説明

画像形成装置

【課題】 給紙カセットを円滑に着脱可能としつつ、擦れ音等が外部に漏れることを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 給紙カセット9の引き出し方向に対して直交する面を有する上周縁部分73の対向面73a(第1面)と、押さえ壁74の対向面74a(第2面)との間で、スポンジ70を挟む構成とした。これにより、スポンジ70によって開口部2aと給紙カセット9との間からの擦れ音等が外部に漏れることを抑制できる。しかも、給紙カセット9の引き出し作業時に、スポンジ70が剥がれたり、擦れて磨耗したりすることを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、一般に、装置本体ケースの側面に開口部が形成され、用紙が積層された給紙カセットをその開口部を介して引き出す可能に収容するようになっている。画像形成動作時には、装置本体ケース内において、給紙カセット内の用紙が1枚ずつ給紙ローラによって用紙搬送経路へと送り出され、その用紙は各搬送ローラによって搬送されつつ画像形成部によって画像形成され、定着器を介して排紙トレイへと排出される。
【0003】
ところで、この種の画像形成装置では、給紙カセットを円滑に着脱できるようにするため、装置本体ケースの開口部と給紙カセットとの間に隙間を設けておく必要がある。従って、その隙間から、搬送中の用紙が用紙搬送経路にて擦れる音や各種ローラとの間で擦れる音、更には摩擦により用紙を1枚ずつ分離する際の音など(以下、「擦れ音等」)が上記隙間から漏れ易くなる。
【0004】
また、画像形成装置の中には、下記特許文献1に開示されたもののように、給紙カセットの着脱操作を行う前面側付近で、用紙が折り返されるように反転搬送される、いわゆるS字パス方式のものがある。このものでは、特に、その反転搬送時における擦れ音等が開口部と給紙カセットとの間の隙間から漏れ易いという問題がある。
【特許文献1】特開2004−157463公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記擦れ音等を抑制するために、装置本体ケースの開口部或いは給紙カセットに対し、それらの間の隙間において上下方向で対向する部分にスポンジ等の弾性部材を貼り付け、当該隙間を遮蔽する方法が考えられる。しかしながら、上記隙間は給紙カセットの着脱を円滑にするために設けられたものであり、その隙間を上下方向で挟むようにスポンジで塞ぐと、給紙カセットの着脱作業ごとに、弾性部材が強く擦れて剥がれたり、磨耗したりして密閉性(防音性)が低下するとともに給紙カセットの円滑な着脱ができないという問題が生じ得る。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、給紙カセットを円滑に着脱可能としつつ、擦れ音等が外部に漏れることを抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る画像形成装置は、被記録媒体を収納するカセットと、外部に開放した開口部が形成され、当該開口部を介して前記カセットを引き出し可能に収容するカセット収容部を有する装置本体と、を備える画像形成装置において、前記装置本体は、前記開口部の周縁部分に、前記カセットの引き出し方向に対して角度を有する第1面が形成され、前記カセットは、前記カセット収容部に収容された状態で、前記開口部の周縁部分のうち少なくとも前記第1面と重なり、かつ当該第1面との対向部に第2面が形成されたカバー壁を有し、前記第1面及び前記第2面のうち少なくともいずれか一方には、前記カセットが前記カセット収容部に収容された状態で前記第1面と前記第2面との間に挟まれる弾性部材が設けられていることを特徴とする。
なお、「被記録媒体」には、用紙などの紙製の被記憶媒体に限らず、OHPシートなどのプラスチック製の被記録媒体などであってもよい。
また、「画像形成装置」は、プリンタ(レーザプリンタ)などの印刷装置だけでなく、ファクシミリ装置や、プリンタ機能及びスキャナ機能等を備えた複合機であってもよい。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1面及び前記第2面は、前記カセットの引き出し方向に直交する面であることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記開口部は、前記装置本体の外面に対して段差をもって奥まった部分に形成され、当該奥まった部分における前記開口部の周縁部分に前記第1面が形成され、前記弾性部材は、前記第1面において前記カセット側にはみ出ることなく配されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記弾性部材は、前記第2面において前記開口部側にはみ出ることなく配されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1面は、前記開口部の周縁部分のうち前記装置本体と前記カセットとの間の隙間に連なる部分に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記第1面、前記第2面及び前記弾性部材は、少なくとも前記カセットに収納可能な被記録媒体の幅以上の幅を有していることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カセット収容部には、前記カセットを収納した状態で押圧された前記弾性部材の反力に抗して前記カセットを保持する保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、前記保持手段は、前記カセット収容部内に突設された弾性係止片と、前記カセット側に設けられ、前記カセットが収容された状態で前記弾性係止片と係合する被係止部とを、備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置において、前記カセット収容部及び前記カセットのいずれか一方には前記カセット収容部に対する前記カセットの位置を決める位置決め突起が設けられ、他方には前記位置決め突起と係合する位置決め凹部が設けられ、前記位置決め突起及び前記位置決め凹部は、前記カセットが前記保持手段により保持された状態で当接し、前記弾性部材が前記第1面及び第2面によって押圧力を受けた状態となるよう位置決めすることを特徴する。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記装置本体内において前記開口部に近接した位置に配され、前記カセットに収納された被記録媒体を1枚ずつ分離しながら給入する給入手段と、前記給入手段によって給入された被記録媒体を前記開口部とは反対側に折り返し搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された被記録媒体に画像形成する画像形成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
<請求項1の発明>
本発明では、カセットの引き出し方向に対して角度を有する(引き出し方向に対して垂直な角度、傾いた角度を含む。)、装置本体側の第1面とカセット側の第2面との間で、弾性部材を挟む構成とした。これにより、弾性部材によって開口部とカセットとの間からの擦れ音等が外部に漏れることを抑制できる。しかも、カセットの引き出し作業時に、弾性部材が剥がれたり、擦れて磨耗したりすることを抑制できる。
【0018】
<請求項2の発明>
本発明では、第1面及び前記第2面は、カセットの引き出し方向に直交する面である。従って、第1面及び第2面が引き出し方向に対して傾いた角度を有する構成に比べて、装置本体の開口部とカセットのカバー壁との間の挟み力を効率よく弾性部材に与えることができ、隙間の密閉性を高めることができる。
【0019】
<請求項3の発明>
本発明では、弾性部材は、装置本体外面から段差をもって奥まった、開口部の周縁部分に配する構成とした。従って、カセットを取り出した状態でも、弾性部材は外部から見え難く、装置全体のデザイン性の低下を回避できる。また、弾性部材を、第1面においてカセット側にはみ出ることなく配したから、カセットの引き出しの際、当該カセットと接触して剥がれたりすることを防止できる。
【0020】
<請求項4の発明>
本発明では、弾性部材を、第2面において開口部側にはみ出ることなく配しから、カセットの引き出しの際、装置本体と接触して剥がれたりすることを防止できる。また、請求項3の構成との組み合わせにより、第1面及び第2面の両面に弾性部材を設ける構成であれば隙間の密閉性をより高めることができる。
【0021】
<請求項5,6の発明>
画像形成装置が開口部側にて被記録媒体をピックアップするタイプの場合、開口部の周縁部分のうち装置本体とカセットとの間の隙間に連なる部分は、カセット内の被記録媒体が給入され搬送される搬送経路に近接するため、この部分から大きな擦れ音等が漏れると考えられる。そこで、本発明では、その部分に第1面を形成して弾性部材を第2面とで挟み込む構成とした。また、擦れ音等は、主として被記録媒体の幅(搬送経路に直交する方向の幅)内において生じる。そこで、請求項6のように、第1面、第2面及び弾性部材の幅を、少なくともカセットに収納可能な被記録媒体の幅以上とすることが望ましい。
【0022】
<請求項7,8の発明>
本発明でよれば、弾性部材が第1面と第2面とによって挟まれて押圧された状態で、カセットが装置本体に保持収容される。従って、弾性部材による密閉性を向上させることができる。なお、上記請求項2のように第1面及び第2面が引き出し方向に対して直交した構成であれば、傾斜した構成に比べて保持手段による保持力を、弾性部材に押圧力を与えた状態の維持に効率よく活用できる。
【0023】
<請求項9の発明>
本構成によれば、位置決め突起及び位置決め凹部は、カセットが保持手段により保持された状態で、弾性部材が押圧力を受けた状態において当接し、これ以上カセットがカセット収容部の奥側に移動することが規制される。従って、カセットの収容時において必要以上に強く押し込まれて弾性部材が破損等することを防止できる。
【0024】
<請求項10の発明>
本発明では、給入手段や搬送手段の擦れ音等が開口部の隙間から漏れ易い。従って、このような構成に本願発明は特に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の一実施形態を図1〜図8を参照して説明する。
1.レーザプリンタの外観構成
図1〜3は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタ1の外観を示した斜視図である。このうち図1は給紙カセット9を収容しかつフロントカバー7を閉めた状態を示し、図2は給紙カセット9を引き出した状態を示す。なお、以下の説明では、レーザプリンタ1のうちフロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、給紙カセット9を取り外した状態のレーザプリンタ1が本発明の「装置本体1a」に相当する。
【0026】
図1に示すように、レーザプリンタ1は全体として箱状をなし、上面に印刷(画像形成)済みの用紙3が排紙される排紙トレイ53が設けられている。また、レーザプリンタ1の一側面(前面)には、例えばプロセスカートリッジ20を交換などする場合に開閉されるフロントカバー7が回動自在に設けられている。このフロントカバー7の下側には、印刷前の用紙3が収容される給紙カセット9が上記前面側から引き出し可能に設けられている(図2参照)。
【0027】
2.レーザプリンタの内部構成
図3は、レーザプリンタ1を示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、被記録媒体(シート材)としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5(本発明の「画像形成手段」に相当)などを備えている。
【0028】
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ20を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸7aに回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸7aを中心として閉じると、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸7aを支点として開くと(傾倒させると)、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0029】
(2)フィーダ部
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部の前面に開口部2aが形成され、この開口部2aを介して給紙カセット9を収容可能なカセット収容部4aを有している(図2も参照)。そして、フィーダ部4は、このカセット収容部4aに着脱可能に収容される給紙カセット9と、給紙カセット9の前端部の上方に設けられる分離ローラ10および分離パッド11と、分離ローラ10の後側(分離パッド11に対して用紙3の搬送方向上流側)に設けられる給紙ローラ12とを備えている。なお、分離ローラ10、分離パッド11及び給紙ローラ12が本発明の「給入手段」に相当する。
【0030】
また、フィーダ部4は、分離ローラ10の前側上方(分離ローラに対して用紙3の搬送方向下流側)において対向配置される紙粉取りローラ8と、その紙粉取りローラ8に対向配置される対向ローラ13とが設けられている。そして、用紙3の搬送経路は、上記紙粉取りローラ8の配置付近からU字状に後側へ折り返され、その更なる搬送方向下流側において上記プロセスカートリッジ20の下方に、1対のローラからなるレジストローラ14とを備えている。なお、この紙粉取りローラ8及び対向ローラ13、レジストローラ14が、本発明の「搬送手段」に相当する。
【0031】
給紙カセット9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板15が備えられている。この用紙押圧板15は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙カセット9の底板16に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する供給位置とに揺動可能とされている。
【0032】
また、給紙カセット9の前端部には、用紙押圧板15の前端部を上方に持ち上げるためのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板15の前端部下方位置において、後端部がレバー軸18にて揺動可能に支持され、前端部が給紙カセット9の底板16に伏した伏臥姿勢と、前端部が用紙押圧板15を持ち上げた傾斜姿勢との間で揺動可能となっている。そして、レバー軸18に回転駆動力が入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として図中反時計回りに回転し、レバー17の前端部が用紙押圧板15の前端部を持ち上げ、用紙押圧板15を供給位置に移動させる。
【0033】
用紙押圧板15が供給位置に位置されると、用紙押圧板15上の用紙3は、給紙ローラ12に押圧され、給紙ローラ12の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間の分離位置に向けて給紙が開始される。
【0034】
一方、給紙カセット9を装置本体1aから離脱させると、用紙押圧板15は、その自重によって、前側端部が下方に移動し、用紙押圧板15が載置位置に位置される。用紙押圧板15が載置位置に位置されると、用紙押圧板15上に用紙3を積層状に載置することができる。なお、上記分離パッド11、紙粉取りローラ8、用紙押圧板15及びレバー17は、給紙カセット9に設けられ、給紙ローラ12、分離ローラ10、対向ローラ13及びレジストローラ14は装置本体1aに設けられている。
【0035】
給紙ローラ12によって分離位置に向けて送り出された用紙3は、分離ローラ10の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、上記U字状の搬送経路56に沿って折り返される。より具体的には、給紙された用紙3は、まず、分離ローラ10と分離パッド11との間を通って上方へ搬送され、更に紙粉取りローラ8と対向ローラ13との間を通ってここで紙粉が取り除かれた後、レジストローラ14に搬送される。
【0036】
レジストローラ14は、用紙3を、レジスト後に、後述する感光ドラム29と転写ローラ32との間であって、感光ドラム29上のトナー像を用紙3に転写する転写位置に搬送する。
【0037】
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20、定着部21などを備えている。
(a)スキャナ部
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー22、fθレンズ23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、一点鎖線で示すように、ポリゴンミラー22で偏向されて、fθレンズ23を通過した後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の後述する感光ドラム29の表面上に照射される。
【0038】
(b)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ20は、スキャナ部19の下方において、装置本体1aに対して着脱自在に装着されている。このプロセスカートリッジ20は、筐体として、上フレーム27と、この上フレーム27と別体に形成されて、上フレーム27と組み合わされる下フレーム28とを備えている。また、プロセスカートリッジ20は、筐体内に、像担持体としての感光ドラム29、帯電手段としてのスコロトロン型帯電器30、現像カートリッジ31、転写手段としての転写ローラ32、およびクリーニングブラシ33を備えている。
【0039】
感光ドラム29は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体34と、このドラム本体34の軸心において、ドラム本体34の長手方向に沿って延びる軸としての金属製のドラム軸35とを備えている。ドラム軸35が上フレーム27に支持され、このドラム軸35に対してドラム本体34が回転自在に支持されることにより、感光ドラム29は、上フレーム27において、ドラム軸35を中心に回転自在に設けられている。
【0040】
スコロトロン型帯電器30は、上フレーム27に支持されており、感光ドラム29の後側斜め上方において、感光ドラム29と接触しないように所定間隔を隔てて、感光ドラム29と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29と所定間隔を隔てて対向配置された放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と感光ドラム29との間に設けられ、放電ワイヤ37から感光ドラム29への放電量を制御するためのグリッド38とを備えている。このスコロトロン型帯電器30では、グリッド38にバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ37に高電圧を印加して、放電ワイヤ37をコロナ放電させることにより、感光ドラム29の表面を一様に正極性に帯電させることができる。
【0041】
現像カートリッジ31は、後側が開放されるボックス状の収容ケース60を備え、下フレーム28に対して着脱自在に装着されている。この現像カートリッジ31内には、トナー収容室39、トナー供給ローラ40、現像ローラ41および層厚規制ブレード42が設けられている。
【0042】
トナー収容室39は、仕切板43によって仕切られる収容ケース60の前側の内部空間として形成されている。トナー収容室39内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーTが充填されている。このトナーTとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
【0043】
また、トナー収容室39内には、中央に設けられた回転軸55に支持されたアジテータ44が設けられている。このアジテータ44は、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。アジテータ44が回転駆動されると、トナー収容室39内のトナーTが攪拌されて、仕切板43の下方において前後方向に連通する開口部45からトナー供給ローラ40に向かって放出される。また、収容ケース60の左右両側壁には、それぞれトナー収容室39に対応した領域に窓部材(図示せず)が装着されている。各窓部材は、アジテータ44に保持されて連動するワイパによって清掃される。なお、本体ケーシング2には、一方の窓部材の外側に発光素子(図示せず)、他方の窓部材の外側に受光素子(図示せず)が設けられており、発光素子から出射され収容ケース60内を通過した検知光を受光素子にて検出し、その出力値に応じてトナーTの有無を判別する。
【0044】
トナー供給ローラ40は、開口部45の後側に配置されて、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。このトナー供給ローラ40は、金属製のローラ軸を、導電性の発泡材料からなるローラで被覆することにより構成されている。このトナー供給ローラ40は、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0045】
現像ローラ41は、トナー供給ローラ40の後側において、トナー供給ローラ40と互いに圧縮されるように接触した状態で、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。また、現像ローラ41は、現像カートリッジ31が下フレーム28に装着された状態で、感光ドラム29に対向して接触する。この現像ローラ41は、金属製のローラ軸41aを、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。ローラ軸41aは、現像カートリッジ31の前端部において、その両端部が現像カートリッジ31の側面から前後方向と直交する幅方向外方に突出している。現像ローラ41のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ41には、現像時に現像バイアスが印加される。また、現像ローラ41は、図示しないモータからの動力の入力により、トナー供給ローラ40と同じ方向に回転駆動される。
【0046】
層厚規制ブレード42は、金属の板ばね材からなるブレード本体46の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部47を備えている。この層厚規制ブレード42は、現像ローラ41の上方において現像カートリッジ31に支持されて、押圧部47がブレード本体46の弾性力によって現像ローラ41上に圧接されている。
【0047】
開口部45から放出されたトナーTは、トナー供給ローラ40の回転により、現像ローラ41に供給され、このとき、トナー供給ローラ40と現像ローラ41との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ41上に供給されたトナーTは、現像ローラ41の回転に伴って、層厚規制ブレード42の押圧部47と現像ローラ41との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ41上に担持される。
【0048】
転写ローラ32は、下フレーム28に回転自在に支持されており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光ドラム29と上下方向において対向して接触し、感光ドラム29との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ32は、金属製のローラ軸を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。転写ローラ32には、転写時に転写バイアスが印加される。また、転写ローラ32は、図示しないモータからの動力の入力により、感光ドラム29と反対方向に回転駆動される。
【0049】
クリーニングブラシ33は、下フレーム28に取り付けられており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光ドラム29の後側において、感光ドラム29と対向して接触するように配置されている。
【0050】
感光ドラム29の表面は、その感光ドラム29の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0051】
次いで、現像ローラ41の回転により、現像ローラ41上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム29に対向して接触するときに、感光ドラム29の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム29の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム29の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0052】
その後、感光ドラム29の表面上に担持されたトナー像は、図1に示すように、レジストローラ14によって搬送されてくる用紙3が、感光ドラム29と転写ローラ32との間の転写位置を通る間に、転写ローラ32に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、定着部21に搬送される。
なお、転写後に感光ドラム29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ41に回収される。また、転写後に感光ドラム29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ33によって回収される。
【0053】
(c)定着部
定着部21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられ、定着フレーム48と、その定着フレーム48内に、加熱ローラ49および加圧ローラ50とを備えている。
【0054】
加熱ローラ49は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされた金属管と、その金属管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。一方、加圧ローラ50は、加熱ローラ49の下方において、加熱ローラ49を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ50は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ49の回転駆動に従って従動される。
【0055】
定着部21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ49と加圧ローラ50との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス51に搬送される。排紙パス51に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ52によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ53上に排紙される。
【0056】
3.防音のための構成
(1)スポンジの配置位置
図3に示すように、U字状の搬送経路56の一部は、給紙カセット9がカセット収容部4aに収容された状態で、その給紙カセット9側の分離パッド11及び紙粉取りローラ8と、装置本体1a側の分離ローラ10及び対向ローラ13とによって形成される。そして、この搬送経路56は、給紙カセット9の前面側上部と本体ケーシング2との隙間Sに連なっている。この隙間Sは、フロントカバー7をカバー軸7aを中心に円滑に開閉させるために必要なスペースを確保するものである。従って、用紙3の搬送過程では、特に、この隙間Sから分離ローラ10及び分離パッド11の間、紙粉取りローラ8及び対向ローラ13の間を搬送する用紙3の擦れ音等が漏れる。
【0057】
そこで、本実施形態では、この隙間Sを閉塞するようにスポンジ70を設けている。図4は、本体ケーシング2のうち開口部2aの上周縁部分73が形成された部分と、給紙カセット9とを示した部分的側面図である。また、図5,6はその斜視図(その1、その2)である。
【0058】
具体的には、給紙カセット9の前端には、図2,3に示すように、カセット収容部4aに収容された状態で、上記開口部2aの周縁部分全周に亘って前方から覆うカバー壁9aが一体的に設けられている。このカバー壁9aは、開口部2aの左右周縁部分71及び下周縁部分72(図2参照)をほぼ完全に前方から覆う形状に形成されており、ここからの上記擦れ音の漏れはそれほどない。
【0059】
これに対して、カバー壁9aは、開口部2aの上周縁部分73に対して、上方に位置するフロントカバー7の下端部と隙間Sを残して前方から覆うような形状になっている。そして、図2〜4に示すように、カバー壁9aには、搬送経路56の横幅(給紙カセット9に収納可能な用紙3の幅。例えばA4やレターサイズの短い方の幅、図5,6で示す幅W2)よりやや広めの幅(図5で示す幅W1)を有する押さえ壁74が上方に向けて起立形成されている。
【0060】
これに対して、装置本体1a側においてフロントカバー7よりも後方に奥まった、上記開口部2aの上周縁部分73は、やはり搬送経路56の横幅W2よりやや広めの幅W1を有し、かつ、その下端部分が上記給紙カセット9の引き出し方向(図3で紙面左右方向)において上記押さえ壁74の上端部分によって前方から覆われるようになっている。そして、上周縁部分73と押さえ壁74との各対向面73a,74a(本発明の「第1面」及び「第2面)に相当)は、上記引き出し方向に直交する面をなし、このうち各対向面73aの全長に亘ってスポンジ70が例えば接着剤等によって貼り付けられている。
【0061】
そして、図4〜6に示すように、給紙カセット9をカセット収容部4aに収容した状態で、スポンジ70が対向面73a,74aの間に押圧されて弾性変形し、これにより、隙間Sが閉塞されて擦れ音等の漏れを防止できるのである。なお、スポンジ70は、対向面73aから下方にはみ出ないように配されている。要するに、給紙カセット9を着脱する際に、当該給紙カセット9の各部位と干渉しないように配されているのである。
【0062】
(2)カセットロック機構
本実施形態では、給紙カセット9をカセット収容部4aに収容した際に、押圧されたスポンジ70の反力に抗して給紙カセット9をカセット収容部4aに保持させる保持手段が設けられている。図7は、本体ケーシング2内においてフレームとなりカセット収容部4aを左右方向から挟むように配された1対の内壁板80,80を示した斜視図である。図8は給紙カセットの平面図である。
【0063】
図7に示すように、1対の内壁板80,80の対向面上部には、上記プロセスカートリッジ20を案内するための案内溝81,81が着脱口6に連なるように形成されている。また、1対の内壁板80,80の対向面下部には、給紙カセット9をカセット収容部4aへと案内するための案内リブ82(同図で紙面奥側の内壁板80の案内リブ82のみ図示)が引き出し方向に沿って延設されている。そして、各内壁板80,80の対向面下部の後端寄りの部分には、カセット収容部4a内に向かって突出した姿勢と、各内壁板80内に待避した姿勢との間で回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ83によって上記突出した姿勢側に付勢された係止片84がそれぞれ設けられている(図8も参照)。
【0064】
これに対して、給紙カセット9側には、各係止片84と係合する被係合部85が左右側面にそれぞれ設けられている。各被係合部85は、図8に示すように、上方から見て山形に形成されている。各被係合部85は、給紙カセット9をカセット収容部4aに装着する際、その後方側の斜面85aによって、各係止片84を突出した姿勢から待避した姿勢に案内する。
【0065】
更に、給紙カセット9をカセット収容部4aの奥側に挿入するので、各係止片84が各被係合部85の先端部を乗り越えることにより、各被係合部85の前方側の斜面85b側に案内されて突出した姿勢に復帰する。なお、後方側の斜面85aよりも前方側の斜面85bの方が急な傾斜面になっている。このように各係止片84と各被係合部85との係合によって給紙カセット9が、スポンジ70の反力に抗して装置本体1aに保持される。
【0066】
(3)位置決め機構
図8に示すように、給紙カセット9の前端側側面には、円柱状の位置決め突起86,86がそれぞれ突設されている。一方、図7に示すように、各内壁板80のうち上記左右周縁部分71には、給紙カセット9がカセット収容部4aに収容された状態で、上記各位置決め突起86と係合する位置決め凹部87がそれぞれ形成されている。各位置決め突起86と各位置決め凹部87とは、各係止片84と各被係合部85とが係合した状態で、互いに当接して各位置決め突起86及び各位置決め凹部87の係合力と、スポンジ70の反力に抗して、給紙カセット9を装置本体1aに対して位置決めする。
【0067】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態では、給紙カセット9の引き出し方向に対して直交する面を有する上周縁部分73の対向面73a(第1面)と、押さえ壁74の対向面74a(第2面)との間で、スポンジ70を挟む構成とした。これにより、スポンジ70によって開口部2aと給紙カセット9との間からの擦れ音等が外部に漏れることを抑制できる。しかも、給紙カセット9の引き出し作業時に、スポンジ70が剥がれたり、擦れて磨耗したりすることを抑制できる。
(2)また、対向面73a及び対向面74aは、給紙カセット9の引き出し方向に直交する面である。従って、対向面73a及び対向面74aが引き出し方向に対して傾いた角度を有する構成に比べて、装置本体1aの開口部2aと給紙カセット9のカバー壁9aとの間の挟み力を効率よくスポンジ70に与えることができ、隙間Sの密閉性を高めることができる。
【0068】
(3)スポンジ70は、本体ケーシング2から段差をもって奥まった上周縁部分73に配する構成とした。従って、給紙カセット9を取り出した状態でも、スポンジ70は外部から見え難く、装置全体のデザイン性の低下を回避できる(図2参照)。また、スポンジ70を対向面73aにおいて給紙カセット9側にはみ出ることなく配したから、給紙カセット9の着脱の際、当該給紙カセット9と接触して剥がれたりすることを防止できる。
(4)また、各係止片84と各被係合部85との係合によって給紙カセット9が、スポンジ70の反力に抗して装置本体1aに保持されるから、スポンジ70による密閉性を向上させることができる。しかも、本実施形態では、対向面73a及び対向面74aが給紙カセット9の引き出し方向に直交する面であるから、引き出し方向に対して傾斜した構成に比べて保持手段による保持力を効率よくスポンジ70の押圧力に活用できる。
【0069】
(5)位置決め突起86及び位置決め凹部87は、給紙カセット9が保持手段により保持された状態で、スポンジ70が押圧力を受けた状態において当接し、これ以上給紙カセット9がカセット収容部4aの奥側に移動することが規制される。従って、給紙カセット9の収容時において必要以上に強く押し込まれてスポンジ70が破損等することを防止できる。
【0070】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、スポンジ70を、第1面としての上周縁部分73の対向面73aに設けた構成としたが、これに限らず、第2面としての押さえ壁74の対向面74a側、或いは、対向面73a及び対向面74aの両面に設ける構成であってもよい。なお、対向面74a側に設ける場合も、その対向面74aから装置本体1a側にはみ出ないように(干渉しないように)スポンジを設けることが望ましい。また、対向面73a及び対向面74aの両面に設ければ、隙間Sの密閉性をより高めることができる。
【0071】
(2)上記実施形態では、対向面73a及び対向面74aは、引き出し方向に対して直交する面としたが、これに限らず、傾斜した面であってもよい。また、引き出し方向に対して互いに同じ角度であっても異なる角度であってもよい。要するにスポンジ70を給紙カセット9の引き出し方向において挟んで押圧できるような角度にそれぞれがなっていればよいのである。
【0072】
(3)上記実施形態では、U字状の搬送経路56を有する、いわゆるS字パス方式のレーザプリンタ1を例に挙げたが、これに限らず、これ以外の搬送経路を有するものであっても本発明の効果を得ることができる。但し、上記実施形態のように給紙カセット9と開口部2aとの隙間Sに近くで折り返し搬送されるものにおいては、その隙間Sから特に擦れ音等が漏れるため、特に有効である。
【0073】
(4)弾性部材として、スポンジ70を例に挙げたが、これに限らず、弾性部材であれば、ゴムやフィルムなどであってもよい。
【0074】
(5)また、弾性部材を、開口部2aの周縁部分の全周に亘って配する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの外観を示した斜視図
【図2】給紙カセットを引き出した状態のレーザプリンタの斜視図
【図3】レーザプリンタの要部側断面図
【図4】装置本体のうち開口部の上周縁部分が形成された部分と給紙カセットとを示した部分的側面図
【図5】装置本体のうち開口部の上周縁部分が形成された部分と給紙カセットとを示した部分的斜視図(その1)
【図6】装置本体のうち開口部の上周縁部分が形成された部分と給紙カセットとを示した部分的斜視図(その2)
【図7】1対の内壁板を示した斜視図
【図8】給紙カセットの平面図
【符号の説明】
【0076】
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
1a…装置本体
2a…開口部
3…用紙(被記録媒体)
4a…カセット収容部
5…画像形成部(画像形成手段)
8…紙粉取りローラ(搬送手段)
9…給紙カセット(カセット)
10…分離ローラ(給入手段)
11…分離パッド(給入手段)
12…給紙ローラ(給入手段)
13…対向ローラ(搬送手段)
14…レジストローラ(搬送手段)
70…スポンジ(弾性部材)
71,72,73…周縁部分
73a…上周縁部分の対向面(第1面)
74a…押さえ壁の対向面(第2面)
84…係止片(弾性係止片)
85…被係合部
86…位置決め突起
87…位置決め凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を収納するカセットと、
外部に開放した開口部が形成され、当該開口部を介して前記カセットを引き出し可能に収容するカセット収容部を有する装置本体と、を備える画像形成装置において、
前記装置本体は、前記開口部の周縁部分に、前記カセットの引き出し方向に対して角度を有する第1面が形成され、
前記カセットは、前記カセット収容部に収容された状態で、前記開口部の周縁部分のうち少なくとも前記第1面と重なり、かつ当該第1面との対向部に第2面が形成されたカバー壁を有し、
前記第1面及び前記第2面のうち少なくともいずれか一方には、前記カセットが前記カセット収容部に収容された状態で前記第1面と前記第2面との間に挟まれる弾性部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1面及び前記第2面は、前記カセットの引き出し方向に直交する面であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記装置本体の外面に対して段差をもって奥まった部分に形成され、当該奥まった部分における前記開口部の周縁部分に前記第1面が形成され、
前記弾性部材は、前記第1面において前記カセット側にはみ出ることなく配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記第2面において前記開口部側にはみ出ることなく配されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1面は、前記開口部の周縁部分のうち前記装置本体と前記カセットとの間の隙間に連なる部分に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1面、前記第2面及び前記弾性部材は、少なくとも前記カセットに収納可能な被記録媒体の幅以上の幅を有していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カセット収容部には、前記カセットを収納した状態で押圧された前記弾性部材の反力に抗して前記カセットを保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保持手段は、前記カセット収容部内に突設された弾性係止片と、
前記カセット側に設けられ、前記カセットが収容された状態で前記弾性係止片と係合する被係止部とを、備えていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カセット収容部及び前記カセットのいずれか一方には前記カセット収容部に対する前記カセットの位置を決める位置決め突起が設けられ、他方には前記位置決め突起と係合する位置決め凹部が設けられ、
前記位置決め突起及び前記位置決め凹部は、前記カセットが前記保持手段により保持された状態で当接し、前記弾性部材が前記第1面及び第2面によって押圧力を受けた状態となるよう位置決めすることを特徴する請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体内において前記開口部に近接した位置に配され、前記カセットに収納された被記録媒体を1枚ずつ分離しながら給入する給入手段と、
前記給入手段によって給入された被記録媒体を前記開口部とは反対側に折り返し搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された被記録媒体に画像形成する画像形成手段と、を備える請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−154557(P2006−154557A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347643(P2004−347643)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】