説明

画像形成装置

【課題】両面印刷機能を備えた画像形成装置において、印刷時間を短縮した画像形成装置を提供する。
【解決手段】両面印刷機能を有する画像形成装置(1)において、受信した印刷データから白紙ページを判断する白紙ページ判断手段(白紙ページ判定部13)と、白紙ページの反対の面に印刷するページを両面印刷モードと片面印刷モードとの間を変更する印刷切替制御部21とを備え、印刷切替制御部は、片面印刷モード時の印刷条件への切替え時間と片面印刷時間との和が両面印刷時間よりも長い場合は、両面印刷モードのまま印刷させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、両面印刷機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成システムにおいては、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)(以降、LANと称する)や、USBやCentro、RS232C等に代表されるローカルポートHost I/Fに接続された上位装置(以降、ホストコンピュータ、ホスト、PCとも表記するものとする)と画像形成装置(以降、プリンタとも表記するものとする)を備えて構成される。
【0003】
そして、上位装置からは、印刷JOBデータの指令により、画像形成装置に対し、設定情報を画像形成装置のプリンタドライバや印刷用ソフトウェアに対して、片面印刷及び両面印刷の何れかを設定させ、画像形成を実行させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。そして、両面印刷から片面印刷への切替えは、両面印刷時のその用紙の裏面が白紙ページである場合には、そのときの印刷を画像データが存在する表面の片面印刷として切替えて実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−178740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の特許文献1の技術では、印刷JOBデータに片面印刷だけの印刷データが存在するとき、少なくとも両面印刷指定の印刷時間がかかるか、もしくは片面印刷データがあったとしても、印刷JOBデータによって印刷を実行していては、印刷時間がかかってしまうという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、前記課題を解決するために、両面印刷機能を備えた画像形成装置において、印刷時間を短縮した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、両面印刷機能を有する画像形成装置において、受信した印刷データから白紙ページを判断する白紙ページ判断手段(白紙ページ判定部)と、前記白紙ページの反対の面に印刷するページを両面印刷モードと片面印刷モードとの間を変更する印刷切替制御部とを備え、前記印刷切替制御部は、片面印刷モード時の印刷条件への切替え時間と片面印刷時間との和が両面印刷時間よりも長い場合は、両面印刷モードのまま印刷させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、両面印刷機能を備えた画像形成装置において、印刷時間を短縮した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図2】第1の実施形態の画像形成装置の印刷ルートを示す概略図である。
【図3】第1の実施形態の画像形成装置の両面印刷時の印刷走行を説明するための図である。図3(a)は、両面印刷時の反転ルートまでの用紙搬送ルートを説明するための図であり、図3(b)は、図3(a)に続く、両面印刷時の用紙搬送ルートを説明するための図である。
【図4】本発明の両面から片面印刷への切り替え判断処理と印刷実行処理フローを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における両面から片面印刷への切り替え判断処理フローを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態における片面印刷時の印刷時間短縮効果を説明するためのタイムチャート(その1)である。
【図7】第1の実施形態における片面印刷時の印刷時間短縮効果を説明するためのタイムチャート(その2)である。
【図8】本発明の第2の実施形態の画像形成装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図9】第2の実施形態の画像形成装置の印刷ルートを示す概略図である。
【図10】第2の実施形態の画像形成装置の両面印刷時の印刷走行説明するための図である。図10(a)は、両面印刷時の反転ルートまでの用紙搬送ルートを説明するための図であり、図10(b)は、図10(a)に続く、両面印刷時の用紙搬送ルートを説明するための図である。
【図11】第2の実施形態における両面から片面印刷への切り替え判断処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図11を参照して、本発明の画像形成装置(プリンタ)の実施形態について説明する。先ず、図1乃至図7を参照して、第1の実施形態の画像形成装置1について説明し、次いで、図8乃至図11を参照して第2の実施形態の画像形成装置1aについて説明する。なお、説明の記載において、同様の機能の部位については同符号を付して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の画像形成装置1は、図1に示すように、装置外部の上位装置2に接続されており、内部構成として、Host I/F制御部3、送受信メモリ4、PDLエミュレーション部5、PDLメモリ6、コントローラ制御部(CU)10、及び、エンジン制御部(PU)20を備えて構成される。
【0012】
そして、コントローラ制御部(CU)10は、印刷制御部11、片面/両面判定部12、白紙ページ判定部13、及び、エンジン監視部14を備えて構成され、また、エンジン制御部(PU)20は、印刷切替制御部21、片面印刷制御部22、両面印刷制御部23、及び、ヒータ制御部24を備えて構成される。
【0013】
前記各構成要素の役割を各ブロック単位で説明する。
画像形成装置1は、ここでの本実施形態での定義としては、プリンタを意味するものである。そして、上位装置2は、印刷JOBデータを作成し、その作成した印刷JOBデータをNetworkやLocal I/Fを経由して画像形成装置1に送信する。Host I/F制御部3は、上位装置2との通信を行い、印刷JOBデータや状態の問合せコマンド等を受ける。また必要に応じて、上位装置2にレスポンスを送信する双方向通信を使った管理を行う。また、送受信メモリ4は、上位装置2からの受信データ、また上位装置2への送信データを作成する際の格納エリアである。さらに、PDLエミュレーション部5は、印刷JOBデータを解析し、画像形成装置1内の専用言語であるプリンタ言語に置き換える。これによって、各ページ単位でデータが整理され、本実施形態で使われる重要データである両面印刷/片面印刷指定や白紙ページの情報もそのデータに含まれる。PDLメモリ6は、前記PDLエミュレーション部5によって印刷JOBデータを解析した結果を格納する共通エリアである。
【0014】
次に、コントローラ制御部10は、画像形成装置1全体の制御を行う中枢である。内外部のI/Fすべてにおいての管理を行う。以降、このコントローラ制御部10をCUとも記載するものとする。そして、コントローラ制御部10の構成要素である印刷制御部11は、本実施形態での中枢となり、エンジン制御部20との通信、管理を行う。印刷JOBデータが両面印刷指定であっても、白紙ページが表裏のどちらかの面に含まれる場合、状況に応じて、両面印刷から片面印刷への切替えの判断を行う。そして、片面/両面判定部12は、PDLメモリ6の情報によって、印刷JOBデータが片面印刷なのか、両面印刷指定か否かを判断する。白紙ページ判定部13は、PDLメモリ6の情報によって、白紙ページであるか否かを判断する。そして、エンジン監視部14は、エンジンの状態全体をCU側から管理する。印刷中、アラーム中、ヒータ温度切替え中等、CUからPUへ送受信するにあたって状況を監視する。
【0015】
そして、エンジン制御部20は、用紙走行における一連の動作を行うエンジン制御部全体を管理する。コントローラ制御部10によって要求されたJOBデータや設定データを印刷処理する。その後、一連の状態監視を行い、各ステータスやステップ変化のアテンションをコントローラ制御部10に通知する役割も担当する。また、必要に応じて搭載されたDuplex Unitやオプション装置部も共通部品として連動させて制御を行う。以降、このエンジン制御部20をPUとも記載する。そして、エンジン制御部20の構成要素である印刷切替制御部21は、用紙走行動作において、片面印刷と両面印刷との切替え、及び、それに伴う電子写真プロセスとして、ヒータ制御等、一連の管理を行う。また、片面印刷制御部22は、片面印刷動作として一連の管理を行い、両面印刷制御部23は、両面印刷動作として一連の管理を行う。そして、ヒータ制御部24は、用紙に画像データの影像として載置されている現像剤(トナー)の貼り付けを行うべく、それをしっかり定着させる為のヒータ温度制御を行う。
【0016】
次に、画像形成装置1の構成要素の動作について、同様に図1を参照して説明する。
上位装置2と画像形成装置1とは、Host I/F制御部3を介して接続され、コントローラ制御部10の管理によって、双方向通信が行われている。その接続方法には、Network、USB、Centro、RS-232C、IrDa、無線LAN等の幾つかの手段がある。そして、印刷JOBが発生した場合、Host I/F制御部3によって、送受信メモリ4に格納されたデータをPDLエミュレーション部5によって解析し、画像形成装置1内の専用言語であるプリンタ言語に置き換える。この結果は、ページメモリ共通情報として、PDLメモリ6に格納される。
【0017】
次に、印刷制御部11によって、PDLメモリ6格納されている情報が管理され、片面/両面判定部12によって、上位装置2からの印刷JOBデータが片面印刷指定か、それとも両面印刷指定かを判断する。更に白紙ページ判定部13によって、両面印刷データの表面、裏面のどちらかに白紙ページが含まれているかを判断する。エンジン監視部14では、エンジン制御部20全体の動作を監視し、これらの印刷JOBデータを出力するタイミングを前記印刷制御部11に伝える。
【0018】
更にエンジン制御部20では、コントローラ制御部10からの印刷要求の情報に従って、印刷制御がエンジン制御部20のブロックで実行される。印刷切替制御部21では、片面印刷と両面印刷との切替え、また、それに伴う電子写真プロセスとして、ヒータ制御等、一連の管理を行う。ヒータ制御部24では、この一連の印刷動作全般での用紙に画像データの映像として載っている現像剤(トナー)の貼り付けを行うべく、それを定着させる為のヒータ温度制御を行う。印刷切替制御部21によって、片面印刷制御部22と両面印刷制御部23とに振り分けて、それぞれの印刷で一連の管理を行う。
【0019】
図2は、第1の実施形態である画像形成装置1の印刷ルート(太線矢印で記載)を示す概略図である。
画像形成装置1には、両面印刷装置50(以降、Duplex Unitとも表記するものとする)が搭載されており、これを使用した両面印刷を実行する場合と、使用しない片面印刷のみの場合とでは、後記するように用紙走行路が異なる。両面印刷を行う場合には、表面、裏面の両面について印刷を行う為に、その用紙が印刷完了するまでには、明らかに物理的な用紙走行距離も増える。この状況は、画像形成装置1に更に給紙オプション装置であるセカンドトレイ60が拡張装着された場合にも同様である。
【0020】
以下、各構成要素についてその役割も含めて説明する。
画像形成装置1は、ここでの実施形態の定義としては、前記したようにプリンタを意味する。標準給紙力セット30は、給紙装置として用紙(媒体)を束ねて格納できる媒体装置であり、給紙ローラ31は、ホッピングローラとも表記するものとする。この給紙ローラ31は、標準給紙カセット30からの用紙を給紙させるローラである。また、手差しローラ32は、画像形成装置1の正面(図2においては、右側)に用紙を吸入させて印刷させる際に、給紙動作させる為のローラであり、マニュアルフィードとも表記するものとする。
【0021】
次に、印刷工程においては、先ず、入口センサ33は、用紙給紙動作が正常に実行されるか否かを監視する際に使用するセンサである。そして、IDユニット34は、トナー、感光ドラム、LEDヘッド(又はレーザヘッド、インクヘッド)が一体になった用紙媒体に印刷ヘッドでビットマップ上の画像データを現像剤に置き換えて用紙に載せる為の集合体である。なお、上記部品は個々の部品で分割されていてもよい。すなわち、印刷関係の消耗品である。次の、感光ドラム36は、LEDヘッドに表現されたビットマップ上の画像データを現像剤に置き換えて用紙に載せる為のハードウェア媒体であり、転写ローラ35は、この感光ドラム36上に画像データとして表現された現像剤を用紙に載せる為のローラである。そして、定着ユニット37は、ヒータによって加熱されており、用紙と現像剤とをその熱によって貼り付ける為の定着ローラを含む集合体である。
【0022】
排出センサ38(EXITSNS)は、画像形成装置1での単面印刷の為の電子写真プロセスが完了し、外に排出する際の監視を行う。片面印刷の場合には、用紙の後端がこのセンサを通過することにより、一連の印刷プロセスは完了を保証される為、該ページでのページメモリは解放され、次ページ以降の管理メモリに使われる。両面印刷の場合には、裏表の双方の印刷面が完了した場合には、片面印刷と同様のタイミングとなり、又、単面の印刷であれば、次の面の印刷の為に切替えを行うタイミングを監視する場所となる。
【0023】
そして、排出ローラ39は、目的の印刷面が完了した場合には、この排出ローラ39によって画像形成装置1の外に排出する。両面印刷で、もう1つの面の印刷が残っている場合には、現排出動作時の用紙の後端が、次の面を印刷させる際に用紙の先端となる為、その位置が両面印刷装置50へ給紙可能となる位置まで排出動作を行い、その後、この排出ローラ39を逆回転して用紙をスイッチバックして両面印刷装置50に向かって用紙走行させる。なお、この両面印刷時の反転ルート、及び、搬送ルートの解説については、図3(a)及び図3(b)を参照して後記する。
【0024】
次に、Host I/F部40は、上位装置2との双方向、単方向を含めた全ての通信ハードウェア I/F上のデータを掌る部分である。接続方法には、Network、USB、Centro、RS-232C、IrDa、無線LAN等の複数の手段がある。
【0025】
次に、両面印刷装置50は、Duplex Unitとも表記するものとする。両面印刷を行う為に、用紙を反転させるべく用紙走行路を作成する装置である。そして、Duplexセンサ51は、両面印刷時の給紙動作の正常確認と、次の面を印刷する際に両面印刷装置50からの給紙タイミングを作成するセンサである。
【0026】
次に、セカンドトレイ60は、前記したように給紙装置を拡張させる装置であり、標準給紙カセット30内の用紙を更に追加して使いたい場合や、別の種類の用紙媒体をその目的に応じて拡張できる。そして、セカンドトレイカセット61は、セカンドトレイ60用の給紙装置として用紙(媒体)を束ねて格納できる媒体装置である。セカンドトレイ給紙ローラ62は、前記給紙ローラ31と同様に、セカンドトレイカセット61からの用紙を給紙させるローラである。
【0027】
次いで、前記図2の概略図を基に、本実施形態の画像形成装置1の両面印刷時における印刷走行について図3(a)及び図3(b)を参照して説明する。
【0028】
本実施形態における、両面印刷時の反転ルートまでの用紙搬送ルートについて、図3(a)を参照して順次説明する。
(1)標準給紙カセット30の用紙が給紙ローラ31によってホッピング動作が行われる。
(2)感光ドラム36及び転写ローラ35によって、画像データとして表現された現像剤を用紙に載せ始める。
(3)定着ユニット37のローラによって、用紙の上に載置されている現像剤をその熱によって貼り付けを開始する。
(4)排出センサ38を通過して、単面での一連の該プロセスは完了し、その用紙先端が排出口に向けて走行する。
(5)現排出動作時の用紙の後端が、次の面を印刷させる際には用紙の先端となる為、その位置が両面印刷装置50へ給紙可能となる位置まで継続に排出ローラ39を同一方向へ回転させて、排出動作を行ない、その位置に到達したらこの排出ローラ39を、次に反転させる為に一時停止する。
(6)この排出ローラ39は前記(5)とは逆回転して、用紙をスイッチバックして両面印刷装置50に向かって用紙走行させる。
(7)用紙は、両面印刷装置50に向けて、進む。これにより、用紙面の反転動作が完了する。
【0029】
続いて、両面印刷時の搬送ルートについて図3(b)を参照して順次説明する。
(8)継続に反転された用紙が両面印刷装置50内の走行路の通過を開始する。
(9)このとき、用紙の先端がDuplexセンサ51へ、到達するように進行する。
(10)両面印刷装置50内の搬送の正常終了として、このDuplexセンサ51への到達により、両面印刷でもう1つの面の印刷の準備ができたことをコントローラ制御部10、及び、印刷制御部11へ、そのタイミングを通知し、この両面印刷装置50からの用紙を入口センサ33に向けて給紙させる。この動作は、図3(a)の(1)での動作と同様である。
以降は、図3(a)を参照して説明した前記(2)乃至(5)の動作と同様で、これによって、両面印刷が完了することから(5)では、この場合は、そのまま用紙後端が排出センサ38を通過しきるまで、排出ローラ39をそのまま用紙を外部に排出するように回転して印刷動作が完了となる。
【0030】
本実施形態は、図1に示した画像形成装置1のブロック図における、コントローラ制御部10、その構成要素の具体的な部分としては、印刷制御部11を中枢に、片面/両面判定部12、白紙ページ判定部13、エンジン監視部14について、従来の一連の印刷の為の電子写真プロセスを改良した画像形成装置である。
【0031】
本実施形態の一連の動作の特徴である、両面印刷から片面印刷への切替え判断処理と印刷実行処理フローについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
最初にPDLエミュレーション部5によって、上位装置2からの印刷JOBデータを解析し、画像形成装置1内の専用言語であるプリンタ言語に変換する。そして、各ページの単位でデータが整理されているPDLメモリ6の情報より、両面印刷モード指定であるか否かを判別する(S10)。その結果、NOとなる片面印刷モード指定であれば、そのまま片面印刷の実行を行い(S80)、終了する。また、YESであれば、次に進み、裏面、もしくは最初に印刷を行う印刷面が白紙ページであるか否かを判断する(S30)。この結果がYESであれば、両面から片面印刷切替え判断処理に進む(S100)。一方、NOであれば、両面共に印刷画像があることから、そのまま両面印刷を実行し(S90)、終了する。
【0033】
なお、本フローチャートにおける処理は、エンジン制御部20に対して、印刷要求を行うタイミングでページ毎に実行される。よって、その都度、状況を確認し、その判断結果を踏まえて実行される。
【0034】
両面から片面印刷切替え判断処理(S100)の内容については、各状況の印刷動作の切替えによって、性能アップ効果があるか否かを出力するサブルーチンとして、図5のフローチャートにて後述する。全体の動作の流れを説明するために、前記ルーチンS100の結果でYES/NOのそれぞれの場合について、この図4での説明を継続する。
【0035】
続いて、S50で、性能アップ効果があるか否かを判断する。その結果、YESとなった場合には、この両面印刷ページのみを一時的に片面印刷へ切り替えるように情報を変更して(S70)、片面印刷を実行し(S80)、終了する。また、この時の処置として、次ページ以降の印刷内容については、この先の印刷ページデータが作成された時に、結果として、同様に白紙ページ印刷が含まれていたとしても、またその時の最新の状態で判断するべきであり、現在判断を行った両面印刷ページのみ変更したとする必要がある。一方、S50で、NO、即ち性能アップ効果がないとなった場合には、印刷モード切替えの変更をせずに、そのまま両面印刷を実行して(S90)、両面印刷を実行して終了する。
【0036】
次に、第1実施形態における両面から片面印刷切替え判断処理(S100)について、図5を参照して、その処理フローを説明する。
【0037】
先ず、現状の印刷状態についての情報を取得する(S110)。この情報は、後処理の各判別時に使用するパラメータとして使用する。同様に、前処理として、この画像形成装置1の用紙走行距離とエンジン速度から決定される両面印刷時間Tdを変数として取得し(S120)、そして、同様にエンジン速度から決定される片面印刷時間Ts0を変数として、それぞれ基本情報として取得する(S130)。
【0038】
以上の準備が整った後の最初の判断として、現在の前のページが既に印刷中であるか否かを判定する(S140)。それによって、印刷切替えや印刷時の立上げ時間に影響する為である。その結果、NOとなれば、本ページが最初の印刷ページであることから、片面印刷から印刷を開始するものとして、その時間を変数Ts1−nに格納する(S190)。一方、この判定でYESとなれば、次にその前ページの印刷が、両面印刷であるか否かを判断する(S160)。その結果、YESであれば、両面印刷から片面印刷へ切替えるための現状からその時間を変数Ts1−nに格納する(S170)。また、NOであれば、前ページの印刷が、片面印刷ページであると判断できることから、片面印刷を継承する場合の時間を変数Ts1−nに格納する(S180)。
【0039】
前記各状況での場合分けで導き出された前記各変数Td 、Ts0、Ts1−nによって、両面印刷から片面印刷への切替え効果があるか否かが判定される(S200)。なお、変数Ts1−nについては、そのときに選択している用紙媒体や環境によっても変化のあるものであり、必ずしも静的な理論値として決定されるものではない。そして、両面印刷から片面印刷への切替え効果があるかを判定する式として、通常の両面印刷時間Tdに対して、それを片面印刷で実行した際の時間Ts0と、本実施形態の印刷を片面印刷で行うにあたっての切替え時間や立上げにかかるすべての時間Ts1−nとの和で比較する(S200)。
【0040】
その結果、YESの場合、すなわち、トータル時間として片面印刷へ切替えた場合の方が有効であれば、片面印刷への切替え効果有りと判断され(S210)、終了する。一方、判断がNO、有効でなければ、片面印刷への切替えは効果なしとして判断され、本来の印刷JOBデータ指定の通り、両面印刷で行い(S220)、終了する。
【0041】
この判定結果が、前記図4において説明した、両面から片面印刷切替え判断処理(S100)の出力値となり、サブルーチンとして前記図4の性能アップ効果の判断(S50)に戻る。
【0042】
次に、本実施形態における、片面印刷時の印刷時間短縮の効果を示す一例を、タイムチャート図6の1)乃至図6の5)を参照して説明する。
1)は、実際の印刷JOBデータの例を示す。この印刷イメージとして、上位装置2からは両面印刷指定でN枚の情報が有り、現時点として、前記PDLエミュレーション部5のページの単位で解析として、3枚目までの用紙の情報が確定されている状況にある。そして、本例では2枚目の裏面ページに白紙ページがある。次に、2)に示したチャートが、上位装置2からの指定通りに両面印刷を実行した際の各ページの印刷タイミングとその経過時間である。前記図5のフローチャートで参照した両面印刷モード時の印刷時間Tdは、各ページの裏面と表面の印刷がすべて完了するトータルの経過時間となる。
【0043】
そして、前記までの情報とは独立して、3)には、片面印刷モード時の印刷時間をTs0として定義する。
【0044】
また、その下の4)には、両面印刷モードから片面印刷モードへの切替え時間をTs1−nとして示した。なお、この時間Ts1−nは、そのときに選択している用紙媒体や環境によっても変化のあるものであり、必ずしも静的な理論値として決定されるものではない為、それぞれのタイミングでTs1−1、Ts1−2、Ts1−3、・・・と定義される。この時間Ts1−nは、Ts1−n=0となるような切替え時間が発生しない場合や、また逆に両面印刷時間を超えてしまうような大きな時間となる場合もありうる。
【0045】
これらの情報を踏まえて、本実施形態において、2枚目を片面印刷で実施した場合のチャートを5)に示す。ここでは、前記のTs1−nの値が小さい場合、すなわち、効果あるとなった場合を想定している。その結果として、Td>(Ts1−3+Ts0)となる差異時間T1の時間短縮の効果が得られた。
【0046】
本実施形態の場合、前記したように用紙のスイッチバック部分が用紙排出路と兼用になっているため、先行する用紙がスイッチバックする時間、待てるだけの間隔を空けて後続の用紙が搬送される必要がある。従って、機構部的には、両面から片面印刷に変更すると、スイッチバックの時間、すなわち、用紙1ページ分の走行時間と適当な間隔を要する時間との合計の時間を短縮することができる。また、機構的には、両面から片面印刷に変更すると、裏面を印刷する時間とスイッチバックに要する時間との合計の時間を短縮することできることになる。
【0047】
更に、本実施形態における、片面印刷時の印刷時間短縮の効果を示す他の例をタイムチャート図7の1A)乃至図7の5A)を参照して説明する。
1A)は、実際の印刷JOBデータの他の例を示す。この印刷イメージとして、上位装置2からは両面印刷指定でN枚の情報が有り、現時点として、前記PDLエミュレーション部5のページの単位で解析として、3枚目までの用紙の情報が確定されている状況にある。この場合、1〜3枚目の裏面ページに継続して白紙ページがある。
次の2A)に示したチャートが、上位装置2からの指定通りに両面印刷を実行した際の各ページの印刷タイミングとその経過時間である。両面印刷モード時の印刷時間Tdは、各ページの裏面と表面の印刷がすべて完了するトータルの経過時間となる。
【0048】
そして、前記タイムチャート同様に、3A)に、独立して、片面印刷モード時の印刷時間をTs0として定義する。
【0049】
更に、4A)には、両面印刷モードから片面印刷モードへの切替え時間を各状況による可変定数値をTs1−nとして示した。
【0050】
これらの情報を踏まえて、本実施例では、1枚目〜3枚目までを片面印刷した場合のチャートを5A)に示した。結果として、従来は両面印刷として印刷していた印刷JOBデータを、最初の用紙から3枚目まですべて両面印刷モードから片面印刷に切替えて実施していることにより、Td>(Ts1−1+Ts0)となる差異時間T2の大きな時間短縮の効果が得られた。
【0051】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、両面印刷モード時に裏面ページが白紙ページである場合に、画像形成装置1側の現在の動作として、前ページ印刷の状況や両面印刷を片面印刷に切替える際に必要なタイミングと時間を確認する。そして、その結果から切替えの判断をすることにより、印刷JOBデータによっては時間がかかってしまった問題を解消する効果が得られる。
【0052】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の画像形成装置1aの機能を示すブロック図を図8に記載する。本実施形態は、両面印刷時に用紙走行路に複数ページの同時用紙走行が可能な画像形成装置1aを考慮したものである。
【0053】
第1の実施形態では、図2の印刷ルートを踏まえてその印刷動作を解説したように、両面印刷時には、用紙の排出口の位置で印刷面を反転するようにスイッチバック動作を実行している為、先行して印刷している用紙の両面印刷装置50からの最後の面の印刷給紙動作が終わらない限り、次の用紙の給紙はできなかった。
【0054】
従って、本実施形態では、第1の実施形態における両面印刷時に両面印刷装置50の機構を含む用紙走行経路の違いと、その全体の制御の影響として、第1の実施形態の図1のコントローラ制御部10内に新たな構成部として両面印刷時の同時走行用紙の監視部15を備えたコントローラ制御部10aが構成されている。その作用が、本実施形態の中枢である印刷制御部11に新規情報として入力される。
【0055】
その他の全体構造は第1の実施形態の画像形成装置1と同様であるので、その差異の部分を中心に、図8を参照して、全体構造に影響にある部分のみを説明する。
本実施形態の画像形成装置1aは、ここでの実施形態の定義としては、第1の実施形態と同様に、プリンタを意味する。そして、PDLメモリ6は、印刷JOBデータを解析し、画像形成装置1a内の専用言語であるプリンタ言語に置き換えた結果を格納する共通エリアである。各ページの単位でデータが整理され、両面印刷/片面印刷の指定や白紙ページの有無の情報もそれに含まれる。
【0056】
コントローラ制御部10aは、画像形成装置1a全体の制御を行う中枢であり、内外部のI/Fすべてにおいての管理を行う。以降、CUとも記載するものとする。そして、コントローラ制御部10aの構成要素である印刷制御部11は、本実施形態での中枢であり、エンジン制御部20との通信、管理を行う。印刷JOBデータが両面印刷指定であっても、白紙ページが表裏のどちらかの面に含まれる場合、状況に応じて、両面印刷から片面印刷への切替え判断を行う。そして、片面/両面判定部12は、PDLメモリ6の情報によって、印刷JOBデータが片面印刷なのか、両面印刷指定か否かを判断する。また、白紙ページ判定部13は、PDLメモリ6の情報によって、白紙ページであるか否かを判断する。エンジン監視部14は、エンジンの状態全体をCU側から管理する。印刷中、アラーム中、ヒータ温度切替え中等、CUからPUへ送受信するにあたって状況を監視する。そして、両面印刷時の同時走行用紙の監視部15は、両面印刷時に用紙走行路に複数ページの同時用紙走行が可能な画像形成装置1aにおいて、そのときの状態を監視し、印刷制御部11にその情報を出力する。
【0057】
そして、エンジン制御部20は、用紙走行における一連の動作を行うエンジン制御部全体を管理する。コントローラ制御部10aによって要求されたJOBデータや設定データを印刷処理する。その後、一連の状態監視を行い、各ステータスやステップ変化のアテンションをコントローラ制御部10aに通知する役割も行う。また、必要に応じて搭載されたDuplex Unitやオプション装置部も共通部品として連動させて制御を行う。以降、PUとも記載する。
【0058】
次に、画像形成装置1aの構成要素の関係について、同様に図8を参照して説明する。
コントローラ制御部10aにおいて、印刷JOBデータを解析し、画像形成装置1a内の専用言語であるプリンタ言語に置き換えた後のデータ管理と制御の中枢は、印刷制御部11である。そして、前記PDLメモリ6情報を使って、片面/両面判定部12によって、上位装置2からの印刷JOBデータが片面印刷指定か、それとも両面印刷指定かを判断する。更に白紙ページ判定部13によって、両面印刷データの表面、裏面のどちらかに白紙ページが含まれているか否かを判断する。それぞれの結果は、印刷制御部11に出力される。エンジン監視部14では、エンジン制御部20全体の動作を監視し、これらの印刷JOBデータを出力するタイミングを印刷制御部11に伝える。そして、両面印刷時の同時走行用紙の監視部15では、両面印刷時に用紙走行路に複数ページの同時用紙走行が可能な画像形成装置1aにおいて、その時の状態を監視し、印刷制御部11にその情報を出力する。以上の要素を印刷制御部11がまとめ、コントローラ制御部10aからエンジン制御部14へ出力される。
【0059】
そして、図9は、本実施形態である画像形成装置1aの印刷ルート(太実線で記載)を示す概略図である。画像形成装置1aに両面印刷装置50a(以降、"Duplex Unit"とも表現する)が搭載されている。第1の実施形態と同様に、これを使用した両面印刷を実行する場合と、使用しない片面印刷のみの場合には一部の用紙走行路が異なり、両面印刷を行う場合には、表面、裏面の両面について印刷を行う為に、その用紙が印刷完了するまでには明らかに物理的な用紙走行距離も増えることが分かる。
【0060】
以下、各構成要素についてその役割も含めて、図9を参照して説明する。
画像形成装置1aは、本実施形態の定義として、プリンタを意味する。標準給紙カセット30は、給紙装置として用紙(媒体)を束ねて格納できる媒体装置である。そして、給紙ローラ31は、標準給紙カセット30からの用紙を給紙させるローラである。以降、ホッピングローラとも表記するものとする。
【0061】
次に、IDユニット34は、トナー、感光ドラム、LEDヘッド(又はレーザヘッド、インクヘッド)が一体になった用紙媒体に印刷ヘッドでビットマップ上の画像データを現像剤に置き換えて用紙に載せる為の集合体であり、上記部品は個々で分割されていてもよい。印刷関係の消耗品である。なお、ここでは、カラー機を例として4種類の異なる色のIDユニットを持っているものとして記載している。そして、感光ドラム36は、LEDヘッドに表現されたビットマップ上の画像データを現像剤に置き換えて用紙に載せる為のハードウェア媒体である。転写ベルト41は、感光ドラム36上に画像データとして表現された現像剤を用紙に載せる為のベルトである。そして、定着ユニット37は、ヒータによって加熱され、用紙と現像剤とをその熱によって貼り付ける為の定着ローラを含む集合体である。
【0062】
排出センサ38(EXITSNS)は、画像形成装置1aでの単面印刷の為の電子写真プロセスが完了し、外に排出する際の監視を行う。そして、排出ローラ39は、印刷完了した場合に、このローラによって画像形成装置1aの外に用紙を排出する。
【0063】
そして、両面印刷装置50aは、両面印刷の為に用紙を反転させるべく用紙走行路を作成する装置。以降、Duplex Unitとも表現するものとする。Duplexセンサ51は、両面印刷時の給紙動作の正常確認と、次の面を印刷する際に両面印刷装置50aからの給紙タイミングを作成するセンサである。そして、Duplex Unit走行切替えブレード52は、印刷終了後の用紙走行として、次に両面印刷装置50aに向かって進むのか、それとも印刷完了として、排出ローラ39方向に進むのかを切替えるブレードである。Duplex Unit吸入ローラ53は、用紙を両面印刷装置50a内に進める為のローラである。Duplex Unit内の用紙面反転の為のスイッチバック走行路54は、用紙面反転の為の専用走行路である。
【0064】
次に、この図9の概略図を基に、本実施形態の画像形成装置1aの両面印刷時における印刷走行について図10(a)及び図10(b)を参照して説明する。
【0065】
本実施形態における、両面印刷時の反転ルートまでの用紙搬送ルートについて、図10(a)を参照して順次説明する。
(1a)標準給紙カセット30の用紙が給紙ローラ31によってホッピング動作が行われる。
(2a)4つの各感光ドラム36及び転写ベルト41によって、画像データとして表現された現像剤を用紙に載せる。
(3a)定着ユニット37のローラによって、用紙の上に載っている現像剤をその熱によって貼り付けを開始する。
(4a)Duplex Unit走行切替えブレード52を両面印刷装置50a側に用紙が移動するように開け、Duplex Unit吸入ローラ53へ用紙の先端を突き当てるように進ませる。
(5a)現移動中の用紙の後端が、次の面を印刷させる際には用紙の先端となる位置が到達するまで進め、Duplex Unit吸入ローラ53を次に反転させる為に一時停止する。
【0066】
続いて、両面印刷時の搬送ルートについて図10(b)を参照して順次説明する。
(6a)Duplex Unit吸入ローラ53を(5a)とは逆回転させて、用紙をスイッチバックして用紙走行させる。
(7a)用紙は、両面印刷装置50a内に向けて進む。これにより、用紙面の反転動作が完了する。
(8a)用紙が両面印刷装置50a内の走行路の通過し、Duplexセンサ51へこの時の用紙の先端が到達するように進行する。
(9a)両面印刷装置50a内の搬送の正常終了として、このDuplexセンサ51への到達により、面印刷でもう1つの面の印刷の準備ができたとコントローラ制御部10a、印刷制御部11へ、そのタイミングを通知し、この両面印刷装置50aからの用紙を入口センサ33に向けて給紙させる。これは、図10(a)の(1a)での動作の動きと同様である。
(10a)次の印刷動作は、図10(a)の(2a)と(3a)の動作と同様である。
(11a)印刷完了として、Duplex Unit走行切替えブレード52を排出ローラ39側に進めるように開けて、排出ローラ39を用紙が外部に排出するように回転して完了となる。
【0067】
前記印刷ルートの説明の通り、本実施形態における画像形成装置1aは、両面印刷時に用紙面を反転させる為のスイッチバックの位置が通常の片面印刷時の用紙走行路とは異なる場所に確保されていることから、両面印刷時の連続印刷においても、一連の用紙走行において、複数用紙の同時走行が可能な構造を持っている。
【0068】
次に、第2実施形態における両面から片面印刷切替え判断処理について説明する。図4において説明した、両面から片面印刷切替判断と印刷実行処理フローチャートにおいて、両面から片面印刷切替え判断処理(S100)の部分を第1の実施形態に対して変更したものとなる。その他の各ステップについては同様であり、また更に、このフローチャートにある処理は、エンジン制御部20に対して、印刷要求を行うタイミングでページ毎に実行される。よって、その都度、状況を確認し、その判断結果を踏まえて実行される。
【0069】
図11を参照して、その処理フローを説明する。
先ず、現状の印刷状態についての情報を取得する(S310)。この情報を基に、後処理の各判別時に使用するパラメータに使用する。同じく前処理として、この画像形成装置1aの用紙走行距離とエンジン速度から決定される両面印刷時間Tdを変数として取り出し(S320)、次いで、エンジン速度から決定される片面印刷時間Ts0を変数としてそれぞれ基本情報として取り出す(S330)。
【0070】
以上の準備が整った後の最初の判断として、現在の前のページが既に印刷中であるか否かを判定する(S340)。それによって、印刷切替えや印刷時の立上げ時間に影響する為である。その結果、NOとなれば、本ページが最初の印刷ページであることから、片面印刷から印刷開始するものとして、その時間をTs1として変数Ts1−nに格納する(S390)。一方、この判定でYESとなれば、次にその前ページの印刷が、両面印刷であるか否かを判断する(S360)。その結果、NOであれば、前ページの印刷が、片面印刷ページであると判断できることから、片面印刷を継承する場合の時間を変数Ts1−nに格納する(S380)。
【0071】
また、YESであれば、用紙走行路の最終ページの両面印刷完了までの距離分に要する時間+連続用紙時の用紙間間隔の分の距離分に要する時間が、既に両面印刷で実行する場合の時間を超えていないか否かを判断する(S365)。この結果、NOであれば、前ページの印刷を片面印刷に切替えを行ってしまうと、今回のページが前ページを追い越してしまう為、印刷結果の順序が期待した結果に対して狂ってしまうので、その切替えは行わずにこのまま両面印刷で実行する必要がある(A)。したがって、その効果を確認する必要がない。本実施形態の画像形成装置1aでは、図10(a)と図10(b)で示されるように、装置内部に用紙を複数ページ留保できる両面印刷機能を備えており、この判断が必要になる。この結果、YESであれば、両面印刷から片面印刷へ切替える為の現状からその時間を変数Ts1−nに格納する(S370)。
【0072】
以上の各状況での場合分けで導き出された前記各変数Ts0、Ts1−n、Tdによって、両面から片面印刷への切替え効果があるか否かが判定される(S400)。なお、変数Ts1−nについては、その時に選択している用紙媒体や環境によっても変化のあるものであり、必ずしも静的な理論値として決定されるものではない。
【0073】
両面から片面印刷への切替え効果があるか否かを判定する式として、通常の両面印刷時間Tdに対して、それを片面印刷で実行した際に時間Ts0と、本実実施形態の印刷を片面印刷で行うにあたっての切替え時間や立上げにかかるすべての時間Ts1−nとの和で比較する。その結果、YES、即ちトータル時間として片面印刷へ切替えた場合の方が有効であれば、片面印刷への切替え効果有りとなり(S410)、片面印刷への切換えを行い終了する。一方、判断がNO、即ち有効でなければ、片面印刷への切替えは効果なしとして、本来の印刷JOBデータ指定の通り、両面印刷で行うほうが有効となり(S420)、切換えをせずに終了する。
【0074】
この判定結果が、前記の両面から片面印刷切替え判断処理(S100)の出力値となり、サブルーチンとして前記図4の性能アップ効果の判断(S50)に戻る。
【0075】
本実施形態の場合、図10(a)及び図10(b)の(4a)、(5a)、(6a)、及び(7a)に示したように、専用のスイッチバック走行路54が排出ローラ39への排紙路とは別に設けられている。そして、両面印刷時の場合には、連続する用紙間に、Duplex Unit走行切替えブレード52が上下する動作時に間に合うだけの時間間隔が必要となる。
【0076】
したがって、両面から片面印刷への切替えの場合、片面印刷が連続発生する場合は、Duplex Unit走行切替えブレード52を排出ローラ39側から切替える必要がないので、その分連続する用紙間隔を短くできるという効果がある。また、片面印刷が単数である場合は、効果の有無が発生する場合がある。例えば、4枚連続印刷中に、1枚目のみを片面印刷に切替えるとすると、1ページ目の裏面印刷を省略しても、印刷順番を変更せずに時間短縮可能となる。ところが、4枚連続印刷中に、2枚目のみを片面印刷に切替えるとすると、最初に印刷される1枚目の裏面と3枚目の裏面を印刷する間に時間余裕はできるが、印刷出力順番をそろえるためには、その後の1、2、3ページ表面の印刷は両面印刷相当の用紙間隔が必要となるため、印刷開始から出力完了までの時間は同じとなる。
【0077】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、両面印刷モード時に裏面ページが白紙ページである場合に、画像形成装置1a側の現在の動作として、前ページ印刷の状況や両面印刷を片面印刷に切替える際に必要なタイミングと時間を確認する。そして、その結果から切替えの判断をする。更に、用紙を内部に複数ページについて留保できる両面印刷機能を備えている場合に、予め、その条件を確認して切替えの判断を加えて拡張するため、印刷JOBデータによっては時間がかかってしまった問題を解消する効果が得られる。
【0078】
(変形例1)
以上説明した、本発明の実施形態では、画像形成装置の中でも特にプリンタに適した例について説明したが、本発明の技術的思想は、多機能プリンタ(MFP:Multi Functional Printer)、ファクシミリ、スキャナ、証書、小切手、為替、及びトラベラーズチェック発行機等の、本実施形態における上位装置と同様のデータ上位装置からの指示により、印刷や情報の参照操作を利用する装置全般に適用が可能である。
【0079】
(変形例2)
また更に、取り扱うデータとして、可視データのみならず、音楽メディアにおける視聴データの作成時におけるDVD、CD、あるいは、HD等のマルチメディアへデータを書き込む場合にも、本発明の適用が可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1、1a 画像形成装置
2 上位装置
3 Host I/F制御部
4 送受信メモリ
5 PDLエミュレーション部
6 PDLメモリ
10、10a コントローラ制御部(CU)
11 印刷制御部
12 片面/両面判定部
13 白紙ページ判定部(白紙ページ判断手段)
14 エンジン監視部
15 両面印刷時の同時走行用紙の監視部
20 エンジン制御部(PU)
21 印刷切替制御部
22 片面印刷制御部
23 両面印刷制御部
24 ヒータ制御部
30 標準給紙カセット
31 給紙ローラ(ホッピングローラ)
32 手差しローラ(マニュアルフィード)
33 入口センサ
34 IDユニット
35 転写ローラ
36 感光ドラム
37 定着ユニット
38 排出センサ(EXITSNS)
39 排出ローラ
40 Host I/F部
41 転写ベルト
50、50a 両面印刷装置(Duplex Unit)
51 Duplex センサ
52 Duplex Unit走行切替えブレード
53 Duplex Unit吸入ローラ
54 スイッチバック走行路
60 セカンドトレイ
61 セカンドトレイカセット
62 セカンドトレイ給紙ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面印刷機能を有する画像形成装置において、
受信した印刷データから白紙ページを判断する白紙ページ判断手段と、
前記白紙ページの反対の面に印刷するページを両面印刷モードと片面印刷モードとの間を変更する印刷切替制御部とを備え、
前記印刷切替制御部は、
片面印刷モード時の印刷条件への切替え時間と片面印刷時間との和が両面印刷時間よりも長い場合は、
両面印刷モードのまま印刷させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記両面印刷機能は、
片面印刷したN枚の用紙を内部に留保することができ、
前記印刷切替制御部は、
先行したページに連続したN枚以上の片面印刷ページデータがあった場合は、
片面印刷モードに切り替わる機能を持っていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−221520(P2010−221520A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71374(P2009−71374)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】