説明

画像形成装置

【課題】連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の停止又は逆方向への搬送を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にする。
【解決手段】加熱領域内の用紙を輻射により加熱する加熱源811と、加熱源811と加熱領域との間に設けられ、加熱源811から加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽手段812とを備え、制御手段50は、遮蔽手段812による加熱源811から加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽領域を、該加熱領域に搬送される連続紙Pに形成されたトナー画像の位置に対応させて変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トナー画像を加熱定着して用紙に定着させる定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を用紙に定着させる定着手段として赤外線ランプ、あるいはセラミックヒータ等の加熱源を用い、当該加熱源から出る輻射熱によって用紙に形成されたトナー画像を加熱して、用紙に定着させる非接触の定着装置がある(例えば特許文献1)。
【0003】
連続紙を用いる場合には、給紙からトナー画像の転写、トナー画像の定着まで紙が連続しているために、カラー画像を形成時における(1)中間転写部でのトナー画像の重ね合わせ工程、(2)連続紙の正逆搬送によるトナー画像の重ね合わせ工程、(3)画像調整、(4)画像形成条件の切り換え、(5)画像データに対する画像処理の応答待ち、等の定着装置以外の要因により、定着装置内で連続用紙が、停止あるいは逆搬送が必要になる場合がある。
【0004】
非接触加熱によりトナー画像を加熱する定着装置においては、与える熱量は加熱源により加熱される時間、すなわち紙が加熱源に対向する時間によるが、前述の連続用紙の停止あるいは逆搬送を行った場合には、長時間あるいは複数回の輻射を受け加熱量が過剰となる虞がある。
【0005】
このような問題に対して、特許文献1に開示された定着装置では、現像された電子写真用感光体(被加熱体)の進行に伴って、進行経路に並列された赤外線ヒータを順次点灯、順次消灯させている。
【0006】
また特許文献2では、搬送時の紙詰まりなどの異常時に、加熱領域全体をシャッターで遮断させる定着装置が開示されている。
【特許文献1】実開平2−17760号公報
【特許文献2】特開昭62−264082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された定着装置では、被加熱体の進行に合わせてヒータの点灯、消灯をさせているため、被加熱体の搬送を高速で行う高速化に対しては、ヒータの応答性を向上する必要があるが、現実的には対応が困難である。電子写真で加熱源として多用され、応答性の高いハロゲンランプ、キセノンランプは、可視光域の輻射エネルギーが大きな割合を持つため、カラー画像でイエロートナーなどからなる、可視光に対する吸収率の小さい画像を定着しようとすると、可視光に対する吸収率の大きいブラックトナーに対しては大幅な過剰加熱となり、発煙・発火に至ることもある。
【0008】
異なる色のトナーを均一に加熱するためには、加熱源の輻射波長を、遠赤外線等の長波長のものを用いる必要がある。このような輻射波長の特性をもつ加熱源としてはセラミックヒータ等が一般に用いられるが、セラミックヒータでは応答性が低く更に高速化への対応が困難となる。
【0009】
また特許文献2に開示された定着装置では、加熱領域全体を一体として遮断させるものであり、連続用紙の停止あるいは逆方向の搬送時等の加熱量の適正化には対応できないという問題がある。
【0010】
本願発明は上記問題に鑑み、連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の停止又は逆方向への搬送を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.連続紙を給紙して搬送する搬送手段と、
像担持体にトナー画像を形成する複数の現像手段と、
圧着解除手段を備え、圧着時に形成する転写ニップにおいて前記像担持体上に形成されたトナー画像を前記搬送手段により搬送された連続紙に転写させる、転写手段と、
連続紙に形成されたトナー画像を加熱定着する定着装置と、
制御手段と、を有する画像形成装置であって、
前記搬送手段は、連続紙の搬送方向を順方向及び逆方向に切り換え可能であり、
前記転写手段は、圧着時に形成した転写ニップに順方向に搬送された連続紙にトナー画像の転写を行う工程と、転写手段の圧着を解除させて連続紙を逆方向に搬送させる工程と、を交互に繰り返すことにより連続紙に重ね合わせトナー画像を形成し、
前記定着装置は、
加熱領域内の用紙を輻射により加熱する加熱源と、
前記加熱源と前記加熱領域との間に設けられ、前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽手段と、を備え、
前記制御手段は、前記遮蔽手段による前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽領域を、該加熱領域に搬送される連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応させて変更させることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
2.連続紙を給紙して搬送する搬送手段と、
像担持体にトナー画像を形成する複数の現像手段と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を順次重ね合わせて転写して重ね合わせトナー画像を形成する中間転写体と、
圧着解除手段を備え、圧着時に形成する転写ニップにおいて前記中間転写体に形成されたトナー画像を前記搬送手段により搬送された連続紙に転写させる、転写手段と、
連続紙に形成されたトナー画像を加熱定着する定着装置と、
制御手段と、を有する画像形成装置であって、
前記定着装置は、
加熱領域内の用紙を輻射により加熱する加熱源と、
前記加熱源と前記加熱領域との間に設けられ、前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽手段と、を備え、
前記制御手段は、前記遮蔽手段による前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽領域を、該加熱領域に搬送される連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応させて変更させることを特徴とする画像形成装置。
【0013】
3.前記遮蔽手段は、
連続紙の搬送方向に移動可能な、二つの遮蔽板を有し、
搬送する連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応して前記遮蔽板を移動させることにより、前記遮蔽領域を変更することを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成装置。
【0014】
4.前記遮蔽手段は、
連続紙の搬送方向と直交する方向を長辺とする短冊状の複数の羽板が、連続紙の搬送方向に並列配置されており、
前記複数の羽板は、連続紙の搬送方向と直交する方向に伸びる回転軸を回転中心として、駆動源によりそれぞれが独立に回転可能であり、
搬送する連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応して前記羽板を回転させることにより、前記遮蔽領域を変更することを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成装置。
【0015】
5.用紙斤量情報取得部を有し
前記制御手段は、用紙斤量情報取得部からの連続紙の斤量情報に基づいて、前記遮蔽領域を変更させることを特徴とする前記4に記載の画像形成装置。
【0016】
6.前記斤量情報に基づく前記遮蔽領域の変更は、
前記羽板を前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽状態の位置に停止させて回転させないことにより行い、かつ、前記遮断状態の位置に停止させて回転させない羽板を略等間隔で配置させることを特徴とする前記5に記載の画像形成装置。
【0017】
7.前記加熱源は、連続紙の搬送方向と直交する方向の加熱幅を変更可能であり、
搬送される連続紙の幅に応じて、前記加熱幅を変更することを特徴とする前記1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0018】
本願発明によれば、連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の停止又は逆方向への搬送を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にすることが可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
【0020】
[画像形成装置]
図1に基づいて第1の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、画像形成装置の要部を示す図である。
【0021】
画像形成装置は、像担持体として機能する感光体1、感光体1を帯電する帯電極2、画像データに基づいて感光体1に露光を行って潜像を形成する露光部3、形成された潜像をトナーで現像する複数の現像装置4Y、4M、4C、4K及びクリーニング部5を有する。
【0022】
転写部9では、感光体1に形成されたトナー画像を用紙に転写する。クリーニング部5では、感光体1上の転写残トナーをクリーニングする。
【0023】
感光体1は、例えば、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層がドラム状の金属基体の外周面に形成されてなる有機感光体よりなり、搬送される連続紙Pの幅方向に伸びる状態で配設されている。感光層を構成する樹脂としては、例えばポリカーボネイト等を例示することができる。なお図1に示した実施形態においては、ドラム状感光体1を用いた構成例について説明したがこれに限られず、ベルト状感光体を用いてもよい。
【0024】
現像装置4は現像手段として機能し、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の異なる色の小粒径のトナーとキャリアからなる2成分現像剤を内包する。
【0025】
搬送手段20では、連続紙の給紙及び搬送を行う。搬送手段20は、用紙をロール状に巻いた元巻き29と搬送ローラ対21、22、23、24等からなる。これらの元巻き29、搬送ローラ対には、後述の駆動モータM20により正逆回転可能であり、元巻き29の連続紙Pを搬送する順方向(図1に示す元巻き29で時計回転方向)、及び逆方向への搬送させることができる。順方向の搬送速度は300mm/s、逆方向の搬送速度は2000mm/sである。紙の逆方向への搬送速度が小さいと、後続の色の画像形成開始までの時間が短くなり、生産性への影響が大きいので、紙搬送などの機構が追従可能な範囲で、高速で行うことが望ましい。搬送・逆搬送の速度及び位置制御は、モータ回転角などによる非帰還制御でもよいが連続紙Pの画像形成領域よりも外側の非画像領域に位置検出用のマーキングを付与し、当該マーキングをセンサS1に検知することにより、連続紙Pの搬送位置合わせを行うこともできる。マーキングは前記画像形成手段を用いトナーにより形成してもよいし、連続紙P端部に予め切り込みを設けておくなどしてもよい。なお、搬送ローラ対23の用紙幅方向の構成は、連続紙Pの非画像領域の両端部においてのみ、連続紙Pと接触させている。
【0026】
[圧着解除機構]
図2は、転写部9の周辺拡大図である。同図に基づいて圧着解除機能について説明する。図2(a)は解除状態を示す図であり、図2(b)は圧着状態を示す図である。圧着状態においては、転写ローラ90は感光体1に圧着されており、感光体1と転写ローラ90の間で転写ニップNを形成する。
【0027】
転写ローラ90は軸961を支点として回転可能に支持された支持レバー960に設けられた支持部962に回転自在に支持されている。支持レバー960は付勢手段としてのコイルバネ970により付勢される。支持レバー960の軸961の反対側の端部にコロ963が設けられ、コロ963は回転カム980に接している。回転カム980はモータM9により回転駆動される。
【0028】
モータM9を駆動させることにより回転カム980の角度を変更させて解除状態と圧着状態とを切り換えることができる。なお、転写部9に前後する搬送ローラ対22に関しても図2に示した圧着解除機構と同様の機構により下方にシフトさせることが可能な構成としている。
【0029】
ここでカラー画像形成時の作像プロセスについて説明する。本実施形態においては、各色のトナー画像を感光体1に形成し、形成したトナー画像を順次、連続紙P上に重ねて行く。以下、説明する。
(1)Y色トナー画像の現像及び転写を行う工程:トナー画像の現像を現像装置4Yにより行い、感光体1上に形成されたトナー画像が転写ニップNに移動するタイミングに合わせて、連続紙Pを順方向(図1の左方向)に搬送する。
(2)連続紙Pを逆方向に搬送させる工程:Y色のトナー画像の転写が終了した後、図2に示した圧着解除機構により転写ローラ90の解除を行う。また搬送ローラ対22、23は同時に下方にシフトさせている。このような状態で、搬送手段20は、逆方向(図1の右方向)に連続紙Pを搬送させる。
(3)M色トナー画像の現像及び転写を行う工程:トナー画像の現像を現像装置4Mにより行い、感光体1上に形成されたトナー画像が転写ニップNに移動するタイミングに合わせて、連続紙Pを再び順方向に搬送する。この際の画像先端位置は、センサS1の検知値を参照することによりY色を転写した際の画像先端位置と一致させるようにしている。
【0030】
以降は、(2)、(3)の工程を繰り返すことによりC色、K色のトナー画像を転写紙上で重ね合わせて連続紙P上でフルカラーの重ねあわせトナー画像(以下、単にトナー画像ともいう)を形成する。
【0031】
[定着装置8]
図3、図4に基づいて定着装置8の構成について説明する。図3は、定着装置8の周辺拡大図であり、図4は、定着装置8の斜視図である。
【0032】
定着装置8は、筐体810、セラミックヒータ811、遮蔽部812、搬送板815等から構成される。また本実施形態においては、セラミックヒータ811は「加熱源」、遮蔽部812は「遮蔽手段」、としてそれぞれ機能する。搬送板815の上面と遮蔽部812との距離は100mmであり、当該搬送板815の上面が加熱源の輻射により加熱される加熱領域となる。
【0033】
セラミックヒータ811は、電熱線等の抵抗発熱体をセラミックで包み焼成したものである。抵抗発熱体に給電して発熱させ、当該発熱によりセラミックを加熱し、加熱されたセラミックから放射される遠赤外線の輻射熱により被加熱物を加熱する。セラミックは赤外線領域における放射率が0.9〜1.0と高いため、高効率の輻射加熱が可能である。本実施形態においては、セラミックヒータ811は、連続紙Pの搬送方向(以下、単に搬送方向という)の長さは440mm、搬送方向に直交する用紙幅方向(以下、単に、用紙幅方向という)の長さは、350mmで、全体として略直方体の形状である。用紙幅方向の長さは、使用可能な用紙最大幅よりも長くしている。またセラミックヒータ811の制御温度は、720℃である。
【0034】
また、抵抗発熱体を電熱線の配線で構成した場合に、セラミックヒータ内部の配線を用紙幅方向に対応させた複数の配線経路で構成し、そして給電経路を選択することにより加熱領域を変更する構成としてもよい。このような構成とすることにより、用紙搬送方向と直交する方向の加熱幅を変更可能とすることが可能となり、搬送される用紙の幅の位置に応じて、加熱する領域及び遮蔽する領域を変更させることが可能となる。セラミックヒータの応答性は低いが、通常の使用では、紙幅の変更はそれほど頻繁に行われないため、幅の狭い紙を定着した際に、前述した不具合を起こすほど紙の外側の温度が上昇することはない。
【0035】
図3に示すように第1の実施形態における遮蔽部812は、第1の遮蔽板w11、第2の遮蔽板w12を備えている。
【0036】
図4に示す斜視図においては、一方の遮蔽板w11(又はw12)のみを図示しており、他方の遮蔽板w12は図示を省略している。遮蔽板w11と遮蔽板w12は同様の構成であり遮蔽板w11を代表として説明する。遮蔽板w11は不図示のプーリー間に貼られたワイヤL1、L2に支持され、当該ワイヤL1、L2を動作させることにより、遮蔽板w11の移動を行う。また遮蔽を行わない場合においては一方の軸rに巻き取られた状態となる。
【0037】
遮蔽板w11、w12の材料としては耐熱性が高く、低放射率である特性から金属が好ましく、更に錆びると放射率が上昇してしまうことから防錆性の観点でSUSがより好ましい。低放射率の材料を選定することによって、加熱源からの輻射による温度上昇と遮蔽板w11、w12からの輻射による搬送経路の加熱の両方を抑制することができる。放射率は表面形状の影響も受けるため、遮蔽板w11、w12の表面はできるだけ鏡面に近い方が望ましい。また遮蔽板w11、w12の厚さは共に0.05mmとしている。なお図4においては、遮蔽板w11(又はw12)の厚みは誇張して厚く描いてある。
【0038】
巻き取られていない広げた状態における遮蔽板w11、w12の大きさは、520mm(搬送方向)×400mm(用紙幅方向)である。前述のとおり本実施形態においてはセラミックヒータ811の大きさは、440mm(搬送方向)×350mm(用紙幅方向)であり、遮蔽板w11、w12が当該セラミックヒータ811よりも大きいので、加熱領域全域を覆うことができる。
【0039】
遮蔽板w11、w12の駆動は駆動モータM1によりそれぞれ独立に駆動可能であり、移動速度は通常時においては連続紙Pの搬送速度と同一の300mm/sである。なお、巻き取り時において角速度を一定で回転させた場合に生じる不具合として、巻き始めの径が小さい場合と、巻き終わりの径が大きい場合とで、巻き取る速度が変化してしまう問題がある。ワイヤの移動により回転するエンコーダを設置し、ワイヤの移動量を検出して所定のワイヤ移動速度になるように制御してもよいし、駆動モータをステッピングモータ等で構成し巻き取り最外周の周速度が一定となるように回転速度を制御するようにしてもよい。
【0040】
SUSからなる遮蔽板w11の放射率は0.1以下であり、セラミックヒータ811からの輻射の大半を反射する。遮蔽状態においてセラミックヒータ811の温度が720℃で制御した場合には、セラミックヒータ811からの輻射により遮蔽板w11自体が除々に加熱され、本実施例では400〜500℃まで上昇するが、放射率が低いということと温度自体がセラミックヒータ811の温度よりも低いことから、「遮蔽状態」における遮蔽板w11等から加熱領域(搬送ベルト上面)への照射エネルギーは、セラミックヒータ811からの輻射を行う「加熱状態」のときに比べて数十分の一程度に留まる。
【0041】
制御部50は、CPUとメモリを備えており、メモリに記憶しているプログラムをCPUが実行することにより各種制御を実行する。制御部50により遮蔽部を駆動する駆動モータM1、搬送手段20を駆動させる駆動モータM20の制御を行い、非帰還制御もしくはセンサS1により検知した定着装置8に搬送される連続紙Pの位置(画像領域の位置)に同期させて、遮蔽部812の遮蔽領域を制御する。
【0042】
[連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更]
次に図5、図6に基づいて第1の実施形態における遮蔽部812の動作について説明する。図5、図6は連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更を説明する模式図である。
【0043】
図5(a)は待機状態を示す図である。同図に示す待機時においては、広げられた遮蔽板w12により加熱領域の全範囲が遮蔽されている。
【0044】
図5(b)は、連続紙P上の画像領域に形成された1ページ目のトナー画像領域m(1)が定着装置8に搬送されたところを示した図である。最初の1ページ目のトナー画像領域m(1)の定着装置8の搬送板815上の加熱領域への搬送に同期させて、遮蔽板w12は搬送方向下流側に移動される。なおこの際に移動させられた遮蔽板w12は搬送方向下流側の軸rに巻き取られる。トナー画像領域m(1)はセラミックヒータ811からの輻射により加熱される。
【0045】
図5(c)は、必要な加熱領域の長さを説明する図である。同図は図5(b)に続くものであり、加熱領域の長さが所定の長さx1となるように遮蔽板w12を所定位置で停止させている。長さx1は、必要な加熱量を与えるために必要な加熱時間によって決定される長さであり。必要な加熱量は、連続紙Pの厚さが異なる場合、あるいは光沢度を変えるような場合に、異なることになる。なお、加熱量を制限した状態で連続動作すると、遮蔽された領域に対応する加熱源温度が過剰に上昇する虞があるため、加熱源の用紙幅方向の加熱量域の変更を、給電経路を選択することにより変更可能な構成としたのと同様に、搬送方向でも紙厚の水準数に応じて、加熱源の給電経路を分割し、必要な加熱幅(=加熱時間)を選択できるように構成することが好ましい。紙厚の水準は適宜選択すればよいが、例えば80〜105g/m,106〜160g/m,161〜220g/m,221〜300g/mの4水準に分け、加熱源を4分割し、4水準に対応させて1領域のみ通電から全領域に通電までを選択し、この通電領域に合わせて遮蔽部812の開口位置を制御する。
【0046】
図6(a)は、図5(c)に続く状態を説明する模式図であり、同図においては、連続紙Pの1ページ目のトナー画像領域m(1)の後端位置に同期して遮蔽板w11が移動される。
【0047】
図6(b)は、図6(a)に続く状態を説明する模式図であり、同図においては、トナー画像領域m(1)は加熱領域(x1の長さ)での加熱が終了(定着工程の終了)した状態を示している。
【0048】
図6(c)は、図6(b)に続く状態を説明する模式図であり、同図においては、連続用紙Pで後続のページのトナー画像の形成を行うために、連続紙Pを逆方向への搬送させた状態を示している。連続紙Pの後続のページのトナー画像の形成を行っている間に、遮蔽板w11、w12も逆方向へ巻き戻して、図5(a)に示した初期状態に復帰させる。
【0049】
なお前述のように連続紙の逆方向への搬送速度は、順方向時の300mm/sに比べて2000mm/sと早くしているが、遮蔽板w11、w12の逆方向へ巻き戻しは、後続のページのトナー画像の形成を行う間(Y、M、Cトナーの画像形成の間)に行えばよいので、特に高速で行う必要はないため、順方向と同様の300mm/sとしている。
【0050】
このように本実施形態によれば、連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の逆方向への搬送を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にすることが可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0051】
なお、本実施例においては、転写ローラと感光体で紙を挟持して転写する例について説明したが、コロナ放電を用いた転写や、中間転写ローラ等の中間転写部材を介した転写手段を用いた構成でも本願発明は有効である。
【0052】
[第2の実施形態]
図7、図8に基づいて第2の実施形態に係る定着装置について説明する。第2の実施形態においては、第1乃至第3の実施形態とは、遮蔽部812の構成が異なるが、その他の構成は図1乃至図3に示した実施形態と同一であり説明は省略する。
【0053】
図7は、第2の実施形態に係る定着装置8周辺の模式図である。図8は、羽板wの拡大図である。
【0054】
第2の実施形態における遮蔽部812は、図8に示す短冊状の羽板wを図7に示すように複数並列して配置することにより構成される。それぞれの羽板wには図8に示すように短辺方向の中心に用紙幅方向に伸びる回転軸axが設けられている。またそれぞれの回転軸axには、独立して駆動可能なステッピングモータM1が接続されており、不図示のステッピングモータにより回転可能としている。羽根は高速回転できることが望ましく、従って低回転モーメントにする必要があるため、回転軸は羽根の中央に設けてある。
【0055】
また、ステッピングモータにより、各羽板wを独立で回転させる例について説明するが、これに限られず、以下の(1)乃至(3)のいずれかの構成としてもよい。
(1)羽板wをつるまきバネ等のバネで一方向に回転付勢し、ストッパで止めるように保持し、これを電磁石等で吸引しバネによる付勢方向と反対方向に回転させるようにする。
(2)(1)と同様に羽板wを支持し、ワイヤ等で支持した跳ね上げ部材を、搬送する用紙の紙間に同期して走行させ、羽板wを動作させるようにする。
(3)羽板wの回転軸axと同軸のスクリュウに勘合支持し、電磁石等で、スクリュウが1/4回転する分だけ、軸方向に移動するようにする。
【0056】
それぞれの羽板wは、幅が30mm(搬送方向)で長さが400mm(用紙幅方向)で、羽部の厚みは0.5mmである。また隣接する羽板w間の隙間は、室温において0.6mmとしている。材料としては耐熱性が高く、低放射率である特性から金属が好ましく、更に錆びると放射率が上昇してしまうことから防錆性の観点でSUSがより好ましい。低放射率の材料を選定することによって、加熱源からの輻射による温度上昇と羽根からの輻射による搬送経路の加熱の両方を抑制することができる。放射率は表面形状の影響も受けるため、羽根の表面はできるだけ鏡面に近い方が望ましい。
【0057】
羽根と羽根との間隔は、遮蔽性能の点からは小さい方が望ましいが、羽根を一方向に回転させる場合には、遮蔽位置で羽根と羽根が重なってはならない。羽根は加熱源からの輻射を遮蔽することによって温度上昇し、熱膨張する。本実施例では、羽根の幅は0.2〜0.3mm大きくなるため、これに装置の加工・組み立て精度を考慮して間隔を設定している。
【0058】
第2の実施形態においては、セラミックヒータ811は540mm(搬送方向)×350mm(用紙幅方向)において、制御温度600℃で用いている。遮蔽部812は全体としてセラミックヒータ811よりも面積が広くなるようにしている。本実施形態においては、18枚の羽板w(図7では簡略化のため10枚を図示している)を用いているので遮蔽部812としては540mm(搬送方向)×400mm(用紙幅方向)である。
【0059】
当該羽板wを連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応させて回転させることにより加熱領域の位置を変更する。遮蔽部812の羽板wを水平位置とすることにより、図7(a)に示す加熱領域を遮断させた「遮断状態」とする。同羽板wを垂直位置とすることにより、図7(b)に示す加熱領域を加熱する「加熱状態」とすることができる。
【0060】
羽根は低モーメントとして、高速回転するようにしているため短時間ではあるが、羽根の位置を変更する際に、傾いた羽根によって反射される輻射が生じる。これが紙間に向かうと、紙間加熱による搬送経路温度上昇と、加熱効率の低下につがる。羽根の回転方向を、図7において、時計回りとすることにより、傾いた羽根によって反射された輻射が紙に向かうようにでき、紙間加熱による搬送経路温度上昇・加熱効率の低下といった不具合をより小さくすることができる。
【0061】
羽根が遮蔽位置にあるときの遮蔽性能を優先し、遮蔽時に羽根と羽根を重なるようにして構成してもよい。この場合は羽根の回転は往復運動になるため、紙の先後端いずれかで、羽根の回転途中で反射した輻射が紙間に向かうことになるが、羽根の回転速度を十分に上げ、画像形成装置の待機時などの搬送経路加熱抑制性能をより高くできる。
【0062】
本実施形態によれば、連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の停止又は逆方向への搬送を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にすることが可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態における遮蔽板は、ごく短時間で加熱状態と遮蔽状態を切り替えられるため、紙詰まりなどの不具合が発生した際に加熱領域内に取り残された紙の発煙・発火防止のための遮蔽装置としても極めて効果的である。
【0064】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態における連続紙Pの斤量と遮蔽領域との対応関係を説明する模式図である。同図は、図7に対応した模式図であり、その他の構成は図7に示した第2の実施形態と同一であり説明は省略する。
【0065】
第3の実施形態に係る画像形成装置は、定着装置8に搬送する連続紙の斤量情報を取得する。そして取得した斤量情報に基づいて、遮蔽領域を変更するものである。ユーザは予め、操作パネル等により、搬送手段20の元巻き29の連続紙Pの斤量情報を入力している。入力された情報は画像形成装置の記憶部に記憶されており、制御部50が、使用する元巻き29の連続紙Pに対応する用紙の斤量の情報を当該記憶部から呼び出すこと等により斤量情報を取得する。もちろん、画像形成装置の搬送手段20の搬送経路中に連続紙Pの厚みを検知する装置を備えてもよい。厚み検知手段は既知のものが適用可能である。
【0066】
定着装置8に搬送される連続紙Pの斤量情報に基づいて、遮蔽領域を変更するのは、次の理由による。熱源としてのセラミックヒータ811のサイズ、制御温度は、被加熱材に必要な最大の熱量に応じて設定される。そして必要な最大の熱量は、画像形成装置で使用可能な最大用紙斤量に対応している。このようなことから定着装置8で与えられる熱量は、最大用紙斤量つまり、斤量の大きい厚い紙では適正であるが、斤量の小さい薄い紙では過剰気味である。そして過剰な熱量を与えた場合には、ホットオフセットや用紙のカール癖などの問題が生じることになる。
【0067】
このようなことから、用紙の斤量に応じて、与える熱量を適正化することが好ましい。なお用紙の斤量だけではなく、用紙のトナー画像面の光沢度を選択可能として、当該光沢度を可変させる目的で、与える熱量を変更させるようにしてもよい。
【0068】
熱量の適正化は、図9に示すように遮蔽領域の変更により行っている。図9(a)は斤量の大きい厚い紙Pでの、加熱時における羽板wの状態を示したものであり、図9(b)は、斤量が小さい薄い紙での加熱時における羽板wの状態を示したものである。図9(b)に示すように、必要な熱量の小さい薄い紙では、羽板wの一部は回転せずに停止させたままであり、直下に連続紙Pがあるにもかかわらず、水平位置の遮蔽状態としている。図9(a)に比べて、図9(b)では3割の羽板w2を遮蔽状態としているので、用紙に与える熱量を約3割減少させている。
【0069】
なお、停止させた状態を維持する羽板w以外の羽板wは、連続紙Pの位置に対応させて回転させている。また、停止させた状態を維持する羽板wは、図9(b)においては用紙搬送方向の並びで2枚おきに配置させている。これは、加熱領域の温度分布が大きく異ならないようにする目的である。もちろんこれに限られず、下流側あるいは上流側のみを停止させた状態を維持する羽板wとしてもよい。
【0070】
また、セラミックヒータ811を給電し続けた状態で、同一の羽板wを水平位置で停止し続けた場合には、当該羽板wによる反射で相対する位置の部分のセラミックヒータ811の温度が上昇してしまう虞があるので、所定時間毎あるいは所定用紙搬送枚数毎に、停止させる羽板wを他の羽板wにずらすようにしてもよい。
【0071】
加熱領域を分割すると、紙の加熱開始から加熱終了までの時間が長くなり、加熱中の放熱量が増加するため、わずかではあるが、加熱効率が低下する。ヒータの基材の一部に金属を用いるなどして、ヒータ温度の均一化を図ったり、紙搬送方向にヒータの加熱領域を分割したりして、紙の厚さや必要光沢に応じて発熱する領域を限定する構成として、連続したひとつの加熱領域とすることが望ましい。
【0072】
[第4の実施形態]
図10は、第4の実施形態における画像形成装置を説明する図である。同図に示す画像形成装置は、図1と異なり画像形成装置に中間転写ベルト6を用いている。
【0073】
ベルト状の中間転写ベルト6は、複数のローラ61、62、63、64により、回転可能に支持されている。中間転写ベルト6は、体積抵抗率10〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.04〜0.10mmの半導電性シームレスベルトである。
【0074】
現像装置4Y(あるいは4M、4C、4K)により感光体1上に形成されたトナー画像は、回転する中間転写ベルト6上に一次転写部として機能する転写ローラ63により転写される(一次転写工程)。当該一次転写工程を4回繰り返すことにより、中間転写ベルト6上で、合成されたカラー画像が形成される。なおY、M、Cトナーにおける一次転写工程においては、転写部9は解除状態(図2(a)参照)としており、以下の二次転写工程を行うためにKトナーの工程においてのみ圧着状態(図2(b)参照)としている。
【0075】
合成されたカラー画像は、二次転写部として機能する転写部9により一括して連続紙P上に転写され(二次転写工程)、連続紙P上にトナー画像が形成されることになる。
【0076】
当該画像形成プロセスにおいては一次転写工程をY、M、C、K色の4色分行うために4回転する必要があり、Y、M、C色の3回転分の間は、二次転写を行わないために、連続紙Pの搬送は、停止させて、待たせておく必要がある。
【0077】
本実施形態におけるセラミックヒータ811は、大きさが500mm(搬送方向)×350mm(用紙幅方向)であり、制御温度は600℃である。連続紙Pの搬送速度は500mm/sである。また遮蔽部812は図11に示すように二つの遮蔽板w11、w12により構成され、遮蔽板w11は300mm(搬送方向)×400mm(用紙幅方向)、遮蔽部w12は570mm(搬送方向)×400mm(用紙幅方向)である。
【0078】
図11は、連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更を説明する模式図であり、同図に基づいて遮蔽板w11、w12の動作について説明する。
【0079】
図11(a)は初期状態であり、この状態においては、連続紙Pは停止している。同図においては、遮蔽板w11と遮蔽板w12とにより加熱領域の全範囲が遮蔽されている。また遮蔽板w11の搬送方向下流側の端部b1は停止時におけるトナー画像領域m(1)の先端から所定の位置関係で停止している。当該位置関係に関しては後述する。
【0080】
図11(b)において、連続紙Pの移動に伴い、遮蔽板w12を同じ速度で移動させる。トナー画像領域m(1)の先端と遮蔽板w12の後端を一致させているので、トナー画像領域m(1)の先頭側は常に遮蔽されていない加熱状態としている。
【0081】
図11(c)は、図11(b)に続く状態を示すものであり、同図においてはトナー画像領域m(1)の後端が、遮蔽板w11の端部b1まで到達したため、遮蔽板w12の移動及び連続紙Pの搬送を停止させた状態を示している。図11(c)の停止状態においては、セラミックヒータ811による輻射加熱は行い続けている。所定時間停止した後で、図11(d)に示すように、遮蔽板w12を連続紙Pの搬送方向とは逆方向に移動させる。このときの移動速度は、搬送方向と同一速度の500mm/sである。図11(a)〜図11(d)の動作を行うことによりトナー画像領域m(1)の全面に渡って、同一の加熱量を与えることができる。
【0082】
また図11(c)の所定時間の停止時間tsを制御することにより、加熱量を増減することができる。以下説明する。本実施形態においては、連続紙Pの斤量が100g/mであれば、停止時間tsを0sとして、加熱時間を約0.8s、斤量が300g/mであれば、停止時間tsを1.2sとして加熱時間を約2.0sとしている。停止時間を連続紙Pの斤量あるいは、物性に応じて適宜選択してもよい。4色重ね合わせのフルカラー画像を形成する場合には、加熱時間を最大3.0s確保することが可能である。使用する最大の斤量を300g/mまでに制限した場合においては、セラミックヒータ811の制御温度を450℃まで下げても、トナーを定着することが可能である。
【0083】
図12は、トナー画像領域mの搬送方向の長さと、端部b1の位置との関係を説明する模式図である。図12(a)はトナー画像領域mの搬送方向長さが短い場合、図12(b)は長い場合における、停止時の遮蔽板w11の端部b1とトナー画像領域mの先端との位置関係を示している。
【0084】
同図に示すように加熱領域は、遮蔽板w12の端部b2と遮蔽板w11の端部b1(b11又はb12)間の遮蔽されていない領域であり、当該加熱領域に1ページ分のトナー画像領域mが収まるように、遮蔽板w11の端部b1の位置を移動させている。
【0085】
本実施形態によれば、連続紙に対して輻射方式の定着装置によりトナー画像を定着させる画像形成装置において、連続紙の停止を行うような場合であっても、トナー画像への加熱量を均一にすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】画像形成装置の要部を示す図である。
【図2】転写部9の周辺拡大図である。
【図3】定着装置8の周辺拡大図である。
【図4】定着装置8の斜視図である。
【図5】連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更を説明する模式図である。
【図6】連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更を説明する模式図である。
【図7】第2の実施形態に係る定着装置8周辺の模式図である。
【図8】羽板wの拡大図である。
【図9】第3の実施形態における連続紙Pの斤量と遮蔽領域との対応関係を説明する模式図である。
【図10】第4の実施形態における画像形成装置を説明する図である。
【図11】第4の実施形態における、連続紙Pのトナー画像の位置に対応させた遮蔽領域の変更を説明する模式図である。
【図12】トナー画像領域mの搬送方向の長さと、端部b1の位置との関係を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0087】
4Y、4M、4C、4K 現像装置
811 セラミックヒータ
812 遮蔽部
815 搬送板
w11、w12 遮蔽板
w 羽板
L1、L2 ワイヤ
9 転写部
90 転写ローラ
50 制御部
M1 駆動モータ
M20 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙を給紙して搬送する搬送手段と、
像担持体にトナー画像を形成する複数の現像手段と、
圧着解除手段を備え、圧着時に形成する転写ニップにおいて前記像担持体上に形成されたトナー画像を前記搬送手段により搬送された連続紙に転写させる、転写手段と、
連続紙に形成されたトナー画像を加熱定着する定着装置と、
制御手段と、を有する画像形成装置であって、
前記搬送手段は、連続紙の搬送方向を順方向及び逆方向に切り換え可能であり、
前記転写手段は、圧着時に形成した転写ニップに順方向に搬送された連続紙にトナー画像の転写を行う工程と、転写手段の圧着を解除させて連続紙を逆方向に搬送させる工程と、を交互に繰り返すことにより連続紙に重ね合わせトナー画像を形成し、
前記定着装置は、
加熱領域内の用紙を輻射により加熱する加熱源と、
前記加熱源と前記加熱領域との間に設けられ、前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽手段と、を備え、
前記制御手段は、前記遮蔽手段による前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽領域を、該加熱領域に搬送される連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応させて変更させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
連続紙を給紙して搬送する搬送手段と、
像担持体にトナー画像を形成する複数の現像手段と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を順次重ね合わせて転写して重ね合わせトナー画像を形成する中間転写体と、
圧着解除手段を備え、圧着時に形成する転写ニップにおいて前記中間転写体に形成されたトナー画像を前記搬送手段により搬送された連続紙に転写させる、転写手段と、
連続紙に形成されたトナー画像を加熱定着する定着装置と、
制御手段と、を有する画像形成装置であって、
前記定着装置は、
加熱領域内の用紙を輻射により加熱する加熱源と、
前記加熱源と前記加熱領域との間に設けられ、前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽手段と、を備え、
前記制御手段は、前記遮蔽手段による前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽領域を、該加熱領域に搬送される連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応させて変更させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記遮蔽手段は、
連続紙の搬送方向に移動可能な、二つの遮蔽板を有し、
搬送する連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応して前記遮蔽板を移動させることにより、前記遮蔽領域を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記遮蔽手段は、
連続紙の搬送方向と直交する方向を長辺とする短冊状の複数の羽板が、連続紙の搬送方向に並列配置されており、
前記複数の羽板は、連続紙の搬送方向と直交する方向に伸びる回転軸を回転中心として、駆動源によりそれぞれが独立に回転可能であり、
搬送する連続紙に形成されたトナー画像の位置に対応して前記羽板を回転させることにより、前記遮蔽領域を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
用紙斤量情報取得部を有し
前記制御手段は、用紙斤量情報取得部からの連続紙の斤量情報に基づいて、前記遮蔽領域を変更させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記斤量情報に基づく前記遮蔽領域の変更は、
前記羽板を前記加熱源から前記加熱領域への輻射を遮蔽する遮蔽状態の位置に停止させて回転させないことにより行い、かつ、前記遮断状態の位置に停止させて回転させない羽板を略等間隔で配置させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記加熱源は、連続紙の搬送方向と直交する方向の加熱幅を変更可能であり、
搬送される連続紙の幅に応じて、前記加熱幅を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−288490(P2009−288490A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140578(P2008−140578)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】