS9における判定結果がNOすなわち他の印刷ジョブが存在しない場合には、上記ステップS2において保存したプリントデータAを印刷して(ステップS11)、印刷処理を終了する。
【0051】
また、 上記ステップS9における判定結果がYESすなわち他の印刷ジョブが存在する場合には、上記ステップS2において保存したプリントデータAの印刷ジョブを最上位にして(ステップS10)、上記プリントデータAを印刷し(ステップS11)、印刷処理を終了する。上記ステップS10のより、出力の優先順位(ジョブ処理の優先順位)は、フィニッシャ90を差し込んだユーザーが上位となる。
【0052】
ここで、上記ステップS11では、上記給紙部40から用紙を上記画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部20により画像が形成された用紙を上記排紙部80により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90により上記用紙に後処理を施す。
【0053】
上記画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS7でフィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられた認証用データ保持部91からユーザー認証用データを読み込んで、上記ステップS8で上記フィニッシャ90のユーザー認証処理を行い、上記ステップS11で上記給紙部40から用紙を上記画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部20により画像が形成された用紙を上記排紙部80により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90により上記用紙に後処理を施す制御を行う。
【0054】
なお、上記ステップS1でユーザー認証を行うよう設定しなくても、あらかじめ画像形成装置2側(クライアント1側でもよい)で、フィニッシャ90によるユーザー認証を行わないと出力できないように設定しておいてもよい。また、画像形成装置2が受け取るデータは個人情報に基づく鍵で暗号化されており、フィニッシャから読み取る個人情報により復号されてもよい。さらに、本体のデータ保持時間は設定ができるようにしてもてもよい。
【0055】
また、この印刷システム10では、上記フィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91に、ユーザーの認証情報とともにプリントデータAを保持しておき、図7のフローチャートに示す手順に従って、上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれると、上記認証情報保持部91からプリントデータAを読み出して印刷するようにすることもできる。
【0056】
すなわち、この場合、印刷処理の実行時に、画像形成装置2の制御部120は、ユーザー認証後プリントアウトするように設定されているか否かを判定し(ステップS21)、その判定結果がNOすなわちユーザー認証後プリントアウトするように設定されていない場合には、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91からプリントデータAを読み出して直ちに印刷して(ステップS30)、印刷処理を終了する。
【0057】
また、上記画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS21の判定結果がYESすなわちユーザー認証後プリントアウトするように設定されている場合には、この画像形成装置2のフィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれたか否かを判定し(ステップS22)、その判定結果がNOの場合には、一定時間経過したか否かを判定する(ステップS23)。
【0058】
そして、上記ステップS23の判定結果がNOの場合には、上記ステップS22に戻って、ステップS22,S23の判定処理を繰り返し行い、上記ステップS23の判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれていない状態で所定時間経過すると、印刷を行うことなく、印刷処理を終了する。
【0059】
また、上記ステップS22の判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22にフィニッシャ90が差し込まれると、画像形成装置2の制御部120は、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91からユーザー認証用データを読み込む(ステップS24)。
【0060】
次に、画像形成装置2の制御部120は、この画像形成装置2の操作表示部50から入力されるユーザー認証用データを読み込む(ステップS25)。
【0061】
次に、画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS24においてフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91から読み込んだユーザー認証用データと上記ステップS25において操作表示部50から入力されたユーザー認証用データに基づいて、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものであるかであるか否かを判定する(ステップS26)。
【0062】
このステップS26における判定結果がNOすなわち上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものでない場合には、画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS22に戻って、上記フィニッシャ差込口22に新たにフィニッシャ90が装着されたか否かを判定する。
【0063】
また、上記ステップS26における判定結果がYESすなわち上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90がユーザーAのものである場合には、画像形成装置2の制御部120は、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91からプリントデータAを読み込んで画像記憶部60に格納する(ステップS27)。
【0064】
次に、画像形成装置2の制御部120は、他の印刷ジョブが存在するか否かを判定する(ステップS28)。
【0065】
そして、上記ステップS28における判定結果がNOすなわち他の印刷ジョブが存在しない場合には、上記ステップS27において保存したプリントデータAを印刷して(ステップS30)、印刷処理を終了する。
【0066】
また、 上記ステップS28における判定結果がYESすなわち他の印刷ジョブが存在する場合には、上記ステップS27において保存したプリントデータAの印刷ジョブを最上位にして(ステップS29)、上記プリントデータAを印刷し(ステップS30)、印刷処理を終了する。
【0067】
ここで、上記ステップS30では、上記給紙部40から用紙を上記画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部20により画像が形成された用紙を上記排紙部80により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90により上記用紙に後処理を施す。
【0068】
すなわち、上記画像形成装置2の制御部120は、上記ステップS4でフィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられた認証用データ保持部91からユーザー認証用データを読み込んで、上記ステップS7で上記フィニッシャ90のユーザー認証処理を行い、上記ステップS27で上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられた認証用データ保持部91からユーザデータAを読み込み、上記ステップS30で上記給紙部40から用紙を上記画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータAによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部20により画像が形成された用紙を上記排紙部80により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90により上記用紙に後処理を施す制御を行う。
【0069】
また、この画像形成装置2において、フィニッシャ90のユーザーAが原稿をコピーする場合には、上記ステップS27において、原稿読取部30により原稿を読み込み、プリントデータAとして画像記憶部60に格納することにより、上記ステップ20で上記給紙部40から用紙を上記画像形成部20に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータAによる画像を上記画像形成部20により給紙された用紙に形成することができる。
【0070】
上記印刷システム10では、画像形成装置2の制御部120が、この画像形成装置2のフィニッシャ差込口22に差し込まれたフィニッシャ90に設けられている認証情報保持部91に保持されている認証データに基づいて上記フィニッシャ90のユーザー認証を行ってから、印刷処理を実行するので、画像形成装置のセキュリティを向上させることができる。また、ユーザーは自分の用紙を自分で管理することができ、操作性に優れた機密文書印刷を行なうことができる。また、ユーザーは、画像形成装置2のフィニッシャ差込口22にフィニッシャ90を差し込んで、印刷処理を実行するので、自分が出力したい印刷物の出力待ち時間を短縮することができる。さらに、給紙カセット、給紙サイズ、給紙方向の人間による誤操作を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明を適用した印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記印刷システムにおけるクライアントの構成を示すブロック図である。
【図3】上記印刷システムにおける画像形成装置の外観を示す正面図である。
【図4】上記画像形成装置のハードウエア構成をブロック図である。
【図5】上記画像形成装置の制御部の構成をブロック図である。
【図6】上記印刷システムにおいて上記画像形成装置により実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】上記印刷システムにおいて上記画像形成装置により実行される他の印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1 クライアント、
2 画像形成装置、
3 ネットワーク、
10 印刷システム、
20 画像形成部、
21 本体部、
22 フィニッシャ差込口、
30 原稿読取部、
40 給紙部、
50 操作表示部、
60 画像記憶部、
70 画像処理部、
80 排紙部、
90 フィニッシャ、
91 認証情報保持部、
111 CPU、
112 ROM、
113 RAM、
114 ハードディスク、
115 表示部、
116 入力部、
117 ネットワークインターフェース、
118 バス、
120 制御部、
121 ROM、
122 RAM、
123 EEPROM、
124 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィニッシャが着脱可能に差し込まれるフィニッシャ差込口を有し、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより画像が形成された用紙に後処理を施す機能を有する画像形成装置であって、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
上記画像形成部に用紙を給紙する給紙部と、
上記画像形成部により画像が形成された用紙を排紙する排紙部と、
これらの動作を制御する制御部と、
上記フィニッシャに設けられ、ユーザー認証用データを保持した認証用データ保持部とを備え、
上記制御部は、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込んで、上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、上記給紙部から用紙を上記画像形成部に給紙し、認証されたユーザーのプリントデータによる画像を上記画像形成部により給紙された用紙に形成し、上記画像形成部により画像が形成された用紙を上記排紙部により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより上記用紙に後処理を施す制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データとプリンタドライバから与えられるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記制御部は、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データと操作部から入力されるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記制御部は、プリンタドライバからユーザーのプリントデータが与えられることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記認証用データ保持部は、ユーザー認証用データとともにユーザーのプリントデータを保持しており、
上記制御部は、上記認証用データ保持部は、ユーザー認証用データとともにユーザーのプリントデータを読み込むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿を読み取る画像読取部を備え、
上記制御部は、上記画像読取部より読み取った原稿の画像をプリントデータとする特徴とする請求項1又は請求項3記載の画像形成装置。
【請求項7】
フィニッシャが着脱可能に差し込まれるフィニッシャ差込口を有し、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより画像が形成された用紙に後処理を施す機能を有する画像形成装置の制御プログラムであって、
上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部からユーザー認証用データを読み込み、
上記ユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を行い、
上記給紙部から用紙を上記画像形成部に給紙し、
認証されたユーザーのプリントデータによる画像を画像形成部により給紙された用紙に形成し、
上記画像形成部により画像が形成された用紙を排紙部により排紙する際に、上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャにより上記用紙に後処理を施す制御を上記画像形成装置のコンピュータに行わせることを特徴とする画像形成装置の制御プログラム。
【請求項8】
上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データとプリンタドライバから与えられるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を上記画像形成装置のコンピュータに行わせることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置の制御プログラム。
【請求項9】
上記フィニッシャ差込口に差し込まれたフィニッシャに設けられた認証用データ保持部から読み込んだユーザー認証用データと操作部から入力されるユーザー認証用データに基づいて上記フィニッシャのユーザー認証処理を上記画像形成装置のコンピュータに行わせることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−44322(P2008−44322A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224505(P2006−224505)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】