説明

画像形成装置

【課題】狭い空間に空気が流れる流路を形成する事ができる画像形成装置の提供。
【解決手段】画像形成装置は、中間転写ベルト62と、中間転写ベルト62を保護する保護部材74とを有し、保護部材74は、中間転写ベルト62の少なくとも一部分を覆う第1の位置と、空気が流れる流路を形成する第2の位置との間で移動する。また、中間転写ベルトは、画像形成装置本体に対して開閉可能に装着されていて、保護部材74は、中間転写ベルト62画像形成装置本体に対して開かれる動作に連係して第2の位置か記第1の位置へと移動し、中間転写ベルト62が画像形成装置本体に対して閉じられる動作に連係して、第1の位置から第2の位置へと移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケース内にプロセス部材を収納して画像形成装置内に着脱自在に取り付けられ、長尺状の開口部が前記ケースに形成され、前記開口部を開放する開放位置と閉止する閉止位置とへ回動自在にシャッタが設けられ、前記画像形成装置内へ取り付けたときに前記シャッタが開放位置へ回動するプロセスユニットにおいて、前記シャッタが開放位置へ回動したときに前記シャッタと前記ケースの外周面とにより囲まれた通気ダクトが形成されるプロセスユニットが開示されている。
【0003】
特許文献2には、転写材を搬送する搬送路と、露光手段と、画像形成部と、定着手段と、ベルト体と、装置下部を支持する枠体と、該枠体に対して開閉する扉と、を有する画像形成装置において、前記扉には、前記扉が閉じている状態では前記ベルト体から退避した位置にあり、前記扉が開いている状態では前記ベルト体を保護する位置に移動する保護部材を有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−132060号公報
【0005】
【特許文献2】特開2006−139068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、狭い空間に空気が流れる流路を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、像又は像を保持する記録媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材を保護する保護部と、を有し、前記保護部は、前記搬送部材の少なくとも一部分を覆う第1の位置と、空気が流れる流路を形成する第2の位置との間で移動する画像形成装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記搬送部材は、画像形成装置本体に対して開閉可能に装着され、前記保護部は、前記搬送部材が前記画像形成装置本体に対して開かれる動作に連係して前記第2の位置から前記第1の位置へと移動し、前記搬送部材が前記画像形成装置に対して閉じられる動作に連係して、前記第1の位置から前記第2の位置へと移動する請求項1記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記保護部材が前記第2の位置に配置された状態において、前記流路を密閉する密閉部材をさらに有する請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、現像剤を収納する収納部と、少なくとも熱を用いて像を用紙に定着する定着装置と、をさらに有し、前記収納部と前記定着装置とは、前記流路を挟んで配置されている請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して開閉可能であり、像又は像を保持する記録媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材と一体として前記画像形成装置本体に対して開閉可能であり、空気が流れる流路を形成する流路形成部と、現像剤を収納する収納部と、少なくとも熱を用いて像を用紙に定着する定着装置と、
を有し、前記収納部と前記定着装置とは、前記流路を挟んで配置されている画像形成装置である。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記流路形成部は、前記搬送部材を保護する保護部を、該流路形成部の少なくとも一部として有する請求項5記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記流路形成部は、電源基板の周囲を覆う覆部を、該流路形成部の少なくとも一部として有する請求項5記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、空気が流れる流路と保護部とを切り替えることができ、それぞれの部材を別個に設ける場合に比べて、部品点数を削減できる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、流路を形成するため操作をなくすことができる画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、流路からもれる空気を少なくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して定着装置から生じた熱を、現像剤を収納する収納部に伝わりにくくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、定着装置の熱が収容部に伝わりづらくできる画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によれば、請求項5に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、保護部材を流路形成部の少なくとも一部とすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項7に係る本発明によれば、請求項5に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、覆部を流路形成部の少なくとも一部とすることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置を示す断面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の本体に対して主開閉部が開閉される様子と、該本体内に感光体ユニットが着脱される様子とを示す側面図である。
【図4】図1に示す画像形成装置に用いられる感光体ユニットを示す断面図である。
【図5】図4に示す感光体ユニットが有するシャッタ部材の動作を説明し、図5(a)はシャッタ部材が第2の位置にある状態を示す断面図であり、図5(b)はシャッタ部材が第1の位置にある状態を示す断面図である。
【図6】図1に示す画像形成装置に用いられる現像剤除去装置を示す断面図である。
【図7】図1に示す画像形成装置に用いられるベルトユニットを示す斜視図である。
【図8】図1に示す画像形成装置に用いられる第2の電源ユニットを示す断面図である。
【図9】図1に示す画像形成装置に用いられる保護部材を示す第1の断面図である。
【図10】図1に示す画像形成装置に用いられる保護部材を示す第2の断面図である。
【0022】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は画像形成装置本体12を有する。
【0023】
画像形成装置本体12には、前方側開閉部18がヒンジ20を用いて画像形成装置本体12に対して開閉することができるように取り付けられている。また、画像形成装置本体12には、主開閉部26がヒンジ28を用いて画像形成装置本体12に対して開閉することができるように装着されている。また、画像形成装置本体12の前側には、操作部32が取り付けられている。
【0024】
画像形成装置10の上向きの面にあたる例えば主開閉部26の上向きの面は、画像形成がなされた用紙が排出される排出部14として用いられている。
【0025】
前方側開閉部18には、供給用開閉部22が開閉できるように取り付けられている。供給用開閉部22は、通常は図1及び図2に示すように前方側開閉部18に対して閉じられている。後述する記録媒体供給装置510に収納された記録媒体とは異なる記録媒体を用いる際に、供給用開閉部22は前方側開閉部18に対して開かれる。
【0026】
主開閉部26は、通常は画像形成装置本体12に対して閉じられている。後述する感光体ユニット200Y、200M、200C、200Bを画像形成装置本体12内に着脱する際に主開閉部26は開かれる。主開閉部26に装着され、後述する支持ロール70、中間転写ベルト62等が前方側開閉部18と干渉することを防止するため、主開閉部26を開くことに先立ち、前方側開閉部18が画像形成装置本体12に対して開かれる。
【0027】
前方側開閉部18を画像形成装置本体12に対して閉じる際には、前方側開閉部18を閉じることに先立って、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して閉じられる。
【0028】
主開閉部26には、副開閉部30が主開閉部26に対して開閉することができるように取り付けられている。副開閉部30は主開閉部26とは独立して開閉することができ、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して閉じられた状態で、主開閉部26に対して開いた状態とすることができる。副開閉部30は、後述する現像剤除去装置350の全部又は一部を画像形成装置本体12内に着脱する際に開かれる。
【0029】
操作部32は、例えば、画像形成する記録媒体の枚数を入力するテンキーや、画像形成を開始する際に操作される開始ボタン等を有する。
【0030】
画像形成装置本体12内には、記録媒体に画像を形成する画像形成部40が設けられている。画像形成部40は、例えば4個の感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kを有する。
【0031】
感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、それぞれが像形成構造体として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kをそれぞれが有し、それぞれが画像形成装置本体12内に着脱することができる。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、画像形成装置本体12の後側(図2における右側)から順に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの順に並べられている。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの詳細は後述する。
【0032】
感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kは、それぞれが像を保持する像保持体として用いられている。
【0033】
また、画像形成部40は、潜像形成装置として用いられる光書き込み装置44を有する。光書き込み装置44は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのそれぞれに対して光を照射して、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのぞれぞれの表面に潜像を形成する。
【0034】
また、画像形成部40は、現像装置46Y、46M、46C、46Kを有する。現像装置46Yは、収納するイエローのトナーを用いて感光体ドラム210Yに形成された潜像を現像する。現像装置46Mは、収納するマゼンタのトナーを用いて感光体ドラム210Mに形成された潜像を現像する。現像装置46Cは、収納するシアンのトナーを用いて感光体ドラム210Cに形成された潜像を現像する。現像装置46Kは、収納する黒のトナーを用いて感光体ドラム210Kに形成された潜像を現像する。
【0035】
また、画像形成部40は転写装置58を有し、転写装置58は、中間転写ベルトユニット60及び2次転写装置84を有し、中間転写ベルトユニット60は中間転写ベルト62を有する。
【0036】
中間転写ベルト62は、像又は像を保持する記録媒体を搬送する搬送部材として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kから転写された像(トナー像)を搬送する。また、中間転写ベルト62は、無端状であって、支持ロール64、66、68、70、72に、図2に矢印で示す方向に回転することができるように掛けわたされている。支持ロール70には、後述するギア92(図7参照)を介して後述するモータ90(図7参照)からの駆動が伝達され、モータ90からの駆動の伝達を受けて回転することで、支持ロール70は中間転写ベルト62に駆動を伝達する。
【0037】
また、中間転写ベルトユニット60は、1次転写装置として用いられる1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kを有する。1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kは、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kの表面にそれぞれが形成されたイエロートナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を中間転写ベルト62転写する。
【0038】
また、中間転写ベルトユニット60は、中間転写ベルト62を保護する保護部として用いられている保護部材74を有する。中間転写ベルトユニット60については、後に説明を加える。
【0039】
2次転写装置84は、2次転写ロール86を有する。2次転写ロール86は、中間転写ベルト62に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像を、記録媒体に対してさらに転写する。
【0040】
また、転写装置58は、現像剤除去装置350を有し、現像剤除去装置350は掻き落とし部材354を有する。現像剤除去装置350の一部分は、副開閉部30を開くことによって形成される開口部を介して画像形成装置本体12内に着脱することができるようになっている。現像剤除去装置350は、現像剤を収納する収納部として用いられている。現像剤除去装置350の詳細は後述する。
【0041】
転写装置58を構成する部材のうち、中間転写ベルトユニット60と、現像剤除去装置350とは主開閉部26に装着されている。転写装置58のうち、2次転写ロール86は画像形成装置本体12に装着されている。
【0042】
また、画像形成装置本体12内には、2次転写ロール86によって記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着する定着装置50が設けられている。定着装置50は、ヒータ51を有する。定着装置50は、現像剤像を用紙に加圧することにより、又ヒータ51が発する熱を加えることによって、現像剤像を記録媒体に定着する。
【0043】
また、画像形成装置本体12内には、回収容器300が設けられている。回収容器300には、現像装置46Y、46M、46C、46Kから排出された余剰現像剤が回収される。回収容器300は、例えば感光体ユニット200Kと一体となっている。
【0044】
また、画像形成装置本体12内には、画像形成部40に記録媒体を供給する記録媒体供給装置510が装着されている。記録媒体供給装置510は、画像形成装置本体12の前側(図2における左側)に引き出すことができるようになっていて、記録媒体供給装置510を画像形成装置本体12から引き出した状態で記録媒体が補充される。
【0045】
記録媒体供給装置510は、例えば普通紙等の記録媒体を積層した状態で収納する記録媒体収納容器512を有する。また、記録媒体供給装置510は、記録媒体収納容器512に収納された最上位の記録媒体を抽出し、抽出した記録媒体を画像形成部40へ向けて搬送する搬送ロール514を有する。また、記録媒体供給装置510は、記録媒体を捌き、画像形成部40に複数枚の記録媒体が重なった状態で搬送されることを防止するために用いられるリタードロール516を有する。
【0046】
また、画像形成装置本体12内には、記録媒体の搬送に用いられる搬送路530が形成されている。搬送路530は、主搬送路532と、反転搬送路534と、副搬送路536とを有する。
【0047】
主搬送路532は、記録媒体供給装置510から供給された記録媒体を画像形成部40に搬送し、画像が形成された記録媒体を画像形成装置本体12外に排出するために用いられる。主搬送路532に沿って、記録媒体が搬送される方向における上流側から順に、先述の搬送ロール514及びリタードロール516と、レジストロール542と、先述の2次転写ロール86と、先述の定着装置50と、排出ロール544とが配置されている。
【0048】
レジストロール542は、記録媒体供給装置510側から搬送されてきた記録媒体の先端部を一時的に停止させ、中間転写ベルト62に各色のトナー像が転写されるタイミングと合致するように記録媒体を2次転写ロール86に向けて送り出す。
【0049】
排出ロール544は、定着装置50によって各色のトナーが定着された記録媒体を画像形成装置本体12外に排出する。
【0050】
反転搬送路534は、一方の面にトナー像が定着された記録媒体を反転させつつ再び画像形成部40に向けて供給するために用いられる搬送路である。反転搬送路534に沿って、例えば2つの反転搬送ロール548、548が配置されている。反転搬送路534には、記録媒体の後端部を挟みこんだ状態で排出ロール544が逆回転することで記録媒体が後端部側から供給され、供給された記録媒体が反転搬送ロール548、548によって、レジストロール542の上流の位置へと搬送される。
【0051】
副搬送路536は、記録媒体供給装置510に収納された記録媒体とは異なる記録媒体を画像形成部40に供給するための搬送路である。副搬送路536には、供給用開閉部22を開いた状態で画像形成装置本体12の前側から記録媒体が供給される。副搬送路536に沿って、搬送ロール552とリタードロール554とが設けられている。搬送ロール552は、副搬送路536に供給され記録媒体を画像形成部40に向けて搬送する。リタードロール554は、副搬送路536に供給された記録媒体を捌き、複数枚の記録媒体が重なった状態で記録媒体が画像形成部40に搬送されることを防止するために用いられる。
【0052】
また、画像形成装置本体12内には、第1の電源ユニット410が設けられている。
第1の電源ユニット410は、高圧電源回路を有し、例えば現像装置46Y、46M、46C、46Kに給電する。
【0053】
また、画像形成装置10においては、第2の電源ユニット420が、中間転写ベルト62の上方に配置されている。第2の電源ユニット420は、主開閉部26に装着されていて、例えば1次転写ロール80Y、80M、80C、80K等に電力を供給する。第2の電源ユニット420は、中間転写ベルト62と排出部14との間に形成される空間に配置されている。
【0054】
また、画像形成装置10では、現像剤除去装置350と定着装置50とは、第2の電源ユニット420を挟んで配置されている。
【0055】
図3には、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して開閉される様子と、画像形成装置本体12内に感光体ユニット200が着脱される様子とが示されている。
図3に示されるように、画像形成装置本体12に対して主開閉部26を開くと、転写装置58の中間転写ベルトユニット60及び現像剤除去装置350と、第2の電源ユニット420とが主開閉部26とともに移動する。すなわち、中間転写ベルトユニット60、現像剤除去装置350、及び第2の電源ユニットと420は、画像形成装置本体12に対して主開閉部26と一体として開閉する。
【0056】
主開閉部26、中間転写ベルトユニット60、現像剤除去装置350、及び第2の電源ユニット420が画像形成装置本体12に対して開かれると、画像形成装置本体12に開口部36が形成される。そして、開口部36を介して、画像形成装置本体12内に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kがそれぞれ着脱される。回収容器300は、先述のように感光体ユニット200Kと一体とされている。このため、回収容器300は、感光体ユニット200Kと一体として画像形成装置本体12内に着脱される。
【0057】
図4には、感光体ユニット200Yが示されている。感光体ユニット200M、200C、200Kは、用いる現像剤の色が異なるものの感光体ユニット200Yと構成が同一であるため説明を省略する。
【0058】
図4に示されるように、感光体ユニット200Yは感光体ユニット本体202Yを有し、感光体ユニット本体202Yに先述の感光体ドラム210Yが装着されている。感光体ユニット本体202Y内には、感光体ドラム210Yの表面を均一に帯電する帯電装置220Yが装着されている。帯電装置220Yは、感光体ドラム210Yに接触する帯電ロール222Yを有する。帯電装置220Yによって均一に帯電された感光体ドラム210Yの表面に、光書き込み装置44(図1参照)によって潜像が書き込まれる。
【0059】
また、感光体ユニット本体202Y内には、クリーニング装置として用いられる掻き落とし部材224Yが装着されている。掻き落とし部材224Yは、1次転写ロール80Y(図1参照)によってイエローのトナー像が中間転写ベルト62に転写された後に感光体ドラム210Yの表面に残留したイエローのトナーを掻き落とす。
【0060】
また、感光体ユニット本体202Y内には、掻き落とし部材224Yによって感光体ドラム210Yの表面から掻き落とされたイエローのトナーを回収する回収室226Yが設けられている。
【0061】
また、感光体ユニット本体202Yには、例えば支持部材232Yを介して、シャッタ部材230Yが取り付けられている。シャッタ部材230Yは、移動部材として用いられている。また、シャッタ部材230Yは、リンク機構404に連結されていて、リンク機構404を介して、シャッタ部材230Yは先述の中間転写ベルトユニット60に連結されている。
【0062】
図5には、シャッタ部材230Yの動作が説明されている。シャッタ部材230Yは、第2の位置として用いられる図5(a)に示される位置と、第1の位置として用いられる図5(b)に示される位置との間で移動する。
図5(a)に示される位置である第2の位置は、シャッタ部材230Yが感光体ドラム210Yの露出部分212Yを覆う位置(以下、覆う位置とする)である。また、図5(b)に示される位置である第1の位置は、シャッタ部材230Yが露出部分212Yを感光体ユニット本体202から露出させる位置(以下、露出させる位置とする)である。
【0063】
シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12から取り外された状態においては、図5(a)に示されるように覆う位置にある。また、シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12内に装着され、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して開いた状態にあると、図5(a)に示されるように覆う位置にある。一方、シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12内に装着され、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して閉じられた状態にあっては、図5(b)に示されるように露出させる位置にある。
【0064】
シャッタ部材230Yは、先述のリンク機構404によって中間転写ベルトユニット60に連結されていて、リンク機構404の作用によって、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して開かれる動作に連係して露出させる位置から覆う位置に移動するようになっている。また、シャッタ部材230Yは、リンク機構404の作用によって、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して閉じられる動作に連係して覆う位置から露出させる位置へと移動するようになっている。
【0065】
図6には、現像剤除去装置350が示されている。
現像剤除去装置350は、主開閉部26(図1参照)に固定された現像剤除去装置本体352と、現像剤除去装置本体352に対して着脱することができる収納容器370とを有する。現像剤除去装置本体352には、先述の掻き落とし部材354が装着されている。また、現像剤除去装置本体352には、現像剤が通過する通過孔356が形成されている。また、現像剤除去装置本体352内には、搬送部材358が装着されている。
【0066】
搬送部材358は、図6に矢印で示されるように時計回り方向に回転し、掻き落とし部材354によって中間転写ベルト62の表面から掻き落とされた現像剤を、通過孔356を介して収納容器370へと搬送する。また、現像剤除去装置本体352には、収納容器370が満杯であるか否かを検知する満杯検知センサ360が取り付けられている。
【0067】
収納容器370には、掻き落とし部材354によって中間転写ベルト62から除去され、搬送部材358によって搬送された現像剤が収納される。収納容器370には、搬送部材358によって搬送されてきた現像剤が通過する通過孔372が通過孔356と重なるように形成されている。また、収納容器370内には、現像剤搬送部材372が装着されている。現像剤搬送部材372は、図6に示されるように時計回り方向に回転することで、現像剤を満杯検知センサ360の側に搬送する。
【0068】
収納容器370は、現像剤で満杯になると交換される。すなわち、収納容器370が満杯となると、収納容器370が現像剤除去装置本体352から取り外され、副開閉部30(図2参照)を開くことによって形成される開口部から取り外されて、現像剤除去装置本体352に別の収納容器370が装着される。
【0069】
収納容器370に収納された現像剤は、例えば定着装置50(図1参照)から発せられる熱等の影響で溶融する虞がある。収納容器370で現像剤が溶融すると、現像剤搬送部材372が溶融後に固まった現像剤によって固定されて回転しなくなる虞がある。現像剤搬送部材372が固まると、例え収納容器370に収納用の空間が残っていても現像剤を回収することができなくなる。
【0070】
図7には主開閉部26に一体とされた中間転写ベルトユニット60が示されている。
図7に示されるように、中間転写ベルトユニット60は、右側板102と、左側板104と、右側板102及び左側板104を連結する連結部材106とを有する。右側板102、左側板104、及び連結部材106は、転写媒体として用いられる中間転写ベルト62を支持する転写媒体支持部として用いられている。すなわち、右側板102及び左側板104には、先述の支持ロール64、66、68、70、72(図1参照)が装着されていて、支持ロール64、66、68、70、72を介して、右側板102及び左側板104が中間転写ベルト62を支持している。
【0071】
また、右側板102及び左側板104は、先述の1次転写ロール80Y、80M、80C、80K(図1参照)を支持している。
【0072】
また、中間転写ベルトユニット60は、支持ロール70(図1参照)の軸に装着されたギア92を有する。ギア92には駆動源として用いられるモータ90から駆動が伝達され、ギア92に駆動が伝達されることで、支持ロール70が回転し、中間転写ベルト62に駆動が伝達される。
【0073】
また、中間転写ベルトユニット60は、先述のリンク機構404(図4参照)に連結されている。この中間転写ベルトユニット60と一体とされた主開閉部26を介してリンク機構404に連結されていても構わない。すなわち、リンク機構404を介して中間転写ベルトユニット60とシャッタ部材230Y、230M、230C、230Kとは連結されている。このため、先述のように、画像形成装置本体12に対して中間転写ベルトユニット60が開閉されることに連係して、シャッタ部材230Y、230M,230C、230Kが開閉する。
【0074】
また、中間転写ベルトユニット60の例えば左側板104は、リンク機構406に連結されている。そして、リンク機構406には、先述の保護部材74(図2参照)が連結されている。すなわち、中間転写ベルトユニット60と保護部材74とは互いに連結されている。この中間転写ベルトユニット60と一体とされた主開閉部26を介してリンク機構406に連結されていても構わない。
【0075】
右側板102及び左側板104には、第2の電源ユニット420が装着されている。すなわち、第2の電源ユニット420が有する電源基板422が右側板102と左側板104とに一体とされている。
【0076】
また、中間転写ベルトユニット60は、外気供給装置460を有する。
外気供給装置460は、第2の電源ユニット420に向けて外気を供給する供給装置として用いられていて、吸気ダクト462と、送風ファン464と、排気ダクト466とを有する。吸気ダクト462及び送風ファン464は左側板104に装着されていて、排気ダクト466は右側板102に装着されている。外気供給装置460においては、送風ファン464が回転をすることで、吸気ダクト462を介して画像形成装置本体12(図1参照)へ外気が吸引され、排気ダクト466を介して画像形成装置本体12外へ排気される。
【0077】
図8には、第2の電源ユニット420が示されている。
第2の電源ユニット420は、先述のように電源基板422を有する。また、電源ユニット420は、電源基板422よりも下方に位置する下側板424と、前側に位置する前側板426と、後側に位置する後側板428とを有する。そして、下側板424、前側板426、及び後側板428と、画像形成装置本体12とによって、電源基板422を取り囲むように空間S1が形成される。このように、電源基板422を取り囲む空間S1を形成することで、使用者が電源基板422に触れることができないようにして、感電等の事故を防止している。
【0078】
空間S1内に吸気ダクト462(図7参照)から吸気がなされ、空間S1内の空気が排気ダクト466(図7参照)によって排気され、空間S1内には図8における奥側から手前側に向けての気流が発生している。このように、空間S1が空気の流れるダクトとして用いられている。
【0079】
空間S1内を空気が流れることで、電源基板422が冷却され、空間S1の下方を移動する中間転写ベルト62が冷却される。また、空間S1内に気流が生じることで、所謂エアカーテンが形成され、空気が流れる方向と交わる方向における気流が形成される位置に対する一方の側から他方の側へ熱が伝わりにくくなる。このため、第2の電源ユニット420よりも前側に位置する定着装置50(図2参照)から生じた熱が、第2の電源ユニット420よりも後側に位置する現像剤除去装置350に伝わりにくくなる。このため、現像剤除去装置350内に回収された現像剤の熱による溶融が生じにくくなる。
【0080】
図9及び図10には、保護部材74が示されている。
保護部材74は、ヒンジ76を用いて中間転写ベルトユニット60の、例えば右側板102及び左側板104に取り付けられていて、回転するようにして図9に示す第2の位置と図10に示す第1位置との間で移動することができるようになっている。ここで保護部材74は、中間転写ベルトユニット60と一体とされた主開閉部26に取り付けられていても構わない。
【0081】
保護部材74のヒンジ76に支持される側の端部と逆側の端部には、密閉部材78が取り付けられている。密閉部材78には、例えばスポンジ等の外部から押されることにより変形する材質が用いられている。
【0082】
また、保護部材74は、リンク機構406に連結されている。ここで、リンク機構406は、中間転写ベルトユニット60の例えば左側板104に連結されている。このため、保護部材74は、中間転写ベルト62等が画像形成装置本体12に対して開閉する動作と連係して移動するようになっている。より具体的には、保護部材74は、中間転写ベルト62が画像形成装置本体12に対して開かれることに連係して第2の位置から第1の位置へ移動する。また、保護部材74は、中間転写ベルト62が画像形成装置本体12に対して閉じられることに連係して、第1の位置から第2の位置へ移動する。
【0083】
保護部材74は、図10に示すように第1の位置に配置された状態においては、中間転写ベルト62の一部分、本実施の形態では、図3における主開閉部26を画像形成装置本体12に対して開かれる際に、ユーザーが装置前面から作業を行った場合に触れやすいベルトの前面部を覆い、中間転写ベルト62を保護している。より具体意的には、保護部材74は、中間転写ベルト62の支持ロール68と支持ロール70との間の位置を覆って保護している。これにより、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して開かれている際に、操作者が直接に中間転写ベルト62触れることを防止することができる。
【0084】
保護部材74は、図9に示されるように第2の位置に配置された状態においては、密閉部材78が取り付けられた側の端部が密閉部材78を介して前側板426に接触する。そして、保護部材74が前側板426に接触することで、保護部材74、前側板426、及び下側板424によって囲まれるようにして空間S2が形成される。
【0085】
空間S2は、空気が流れる流路として用いられている。すなわち、送風ファン464(図7参照)によって、図9及び図10における奥側から空気が供給され、図9及び図10における手前側に空気が抜ける。空間S2に送風ファン464を用いて空気を供給することに替えて、例えば送風ファン464とは別のファンを用いる等しても良い。
【0086】
空間S2内を空気が流れることで、空間S2の下方を移動する中間転写ベルト62が冷却される。また、空間S2内に気流が生じることで所謂エアカーテンが形成され、空気が流れる方向と交わる方向における気流が形成される位置に対する一方の側から他方の側へ熱が伝わりにくくなる。このため、空間S2よりも前側に位置する定着装置50(図2参照)から生じた熱が、空間S2よりも後側に位置する現像剤除去装置350に伝わりにくくなる。このため、現像剤除去装置350内に回収された現像剤の熱による溶融が生じにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上で説明をしたように、本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10・・・画像形成装置
12・・・画像形成装置本体
50・・・定着装置
60・・・中間転写ベルトユニット
62・・・中間転写ベルト
74・・・保護部材
78・・・密閉部材
350・・・現像剤除去装置
404・・・リンク機構
406・・・リンク機構
420・・・第2の電源ユニット
422・・・電源基板
460・・・外気供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像又は像を保持する記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材を保護する保護部と、
を有し、
前記保護部は、前記搬送部材の少なくとも一部分を覆う第1の位置と、空気が流れる流路を形成する第2の位置との間で移動する画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送部材は、画像形成装置本体に対して開閉可能に装着され、
前記保護部は、前記搬送部材が前記画像形成装置本体に対して開かれる動作に連係して前記第2の位置から前記第1の位置へと移動し、前記搬送部材が前記画像形成装置に対して閉じられる動作に連係して、前記第1の位置から前記第2の位置へと移動する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記保護部材が前記第2の位置に配置された状態において、前記流路を密閉する密閉部材をさらに有する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
現像剤を収納する収納部と、
少なくとも熱を用いて像を用紙に定着する定着装置と、
をさらに有し、
前記収納部と前記定着装置とは、前記流路を挟んで配置されている請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して開閉可能であり、像又は像を保持する記録媒体を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材と一体として前記画像形成装置本体に対して開閉可能であり、空気が流れる流路を形成する流路形成部と、
現像剤を収納する収納部と、
少なくとも熱を用いて像を用紙に定着する定着装置と、
を有し、
前記収納部と前記定着装置とは、前記流路を挟んで配置されている画像形成装置。
【請求項6】
前記流路形成部は、前記搬送部材を保護する保護部を、該流路形成部の少なくとも一部として有する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記流路形成部は、電源基板の周囲を覆う覆部を、該流路形成部の少なくとも一部として有する請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−197702(P2010−197702A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42287(P2009−42287)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】