画像形成装置
【課題】画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】撮像素子56と、撮像素子56により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部103と、YUV変換処理部103によって変換されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータを間引くことによって、YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部104と、間引圧縮部104によって生成された圧縮画像データを記憶するメモリ7と、メモリ7に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部4とを備えた。
【解決手段】撮像素子56と、撮像素子56により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部103と、YUV変換処理部103によって変換されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータを間引くことによって、YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部104と、間引圧縮部104によって生成された圧縮画像データを記憶するメモリ7と、メモリ7に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部4とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙にカラー画像の画像形成を行う画像形成装置では、カラー画像データを一旦、メモリに記憶させておき、画像処理を施してから画像形成を行っている。特に、自動原稿搬送装置(ADF;Auto Document Feeder)にサイズの異なる原稿を混載しておき、原稿画像の読取後に原稿サイズを判定したり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かを自動的に判別するACS(Auto Color Select)機能を備えたりする画像形成装置では、一旦、全ての原稿を読み取って、その画像データをメモリに記憶する必要があるため、画像データを記憶するメモリの記憶容量が増大するという不都合があった。
【0003】
そこで、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)やMMR(Modified Modified Relative Element Address Designate)等の圧縮方式によって圧縮することにより、データサイズを小さくしてからメモリに記憶させることで、画像データを記憶するために必要なメモリの記憶容量を低減するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−77633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、JPEGやMMR等の圧縮方式を用いる場合には、画像データの圧縮処理が複雑になり、処理が増大するという不都合があった。また、JPEGのように、不可逆性の圧縮方式では、圧縮することによって画質が劣化してしまうという不都合もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像を表す画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部と、前記YUV変換処理部によって変換されたYUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを間引くことによって、前記YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部と、前記間引圧縮部によって生成された前記圧縮画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0007】
この構成によれば、画像データ取得部によって、画像を表す画像データが取得される。また、YUV変換処理部によって、画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素が、YUV画像データに変換される。そして、間引圧縮部によって、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが間引かれて、YUV画像データを圧縮した圧縮画像データが生成される。さらに、記憶部によって圧縮画像データが記憶される。また、画像形成部によって、記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像が形成される。
【0008】
この場合、間引圧縮部は、単純に各画素のUデータ及びVデータを間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【0009】
また、前記間引圧縮部は、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、主走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、間引圧縮部によって、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、主走査方向にひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。この場合、間引圧縮部は、Uデータ及びVデータの間引き処理を主走査方向に画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0011】
また、前記間引圧縮部は、さらに、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、副走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、間引圧縮部によって、さらに、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、副走査方向にひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。この場合、間引圧縮部は、Uデータ及びVデータの間引き処理を主走査方向及び副走査方向に画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0013】
また、前記記憶部に記憶された圧縮画像データにおける前記Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、前記圧縮画像データを伸張する伸張処理部をさらに備え、前記画像形成部は、前記伸張処理部によって前記圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、伸張処理部によって、記憶部に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータが、新たに当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとされて、圧縮画像データが伸張される。そして、画像形成部によって、伸張処理部で圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像が形成される。
【0015】
また、前記YUV変換処理部によって前記Uデータ及びVデータが間引かれる前に、前記画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理を行って、当該分離された領域を示す領域分離情報を生成する領域分離処理部をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、領域分離処理部によって、YUV変換処理部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理が行われ、当該分離された領域を示す領域分離情報が生成される。
【0017】
この場合、間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データに対して領域分離処理が実行される。間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれた後の圧縮データは情報量が減少しているため、もし仮に圧縮データに基づいて領域分離を実行しようとすると、領域分離の精度が低下するおそれがある。しかしながら、領域分離処理部は、間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データに対して領域分離処理を実行するので、領域分離の精度が低下するおそれを低減することができる。
【0018】
また、前記領域分離処理部によって生成された領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理を施す画像処理部をさらに備え、前記画像形成部は、前記画像処理部によって前記画像処理が施された伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、画像処理部によって、領域分離情報に基づいて、圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理が施される。この場合、領域分離処理部によって、領域分離の精度が低下するおそれが低減された領域分離情報に基づいて画像処理が施されるので、画像処理の精度が低下するおそれが低減される。
【0020】
また、前記領域分離処理部は、前記画像データ取得部により取得された画像データから文字領域を分離し、前記画像処理部は、前記領域分離処理部によって生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すことが好ましい。
【0021】
この構成によれば、画像処理部によって、領域分離処理部で生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理が施される。この場合、領域分離処理部によって、文字領域分離の精度が低下するおそれが低減された領域分離情報に基づいて、文字領域にコントラストを高める画像処理が施されるので、文字のコントラストを高める画像処理の精度が低下するおそれが低減される。
【発明の効果】
【0022】
このような構成の画像形成装置は、間引圧縮部が、単純に各画素のUデータ及びVデータを間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を示す概念図である。図2は、図1に示す複写機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置は、複写機に限られず、例えばプリンタやファクシミリ、あるいはこれらを複合した複合機等であってもよい。
【0024】
複写機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6と、本体部2の内部に配設された制御部100とを有している。また、複写機1のフロント部には、略長方形の操作パネル部47が設けられている。
【0025】
操作パネル部47は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部473と、操作者から操作指示が入力される操作キー部476とを備える。操作キー部476は、スタートボタン471、及びテンキー472等を備える。
【0026】
スタートボタン471は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー472は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキースイッチである。
【0027】
表示部473は、タッチパネルとLCDとを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。表示部473は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示画面(表示されている操作キー)を押圧することで種々の設定や機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0028】
原稿読取部5の上面には、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53が配設されている。そして、原稿読取部5は、原稿台52及び原稿読取スリット53の下部に、原稿台52や原稿読取スリット53を介して原稿に照明光を照射し、その反射光を受光する走査部51と、走査部51で得られた原稿画像を反射するミラーユニット54と、ミラーユニット54からの原稿画像を集光する結像レンズ55と、結像レンズ55で結像された原稿画像を光電変換する撮像素子56(画像データ取得部)とを備えて構成されている。
【0029】
走査部51は、例えば図略のステッピングモータによって、副走査方向に駆動されるようになっている。そして、走査部51が速度Vで、ミラーユニット54が速度V/2で、図1の左右方向、すなわち副走査方向に変位することで、原稿台52に載置されたブック物や1枚物の原稿画像が、常に等しい光路長で撮像素子56に結像される。
【0030】
また、走査部51は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動される。そして、走査部51、ミラーユニット54、及び結像レンズ55によって、原稿画像が撮像素子56に結像される。そして、撮像素子56は、原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
【0031】
撮像素子56は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどから成り、結像レンズ55で結像された原稿画像により生じる電荷を蓄積することで得られた電圧により、カラー画像をR、G、Bの色成分毎の画像データとして制御部100へ出力する。
【0032】
なお、画像データは撮像素子56で読み取られる例に限られず、例えば図略の通信インターフェイス回路(画像データ取得部)によって、通信回線を介して外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の端末装置から送信された画像データを取得するようにしてもよい。
【0033】
走査部51は、冷陰極管511と、冷陰極管511から放射された光を原稿台52及び原稿読取スリット53方向に照射する反射板512と、原稿から原稿台52や原稿読取スリット53を透過して得られた反射光をミラーユニット54へ反射するミラー513とを備えて構成されている。また、冷陰極管511、反射板512、ミラー513、ミラーユニット54、結像レンズ55、及び撮像素子56は、主走査方向に原稿台52、及び原稿読取スリット53の幅以上に延設されている。
【0034】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を原稿読取スリット53を介して走査部51から読取可能にしている。
【0035】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザが載置できるようになっている。
【0036】
本体部2は、手差トレイ460、複数の給紙カセット461、複数の給紙ローラ462、画像形成部4、排出トレイ48、及び制御部100等を備える。画像形成部4は、像形成部40、定着部45、及び画像形成部4内の用紙搬送路中に設けられた種々の搬送ローラ等からなる用紙搬送部46等を備える。像形成部40は、露光装置42、感光体ドラム43、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置44Y,44M,44C,44K、中間転写体ローラ49、及び転写ローラ41を備える。
【0037】
感光体ドラム43は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置42は、原稿読取部5において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム43に各色別に静電潜像を形成する。現像装置44Y,44M,44C,44Kは、各色の現像剤を感光体ドラム43に供給して各色別のトナー画像を形成する。中間転写体ローラ49には、感光体ドラム43から各色のトナー像が転写され、中間転写体ローラ49上にカラーのトナー像が形成される。
【0038】
一方、給紙ローラ462は、印刷用紙が収納された手差トレイ460や給紙カセット461から用紙を引き出し、転写ローラ41まで給送する。転写ローラ41は、搬送された印刷用紙に中間転写体ローラ49上のトナー像を転写させ、定着部45は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部2の排出口209からスタックトレイ3へ排出される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ48へも排出される。
【0039】
また、印刷用紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部4で用紙の一方の面に画像を形成した後、この印刷用紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて印刷用紙をスイッチバックさせ、印刷用紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部4の上流域に再度搬送し、画像形成部4により他方の面に画像を形成した後、スタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
【0040】
また、制御部100には、メモリ7と画像処理部8とが接続されている。メモリ7は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)によって構成されている。そして、メモリ7は、後述する間引圧縮部104によって生成された圧縮画像データや、後述する領域分離処理部102によって生成された領域分離情報等を記憶する。
【0041】
画像処理部8は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて構成された画像処理回路である。画像処理部8は、メモリ7に記憶されている圧縮画像データに基づいて、原稿サイズを判定したり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別したりする。そして、画像処理部8は、原稿サイズやモノクロ/カラーの判別結果に応じて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データや後述する伸張処理部105によって生成された伸張画像データに対して、レベル補正、γ補正、コントラストの補正、拡大または縮小処理等の種々の画像処理を実行する。
【0042】
例えば、画像処理部8は、メモリ7に記憶されている領域分離情報に基づいて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すようになっている。また、画像処理部8は、伸張処理部105によって生成されたYUVフォーマットの伸張画像データをCMYフォーマットに変換し、さらに露光用の変調信号に変換して露光装置42へ出力する。
【0043】
制御部100は、装置全体の動作制御を司るもので、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部100は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成制御部101、領域分離処理部102、YUV変換処理部103、間引圧縮部104、及び伸張処理部105として機能する。
【0044】
なお、領域分離処理部102、YUV変換処理部103、間引圧縮部104、及び伸張処理部105は、必ずしも制御部100によるプログラム実行により実現される例に限られず、例えばASIC等の論理演算回路を用いた画像処理回路によって構成されていてもよい。
【0045】
領域分離処理部102は、撮像素子56から出力された画像データにおいて、領域毎の画像種別を判別し、領域分離を行う。ここで、領域分離とは、画像データで表される画像を、文字領域、図形領域(表やグラフの枠線等を含む)、写真領域、又は背景領域などに分離することである。そして、領域分離処理部102は、分離された各領域を示す情報を、領域分離情報としてメモリ7に記憶させる。
【0046】
YUV変換処理部103は、撮像素子56から出力された画像データにおける各画素を、Yデータ(輝度)、Uデータ(色差)、及びVデータ(色差)によって表すYUVフォーマットのYUV画像データに変換し、間引圧縮部104へ出力する。
【0047】
間引圧縮部104は、YUV変換処理部103から出力されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータを、主走査方向及び副走査方向にそれぞれひとつおきに間引くことによって、圧縮画像データを生成し、メモリ7に記憶させる。
【0048】
なお、間引圧縮部104は、Uデータ及びVデータをひとつおきに間引く例に限られず、例えば二つおき、三つおき等、所定の比率で間引く構成であってもよい。また、主走査方向及び副走査方向のうち、いずれか1方向にのみ、Uデータ及びVデータを間引く構成としてもよい。
【0049】
伸張処理部105は、メモリ7に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、新たに当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、圧縮画像データを伸張して伸張画像データを生成する。
【0050】
画像形成制御部101は、画像処理部8から露光用の変調信号が露光装置42へ出力されるのと同期して、画像形成部4の各部の動作を制御して用紙に画像を形成させる。
【0051】
次に、上述のように構成された複写機1の動作について説明する。図3は、図2に示す複写機1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、原稿載置部61に載置された原稿が、原稿搬送機構63によって原稿読取スリット53へ搬送される。そして、原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像を表す画像データが、撮像素子56から制御部100へ出力される(ステップS1)。
【0052】
次に、領域分離処理部102によって、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理が実行される。そして、例えば文字領域や背景領域等、分離された各領域を示す情報が、領域分離処理部102によって、領域分離情報としてメモリ7に記憶される(ステップS2)。
【0053】
この場合、間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理が実行される。間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれた後の圧縮データは情報量が減少しているため、圧縮データに基づいて領域分離を実行しようとすると、領域分離の精度が低下するおそれがある。しかしながら、領域分離処理部102は、間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理を実行するので、領域分離の精度が低下するおそれを低減することができる。
【0054】
次に、撮像素子56から出力された画像データが、YUV変換処理部103によって、YUVフォーマットのYUV画像データに変換されて、間引圧縮部104へ出力される(ステップS3)。図4は、YUV変換処理部103によってYUVフォーマットに変換されたYUV画像データの一例を示す説明図である。
【0055】
図4に示すYUV画像データは、最初のラインに、主走査方向に画素P11,P12,P13,P14,P15,P16,・・・・、が並んでいる。そして、次のラインに、主走査方向に画素P21,P22,P23,P24,P25,P26,・・・・、が並んでいる。以下、主走査方向の画素の並び順をn、副走査方向の画素の並び順をmとした場合に、画素Pmnとなるように、マトリクス状に各画素が配列されてYUV画像データが構成されている。
【0056】
画素Pmnは、それぞれ、Yデータを示すデータYmnと、Uデータを示すデータUmnと、Vデータを示すデータVmnとを含んで構成されている。
【0057】
次に、間引圧縮部104によって、YUV変換処理部103から出力されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、図5に示すように、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ例えばひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。そして、この圧縮画像データがメモリ7に記憶される(ステップS4)。
【0058】
この場合、圧縮画像データ全体におけるYデータのデータ量は、YUV画像データ全体におけるYデータのデータ量と同一である。そして、圧縮画像データ全体におけるUデータ及びVデータのデータ量は、YUV画像データ全体におけるUデータ及びVデータのデータ量の1/4になる。
【0059】
そうすると、Yデータ、Uデータ、Vデータのデータ量の比率が1:1:1であるとき、YUV画像データのデータ量を3であるとすると、圧縮画像データのデータ量は、1+1/4+1/4=1.5となる。従って、圧縮画像データのデータ量は、YUV画像データの1/2に圧縮される。これにより、圧縮画像データを記憶させるために必要なメモリ7の記憶容量を低減することが可能となる。
【0060】
この場合、間引圧縮部104は、単純に各画素のUデータ及びVデータを主走査方向及び副走査方向にそれぞれ所定の割合で間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。特に、間引圧縮部104は、ひとつおきにUデータ及びVデータを間引く場合には、Uデータ及びVデータの間引き処理を画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0061】
また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【0062】
次に、画像処理部8によって、メモリ7に記憶されている圧縮画像データに基づいて、原稿サイズが判定されたり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かが判別されたりする。また、画像処理部8によって、例えば、メモリ7に記憶されている領域分離情報に基づいて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データの文字領域にコントラストを高める画像処理が施される(ステップS5)。
【0063】
次に、メモリ7に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、伸張処理部105によって、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータが、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素の新たなUデータ及びVデータとされて、圧縮画像データが伸張され、伸張画像データが生成される。
【0064】
図6は、図2に示す伸張処理部105によって生成された伸張画像データの一例を示す説明図である。まず、図5に示す圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P12について、伸張処理部105によって、画素P12と主走査方向に隣接する画素P11のデータU11とデータV11とが、画素P12の新たなUデータ及びVデータとされて画素P12が伸張される。すなわち、画素P12は、データY12,U11,V11として伸張される。同様に、画素P14は、データY14,U13,V13として伸張され、画素P16は、データY16,U15,V15として伸張される。
【0065】
次に、Uデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P21について、伸張処理部105によって、画素P21と副走査方向に隣接する画素P11のデータU11と、データV11とが、画素P21の新たなUデータ及びVデータとされて画素P21が伸張される。すなわち、画素P21は、データY21,U11,V11として伸張される。同様に、画素P22〜P26についても、それぞれ副走査方向に隣接する画素のUデータ及びVデータによって伸張される。
【0066】
これにより、画素P22は、データY22,U11,V11として伸張され、画素P23は、データY23,U13,V13として伸張され、画素P24は、データY24,U13,V13として伸張され、画素P25は、データY25,U15,V15として伸張される。
【0067】
さらに、Uデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P35について、伸張処理部105によって、画素P35と主走査方向に隣接する画素P36のデータU36とデータV36とが、画素P35の新たなUデータ及びVデータとされて画素P35が伸張される。すなわち、画素P35は、データY35,U36,V36として伸張される。同様に、画素P33は、データY33,U34,V34として伸張され、画素P31は、データY31,U32,V32として伸張される。
【0068】
このようにして、伸張処理部105によって、メモリ7に記憶されている圧縮データが伸張される。そうすると、伸張処理部105は、Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、単純に隣接する画素からUデータ及びVデータをコピーすることにより、圧縮データを伸張することができるので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって圧縮された画像データの伸張を行う場合に比べて、データの伸張を簡素な処理によって行うことができる。
【0069】
また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは、画像データの圧縮伸張を繰り返しても、原画像データのまま維持されるので、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データの圧縮伸張を行うことができる。
【0070】
次に、画像処理部8によって、YUVフォーマットの伸張画像データがCMYフォーマットに変換され、さらに露光用の変調信号に変換されて露光装置42へ出力される(ステップS7)。
【0071】
そして、画像形成制御部101によって、画像処理部8から露光用の変調信号が露光装置42へ出力されるのと同期して、画像形成部4の各部の動作が制御される結果、用紙に伸張画像データに基づく画像が形成される(ステップS8)。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す複写機の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示す複写機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図2に示すYUV変換処理部によってYUVフォーマットに変換されたYUV画像データの一例を示す説明図である。
【図5】図2に示す間引圧縮部によって生成された圧縮画像データの一例を示す説明図である。
【図6】図2に示す伸張処理部によって生成された伸張画像データの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 複写機
2 本体部
3 スタックトレイ
4 画像形成部
5 原稿読取部
6 原稿給送部
7 メモリ
8 画像処理部
40 像形成部
56 撮像素子
100 制御部
101 画像形成制御部
102 領域分離処理部
103 YUV変換処理部
104 間引圧縮部
105 伸張処理部
Pmn 画素
Ymn データ
Umn データ
Vmn データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙にカラー画像の画像形成を行う画像形成装置では、カラー画像データを一旦、メモリに記憶させておき、画像処理を施してから画像形成を行っている。特に、自動原稿搬送装置(ADF;Auto Document Feeder)にサイズの異なる原稿を混載しておき、原稿画像の読取後に原稿サイズを判定したり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かを自動的に判別するACS(Auto Color Select)機能を備えたりする画像形成装置では、一旦、全ての原稿を読み取って、その画像データをメモリに記憶する必要があるため、画像データを記憶するメモリの記憶容量が増大するという不都合があった。
【0003】
そこで、画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)やMMR(Modified Modified Relative Element Address Designate)等の圧縮方式によって圧縮することにより、データサイズを小さくしてからメモリに記憶させることで、画像データを記憶するために必要なメモリの記憶容量を低減するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−77633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、JPEGやMMR等の圧縮方式を用いる場合には、画像データの圧縮処理が複雑になり、処理が増大するという不都合があった。また、JPEGのように、不可逆性の圧縮方式では、圧縮することによって画質が劣化してしまうという不都合もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像を表す画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部と、前記YUV変換処理部によって変換されたYUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを間引くことによって、前記YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部と、前記間引圧縮部によって生成された前記圧縮画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0007】
この構成によれば、画像データ取得部によって、画像を表す画像データが取得される。また、YUV変換処理部によって、画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素が、YUV画像データに変換される。そして、間引圧縮部によって、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが間引かれて、YUV画像データを圧縮した圧縮画像データが生成される。さらに、記憶部によって圧縮画像データが記憶される。また、画像形成部によって、記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像が形成される。
【0008】
この場合、間引圧縮部は、単純に各画素のUデータ及びVデータを間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【0009】
また、前記間引圧縮部は、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、主走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、間引圧縮部によって、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、主走査方向にひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。この場合、間引圧縮部は、Uデータ及びVデータの間引き処理を主走査方向に画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0011】
また、前記間引圧縮部は、さらに、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、副走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、間引圧縮部によって、さらに、YUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、副走査方向にひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。この場合、間引圧縮部は、Uデータ及びVデータの間引き処理を主走査方向及び副走査方向に画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0013】
また、前記記憶部に記憶された圧縮画像データにおける前記Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、前記圧縮画像データを伸張する伸張処理部をさらに備え、前記画像形成部は、前記伸張処理部によって前記圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、伸張処理部によって、記憶部に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータが、新たに当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとされて、圧縮画像データが伸張される。そして、画像形成部によって、伸張処理部で圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像が形成される。
【0015】
また、前記YUV変換処理部によって前記Uデータ及びVデータが間引かれる前に、前記画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理を行って、当該分離された領域を示す領域分離情報を生成する領域分離処理部をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、領域分離処理部によって、YUV変換処理部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理が行われ、当該分離された領域を示す領域分離情報が生成される。
【0017】
この場合、間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データに対して領域分離処理が実行される。間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれた後の圧縮データは情報量が減少しているため、もし仮に圧縮データに基づいて領域分離を実行しようとすると、領域分離の精度が低下するおそれがある。しかしながら、領域分離処理部は、間引圧縮部によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、画像データ取得部により取得された画像データに対して領域分離処理を実行するので、領域分離の精度が低下するおそれを低減することができる。
【0018】
また、前記領域分離処理部によって生成された領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理を施す画像処理部をさらに備え、前記画像形成部は、前記画像処理部によって前記画像処理が施された伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、画像処理部によって、領域分離情報に基づいて、圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理が施される。この場合、領域分離処理部によって、領域分離の精度が低下するおそれが低減された領域分離情報に基づいて画像処理が施されるので、画像処理の精度が低下するおそれが低減される。
【0020】
また、前記領域分離処理部は、前記画像データ取得部により取得された画像データから文字領域を分離し、前記画像処理部は、前記領域分離処理部によって生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すことが好ましい。
【0021】
この構成によれば、画像処理部によって、領域分離処理部で生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理が施される。この場合、領域分離処理部によって、文字領域分離の精度が低下するおそれが低減された領域分離情報に基づいて、文字領域にコントラストを高める画像処理が施されるので、文字のコントラストを高める画像処理の精度が低下するおそれが低減される。
【発明の効果】
【0022】
このような構成の画像形成装置は、間引圧縮部が、単純に各画素のUデータ及びVデータを間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を示す概念図である。図2は、図1に示す複写機1の電気的構成の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置は、複写機に限られず、例えばプリンタやファクシミリ、あるいはこれらを複合した複合機等であってもよい。
【0024】
複写機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6と、本体部2の内部に配設された制御部100とを有している。また、複写機1のフロント部には、略長方形の操作パネル部47が設けられている。
【0025】
操作パネル部47は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部473と、操作者から操作指示が入力される操作キー部476とを備える。操作キー部476は、スタートボタン471、及びテンキー472等を備える。
【0026】
スタートボタン471は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー472は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキースイッチである。
【0027】
表示部473は、タッチパネルとLCDとを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。表示部473は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示画面(表示されている操作キー)を押圧することで種々の設定や機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0028】
原稿読取部5の上面には、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53が配設されている。そして、原稿読取部5は、原稿台52及び原稿読取スリット53の下部に、原稿台52や原稿読取スリット53を介して原稿に照明光を照射し、その反射光を受光する走査部51と、走査部51で得られた原稿画像を反射するミラーユニット54と、ミラーユニット54からの原稿画像を集光する結像レンズ55と、結像レンズ55で結像された原稿画像を光電変換する撮像素子56(画像データ取得部)とを備えて構成されている。
【0029】
走査部51は、例えば図略のステッピングモータによって、副走査方向に駆動されるようになっている。そして、走査部51が速度Vで、ミラーユニット54が速度V/2で、図1の左右方向、すなわち副走査方向に変位することで、原稿台52に載置されたブック物や1枚物の原稿画像が、常に等しい光路長で撮像素子56に結像される。
【0030】
また、走査部51は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動される。そして、走査部51、ミラーユニット54、及び結像レンズ55によって、原稿画像が撮像素子56に結像される。そして、撮像素子56は、原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部100へ出力する。
【0031】
撮像素子56は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどから成り、結像レンズ55で結像された原稿画像により生じる電荷を蓄積することで得られた電圧により、カラー画像をR、G、Bの色成分毎の画像データとして制御部100へ出力する。
【0032】
なお、画像データは撮像素子56で読み取られる例に限られず、例えば図略の通信インターフェイス回路(画像データ取得部)によって、通信回線を介して外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の端末装置から送信された画像データを取得するようにしてもよい。
【0033】
走査部51は、冷陰極管511と、冷陰極管511から放射された光を原稿台52及び原稿読取スリット53方向に照射する反射板512と、原稿から原稿台52や原稿読取スリット53を透過して得られた反射光をミラーユニット54へ反射するミラー513とを備えて構成されている。また、冷陰極管511、反射板512、ミラー513、ミラーユニット54、結像レンズ55、及び撮像素子56は、主走査方向に原稿台52、及び原稿読取スリット53の幅以上に延設されている。
【0034】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を原稿読取スリット53を介して走査部51から読取可能にしている。
【0035】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザが載置できるようになっている。
【0036】
本体部2は、手差トレイ460、複数の給紙カセット461、複数の給紙ローラ462、画像形成部4、排出トレイ48、及び制御部100等を備える。画像形成部4は、像形成部40、定着部45、及び画像形成部4内の用紙搬送路中に設けられた種々の搬送ローラ等からなる用紙搬送部46等を備える。像形成部40は、露光装置42、感光体ドラム43、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の現像装置44Y,44M,44C,44K、中間転写体ローラ49、及び転写ローラ41を備える。
【0037】
感光体ドラム43は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置42は、原稿読取部5において読み取られた原稿の画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム43に各色別に静電潜像を形成する。現像装置44Y,44M,44C,44Kは、各色の現像剤を感光体ドラム43に供給して各色別のトナー画像を形成する。中間転写体ローラ49には、感光体ドラム43から各色のトナー像が転写され、中間転写体ローラ49上にカラーのトナー像が形成される。
【0038】
一方、給紙ローラ462は、印刷用紙が収納された手差トレイ460や給紙カセット461から用紙を引き出し、転写ローラ41まで給送する。転写ローラ41は、搬送された印刷用紙に中間転写体ローラ49上のトナー像を転写させ、定着部45は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部2の排出口209からスタックトレイ3へ排出される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ48へも排出される。
【0039】
また、印刷用紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部4で用紙の一方の面に画像を形成した後、この印刷用紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて印刷用紙をスイッチバックさせ、印刷用紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部4の上流域に再度搬送し、画像形成部4により他方の面に画像を形成した後、スタックトレイ3又は排出トレイ48に排出する。
【0040】
また、制御部100には、メモリ7と画像処理部8とが接続されている。メモリ7は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)によって構成されている。そして、メモリ7は、後述する間引圧縮部104によって生成された圧縮画像データや、後述する領域分離処理部102によって生成された領域分離情報等を記憶する。
【0041】
画像処理部8は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて構成された画像処理回路である。画像処理部8は、メモリ7に記憶されている圧縮画像データに基づいて、原稿サイズを判定したり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別したりする。そして、画像処理部8は、原稿サイズやモノクロ/カラーの判別結果に応じて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データや後述する伸張処理部105によって生成された伸張画像データに対して、レベル補正、γ補正、コントラストの補正、拡大または縮小処理等の種々の画像処理を実行する。
【0042】
例えば、画像処理部8は、メモリ7に記憶されている領域分離情報に基づいて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すようになっている。また、画像処理部8は、伸張処理部105によって生成されたYUVフォーマットの伸張画像データをCMYフォーマットに変換し、さらに露光用の変調信号に変換して露光装置42へ出力する。
【0043】
制御部100は、装置全体の動作制御を司るもので、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部100は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成制御部101、領域分離処理部102、YUV変換処理部103、間引圧縮部104、及び伸張処理部105として機能する。
【0044】
なお、領域分離処理部102、YUV変換処理部103、間引圧縮部104、及び伸張処理部105は、必ずしも制御部100によるプログラム実行により実現される例に限られず、例えばASIC等の論理演算回路を用いた画像処理回路によって構成されていてもよい。
【0045】
領域分離処理部102は、撮像素子56から出力された画像データにおいて、領域毎の画像種別を判別し、領域分離を行う。ここで、領域分離とは、画像データで表される画像を、文字領域、図形領域(表やグラフの枠線等を含む)、写真領域、又は背景領域などに分離することである。そして、領域分離処理部102は、分離された各領域を示す情報を、領域分離情報としてメモリ7に記憶させる。
【0046】
YUV変換処理部103は、撮像素子56から出力された画像データにおける各画素を、Yデータ(輝度)、Uデータ(色差)、及びVデータ(色差)によって表すYUVフォーマットのYUV画像データに変換し、間引圧縮部104へ出力する。
【0047】
間引圧縮部104は、YUV変換処理部103から出力されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータを、主走査方向及び副走査方向にそれぞれひとつおきに間引くことによって、圧縮画像データを生成し、メモリ7に記憶させる。
【0048】
なお、間引圧縮部104は、Uデータ及びVデータをひとつおきに間引く例に限られず、例えば二つおき、三つおき等、所定の比率で間引く構成であってもよい。また、主走査方向及び副走査方向のうち、いずれか1方向にのみ、Uデータ及びVデータを間引く構成としてもよい。
【0049】
伸張処理部105は、メモリ7に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、新たに当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、圧縮画像データを伸張して伸張画像データを生成する。
【0050】
画像形成制御部101は、画像処理部8から露光用の変調信号が露光装置42へ出力されるのと同期して、画像形成部4の各部の動作を制御して用紙に画像を形成させる。
【0051】
次に、上述のように構成された複写機1の動作について説明する。図3は、図2に示す複写機1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、原稿載置部61に載置された原稿が、原稿搬送機構63によって原稿読取スリット53へ搬送される。そして、原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像を表す画像データが、撮像素子56から制御部100へ出力される(ステップS1)。
【0052】
次に、領域分離処理部102によって、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理が実行される。そして、例えば文字領域や背景領域等、分離された各領域を示す情報が、領域分離処理部102によって、領域分離情報としてメモリ7に記憶される(ステップS2)。
【0053】
この場合、間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理が実行される。間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれた後の圧縮データは情報量が減少しているため、圧縮データに基づいて領域分離を実行しようとすると、領域分離の精度が低下するおそれがある。しかしながら、領域分離処理部102は、間引圧縮部104によってUデータ及びVデータが間引かれる前に、撮像素子56から出力された画像データに対して領域分離処理を実行するので、領域分離の精度が低下するおそれを低減することができる。
【0054】
次に、撮像素子56から出力された画像データが、YUV変換処理部103によって、YUVフォーマットのYUV画像データに変換されて、間引圧縮部104へ出力される(ステップS3)。図4は、YUV変換処理部103によってYUVフォーマットに変換されたYUV画像データの一例を示す説明図である。
【0055】
図4に示すYUV画像データは、最初のラインに、主走査方向に画素P11,P12,P13,P14,P15,P16,・・・・、が並んでいる。そして、次のラインに、主走査方向に画素P21,P22,P23,P24,P25,P26,・・・・、が並んでいる。以下、主走査方向の画素の並び順をn、副走査方向の画素の並び順をmとした場合に、画素Pmnとなるように、マトリクス状に各画素が配列されてYUV画像データが構成されている。
【0056】
画素Pmnは、それぞれ、Yデータを示すデータYmnと、Uデータを示すデータUmnと、Vデータを示すデータVmnとを含んで構成されている。
【0057】
次に、間引圧縮部104によって、YUV変換処理部103から出力されたYUV画像データにおける各画素のUデータ及びVデータが、図5に示すように、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ例えばひとつおきに間引かれて、圧縮画像データが生成される。そして、この圧縮画像データがメモリ7に記憶される(ステップS4)。
【0058】
この場合、圧縮画像データ全体におけるYデータのデータ量は、YUV画像データ全体におけるYデータのデータ量と同一である。そして、圧縮画像データ全体におけるUデータ及びVデータのデータ量は、YUV画像データ全体におけるUデータ及びVデータのデータ量の1/4になる。
【0059】
そうすると、Yデータ、Uデータ、Vデータのデータ量の比率が1:1:1であるとき、YUV画像データのデータ量を3であるとすると、圧縮画像データのデータ量は、1+1/4+1/4=1.5となる。従って、圧縮画像データのデータ量は、YUV画像データの1/2に圧縮される。これにより、圧縮画像データを記憶させるために必要なメモリ7の記憶容量を低減することが可能となる。
【0060】
この場合、間引圧縮部104は、単純に各画素のUデータ及びVデータを主走査方向及び副走査方向にそれぞれ所定の割合で間引くだけでよいので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって画像データの圧縮を行う場合に比べて、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。特に、間引圧縮部104は、ひとつおきにUデータ及びVデータを間引く場合には、Uデータ及びVデータの間引き処理を画素の並び順に交互に行うだけでよいので、データ圧縮を簡素な処理によって行うことができる。
【0061】
また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは間引かれず、見た目への影響が小さい信号成分である色差成分を示すUデータ及びVデータのみ間引かれるため、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データを圧縮することができる。
【0062】
次に、画像処理部8によって、メモリ7に記憶されている圧縮画像データに基づいて、原稿サイズが判定されたり、自動原稿搬送装置に載置された原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かが判別されたりする。また、画像処理部8によって、例えば、メモリ7に記憶されている領域分離情報に基づいて、メモリ7に記憶されている圧縮画像データの文字領域にコントラストを高める画像処理が施される(ステップS5)。
【0063】
次に、メモリ7に記憶された圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素について、伸張処理部105によって、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータが、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素の新たなUデータ及びVデータとされて、圧縮画像データが伸張され、伸張画像データが生成される。
【0064】
図6は、図2に示す伸張処理部105によって生成された伸張画像データの一例を示す説明図である。まず、図5に示す圧縮画像データにおけるUデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P12について、伸張処理部105によって、画素P12と主走査方向に隣接する画素P11のデータU11とデータV11とが、画素P12の新たなUデータ及びVデータとされて画素P12が伸張される。すなわち、画素P12は、データY12,U11,V11として伸張される。同様に、画素P14は、データY14,U13,V13として伸張され、画素P16は、データY16,U15,V15として伸張される。
【0065】
次に、Uデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P21について、伸張処理部105によって、画素P21と副走査方向に隣接する画素P11のデータU11と、データV11とが、画素P21の新たなUデータ及びVデータとされて画素P21が伸張される。すなわち、画素P21は、データY21,U11,V11として伸張される。同様に、画素P22〜P26についても、それぞれ副走査方向に隣接する画素のUデータ及びVデータによって伸張される。
【0066】
これにより、画素P22は、データY22,U11,V11として伸張され、画素P23は、データY23,U13,V13として伸張され、画素P24は、データY24,U13,V13として伸張され、画素P25は、データY25,U15,V15として伸張される。
【0067】
さらに、Uデータ及びVデータが間引かれた画素である画素P35について、伸張処理部105によって、画素P35と主走査方向に隣接する画素P36のデータU36とデータV36とが、画素P35の新たなUデータ及びVデータとされて画素P35が伸張される。すなわち、画素P35は、データY35,U36,V36として伸張される。同様に、画素P33は、データY33,U34,V34として伸張され、画素P31は、データY31,U32,V32として伸張される。
【0068】
このようにして、伸張処理部105によって、メモリ7に記憶されている圧縮データが伸張される。そうすると、伸張処理部105は、Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、単純に隣接する画素からUデータ及びVデータをコピーすることにより、圧縮データを伸張することができるので、JPEGやMMR等の圧縮方式によって圧縮された画像データの伸張を行う場合に比べて、データの伸張を簡素な処理によって行うことができる。
【0069】
また、画像の見た目への影響が大きい信号成分である輝度成分を示すYデータは、画像データの圧縮伸張を繰り返しても、原画像データのまま維持されるので、見た目の画質の低下を低減しつつ簡素な処理により画像データの圧縮伸張を行うことができる。
【0070】
次に、画像処理部8によって、YUVフォーマットの伸張画像データがCMYフォーマットに変換され、さらに露光用の変調信号に変換されて露光装置42へ出力される(ステップS7)。
【0071】
そして、画像形成制御部101によって、画像処理部8から露光用の変調信号が露光装置42へ出力されるのと同期して、画像形成部4の各部の動作が制御される結果、用紙に伸張画像データに基づく画像が形成される(ステップS8)。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複写機の内部構成を示す概念図である。
【図2】図1に示す複写機の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図2に示す複写機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図2に示すYUV変換処理部によってYUVフォーマットに変換されたYUV画像データの一例を示す説明図である。
【図5】図2に示す間引圧縮部によって生成された圧縮画像データの一例を示す説明図である。
【図6】図2に示す伸張処理部によって生成された伸張画像データの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 複写機
2 本体部
3 スタックトレイ
4 画像形成部
5 原稿読取部
6 原稿給送部
7 メモリ
8 画像処理部
40 像形成部
56 撮像素子
100 制御部
101 画像形成制御部
102 領域分離処理部
103 YUV変換処理部
104 間引圧縮部
105 伸張処理部
Pmn 画素
Ymn データ
Umn データ
Vmn データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表す画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部と、
前記YUV変換処理部によって変換されたYUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを間引くことによって、前記YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部と、
前記間引圧縮部によって生成された前記圧縮画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記間引圧縮部は、
前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、主走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記間引圧縮部は、
さらに、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、副走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された圧縮画像データにおける前記Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、前記圧縮画像データを伸張する伸張処理部をさらに備え、
前記画像形成部は、
前記伸張処理部によって前記圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成すること
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記YUV変換処理部によって前記Uデータ及びVデータが間引かれる前に、前記画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理を行って、当該分離された領域を示す領域分離情報を生成する領域分離処理部をさらに備えること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記領域分離処理部によって生成された領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理を施す画像処理部をさらに備え、
前記画像形成部は、
前記画像処理部によって前記画像処理が施された伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成すること
を特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記領域分離処理部は、
前記画像データ取得部により取得された画像データから文字領域を分離し、
前記画像処理部は、
前記領域分離処理部によって生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すこと
を特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像を表す画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部により取得された画像データにおける各画素を、輝度を表すYデータと色差を表すUデータ及びVデータとによって表したYUV画像データに変換するYUV変換処理部と、
前記YUV変換処理部によって変換されたYUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを間引くことによって、前記YUV画像データを圧縮した圧縮画像データを生成する間引圧縮部と、
前記間引圧縮部によって生成された前記圧縮画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された圧縮画像データに基づいて、用紙に画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記間引圧縮部は、
前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、主走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記間引圧縮部は、
さらに、前記YUV画像データにおける各画素の前記Uデータ及びVデータを、副走査方向にひとつおきに間引くことによって、前記圧縮画像データを生成すること
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された圧縮画像データにおける前記Uデータ及びVデータが間引かれた画素について、当該画素に隣接する画素のUデータ及びVデータを、当該Uデータ及びVデータが間引かれた画素のUデータ及びVデータとすることによって、前記圧縮画像データを伸張する伸張処理部をさらに備え、
前記画像形成部は、
前記伸張処理部によって前記圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成すること
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記YUV変換処理部によって前記Uデータ及びVデータが間引かれる前に、前記画像データ取得部により取得された画像データを所定の領域に分離する領域分離処理を行って、当該分離された領域を示す領域分離情報を生成する領域分離処理部をさらに備えること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記領域分離処理部によって生成された領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データが伸張されて得られた伸張画像データに所定の画像処理を施す画像処理部をさらに備え、
前記画像形成部は、
前記画像処理部によって前記画像処理が施された伸張画像データに基づいて、用紙に画像を形成すること
を特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記領域分離処理部は、
前記画像データ取得部により取得された画像データから文字領域を分離し、
前記画像処理部は、
前記領域分離処理部によって生成された文字領域を示す領域分離情報に基づいて、前記記憶部に記憶された圧縮画像データの文字領域に、コントラストを高める画像処理を施すこと
を特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−55463(P2009−55463A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221537(P2007−221537)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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