説明

画像形成装置及び消耗品ユニット

【課題】消耗品ユニット交換時に、無線タグに記憶されている属性情報を効率的かつ速やかに取得可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】属性情報を記憶する無線タグ9が貼付された消耗品ユニットと、前記属性情報を無線通信する無線タグインタフェース部7と、装置本体の動作制御を行う制御部5と、を接続する通信ライン8を備えた画像形成装置1であって、前記無線タグインタフェース部7に、前記消耗品ユニットの装着を検出する装着検出部71と、前記装着検出部71による前記消耗品ユニットの装着検出時に自発的に前記無線タグ9から前記属性情報を読み取る無線通信部72と、前記無線通信部72により読み取られた前記属性情報を記憶するメモリ73と、前記通信ライン8を介した前記制御部5からの入力要求に応じて前記メモリ73に記憶された属性情報を出力する通信処理部74を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、属性情報が記憶された無線タグが取り付けられ、装置本体に着脱自在な消耗品ユニットと、前記無線タグに対してデータを読書きする無線タグインタフェース部と、前記無線タグインタフェース部と通信ラインを介して接続された制御部とを備え、前記制御部が前記通信ラインを介して得られる前記無線タグインタフェース部で読み取られた属性情報に基づいて前記消耗品ユニットを管理するように構成されている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置に組み込まれる現像装置等の、所定の機能を実現する機能ブロックは、メンテナンスフリーの観点から、着脱自在な消耗品ユニットとして構成されている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載されているように、現像装置がプロセスカートリッジと呼ばれる消耗品ユニットとして構成され、プロセスカートリッジを構成するケーシング内部に充填された現像剤の属性情報や製造日等、消耗品ユニット毎の管理情報が規定された属性情報が格納されたメモリが消耗品ユニットの外面に取り付けられている。
【0004】
このようなメモリは、装置本体がアクセス可能なRFIDタグと称する無線タグに組み込まれる。特許文献2に記載されているように、無線タグは半導体装置として構成され、前記メモリの情報へのアクセス制御を実施する演算処理部と、装置本体に設けられた無線タグインタフェース部との通信制御を行う無線通信処理部と、無線通信の電波による電磁誘導を利用して、前記演算処理部と通信処理部の実行に必要な電力を供給する(以下、「プリチャージ」と記す。)電源供給部が備えられている。
【0005】
一方、装置本体の制御部は、消耗品ユニットの装着検出時に、消耗品ユニットに取り付けられた無線タグのメモリから消耗品ユニットの属性情報を取得し、当該取得した属性情報に基づいて、たとえば、消耗品残量を示す属性情報を利用してトナーの撹拌動作を実施し、トナーの帯電量を調整する等の復帰準備動作を実行する、あるいは、消耗品ユニットの属性情報を操作パネルに表示する等、装置本体の機能を統括して管理するように構成されている。
【0006】
たとえば、操作者が消耗品ユニットを装置本体から離脱し、交換用の消耗品ユニットを装着した場合に、制御部が復帰準備動作を実行する形態について、図4を用いて説明する。
【0007】
図4に示すように、操作者が装置本体の消耗品ユニットの着脱カバーを開けると(SA01)、制御部は、装置本体に備えられたカバー開閉センサ等により、カバーが開いたことを検出する(SB01)。
【0008】
続いて、操作者は、消耗品ユニットを離脱し(SA02)、交換用の消耗品ユニットを装着後(SA03)、装置本体のカバーを閉める(SA04)。
【0009】
続いて、制御部は、カバー開閉センサ等により、カバーが閉められたことを検出すると(SB02)、消耗品ユニットの格納部に備えられた脱着検出センサ等により、消耗品ユニットの装着状態を確認する(SB03)。
【0010】
消耗品ユニットが装着されていない場合は、たとえば、装置本体に備えられた操作パネルを利用して、操作者に消耗品ユニットが適切に装着されていない旨のメッセージを表示する等の方法で、操作者に警告する(SB04E)。
【0011】
消耗品ユニットが装着されている場合は、制御部は、たとえば、トナーカートリッジのトナー撹拌処理や、消耗品残量を操作パネルに表示する等、の復帰準備動作を開始する(SB04)。
【0012】
続いて、制御部が前記復帰準備動作を実行中に、消耗品ユニットの属性情報の取得が必要となった場合は、通信ラインを介して、当該属性情報の読み取り要求を、装置本体の無線タグインタフェース部に出力する(SB11)。
【0013】
無線タグインタフェース部は、制御部からの前記入力要求に応じ、無線タグと無線通信を行うために無線タグのプリチャージに必要な搬送波を出力し(SC11)、無線タグのプリチャージが完了するまで一定の期間(1〜2ms)待つ状態となる(SC12)。
【0014】
無線タグは、受信した搬送波の電磁誘導力を利用して電源供給部により電力を生成し、プリチャージを完了する(SD11)。
【0015】
続いて、無線タグインタフェース部は、制御部からの前記入力要求に基づいて、前記属性情報の読み取りコマンドを無線通信用の電波へ変調し、無線タグに送信する(SC13)。
【0016】
続いて、無線タグは、無線通信処理部により無線タグインタフェース部から受信した電波を電気信号へ復調し(SD12)、演算処理部へ出力する。続いて、演算処理部は、受信した読み取りコマンドの実行を開始し、属性情報をメモリから読み込み(SD13)、無線通信処理部へ出力する。
【0017】
続いて、無線通信処理部は、メモリから読み込まれた属性情報を電気信号から電波へ変調し(SD14)、終了を示すコードと当該属性情報のデータを無線インタフェース部に返信する(SD15)。
【0018】
続いて、無線タグインタフェース部は、無線タグから受信した電波を電気信号へ復調後、終了を示すコードと当該属性情報のデータを、通信ラインを介して制御部へ出力する(SC14)。
【0019】
前記属性情報とは別の属性情報を取得する場合は、上述の制御部による属性情報の読み取り要求から始まる一連の処理(SB1)を繰り返す。
【0020】
続いて、制御部は、復帰準備動作の完了後、装置本体の復帰準備が完了した旨を操作者へ通知する(SB05)。
【0021】
【特許文献1】特開2003−271042号公報
【特許文献2】特開2006−121060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかし、上述した従来の画像形成装置では、消耗品ユニットの交換を検出した装置本体の制御部が、通信ラインを介して無線タグインタフェース部に、複数の属性情報を一つずつ要求し、無線タグインタフェース部がその都度、無線タグをプリチャージし、読み取った属性情報を装置本体の制御部に送信するように構成されていたために、必要な属性情報を全て取得するまでに、煩雑な処理が繰り返され、時間がかかるという問題があった。
【0023】
さらに、消耗品ユニットは、管理者でなくとも一般ユーザが容易に着脱可能に構成されており、当該一般ユーザが複数枚の印刷物を出力中に、消耗品ユニットの交換を行う必要が生じた場合等に、当該消耗品ユニットの復帰準備動作にかかる時間を煩わしく感じることがあった。
【0024】
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、消耗品ユニット交換時に、無線タグに記憶されている属性情報を効率的かつ速やかに取得可能な画像形成装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上述の目的を達成するため、本発明による画像形成装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、属性情報が記憶された無線タグが取り付けられ、装置本体に着脱自在な消耗品ユニットと、前記無線タグに対してデータを読書きする無線タグインタフェース部と、前記無線タグインタフェース部と通信ラインを介して接続された制御部とを備え、前記制御部が前記通信ラインを介して得られる前記無線タグインタフェース部で読み取られた属性情報に基づいて前記消耗品ユニットを管理するように構成されている画像形成装置であって、前記無線タグインタフェース部に、前記消耗品ユニットの装着を検出する装着検出部と、前記装着検出部による前記消耗品ユニットの装着検出時に自発的に前記無線タグから前記属性情報を読み取る無線通信部と、前記無線通信部により読み取られた前記属性情報を記憶するメモリと、前記通信ラインを介した前記制御部からの入力要求に応じて前記メモリに記憶された属性情報を出力する通信処理部を備えている点にある。
【0026】
上述の構成によれば、前記無線タグインタフェース部は、前記制御部からの入力要求を要することなく、自身で前記消耗品ユニットの装着を検出後、自発的に前記無線タグとの無線通信を実行して前記消耗品ユニットの属性情報を読み取り、前記メモリに記憶することができるようになる。
【0027】
また、前記無線タグインタフェース部は、前記制御部からの入力要求があった場合に、無線通信を行わずに前記メモリに記憶された属性情報を出力するだけでよく、当該属性情報を取得する処理の構成が簡略化され、当該処理にかかる時間を削減できるようになる。
【0028】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記無線通信部は、前記無線タグに対する一回のプリチャージで必要な属性情報を全て読み取るように構成されている点にある。
【0029】
上述の構成によれば、前記無線タグインタフェース部は、前記制御部から複数の属性情報を取得するよう入力要求があった場合に、前記メモリに既に記憶されている前記消耗品ユニットの全ての属性情報の中から、前記入力要求の示す複数の属性情報の抽出が可能である。
【0030】
したがって、無線通信の実施回数が削減され、プリチャージに必要な電波を生成するための消費電力も削減することができるようになる。さらに、無線通信にかかっていた時間も削減され、前記複数の属性情報の取得にかかっていた全体的な時間を削減することができるようになる。
【0031】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または二特徴構成に加えて、前記制御部は、前記消耗品ユニットの着脱カバーの開閉を検出し、前記着脱カバーが閉じられたことを検出したときに、前記無線タグインタフェース部に前記消耗品ユニットの装着状態を確認要求し、前記消耗品ユニットの装着を確認した後に前記無線タグインタフェース部に前記入力要求を出力するように構成されている点にある。
【0032】
上述の構成によれば、前記制御部は、前記消耗品ユニットの属性情報を取得する場合に、無線タグインタフェース部を介して、当該装着された消耗品ユニットが交換されたかどうかを事前に確認可能である。
【0033】
したがって、前記制御部は、たとえば、消耗品ユニットの着脱カバーの開閉のみが実施された場合等、前記消耗品ユニットが未交換である場合は、消耗品ユニット交換時に実行される復帰準備動作を実行しないよう制御することができるようになる。
【0034】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、前記消耗品ユニットが、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に組み込み可能な点にある。
【発明の効果】
【0035】
以上説明した通り、本発明によれば、消耗品ユニット交換時に、無線タグに記憶されている属性情報を効率的かつ速やかに取得可能な画像形成装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、本発明を適用した画像形成装置の一例として、モノクロプリンタ(以下、「プリンタ」と記す。)について説明する。
【0037】
プリンタ1は、図2に示すように、外部装置から電子データとして入力された画像データに、解像度補正等の所定の処理を施して出力画像データを生成する出力画像データ生成部2と、出力画像データ生成部2からの出力画像データに基づいて記録媒体である用紙Dに画像を形成して出力する画像形成部3と、プリンタ1の稼動状況を表示する液晶表示部とメンテナンス時の入力操作用のハードキー群を備えた操作パネル部4と、消耗品ユニットの格納箇所に取り付けられた開閉可能な着脱カバー61と、着脱カバー61の開閉を検出するカバー開閉検出部6と、各部を統括制御する制御部5と、を備えて構成されている。
【0038】
なお、プリンタ1は、公知の電子写真方式により、外部装置から電子データとして入力された画像データに基づいて、トナー画像を形成し、当該トナー画像を用紙に記録するものであり、本発明の本質とは直接関係しないものについては、詳細な説明を省略する。
【0039】
画像形成部3は、出力画像データ生成部2からの出力画像データに基づいて感光体311にトナー画像を形成するトナー画像形成部31と、トナー画像を加熱して用紙上に定着させる定着部32と、用紙を搬送する搬送部33とを備えて構成されている。
【0040】
トナー画像形成部31は、感光体311と、感光体311の周囲に順に配置され、表面を均一にコロナ帯電する帯電チャージャー312と、帯電された感光体311を露光して静電潜像を形成するプリントヘッド313と、感光体311に形成された静電潜像にトナーを静電付着させて顕像化するトナーカートリッジ315と、トナー像を用紙Dに転写する転写部316と、転写後に感光体311に残存するトナーを除去するクリーニング部317と、感光体311表面の残留電位を落して均一にする除電ランプ318と、を備えて構成されている。
【0041】
搬送部33は、給紙カセット331と、給紙カセット331から用紙Dを1枚ずつ搬送する給紙搬送部332と、給紙された用紙Dを転写部316に搬送して、トナー像が転写された用紙Dを定着部32に向けて搬送する定着搬送部333と、定着部32を通過した用紙Dを排紙トレイ334に排紙する排紙搬送部335とを備えて構成されており、搬送部33の各々には搬送用のローラが設けられている。
【0042】
給紙カセット331は、用紙Dを補充する場合に、プリンタ1から手前に引き出せる構造となっており、引き出した給紙カセット331に必要に応じて新たな用紙Dを補充して再びプリンタ1に押し入れるように構成されている。
【0043】
制御部5は、所定の制御プログラムに基づいて操作パネル部4の表示の制御や、後述する画像形成制御部、および操作制御部等の各制御部の制御を行うCPUと、制御プログラムが格納されるROMと、作業領域等として使用されるRAMとを備えて構成されている。
【0044】
また、図3に示すように、制御部5は、出力画像データ生成部2と画像形成部3を制御する画像形成制御部300や、操作パネル部4の入出力信号を制御する操作制御部400等の各制御部の各々と通信ライン8を介して接続されており、各制御部の動作タイミング等を制御することによってプリンタ1の印刷動作を制御している。
【0045】
以下に、プリンタ1の印刷動作について説明する。
【0046】
まず、外部装置から印刷要求が入力されると、出力画像データ生成部2により印刷要求入力された画像データに、プリンタの性能に応じた解像度補正をする等の所定の処理が施され、出力画像データが生成される。
【0047】
一方、給紙カセット331から給紙された用紙Dは、給紙搬送部332と定着搬送部333によりトナー画像形成部31へ搬送され、トナー画像形成部31において、出力画像データに基づいて形成されたトナー像が用紙Dに転写される。
【0048】
トナー像を転写された用紙Dは、定着搬送部333により定着部32に搬送され、定着部32でトナー像が定着された後に、排紙搬送部335により排紙トレイ334に排紙される。
【0049】
以下に、装置本体に着脱自在な消耗品ユニットとして構成されるトナーカートリッジ315について説明する。
【0050】
図2に示すように、トナーカートリッジ315は、プリンタ1上面に開閉可能に備えられた着脱カバー61を開き、プリンタ1上面から着脱可能に構成されている。
【0051】
トナーカートリッジ315は、たとえば、トナーを収納するためのケーシング319と、感光体311に形成された静電潜像にトナーを静電付着させて顕像化する現像ローラ314と、ケーシング319内のトナーを撹拌しながら現像ローラ314へ搬送する移送スクリュー310と、ケーシング319に貼付された無線タグ9等を備えた消耗品ユニットとして構成されている。
【0052】
無線タグ9は、自身が貼付されているトナーカートリッジ315に充填されているトナーの種類、トナー容量、トナー色情報、製造時期、出荷地域コード、シリアルナンバー等、消耗品ユニット毎の管理情報が規定された属性情報が記憶されているメモリ93を備えて構成されている。
【0053】
さらに、メモリ93は、印刷枚数、トナー消費量、新規区分、トナー空情報等、制御部5が印刷動作の制御に使用する属性情報を書き込み可能に構成されている。
【0054】
メモリ93は、プリンタ1への給電を停止しても記憶されている製造情報が消えてしまわないように不揮発性であって、例えば、EEPROM、フラッシュメモリ、FeRAM等で構成されている。
【0055】
さらに、無線タグ9は、図3に示すように、メモリ93の情報へのアクセス制御を実施する演算処理部91と、後述する装置本体に設けられた無線タグインタフェース部7との通信制御を行う無線通信処理部92と、無線通信の電波による電磁誘導を利用して、演算処理部91と無線通信処理部92の実行に必要な電力を供給する電源供給部94を備えている。
【0056】
また、無線タグ9に記憶された属性情報を読み取る、あるいは、印刷動作制御に使用する属性情報を書き込むための無線タグインタフェース部7は、トナーカートリッジ315を支持するフレーム上に構成されている。
【0057】
無線タグインタフェース部7は、図3に示すように、消耗品ユニットであるトナーカートリッジ315の装着を検出する装着検出部71と、電波によって無線タグ9と属性情報を無線にて送受信可能な無線通信部72を備えている。
【0058】
装着検出部71は、図2に示すように、たとえば、ボタンの押下状態を検出するプッシュスイッチ等で構成され、トナーカートリッジ315の装着時にボタンの押下状態が変化することにより、装着を示す電気信号を出力するよう構成されている。
【0059】
無線通信部72は、図2に示すように、無線タグ9との無線通信を支障なく行うために、無線タグ9の近傍の対向する位置に構成されている。
【0060】
さらに、無線タグインタフェース部7は、図3に示すように、無線通信部72により読み取られた消耗品ユニットの属性情報を記憶するメモリ73と、通信ラインを介した制御部5からの入力要求に応じて、メモリ73に記憶された属性情報を出力する通信処理部74と、を備えている。
【0061】
制御部5は、通信ライン8を介して無線タグインタフェース部7と接続され、通信ライン8を介して得られる無線タグインタフェース部7で読み取られた属性情報に基づいて、消耗品ユニットを管理する。
【0062】
以下では、無線通信部72は、装着検出部71による消耗品ユニットの装着検出時に、自発的に無線タグ9から属性情報を読み取る実施形態について、上述の構成例と、図1に基づいて説明する。
【0063】
図1に示すように、操作者が消耗品ユニットとして構成されたトナーカートリッジ315を交換するために、着脱カバー61を開けると(S101)、制御部5は、カバー開閉検出部6から通信ライン8を介して受信した電気信号により、カバーが開いたことを検出する(S501)。
【0064】
続いて、操作者がトナーカートリッジ315を離脱すると(S102)、無線タグインタフェース部7は、装着検出部71が出力した電気信号により、トナーカートリッジ315が離脱されたことを検出する(S701)。
【0065】
続いて、操作者は、交換用のトナーカートリッジ315を装着すると(S103)、無線タグインタフェース部7は、装着検出部71が出力した電気信号により、トナーカートリッジ315が装着されたことを検出する(S702)。
【0066】
無線タグインタフェース部7は、トナーカートリッジ315が装着されたことを検出すると、無線タグ9との無線通信を行うため、自発的に無線通信部72を介して無線タグ9のプリチャージに必要な搬送波を出力し(S703)、無線タグ9のプリチャージが完了するまで一定の期間(1〜2ms)待つ状態となる(S704)。
【0067】
無線タグ9は、受信した搬送波の電磁誘導力を利用して電源供給部94により電力を生成し、プリチャージを完了する(S901)。
【0068】
続いて、無線タグインタフェース部7は、無線通信部72を介して、トナーカートリッジ315の属性情報の読み取りコマンドを無線通信用の電波へ変調し、無線タグ9に送信する(S705)。
【0069】
続いて、無線タグ9は、無線通信処理部92により無線タグインタフェース部7から受信した電波を電気信号へ復調し(S902)、演算処理部91へ出力する。
【0070】
続いて、演算処理部91は、受信した読み取りコマンドの実行を開始し、属性情報をメモリ93から読み込み(S903)、無線通信処理部92へ出力する。
【0071】
続いて、無線通信処理部92は、メモリ93から読み込んだ属性情報を電気信号から電波へ変調し(S904)、終了を示すコードと当該属性情報を無線インタフェース部7の無線通信部72に返信する(S905)。
【0072】
続いて、無線タグインタフェース部7は、無線通信部72を介して取得した属性情報をメモリ73に格納する(S706)。
【0073】
一方、操作者は、交換用のトナーカートリッジ315を装着後に、着脱カバー61を閉めると(S104)、制御部5は、カバー開閉検出部6から通信ライン8を介して受信した電気信号により、カバーが閉められたことを検出する(S502)。
【0074】
続いて、制御部5は、トナーカートリッジ315の装着状態を無線タグインタフェース部7に確認する(S503)。
【0075】
無線タグインタフェース部7は、装着検出部71を介してトナーカートリッジ315の装着状態を確認し、通信処理部74により、通信ライン8を介して当該確認したトナーカートリッジ315の装着状態を制御部5に出力する(S707)。
【0076】
制御部5は、無線タグインタフェース部7から出力されたトナーカートリッジ315の装着状態が未装着の状態を示していた場合は、たとえば、トナーカートリッジ315が適切に装着されていない旨のメッセージを操作パネル4に表示する等の方法で、操作者に警告する(S504E)。
【0077】
トナーカートリッジ315の装着状態が装着の状態を示していた場合は、制御部5は、たとえば、トナーカートリッジ315のトナー撹拌処理や、消耗品残量を操作パネル4に表示する等、の復帰準備動作を開始する(S504)。
【0078】
続いて、制御部5が復帰準備動作を実行中に、交換されたトナーカートリッジ315の属性情報の取得が必要となった場合は、通信ライン8を介して、当該属性情報の読み取り要求を、無線タグインタフェース部7に出力する(S511)。
【0079】
無線タグインタフェース部7は、制御部5からの属性情報の読み取り要求に応じて、通信処理部74により、メモリ73に格納された属性情報を読み取り(S711)、通信ライン8を介して、当該読み取った属性情報を制御部5に出力する(S712)。
【0080】
当該属性情報とは別の属性情報を取得する場合は、上述の制御部5による属性情報の読み取り要求から始まる一覧の処理(S51)を繰り返す。しかし、当該繰り返す一連の処理(S51)は、無線タグインタフェース部7の通信処理部74により、メモリ73から属性情報を取得後、通信ライン8を介してメモリ73から取得した属性情報を出力するのみである。
【0081】
したがって、一つの属性情報の取得に要する時間は、メモリ73のアクセスにかかる時間と、通信ライン8を介した属性情報の通信にかかる時間のみとなり、無線通信部72を介した無線タグ9との無線通信にかかる時間は含まれないことになる。
【0082】
続いて、制御部5は、復帰準備動作の完了後、たとえば、復帰準備が完了した旨のメッセージを操作パネル4に表示する等の方法で、操作者へプリンタ1の復帰準備が完了した旨を通知する(S505)。
【0083】
なお、上述の実施形態では、トナーカートリッジ315に貼付された無線タグから、属性情報を読み取る実施形態について説明した。
【0084】
一方、制御部5が、たとえば、トナーカートリッジ315のトナー残量に応じて、トナー撹拌処理の時間を調整してトナーの帯電量を調整する等、印刷動作を制御する上で必要な消耗品の属性情報を記憶する場合に、消耗品ユニットの無線タグのメモリに属性情報を書き込む実施形態について、上述の実施形態に基づいて以下に説明する。
【0085】
制御部5は、属性情報の書込みが必要な場合に、無線タグインタフェース部7内のメモリ73に当該属性情報を書き込むよう、無線タグインタフェース部7に要求する。
【0086】
続いて、無線タグインタフェース部7は、制御部5からの入力要求に応じて、メモリ73内に、当該属性情報を記憶する。
【0087】
続いて、制御部5が再び当該属性情報の取得が必要な場合は、上述のように、無線タグインタフェース部7を介して、メモリ73内に記憶された当該属性情報を取得するのみでよく、無線タグ9との無線通信を行う必要はない。
【0088】
しかし、制御部5は、トナーカートリッジ315が離脱される前に、無線タグインタフェース部7のメモリ73に記憶されている属性情報を、当該トナーカートリッジ315に貼付された無線タグ9に書き込む必要がある。
【0089】
したがって、制御部5は、操作者により着脱カバー61が開けられたことを検出した場合は、無線通信部72を介して、メモリ73に記憶された全ての属性情報を書き込むコマンドを、当該全ての属性情報とともに無線タグ9に送信し、無線タグ9の演算処理部91により、当該コマンドを実行するよう構成する必要がある。
【0090】
以下では、無線通信部72は、無線タグ9に対する一回のプリチャージで必要な属性情報を全て読み取るように構成されている画像形成装置の実施形態について、上述の構成例に基づいて説明する。
【0091】
上述の図1に示すように、無線タグインタフェース部7は、装着検出部71を介して消耗品ユニットとして構成されたトナーカートリッジ315の装着を検出すると(S702)、自発的に無線タグのプリチャージを行い(S703、S901、S704)、無線通信部72を介して、トナーカートリッジ315の属性情報の読み取りコマンドを無線通信用の電波へ変調し、無線タグ9に送信する(S705)。
【0092】
このとき、無線通信部72を介して送信される属性情報の読み取りコマンドを、トナーカートリッジ315に貼付された無線タグ9のメモリ93内から、読み取り可能な全ての属性情報を読み取るように構成すればよい(S903)。
【0093】
この場合、無線タグ9が演算処理部91によりメモリ読み込みの処理(S903)を実施するときに、無線通信部72から受信した読み取りコマンドに基づいて、読み取り可能な全ての属性情報を読み込み、当該読み込んだ全ての属性情報を変調して無線通信部72に返信する。
【0094】
続いて、無線タグインタフェース部7は、無線通信部72を介して取得した全ての属性情報をメモリ73に格納する(S706)よう構成すればよい。
【0095】
以下では、制御部5は、消耗品ユニットの着脱カバーの開閉を検出し、着脱カバー61が閉じられたことを検出したときに、無線タグインタフェース部7に消耗品ユニットの装着状態を確認要求し、消耗品ユニットの装着を確認した後に無線タグインタフェース部7に入力要求を出力するように構成されている画像形成装置の実施形態について、上述の構成例に基づいて説明する。
【0096】
後述するように、無線タグインタフェース部7は、消耗品ユニットの装着状態として、消耗品ユニットが交換されたか、あるいは、未交換であることを示す情報をメモリ73に記憶するよう構成する。
【0097】
まず、上述の図1に示すように、操作者が消耗品を離脱し(S102)、無線タグインタフェース部7が装着検出部71を介して消耗品ユニットが離脱されたことを検出した(S701)場合は、メモリ73に記憶されている消耗品ユニットを識別する属性情報を複写して退避するよう、無線タグインタフェース部7を構成する。
【0098】
なお、離脱前の消耗品ユニットを識別する属性情報を記憶することにより、メモリ73の容量が不足する場合は、増設メモリやハードディスクを無線タグインタフェース部7に備えるよう構成しても構わない。
【0099】
続いて、上述のように、操作者が消耗品を装着し(S103)、無線タグインタフェース部7が装着検出部71を介して消耗品ユニットの装着を検出した(S702)場合は、自発的に装着された消耗品ユニットの無線タグ9から、消耗品ユニットを識別する属性情報を取得する。
【0100】
このとき、無線タグインタフェース部7は、無線通信部72を介して無線タグ9から取得した属性情報と、メモリ73に退避しておいた離脱前の属性情報とを比較し、別の消耗品ユニットに交換されたかどうかを確認するよう構成する。
【0101】
消耗品ユニットが交換後に装着された場合は、上述のように、無線通信部72を介して取得した属性情報をメモリ73に記憶するとともに、消耗品ユニットが交換されたことを示す情報をメモリ73に記憶するよう、無線タグインタフェース部7を構成する。
【0102】
消耗品ユニットが未交換のまま装着された場合は、消耗品ユニットが未交換であることを示す情報をメモリ73に記憶するよう、無線タグインタフェース部7を構成する。
【0103】
続いて、上述のように、制御部5は、着脱カバー61の開閉を検出し、着脱カバー61が閉じられたことを検出した場合に、無線タグインタフェース部7に消耗品ユニットの装着状態の確認を要求する(S503)。
【0104】
このとき、無線タグインタフェース部7は、上述のメモリ73に記憶しておいた消耗品ユニットが交換されたか、あるいは、未交換であるかを返信するよう構成する(S707)。
【0105】
続いて、制御部5は、無線タグインタフェース部7から受信した消耗品ユニットの装着状態を確認した結果、消耗品ユニットが交換されたことを示していた場合は、上述のように復帰準備動作を開始するよう構成する。消耗品ユニットが未交換であることを示していた場合は、たとえば、消耗品ユニットの初期設定動作を行わない等、復帰準備動作を省略するよう構成する(S504)。
【0106】
以下では、上述の画像形成装置に用いられる消耗品ユニットの実施形態について説明する。
【0107】
上述の実施形態では、トナーカートリッジ315は、ケーシング319と現像ローラ314と移送スクリュー310が一体化された消耗品ユニットとして構成されていた。
【0108】
しかし、現像ローラとトナー供給部から搬送されるトナーを収納可能なケーシングを備えた現像部と、トナーを収納するケーシングと現像部へトナーを供給する移送スクリューを備えたトナー供給部に分離し、それぞれ、着脱可能な消耗品ユニットとして構成しても構わない。
【0109】
また、磨耗や破損などにより交換する可能性がある、感光体や、給紙カセット等、画像形成装置のその他の構成要素を着脱自在な消耗品ユニットとして構成し、属性情報が記憶された無線タグを貼付しても構わない。ただし、無線タグとの無線通信が可能となるように、無線タグインタフェース部も構成する必要があることはいうまでもないであろう。
【0110】
また、上述の実施形態では、制御部が印刷動作を制御するのに必要な消耗品ユニットの属性情報を消耗品ユニットの無線タグのメモリに書き込む形態について説明したが、たとえば、印刷枚数や、離脱した時期等、直接印刷動作の制御に必要ではない情報を、消耗品ユニットの無線タグのメモリに書き込み可能に構成しても構わない。
【0111】
この場合、消耗品ユニットをリサイクルする場合など、無線タグのメモリに書き込まれた情報を取得して、消耗品ユニットの性能評価あるいは統計情報として活用することができるようになる。
【0112】
以下、別実施形態について説明する。
【0113】
上述の実施形態では、本発明を適用した画像形成装置として、モノクロプリンタについて説明したが、着脱可能な消耗品ユニットを使用する構成を有する機器であればモノクロプリンタ以外であっても構わない。
【0114】
たとえば、画像形成装置がカラープリンタである場合は、異なる色のトナーが充填された複数のトナーカートリッジを消耗品ユニットとして構成し、プリンタ内部にタンデムに配置する、あるいは、ロータリー型の現像機構に着脱自在に配置するよう構成可能である。
【0115】
ただし、消耗品ユニットに貼付された無線タグとの無線通信が可能なよう、無線タグインタフェース部を構成する必要があることはいうまでもない。
【0116】
さらに、プリンタ以外であっても、モノクロ複写機や、カラー複写機、複合機、FAX等であっても構わない。
【0117】
上述した実施形態は何れも本発明の一実施例に過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明による消耗品ユニットの属性情報を無線タグから取得する手順を示すシーケンス図
【図2】本発明の画像形成装置の一例であるモノクロプリンタの内部構成図
【図3】本発明の画像形成装置の一例であるモノクロプリンタのブロック構成図
【図4】従来技術による消耗品ユニットの属性情報を無線タグから取得する手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
【0119】
1:プリンタ(画像形成装置)
2:出力画像データ生成部
3:画像形成部
4:操作パネル部
5:制御部
6:カバー開閉検出部
7:無線タグインタフェース部
8:通信ライン
9:無線タグ
61:着脱カバー
71:装着検出部
72:無線通信部
73:メモリ(無線タグインタフェース部)
74:通信処理部
315:トナーカートリッジ(消耗品ユニット)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性情報が記憶された無線タグが取り付けられ、装置本体に着脱自在な消耗品ユニットと、前記無線タグに対してデータを読書きする無線タグインタフェース部と、前記無線タグインタフェース部と通信ラインを介して接続された制御部とを備え、前記制御部が前記通信ラインを介して得られる前記無線タグインタフェース部で読み取られた属性情報に基づいて前記消耗品ユニットを管理するように構成されている画像形成装置であって、
前記無線タグインタフェース部に、前記消耗品ユニットの装着を検出する装着検出部と、前記装着検出部による前記消耗品ユニットの装着検出時に自発的に前記無線タグから前記属性情報を読み取る無線通信部と、前記無線通信部により読み取られた前記属性情報を記憶するメモリと、前記通信ラインを介した前記制御部からの入力要求に応じて前記メモリに記憶された属性情報を出力する通信処理部を備えている画像形成装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記無線タグに対する一回のプリチャージで必要な属性情報を全て読み取るように構成されている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記消耗品ユニットの着脱カバーの開閉を検出し、前記着脱カバーが閉じられたことを検出したときに、前記無線タグインタフェース部に前記消耗品ユニットの装着状態を確認要求し、前記消耗品ユニットの装着を確認した後に前記無線タグインタフェース部に前記入力要求を出力するように構成されている請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載された画像形成装置に用いられる消耗品ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−282153(P2009−282153A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132291(P2008−132291)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】