説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置に関し、特に異なる種別、サイズ、下地の色、プレプリントの有無、パンチ穴の有無等の用紙の属性に対応して、操作性の優れた画像形成を行う印刷装置を提供する。
【解決手段】複数の記録媒体給紙手段を有する画像形成装置であり、設定情報を記憶する不揮発性メモリ22からメモリ21bに設定情報を供給し、エンジン制御部24を駆動する。この際、メモリ21bに記憶された設定情報に従ってエンジン制御部24はプリンタエンジンを制御し、設定情報には記録媒体給紙手段毎に収納された記録媒体の設定情報と、当該記録媒体の定義情報とを含んでおり、エンジン制御部24はこの記録媒体の設定情報が示す記録媒体の定義情報に応じた制御条件に従って印刷データの画像形成処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体給紙部より供給される記録媒体に対して画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給紙カセットより給紙される記録媒体(以下、用紙で示す)に対して画像形成を行う画像形成装置が知られている。例えば、プラテンガラス上に原稿を載置ないし供給し、原稿に描かれた文字列や、絵柄、又はこれらの結合等の画像を上記用紙に複写する複写機や、例えばパーソナルコンピュータ(PC)やワープロ上で作成された印刷データを用紙に印刷するプリンタ装置等が画像形成装置として知られている。
【0003】
このような画像形成装置において、上記給紙カセットが存在することにより、用紙を当該給紙カセット内に予め複数枚準備しておくことが可能となり、外部からその都度用紙を供給する必要がないばかりか、比較的大量の用紙に上記画像形成を連続して行うことも可能となる。一方、給紙カセットを複数設ける画像形成装置も通常使用されており、この場合、様々な種別やサイズの用紙が収納され、画像形成処理が行われる。
【0004】
例えば、特許文献1は用紙上に画像形成する画像形成装置において、用紙を収納する給紙カセットを複数備え、これら各給紙カセットに収納されている記録媒体の種別又はサイズの設定を行う入力部を備え、給紙カセットを選択するのみで、当該給紙カセットに設定された設定情報(サイズ&種別)に基づき、画像形成を行うことができる装置である。
【0005】
また、特許文献2は非定形紙の縦、横の長さデータがコントロールパネルから入力されることにより、非定形紙の縦横長さデータをメモリに記憶し、このメモリに記憶された非定形紙の縦横長さデータに基づいて画像形成を行う装置である。
【特許文献1】特開2001−166641号公報
【特許文献2】特開平08−334938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数の給紙カセットを有する画像形成装置において、種別やサイズが特殊な用紙を使用する場合、以下のような問題がある。すなわち、一般にそれらの種別やサイズ別に、画像形成装置全体の制御条件、例えば用紙の搬送条件やプロセス条件等を変更しなければならない。しかしながら、従来特殊な種別の用紙や特殊なサイズの用紙に対して画像形成を行う場合、画像形成処理を行う前に特別なモード設定操作を行って対応している。したがって、一般に普通紙と言われる用紙とは異なる特殊紙を使用する場合、手間のかかる設定作業が必要であった。
【0007】
例えば、用紙サイズに関し、「非定型サイズ」の特殊紙に画像形成を行おうとすると、画像形成に先立ち、当該特殊紙に関する縦横サイズ等のデータを入力することが可能な「非定型サイズ入力モード」を選択し、その後、必要な条件を入力しなければならない。特に、「非定形サイズ」を使用するユーザは、一般的に同じ非定形サイズによる画像形成を行う場合が多く、その都度上記煩雑な作業を行う必要がある。このことは、用紙サイズ以外に、用紙の厚さや、下地の色等の設定においても同様である。
【0008】
また、アプリケーションプログラムに基づいて、所望の用紙の種別やサイズを指定して印刷することも可能であるが、印刷を行う都度用紙の確認を行い、所望の用紙をセットする必要がある。この処理を怠ると、希望する用紙以外の用紙に画像形成を行う場合もある。
【0009】
さらに、用紙サイズ以外の種別、例えば普通紙、厚紙等、最適に印刷する為に印刷制御が必要とする要素を、給紙口ごとに設定する装置もあるが、同じサイズの用紙でも、下地の色やプレプリントの有無や、パンチ穴の有無等の要素は考慮されておらず、これらが異なっていても同じ用紙として扱っている為、用紙を間違えて印刷してしまう可能性もある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる種別、サイズ、下地の色、プレプリントの有無、パンチ穴の有無等の用紙の属性に対応して、操作性の優れた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するため、記録媒体を収納し給紙する記録媒体給紙手段を備えた画像形成装置において、前記記録媒体給紙手段に割り付けられる設定情報を記憶する第1の記憶手段と、前記設定情報により指定される記録媒体の定義情報を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された設定情報に基づいて、前記記録媒体の定義情報を前記第2の記憶手段から読み出し、前記記録媒体の定義情報に従って前記記録媒体給紙手段から搬出される前記記録媒体への画像形成を行う制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0012】
このように構成することにより、記録媒体が同じサイズであっても、種別や色紙(下地色)やプレプリント用紙など属性が異なる用紙も区別することができ、誤って別の用紙に印刷するという間違いがなく、正確性、操作性が向上する。
【0013】
また、記録媒体の属性(定義情報)と記録媒体給紙手段(給紙口)毎の記録媒体の設定とを独立させ、給紙口毎の用紙設定では、記録媒体の名称(用紙名)を選択するため、複数の給紙口に同じ用紙をセットした場合でも、記録媒体の属性入力は1度で済み、設定の効率化が図れる。
【0014】
ここで、前記定義情報は画像形成装置の制御条件を決定するのに用いられ、該定義情報に対応した制御条件に従って画像形成を行う構成である。また、前記定義情報は少なくとも前記記録媒体のサイズ情報を含む構成である。さらに、前記第1、第2の記憶手段は、例えば不揮発性の記憶手段で構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録媒体が同じサイズであっても、種別や色紙(下地色)やプレプリント用紙など属性が異なる用紙も区別することができ、誤って別の用紙に印刷するという間違いがなく、正確性、操作性が向上する。
【0016】
また、記録媒体の定義情報と記録媒体給紙手段(給紙口)毎の記録媒体の設定とを独立させたことにより、複数の給紙口に同じ記録媒体をセットした場合でも、用紙定義は1度で済み、設定を効率化でき、用紙ごとに最適な動作モードを設定できる。
【0017】
さらに、記録媒体の交換や記録媒体の補給などの際、記録媒体の名称と給紙口のメッセージが表示され、例えばオペレータはどの記録媒体をどの給紙口に収納すればよいか明確になり、誤った記録媒体を誤った給紙口に装着することを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳述する。
(実施形態1)
図2は、本実施形態の画像形成装置として、4連タンデム構成の電子写真方式のカラープリンタ(以下、プリンタ装置で示す)の例を示す概略断面図である。
【0019】
同図において、プリンタ装置1は、画像形成部2、記録媒体給紙部3、記録媒体搬送部4で構成されている(以下、記録媒体給紙部を給紙口と呼ぶこともある)。画像形成部2はマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各画像形成ユニット2M、2C、2Y、2Kで構成され、用紙搬送方向に沿って当該順次で配設されている。各画像形成ユニット2M、2C、2Y、2Kは、それぞれ感光体ドラム5、及び感光体ドラム5の周囲に配設された帯電器5a、LEDヘッド5b、現像器5c、転写器5dを有し、電子写真プロセスに従って用紙に画像形成を行う。尚、電子写真プロセスは、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を繰り返して行い、用紙に画像形成を行うプロセスであり、帯電によって感光体ドラム5の表面に均一な電荷を付与し、露光によって感光体ドラム5の表面に静電潜像を形成し、現像によって静電潜像に従ったトナー像を形成し、転写によってトナー像を用紙に転写し、用紙に転写されたトナー像は定着処理によって用紙に熱定着される。
【0020】
一方、記録媒体給紙部3は、上下に階層して配設された記録媒体給紙部3a〜3eで構成され、記録媒体給紙部3a〜3eの何れかから搬出された用紙は待機ローラ10を介して、記録媒体搬送部4に送られる。記録媒体搬送部4はベルト駆動ローラ11や従動ローラ12、搬送ベルト13等で構成され、搬送ベルト13はベルト駆動ローラ11の駆動力によって回転し、待機ローラ10によってタイミングを合わせて搬送ベルト13に送られた用紙を画像形成部2に送る。
【0021】
画像形成部2に送られた用紙は、前述の画像形成ユニット2M、2C、2Y、2Kによって対応するトナーが順次転写され、用紙に転写されたトナー像は定着器15によって熱定着され、排紙部16に送られる。
【0022】
尚、上記各部は、用紙の材質(例えば、紙、OHPシート)、用紙の坪量(1平方メートルあたりの紙1枚の重量)(例えば、薄紙、普通紙、厚紙)、用紙の長さ(例えば、長尺紙)等に基づいて、転写スピード(搬送速度)や転写バイアス、定着温度等のプリンタエンジンの動作モードを設定し、それぞれの用紙に最適となる印刷制御を行う。
【0023】
また、各記録媒体給紙部3a〜3eにおいて、記録媒体収納カセットは着脱可能であり、記録媒体収納カセットの種類として、定形サイズの用紙を収納する定形カセット、非定形サイズの用紙を収納する非定形カセット、定形/非定形サイズ両用カセット等が使用される。定形カセットは収納される記録媒体のサイズが複数の定形サイズ(例えば、A4サイズ、B5サイズ、A3サイズなど規格により予め決められたサイズ)のうちいずれの定形サイズに該当するかをプリンタ本体装置に検出させるサイズ検出部を備えており、非定形カセットは収納される記録媒体のサイズが非定形サイズ(規格で決められたサイズからはずれた不定形のサイズ)であると本体装置に検出させるサイズ検出部を備えている。また、定形/非定形サイズ両用カセットは収納される記録媒体のサイズが複数の定形サイズのうちいずれかの定形サイズに該当する場合は、記録媒体の側端面に合わせて位置調整される規制板の位置を検知するなどしてその定形サイズを検出し、また、その検知状態がいずれの定形サイズにも該当しない場合には非定形サイズであることを検出し、プリンタ本体装置に通知するサイズ検出部を備えている。このサイズ検出部によりプリンタ本体装置は、装着された記録媒体収納カセットに収納されている用紙のサイズを認識することが可能となる。尚、上記サイズ検出部は、記録媒体収納カセットに収納する用紙の種別に応じて、利用者が用紙種別設定ダイアルなどを用紙に合わせて選択設定し、このダイアル設定位置を本体装置が識別して収納した用紙のサイズを認識する方式であっても良い。
【0024】
図3は、上記構成のプリンタ装置1において、インタフェース制御部のハード構成を示す図である。インタフェース制御部は、LAN制御部17、USB制御部18、IEEE1284制御部19、CPU20、メモリ21、不揮発性メモリ22、RОM23、エンジン制御部24、操作パネル制御部25で構成されている。また、エンジン制御部24にはプリンタエンジン26が接続され、操作パネル制御部25には操作パネル27が接続されている。
【0025】
また、図1は上記インタフェース制御部をより具体的に示すシステム構成図(ソフト概要図)である。図3に示す受信バッファ28は図1に示すメモリ21の一部であり、PDL処理部&画像データ生成部29、プリンタエンジン制御部24、LAN制御部17などの制御プログラムはCPU20で実行される。エンジン制御部24はプリンタエンジン26に対してプリンタエンジン動作モード等を設定し、給紙、転送、排紙等の制御を行い、またエンジン状態の監視や給紙口の状態監視を行う。尚、操作パネル制御部25は操作パネル27の操作に基づく操作信号を入力し、また表示データを操作パネル27に供給する。
【0026】
また、図3に示すメモリ21は、上記受信バッファ28以外、図1に示す画像メモリ21a、設定情報メモリ21bが対応する。画像メモリ21aはMCYKの各画像データを展開する領域であり、設定情報メモリ21bは後述する用紙定義情報や用紙設定情報等を記憶する。尚、設定情報メモリ21bに記憶される用紙定義情報や用紙設定情報は不揮発性メモリ22から供給される。
【0027】
図4は、上記用紙定義情報を記憶する用紙定義情報テーブルの構成例を示す図であり、用紙定義情報テーブルのデータは前述の不揮発メモリ22に記憶される。この用紙定義情報テーブルに登録されるデータは、用紙定義情報1、2、3・・・Nであり、各用紙定義情報は定義フラグ、用紙名、用紙サイズ、非定形用紙サイズ縦、非定形用紙サイズ横、材質、坪量、下地の色(RGB各色)、プレプリントの有無、パンチ穴の有無等の各情報である。
【0028】
ここで、上記定義フラグは定義済み/未定義を表し、用紙サイズはA3〜A5等の定形サイズと非定形サイズを表す。また、非定形用紙サイズ縦、及び非定形用紙サイズ横は上記「用紙サイズ」が「非定形サイズ」の場合、非定形用紙サイズの縦と横の長さを表す。また、材質は紙、再生紙、耐水紙、ハガキ、封筒、OHPシート、ラベル紙等の識別を示し、坪量は用紙の坪量(999.9g/m)を表す。さらに、下地の色はRGB各色について0〜255の諧調値で表し、プレプリントの有無及びパンチ穴の有無は、それぞれ無し/有りの属性で定義される。
【0029】
図5は、給紙口毎の用紙設定情報を説明する図であり、上記用紙定義情報との関係を示す。本例においては、用紙設定情報には記録媒体給紙部毎の用紙定義を指定するための識別情報(例えば用紙定義情報No.)が格納されており、この用紙設定情報により指定された用紙定義情報の中には用紙名が格納されているため、つまり用紙設定情報は用紙名をも示していることになる。この給紙口毎の用紙設定情報も、前述の不揮発性メモリ22に記憶され、例えばプリンタ装置1の電源オン時における初期化において、不揮発性メモリ22から設定情報メモリ21b(メモリ21)に読み込まれ、設定情報メモリ21b上の用紙定義情報、又は給紙口毎の用紙設定情報が変更・更新された場合、不揮発メモリ22の用紙定義情報、又は給紙口毎の用紙設定情報も更新される。
【0030】
すなわち、同図に示すように、不揮発性メモリ22は前述の用紙定義情報テーブルと記録媒体給紙部3a〜3eの用紙設定情報を有し、各記録媒体給紙部3a〜3eに収納された用紙情報は上記用紙設定情報により指定される用紙定義情報テーブルの記憶領域に格納されている。例えば、図5に示す例では、記録媒体給紙部3aの用紙設定は、用紙設定情報30aに設定されたデータ「01」によって用紙定義情報1にリンクされている。また、記録媒体給紙部3bの用紙設定は、用紙設定情報30bに設定されたデータ「02」によって用紙定義情報2にリンクされている。以下、同図に示す通り、用紙設定情報30c〜30eに設定されたデータに従ってリンクされる。
【0031】
次に、上記用紙定義情報、及び用紙設定情報を入力する際の処理を説明する。尚、図6はこの処理を行う操作部に表示される入力画面の1例を説明する図であり、図7はそのフローチャートである。また、図11は表示遷移図を示す。
【0032】
先ず、印刷処理を行っていない時、メニュー設定ボタンを押下し、メインメニュー画面を表示する(ステップ(以下、Aで示す)1)。図6に示すaは、このメインメニュ−の例を示し、用紙定義メニュー、用紙設定メニュー等のメニュー項目(選択候補)が表示される。
【0033】
次に、メニュー項目の入力処理を行う(A2)。図11のa−1、a−2に示すように、方向キー「↑」、「↓」キーを操作することによって希望するメニューを選択することができる。ここで、用紙定義メニューが選択されると(A3がY)、用紙定義メニュー画面の表示を行う(A4)。例えば、図6のbに示すように、選択候補の0番は用紙定義情報の新規追加を示し、候補1番〜N番は用紙定義情報1〜Nの用紙名を選択候補として表示し、これらが選択された場合には用紙定義情報の修正または削除となる。次に、用紙定義情報(用紙名)の選択入力を行う(A5)。この場合も、図11のb−1、b−2に示すように、方向キー「↑」、「↓」を操作することによって希望する用紙名を選択することができる。ここで、識別情報としての用紙名の選択により希望する用紙定義情報の選択を行うと、図6のcに示す用紙定義画面が表示され、選択候補1〜N番が選択された場合(つまり用紙定義情報の修正または削除の場合)は選択された用紙定義情報の現時点の値をデフォルト表示する。例えば、同図の例では、用紙定義2の選択が行われ、対応する用紙定義情報の現時点の値がデフォルト表示された入力画面が表示される(A6)。以下、具体的な用紙定義情報の入力を行う。
【0034】
先ず、用紙名の入力を行う(A7)。この場合、先ず用紙名の入力データがあるか判断する(A8)。ここで、指定された用紙名の入力データが無い場合(A8がN)、新規追加であれば(A9がY)、用紙名は必須であるため用紙名の再入力に戻る(A7)。尚、新規追加でない場合(A9がN)、該当の用紙定義情報を用紙定義情報テーブルより削除し(A10)、対応する情報を不揮発性メモリ22に書き込む(A23)。
【0035】
次に、用紙名の入力データがあると(A8がY)、入力された用紙名と入力前の元の用紙名が一致するか判断する(A11)。入力された用紙名と元の用紙名が一致しない場合(A11がN)、更に入力された用紙名と同じ名称の用紙定義情報が用紙定義情報テーブルに既に存在するか判断し(A12)、当該用紙名の用紙定義情報が既に存在する場合(A12がY)、用紙名が重複エラーとなるため用紙名の再入力を行なう(A7)。当該用紙名の用紙定義情報が存在しない場合(A12がN)、もしくは、用紙名の入力(A7)で入力された用紙名と元の用紙名が一致する場合(A11がY)、用紙サイズの選択入力を行う(A13)。この時、例えば候補として非定型、A3サイズ、B4サイズ、A4サイズ等の表示が行われ、ユーザは上記表示を確認し、用紙サイズの選択を行う。尚、図6に示す例では、非定型サイズの選択が行われている。次に、入力された用紙サイズは、非定型であるか判断する(A14)。そして、非定型サイズであれば(A14がY)、非定型サイズの縦、及び横の長さ情報を入力する(A15、A16)。
【0036】
次に、材質の選択入力を行う(A17)。この時、例えば候補として紙、再生紙、ハガキ、封筒、OHP、ラベル紙等の表示が行われ、ユーザは上記表示を確認し、用紙の材質入力を行う。図6に示す例では、普通紙の設定が行われている。
【0037】
次に、用紙坪量の入力を行い(A18)、更に下地色R、G、Bの入力を行う(A19)。この入力は、各色0〜255の諧調値を入力する。尚、本例では、R、G、B値は(255,255,255)であり、白色の設定が行われている。
【0038】
以後、プレプリントの有無の選択入力(A20)、及びパンチ穴の有無の選択入力(A21)を行う。本例においては、プレプリント有り、パンチ穴有りの設定が行われている。
【0039】
次に、指定の用紙名と入力された用紙の属性(用紙サイズ〜パンチ穴の有無)情報を用紙定義情報テーブルに追加、又は変更する(A22)。そして、追加又は変更された用紙定義情報を不揮発性メモリ22に書き込む(A23)。以上の処理を用紙定義毎に行うことにより、用紙定義情報テーブルが作成される。
【0040】
一方、メニュー項目の入力が用紙定義メニューではなく、用紙設定メニューである場合(A3がN、A24がY)、用紙設定情報の設定処理を行う。この場合、先ず用紙設定メニューの画面を表示する(A25)。この表示は、例えば図6のdに示すメニューを表示して行う。すなわち、記録媒体給紙部3a〜3eに対応するCPF1〜5を選択候補として表示する。
【0041】
次に、CPF1〜5の選択入力を行なう(A26)。この選択は、図11のd−1、d−2に示すように、方向キー「↑」、「↓」を操作することによって行う。給紙口が選択入力されると、次の用紙名選択入力に移るが、この際、まず用紙定義情報テーブルの各用紙定義情報の用紙名をピックアップして選択候補として表示する。デフォルトは、上記選択入力された給紙口に対応する用紙設定情報が示す用紙定義情報の用紙名とする。(A27)
次に、用紙名の選択を行う(A28)。前記用紙定義メニューの用紙名の入力において、用紙の規格名や、用紙の特徴を表す、例えば「A4白」や、「A4ピンク」、「A4厚紙」等を用紙名として入力しておけば、本用紙名の選択入力の場面ではそれらが選択候補として表示されるので、用紙定義情報1の用紙名、用紙定義情報2の用紙名等は、用紙定義情報に関連する分かり易い名称で設定でき、ユーザは容易に希望する用紙名の選択を行うことができる。
【0042】
次に、選択された用紙名に対応する用紙定義情報No.をそのCPFの用紙設定情報として、用紙設定情報テーブルの該当位置に格納する(A29)。その後、用紙設定情報を不揮発性メモリ22に書き込む(A30)。以上のようにして、用紙設定情報の登録が行われる。
【0043】
また、前述のメニュー項目入力の際(A2)、終了ボタンが押下されると処理を終了する(A31)。また、用紙定義メニューの設定でもなく、用紙設定メニューの設定でもない場合(A3がN、A24がN)、他のメニュー項目の判定、及び処理を行う(A32)。
【0044】
尚、プリンタ装置1の操作パネル27は、例えば16文字2行のように表示量が少ないことが多いが、図11に示すように、LCD2行で操作できるよう工夫されている。
一方、図8はプリンタエンジン動作モードを決定するためのテーブルであり、不揮発性メモリ22に記憶されている動作モードテーブルである。このテーブルは規定フラグ、材質、坪量、縦サイズ、横サイズ、プリンタエンジン動作モードの各エリアで構成されている。ここで、規定フラグはテーブルエンドか/動作モード規定が有るかを示し、「動作モード規定あり」の場合、坪量範囲規定の有無、及び縦サイズ範囲規定の有無を示す。また、材質は紙/再生紙耐水紙/ハガキ/封筒/OHPシート/ラベル紙等の用紙の材質を示す。また、坪量はmin、坪量maxは、規定フラグに坪量範囲規定有りの場合設定され、用紙の坪量の範囲を示し、単位はg/mである。
【0045】
また、プリンタエンジン動作モードは材質や用紙の坪量範囲規定、用紙縦サイズ範囲規定の条件が当てはまる場合のプリンタエンジン動作モードを示す。例えば、普通紙モード/薄紙モード/厚紙モード/極厚紙モード/ハガキ/封筒/OHPシート等、同図に示す通りである。
【0046】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
先ず、エンジン制御部24は一定周期で給紙口の状態の情報を取得し、各給紙口の状態を監視する。図9はこの処理を示すフローチャートであり、先ず記録媒体給紙部3aの状態を取得し、チェックを行う。そして、状態テーブルの更新を行う(ステップ(以下、図9に示すフローチャートについては、STで示す)1)。
【0047】
尚、各記録媒体給紙部3aより取得できる情報は、(1)カセットの装着/未装着、(2)カセットのセット状態/引出し状態、(3)用紙の有無、及び(4)用紙サイズ等の情報である。以下、同様にして、記録媒体給紙部3b以降についても、記録媒体給紙部の状態を取得し、チェックを行い、状態テーブルの更新を行う(ST2〜ST5)。
【0048】
一方、図10はホスト機器から送信される印刷データの処理を説明するフローチャートである。先ず、ホスト機器のアプリケーションプログラムに従って作成された印刷データ(例えば、PDL形式)は、LAN等を経由して受信バッファ28に送られる(ステップ(以下、Sで示す)1、S2)。この印刷データの中には、用紙名及び給紙口指定情報も含まれている。
【0049】
その後、所定量の印刷データが受信バッファ28に記憶されると、次にPDL処理部&画像データ生成部29は、受信バッファ28から印刷データを取出し(S3)、解析処理を行い、画像メモリ21aに展開する。すなわち、受信バッファ28から読み出す印刷データがエンドになったか判断し(S4)、印刷データがエンドにならない間(S4がN)、改頁コマンドがあるか(S5)、受信したデータは給紙口指定コマンドを含むか(S6)、受信したデータは用紙名指定コマンドを含むか(S7)の判断を順次行う。そして、改頁コマンドがある場合(S5がY)、改頁処理を行い、画像メモリ上に生成中のデータを印字データとして確定しエンジン制御部24に印刷リクエストする(S8)。
【0050】
一方、受信したデータが給紙口指定コマンドを含む場合(S6がY)、指定給紙口の番号をセーブする(S9)。また、受信したデータが用紙名指定コマンドを含む場合(S7がY)、指定の用紙名をセーブし、用紙名指定有りフラグをオンする(S10)。
【0051】
尚、受信したデータに用紙名指定コマンド及び給紙口指定コマンドでない場合(S7がN)、例えば文字コードを対応するフォントデータに変換する等、各コマンドの処理を行ない、画像データを生成し、画像メモリに格納する(S11)。以上の処理を、印刷データがエンドにならない間(S4がN)、もしくは改頁コマンドを検出する(S5)まで繰り返す。
【0052】
次に、受信データがエンドでかつ生成中の画像データある場合(S4がY)、もしくは、改頁コマンドを検出した場合(S5がY)、生成中の画像データを印字データとして確定する(S8)。
【0053】
続いて、エンジン制御部(24)はPDL処理部&画像データ生成部(29)からの印刷リクエストを受けて、用紙名指定コマンドを処理済みかどうか判定し(S13)、処理済みの場合(S13がY)、給紙口指定コマンドにてセーブした給紙口の用紙設定情報が示す用紙定義情報を参照し、指定された用紙名と用紙定義情報の用紙名とを比較する(S14)。なお、ここで給紙口指定が省略されていた場合には、デフォルトの値としてCPF1とする。
【0054】
ここで、用紙名が一致すれば(S14がY)、先ずセーブした情報が指示する給紙口に用紙があるか判断し(S15)、給紙口に用紙がない場合(S15がN)、用紙を補給する様に促すメッセージ、例えば、「記録媒体給紙部(CPFn)にXXXXXX用紙を補給してください」なるメッセージを操作パネルに表示し(S16)、用紙補給を待つ(S17)。
【0055】
そして、給紙口の用紙設定情報が示す用紙定義情報に応じた制御条件(動作モード)を決定し、決定したプリンタエンジンの動作モードに従って画像形成を行う(S18、S19)。すなわち、画像メモリ上の画像データをプリンタエンジン26に送り、プリンタエンジン26では、指定の給紙口より用紙を給紙し、用紙上に画像形成を行う。その後、受信データのエンドを判断して、受信データエンドであれば処理を終了し、エンドでなければ次頁の画像データを生成するために受信データの解析に戻る(S27)。
【0056】
一方、用紙名が一致しない場合(S14がN)、指定の用紙名が用紙定義情報テーブルに登録されているか検索し(S20)、用紙定義情報テーブルに登録されていれば(S21がY)、指定の用紙名と給紙口を含む、用紙をセットする様に促すメッセージを表示する(S25)。例えば、「XXXXXX用紙を記録媒体給紙部(CPFn)にセットしてください」とのメッセージを操作パネルに表示する。そして、ユーザは表示されている用紙をセットし、実行ボタンを押すと(S26)、これにより、指定の用紙名をセーブした給紙口番号の用紙設定とし、セーブした給紙口番号の用紙設定情報に指定の用紙名の用紙定義情報No.を書き込む(S28)。さらに、不揮発性メモリ22にこの用紙定義情報を書き込む(S29)。その後、前述の印刷処理が行われる(S15〜S19)。
【0057】
また、用紙定義情報テーブルに登録されていなければ(S21がN)、用紙定義情報を用紙定義情報テーブルに追加登録するか確認する(S22)。例えば、「XXXXXX用紙は登録されていません。登録しますか?」の表示を操作パネル27に行う。ここで、追加登録を行うため、ユーザが決定ボタンを押すと(S23)、用紙定義情報の入力画面に移り、用紙定義情報の登録が可能となる(S24)。用紙定義情報の入力が終了すると前述のS25以降の処理を行なう。なお、この場合の用紙定義情報の入力については、図24にて後述する。
【0058】
尚、上記図10に示すフローチャートにおいて、受信データの処理がエンドになると、処理を終了する(S27)。
以上のように、本例は用紙サイズ、用紙の材質(紙、OHP、等)、用紙の坪量、下地の色(色紙)、プレプリントの有無やパンチ穴の有無などの要素は、用紙に付属する属性(定義情報)であり、用紙の定義を給紙口の設定から独立させ、用紙を定義した上で、どの用紙を給紙口にセットするかということを設定したことにより、同じ用紙サイズであっても、種別や色紙(下地色)やプレプリント用紙など属性が異なる用紙も区別することができ、誤って別の用紙に印刷するという間違いがなくなり、正確性・操作性が良くなる。
【0059】
また、本例によれば用紙の定義と給紙口毎の用紙設定と独立させ、給紙口毎の用紙設定では、用紙定義情報の用紙名を選択することにしたため、複数の給紙口に同じ用紙をセットした場合でも、用紙定義は1度で済み、設定を効率化でき、用紙ごとに最適なプリンタエンジン動作モードを設定できる。
【0060】
また、用紙交換や用紙補給などのオペレータコール時に、用紙名と給紙口番号を含むメッセージが表示されるため、オペレータはどの用紙を、どの記録媒体給紙部にセットすればよいかが明確に分かり、違った用紙や異なる給紙口に誤った用紙をセットしてしまうことを防止でき、的確な用紙を的確な位置にセットできる。
【0061】
尚、図12に示すように、用紙定義情報に関し、図4で説明した「材質」と「坪量」を、プリンタエンジン26の動作モードである「種別」として構成してもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
【0062】
本例は、記録媒体給紙部に定形サイズ検出部を持つ場合、検出された定形サイズと同じサイズの用紙であると定義されている用紙定義情報のみを選択して設定できるようにした記録媒体給紙部毎の用紙の設定方法である。以下、図13に示す概要図に従って操作を説明する。
【0063】
先ず、メインメニューを表示し(図13に示すa1)、方向キー「→」、「←」を操作し、用紙設定メニューを表示する(同図に示すb1)。次に、希望する記録媒体給紙部を選択すべく方向キー「↑」、「↓」を操作して記録媒体給紙部を選択する(同図に示すc1)。
【0064】
次に、記録媒体給紙部を選択すると、希望する用紙名の選択に入る。ここで本例では、例えば記録媒体給紙部を選択すると、以後該記録媒体給紙部が検出した定形サイズ(例えば、A3サイズ)と一致する用紙定義情報の用紙名のみを候補とし、表示する。同図の例では、A3サイズの用紙“AAAAAA”、“EEEEEE”、“GGGGGG”のみを候補として表示する(同図に示すd1、e1、f1)。例えば、A3サイズであって用紙の色が白である用紙“AAAAAA”や、同じくA3サイズであって用紙の色がピンクである用紙“EEEEEE”や、同じくA3サイズであって厚紙の用紙“GGGGGG”を候補として表示する。
【0065】
したがって、本例によれば、同じ定形サイズ用紙(定形用紙)に限定して設定操作が行われ、用紙サイズの設定ミスを防ぎ、記録媒体給紙部毎の用紙設定の際の効率化を図ることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
【0066】
本例は、記録媒体収納カセットが非定形カセットを認識する手段を持つ着脱可能な非定形カセット、又は非定形サイズを認識する手段を持つ定形サイズ及び非定形サイズの両用のカセットを装着した記録媒体給紙部の場合、非定形カセット又は非定形サイズと認識したとき、非定形サイズと定義されている記録媒体定義情報定義情報のみを選択して設定できるようにした、記録媒体給紙部毎の用紙の設定方法である。以下、図14に示す概要図に従って処理を説明する。
【0067】
先ず、本例においても、メインメニューを表示し(図14に示すa2)、方向キー「→」、「←」を操作し、用紙設定メニューを表示する(同図に示すb2)。
次に、希望する記録媒体給紙部を選択すべく方向キー「↑」、「↓」を操作して希望する記録媒体給紙部を選択する(同図に示すc2)。その後、記録媒体給紙部を選択すると、希望する用紙名の選択に入る。ここで、本例では選択した記録媒体給紙部が、例えば非定型カセットであった場合、非定形サイズと定義されている用紙定義情報の用紙名のみを候補とし、表示する。本例では、以後非定形サイズの用紙名、例えば“DDDDDD”、“JJJJJJ”、“KKKKKK”のみを候補として表示する(同図に示すd2、e2、f2)。
【0068】
したがって、本例によれば、非定形サイズと定義されている用紙定義情報に限定した、記録媒体給紙部毎の用紙の設定となり、設定ミスを防ぐことができる。特に、非定型サイズの用紙を使用するユーザは、同じ非定形サイズの用紙を使用する場合が多く、記録媒体給紙部毎の用紙設定の際の効率化を図ることができる。
【0069】
尚、上記実施形態2と実施形態3においては、用紙設定情報の設定処理は以下のようになる。図15はこの場合の処理を説明するフローチャートである。先ず、用紙設定メニューである場合、用紙設定メニューの画面を表示する(B1)。この表示は前述と同様、記録媒体給紙部(CPF1〜5)を選択候補として表示するものである。
【0070】
ユーザは上記表示に基づいて、記録媒体給紙部(CPF1〜5)の選択入力を行い(B2)、選択入力された記録媒体給紙部(CPFn)の状態を取得する(B3)。そして、取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態により、非定形カセットか否かのチェックを行う(B4)。
【0071】
例えば、前述の実施形態2の場合、定形カセットであり(B4がN)、処理(B5)を実行する。すなわち、用紙定義情報テーブルのうち、用紙サイズが定形サイズであり、かつ取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態情報の用紙サイズと一致する用紙定義情報の用紙名を選択候補としてピックアップして表示する。
【0072】
一方、記録媒体給紙部(CPFn)が非定形カセットであり、前述の実施形態3の場合(B4がY)、処理(B6)を実行する。すなわち、用紙定義情報テーブルのうち、用紙サイズが非定形サイズの用紙定義情報の用紙名を選択候補としてピックアップして表示する。
【0073】
次に、用紙名の選択を行い(B7)、選択された用紙名に対応する用紙定義情報No.をその記録媒体給紙部(CPF)の用紙設定情報とし、用紙設定情報テーブルの対応するエリアに格納する(B8)。そして、この用紙設定情報を不揮発性メモリ22に書き込む(B9)。
【0074】
以上の処理により、上記実施形態2、及び実施形態3を実現することができ、定型サイズ、及び非定型サイズの用紙設定を効率よく行うことができる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
【0075】
本例は記録媒体給紙部毎であり、かつ検出可能なサイズ(非定形サイズ含む)毎に用紙の定義を設定しておき、定形カセットの場合は検出された定形サイズに対応する用紙の定義を現在の記録媒体給紙部に設定された用紙として扱い、非定形カセットの場合は、非定形サイズに対応する用紙の定義を現在の記録媒体給紙部に設定された用紙として扱う。また、両用カセットの場合、検出された定形サイズ/非定形サイズに応じて、対応する用紙の定義を現在の記録媒体給紙部に設定された用紙として扱う。
【0076】
図16は、記録媒体給紙部毎であり、かつサイズ毎の用紙設定情報テーブルを示す。同図に示すように、用紙定義情報テーブルと記録媒体給紙部3a〜3eの用紙設定情報を有し、各記録媒体給紙部3a〜3eに収納された用紙の情報は上記用紙設定情報に基づいて設定される。例えば、図16に示す例では、記録媒体給紙部3aの用紙設定は、用紙設定情報31aに設定されたデータ「01」〜「07」によって対応する用紙定義情報テーブルにリンクされている。また、記録媒体給紙部3bの用紙設定も、用紙設定情報31bに設定されたデータ「01」等によって用紙定義情報テーブルにリンクされており、以下同図に示す通りである。
【0077】
また、図17は、記録媒体給紙部毎であり、かつサイズ毎の用紙設定メニュー例である。本例においても、メインメニューとして、例えば用紙定義メニューと用紙設定メニュー等のメニュー項目があり、用紙設定メニューとして記録媒体給紙部3a(CPF1)の用紙設定には、非定形、A3、B3、A4、レター、B5、A5の設定が可能であり、記録媒体給紙部(CPF2)の用紙設定としても、非定形、A3、B4、・・・の設定が可能である。
【0078】
このように、記録媒体給紙部毎に、かつ検出可能なサイズ(非定形サイズ含む)毎に用紙定義情報を設定しておき、検出されたサイズ(定形サイズ又は非定形サイズ)に対応する用紙定義情報を記録媒体給紙部に設定された用紙として扱うことにより、一段と使い勝手が向上し、設定ミスを防ぎ、設定の効率化が図れ、操作性が向上する。特に、記録媒体給紙部が少ない場合等において、用紙を入れ替えながら使用する時には、非常に有効である。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
【0079】
本例はプリンタ装置1がレディ状態(印刷データなし)等の時、用紙交換した場合、又はカセットを引き出し、その後再挿入(セット)された記録媒体給紙部に対し、その用紙サイズを検出し、カセットを引き出す前の用紙サイズと異なっている場合、用紙定義を変更するように促すことを特徴とする。
【0080】
プリンタエンジン制御部24内の不図示の給紙口状態監視部では、定期的に各給紙口の状態監視を行っており、例えば図18で示す給紙口状態テーブルを更新している。この給紙口状態テーブルの更新処理を図19のフローチャートに示す。
【0081】
この状態監視のなかで、記録媒体給紙部へのカセットの引き出し/挿入(セット)が行われた場合、用紙が交換されたか、又は用紙が補給・補充されたか、又は用紙の確認のみが行われたか、等のオペレータの行動が考えられる為、以下の処理が行われる。
【0082】
先ず、記録媒体収納カセット3a(CPF1)の状態を取得し、チェック、及び記録媒体給紙部(CPF1)の状態テーブルの更新を行なう(ステップ(以下、STPで示す)1)。次に、更新された記録媒体給紙部(CPF1)の状態テーブルのCPF_ステータスに、「用紙定義情報の変更必要」フラグがオンか否かチェックする(STP2)。ここで、「用紙定義情報の変更必要」フラグがオンでなければ(STP2がN)、次の記録媒体給紙部3b(CPF2)のチェックに進む(STP3)。
【0083】
一方、「用紙設定情報の変更必要」フラグがオンの場合(STP2がY)、操作パネル27に、例えば「CPF1 用紙交換。用紙設定してください」、「↑↓XXXXXX」の表示を行う(STP4)。尚、「XXXXXXXX」は選択候補を示す。
【0084】
その後、ボタン入力を待ち(STP5)、方向キー「↑」、「↓」が押下されると、記録媒体給紙部3a(CPF1)の用紙サイズと同じサイズの用紙定義情報のうち、前の情報および次の情報内の用紙名を候補として表示する。
【0085】
その後、実行ボタンが押下されると、表示している候補で決定し、処理(STP6)に進む。この処理は、実行ボタンが押下された時の用紙名を記録媒体給紙部3a(CPF1)の用紙設定と決定し、その用紙定義情報No.をCPF1の用紙設定情報に設定し、CPF_ステータスの「用紙設定情報の変更必要」をオフする。
【0086】
その後、記録媒体給紙部3b〜3e(CPF2〜CPF5)についても、上記と同様の処理を行なう。すなわち、記録媒体給紙部3b(CPF2)については処理(STP3、STP7〜STP10)を実行し、記録媒体給紙部3c(CPF3)については処理(STP11〜STP15)を実行し、記録媒体給紙部3d(CPF4)については処理(STP16〜STP20)を実行し、記録媒体給紙部3e(CPF5)については処理(STP21〜STP25)を実行する。
【0087】
また、図20は各々の記録媒体給紙部の状態を取得し、記録媒体給紙部状態テーブルを更新する制御フローであり、以下に処理動作を説明する。先ず、記録媒体給紙部(CPFn)の状態を取得する(ステップ(以下、Wで示す)1)。ここで、取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態が未装着かどうか判断し、未装着の場合(W2がY)、未装着時は新CPF_ステータスに「未装着」フラグをオンにする(W3)。一方、取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態が未装着でなければ(W2がN)、取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態がセット状態か/引出し状態かチェックする(W4)。
【0088】
ここで、取得した記録媒体給紙部(CPFn)の状態が引出し状態時(W4がY)、前の記録媒体給紙部(CPFn)の状態(CPFnの状態テーブルのCPF_ステータス)が、セット状態か/引出し状態かチェックする(W5)。セット状態であれば(W5がN)、前のCPFn状態(CPFnの状態テーブルのCPF_ステータス)は「用紙設定情報の変更必要」フラグをチェックする(W6)。
【0089】
ここで、フラグがオンでなければ(W6がN)、CPFn状態テーブルの現在の用紙サイズ→以前の用紙サイズとし、更に記録媒体給紙部(CPFn)の用紙設定情報の用紙定義情報No.→以前の用紙定義情報No.にセーブする(W7)。
【0090】
次に、新CPF_ステータスを、「引出し状態」、「以前の状態のセーブ済み」、「装着済み」にし、「用紙設定情報の変更必要」フラグはオフ(変更不要)に設定する(W8)。
【0091】
一方、判断(W4)において、取得したCPFnの状態がセット状態であれば(W4がN)、前のCPFn状態(CPFnの状態テーブルのCPF_ステータス)は引き出し状態か判断する(W9)。ここで、引出し状態であれば、記録媒体給紙部(CPFn)より用紙サイズを取得し(W10)、CPFn状態テーブルの用紙サイズを、記録媒体給紙部(CPFn)より取得したサイズとする(W11)。
【0092】
次に、取得した用紙サイズと以前の用紙サイズ(CPFnの状態テーブルの「以前の用紙サイズ」)が一致するか判断する(W12)。ここで、一致する場合(W12がY)、新CPF_ステータスを、「セット状態」、「以前の状態の未セーブ」、「装着済み」とし、「用紙設定情報の変更必要」フラグをオフ(変更不要)にする(W13)。
【0093】
一方、不一致の場合(W12がN)、新CPF_ステータスを「セット状態」、「以前の状態の未セーブ」、「装着済み」とし、更に「用紙設定情報の変更必要」フラグをオンとし、新CPF_ステータスをCPFn状態テーブルの「CPF_ステータス」にセットして、処理終了(END)する(W14)。
【0094】
本例によれば、用紙交換した場合、カセットを引き出し、その後再挿入(セット)された記録媒体給紙部に対し、その用紙サイズを検出し、カセット引き出す前の用紙サイズと異なっていた場合、用紙定義を変更するように促すことにより、設定ミス/設定忘れを防ぎ、設定の効率化が図れ、操作性が向上する。特に、記録媒体給紙手段が少ない場合等、用紙を入れ替えながら使用する際、非常に有効である。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。
【0095】
本例は、パーソナルコンピュータ(PC)等のホスト機器にあるアプリケーションプログラム(プリンタドライバ含む)より、印刷すべき印刷データが送られてくる。この受信した印刷データに対し、色変換及び色補正を行なった後、プリンタエンジン26にて画像形成を行なう。この色変換および色補正の際、色再現性を向上させる為、用紙定義の「下地の色」を考慮する。
【0096】
図21は、本例の処理を説明するフローチャートである。先ず、受信した画像データに対して下地色を考慮した色補正処理を行なう(ステップ(以下、Uで示す)1)。次に、色補正した画像データに対してRGB形式からCMYK形式に変換する(U2)。その後、ディザリング処理を行う(U3)。図22は受信した画像データに対して下地色を考慮した色補正処理の一例であり、先ず受信画像データ(RGBの値)から下地色のRGBの値を減算し、補正後の画像データ(RGB)の値とする(U4)。その後、補正後の画像データ(RGBの値)それぞれが負の値となる場合、0に補正する(U5〜U11)。そして、受信した全画像について補正処理が終了したか判断し、残りの画像が存在する場合は、上記処理を繰り返す。
【0097】
本例では、RGBの値に対して下地色を考慮して色補正を行なったが、ディザリングのディザパターンを変更し、又はディザリング方式を変更する構成としてもよい。また、受信した画像の属性(文字、グラフィック、イメージ等)と下地色に応じて、色補正し、又はディザ方式を変更してもよい。例えば、文字の場合は補正せず、グラフィックの場合に色補正し、イメージの場合ディザパターンを変更する等の制御を行ってもよい。
【0098】
以上のように、用紙定義情報の「下地の色」に応じて、カラーマッチングの制御(中間調処理状態と色補正状態)を変えるようにしたことにより、再生されるカラー画像の色再現性が向上する。また、供給されるカラー画像の属性と記録媒体定義情報の「下地の色」に応じて、カラーマッチングの制御(中間調処理状態と色補正状態)を変えるようにしたことにより、更に適切な色再現性、所望の色再現が実現でき、再生されるカラー画像の色再現性が更に向上する。
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。
【0099】
本例は手差しトレイを有する画像形成装置に適用され、以下の処理を行う。(1)先ず、指定の用紙名に対応する用紙定義情報があるか、用紙定義情報テーブルを検索する。無ければ、指定の用紙名によって用紙定義情報を入力する。次に、(2)指定の用紙名の用紙定義情報がある場合、操作パネルに指定された用紙名と手差しトレイに用紙をセットするように促すメッセージを表示する。さらに、(3)手差しトレイに用紙がセットされると、手差しトレイに用紙がセットされたことを自動的に検知し、当該用紙定義情報に応じたプリンタエンジン動作モードで印刷処理を行なう。以下、具体的に説明する。
【0100】
図23は本例の処理を説明するフローチャートである。先ず、指定の用紙名で、用紙定義情報テーブルを検索する(ステップ(以下、Vで示す)1)。そして、指定の用紙名と一致する用紙定義情報があるか判断する(V2)。
【0101】
ここで、指定の用紙名と一致する用紙定義情報が設定されている場合(V2がY)、処理(V4)に進む。一方、指定の用紙名と一致する用紙定義情報が設定されていない場合(V2がN)、指定の用紙名で、用紙定義情報のうち用紙名以外の情報を入力し、用紙定義情報テーブルに登録する(V3)。この処理については、後述する。
【0102】
次に、処理(V4)は、操作パネルに、指定の用紙名を含み、手差しトレイに用紙セットを促すメッセージを表示する(V4)。例えば、「手差しトレイにXXXXXX用紙をセットしてください」等の表示を行う。
【0103】
その後、手差しトレイの状態を取得する(V5)。そして、取得した手差しトレイの状態をチェックし、例えば「手差しトレイに用紙あり」の状態であれば(V6がY)、印刷処理を続行する(V7)。
【0104】
尚、上記フローチャートにおける処理(V3)は、用紙定義情報テーブルに追加登録する場合であり、図24に示すフローチャートに従って処理を行う。先ず、用紙サイズの選択入力を行なう(V3−1)。例えば、候補として、非定形、A3、B4、A4、レター、B5、A5等の用紙サイズのデータを入力する。次に、入力された用紙サイズが非定形であるか判断し(V3−2)、非定形の場合(V3−2がY)、非定形用紙サイズ縦の入力(V3−3)、及び非定形用紙サイズ横の入力を行なう(V3−4)。
【0105】
次に、材質の選択入力を行なう。候補として、例えば紙、再生紙、ハガキ、封筒、OHP、ラベル紙等の入力を行う(V3−5)。
次に、用紙の坪量の入力を行い(V3−6)、更に下地色 R,G,B の入力(例えば、各0〜255)を行う(V3−7)。また、プレプリントの有無の選択入力(例えば、候補としては、有り、なし)を行い(V3−8)、更にパンチ穴の有無の選択入力(例えば、候補として、有り、なし)を行う(V3−9)。
【0106】
その後、指定の用紙名と、入力された用紙の属性(用紙サイズ〜パンチ穴の有無)を用紙定義情報テーブルに追加登録し(V3−10)、指定の用紙名と、入力された用紙の属性(用紙サイズ〜パンチ穴の有無)を用紙定義情報テーブルに追加登録する(V3−11)。
【0107】
以上のように、本例は手差しトレイにも本発明を適用することにより、セットすべき用紙がより分かりやすく明確になり、使い勝手が向上し、操作性を向上することができる。特に、給紙カセットが少ない場合、手差しトレイに様々な用紙を入れ替えながら使用する際、非常に有効である。
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。
【0108】
本例は、複数の記録媒体給紙手段を有する画像形成装置において、給紙口全てに対し、指定された用紙名と各給紙口の用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名が一致するか比較し、用紙名が一致する給紙口及びその中に収納されている記録媒体を自動選択する構成である。以下、具体的に説明する。
【0109】
図25は本例の処理を説明するフローチャートである。先ず、指定の用紙名を使用し、各給紙口をサーチして選択候補を取得し(ステップ(以下、Tで示す)1)、給紙口選択候補があるか判断する(T2)。ここで、給紙口選択候補が無い場合(T2がY)、指定の用紙名を含む用紙補給のメッセージを操作パネルに表示する(T3)。例えば、「XXXXXX用紙をセットしてください」等の表示を行う。そして、給紙口の何れかが、セット状態→引出し状態→セット状態と変化したかチェックし(T4)、用紙セットを確認する。(T4がY)。
【0110】
一方、給紙口選択候補が有る場合(T2がN)、給紙口選択候補を「現在の給紙口」とする(T5)。そして、「現在の給紙口」より用紙を給紙し、「現在の給紙口」の「用紙設定情報」(給紙口の状態テーブル)の示す用紙定義情報に応じて、プリンタエンジンの動作モードを決定し、その動作モードで印刷を行なう(T6)。
【0111】
その後、次の頁に対して、上記と同様、「現在の給紙口」より用紙を給紙し、「現在の給紙口」の「用紙設定情報」(給紙口の状態テーブル)の示す用紙定義情報に応じて、プリンタエンジンの動作モードを決定し、その動作モードで印刷を行なう。そして、上記処理を印刷データが無くなるまで繰り返す(T7)。
【0112】
途中で用紙が無くなると、指定の用紙名と自動選択された給紙口番号を含む用紙補給のメッセージ、例えば、「CPFnにXXXXXX用紙をセットしてください」なるメッセージ表示を行い、用紙補給を促す(T8)。そして、現在の給紙口の情報を取得し、印刷処理を行う(T9、T10)。
【0113】
尚、図26は、前述の指定の用紙名を使用し、各給紙口をサーチし、選択候補を取得する処理を具体的に示すフローチャートである。先ず、指定の用紙名を使用し、CPF1の用紙設定情報と状態を取得する(ステップ(以下、Jで示す)1)。
【0114】
次に、指定の用紙名とCPF1の用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名が一致するか判断する(J2)。ここで、一致しない場合は処理(J5)に進む。一方、一致する場合は判断(J3)に進み、記録媒体給紙部3a(CPF1)の状態が、セット状態でかつ用紙があるかチェックする。そして、セット状態でかつ用紙がある場合(J3がY)、給紙口選択候補を記録媒体給紙部3a(CPF1)とする(J4)。また、セット状態でなく、又は用紙がない場合(J3がN)、次の記録媒体給紙部3b(CPF2)のチェックに進む。以降、順次記録媒体給紙部3b〜3fまで同じ処理を繰り返し、各給紙口の選択候補を探す(J5〜J23)。
【0115】
以上のように、本例によれば複数の記録媒体給紙部の中から、指定された用紙名で検索し、適切な記録媒体給紙部を自動選択することにより、より使い勝手が向上した画像形成装置を提供することができる。
(実施形態9)
次に、本発明の実施形態9について説明する。
【0116】
本例は複数の記録媒体給紙部を有する画像形成装置において、給紙口全てに対し、指定された用紙名と各給紙口の用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名が一致するか比較し、用紙名が一致する給紙口及びその中に収納されている用紙を自動選択し、用紙が欠乏すると、再度指定された用紙名でもって自動選択し、他の給紙口に指定の用紙がセットされていれば、給紙する給紙口を自動的に切換えて給紙し、印刷を継続する構成である。
【0117】
すなわち、本例は上記実施形態8に対して、用紙が欠乏すると、再度同じ定義の用紙が収納された記録媒体給紙部を検索し、存在する場合、当該記録媒体給紙部から用紙の給紙を行う構成である。したがって、本例は上記処理を除いて、実施形態8の処理と同じであり、図27に示すフローチャートも、前述の図25と類似しており、同じステップ番号を使用して説明する。
【0118】
先ず、給紙口全てに対し、指定された用紙名と各給紙口の用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名が一致するか検索し、用紙名が一致する給紙口でかつ用紙がセットされている給紙口を選択候補として取得し(T1)、給紙口選択候補があるか判断する(T2)。そして、給紙口選択候補が無い場合(T2がY)、指定の用紙名を含む用紙補給のメッセージを操作パネルに表示する(T3)。例えば、「XXXXXX用紙をセットしてください」等の表示を行い、給紙口の何れかが、セット状態→引出し状態→セット状態と変化したかチェックし(T4)、用紙セットを確認する。(T4がY)。
【0119】
一方、給紙口選択候補が有る場合(T2がN)、給紙口選択候補を「現在の給紙口」とし(T5)、「現在の給紙口」より用紙を給紙し、「現在の給紙口」の「用紙設定情報」(給紙口の状態テーブル)の示す用紙定義情報に応じて、プリンタエンジンの動作モードを決定し、その動作モードで印刷を行なう(T6)。
【0120】
その後、次の頁に対して、上記と同様、「現在の給紙口」より用紙を給紙し、「現在の給紙口」の「用紙設定情報」(給紙口の状態テーブル)の示す用紙定義情報に応じて、プリンタエンジンの動作モードを決定し、その動作モードで印刷を行なう。そして、上記処理を印刷データが無くなるまで繰り返す(T7)。
【0121】
一方、途中で用紙が無くなると、処理(T1)に戻り、用紙名が一致する給紙口で、かつ用紙がセットされている給紙口をサーチし、他の給紙口に指定の用紙がセットされていれば、給紙する給紙口を自動的に切り換えて給紙し、印刷処理を継続する。
【0122】
以上のように、本例によれば用紙名による自動給紙切換機能(リレー給紙)であり、このように構成することによっても、更に使い勝手が向上した画像形成装置を提供することができる。
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10について説明する。
【0123】
本例は、アプリケーションプログラムより用紙名が指定された場合は、指定された用紙名と一致する用紙定義情報に応じた制御を行い、指定された制御条件で画像形成を行なう。用紙名が指定されなかった場合は、給紙口毎に設定されている種別と給紙手段が検出した用紙サイズに基づいた制御条件で画像形成を行なう。以下、具体的に説明する。
【0124】
図28は本例の処理を説明するフローチャートである。PDL処理部&画像データ生成部(29)は、先ず、受信バッファ28に格納された印刷データの解析処理を行い、受信データがエンドになったか判断する(ステップ(以下、Zで示す)1)。そして、印刷データがエンドにならない間(Z1がN)、改頁コマンドがあるか(Z2)、受信したデータは給紙口指定コマンドを含むか(Z3)、受信したデータは用紙名指定コマンドを含むか(Z4)を順次判断する。そして、改頁コマンドがある場合(Z2がY)、改頁処理を行い、生成中のデータを印字データとして確定する(Z5)。
【0125】
また、受信したデータが給紙口指定コマンドの場合(Z3がY)、指定給紙口の番号をセーブする(Z6)。また、受信したデータが用紙名指定コマンドの場合(Z4がY)、指定された用紙名に基づいて用紙定義情報テーブルを検索する(Z7)。そして、指定用紙名の情報がテーブルにあれば用紙名指定有りフラグをオンし、指定の用紙名と用紙定義情報No.をセーブする(Z8がY、Z9)。
【0126】
尚、受信したデータに用紙名指定コマンド及び給紙口指定コマンドでない場合(Z4がN)、コマンドが指示する処理を行ない(Z10)、画像データを生成し、画像メモリ21aに格納する(Z10)。以上の処理を、画像データがエンドにならない間(Z1がN)、若しくは改頁コマンドを検出する(Z2)まで繰り返す。
【0127】
受信データがエンドであれば、生成中の画像データの有無を判断し、生成中の画像データが無ければ処理を終了する(Z1がN、Z11)。また、受信データがエンドで生成中の画像データがある場合(Z11がY)、若しくは改頁コマンドを検出した場合(Z2がY)、生成中の画像データを印字データとして確定し(Z5)、エンジン制御部(24)に対して印刷のリクエストを行なう。
【0128】
次に、エンジン制御部(24)はPDL処理部&画像データ生成部(29)からの印刷リクエストを受けて、まず、用紙名指定有りかどうか判断し(Z12)、用紙名指定有りの場合(Z12がY)、さらに給紙口指定が自動選択かどうか判断し(Z16)、自動選択の場合(Z16がY)、セーブした用紙名の情報を使用し、自動選択機能により給紙口及び用紙を決定し、用紙定義情報に応じた制御条件(動作モード)でプリンタエンジン26を動作させ、画像形成を行なう(Z13)。
【0129】
また、給紙口指定が直接指定の場合(Z16がN)、セーブした給紙口に対応する用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名と、セーブした(指定の)用紙名とが一致するか判断し(Z17)、用紙名が一致する場合(Z17がY)、セーブした給紙口番号に対応する給紙口毎の用紙設定情報の示す用紙定義情報に応じた制御条件(動作モード)でプリンタエンジン26を動作させ、画像形成を行う(Z18)。
【0130】
一方、用紙名が一致しない場合(Z17がN)、セーブした用紙名とセーブした給紙口番号を含む用紙交換メッセージを、例えば「CPFn:XXXXXX用紙に交換してください」と操作パネルに表示する(Z19)。その後、セーブした給紙口の状態を確認し、用紙交換が行われると(Z20、Z21)、セーブした給紙口番号に対応する給紙口毎の用紙設定情報にセーブした用紙定義情報No.をセットし、用紙設定情報を不揮発性メモリ22に書き込む(Z22)。そして、セーブした給紙口番号に対応する給紙口毎の用紙設定情報の示す用紙定義情報に応じた制御条件(動作モード)でプリンタエンジンを動作させ、画像形成を行う(Z23)。
【0131】
一方、用紙名指定無しの場合(Z12がN)、セーブした給紙口番号に設定された種別と、セーブした給紙口番号の給紙口よりサイズを検出し、当該種別と検出サイズに応じた制御条件(動作モード)でプリンタエンジン26を動作させ、画像形成を行なう(Z14)。その後、受信データのエンドを判断して、受信データエンドであれば処理を終了し、エンドでなければ次頁の画像データを生成するために受信データの解析に戻る(Z15)。
【0132】
尚、給紙口毎の種別の設定は、不図示であるが、メニューにて設定しておくものとする。
以上のように、本例によれば、アプリケーションプログラムより用紙名称が指定された場合は、記録媒体給紙手段に設定されている用紙設定情報の示す用紙定義情報の用紙名称と一致する記録媒体給紙手段から記録媒体の供給を行ない、かつ、その定義情報に応じた制御を行なう。また、アプリケーションプログラムより用紙名称が指定されない場合は、記録媒体給紙手段より検出されたサイズと記録媒体給紙手段に設定されている種別に応じた制御条件で画像形成を行なうようにしたことにより、より使用しやすくなり、更に使い勝手が向上し操作性が向上するとともに、アプリケーションプログラムの従来互換性がキープでき、非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】インタフェース制御部のより具体的なシステム構成図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置として、4連タンデム構成のプリンタ装置の例を示す概略断面図である。
【図3】プリンタ装置において、インタフェース制御部の構成を示す図である。
【図4】用紙定義情報を記憶する用紙定義情報テーブルの構成例を示す図である。
【図5】給紙口毎の用紙設定情報を説明する図である。
【図6】用紙定義情報及び用紙設定情報を設定する際のメニュー内容を説明する図である。
【図7】用紙定義情報、及び用紙設定情報を入力する際の処理を説明するフローチャートである。
【図8】プリンタエンジン動作モードを決定するためのテーブルを示す図である。
【図9】実施形態1の処理を説明するフローチャートである。
【図10】実施形態1の処理を説明するフローチャートである。
【図11】用紙定義情報及び用紙設定情報を設定する際の表示遷移図である。
【図12】用紙定義情報テーブルの変形例を説明する図である。
【図13】実施形態2の処理手順を説明する図である。
【図14】実施形態3の処理手順を説明する図である。
【図15】実施形態2、及び実施形態3の処理を説明するフローチャートである。
【図16】実施形態4に使用する用紙設定情報テーブル、及び用紙定義情報テーブルを示す図である。
【図17】実施形態4を説明する図である。
【図18】給紙口状態テーブルを更新する例を示す図である。
【図19】給紙口状態テーブルの更新処理を説明するフローチャートである。
【図20】記録媒体給紙部の状態チェック処理を説明するフローチャートである。
【図21】実施形態6の処理を説明するフローチャートである。
【図22】実施形態6の処理を説明するフローチャートである。
【図23】実施形態7の処理を説明するフローチャートである。
【図24】実施形態7の処理を説明するフローチャートである。
【図25】実施形態8の処理を説明するフローチャートである。
【図26】実施形態8の処理を説明するフローチャートである。
【図27】実施形態9の処理を説明するフローチャートである。
【図28】実施形態10の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
1・・・プリンタ装置
2・・・画像形成部
3・・・記録媒体給紙部
4・・・記録媒体搬送部
5・・・感光体ドラム
10・・待機ローラ
11・・ベルト駆動ローラ
12・・従動ローラ
13・・搬送ベルト
15・・定着器
16・・排紙部
17・・LAN制御部
18・・USB制御部
19・・IEEE1284制御部
20・・CPU
21・・メモリ
21a・画像メモリ
21b・設定情報メモリ
23・・RОM
24・・エンジン制御部
25・・操作パネル制御部
26・・プリンタエンジン
27・・操作パネル
28・・受信バッファ
29・・画像データ生成部
30a・用紙設定情報
30b・用紙設定情報
31a・用紙設定情報
31b・用紙設定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を収納し給紙する記録媒体給紙手段を備えた画像形成装置において、
前記記録媒体給紙手段に割り付けられる設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記設定情報により指定される記録媒体の定義情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された設定情報に基づいて、前記記録媒体の定義情報を前記第2の記憶手段から読み出し、前記記録媒体の定義情報に従って前記記録媒体給紙手段から搬出される前記記録媒体への画像形成を行う制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の記憶手段に定義情報を登録するべく前記定義情報を操作入力する定義情報入力手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定義情報は種々の記録媒体が固有に有する複数の属性情報群及び各記録媒体毎の属性情報群を指定する為の識別情報からなることを特徴とする請求項1及び2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記定義情報は、少なくとも前記記録媒体のサイズ情報を含むことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定情報は、前記記録媒体給紙手段に収納される記録媒体を識別するための前記識別情報であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の記憶手段に前記設定情報を登録するべく前記設定情報を操作入力する設定情報入力手段を有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記識別情報は、各記録媒体が有する固有の定義情報毎に付与された番号であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記識別情報は、各記録媒体が有する固有の定義情報毎に付与された名称であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記録媒体給紙手段に割り付けられる前記設定情報を選択指定する情報が、前記画像形成装置に接続されるホスト装置から供給されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ホスト装置から供給される前記設定情報は、前記記録媒体給紙手段を指定する制御情報であることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ホスト装置から供給される前記設定情報は、記録媒体のサイズを指定する制御情報であることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1、第2の記憶手段は、不揮発性の記憶手段であることを特徴とする請求項1、2、又は6記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記録媒体給紙手段は、手動により1枚ごとに供給される記録媒体を給紙する手差し給紙手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−131425(P2007−131425A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327108(P2005−327108)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】