説明

画像形成装置

【課題】操作者に対して動作エラー発生を明確に認識させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】操作者に対して操作案内を表示する表示部410、動作エラーの発生を検知するエラー検知部522と、複数の機能の稼働状況を表示部410に表示させる状況表示指示を操作者から受け付ける状況表示キー411と、状況表示キー411で操作者から状況表示指示が受け付けられた場合には、エラー検知部522で動作エラーが検知されていれば、表示部410に動作エラー発生を表示させ、エラー検知部522で動作エラーが検知されていなければ、表示部410に上記複数の機能の稼働状況を表示させる表示制御部523とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置では、紙詰まり等のエラーが発生した場合には、当該エラーの発生を、操作パネルに備えられた表示装置が表示するものが知られている(例えば、特許文献1)。また、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を兼ね備えた複合機では、ある動作のエラーが発生していても、他の動作は実行できる場合があるため、動作エラーが解消していなくても、この動作エラーにより支障を生じない他の動作を実行可能とした画像形成装置も知られている。また、実行可能な他の動作や、ジョブ受付状況等の動作状態を表示装置に表示できるようにした画像形成装置も提案されている。
【特許文献1】特開2005−208335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の画像形成装置においては、動作エラー発生時であっても、実行可能な他の動作を確認したり、受け付け済みのジョブを確認するために、操作者からの指示に基づいて表示装置に上記動作状況を表示させることができるが、この場合、操作者は、画像形成装置のいずれかの動作でエラーが発生していることを充分に認識できない場合がある。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、操作者に対して動作エラー発生を充分に認識させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、複数の機能を実行可能な画像形成装置であって、
操作者に対して操作案内を表示する表示手段と、
動作エラーの発生を検知するエラー検知手段と、
前記複数の機能の稼働状況を前記表示手段に表示させる状況表示指示を操作者から受け付ける状況表示指示受付手段と、
前記状況表示指示受付手段で操作者から前記状況表示指示が受け付けられた場合には、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されていれば、前記表示手段に動作エラー発生を表示させ、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されていなければ、前記表示手段に前記複数の機能の稼働状況を表示させる表示制御手段と
を備えたものである。
【0006】
この構成では、表示制御手段が、状況表示指示受付手段で操作者から状況表示指示が受け付けられても、エラー検知手段で動作エラーが検知されていれば、表示手段に動作エラー発生を表示させるので、操作者に対して動作エラー発生を充分に認識させることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記表示手段は、操作者からの指示を受け付け可能なタッチパネル機能を備え、
前記表示制御手段は、前記状況表示指示受付手段で前記状況表示指示が受け付けられ、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されている場合には、前記動作エラー発生表示と共に、当該動作エラー発生表示をスキップして前記稼働状況表示に切り替える切替指示を前記タッチパネル機能により操作者から受け付ける切替受付キーを前記表示手段に表示させ、この切替受付キーに前記切替指示が受け付けられると、前記表示手段に前記稼働状況を表示させるものである。
【0008】
この構成では、状況表示指示受付手段で操作者から状況表示指示が受け付けられても、エラー検知手段で動作エラーが検知されていれば、表示制御手段は表示手段に動作エラー発生を表示させるが、このとき、動作エラー発生表示と共に表示される切替受付キーで稼働状況表示への切替指示が受け付けられると、表示制御手段は表示手段に稼働状況を表示させるので、操作者に対して動作エラー発生を充分に認識させることができると共に、操作者が当該画像形成装置の稼働状態を確認することも可能になる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、前記表示制御手段は、装置動作中に前記エラー検出手段によって動作エラーが検出された場合には、前記切替受付キーの表示がない動作エラー発生を前記表示手段に表示させるものである。
【0010】
この構成では、装置動作中にエラー検出手段によって動作エラーが検出され、これに基づいて表示制御手段が動作エラー発生を表示手段に表示させる場合には、上記切替受付キーを表示させずに動作エラー発生を表示させるので、操作者は、上記切替受付キーによって簡単に当該動作エラー表示を切り替えることができない。これにより、装置動作中に動作エラーが生じた場合には、動作エラー解除の重要性を操作者に認識させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、実行する機能を切り替える機能切替指示が操作者から入力される機能切替指示入力手段と、
前記機能切替指示入力手段に入力された機能切替指示の示す機能が、前記エラー検知手段によって検知された動作エラーが継続していても動作可能か否かを判断する判断手段とを更に備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段での前記動作エラー発生の表示中に、前記機能切替指示入力手段に機能切替指示が入力され、当該機能切替指示の示す機能に基づく動作が、前記動作エラー発生中は実行不可能であると前記判断手段によって判断された場合は、前記表示手段に前記切替受付キーの表示がない前記動作エラー発生を表示させるものである。
【0012】
この構成では、動作エラー発生の表示中に入力された機能切替指示の示す機能に基づく動作が、動作エラー発生中は実行不可能であると判断手段によって判断され、この判断に基づいて表示制御手段が動作エラー発生を表示手段に表示させる場合には、上記切替受付キーを表示させずに動作エラー発生を表示させるので、操作者は、上記切替受付キーによって簡単に当該動作エラー表示を切り替えることができない。これにより、当該動作エラー解除の重要性を操作者に認識させることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、操作者から状況表示指示が受け付けられても、動作エラーが生じている場合には、表示手段に動作エラー発生が表示されるので、操作者に対して動作エラー発生を確実に認識させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、動作エラー発生表示と共に表示される切替受付キーで稼働状況表示への切り替え指示が受け付けられると稼働状況が表示されるので、操作者は動作エラー発生の認識と、稼働状況の確認の両方を行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、装置動作中に動作エラーが生じた場合には、上記切替受付キーの表示がない動作エラー発生の表示がされ、操作者は、上記切替受付キーによって簡単に当該動作エラー表示を切り替えることができないので、装置動作中に動作エラーが生じた場合には、操作者に動作エラー解除の重要性を認識させることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、動作エラー発生の表示中に指示された動作が、動作エラー発生中は実行不可能であると判断されて動作エラー発生が表示される場合には、上記切替受付キーの表示がない動作エラー発生の表示がされ、操作者は、上記切替受付キーによって簡単に当該動作エラー表示を切り替えることができないので、当該動作エラー解除の重要性を操作者に認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像形成装置の一例として本発明の一実施の形態による複合機について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態による複合機の構成を主に示す側面概略図である。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザが種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0019】
操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、機能切替キー431、スタートキー432及びテンキー433等を備える。機能切替キー431は、操作者から、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、さらに詳しくは、後述するHDD74や外部メモリに蓄積したデータを画面上に表示し、この画面で選択したデータをプリント、ファクス処理、又は消去等する機能(以下、ボックス機能と称する)等、を相互に切り替える機能切替指示が入力される。
【0020】
原稿給送部60は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0021】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0022】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0023】
一方、給紙ローラ202は、印刷用紙が収納された給紙カセット201から印刷用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0024】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0025】
図2は、図1に示す複合機の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、及びHDD(ハードディスクドライブ)74を備える。
【0026】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0027】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像データを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理し、処理された画像データを画像メモリ24に記憶したり、プリンタ部31へ出力する。補正部22は、読み取られた画像データに対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0028】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0029】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式等を記憶する。
【0030】
操作部400は、図1に示す表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネルとLCDとを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。表示部410は、操作者に操作案内を行う種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能である。
【0031】
表示制御部523によって、表示部410には、状況表示キー(状況表示指示受付手段)411と、保留キー(切替受付キー)412とが表示される。状況表示キー411は、複合機1が備える複数機能(コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等)の稼働状況を表示部410に表示させる稼働状況表示指示を操作者からタッチパネル機能で受け付ける。状況表示キー411は、表示部410以外のファクシミリ装置部に設けられた機械的なキーであってもよい。保留キー412は、表示部410に動作エラー発生を示す表示画面を表示させているときに、当該動作エラー発生表示画面をスキップして上記稼働状況表示画面に切り替えるスキップ指示を操作者からタッチパネル機能で受け付ける。
【0032】
操作キー部430は、上述のように機能切替キー431、スタートキー432、テンキー433等を有し、タッチセンサを利用したキーではなく、機械的に構成されたキー群からなる。
【0033】
制御部51は、CPU52と、表示画像データ記憶部53とを備える。CPU52は、複合機1の動作制御を司るものである。表示画像データ記憶部53は、表示部410に表示させる各種の静止画像データ、動画データ等を記憶している。
【0034】
CPU52は、動作制御部521、エラー検知部522、表示制御部523、判断部524を備える。
【0035】
動作制御部521は、複合機1の各部(スキャナ部11,画像処理部21、プリンタ部31等)の動作制御を司る。エラー検知部522は、複合機1の動作中における各部の動作エラーを検知する。動作エラーとは、例えば、給紙カセット201から排出トレイ210までを繋ぐ用紙搬送路や、原稿給送部600の原稿搬送部603等における紙詰まりや、画像形成部33及び転写部34等の故障による異常停止等である。
【0036】
表示制御部523は、表示部410の動作を制御するものである。表示制御部523は、操作者に対する操作案内画面を表示させる。例えば、表示制御部523は、エラー検知部522によって上記動作エラーが検知されたときに、表示画像データ記憶部53から必要な動画データを読み出して再生したり、表示画像データ記憶部53から必要な静止画像データを読み出して、動作エラーを解除するための操作手順をアニメーション的に示す画面や、コピー機能等の各機能についての指示の入力を受け付けるための案内画面等を表示部410に表示させる。なお、本実施形態では、表示部410によるエラー発生表示は、上記動作エラー解除手順を案内する動画による画面、又は、動作エラーの旨を示す静止画の画面のどちらであってもよい。
【0037】
判断部524は、機能切替キー431に操作者から機能切替指示が入力された場合に、当該機能切替指示の示す機能に基づく動作が、エラー検知部522によって検知された動作エラーの継続中でも実行可能であるか否かを判断する。例えば、判断部524は、各種の動作エラーと、各動作エラー発生中でも実行可能な他の動作とが関連付けられたデータテーブルを有しており、エラー検知部522によって動作エラーが検知された時に当該データテーブルに基づいて、実行可能な他の動作を読み出し、表示制御部523及び動作制御部521に通知する。
【0038】
次に、複合機1における動作エラー発生及び動作指示受付に伴う画面表示制御を説明する。図3は複合機1における動作エラー発生及び動作指示受付に伴う画面表示制御を示すフローチャート、図4はコピー機能についての動作指示の受付画面の例を示す図、図5は稼働状況一覧を表示する画面の例を示す図、図6はコピー動作中を示す表示画面の例を示す図、図7は保留キーの表示がない紙詰まりの動作エラー発生時における表示画面の例を示す図、図8は保留キーの表示がある紙詰まりの動作エラー発生時における表示画面の例を示す図、図9はスキャナ機能についての動作指示の受付画面の例を示す図である。
【0039】
複合機1で、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等のいずれかの機能についての指示を受け付ける指示受付画面、例えば、図4に示すようなコピー機能の指示受付画面を表示部410に表示させているときに(S1)、稼働状況表示指示が状況表示キー411に操作者から受け付けられると(S2でYES)、表示制御部523は、図5に示すような稼働状況一覧を表示部410に表示させる(S17)。
【0040】
上記稼働状況一覧が表示部410に表示されているときに、機能切替キー431で操作者からの機能切替指示が受け付けられると(S18でYES)、表示制御部523は、当該機能切替指示に基づく機能についての指示を受け付ける指示受付画面を表示部410に表示させる(S11)。
【0041】
また、表示制御部523が、S1で各機能についての指示受付画面を表示部410に表示させているときに、表示中の機能が示す動作の実行指示が操作者から操作部400で受け付けられると(S2でNO、S3でYES)、動作制御部521が当該指示に基づく動作を装置各部に行わせ、表示制御部523は、各動作別の動作中を表示する動作中画面を表示部410に表示させる(S4)。例えば、S1でコピー機能についての指示受付画面が表示されており、S3で操作者からコピー動作の実行指示が操作部400で受け付けられると、表示制御部523は、図6に示すようなコピー動作中を示す表示画面を表示部410に表示させる。以下、コピー動作を行っている場合を例にして説明する。
【0042】
上記コピー動作中に、エラー検知部522が、例えば紙詰まりの動作エラーを検知すると(S5でYES)、表示制御部523は、表示画像データ記憶部53から、当該紙詰まりの動作エラー発生時の画面表示用の動画データを読み出し、当該動画データを再生して、表示部410に表示させる(S6)。表示制御部523は、この動画データ再生により、例えば、図7に示すような動作エラー発生表示画面を表示部410に表示させ、操作者が、紙詰まりの動作エラーを解消するために必要な操作手順を表示部410に表示させる。この動作エラー発生表示画面には、表示制御部523が、状況表示キー411を表示するが、保留キー412は表示させない。この表示制御部523は、エラー検知部522によって動作エラーが解消したと検知されると、表示部410における当該動作エラー発生表示画面の表示を終了させる(S7でYES)。
【0043】
表示制御部523が、動作エラー発生表示画面を表示部410に表示させているときに(S6)、操作者から状況表示キー411に稼働状況一覧の表示指示が受け付けられず(S7でNO,S8でNO)、機能切替キー431に操作者からの機能切替指示が受け付けられると(S9でYES)、判断部524は、当該指示に基づいて切り替えた後の機能に基づく動作が、現在発生している動作エラー(S5でエラー検知部522によって検出された動作エラー)が解消されずに継続している状態であっても実行可能か否かを判断する(S10)。
【0044】
判断部524が、上記機能切替キー431で受け付けられた機能切替指示の示す機能が、上記エラー動作が解消していなくても実行可能であると判断した場合(S10でYES)、表示制御部523は、当該機能切替指示の示す機能についての指示受付画面の表示に必要な画像データを表示画像データ記憶部53から読み出し、読み出した画像データを表示部410に表示させる(S11)。
【0045】
例えば、コピー動作中に給紙カセット201からの用紙搬送路で紙詰まりが発生し、コピー動作が停止され、表示部410に紙詰まりが発生している旨の表示がされていても、スキャン動作であれば、読取原稿は原稿給送部600の原稿搬送部603を搬送されるだけで足り、読み込み後の処理も、給紙カセット201から繋がる用紙搬送路を使用することがないため、実行が可能である。そのため、操作者からスキャナ機能に切り替える指示が機能切替キー431に受け付けられた場合、表示制御部523は、必要な画像データを表示画像データ記憶部53から読み出し、図9に示すような、スキャナ機能についての指示受付画面を表示部410に表示させる。
【0046】
また、上記動作エラー解消手順を示す動作エラー発生表示画面が表示部410に表示されているときに、機能切替キー431に操作者から入力された機能切替指示の示す機能が、現在発生している動作エラーが解消されなければ動作不可能であると判断部524によって判断された場合は(S10でNO)、S6に戻り、表示制御部523は、引き続き、動作エラー発生表示画面を表示部410に表示させ、上記動作エラーを解消するために必要な操作手順を表示する。例えば、コピー動作中に給紙カセット201からの用紙搬送路で紙詰まりが発生し、コピー動作が停止され、表示部410に紙詰まりが発生している旨の表示がされているときに、ボックス機能に切り替えられ、このボックス機能において、選択したデータのプリントが指示された場合は、この動作は、給紙カセット201から繋がる用紙搬送路を使用するため、紙詰まりのエラーが解消しない限り実行は不可能と判断部524によって判断され、表示制御部523は、引き続き、紙詰まりを解消するために必要な操作手順を表示部410に表示させる。
【0047】
一方、上記S6で、表示制御部523が、動作エラー発生表示画面を表示部410に表示させているときに、状況表示キー411に操作者からの稼働状況一覧を表示させる指示が受け付けられると(S7でNO,S8でYES)、表示制御部523は、保留キー412の表示を加えた動作エラー発生表示画面を表示部410に表示させる(S12)。この保留キー412の表示を加えた動作エラー発生表示画面の例を図8に示す。この動作エラー発生表示画面の表示中に、当該動作エラー発生表示画面をスキップする指示、すなわち、動作エラー発生表示画面を稼働状況一覧表示画面に切り替える指示が操作者から保留キー412で受け付けられると(S13でYES)、表示制御部523は、稼働状況一覧を表示部410に表示させる(S15)。表示制御部523が、この稼働状況一覧を表示部410に表示させているときに、機能切替キー431で操作者からの機能切替指示が受け付けられると(S16でYES)、処理はS10に移る。
【0048】
また、上記S12の動作エラー発生表示画面の表示中に、当該動作エラー発生表示画面をスキップする指示が操作者から受け付けられず(S13でNO)、機能切替キー431で機能切替指示が受け付けられた場合は(S14でYES)、表示制御部523が稼働状況一覧を表示部410に表示させることなく、処理はS10に移る。
【0049】
S11で、表示制御部523が、機能切替指示の示す機能についての指示受付画面を表示部410に表示させた後は、処理はS7に戻り、表示制御部523は、エラー検知部522によって動作エラーが解消していなければ、S8乃至S16の処理を繰り返す。
【0050】
このような画面表示制御によれば、操作者から状況表示指示が受け付けられても、動作エラーが生じている場合には、表示部410に動作エラー発生が表示されるので、操作者に対して動作エラー発生を充分に認識させることができる。また、この動作エラー発生表示画面では、表示部410に保留キー412が表示され、この保留キー412で稼働状況表示への切り替え指示が操作者受け付けられた場合には稼働状況が表示されるので、操作者は、動作エラー発生を充分認識するだけでなく、稼働状況の確認も可能となっている。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、紙詰まりの動作エラーを解消するための操作手順を表示制御部523が表示部410に表示させる場合の画面表示切替制御を例にして説明しているが、本発明は、画像形成部33及び転写部34等の故障による異常停止を解消するための操作手順を、表示制御部523が表示部410に表示させる場合の画面表示切替制御であってもよいことは勿論、さらには、動作エラーを解消するための操作手順に限られず、表示制御部523が他の操作(例えば、給紙カセットへの用紙補給の仕方等)を案内するための操作手順を表示部410に行わせる場合にも適用可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、複合機1の構成及び処理を図1乃至図9に示しているが、これらは一例にすぎず、本発明に係る複合機1の構成及び処理をこれらに限定する趣旨ではない。
【0053】
また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機1として説明しているが、本発明に係る画像形成装置は複合機に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態による複合機の構成を主に示す側面概略図である。
【図2】図1に示す複合機の制御ブロック図である。
【図3】複合機における動作エラー発生及び動作指示受付に伴う画面表示切替制御を示すフローチャートである。
【図4】コピー機能についての動作指示の受付画面の例を示す図である。
【図5】稼働状況一覧を表示する画面の例を示す図である。
【図6】コピー動作中を示す表示画面の例を示す図である。
【図7】保留キーの表示がない紙詰まりの動作エラー発生時における表示画面の例を示す図である。
【図8】保留キーの表示がある紙詰まりの動作エラー発生時における表示画面の例を示す図である。
【図9】スキャナ機能についての動作指示の受付画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 複合機
400 操作部
410 表示部
411 状況表示キー
412 保留キー
430 操作キー部
431 機能切替キー
521 動作制御部
522 エラー検知部
523 表示制御部
524 判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を実行可能な画像形成装置であって、
操作者に対して操作案内を表示する表示手段と、
動作エラーの発生を検知するエラー検知手段と、
前記複数の機能の稼働状況を前記表示手段に表示させる状況表示指示を操作者から受け付ける状況表示指示受付手段と、
前記状況表示指示受付手段で操作者から前記状況表示指示が受け付けられた場合には、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されていれば、前記表示手段に動作エラー発生を表示させ、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されていなければ、前記表示手段に前記複数の機能の稼働状況を表示させる表示制御手段と
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記表示手段は、操作者からの指示を受け付け可能なタッチパネル機能を備え、
前記表示制御手段は、前記状況表示指示受付手段で前記状況表示指示が受け付けられ、前記エラー検知手段で動作エラーが検知されている場合には、前記動作エラー発生表示と共に、当該動作エラー発生表示をスキップして前記稼働状況表示に切り替える切替指示を前記タッチパネル機能により操作者から受け付ける切替受付キーを前記表示手段に表示させ、この切替受付キーに前記切替指示が受け付けられると、前記表示手段に前記稼働状況を表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、装置動作中に前記エラー検出手段によって動作エラーが検出された場合には、前記切替受付キーの表示がない動作エラー発生を前記表示手段に表示させる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
実行する機能を切り替える機能切替指示が操作者から入力される機能切替指示入力手段と、
前記機能切替指示入力手段に入力された機能切替指示の示す機能が、前記エラー検知手段によって検知された動作エラーが継続していても動作可能か否かを判断する判断手段とを更に備え、
前記表示制御手段は、前記表示手段での前記動作エラー発生の表示中に、前記機能切替指示入力手段に機能切替指示が入力され、当該機能切替指示の示す機能に基づく動作が、前記動作エラー発生中は実行不可能であると前記判断手段によって判断された場合は、前記表示手段に前記切替受付キーの表示がない前記動作エラー発生を表示させる請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−232908(P2007−232908A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52666(P2006−52666)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】