画像形成装置
【課題】 装置本体を小型化、幅狭化する。
【解決手段】 定着器に電力を供給するACコネクタを電装基板側に配置し、かつACコネクタが電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置する。
【解決手段】 定着器に電力を供給するACコネクタを電装基板側に配置し、かつACコネクタが電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する、例えば電子写真複写機・プリンタ・ワードプロセッサ及びファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式や他の記録方式を採用する画像形成装置の一例としては、特開2005−84161で示したレーザービームプリンタ等がある。以下、従来のレーザービームプリンタの構成を図10、図11に示す。
【0003】
図10は従来のレーザービームプリンタの断面図であり、図11は同じくその斜視図である。
【0004】
即ち、図10に示すレーザービームプリンタにおいては、記録材Pを載置する給紙トレイ6が装置の下部、プリントされた記録材を積載する排紙手段としての排紙トレイ14が装置の上部にそれぞれ配置され、給紙トレイ6と排紙トレイ14との間にプロセスカートリッジ7が配置されている。
【0005】
4はレジストセンサであり、これは記録材Pの先端位置と露光光源であるレーザスキャナ5の発光タイミングを同期させ、記録材P上の所定位置から画像の描き出しをする。
【0006】
そして、給紙トレイ6の奥側(図中左側)に配置された給紙ローラ2により給紙トレイ6から給紙された記録材Pは、搬送ローラ3a,3bにより、転写ローラ9により感光ドラム8のトナー像が転写される転写部へ搬送され、さらに転写後の記録材を定着器Fへ搬送し、未定着トナー像の定着後、排紙ローラ12により排紙トレイ14に排紙される。
【0007】
また、図10、図11に示した従来のレーザービームプリンタは、以下のようなフレーム構成をもつ。すなわち、左右一対の第1の側壁20,第2の側壁21と、光源手段としてのレーザスキャナ5を保持するスキャナプレート23及び前記第1の側板20、記第1の側板20、第2の側板21の底面をつなぐ底板25等から構成される。
【0008】
さらに第2の側板21には駆動源としてのモータ16が固定されており、モータ16で発生された駆動力は駆動列により、前記感光体8や給紙ローラ2、搬送ローラ3b、加圧ローラ11等に伝達される。
【0009】
また、駆動列をはさんで、第2の側板21と反対側にはギアカバー26が配置されており、第2の側板21とギアカバー26のとの間で駆動列は保持されている。
【0010】
また、前記第1の側板20上には、AC電源部や高圧回路等を含む電装部15が配置されており、前記定着器F、転写ローラ9、プロセスカートリッジ7、レーザスキャナ5、モータ16等に電力を供給している。
【0011】
ここで、前記定着器Fの構成として、最近広く採用されているフィルム加熱方式の定着器の例を示す。
【0012】
図8、図9はフィルム加熱方式の加熱装置(定着装置)の一例の要部の横断面模型図である。
【0013】
50は加熱体(以下、ヒータと記す)、52は耐熱性を持ち、薄肉のフィルム材(以下、定着フィルムと記す)、11は弾性加圧ローラである。51は前記ヒータ50を下面側の溝部51aに嵌め入れて支持させた、剛性・耐熱性を有する加熱体支持部材(以下、ヒーターホルダと記す)で、ヒータホルダ21は、U字型をした金属製のステー24によりバックアップされており、ヒータ50、ヒータホルダ51が弾性変形、経時変形しにくくしている。
【0014】
ヒーターホルダー51の下面側に支持させたヒーター50と弾性加圧ローラ11とを定着フィルム52を挟ませて弾性加圧ローラ11の弾性に抗して加圧バネ55a,55bにより所定の押圧力(例えば80N〜200N)をもって圧接させて所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。
【0015】
ヒーター50はセラミックヒーターで弾性加圧ローラ11を駆動する駆動ギア60側に設けられた接点50aを通じて、電力が供給され、所定の温度に加熱・温調される。
【0016】
また、53はACコネクタで、前記接点50aに係合圧設されて、電気的に接触しており、電源部より供給された電力をACケーブル54を通じて、ヒータ50に供給する。
【0017】
この定着ニップ部Nにおいて、被記録材P・未定着トナー画像がヒーター50により定着フィルム52を介して加熱されて被記録材P面に加熱定着され、定着画像となる。定着ニップ部Nを通った被記録材部分は定着フィルム52の外面から分離して搬送される。
【特許文献1】特開2005−84161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
近年、さらなる装置の小型化、幅狭化への要求が大きくなる中、内部部品の小型化、高密度配置が求められている。
【0019】
特に、従来例で示したレーザープリンタ等の画像形成装置などの場合、定型幅のシート材に対応しなければならいことに加えて、駆動列の配置、ヒータ50の電極50aをシート材通過領域より外側に配置しなければならない等、様々な制約により、装置の幅寸法を小さくするにも、限界があった。
【0020】
特に、定着器FのACコネクタ53は、図9にあるように記録材Pの通紙領域Pmaxをカバーする定着フィルム52の幅より、さらに外側にはみ出た位置に必然的に配置されることになる。従来装置の場合、前記ACコネクタは比較的スペースに余裕のあった駆動列側に配置されていたが、それでも定着フィルム52と駆動列の間にACコネクタを配置するためだけの空間が必要であった。そのため、装置本体の駆動列側に余分な空間ができて装置小型化の障害となっていた。
【0021】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、電装部、定着部、駆動部を高密度に配置し、画像形成装置の小型化、幅狭化を達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
1)本出願に係る発明の目的を実現する第1の構成は、
画像露光手段からの画像光により潜像担持体に形成された潜像を現像剤により顕像化する画像形成手段と、
前記潜像担持体上の顕画像を転写部で記録材に転写する転写手段と、
転写部を経た記録材上の顕画像を定着する定着手段と、
給紙手段からの記録材を前記転写部を経て前記定着手段へ搬送する記録材搬送経路と、
駆動源からの駆動をローラ類に伝達するための駆動列と、
記録材の搬送路を挟んで前記駆動列反対側に駆動列と平行に配置された少なくとも一つのAC回路を含む電装基板と
を持ち、
前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、
前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置された
ことを特徴とする画像形成装置。
【0023】
2)本出願に係る発明の目的を実現する第2の構成は、1)の画像形成装置において
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の高さ方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする。
【0024】
3)本出願に係る発明の目的を実現する第3の構成は、1)〜2)の画像形成装置において
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の幅方向内側に配置されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本出願に係る第1の発明によれば、前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置することにより、駆動列側の装置本体内部の余分な空間が少なくなり、結果として、装置本体の小型化、幅狭化が達成される。
【0026】
また、ACコネクタを電装基板近傍に配置することにより、高価な耐熱性の高いACケーブルの長さが大幅に短縮され、装置本体の低コスト化が可能となった。
【0027】
また、電装基板とACコネクタを近傍に配置したことにより、電装基板を配置した側の外装には開口部を設けて排熱処理を行い、比較的可動音の大きな駆動列70側の外装は必要な遮蔽による騒音対策が可能となり、装置本体の排熱対策と騒音対策の両立が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施例)
以下に本発明の実施の形態を像担持体としての感光体(感光ドラム)にレーザ光を走査して記録する電子写真方式を採用する画像形成装置であるレーザビームプリンタを例に説明する。ここで、従来例と同じ部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態を示す画像形成装置のフレーム、駆動列70と電装基板の配置を示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施の形態を示す画像形成装置の断面図である。
【0030】
図2に示すレーザービームプリンタにおいては、装置の下端側に記録材Pを載置する給紙トレイ6が配置されており、奥側(図中左側)に配設された給紙ローラ2によって1枚ずつ分離給送されたトレイ6上の記録材Pは、搬送ローラ3a,3bによって搬送され、転写ローラ9、感光体8から成る転写部に搬送される。
【0031】
又、レジストセンサー4は記録材Pの先端位置と露光光源であるレーザースキャナ5の発光タイミングを同期させて記録材P上の所定位置から画像の描き出しを行うものである。
【0032】
更に、7はプロセスカートリッジであり、このプロセスカートリッジCは像担持体である感光体8を含むプロセス手段を一体化して構成され、プリンタに対して着脱自在にされている。
【0033】
又、9は感光体8上の顕画像を記録材P上に転写させる転写ローラである。
【0034】
転写ローラ9を通過した後の記録材Pは案内部材10により前述のようにほぼ鉛直な方向に案内搬送され、さらに記録材Pに上記の顕画像を加熱定着する定着器Fに侵入する。また、定着器Fは回転可能に支持された加圧ローラ11と、発熱体を含むヒータユニットHからなり、定着器Fは加圧ローラ11にヒータユニットHを所定の加圧力を持って当接させており、加圧ローラ11とヒータユニットHの間を記録材Pが通過すると熱と圧力で表面の画像が定着される。
【0035】
定着器Fで画像が定着された記録材Pは排紙ローラ対12で排紙トレイ14上に排紙される。
【0036】
また、図2に示した従来のレーザービームプリンタは、図2に示したように、以下のようなフレーム構成をもつ。すなわち、左右一対の第1の側壁20,第2の側壁21と、光源手段としてのレーザスキャナ5を保持するスキャナプレート23及び前記第1の側板20、記第1の側板20、第2の側板21の底面をつなぐ底板25から構成される。
【0037】
さらに第2の側板21には駆動源としてのモータ16が固定されており、モータ16で発生された駆動力は駆動列70により、前記感光体8や給紙ローラ2、搬送ローラ3b、加圧ローラ11等に伝達される。
【0038】
また、駆動列70をはさんで、第2の側板21と反対側にはギアカバー26が配置されており、第2の側板21とギアカバー26のとの間で駆動列70は保持されている。
【0039】
また、前記第1の側板20上には、図4に示すように、電装基板15が配置されている。電装基板15は、主に、AC電源部101、低圧電源部103、高圧電源部102、コントローラ部104等から構成されている。電源基板15は前記定着器F、転写ローラ9、プロセスカートリッジ7、レーザスキャナ5、モータ16等に電力を供給するとともに装置本体の制御も行っている。
【0040】
従来例においては、定着器FのACコネクタ53を駆動列側に配置した例を示したが、本実施例中では、図3のように、ACコネクタ53を電装基板側に配置した例を示す。
【0041】
ヒーター50は従来例同様セラミックヒーターで弾性加圧ローラ11を駆動する駆動ギア60の反対側(電装基板側)に接点50aが設けられている。また、ACコネクタ53は電装基板側に設けられた接点50aに係合圧接して、電気的に接触が保たれており、電源部より供給された電力をACケーブル54を通じて、ヒータ50に供給している。
【0042】
図4において、電装基板の左上方には切り欠き部が設けられ、その切り欠き部から定着器FのACコネクタ部を突出させ、電気基板15と定着器の長手方向でオーバーラップさせて配置させてある。また、ACケーブル54は、電装基板上に設けられたACラインに接続されている。
【0043】
ここで、図5に示したように、ACコネクタ53を電装基板15側に配置し、電装基板15とオーバーラップさせて配置させたことにより、駆動ギア60側でACコネクタ53分のスペースが生まれ、駆動列をW分本体内側に寄せることが可能となって、装置本体の高密度実装が可能となる。
【0044】
以上にように本実施例に示した発明によれば、上記に示した構成では、ACコネクタ53を電装基板15側に配置し、電装基板15とオーバーラップさせて配置させたことにより、結果として装置本体の幅方向寸法をW分狭くすることが可能となり、装置本体の幅狭化、小型化が可能となる。
【0045】
また、ACコネクタ53を電装基板15のより、近傍に配置することが可能となるため、比較的高価な耐熱性の高いACケーブルの長さを短くすることが可能となるため、装置の低コスト化が図れる。
【0046】
また、電装基板15とACコネクタ53を近傍に配置したことにより、電装基板15を配置した側の外装には開口部を設けて排熱処理を行い、比較的可動音の大きな駆動列70側の外装は必要な遮蔽による騒音対策が可能となり、装置本体の排熱対策と騒音対策の両立が図れる。
【0047】
(第2の実施例)
第1の実施例では、図4において、電装基板の左上部切り欠き部分からACコネクタ53を突出させることにより、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせる例を示した。電気基板の形状については、電気部品実装上の制約で図6のように長方形の場合もあるが、このような電装基板形状においても、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせても第1の実施例装置同様本体の幅狭化に効果がある。
【0048】
(第3の実施例)
また、図7のように電装基板が装置本体前方、上方、下方にシフトして配置される場合もある。このような電装基板形状として、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせても第1の実施例同様本体の幅狭化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の斜視図
【図2】本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の断面図
【図3】本発明の第1の実施例における、定着器F部の長手方向の断面図
【図4】本発明の第1の実施例における、電装基板部を示す側面図
【図5】本発明の第1の実施例と従来例の差を示す模式図
【図6】本発明の第2の実施例における電装基板を示す側面図
【図7】本発明の第3の実施例における電装基板を示す側面図
【図8】従来の定着器Fの断面図
【図9】従来の定着器Fの長手方向の断面図
【図10】従来の画像形成装置の断面図
【図11】従来の画像形成装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0050】
2 給紙ローラ
3a,3b 搬送ローラ
5 レーザースキャナ(光学手段)
6 給紙トレイ
7 プロセスカートリッジ
8 感光体
9 転写ローラ
12 排紙ローラ
14 排紙トレイ
15 電装基板
16 モータ
20 第1の側壁
21 第2の側壁
23 スキャナプレート
25 底板
50 ヒータ
52 定着フィルム
53 ACコネクタ
54 ACケーブル
60 駆動ギア
70 駆動列
F 定着器(定着手段)
P 記録材
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する、例えば電子写真複写機・プリンタ・ワードプロセッサ及びファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式や他の記録方式を採用する画像形成装置の一例としては、特開2005−84161で示したレーザービームプリンタ等がある。以下、従来のレーザービームプリンタの構成を図10、図11に示す。
【0003】
図10は従来のレーザービームプリンタの断面図であり、図11は同じくその斜視図である。
【0004】
即ち、図10に示すレーザービームプリンタにおいては、記録材Pを載置する給紙トレイ6が装置の下部、プリントされた記録材を積載する排紙手段としての排紙トレイ14が装置の上部にそれぞれ配置され、給紙トレイ6と排紙トレイ14との間にプロセスカートリッジ7が配置されている。
【0005】
4はレジストセンサであり、これは記録材Pの先端位置と露光光源であるレーザスキャナ5の発光タイミングを同期させ、記録材P上の所定位置から画像の描き出しをする。
【0006】
そして、給紙トレイ6の奥側(図中左側)に配置された給紙ローラ2により給紙トレイ6から給紙された記録材Pは、搬送ローラ3a,3bにより、転写ローラ9により感光ドラム8のトナー像が転写される転写部へ搬送され、さらに転写後の記録材を定着器Fへ搬送し、未定着トナー像の定着後、排紙ローラ12により排紙トレイ14に排紙される。
【0007】
また、図10、図11に示した従来のレーザービームプリンタは、以下のようなフレーム構成をもつ。すなわち、左右一対の第1の側壁20,第2の側壁21と、光源手段としてのレーザスキャナ5を保持するスキャナプレート23及び前記第1の側板20、記第1の側板20、第2の側板21の底面をつなぐ底板25等から構成される。
【0008】
さらに第2の側板21には駆動源としてのモータ16が固定されており、モータ16で発生された駆動力は駆動列により、前記感光体8や給紙ローラ2、搬送ローラ3b、加圧ローラ11等に伝達される。
【0009】
また、駆動列をはさんで、第2の側板21と反対側にはギアカバー26が配置されており、第2の側板21とギアカバー26のとの間で駆動列は保持されている。
【0010】
また、前記第1の側板20上には、AC電源部や高圧回路等を含む電装部15が配置されており、前記定着器F、転写ローラ9、プロセスカートリッジ7、レーザスキャナ5、モータ16等に電力を供給している。
【0011】
ここで、前記定着器Fの構成として、最近広く採用されているフィルム加熱方式の定着器の例を示す。
【0012】
図8、図9はフィルム加熱方式の加熱装置(定着装置)の一例の要部の横断面模型図である。
【0013】
50は加熱体(以下、ヒータと記す)、52は耐熱性を持ち、薄肉のフィルム材(以下、定着フィルムと記す)、11は弾性加圧ローラである。51は前記ヒータ50を下面側の溝部51aに嵌め入れて支持させた、剛性・耐熱性を有する加熱体支持部材(以下、ヒーターホルダと記す)で、ヒータホルダ21は、U字型をした金属製のステー24によりバックアップされており、ヒータ50、ヒータホルダ51が弾性変形、経時変形しにくくしている。
【0014】
ヒーターホルダー51の下面側に支持させたヒーター50と弾性加圧ローラ11とを定着フィルム52を挟ませて弾性加圧ローラ11の弾性に抗して加圧バネ55a,55bにより所定の押圧力(例えば80N〜200N)をもって圧接させて所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。
【0015】
ヒーター50はセラミックヒーターで弾性加圧ローラ11を駆動する駆動ギア60側に設けられた接点50aを通じて、電力が供給され、所定の温度に加熱・温調される。
【0016】
また、53はACコネクタで、前記接点50aに係合圧設されて、電気的に接触しており、電源部より供給された電力をACケーブル54を通じて、ヒータ50に供給する。
【0017】
この定着ニップ部Nにおいて、被記録材P・未定着トナー画像がヒーター50により定着フィルム52を介して加熱されて被記録材P面に加熱定着され、定着画像となる。定着ニップ部Nを通った被記録材部分は定着フィルム52の外面から分離して搬送される。
【特許文献1】特開2005−84161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
近年、さらなる装置の小型化、幅狭化への要求が大きくなる中、内部部品の小型化、高密度配置が求められている。
【0019】
特に、従来例で示したレーザープリンタ等の画像形成装置などの場合、定型幅のシート材に対応しなければならいことに加えて、駆動列の配置、ヒータ50の電極50aをシート材通過領域より外側に配置しなければならない等、様々な制約により、装置の幅寸法を小さくするにも、限界があった。
【0020】
特に、定着器FのACコネクタ53は、図9にあるように記録材Pの通紙領域Pmaxをカバーする定着フィルム52の幅より、さらに外側にはみ出た位置に必然的に配置されることになる。従来装置の場合、前記ACコネクタは比較的スペースに余裕のあった駆動列側に配置されていたが、それでも定着フィルム52と駆動列の間にACコネクタを配置するためだけの空間が必要であった。そのため、装置本体の駆動列側に余分な空間ができて装置小型化の障害となっていた。
【0021】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、電装部、定着部、駆動部を高密度に配置し、画像形成装置の小型化、幅狭化を達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
1)本出願に係る発明の目的を実現する第1の構成は、
画像露光手段からの画像光により潜像担持体に形成された潜像を現像剤により顕像化する画像形成手段と、
前記潜像担持体上の顕画像を転写部で記録材に転写する転写手段と、
転写部を経た記録材上の顕画像を定着する定着手段と、
給紙手段からの記録材を前記転写部を経て前記定着手段へ搬送する記録材搬送経路と、
駆動源からの駆動をローラ類に伝達するための駆動列と、
記録材の搬送路を挟んで前記駆動列反対側に駆動列と平行に配置された少なくとも一つのAC回路を含む電装基板と
を持ち、
前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、
前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置された
ことを特徴とする画像形成装置。
【0023】
2)本出願に係る発明の目的を実現する第2の構成は、1)の画像形成装置において
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の高さ方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする。
【0024】
3)本出願に係る発明の目的を実現する第3の構成は、1)〜2)の画像形成装置において
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の幅方向内側に配置されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本出願に係る第1の発明によれば、前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置することにより、駆動列側の装置本体内部の余分な空間が少なくなり、結果として、装置本体の小型化、幅狭化が達成される。
【0026】
また、ACコネクタを電装基板近傍に配置することにより、高価な耐熱性の高いACケーブルの長さが大幅に短縮され、装置本体の低コスト化が可能となった。
【0027】
また、電装基板とACコネクタを近傍に配置したことにより、電装基板を配置した側の外装には開口部を設けて排熱処理を行い、比較的可動音の大きな駆動列70側の外装は必要な遮蔽による騒音対策が可能となり、装置本体の排熱対策と騒音対策の両立が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施例)
以下に本発明の実施の形態を像担持体としての感光体(感光ドラム)にレーザ光を走査して記録する電子写真方式を採用する画像形成装置であるレーザビームプリンタを例に説明する。ここで、従来例と同じ部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態を示す画像形成装置のフレーム、駆動列70と電装基板の配置を示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施の形態を示す画像形成装置の断面図である。
【0030】
図2に示すレーザービームプリンタにおいては、装置の下端側に記録材Pを載置する給紙トレイ6が配置されており、奥側(図中左側)に配設された給紙ローラ2によって1枚ずつ分離給送されたトレイ6上の記録材Pは、搬送ローラ3a,3bによって搬送され、転写ローラ9、感光体8から成る転写部に搬送される。
【0031】
又、レジストセンサー4は記録材Pの先端位置と露光光源であるレーザースキャナ5の発光タイミングを同期させて記録材P上の所定位置から画像の描き出しを行うものである。
【0032】
更に、7はプロセスカートリッジであり、このプロセスカートリッジCは像担持体である感光体8を含むプロセス手段を一体化して構成され、プリンタに対して着脱自在にされている。
【0033】
又、9は感光体8上の顕画像を記録材P上に転写させる転写ローラである。
【0034】
転写ローラ9を通過した後の記録材Pは案内部材10により前述のようにほぼ鉛直な方向に案内搬送され、さらに記録材Pに上記の顕画像を加熱定着する定着器Fに侵入する。また、定着器Fは回転可能に支持された加圧ローラ11と、発熱体を含むヒータユニットHからなり、定着器Fは加圧ローラ11にヒータユニットHを所定の加圧力を持って当接させており、加圧ローラ11とヒータユニットHの間を記録材Pが通過すると熱と圧力で表面の画像が定着される。
【0035】
定着器Fで画像が定着された記録材Pは排紙ローラ対12で排紙トレイ14上に排紙される。
【0036】
また、図2に示した従来のレーザービームプリンタは、図2に示したように、以下のようなフレーム構成をもつ。すなわち、左右一対の第1の側壁20,第2の側壁21と、光源手段としてのレーザスキャナ5を保持するスキャナプレート23及び前記第1の側板20、記第1の側板20、第2の側板21の底面をつなぐ底板25から構成される。
【0037】
さらに第2の側板21には駆動源としてのモータ16が固定されており、モータ16で発生された駆動力は駆動列70により、前記感光体8や給紙ローラ2、搬送ローラ3b、加圧ローラ11等に伝達される。
【0038】
また、駆動列70をはさんで、第2の側板21と反対側にはギアカバー26が配置されており、第2の側板21とギアカバー26のとの間で駆動列70は保持されている。
【0039】
また、前記第1の側板20上には、図4に示すように、電装基板15が配置されている。電装基板15は、主に、AC電源部101、低圧電源部103、高圧電源部102、コントローラ部104等から構成されている。電源基板15は前記定着器F、転写ローラ9、プロセスカートリッジ7、レーザスキャナ5、モータ16等に電力を供給するとともに装置本体の制御も行っている。
【0040】
従来例においては、定着器FのACコネクタ53を駆動列側に配置した例を示したが、本実施例中では、図3のように、ACコネクタ53を電装基板側に配置した例を示す。
【0041】
ヒーター50は従来例同様セラミックヒーターで弾性加圧ローラ11を駆動する駆動ギア60の反対側(電装基板側)に接点50aが設けられている。また、ACコネクタ53は電装基板側に設けられた接点50aに係合圧接して、電気的に接触が保たれており、電源部より供給された電力をACケーブル54を通じて、ヒータ50に供給している。
【0042】
図4において、電装基板の左上方には切り欠き部が設けられ、その切り欠き部から定着器FのACコネクタ部を突出させ、電気基板15と定着器の長手方向でオーバーラップさせて配置させてある。また、ACケーブル54は、電装基板上に設けられたACラインに接続されている。
【0043】
ここで、図5に示したように、ACコネクタ53を電装基板15側に配置し、電装基板15とオーバーラップさせて配置させたことにより、駆動ギア60側でACコネクタ53分のスペースが生まれ、駆動列をW分本体内側に寄せることが可能となって、装置本体の高密度実装が可能となる。
【0044】
以上にように本実施例に示した発明によれば、上記に示した構成では、ACコネクタ53を電装基板15側に配置し、電装基板15とオーバーラップさせて配置させたことにより、結果として装置本体の幅方向寸法をW分狭くすることが可能となり、装置本体の幅狭化、小型化が可能となる。
【0045】
また、ACコネクタ53を電装基板15のより、近傍に配置することが可能となるため、比較的高価な耐熱性の高いACケーブルの長さを短くすることが可能となるため、装置の低コスト化が図れる。
【0046】
また、電装基板15とACコネクタ53を近傍に配置したことにより、電装基板15を配置した側の外装には開口部を設けて排熱処理を行い、比較的可動音の大きな駆動列70側の外装は必要な遮蔽による騒音対策が可能となり、装置本体の排熱対策と騒音対策の両立が図れる。
【0047】
(第2の実施例)
第1の実施例では、図4において、電装基板の左上部切り欠き部分からACコネクタ53を突出させることにより、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせる例を示した。電気基板の形状については、電気部品実装上の制約で図6のように長方形の場合もあるが、このような電装基板形状においても、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせても第1の実施例装置同様本体の幅狭化に効果がある。
【0048】
(第3の実施例)
また、図7のように電装基板が装置本体前方、上方、下方にシフトして配置される場合もある。このような電装基板形状として、ACコネクタ53と電装基板15をオーバーラップさせても第1の実施例同様本体の幅狭化に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の斜視図
【図2】本発明の第1の実施例を示す画像形成装置の断面図
【図3】本発明の第1の実施例における、定着器F部の長手方向の断面図
【図4】本発明の第1の実施例における、電装基板部を示す側面図
【図5】本発明の第1の実施例と従来例の差を示す模式図
【図6】本発明の第2の実施例における電装基板を示す側面図
【図7】本発明の第3の実施例における電装基板を示す側面図
【図8】従来の定着器Fの断面図
【図9】従来の定着器Fの長手方向の断面図
【図10】従来の画像形成装置の断面図
【図11】従来の画像形成装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0050】
2 給紙ローラ
3a,3b 搬送ローラ
5 レーザースキャナ(光学手段)
6 給紙トレイ
7 プロセスカートリッジ
8 感光体
9 転写ローラ
12 排紙ローラ
14 排紙トレイ
15 電装基板
16 モータ
20 第1の側壁
21 第2の側壁
23 スキャナプレート
25 底板
50 ヒータ
52 定着フィルム
53 ACコネクタ
54 ACケーブル
60 駆動ギア
70 駆動列
F 定着器(定着手段)
P 記録材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像露光手段からの画像光により潜像担持体に形成された潜像を現像剤により顕像化する画像形成手段と、
前記潜像担持体上の顕画像を転写部で記録材に転写する転写手段と、
転写部を経た記録材上の顕画像を定着する定着手段と、
給紙手段からの記録材を前記転写部を経て前記定着手段へ搬送する記録材搬送経路と、
駆動源からの駆動をローラ類に伝達するための駆動列と、
記録材の搬送路を挟んで前記駆動列反対側に駆動列と平行に配置された少なくとも一つのAC回路を含む電装基板と
を持ち、
前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、
前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置された
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の高さ方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の幅方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項1】
画像露光手段からの画像光により潜像担持体に形成された潜像を現像剤により顕像化する画像形成手段と、
前記潜像担持体上の顕画像を転写部で記録材に転写する転写手段と、
転写部を経た記録材上の顕画像を定着する定着手段と、
給紙手段からの記録材を前記転写部を経て前記定着手段へ搬送する記録材搬送経路と、
駆動源からの駆動をローラ類に伝達するための駆動列と、
記録材の搬送路を挟んで前記駆動列反対側に駆動列と平行に配置された少なくとも一つのAC回路を含む電装基板と
を持ち、
前記定着器に電力を供給するACコネクタが前記電装基板側に配置し、
前記ACコネクタが前記電装基板と定着器の長手方向でオーバーラップするように配置された
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の高さ方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
前記ACコネクタが装置断面方向で前記電装基板の最大外形の幅方向寸法で内側に配置されていることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−209744(P2008−209744A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47375(P2007−47375)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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