説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】現像ローラのチャージアップを解消し、所望の画像濃度が得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】キャリアとトナーを有し、このトナーを像担持体に供給してその潜像を現像する画像形成装置(1)であって、キャリア及びトナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラ(50)と、その表面に、抵抗調整剤が分散された樹脂層を有しており、磁気ブラシから移送されたトナーの層を形成する現像ローラ(60)と、非画像形成時において、磁気ブラシから現像ローラにトナーを移送させないように磁気ローラに印加するバイアスを変更するとともに、現像ローラのトナーで像担持体の潜像を現像するために現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくするリフレッシュ動作を行う制御手段(90)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアやトナーを有する2成分現像剤を用いた画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置では、静電潜像が形成された像担持体、例えば感光体ドラムの表面にトナー画像を現像し、このトナー画像を用紙に転写及び定着させる。
ここで、この画像形成装置には、いわゆるハイブリッド現像による方式がある。詳しくは、当該方式は、2成分現像方式と1成分現像方式とを組み合わせたものであり、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させ、このトナーのみをドラムに非接触で供給し、その表面にトナー画像を現像している。
【0003】
そして、当該方式を用いた技術が開示されており(例えば、特許文献1参照)、ドラムに対峙する現像ローラと、この現像ローラに対峙する磁気ローラとを備え、この磁気ローラにはキャリア及びトナーによる磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、現像ローラにトナーのみの層を形成する一方、現像後には当該トナー層を掻き取って回収する。
【0004】
また、この現像ローラには、アルミニウムの素管の外周面にアルマイトのコーティング層が形成されており、現像性向上のために、例えば現像ローラとドラムとの間隔を狭くする、或いは、現像バイアスの交流成分の値を大きくしても、印加電位のリークが防止可能になる。
一方、ウレタン樹脂等のコーティング層を表面に有した現像ローラの技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
これは、トナーのエージングに伴ってその表面電荷が大きくなり、現像ローラ表面に固着する点を鑑みたものである。なお、近年の高画質化や高精細化を図るべく小粒径のトナーを用いると、この現象がより顕著になる。
つまり、この現像ローラには、その表面にウレタン樹脂等のコーティング層を形成してトナーの固着を防止し、さらに、カーボンブラック等の抵抗調整剤を分散させてローラ表面の体積抵抗値や表面抵抗値を調整しており、印加電位のリーク防止も図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318092号公報
【特許文献2】特開平11−249414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、現像のさらなる高速化を達成するためには、現像バイアスの交流成分をさらに大きな値で現像ローラに印加し、現像ローラとドラムとのニップ領域を広げる必要がある。これら現像ローラとドラムとのニップ時間の減少分をさらに補うためである。よって、現像ローラは表面抵抗の高い構造を選択するのが望ましい。
【0008】
一方、上述の如く抵抗調整剤で調整し、ウレタン樹脂のコーティング層によって表面抵抗を単に高くすると、連続印字時に、この表面に電荷が溜まり(現像ローラのチャージアップ)、所望の画像濃度が得られないとの問題がある。
詳しくは、ベタ画像の濃度が徐々に薄くなる。磁気ローラと現像ローラとの電位差が小さくなり、所望量のトナーが現像ローラに向かい難くなるからである。これに対し、ハーフ画像の濃度は、現像ローラと像担持体との電位差が大きくなるに連れてトナーが余分に像担持体に向かうため、上昇するのである。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、現像ローラのチャージアップを解消し、所望の画像濃度が得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1の発明は、キャリアとトナーを有し、このトナーを像担持体に供給してその潜像を現像する画像形成装置である。
そして、キャリア及びトナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラと、その表面に、抵抗調整剤が分散された樹脂層を有しており、磁気ブラシから移送されたトナーの層を形成する現像ローラと、非画像形成時において、磁気ブラシから現像ローラにトナーを移送させないように磁気ローラに印加するバイアスを変更するとともに、現像ローラのトナーで像担持体の潜像を現像するために現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくするリフレッシュ動作を行う制御手段とを具備する。
【0011】
第1の発明によれば、キャリア及びトナーからなる2成分現像剤が用いられており、磁気ローラでは、この現像剤による磁気ブラシが形成され、このブラシは現像ローラにトナーの層を形成させる。そして、このトナーが像担持体に供給されることにより、トナー画像が現像される。一方、このブラシは、現像後には現像ローラのトナー層を掻き取って回収する。
【0012】
ここで、上述の如く現像のさらなる高速化を達成するためには、表面抵抗の高い構造を選択するのが望ましいが、樹脂層を設けることによって表面抵抗を単に高くすると、連続した画像形成時に、この表面に電荷が溜まり(現像ローラのチャージアップ)、所望の画像濃度が得られないとの問題がある。
しかしながら、本発明の制御手段では、現像ローラに対する滞留電荷の抜け制御(リフレッシュ制御)が施されている。
【0013】
具体的には、非画像形成時において、現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくする。これにより、現像ローラの表面に溜まった電荷を除去できる。
また、この現像ローラに印加するバイアスの直流成分を小さくする際には、現像ローラから像担持体へのカブリトナーの飛翔を防止する必要がある。そこで、磁気ローラから現像ローラにトナーを移送させないように、磁気ローラに印加するバイアスも変更しており、現像ローラにはトナーを担持させない状態にする。
【0014】
これらバイアス変更によるリフレッシュ制御の結果、現像の高速化を図りつつ、現像ローラではチャージ電荷のリフレッシュ、つまり、現像ローラのチャージアップ解消による所望の画像濃度が得られ、さらに、像担持体では画像品質の安定化も達成できる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、この装置の温度や湿度を検知する検知手段をさらに具備し、制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいてリフレッシュ動作の開始時期を変更することを特徴とする。
【0015】
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、上述した現像ローラのチャージアップは、例えば雰囲気中の水分量が少なくなるに連れて顕著となり、雰囲気中の水分量が多くなると、生じ難くなる。そこで、上記非画像形成時の開始時期、つまり、リフレッシュ動作の開始時期を装置の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ制御を現像ローラのチャージアップ解消に必要な時期に実施可能になる。
【0016】
第3の発明は、第2の発明の構成において、制御手段は、検知手段で検知された絶対水分量が少なくなるに連れてリフレッシュ動作の開始時期を早めることを特徴とする。
第3の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、雰囲気中の水分量が少なくなるに伴い、リフレッシュ動作の開始時期を早めれば、現像ローラでは所望の画像濃度、つまり許容濃度範囲内に確実に収めることができる。
【0017】
第4の発明は、第1から第3の発明の構成において、トナーは外添剤を含んでおり、制御手段は、この装置のトータル印字枚数が増加するに連れてリフレッシュ動作の開始時期を早めることを特徴とする。
第4の発明によれば、第1から第3の発明の作用に加えてさらに、トナーに含まれる外添剤は、装置のトータル印字枚数が増加するに連れて現像ローラに付着し、現像ローラの表面抵抗を高めてしまう。そこで、トータル印字枚数が増加するに伴い、リフレッシュ動作の開始時期を早めれば、この場合にも現像ローラでは所望の画像濃度、つまり許容濃度範囲内に確実に収めることができる。
【0018】
第5の発明は、第2の発明の構成において、制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいて、現像ローラへのバイアスの直流成分の印加期間、及び、この印加期間に相当する磁気ローラへのバイアスの直流成分の印加期間を変更することを特徴とする。
【0019】
第5の発明によれば、第2の発明の作用に加えてさらに、上述した現像ローラのチャージアップは、例えば雰囲気中の水分量が少なくなるに連れて顕著となり、雰囲気中の水分量が多くなると、生じ難くなる。そこで、各バイアスの直流成分の印加期間を装置の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ制御をチャージアップ解消に必要な期間で実施可能になる。
【0020】
第6の発明は、第2や第5の発明の構成において、制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいて、現像ローラへのバイアスの直流成分の印加値、及び、この印加に伴う磁気ローラへのバイアスの直流成分の印加値を変更することを特徴とする。
【0021】
第6の発明によれば、第2や第5の発明の作用に加えてさらに、上述した現像ローラのチャージアップは、例えば雰囲気中の水分量が少なくなるに連れて顕著となり、雰囲気中の水分量が多くなると、生じ難くなる。そこで、各バイアスの直流成分の印加値の大きさを装置の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ制御をチャージアップ解消に必要な量で実施可能になる。
【0022】
第7の発明は、第5や第6の発明の構成において、制御手段は、検知手段で検知された絶対水分量が少なくなるに連れて、各バイアスの直流成分の印加期間をそれぞれ長くする、又は、各バイアスの直流成分の印加値をそれぞれより小さくすることを特徴とする。
第7の発明によれば、第5や第6の発明の作用に加えてさらに、雰囲気中の水分量が少なくなるに伴い、現像ローラ及び磁気ローラ双方のバイアスの直流成分の印加期間を長くすれば、電荷を確実に抜くことができる。
【0023】
又は、雰囲気中の水分量が少なくなるに伴い、現像ローラ及び磁気ローラ双方のバイアスの直流成分の大きさを大きく下げれば、電荷の抜くスピードを速められるし、チャージアップ解消のための非画像形成期間も長くならない。
第8の発明は、第5から第7の発明の構成において、トナーは外添剤を含んでおり、制御手段は、この装置のトータル印字枚数が増加するに連れて、各バイアスの直流成分の印加期間をそれぞれ長くする、又は、各バイアスの直流成分の印加値をそれぞれより小さくすることを特徴とする。
【0024】
第8の発明によれば、第5から第7の発明の作用に加えてさらに、トナーに含まれる外添剤は、現像ローラの表面抵抗を高めることになるが、トータル印字枚数が増加するに伴い、現像ローラ及び磁気ローラ双方のバイアスの直流成分の印加期間を長くすれば、電荷を確実に抜くことができる。
又は、トータル印字枚数が増加するに伴い、現像ローラ及び磁気ローラ双方のバイアスの直流成分の大きさを大きく下げれば、電荷の抜くスピードを速められるし、チャージアップ解消のための非画像形成期間も長くならない。
【0025】
第9の発明は、キャリアを用いてトナーを帯電させ、このトナーを像担持体に供給してその潜像を現像する画像形成方法である。
そして、キャリア及びトナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラと、その表面に、抵抗調整剤が分散された樹脂層を有しており、磁気ブラシから移送されたトナーの層を形成する現像ローラとを具備しており、非画像形成時であるか否かを判定するステップと、この非画像形成時に、磁気ブラシが現像ローラからトナーを回収すべく、この磁気ローラに印加するバイアス値の変更するステップと、現像ローラのトナーで像担持体の潜像を現像するために該現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくするとともに、磁気ローラに印加するバイアス値を、この現像ローラに印加するバイアス値に略等しくするステップと、現像ローラに印加するバイアス値及び磁気ローラに印加するバイアス値を画像形成時の値にそれぞれ戻すステップとから構成される。
【0026】
第9の発明によれば、現像ローラに対する滞留電荷の抜け制御が施されている。具体的には、非画像形成時が判定された場合には、まず、磁気ローラに印加するバイアス値を変更しており、磁気ブラシが現像ローラからトナーを回収する。
続いて、現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値よりも小さくする。これにより、現像ローラの表面に溜まった電荷を除去できる。同時に、この現像ローラに印加するバイアスの直流成分を小さくする際には、磁気ローラから現像ローラにトナーを移送させないように、磁気ローラに印加するバイアス値を、この現像ローラに印加するバイアス値に略等しくしており、現像ローラにはトナーを担持させない状態にする。
【0027】
その後、現像ローラに印加するバイアス値及び磁気ローラに印加するバイアス値を画像形成時の値にそれぞれ戻して画像形成を再開する。
これらバイアス変更の結果、現像の高速化を図りつつ、現像ローラではチャージ電荷のリフレッシュによる所望の画像濃度が確実に得られ、さらに、像担持体では画像品質のより一層の安定化も達成できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、現像ローラではチャージ電荷のリフレッシュ制御が実施されており、このローラのチャージアップを解消して所望の画像濃度が得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施例における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の現像装置の断面図である。
【図3】図1の現像装置からドラムへの模式図である。
【図4】図1のコントローラによるリフレッシュ制御のフローチャートである。
【図5】図1のコントローラによるリフレッシュ制御のタイミングチャートである。
【図6】図4のリフレッシュ制御への移行間隔を説明するテーブルである。
【図7】本実験で用いた現像ローラA,Bの特性図である。
【図8】図7の現像ローラA,Bによる連続印字枚数と濃度推移との関係図である。
【図9】図7の現像ローラBによる連続印字枚数と濃度推移との関係図である。
【図10】図7の現像ローラBにリフレッシュ制御を実施した場合の連続印字枚数と濃度推移との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置1の概略構成図である。この装置1はカラー印刷機能を有しており、給紙カセット3の内部には、枚葉の用紙が積層状態で収納される。
また、この装置1の内部には、カセット3からの用紙搬送方向でみて下流側にレジストローラ対24、画像形成部4及び転写部71が順番に配置されている。
【0031】
画像形成部4は感光体ドラム(像担持体)5を有し(図2,3)、例えばタンデム方式の装置1ではイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応したドラム5が並設される。これらドラム5は回転自在に設置され、その1つのドラム5を例示すれば、図示しない駆動モータによって図2に示すようにその回転軸回りに反時計回りに駆動する。また、各ドラム5の周囲の適宜位置には、帯電器、図1の露光部20や現像装置7がそれぞれ設けられている。
【0032】
この帯電器は対応するドラム5の表面を一様に帯電させ、露光部20はレーザ光をドラム5に向けて照射する。なお、露光部20にはLEDが用いられていても良い。
また、用紙搬送方向でみて転写部71の下流側には定着部72及び排紙トレイが順番に配置されている。
【0033】
そして、この装置1が印刷を行う際は、カセット3からの用紙が1枚ずつ分離して送出される。送出された用紙はレジストローラ対24に到達する。このレジストローラ対24は、用紙の斜め送りを矯正しつつ、画像形成部4で形成されるトナー画像との画像転写タイミングを計りながら、用紙を転写部71に向けて送出する。
【0034】
一方、図1の参照符号80は入力ポートであり、この入力ポート80は、印刷の元になる画像データが外部やスキャナから受信可能に構成されている。この画像データは、文字や符号、図形、記号、線図、模様等の各種の画像がデータ化されたものである。このデータに基づき、コントローラ(制御手段)90では露光部20のレーザ光の照射を制御する。
このコントローラ90はコンピュータとして機能する要素であり、上述した画像形成部4等に電気的に接続されるとともに、CPUやメモリ等のハードウエア資源を有している。
【0035】
コントローラ90は、このハードウエア資源を用いて所定のプログラムを実行する。これにより、ドラム5の表面には、帯電・露光を経て静電潜像が形成される。現像装置7は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーを各ドラム5の表面に静電的に付着させる。
続いて、ドラム5の各表面にそれぞれ形成されたトナー画像は、例えば中間転写ベルトに順次転写され、1ページ分のトナー画像として合成される。
【0036】
そして、これら中間転写ベルトと転写部71との間を用紙が通過すると、ベルトに転写されたトナー画像は用紙に2次転写され、この用紙は定着部72に向けて搬送される。定着部72にて加熱及び加圧されてトナー画像が定着された用紙は排紙トレイに排出され、高さ方向に積層される。
ここで、本実施例の現像装置7には、2成分現像方式と1成分現像方式とを組み合わせた方式が採用されている。
【0037】
すなわち、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを例えば正帯電させ、この帯電したトナーのみをドラム5に向けて飛翔させており、非接触の現像方式によってトナー画像をドラム5に現像している。より具体的には、本実施例の現像装置7は図2に示されたハウジング30を有しており、ハウジング30は、ドラム5に対峙する開口32と、この開口32から上方に向けて延設する周壁34と、この周壁34の上端部分に形成される端壁36とを有している。
【0038】
この端壁36の下方には上述のキャリア及びトナーが収納され、撹拌ミキサー40及びパドルミキサー44がそれぞれ配置されている。各ミキサー40,44の軸42,46はハウジング30に対して回転自在に支持されており、図示しない駆動モータによって、撹拌ミキサー40が図2の反時計回りに、パドルミキサー44が同図の時計回りに回転すると、キャリア及びトナーが撹拌されてトナーを帯電させる。そして、これらキャリア及びトナーはミキサー44を介して磁気ローラ50に搬送される。
【0039】
磁気ローラ50はミキサー44の下方に配設され、このローラ50もハウジング30に対して回転自在に支持される。詳しくは、磁気ローラ50は中心に軸52を有し、この軸52の外周には管状のブラシ側スリーブ54がベアリングを介して嵌合されている。そして、軸52は固定されておりスリーブ54のみが図示しない駆動モータによって回転すると、このスリーブ54は図2の時計回りに回転する。
【0040】
ブラシ側スリーブ54の内部において、軸52の外周側には複数(例えば5個)の磁石56が所定の間隔で軸52に固定されており(なお、この図2では磁石の極位置のみが示されている)、ミキサー44からのキャリア及びトナーを吸引して磁気ブラシを形成させる。詳しくは、当該磁気ブラシは、スリーブ54の外周面において磁石56を有する領域に形成され、スリーブ54の回転に伴い、キャリア及びトナーを下方に向けて搬送する。
【0041】
また、この磁気ブラシの厚さはブレード70で規制される。本実施例のブレード70は、スリーブ54に対峙して略垂直方向に向けて配置され、スリーブ54の回転軸線に沿って設けられている。そして、所定の直流(DC)バイアスが印加されると、所定の厚さに規制された磁気ブラシはトナーを現像ローラ60に向けて搬送させる(図3)。これに対し、この磁気ブラシは、連続印字時の紙間等にてバイアスが切り替えられることにより、現像後のトナー層を現像ローラ60から掻き取っている。
【0042】
このように、当該磁気ブラシでは、強固に付着したトナー層を現像ローラ60から機械的な力で引き剥がす一方、現像に必要な新たなトナーを現像ローラ60に供給している。この磁気ブラシによれば、現像後のトナーは掻き取りブレードやローラなどの特別な装置を設けなくて済み、トナー等には直接的なストレスが付与されない。
【0043】
そして、上述した磁気ブラシは、現像ローラ60のトナー層に接触し、各ローラ50,60の回転速度差によるブラシ効果と、ミキサー40,44での攪拌による磁気ブラシの現像剤の入れ替えとによってトナーの回収と搬送とが容易にされている。
この現像ローラ60は、磁気ローラ50の下方にて開口32の近傍に配設される。
【0044】
現像ローラ60もまたハウジング30に回転自在に支持され、その軸62は、磁気ローラ50の回転軸線に対して略平行に並設されており、この軸62の外周にも管状の現像側スリーブ64がベアリングを介して嵌合されている。そして、軸62は固定され、このスリーブ64のみが図示しない駆動モータによって回転すると、スリーブ64は図2の時計回りに回転する。
【0045】
ここで、本実施例の現像ローラ60には、そのスリーブ64の表面に樹脂のコーティング層が形成されている。
具体的には、本実施例の現像側スリーブ64はアルミニウム製の素管を有し、その外周面には所定厚みのアルマイトのコーティング層が形成され、さらに、その表面に樹脂のコーティング層が形成されている。本実施例の樹脂はウレタン樹脂であり、アルマイトのコーティング層の上側に所定厚みで塗布される。
【0046】
また、このウレタン樹脂にはカーボンブラック等の導電材(抵抗調整剤)が含有されており、スリーブ64の体積抵抗値や表面抵抗値が調整されている。
これら磁気ローラ50と現像ローラ60との電位差によって、磁気ローラ50から移送されたトナーのみの薄層が形成される。続いて、現像バイアス、すなわち、所定のDCバイアスを重畳した交流(AC)バイアスが印加されると、現像ローラ60のトナーがドラム5に向けて飛翔する(図3)。これにより、ドラム5の表面にはトナー画像が現像されることになる。
【0047】
ところで、上述のコントローラ90では、現像側スリーブ64におけるチャージ電荷のリフレッシュを行うべく、バイアス変更によるリフレッシュ動作が実施可能である。
具体的には、コントローラ90は、図1に示されるように、移行判定部92やリフレッシュ動作制御部94を有し、この移行判定部92では、例えば装置1外の温度や湿度を検知する温度/湿度センサ(検知手段)82の信号に基づいてリフレッシュ動作の開始時期を判定し、その判定結果をリフレッシュ動作制御部94に出力する。
【0048】
続いて、このリフレッシュ動作制御部94では、現像側スリーブ64の表面に溜まった電荷を除去する。
図4を参照すると、コントローラ90によるリフレッシュ動作のフローチャートが示されている。以下、上記の如く構成された画像形成装置1の本発明に係る作用について説明する。
【0049】
同図のステップS401では、コントローラ90が入力ポート80の信号に基づいて連続印字を開始する。すなわち、コントローラ90は、図5のタイミングチャートに示される如く、磁気ローラ50に対しては画像形成時のバイアスDC成分を例えば370(V)に、現像ローラ60に対しては画像形成時のバイアスDC成分Vsを例えば70(V)にそれぞれ設定する。なお、このステップS401では後述する移行カウンタをセットする。
【0050】
次に、図4のステップS402では、移行判定部92にて、リフレッシュ動作への移行枚数が所定の設定枚数に達しているか否かを判別する。
詳しくは、このリフレッシュ動作の開始時期は、温度/湿度センサ82の検知結果に応じて設定する。チャージアップによる画像濃度の変化度合は、これら温度や湿度の影響を受けるからである。
【0051】
つまり、装置1外の温度や湿度が高い場合には、スリーブ64に溜まった電荷が空気中に抜け易くなるものの、温度や湿度が低くなって絶対水分量が少なくなると、この空気中への抜けを期待できないし、また、樹脂のコーティング層の抵抗が高くなり易いからである。
そこで、図6に示されるように、温度tや湿度hが高い場合には、連続印字の実施間隔を長く、すなわち、リフレッシュ動作を開始するまでの期間を遅くし、多量の印字枚数が得られると、リフレッシュ動作に移行する。例えば、温度tが20℃、湿度hが40%であった場合には60枚に設定され、この湿度hが60%であった場合には100枚に設定される。
【0052】
これに対し、温度tや湿度hが低い場合、例えば、温度tが10℃であって、その湿度hが15%であった場合には、連続印字の実施間隔がt<15、且つ、h<25に該当する5枚に設定され、上述の温度tや湿度hが高いときに比して連続印字の実施間隔を短く、すなわち、リフレッシュ動作を開始するまでの期間が早められており、少量(この場合には5枚)の印字枚数が得られると、リフレッシュ動作に移行する。
【0053】
つまり、図4のステップS402において移行判定部92は、リフレッシュ動作への移行枚数が図6の設定枚数に達しているか否かを判別し、この設定枚数に到達した場合、すなわちYESと判定したときにはステップS403に進んで連続印字を中断する。
そして、リフレッシュ動作制御部94がリフレッシュ動作を実行する。詳しくは、現像ローラ60のバイアスDC成分Vsを画像形成時の値Vsである70(V)よりも下げ、その後に画像形成時の値に戻す。一方、磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmを画像形成時の値である370(V)から段階的に下げ、その後、この画像形成時の値に戻している。
【0054】
より具体的には、このリフレッシュ動作制御部94は、まず、図5のIに示されるように、磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmを370(V)から70(V)に引き下げて維持する。これは、現像ローラ60のバイアスDC成分Vsの値に等しくして、現像側スリーブ64のトナーを磁気ローラ50に回収するためであり、このIの期間は現像ローラ60の1回転分実施する。なお、このバイアスDC成分VmをバイアスDC成分Vsよりも小さくしても良い。
【0055】
次に、リフレッシュ動作制御部94は、図5のIIに示される如く、現像ローラ60のバイアスDC成分Vsを70(V)から0(V)に引き下げて維持する。現像側スリーブ64の電荷を逃がすためである。
同時に、当該IIでは、磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmも70(V)から0(V)に引き下げて維持する。これは、磁気ブラシから現像側スリーブ64に向けてトナーを移送させないためであり、このIIの期間も現像ローラ60の1回転分実施する。
【0056】
続いて、リフレッシュ動作制御部94は、図5のIIIに示されるように、現像ローラ60のバイアスDC成分Vsを画像形成時の値Vsである70(V)に引き上げて維持し、また、磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmも画像形成時の値である370(V)に一気に引き上げて維持する。現像側スリーブ64にトナー層を形成させるためであり、このIIIの期間も現像ローラ60の1回転分実施する。
【0057】
そして、図4のステップS404では、リフレッシュ動作制御部94は、バイアス変更が完了したか否かを判別し、上述のIIIの期間が経過した場合、すなわちYESと判定したときにはステップS405に進み、連続印字を再開するとともに、移行判定部92は上記移行カウンタをリセットし、一連のルーチンを抜ける。
【0058】
なお、上記ステップS402にて、例えば1〜4枚の如く、リフレッシュ動作への移行枚数が設定枚数に未だ達しないときにはステップS406に進む。この場合の移行判定部92は上記移行カウンタを1つアップしてから再びステップS402に戻り、その後、上記設定枚数(例えば5枚)に到達した場合にはステップS403に進む。
ところで、上実施例では、上記IIの現像側スリーブ64の表面の電荷を逃がすための期間が現像ローラ60の1回転分実施されているが、この期間の長さを温度/湿度センサ82の検知結果に応じて設定しても良い。
【0059】
詳しくは、リフレッシュ動作制御部94は、センサ82で検知された絶対水分量が少なくなるに連れて、0(V)に引き下げた現像ローラ60のバイアスDC成分Vsの印加期間や、同じく0(V)に引き下げた磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmの印加期間をそれぞれ長くすることができる。
一方、上実施例では、IIのときの現像ローラ60のバイアスDC成分Vsを0(V)に下げている。
【0060】
しかし、現像側スリーブ64の表面の電荷を逃がす点を鑑みれば、IIのときの当該バイアスDC成分Vsは画像形成時の値Vsである70(V)よりも小さければ良い。
さらに、このバイアスDC成分Vsの値を温度/湿度センサ82の検知結果に応じて設定することも可能である。すなわち、このセンサ82で検知された絶対水分量が少なくなるに連れて、0(V)に引き下げた現像ローラ60のバイアスDC成分Vsの値や、同じく0(V)に引き下げた磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmの値をそれぞれより小さくしても良い。さらにまた、上述した正帯電トナーの他、負帯電トナーを用いても良い。
【0061】
これらをまとめると、IIにおける現像ローラ60のバイアスDC成分Vsは、正値でも負値でも良く、このバイアスDC成分Vsの絶対値が画像形成時の値Vsである70(V)の絶対値よりも小さければ良い。なお、このときの磁気ローラ50のバイアスDC成分Vmは、当該小さくしたバイアスDC成分Vsに合わせる、或いは一層小さくされることになる。
【0062】
以上のように、本実施例によれば、キャリア及びトナーからなる2成分現像剤が用いられており、磁気ローラ50では、この現像剤による磁気ブラシが形成され、このブラシは現像ローラ60にトナーの薄層を形成させる。そして、このトナーがドラム5に供給されることにより、トナー画像が現像される。一方、このブラシは、現像後には現像ローラ60のトナー層を掻き取って回収する。
【0063】
ここで、現像装置7のさらなる高速化を達成するためには、表面抵抗の高い、つまり、リークの発生電圧が高い構造を選択するのが望ましいが、ウレタン樹脂のコーティング層を設けることによって表面抵抗を単に高くすると、連続印字時に、現像側スリーブ64の表面に電荷が溜まり、所望の画像濃度が得られないとの問題がある。
【0064】
しかしながら、本実施例のコントローラ90では、現像ローラ60に対する滞留電荷の抜け制御(リフレッシュ動作)が施されている。
具体的には、上述した図5のIIにおいて、現像ローラ60に印加するバイアスのうち、そのDC成分Vsの絶対値を、画像形成時に現像ローラに印加する値Vsよりも小さくする。これにより、現像側スリーブ64の表面に溜まった電荷を除去できる。
【0065】
また、この現像ローラ60に印加するバイアスDC成分Vsを小さくする際には、現像ローラ60からドラム5へのカブリトナーの飛翔を防止する必要がある。そこで、磁気ローラ50から現像ローラ60にトナーを移送させないように、磁気ローラ50に印加するバイアスDC成分Vmの大きさを、上記IIに現像ローラ60に印加するバイアスDC成分Vsに等しくしており、現像ローラ60のトナーを回収して、このローラ60にはトナーを担持させない状態にする。
【0066】
これらリフレッシュ動作実施の結果、現像装置7の高速化を図りつつ、現像ローラ60のチャージアップ解消による所望の画像濃度(特に、ハーフ濃度の上昇抑制)が得られ、さらに、ドラム5では画像品質の安定化も達成できる。
また、上述した現像ローラ60のチャージアップは、例えば雰囲気中の水分量が少なくなるに連れて顕著となり、雰囲気中の水分量が多くなると、生じ難くなる。そこで、リフレッシュ動作の開始時期を装置1の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ動作を現像ローラ60のチャージアップ解消に必要な時期に実施可能になる。
【0067】
さらに、雰囲気中の水分量が少なくなるに伴い、リフレッシュ動作の開始時期を早くすれば、現像ローラ60では所望の画像濃度、つまり後述の許容濃度範囲内に確実に収めることができる。
これらの点について詳述する。図7〜図10は、現像ローラに表面抵抗の高い構造を採用し、リフレッシュ動作を実施した実験結果である。
【0068】
当該実験条件は、画像形成条件として、ドラム5の周速は250mm/sec、ドラム5の表面電位は、暗電位Vが250V、明電位Vが20Vであり、また、使用トナーの帯電量は25μC/g、トナーの粒径(平均粒径)は7.0μm(1μm=1.0×10−6m)である。
さらに、当該実験に用いた磁気ローラ50の径はφ16mm、現像ローラ60の径もφ16mmであり、ドラム5の径はφ30mmである。
【0069】
そして、現像ローラ60とドラム5とのギャップは0.1mmに設定した上で、表面抵抗の異なる2種類の現像ローラA,Bを準備し、ハーフ画像(25%濃度)の連続印字を行って画像濃度について評価した。
まず、これら現像ローラA,Bは、カーボンを5時間分散させたウレタン樹脂のコーティング層(厚み15μm)を有しているが、現像ローラAはカーボンの添加率7wt%であり、現像ローラBはカーボンの添加率4wt%である。
【0070】
つまり、図7に示されるように、現像ローラBの表面抵抗は現像ローラAよりも高く、現像ローラBでリークが発生し得る電圧は現像ローラAよりも200V程度高くなる。
ここで、装置1の温度10℃湿度15%(乾燥時)の環境下において、上記ハーフ画像の連続印字を行うと、現像ローラAでは、その画像濃度が30枚に到達しても許容濃度範囲(図8に上側の点線と下側の点線とで囲まれた範囲:Δ0.1)に収まる。よって、この現像ローラAにはリフレッシュ動作を特に実施しなくても構わない。
【0071】
これに対し、現像ローラBでは、その画像濃度は1〜4枚までは上記許容濃度範囲に収まるが、その間に現像側スリーブ64の表面に電荷が徐々に溜まり、5枚以降で既に許容濃度範囲(図8の上側の点線)を超えてしまう。なお、ベタ画像の連続印字を行うと、その画像濃度は下降し、やはり5枚以降で既に許容濃度範囲(Δ0.1)を超えていた。つまり、この表面抵抗の高い現像ローラBにはリフレッシュ動作を実施する必要がある。
【0072】
一方、図9に示されるように、この現像ローラBであっても、装置1の温度23℃湿度50%(常温時)の環境下において、上記ハーフ画像の連続印字を行うと、その画像濃度が30枚に到達しても上記許容濃度範囲に収まっている。つまり、常温時では、この現像ローラBであってもリフレッシュ動作を特に実施しなくても良いことが分かる。
【0073】
したがって、現像ローラBに対するリフレッシュ動作の開始時期は、乾燥時の環境に近づくに連れて早まるように設定すれば、図8で示した連続印字の初期から数枚程度の画像濃度低下を抑制できる。
より具体的には、上記乾燥時(例えば温度10℃湿度15%)では、連続5枚の印字枚数が得られると、リフレッシュ動作に移行する(図6)。
【0074】
すなわち、この環境下の現像ローラBでは、図5で云えば5枚に達すると、連続印字を中断して非画像(紙間)になり、上述したリフレッシュ動作(I,II,III)を実施する。これにより、現像側スリーブ64の表面に溜まった電荷は次第に除去される。
そして、このリフレッシュ動作が完了した後に、連続印字を再開し、この再開後の印字枚数が5枚に達すると、再びリフレッシュ動作に移行させる。
【0075】
以後、リフレッシュ動作と5枚の連続印字とを繰り返すと、乾燥時に現像ローラBを使用したとしても、図10に示されるように、現像ローラAと同様に、その画像濃度が30枚に到達しても上記許容濃度範囲(Δ0.1)に収まることが分かる。
さらに、上述した現像ローラ60のチャージアップは、例えば雰囲気中の水分量が少なくなるに連れて顕著となり、雰囲気中の水分量が多くなると、生じ難くなる。そこで、各バイアスDC成分Vs,Vmの印加期間IIを装置1の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ動作をチャージアップ解消に必要な長さで実施可能になる。
【0076】
さらにまた、この各バイアスDC成分Vs,Vmの印加値の大きさについても、装置1の温度や湿度に応じて設定すれば、リフレッシュ動作をチャージアップ解消に必要な深さで実施可能になる。
また、この雰囲気中の水分量が少なくなるに伴い、各バイアスDC成分Vs,Vmの印加期間IIを現像ローラ1周分よりも長くすれば、電荷を確実に抜くことができる。
【0077】
さらに、このIIにおける各バイアスDC成分Vs,Vmの大きさを図5の例よりも大きく下げれば、電荷の抜くスピードを速められるし、チャージアップ解消のための紙間も長くならない。
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
【0078】
例えば、上記実施例では、連続印字の初期から数枚程度の画像濃度低下を抑制する点について説明している。しかし、上記トナーには外添剤が含まれており、この外添剤は、装置1のトータル印字枚数が増加するに連れて現像ローラ60に付着し、現像ローラ60の表面抵抗を高めてしまう点を鑑みれば、コントローラ90は、装置1のトータル印字枚数が増加するに連れてリフレッシュ動作の開始時期を早めても良い。
【0079】
この場合にも現像ローラ60では所望の画像濃度、つまり上述した許容濃度範囲内に確実に収めることができるからである。
そして、この装置1のトータル印字枚数が増加するに連れて、各バイアスDC成分Vs,Vmの印加期間IIを現像ローラ1周分よりも長くすれば、電荷を確実に抜くことができる。
【0080】
さらに、このIIにおける各バイアスDC成分Vs,Vmの大きさを図5の例よりも大きく下げれば、電荷の抜くスピードを速められるし、チャージアップ解消のための紙間も長くならない。
さらにまた、上記実施例では画像形成装置としてプリンタに具現化した例を示しているが、本発明の画像形成装置は複合機、複写機やファクシミリ等にも当然に適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 プリンタ(画像形成装置)
5 感光体ドラム(像担持体)
7 現像装置
50 磁気ローラ
60 現像ローラ
82 温度/湿度センサ(検知手段)
90 コントローラ(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアとトナーを有し、このトナーを像担持体に供給してその潜像を現像する画像形成装置であって、
前記キャリア及びトナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラと、
その表面に、抵抗調整剤が分散された樹脂層を有しており、前記磁気ブラシから移送されたトナーの層を形成する現像ローラと、
非画像形成時において、前記磁気ブラシから前記現像ローラにトナーを移送させないように前記磁気ローラに印加するバイアスを変更するとともに、前記現像ローラのトナーで前記像担持体の潜像を現像するために該現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に前記現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくするリフレッシュ動作を行う制御手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
この装置の温度や湿度を検知する検知手段をさらに具備し、
前記制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいて前記リフレッシュ動作の開始時期を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記検知手段で検知された絶対水分量が少なくなるに連れて前記リフレッシュ動作の開始時期を早めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記トナーは外添剤を含んでおり、
前記制御手段は、この装置のトータル印字枚数が増加するに連れて前記リフレッシュ動作の開始時期を早めることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいて、前記現像ローラへのバイアスの直流成分の印加期間、及び、この印加期間に相当する前記磁気ローラへのバイアスの直流成分の印加期間を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2又は5に記載の画像形成装置であって、
前記制御手段は、この検知手段による検知結果に基づいて、前記現像ローラへのバイアスの直流成分の印加値、及び、この印加に伴う前記磁気ローラへのバイアスの直流成分の印加値を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記検知手段で検知された絶対水分量が少なくなるに連れて、前記各バイアスの直流成分の印加期間をそれぞれ長くする、又は、前記各バイアスの直流成分の印加値をそれぞれより小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記トナーは外添剤を含んでおり、
前記制御手段は、この装置のトータル印字枚数が増加するに連れて、前記各バイアスの直流成分の印加期間をそれぞれ長くする、又は、前記各バイアスの直流成分の印加値をそれぞれより小さくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
キャリアを用いてトナーを帯電させ、このトナーを像担持体に供給してその潜像を現像する画像形成方法であって、
前記キャリア及びトナーによる磁気ブラシを形成する磁気ローラと、その表面に、抵抗調整剤が分散された樹脂層を有しており、前記磁気ブラシから移送されたトナーの層を形成する現像ローラとを具備しており、
非画像形成時であるか否かを判定するステップと、
この非画像形成時に、前記磁気ブラシが前記現像ローラからトナーを回収すべく、この磁気ローラに印加するバイアス値の変更するステップと、
前記現像ローラのトナーで前記像担持体の潜像を現像するために該現像ローラに印加するバイアスのうち、その直流成分の絶対値を、画像形成時に前記現像ローラに印加する値の絶対値よりも小さくするとともに、前記磁気ローラに印加するバイアス値を、この現像ローラに印加するバイアス値に略等しくするステップと、
前記現像ローラに印加するバイアス値及び前記磁気ローラに印加するバイアス値を前記画像形成時の値にそれぞれ戻すステップと
から構成される画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−95440(P2011−95440A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248461(P2009−248461)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】